JPS6018203Y2 - 電気掃除機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、操作部材を一方向に移動することにより、
掛止部材の掛止作用を解除して蓋体を開放させ、集塵室
内の塵埃を排出できるようにした電機掃除機に関するも
のである。

従来、この種の電機掃除機として、例えば、特開昭５４
−５１２５８号公報に示されるように、■個の操作部材
を塵埃排出部材と蓋体用掛止部材とに関連させ、その操
作部材の操作によって、前記掛止部材の掛止作用を解除
して蓋体を開放すると同時に、前記塵埃排出部材で集塵
室内の塵埃を外部に排出するようにした電機掃除機が存
在する。

ところが、このものによると、前記蓋体が開放されると
同時に塵埃が外部に排出されるようになっているので、
その蓋体の開放時に生ずる空気流によって塵埃が周囲に
飛散し、非衛生的であると共に、周囲が細塵によって汚
れる欠点がある。

然るに、この考案は、操作部材の最初の操作によって蓋
体のみを開放できるようにし、操作部材の次の操作によ
って集塵室内の塵埃を塵埃排出部材で排出できるように
して、前記した従来のものの如き欠点を一層できるよう
にするものである。

以下に一実施例を示す図面を参照してその詳細を説明す
る。

図中７は掃除機フレームであり、電動送風機（図示せず
）を内蔵した主部ケース８と、その主部ケース８の前面
に分離可能に接続される塵ケース９とから構成されてい
る。

前記塵ケース９は前後両方向に開口した筒状をなし、上
面にハンドル９ｄを有している。

１０は前記塵ケース９と一体に形成された仕切壁であり
、塵ケース９の前方部分を、仕切壁１０より上方の上方
集塵室９ａと仕切壁１０の下方部分を含む下方集塵室９
ｂとに区画形成しており、下方集塵室９ｄは仕切壁１０
より下方の部分のみが塵ケース９の前方開口部に開口し
ている。

１１は前記仕切壁１０後端と塵ケース９内壁との間に取
付けられた粗目フィルタ枠であり、格子状に延びるリブ
ｌｌａを有している。

１２は前記粗目フィルタ枠１１に張設された粗目フィル
タ、１３は前記塵ケース９の後方開口部に着脱自在に装
着された細目フィルタ枠、１４は前記細目フィルタ枠１
３に張設された細目フィルタであり、従って、前記塵ケ
ース９内には、上方集塵室９ａによって粗目フィルタ１
２により捕促された粗塵を集積するための粗塵室が、粗
目フィルタ１２と細目フィルタ枠１４との間には、前記
下方集塵室９ｂと連通し、且つ細目フィルタ枠１４によ
り捕促された細塵を集積するための細塵室がそれぞれ構
成される。

１６は前記塵ケース９の前方開口部を開閉可能に覆う蓋
体、１７は前記塵ケース９の上面壁９ｃ上に固定された
取付金具であり、前記蓋体１６の上部が枢着１６ａされ
ている。

１８は前記蓋体１６を開放方向に附勢するための線ばね
、１９は前記蓋体１６に穿設された吸入口であり、前記
上方集塵室９ａと連通している。

２０は前記蓋体１６に上下方向に摺動可能に設けられた
掛止部材であり、下端には前記塵ケース９下部に掛合可
能な掛止爪２０ａを有しており、常にばばね２１より上
方に向かつて附勢されている。

２２は上端が前記塵ケース９より上方に突出し、且つハ
ンドル９ｄを握った状態で片手で操作可能な操作部を有
する操作部材であり、上下方向に摺動可能に支持されて
いると共に常にはコイルばね２３により上方に向かつて
附勢されている。

前記操作部材２２の突出部２２ａの先端下面は、前記掛
止部材２０の上端と対応していると共に突出部２２ａの
基端側には透孔２２ｂが形成されている。

従って、前記操作部材２２をコイルばね２３の作用に抗
して押下すると、掛止部材２０がばね２１の作用に抗し
て下方に摺動して掛止爪２０ａと塵ケース９下部との掛
合が解除され、それにより蓋体１６は、線ばね１８の作
用により枢支部１６ａを中心として開放方向に回動する
。

２４は前記塵ケース９の上面壁９ｃ上に取付金具１７に
より前後方向に摺動可能なように保持された略り字状を
なす阻止部材であり、常にはコイルばね２５により前方
に向かつて附勢されている。

前記阻止部材２４の前端は、前記蓋体１６を閉鎖方向に
回動させたとき、蓋体１６の後面に当接し、それにより
阻止部材２４はコイルばね２５の作用に抗して後方に摺
動する。

又、その上端は、前記操作部材２２とわずかな間隙ａを
おいてそれと対向している。

２６は前記塵ケース９の上面壁９ｃを貫通して上方に延
びる連杆であり、常にはコイルばね２７により上方に附
勢されている。

前記連杆２６の上端は、前記操作部材２２とわずかな間
隙すをおいて対向しており、この間隙すは前記間隙ａよ
り大きくなるように設定されている。

２８は略り字状をなす塵埃排出部材であり、前記塵ケー
ス９の上面壁９ｃ下面に沿って前後方向に延びる腕部２
８ａと、その腕部２８ａの後端より前記粗目フィルタ１
２の前面に沿って下方に延びるかき出し部２８ｂとから
構成されている。

前記腕部２８ａの前端は、前記塵ケース９の前方開口部
附近の上面壁９ｃ下面に枢着されており、又、前記かき
出し部２８ｂは前記粗目フィルタ枠１１のリブｌｌａと
合致する格子状に形成されている。

２９は前記腕部２８ａと塵ケース９の上面壁９Ｃとの間
に張設されたばねである。

以上のように構成されたものにおいて、今、電動送風機
を駆動すると、吸入口１９から粗目フィルタ１２及び細
目フィルタ１４を通して空気が吸引され、その吸引空気
中に含まれた塵埃のうち、粗大のものが粗目フィルタ１
２により捕促されて粗塵室（上方集塵室）内に、微細な
ものが細目フィルタ１４により捕促されて細塵室にそれ
ぞれ集積される。

塵ケース９のハンドル９ｄを握り、塵ケース９を主部ケ
ース８より分離した後、ハンドル９ｄを握っている手で
操作部材２２の操作部を押圧操作すると、操作部材２２
の下端が阻止部材２４の上端と当接するまで、操作部材
２２を押し下げることができる。

前記操作部材２２の押圧操作に伴なって掛止部材２０が
下方に摺動して掛止爪２０ａと塵ケース９下部との掛合
が外れる（第４図参照）。

それにより蓋体１６は、線ばね１８の作用により枢支部
１６ａを中心として開放方向に回動し、塵ケース９の前
方開口部が開放される。

この時、掛止部材２０は、蓋体１６の回動に伴なって操
作部材２２の突出部２２ａより離れるので、ばね２１の
作用により元の上方位置に復帰する。

操作部材２２より手を離すと、操作部材２２はコイルば
ね２３の作用により上方に移動すると同時に阻止部材２
４がコイルばね２５の作用により前方に摺動する（第５
図参照）。

次に再び操作部材２２を押圧操作すると、今回は阻止部
材２４が前方側に位置しているため、阻止部材２４の上
端側が操作部材２２の透孔２２ｂを貫通し得、従って、
操作部材２２は、蓋体１６が塵ケース９の前方開口部を
閉鎖しているとき（第１図参照）に比べてより深く押圧
操作することができる。

操作部材２２の押圧操作に伴なって、連杆２６が下方に
摺動すると共に塵埃排出部材２８が腕部２８ａの前端を
中心に第１図において時計方向に回動腰かき出し部２８
ｂによって粗塵室（上方集塵室）内に集積された塵埃が
塵ケース９外に排出される。

従って、この時、塵ケース９の前方開口部側が低くなる
ように塵ケース９を傾けた後、操作部材２２を押圧操作
すると、細目フィルタ１４により捕促された細塵と、粗
目フィルタ１２により捕促された粗塵とを同時に塵ケー
ス９の前方開口部より捨てることができるものであり、
片手にて容易にごみ捨て作業を行なうことができる。

操作部材２２より手を離すと、塵埃排出部材２８はばね
２９の作用により、又、操作部材２２はコイルばね２３
の作用によりそれぞれ元の位置に復帰する。

蓋体１６を枢支部１６ａを中心として線ばね１８の作用
に抗して回動させると、掛止爪２０ａが塵ケース９の前
方下部に掛合し、蓋体１６が塵ケース９の前方開口部を
閉鎖した状態に保持される。

この時、阻止部材２４は、その先端が蓋体１６の後面に
当接し、コイルばね２５の作用に抗して後方に摺動する
。

以上詳述したように、この考案は、操作部材によって掛
止部材の掛止作用を解除することにより蓋体を開放して
、集塵室内の塵埃を外部に排出できるようにした電機掃
除機を対象として、特に、前記操作部材と蓋体との間に
、その操作部材の前記一方向の移動により前記操作部材
の掛止作用が解除された時その操作部材に係合してその
移動を中途位置で阻止し、かつ前記蓋体が開放されるこ
とにより前記操作部材の移動軌跡外に退いてその操作部
材の移動を自由にさせる阻止部材を設け、前記集塵室内
には、その集塵室の奥のフィルタ側から前記開口側に移
動することにより前記集塵室内の塵埃を外部に排出させ
、かつ常にばばね作用によって前記フィルタ側に配置さ
れた塵埃排出部材を設け、その塵埃排出部材と前記操作
部材との間には、前記蓋体の開放状態において前記中途
位置より更に移動される操作部材によって作動されかつ
前記塵埃排出部材を前記ばね作用に抗して移動させる連
杆を備えたものである。

従って、１個の前記操作部材によって蓋体と塵埃排出部
材とを作動できると共に、その構成を簡略化できること
はもとより、特に、前記操作部材の最初の操作時には前
記蓋体の開放のみが行われ、操作部材の次の操作によっ
て前記塵埃排出部材を作動させるものであるから、塵埃
を排出する際に、当初で述べた従来のもののように開放
する蓋体の移動で生ずる空気流によって塵埃が飛散する
ということがなく、常に塵埃を衛生的に排出処理できる
と共に、飛散塵埃によって周囲を汚すことがないなどの
優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を実施した電気掃除機の要部断面図、
第２図は第１図の２−２線断面図、第３図は第１図の３
−３線断面図、第４図〜第６図は作用説明図である。 図において、７は掃除機フレーム、１６は蓋体、２０は
掛止部材、２２は操作部材、２８は塵埃排出部材、２４
は阻止部材、２６は連杆である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 掃除機フレームに設けられた集塵室を外部に開山するた
   めの開口と、その開口を開閉可能に覆う蓋体と、その蓋
   体と掃除機フレームとの間に設けられ、蓋体が開口を閉
   鎖した状態において蓋体を掛止可能な掛止部材と、操作
   部が掃除機フレーム外に突出すると共にその操作部の操
   作により掃除機フレームに対して一定範囲内で移動可能
   とされ、かつその一方の移動により前記掛止部材の掛止
   作用を解除する１個の操作部材とを備えた電機掃除機に
   おいて、 前記操作部材と蓋体との間に、その操作部材の前記一方
   向の移動により前記掛止部材の掛止作用が解除された時
   その操作部材に係合してその移動を中途位置で阻止し、
   かつ前記蓋体が開放されることにより前記操作部材の移
   動軌跡外に退いてその操作部材の移動を自由にさせる阻
   止部材を設け、前記集塵室内には、その集塵室の奥のフ
   ィルタ側から前記開口側に移動することにより前記集塵
   室内の塵埃を外部に排出させ、かつ常にばばね作用によ
   って前記フィルタ側に配置された塵埃排出部材を設け、
   その塵埃排出部材と前記操作部材との間には、前記蓋体
   の開放状態において前記中途位置より更に移動される操
   作部材によって作動され、かつ前記塵埃排出部材を前記
   ばね作用に抗して移動させる連杆を備えたことを特徴と
   する電機掃除機。