JP4142327B2 - 双眼光学装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、観察者の両眼によって夫々覗かれる左右一対の望遠光学系を観察者の頭部に固定するための双眼光学装置に、関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の双眼光学装置は、例えば、脳神経外科手術のように微細な組織を処置する際に、使用される。即ち、脳のように微細な組織からなる器官は、その構造組織を肉眼で識別することが困難であるために、このような器官を処置するには、双眼のルーペを介して、処置対象部位を立体的に拡大観察させる必要がある。そして、このような双眼のルーペを術者(観察者)の両目に対して固定して術者(観察者)の両手を自由にするために、眼鏡に左右一対のルーペを組み込んだ構造を有する双眼光学装置が、一般的に用いられてきたのである。
【0003】
図29は、従来の双眼光学装置100を装着した椅子に腰掛けた状態で、手術台上の患者に対して処置を行っている術者(観察者)Sを、描いている。この図29に示されているように、双眼光学装置100は、テンプル101と左右一対の眼鏡レンズとからなる一般的構成の眼鏡をベースとし、その各眼鏡レンズにおける中央よりもやや下方へ偏った位置に、夫々ルーペ102を固定したものである。
【0004】
図30は、この双眼光学装置100の各眼鏡レンズ103に対するルーペ102の取り付け構造を示す拡大横断面図である。この図30に示されるように、眼鏡レンズ103には貫通孔103aが穿たれており、その貫通孔103aの外側縁に、ルーペ102が固定されている。このルーペ102は、テーパー状の鏡筒内に、正レンズである対物レンズと負レンズである接眼レンズとからなるガリレオ式望遠光学系を固定したものである。そして、ルーペ102は、その光学系の光軸が眼鏡レンズ103の光軸に対して下方へ傾くように、この眼鏡レンズ103に固定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の双眼光学装置100におけるルーペ102の光軸は、術者(観察者)Sの前方(即ち、眼鏡レンズ103の光軸方向)よりも下方へ傾いているので、術者(観察者)Sは、眼球を下方へ回転させなければならなかった。従って、術者(観察者)Sの眼を疲労させる原因となっている。
【0006】
また、そのために、あまりルーペ102の光軸を下方に傾けすぎると術者(観察者)Sの眼の疲労が課題となる為、その傾斜角には自ずから限界があるので、その傾斜角よりも下方に観察対象物がある場合には、術者(観察者)Sは、首を前方へ傾けなければならなかった。このような姿勢は、短時間であれば問題はないが、手術をする場合のように、長時間に亘ってその姿勢をとり続けなければならない場合には、術者(観察者)Sの頸椎部に対して大きな負担を掛け、疲労及び頸椎損傷の原因となってしまう。
【0007】
なお、このような問題は、建築現場や坑内や天井画作成現場のように、観察対象物が頭上にある場合にも生じ得る。即ち、このような作業現場では、作業者(観察者)は、首を後方へ傾けたり、眼球を上方へ回転させなければならないので、やはり、作業者(観察者)の頸椎部に大きな負担が掛り、疲労及び頸椎損傷が生じ易かった。
【0008】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、観察者の首をあまり傾けることなく、また、眼球をあまり回転させることなく、観察者の視線方向に対して左右一対の光学系を経た視線を偏向させることができる双眼光学装置を、提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するためなされた本発明による双眼光学装置は、観察者の左右の眼によって夫々覗かれる一対の光学系が観察者の体に固定可能なフレームに取り付けられてなる双眼光学装置であって、前記各光学系は、対物光学系と、接眼光学系と、この接眼光学系の光軸を、折り曲げることによって、前記フレームが固定された観察者の視線方向に対して偏向させる光軸偏向光学系とからなることを、特徴とする。
【0010】
このように構成されると、光軸偏向光学系によって、接眼レンズの光軸は観察者の視線方向に対して偏向される。従って、左右一対の光学系を経た術者の視線は、観察者の眼球が向いている方向から偏向されるので、観察者が首を曲げたり傾けたりしなくても、また、眼球をあまり回転させなくても、観察者の前方から外れた位置に存在している対象物を、自然な姿勢で観察することができる。従って、観察者は、頸椎部を痛めることも、眼球が疲れることもなく、長時間にわたって作業を遂行することができる。
【0011】
本発明において、各光軸偏向光学系が接眼レンズの光軸を観察者の視線方向に対して偏向させる方向は、観察者から見てどの方向であっても良いが、観察者から見て上下方向である場合に、本発明の効果が最も発揮される。例えば、手術において本発明による双眼光学装置を使用する場合には、接眼レンズの光軸を観察者の視線方向よりも下方へ偏向させることが望ましく、観察対象物が観察者の頭上にあるケースにおいて本発明による双眼光学装置を使用する場合には、接眼レンズの光軸を観察者の視線方向よりも上方へ偏向させることが望ましい。
【0012】
また、本発明において、左右の光学系のフレームに対する装着位置に制限はないので、このフレームが装着されている観察者の目に対して、正面に配置されていても良いし、前記光軸偏向光学系によって前記接眼光学系の光軸が偏向される向きにずれた位置に配置されていても良いし、これとは逆の向きにずれた位置に配置されていても良い。前記フレームが固定された観察者の目に対して、前記光軸偏向光学系によって前記接眼光学系の光軸が偏向される向きとは逆の向きにずれた位置に配置されれば、観察者の目と観察対象物との間に左右一対の光学系が介在しなくなるので、観察者は、首を動かすことなく、眼球を回転させるだけで、左右一対の光学系を通さない通常の観察を行うことができる。この事は、左右一対の光学系を通した観察と通さない観察とで観察倍率が異なる場合に、特に効果が大きい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
【実施形態1】
図1は、本発明の第1の実施形態による双眼光学装置(手術用眼鏡)の正面図であり、図2は、その平面図であり、図3は、フレームを省略して示す側面図である。
【0015】
これら各図に示されるように、第1実施形態による双眼光学装置は、通常の構成を有する眼鏡2と、この眼鏡2における左右の眼鏡レンズ14,14の外面(物体側面)に夫々固着された左右のルーペユニット3,3とから、構成されている。この眼鏡2は、左右のテンプル11,11,ブリッジ12,及び左右の鼻当て13,13に分割されたフレームFと、各テンプル11とブリッジ12との間に固定された左右の眼鏡レンズ14,14とから、構成されている。なお、左右の鼻当て13,13は、左右の眼鏡レンズ14,14に、夫々、取り付けられている。但し、本発明において、眼鏡2のフレーム形状は、観察者(術者)の頭部に固定され得る形状であれば、一体型のものであっても構わない。また、眼鏡レンズ14,14は、本実施形態においては近視用の負レンズであるが、これは術者の視力に依存するので、遠視用の正レンズである場合もあるし、正常視用の曲面ガラスである場合もある。各眼鏡レンズ14,14には、その中心(正レンズ及び負レンズである場合には光軸)よりも若干下方で且つ術者の眼幅よりも若干内側へ寄った位置に、円形の貫通孔14aが開けられている。さらに、各眼鏡レンズ14における貫通孔14aの周囲には、ルーペユニット3を固定するボルト5を貫通させるための固定孔14bが、4箇所に開けられている。
【0016】
次に、ルーペユニット3の構成を説明する。なお、左右のルーペユニット3,3は、互いに同一の構成を有しているので、以下の説明は左右のルーペユニット3,3に共通している。図4は、ルーペユニット3単独の正面図(図1と同じ方向から見た拡大図)であり、図5は、その平面図(図2と同じ方向から見た拡大図)であり、図6は、その側面図(図3と同じ方向から見た拡大図)であり、図7は、図4のVII−VII線に沿った断面図である。これら各図に示されたように、ルーペユニット3は、複数の光学部材(接眼レンズ21,プリズム22及び対物レンズ23)からなる望遠ルーペ光学系と、この望遠ルーペ光学系を構成するプリズム22を保持して眼鏡レンズ14に固定するためのベースプレート24と、望遠ルーペ光学系を構成する接眼レンズ21を保持してベースプレート24に固定するするための鏡筒25とから、構成されている。
【0017】
図8は、この望遠ルーペ光学系の構成を図6と同じ方向から見た状態として示す光学構成図であり、図9は、プリズム22内で折り曲げられた光軸を直線状に展開して示す展開図である。図8に示されるように、接眼レンズ(負のパワーを有する接眼光学系)21は、凹面をプリズム22側へ向けた平凹レンズである。
【0018】
光軸偏向光学系としてのプリズム22は、底面を図8の紙面と平行に向けた略四角柱形状を有しており、その4つの側面のうちの3つが、接眼レンズ21の光軸がその上端近傍を垂直に貫く縦長な矩形平面である反射透過面22aと、この反射透過面22aに対して45度の角度をなしてその下端に接する透過面22bと、この透過面22bに対して112.5度の角度をなしてその他端に接する反射面22cとして、形成されている。射面22cには、夫々、反射コーティングが施されている。従って、接眼レンズ21の光軸を物体側へ延長すると、反射透過面22aを垂直に貫いた後に、プリズム22の内部において、反射面22cによって下方後方へ45度の角度で折り曲げられ、反射透過面22aによって下方前方へ90度の角度で折り曲げられてから、透過面22bを垂直に貫いてプリズム22の外へ出る。このように、プリズム22は、光線を光軸に対して反転させることなく、光軸を略Z字状に折り畳んでいる。その結果、反射透過面22aを通過する際における接眼レンズ21の光軸の方向に対して、透過面22bを通過する際における光軸の方向は、下方へ45度傾斜する。なお、この傾斜の角度は、反射透過面22aに対する反射面22c及び透過面22bの角度が適宜変更されることによって、45度以外の角度へ変更され得る。
【0019】
プリズム22の透過面22bの外表面には、上述したようにして透過面22bを垂直に貫いた接眼レンズ21の光軸と同軸となるように、対物レンズ23が貼り付けられている。この対物レンズ(正のパワーを有する対物光学系)23は、平凸レンズであり、その接眼側焦点は接眼レンズ21の物体側焦点と略一致するので(但し、観察を行う術者の視力,観察対象物までの距離及び好みに応じて両焦点の相対位置を前後して、各光学系の調節値(Dptr)を変更する場合もある)、接眼レンズ21とともに、ガリレオ式望遠光学系を構成する。
【0020】
図4乃至図7の説明に戻り、プリズム22を保持するベースプレート24は、このプリズム22の幅と略同じ内幅の凹部24aがその表面に形成されることによって、その横断面がコの字状となっている硬質部材(金属又は工業プラスチック)である。このベースプレート24における凹部24aをその両側から囲む両フランジ24b,24bには、夫々、ベースプレート24の表面(図6における左側の面)と裏面(図6における右側の面)との間を貫通する一対の固定孔24c,24cが、上下各端の近傍に形成されている。これら計4つの固定孔24cの配置は、眼鏡レンズ14における4つの固定孔14bの配置と一致している。更に、各固定孔24cとフランジ24bの上下各端との間には、夫々、凹部24aの内側面とフランジ24bの外側面との間を貫通する雌ねじ孔24dが、形成されている。計4つの雌ねじ孔24dには、夫々、イモネジ29がねじ込まれている。プリズム22は、その反射透過面22aが凹部24aの底面より少し離れた状態でこの凹部24a内に収容され、上記各雌ねじ孔24dに夫々ねじ込まれた計4つのイモネジ29の先端によって挟み込まれることによって、固定されている。なお、図4の状態からプリズム22及び対物レンズ23を取り除いた状態を示す図10に見られるように、ベースプレート24の凹部24aの底には、プリズム22を固定した場合にその透過反射面22aに対して接眼レンズ21が配置される位置に、円形の鏡筒固定ネジ孔24eが開けられている。
【0021】
上述した鏡筒25は、外周面に雄ねじが切られている円筒形状を有しており、ベースプレ−ト24の鏡筒固定ネジ孔24eにねじ込まれて固定されているとともに、その内部に、接眼レンズ21を保持している。この鏡筒25のベースプレート24に対するねじ込み量を適宜調整することにより、術者の視力に応じた接眼レンズ21の位置調整をすることができる。なお、鏡筒25の外径は、眼鏡レンズ14の貫通孔14aの内径よりも、若干小さい。従って、後述するようにベースプレート24が眼鏡レンズ14に固定されると、鏡筒25の先端は貫通孔14a内に入り込む。
【0022】
次に、図1乃至図3に戻り、上述した構成を有するルーペユニット3の眼鏡レンズ14への取り付け方法について説明する。上述したように、眼鏡レンズ14には、ルーペユニット3の鏡筒25の端部が貫通孔14a内に進入した状態でベースプレート24の4つの固定孔24cに対して夫々重なる4箇所に、固定孔14bが、夫々形成されている。その状態において、互いに重なっているベースプレート24の固定孔24cと眼鏡レンズ14の貫通孔14aとを、ベースプレート側から、ボルト26が貫通している。そして、眼鏡レンズの内面(図3の右側面)において、各ボルト26にナット27が螺合されることにより、ベースプレート24が眼鏡レンズ14に固定されているのである。なお、後述する接眼レンズ21の光軸の方向調整のために、各ボルト26におけるベースプレート24と眼鏡レンズ14との間には、適宜、間隔調整用のワッシャー状のスペーサ28が、嵌められている(図2及び図3の例では、上側二つのボルト26,26にスペーサ28,28が嵌められている)。
【0023】
上述した眼鏡レンズ14の貫通孔14a及び各固定孔14bの位置,並びに、スペーサ28の要否及び厚さは、術者の視線方向との関連において、以下のように決定される。図11,図12及び図13は、夫々、図1,図2及び図3からプリズム22,ベースプレート24,鏡筒25,ボルト26,ナット27及びスペーサ28を省略して、術者の眼球Iを加えた図である。
【0024】
図13に示されるように、この双眼光学装置は、術者が視線を水平に向けた場合には、眼鏡レンズ14のみを介して(通常の眼鏡として)物体を観察できるようになっているとともに、術者が視線を水平方向から若干下げた場合には、望遠ルーペ光学系(接眼レンズ21,プリズム22,対物レンズ23)を介して、近距離にある物体を拡大観察できるように、構成されている。従って、眼鏡レンズ14の貫通孔14aの位置は、上下方向(図13における上下方向)においては、眼鏡レンズ14の中心よりも若干下がった位置となっており、左右方向(図12における左右方向)においては、術者の各眼球Iの中心と観察対象物体の位置(例えば、術者の顔面から40cm前方の位置)とを結ぶ線上となっている。これにより、術者の眼幅Wと物体距離に対応する輻輳角θが実現されるので、自然な観察を可能にすることができる。
【0025】
この輻輳角θは、両プリズム22,22によって各接眼レンズ21,21の光軸が折り曲げられて対物レンズ23,23と同軸となった後においても維持されていなければならない。従って、各プリズム22,22は、両対物レンズ23,23の光軸同士が上記輻輳角θをなすように、その反射透過面22aを含む面内で傾けられている。上記眼鏡レンズ14の4つの固定孔14bの位置は、プリズム22が上記の如く傾いた状態で固定されるように、設定されている。ただし、双眼視による左右の像の回転を合わせるために、輻輳角θを変化させる場合もある。
【0026】
スペーサ28は、上記したように位置決めされた眼鏡レンズ14の貫通孔14a内に鏡筒25の先端が入り込んだ状態において、接眼レンズ21の光軸が術者の眼球Iの中心を向くように、適宜、その厚さが選択されて各ボルト26に嵌められている。
【0027】
以上説明したように、本実施形態の双眼光学装置によれば、望遠ルーペ光学系を構成する接眼レンズ21と対物レンズ23との間において、プリズム22が光軸を複数回折り曲げることによって、対物レンズ23と同軸となる光軸を観察者から見て下方へ偏向させている。そのため、術者は、自分の首を前方に傾けることによって自分の顔を処置対象部位に対向させなくても、視線を、その処置対象部位に向けることができる。しかも、その際に、眼球Iの向きは、水平方向から若干下げるだけで済む。従って、自らの頸椎部を痛めることなく、また、眼球Iを不自然な方向へ向けることによって疲労することなく、術者は、長時間にわたって、手術台上に横たわった患者に対する処理を行うことができる。
【0028】
【実施形態2】
図14は、本発明の第2の実施形態による双眼光学装置(手術用眼鏡)の正面図であり、図15は、その平面図であり、図16は、フレームを省略して示す側面図である。
【0029】
これら各図に示されるように、第2実施形態による双眼光学装置は、通常の構成を有する眼鏡5と、この眼鏡5における左右の眼鏡レンズ44,44の外面(物体側面)に夫々固着された左右のルーペユニット6,6とから、構成されている。この眼鏡5は、左右のテンプル41,41,ブリッジ42,及び左右の鼻当て43,43に分割されたフレームFと、各テンプル41とブリッジ42との間に固定された左右の眼鏡レンズ44,44とから、構成されている。なお、左右の鼻当て43,43は、左右の眼鏡レンズ44,44に、夫々、取り付けられている。なお、本発明において、眼鏡5のフレーム形状は、観察者(術者)の頭部に固定され得る形状であれば、一体型のものであっても構わない。また、眼鏡レンズ44は、本実施形態においては近視用の負レンズであるが、これは術者の視力に依存するので、遠視用の正レンズである場合もあるし、正常視用の曲面ガラスである場合もある。各眼鏡レンズ44には、その中心(正レンズ及び負レンズである場合には光軸)よりも若干上方で且つ術者の眼幅よりも若干内側へ寄った位置に、円形の貫通孔44aが開けられている。
【0030】
次に、ルーペユニット6の構成を説明する。なお、左右のルーペユニット6,6は、互いに同一の構成を有しているので、以下の説明は左右のルーペユニット6,6に共通している。図17は、ルーペユニット6単独の正面図(図14と同じ方向から見た拡大図)であり、図18は、その平面図(図15と同じ方向から見た状態と一部断面を示す拡大図)であり、図19は、その側面図(図16と同じ方向から見た拡大図)である。これら各図に示されたように、ルーペユニット6は、複数の光学部材(接眼レンズ51,プリズム52及び対物レンズ53)からなる望遠ルーペ光学系と、この望遠ルーペ光学系を構成するプリズム52を保持するためのベースプレート54と、望遠ルーペ光学系を構成する接眼レンズ51を保持してベースプレート54に固定するための鏡筒55と、この鏡筒55の先端に螺合してベースプレート54との間で眼鏡レンズ44を挟み込むことによって鏡筒55の眼鏡レンズ44からの抜けを防止するリングネジ56と、対物レンズ53のコバを約半周(前方に位置する半周)に亘って覆うフード57とから、構成されている。
【0031】
図20は、この望遠ルーペ光学系の構成を図19と同じ方向から見た状態として示す光学構成図である。この図20に示されるように、接眼レンズ(負のパワーを有する接眼光学系)51は、凹面をプリズム52側へ向けた平凹レンズである。
【0032】
光軸偏向光学系としてのプリズム52は、底面を図20の紙面と平行に向けた略四角柱形状を有しており、その4つの側面のうちの3つが、接眼レンズ51の光軸がその下端近傍を垂直に貫く縦長な矩形平面である透過面52aと、この透過面52aに対して45度の角度をなしてその下端に接する反射透過面52bと、透過面52aに対して112.5度の角度をなしてその他端に接する反射面52cとして、形成されている。従って、接眼レンズ51の光軸を物体側へ延長すると、透過面52aを垂直に貫いた後に、プリズム52の内部において、反射透過面52bによって上方へ直角に折り曲げられ、反射面52cによって下方前方へ45度の角度で折り曲げられてから、反射透過面52bを垂直に貫いてプリズム52の外へ出る。このように、プリズム52は、光束を光軸に対して反転させることなく(即ち、像を反転させることなく)、光軸を略Z字状に折り畳んでいる。その結果、透過面52aを通過する際における接眼レンズ51の光軸の方向に対して、反射透過面52bを通過する際における光軸の方向は、下方へ45度傾斜する。なお、この傾斜の角度は、透過面52aに対する反射透過面52b及び反射面52cの角度が適宜変更されることによって、45度以外の角度へ変更され得る。また、反射面52cには、反射コーティングが施されている。
【0033】
プリズム52の反射透過面52bの外側には、上述したようにして反射透過面52bを垂直に貫いた接眼レンズ51の光軸と同軸となるように、且つ、反射透過面52bとの間に空気層を挟んで、対物レンズ53が配置されている。この対物レンズ(正のパワーを有する対物光学系)53は、その平面を反射透過面52bに対して平行に対向させた平凸レンズであり、その接眼側焦点は接眼レンズ51の物体側焦点と略一致するので(但し、観察を行う術者の視力,観察対象物までの距離及び好みに応じて両焦点の相対位置を前後して、各光学系の調節値(Dptr)を変更する場合もある)、接眼レンズ51とともに、ガリレオ式望遠光学系を構成する。なお、この対物レンズ53は、反射透過面52bにふれないように配置された図示せぬ部材で、プリズム52に固定されている。このようにして対物レンズ53と反射透過面52bとの間に空気層を形成したのは、対物レンズ53を通り、反射面52cにより反射された光を反射透過面52bにて全反射させることによって、接眼レンズ51に導くためである。
【0034】
図17乃至図19の説明に戻り、プリズム52を保持するベースプレート54は、このプリズム52の幅と略同じ内幅の凹部54aがその表面に形成されることによって、その横断面がコの字状となっている硬質部材(金属又は工業プラスチック)である。このベースプレート54における凹部54aをその両側から囲む両フランジ54b,54bには、夫々、凹部54aの内側面とフランジ54bの外側面との間を貫通する雌ねじ孔54dが、二カ所づつ形成されている。計4つの雌ねじ孔54dには、夫々、イモネジ56がねじ込まれている。プリズム52は、その透過面52aが凹部54aの底面に当接した状態でこの凹部54a内に収容され、上記各雌ねじ孔54dに夫々ねじ込まれた計4つのイモネジ56の先端によって挟み込まれることによって、固定されている。なお、図17の状態からプリズム52及び対物レンズ53を取り除いた状態を示す図21に見られるように、ベースプレート54の凹部54aの底には、プリズム52を固定した場合にその透過面52aに対して接眼レンズ51が配置される位置に、円形の鏡筒固定ネジ孔54eが開けられている。
【0035】
上述した鏡筒55は、外周面に雄ねじが切られている円筒形状を有しており、ベースプレート54の鏡筒固定ネジ孔54eにねじ込まれて固定されているとともに、その内部に、接眼レンズ51を保持している。なお、鏡筒55の外径は、眼鏡レンズ44の貫通孔44aの内径よりも、若干小さい。従って、鏡筒55の先端は、眼鏡レンズ44の貫通孔44aを貫通することができる。
【0036】
また、上述したフード57は、対物レンズ53の外径と同じ内径を有する半円筒形状を有しており、その後端縁が対物レンズ53の平面の外縁に接するようにして、対物レンズ53のコバにおける接眼レンズ55から離れた側の半周に、接着されている。このフード57により、対物レンズ53の入射瞳の外側を通る光がプリズム2に入射して、その反射透過面52bから透過面52aへ直接抜けることが、防止される。フード57は、手術で用いる場合、手術室の照明灯からの直接光が対物レンズ53に入射しないために用いる。
【0037】
次に、図14乃至図16に戻り、上述した構成を有するルーペユニット6の眼鏡レンズ44への取り付け方法について説明する。先ず、組立作業者は、ルーペユニット6の鏡筒55を、眼鏡レンズ44の貫通孔44aに、その外面側から内面側へ貫通させる。次に、眼鏡レンズ44の内面から突出した鏡筒55の先端に、リングネジ56を、螺合させる。このリングネジ56は、その内面に雌ねじが着られた断面矩形のリングであり、貫通孔44aの内径よりも大きい外径を有している。従って、リングネジ56を鏡筒55に対して螺合させると、ベースプレート54とリングネジ56との間に眼鏡レンズ44が挟み込まれ、鏡筒55が眼鏡レンズ44から抜け落ちないようになる。
【0038】
上述した眼鏡レンズ44の貫通孔44aの位置,並びに、鏡筒55の中心軸の向き(即ち、接眼レンズ51の光軸の向き)及び鏡筒55の回転角(即ち、対物レンズ53の光軸の向き)は、術者の視線方向との関連において、以下のように決定される。図22及び図23は、夫々、図14及び図15からプリズム52,ベースプレート54,鏡筒55,リングネジ56及びフード57を省略して、術者の眼球Iを加えた図である。また、図24及び図25は、図16に、術者の眼球Iから発する視線(一点鎖線)lを書き加えた図である。
【0039】
この双眼光学装置は、図24に示されるように、術者が顔をやや前に傾けて視線lを水平に向けた場合には、望遠ルーペ光学系(接眼レンズ51,プリズム52,対物レンズ53)を介して、近距離にある物体200を拡大観察できるとともに、図25に示されるように、その状態から、顔自体を動かすことなく眼球Iのみを下方へ(例えば、37.18°)回転させることによって、視線lを斜め下方へ向けた場合には、眼鏡レンズ44のみを介して(通常の眼鏡として)同一の物体200を観察できるように、構成されている。従って、眼鏡レンズ44の貫通孔44aの位置は、上下方向(図22における上下方向)においては、眼鏡レンズ44の中心よりも若干上に偏った位置となっており、左右方向(図23における左右方向)においては、術者の各眼球Iの中心と観察対象物体の位置(例えば、術者の顔面から40cm前方の位置)とを結ぶ線上となっている。そして、鏡筒55の軸の方向(即ち、接眼レンズ51の光軸の向き)は、各貫通孔44aの中心から術者の各眼球の中心に向かう方向へ、向けられている。これにより、術者の眼幅Wと物体距離に対応する輻輳角θが実現されるので、自然な観察を可能にすることができる。
【0040】
この輻輳角θは、両プリズム52,52によって各接眼レンズ51,51の光軸が折り曲げられて対物レンズ53,53と同軸となった後においても維持されていなければならない。従って、各プリズム52,52は、両対物レンズ53,53の光軸同士が上記輻輳角θをなすように、その透過面52aを含む面内で傾けられる。ただし、双眼視による左右の像の回転を合わせるために、輻輳角θを変化させる場合もある。
【0041】
以上のように各望遠光学系が各眼鏡レンズ44に対して位置決めされた状態で、各鏡筒55と各貫通孔44aとの間に接着剤が流し込まれることによって、左右のルーペユニット6,6が夫々眼鏡レンズ44,44に固定される。
【0042】
以上説明したように、本実施形態の双眼光学装置によれば、望遠ルーペ光学系を構成する接眼レンズ51と対物レンズ53との間において、プリズム52が光軸を複数回折り曲げることによって、対物レンズ53と同軸となる光軸を観察者から見て下方へ偏向させている。そのため、術者は、自分の首を前方に傾けることによって自分の顔を処置対象部位に対向させなくても、視線を、その処置対象部位に向けることができる。しかも、その際に、眼球Iの向きは、顔の正面に対して相対的に若干上げるだけで済む。従って、自らの頸椎部を痛めることなく、また、眼球Iを不自然な方向へ向けることによって疲労することなく、術者は、長時間にわたって、手術台上に横たわった患者に対する処理を行うことができる。
【0043】
しかも、本第2実施形態では、眼鏡レンズ44の下半分にはルーペユニット6が存在していないので、術者は、眼球Iを若干下方へ回転させて視線を下げるだけで、それまで望遠ルーペ光学系を介して拡大観察(比較的高倍率での観察)していた観察対象物を、眼鏡レンズ44を介して通常観察(比較的低倍率での観察)することができる。このように、本第2実施形態において眼球Iを回転するだけで観察倍率を切り替えることができるのは、第1実施形態のプリズム22と同形状のプリズム52を、その最も面積が狭い面(即ち、透過面52a)を眼鏡レンズ44の外面と略平行となるように配置することによって、観察者の眼球Iから見たルーペユニット6の見かけの大きさを小さくし、眼鏡レンズ44の上半分のみを占めさせるに止め、眼鏡レンズ44の下半分を通常観察用に確保できたことに、拠る。
【0044】
比較のため、従来の双眼光学装置を使用して観察倍率の切換えて観察を行う場合の状態を、図31及び図32に示す。上述した発明が解決しようとする課題において説明したように、従来の双眼光学装置を用いて観察対象物200を拡大観察する場合には、図31に示すように、術者は、顔をやや前に傾けた状態から、更に、眼球を下方へ(約37.18°)回転させて、視線lを下方へ向けなければならない。しかも、この状態からの観察対象物200を通常観察するには、図32に示すように、術者は、顔を更に(約17.31°)前方に傾けることによって、ルーペ102が占めていない眼鏡レンズ103の上半分に、観察対象物22を入れなければならない。このように従来の双眼光学装置を用いて通常観察をしようとすると、拡大観察する場合に比べても更に、観察者の頸椎に負担が掛かってしまうのである。
【0045】
【実施形態3】
本実施形態は、第1実施形態において用いられていたルーペユニット3を、第2実施例のように、眼鏡レンズ74の上半分に取り付けたものである。
【0046】
図26は、第1実施形態における図13,並びに、第2実施形態における図24及び図25に、夫々対応する図面である。この図26に示されるように、本実施形態においては、第1実施形態と同様に、プリズム22における最も面積が大きい反射透過面22aが眼鏡レンズ74の外表面に対して略平行になるようにルーペユニット3が配置されるので、観察者の眼球Iから見たルーペユニット3の見かけの大きさが大きくなる。そこで、眼鏡レンズ74のみを通した通常観察のための領域を確保するために、眼鏡レンズ74の貫通孔74aは、第2実施形態における眼鏡レンズ44の貫通孔44aよりも、上方に偏った位置に開けられている。そして、このような位置に開けられた貫通孔74aにその鏡筒25を挿入させた状態で、ルーペユニット3は、眼鏡レンズ74に固定されているのである。
【0047】
本実施形態によると、ルーペユニット3の見かけ上の大きさが第2実施形態よりも大きくはなるものの、眼鏡レンズ74の下方に、ルーペユニット3によって占められていない通常観察用の領域が確保されている。従って、第2実施形態の場合よりも眼球Iの必要回転角は大きくなるものの、観察者の頭自体を動かすことなく、眼球Iのみを回転させて視線方向を上下に振ることによって、望遠ルーペ光学系を通じた拡大観察と、眼鏡レンズ74を通じた通常観察とを、切り替えることができる。
【0048】
本実施形態におけるその他の構成及び作用は、上述した第1実施形態と全く同じであるので、その説明を省略する。
【0049】
【実施形態4】
本実施形態は、第2実施形態を変形させた例である。
【0050】
図27は、第2実施形態における図24及び図25に対応する図面である。この図27に示されるように、本実施形態においては、第2実施形態による双眼光学装置に、反射鏡80及びハーフミラー81が追加されている。反射鏡80は、通常観察時における観察者の視線lを直角に上方へ折り曲げるように、図示せぬステーによって眼鏡レンズ44の外側に取り付けられている。ハーミラー81は、反射鏡80によって折り曲げられた観察者の視線lと対物レンズ53の光軸との交点において、観察者の視線Iを対物レンズ53の光軸と同軸になるように折り曲げるために、図示せぬステーによってルーペユニット6に取り付けられている。
【0051】
従って、本実施形態によると、拡大観察時と通常観察時とで、同一観察対象物を同じ方向から観察することができる。
【0052】
本実施形態におけるその他の構成及び作用は、上述した第2実施形態と全く同じであるので、その説明を省略する。
【0053】
【実施形態5】
本実施形態は、第1実施形態を、第2実施形態のように、観察者の眼球Iを回転させて視線方向を上下に振るだけで拡大観察と通常観察とを切り替えることができるように、変形した例である。
【0054】
図28は、第1実施形態における図13に対応する図面である。この図13に示されるように、本実施形態においては、第1実施形態による双眼光学装置に、一対の反射鏡90,91が追加されている。反射鏡90は、眼鏡レンズ14の中央を通過した観察者の視線lを、45°弱の角度で、後方斜め上方へ折り曲げるように、図示せぬステーによって眼鏡レンズ14に固定されている。また、反射鏡91は、反射鏡90によって折り曲げられた視線Iを、約40cm先において、ルーペユニット3の対物レンズ23の光軸と交差するように折り曲げるために、図示せぬステーによって眼鏡レンズ14に取り付けられている。
【0055】
従って、本実施形態によると、第1実施形態の構成をベースとしていながらも、観察者の頭自体を動かすことなく、眼球Iのみを回転させて視線方向を上下に振ることによって、望遠ルーペ光学系を通じた拡大観察と、眼鏡レンズ14を通じた通常観察とを、切り替えることができる。
【0056】
本実施形態におけるその他の構成及び作用は、上述した第1実施形態と全く同じであるので、その説明を省略する。
【0057】
【変形例】
上述した各実施形態において、光軸偏向光学系としては、プリズムの代わりに、その2枚の反射面と等価な位置に配置された2枚の反射鏡が用いられても良い。
【0058】
また、本実施形態では、拡大光学系としてガリレオ式の望遠ルーペ光学系が用いられているので、光軸偏向光学系としては、光軸に対して光線を反転させることなく光軸を折り曲げるための偶数枚の反射面を有するプリズムが、採用されている。この拡大光学系としては、対物レンズによる実像が一旦形成されるケプラー式望遠光学系が用いられても良い。その場合には、接眼光学系と対物光学系との間に像反転光学系が必要になるが、その像反転光学系としてのプリズム又は反射鏡が光軸偏向光学系として用いられても良い。
【0059】
さらに、対物光学系が接眼光学系に対して同軸に配置されるとともに、この対物光学系の前方に、光軸偏向光学系としてのプリズム又は反射鏡が配置されても良い。
【0060】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明による双眼光学装置によると、術者の視線が下方へ折り曲げられる。従って、術者は、自分の首をあまり前方へ傾ける必要がないので自らの頸椎部を痛めることがなく、また、眼球をあまり下方へ向ける必要もないので目が疲れることもない。よって、長時間の手術が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による双眼光学装置の正面図
【図2】 双眼光学装置の平面図
【図3】 双眼光学装置の要部側面図
【図4】 ルーペユニットの正面図
【図5】 ルーペユニットの平面図
【図6】 ルーペユニットの側面図
【図7】 図4におけるVII−VII線に沿った断面図
【図8】 望遠ルーペ光学系の構成を示す光学構成図
【図9】 プリズム内の光軸を直線化して展開した望遠ルーペ光学系の展開図
【図10】 ベースプレートの正面図
【図11】 図1からベースフレーム等を省略して示す正面図
【図12】 図2からベースフレーム等を省略して示す平面図
【図13】 図3からベースフレーム等を省略して示す側面図
【図14】 本発明の第2実施形態による双眼光学装置の正面図
【図15】 双眼光学装置の平面図
【図16】 双眼光学装置の要部側面図
【図17】 ルーペユニットの正面図
【図18】 ルーペユニットの一部断面平面図
【図19】 ルーペユニットの側面図
【図20】 望遠ルーペ光学系の構成を示す光学構成図
【図21】 ベースプレートの正面図
【図22】 図14からベースフレーム等を省略して示す正面図
【図23】 図15からベースフレーム等を省略して示す平面図
【図24】 拡大観察時の状態を示す概略側面図
【図25】 通常観察時の状態を示す概略側面図
【図26】 本発明の第3実施形態による双眼光学装置の概略斜視図
【図27】 本発明の第4実施形態による双眼光学装置の概略斜視図
【図28】 本発明の第5実施形態による双眼光学装置の概略斜視図
【図29】 従来の双眼光学装置を用いて手術を行う術者の姿勢を示す図
【図30】 従来の双眼光学装置の要部断面図
【図31】 従来における拡大観察時の状態を示す概略側面図
【図32】 従来における通常観察時の状態を示す概略側面図
【符号の説明】
2, 5 眼鏡
3, 6 ルーペユニット
11,41 テンプル
14,44 眼鏡レンズ
21,51 接眼レンズ
22,52 プリズム
23,53 対物レンズ
24,54 ベースプレート
25,55 鏡筒

Claims (6)

  1. 観察者の左右の眼によって夫々覗かれる一対の光学系が観察者の頭部に固定可能なフレームに取り付けられてなる双眼光学装置であって、
    前記各光学系は、
    前記フレームが観察者の頭部に固定された場合に当該観察者の前方へ向く方向へ光軸を向けた状態で前記フレームに取り付けられた接眼光学系と、
    前記フレームが観察者の頭部に固定された場合にその光軸が前記接眼光学系の光軸に対して傾斜するように配置された対物光学系と、
    その透過面を垂直に貫いた前記接眼光学系の光軸を、複数回折り曲げることによって、前記フレームが固定された観察者の視線方向に対して偏向させることによって前記対物光学系の光軸と同軸にするように前記対物光学系に対して固定されたプリズムである光軸偏向光学系と
    からなり、
    両光学系の対物光学系と前記偏向光学系とは、前記透過面を含む面内で夫々傾けられている
    ことを特徴とする双眼光学装置。
  2. 前記一対の光学系は、夫々、前記対物光学系が正のパワーを有するとともに前記接眼光学系が負のパワーを有するために、全体としてガリレオ式の望遠ルーペ光学系を構成し、
    前記光軸偏向光学系は、全体として光線を光軸に対して反転させることなく反射させる2枚の反射面を有している
    ことを特徴とする請求項1記載の双眼光学装置。
  3. 前記光軸偏向光学系は、前記接眼光学系の光軸を、前記フレームが固定された観察者の視線方向に対して下方へ偏向させる
    ことを特徴とする請求項1記載の双眼光学装置。
  4. 前記光学系は、前記フレームが固定された観察者の正面から見た場合に、その観察者の目に対して、前記光軸偏向光学系によって前記接眼光学系の光軸が偏向される向きとは逆の向きにずれた位置に配置されるように、前記フレームに取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の双眼光学装置。
  5. 前記フレームは、観察者の頭部に装着される眼鏡フレームである
    ことを特徴とする請求項1又は記載の双眼光学装置。
  6. 前記各光学系は、前記眼鏡フレームに取り付けられた左右の眼鏡レンズに固定されている
    ことを特徴とする請求項記載の双眼光学装置。
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