JP4142989B2 - 集塵カップ及び電気掃除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、掃除機本体に着脱自在に取付けて使用される集塵カップ、及び集塵部として例えば前記集塵カップを備えた電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばサイクロン式電気掃除機では、その集塵部に、掃除機本体に対して着脱自在な集塵カップが用いられている。この集塵カップとして、底面が開口されているとともに、この開口を開閉する蓋を有したものが知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−111699号公報(段落0044−0045、図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載された集塵カップは、その蓋を、蓋側面に設けたハンドル部の上面に突出する底面開放ボタンを押し下げることにより、開放できる。それにより、集塵カップに溜められている塵を外部に排出可能である。
【0005】
この塵の排出は、塵の自重落下のみに依存しており、この落下を補助する手段を従来の集塵カップは備えていない。
【0006】
ところで、集塵カップ内に捕捉されている塵の内で、綿塵や毛髪などのような軽い塵は絡まり易く、これを原因として集塵カップ内の塵は一まとまりになっている場合が多く、このまとまりの塵は集塵カップに嵌り込んだ状態になっていることがある。又、集塵カップは合成樹脂製であるので、その内面に微細な粉状の塵が静電気で付着していることがある。特に、サイクロン式の集塵を行う集塵カップはこのカップに静電気を生じ易いので、微細な塵が付着し易い。
【0007】
したがって、前記のように単純に蓋を開いただけでは、集塵カップに嵌り込んだ状態になっている塵や、静電気で付着している微細な塵等を、円滑に排出することは困難な場合がある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、捕捉した塵を排出し易い集塵カップ及び電気掃除機を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、付勢体によりカップ本体に向けて付勢されていてカップ本体が有する開口を開閉する蓋の開放動作に連動してカップ本体を叩く叩き体を、カップ本体の外側に配置するとともに、蓋の閉じ状態で叩き体とカップ本体との間に挿入される挿入突起を蓋に設け、この挿入突起が、叩き体と接触して閉じ状態の蓋が開く方向の分力を受ける斜状部と、叩き体とは非接触となるように斜状部に連なって叩き体をカップ本体から離すスペーサ端部とを有していることを特徴としている。
【0010】
本発明では、カップ本体内の塵を捨てる際に、蓋を開くことに連動して、叩き体がカップ本体を叩いて、カップ本体を振動させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0012】
図1に例示するキャニスタ型の電気掃除機1は、掃除機本体2と、これに内蔵された電動送風機3と、集塵部例えば掃除機本体2に着脱自在な集塵カップ4と、被掃除面から吸込んだ含塵空気を掃除機本体2内に導く図示しない気流ガイド及び吸込み口体とを具備している。気流ガイドは可撓性吸塵ホース及び延長管等からなる。
【0013】
掃除機本体2は、移動車輪5、6が取付けられている本体ケース7と、この本体ケース7に回動可能に取付けられて本体ケース7の上面を開放可能に覆うケース蓋8とを備えている。本体ケース7には、電動送風機3が内蔵されているとともに、この電動送風機3の吸気口3aに空気を導くエアーガイド9と、前方に突出する載置部10とを有している。
【0014】
ケース蓋8は下方に向けて開口する平たい箱状をなしている。ケース蓋8は、このケース蓋8を閉じた状態で集塵カップ4とエアーガイド9とを連通する吸気路15を有している。なお、図1中符号16、17は、吸気路15と集塵カップ4との間、吸気路15とエアーガイド9との間の気密を保持するシール部材を示している。ケース蓋8はその先端部に吸塵口18を有している。吸塵口18は吸気路15とは直接には連通していない。この吸塵口18には前記気流ガイドの吸塵ホースなどが取外し可能に接続されるようになっている。
【0015】
図2〜図6に示すように集塵カップ4は、カップ本体21、蓋31、フィルタ51、52、及び叩き体55等を備えている。集塵カップ4は、閉じ位置のケース蓋8と載置部10との間に挟まれて掃除機本体2に取付けられ、ケース蓋8を開き位置に開放することによって載置部10から取外せる。
【0016】
カップ本体21は、例えば隔壁22によって仕切られた上部室23及び下部室24を有しているとともに、入口25とハンドル26とを有している。ハンドル26はカップ本体21の側方に位置して上下方向に延びて設けられている。上部室23と下部室24とは横断面形状はいずれも図示しないが円形状である。上部室23と入口25とは連通部27を通して連通されている。連通部27は、入口25を通った含塵空気が上部室23の内周面に沿って流動するように含塵空気を通過させる構造に作られている。隔壁22には、上部室23の内周面に沿って流動する空気を下部室24に流入させる連通孔28(2点鎖線参照)が設けられている。
【0017】
上部室23の底壁をなす隔壁22には網製のフィルタ51が固定されている。上部室23の上端は開口されており、この開口にはフィルタ52が着脱可能に取付けられている。このフィルタ52は微細塵を捕捉用のものでフィルタ51よりもメッシュが細かい。
【0018】
下部室24の下端は開口されている。この開口は円板状の蓋31により開閉されるようになっている。蓋31は、例えばハンドル26とは略180°離れて配置された枢軸32を介してカップ本体21に回動可能に取付けられていて、その回動により、図2中実線で示すようにカップ本体21の開口24aを閉じる閉じ位置と、図2中2点鎖線で示すように開口24aを開く開き位置とに渡って移動できる。閉じ位置から開き位置への蓋31の移動は自重を利用して行なわれ、開き位置から閉じ位置への蓋31の移動は使用者による閉じ操作で行なわれる。
【0019】
蓋31の枢軸32から略180°離れた自由端部には上向きのフック33が一体に形成されている。カップ本体21には、ハンドル26側に位置して蓋ロック機構34、及び蓋ロック解除機構40が夫々設けられている。
【0020】
図3及び図5等に示すように蓋ロック機構34は、カップ本体21の下端部外面に枢軸35により回動可能に取付けられたロック部材36と、このロック部材36を付勢するばね37とを備えている。ロック部材36は、フック33が係脱されるフック受け部36aを下部に有し、蓋ロック解除機構40との係合部36bを上部に有している。枢軸35はフック受け部36aと係合部36bとの中間位置においてロック部材36を貫通して設けられている。カップ本体21の外面に突設された固定ばね受け38と、ロック部材36のばね受け部36cとの間に、ばね37が圧縮された状態で挟まれている。ばね受け部36cは係合部36bの真下に設けられている。
【0021】
カップ本体21の下端の開口24aを蓋31が閉じた状態では、図3に示すようにフック33がロック部材36のフック受け部36aに上側から引っ掛かっており、この係合状態はばね37の付勢力で保持される。したがって、フック33をフック受け部36aから外すことによって、蓋31をその自重で開くことが可能である。
【0022】
蓋ロック機構34の上方に配置されている蓋ロック解除機構40は、カップ本体21の外面に沿って配設された解除部材41と、解除釦42と、付勢体であるばね45とを有している。解除部材41は細長い平板であって、その長孔41aに通された一対のガイド44にガイドされて昇降可能である。この解除部材41の下端は係合部36bに当接されている。解除釦42はハンドル26に枢軸46を介して回動可能に取付けられている。この解除釦42は、ハンドル26の上面から突出して押圧操作可能に配置されているとともに、ばね45によって上向きに付勢されている。更に、解除釦42は解除部材41の上端に接する押し下げアーム部42aを有している。
【0023】
このため、解除釦42をばね45にこうして押圧操作するに伴って、この解除釦42が枢軸46を支点にして傾くので、押し下げアーム部42aを介して解除部材41を押し下げることができる。そのため、ロック部材36がばね37に抗して図3に示す状態から図5に示すように回動されるに伴い、このロック部材36のフック受け部36aがフック33から外れる。これにより、蓋31が自然に開かれる。なお、解除釦42の押圧を解放すると、ばね37の力でロック部材36が元の位置に戻される。このため、開いている蓋31が手で閉じ位置に押上げられると同時に、この蓋31のフック33がフック受け部36aに引っ掛かるので、蓋31を閉じ状態に保持できる。
【0024】
図3〜図6に示すようにカップ本体21の下部外周例えば蓋ロック機構34の近傍には、前記叩き体55が以下のように設けられている。叩き体55は、シーソー運動ができるように枢軸56を介して取付けられていて、この枢軸56より下側部分を叩打部55aとして機能させている。叩き体55は、枢軸56より上方に配置された付勢体であるばね57で、叩打部55aがカップ本体21の下部外周面に衝突する方向に付勢されている。
【0025】
この叩き体55を蓋31の開き動作に連動して叩き動作させるために、蓋31には叩き体55に対応して挿入突起61が一体に設けられている。挿入突起61は、蓋31を閉じた際に叩き体55の叩打部55aとカップ本体21の周壁との間に挿入されるものであって、斜状部61a及びスペーサ端部61bとを有している。ばね57の付勢力で叩打部55aが押し付けられる斜状部61aは、叩打部55aにより加えられるばね力の分力を受け、この分力を閉じ状態の蓋31に開く方向に向けて与えるように設けられている。スペーサ端部61bは斜状部61aに連なって設けられている。このスペーサ端部61bは、叩打部55aがカップ本体21に衝突する時に、この叩打部55aとは非接触となるように折れ曲がっている。更に、図4に示すようにスペーサ端部61bの出幅Wによって、叩打部55aがカップ本体21の周壁から離され、この出幅Wに応じたストロークで叩打部55aがカップ本体21の周壁に衝突できるようになっている。
【0026】
図3に示されるように蓋31が蓋ロック機構34で閉じ位置に保持されている状態では、図4に示すように挿入突起61が叩き体55の叩打部55aとカップ本体21の周壁との間に挿入されていて、ばね57の力で蓋31が開き方向の分力を受けているにも拘らず、蓋31が不用意に開くことはない。
【0027】
しかし、既述のように蓋ロック解除機構40を操作して、蓋ロック機構34を解放状態とすることで、ロック部材36がフック33から外れて蓋31を閉じ位置に保持する拘束作用が消失するので、蓋31はその自重および前記分力を受けて自重で開かれる。
【0028】
この場合、挿入突起61の下方への変位に伴い、ばね57で付勢されている叩き体55の叩打部55aが斜状部61aを外れた瞬間に、叩き体55の叩打部55aが、前記出幅Wに応じたストロークでカップ本体21の周壁に勢いよくぶつかる。これにより、カップ本体21が振動される。図5及び図6にロック部材36がフック33から外れて蓋31が開き始めた状態を示す。
【0029】
前記構成の集塵カップ4は、既述のように閉じ位置のケース蓋8と載置部10との間に挟まれて掃除機本体2に取付けられる。これにより、図1に示すように集塵カップ4の入口25がケース蓋8の吸塵口18の下流側に接続され、かつ、集塵カップ4の出口をなした上部室23の上端開口を塞いで取付けられたフィルタ52が、吸気路15の入口に接続される。なお、吸気路15の出口はエアーガイド9の入口に接続されている。
【0030】
このため、吸塵口18に気流ガイドなどを接続して電動送風機3を動作させることにより、図1中矢印で示すような気流の流れが形成されて、サイクロン式の集塵が行なわれる。この集塵では、上部室23では、フィルタ52を通ろうとする軽い塵が捕捉される一方で、空気中の重い塵は上部室23の内周面に沿って流動されながら、やがて連通孔28を通って下部室24に流入して、この下部室24に溜められる(捕捉される)。そして、下部室24において、旋回流の中央部で反転上昇する気流は、フィルタ51を通って上部室23の中央部を上昇し、更に、フィルタ52を通過して吸気路15に吸込まれる。
【0031】
以上の集塵により集塵カップ4内の下部室24に溜められた塵を捨てるには、ケース蓋8を開いて掃除機本体2外に集塵カップ4を取出して、適当な塵捨て場において既述のように蓋ロック解除機構40の解除釦42を押圧操作すればよい。これにより、蓋31が自然に開いて下部室24の下端の開口24aが開放される。この場合、蓋31の開き動作に連動して既述のように叩き体55の叩打部55aがカップ本体21の下部室24の下部に衝撃を与えて、このカップ本体21の下部を振動させることができる。
【0032】
したがって、塵が一まとまりになっていて下部室24の下部に嵌り込んだ状態になっていても、この塵を自由落下させて排出し易くできる。これとともに、下部室24の内面に静電気で付着している微細な塵についても、これを前記内面から脱落させて排出し易くできる。しかも、塵捨てのために必然的に行なわれる蓋31の開き動作以外には、格別にカップ本体21を振動させる手間を要さない。又、叩き体55はカップ本体21の外側に配置されているので、既述の塵捨てにおいて排出される塵が叩き体55に引っ掛かることがない。
【0033】
本発明は、前記一実施形態には制約されない。例えば蓋31はカップ本体21の上端開口を開閉するものであってもよい、この場合、蓋31はフィルタを有して形成すればよく、その塵捨て操作はカップ本体21を使用時の姿勢とは上下逆様にして行えばよい。更に、本発明において、カップ本体は、上部室と下部室とを有するものに限らずに単一の室を有したものであってもよいとともに、蓋31が枢軸56を支点に回動を伴ってカップ本体21の開口を開閉する場合、その開き速度を速くするために蓋31を開き方向に付勢するトーションばねを設けることは妨げない。
【0035】
更に、本発明において、叩き体は一つではなく複数設けてもよく、この場合、蓋の開き角度に応じて時間差をもって各叩き体が集塵部をなすカップ本体又は集塵室を叩くようにするとよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、嵌り込んだ状態になっている塵及び静電気で付着している微細な塵等も、容易に排出可能な集塵カップ及び電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る集塵カップを備えた電気掃除機の掃除機本体を示す断面図。
【図2】図1の集塵カップを示す断面図。
【図3】図1の集塵カップをその蓋が閉じた状態で一部切欠いて示す正面図。
【図4】図3中Z−Z線に沿う断面図。
【図5】図1の集塵カップをその蓋が開き始めた直後の状態で一部切欠いて示す正面図。
【図6】図5中Y−Y線に沿う断面図。
【符号の説明】
1…電気掃除機、2…掃除機本体、3…電動送風機、4…集塵カップ、21…カップ本体、24a…カップ本体の開口、31…蓋、32…枢軸、33…フック、34…蓋ロック機構、35…枢軸、36…ロック部材、36a…フック受け部、36b…係合部、37…ばね、38…固定ばね受け、40…蓋ロック解除機構、41…解除部材、42…解除釦、43…ばね、51、52…フィルタ、55…叩き体、55a…叩打部、56…枢軸、57…ばね(付勢体)、61…挿入突起、61a…斜状部、61b…スペーサ端部
Claims (2)
- 開口を有するカップ本体と、前記開口を開閉する蓋と、前記カップ本体の外側に配置されているとともに付勢体により前記カップ本体に向けて付勢されていて前記蓋の開放動作に連動して前記カップ本体を叩く叩き体と、を具備し、
前記蓋の閉じ状態で前記叩き体と前記カップ本体との間に挿入される挿入突起を前記蓋に設け、この挿入突起が、前記叩き体と接触して閉じ状態の前記蓋が開く方向の分力を受ける斜状部と、前記叩き体とは非接触となるように前記斜状部に連なって前記叩き体を前記カップ本体から離すスペーサ端部とを有していることを特徴とする集塵カップ。 - 掃除機本体内の電動送風機の動作により、前記掃除機本体に着脱自在に取付けられた集塵カップに含塵空気を吸込み、吸込んだ塵を前記集塵カップに捕捉する電気掃除機において、前記集塵カップに請求項1に記載の集塵カップを用いたことを特徴とする電気掃除機。
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