JP4141993B2 - 光学的情報記録媒体 - Google Patents

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本発明は、基板上に形成された薄膜に、レーザ等の高エネルギー光ビームを照射することにより、情報信号を記録および再生(以下、記録再生という)することのできる光学的情報記録媒体とその製造方法、製造装置、記録再生方法及び記録再生装置に関するものである。
基板のレーザ光案内用の溝をあらかじめ設けた面上に薄膜を積層した媒体に対し、レーザ光等を照射して局所的な加熱を行い、照射条件の違いにより光学的に検出可能な2つ以上の状態間で変化させ、これを情報信号に対応させて情報を記録する光学的情報記録媒体の研究開発・実用化が盛んに行われている。こういった光学的情報記録媒体の1枚あたりに蓄積できる情報量を増やすための基本的な手段として、レーザ光の波長を短くする、またはこれを集光する対物レンズの開口数を大きくすることによりレーザ光のスポット径を小さくし、記録面密度を向上させるという方法がある。
近年の主流は、記録型DVDに代表されるように、波長660nm・開口数0.6程度の光学系を用いるものである。さらには、実用化の段階にある波長400nm近傍の青色レーザダイオードを適用し、さらに開口数を0.85程度まで高めることも検討されている。このように開口数を高くすると、光ディスクのチルトに対する許容幅が小さくなるため、レーザ光入射側の透明基板の厚さを記録型DVDの0.6mmから0.1mm程度に薄くすることも併せて提案されている。
さらに媒体1枚あたりの扱える情報量を増やすために情報を記録再生する層を複数積層した多層構造媒体も提案されている(例えば、特許文献1参照)。多層記録媒体は、レーザ光源に近い側の情報層が光を吸収するため、レーザ光源から遠い側の情報層は減衰したレーザ光で記録再生を行う。そのため、多層記録媒体においては、レーザ光源から近い側の情報層は透過率を高く、レーザ光源から遠い側の情報層は反射率、反射率差及び感度を高くして、限られたレーザパワーで十分な記録再生特性が得られるようにしている。
特開2000−36130号公報(第7−8頁、図1)。
しかしながら、従来の多層記録媒体では、レーザ光源から近い側の情報層において、ディスクの特に外周部で記録後のノイズレベルが内〜中周に比べて悪化することが本発明者らの実験によって明らかになった。このディスクの断面を透過電子顕微鏡により観察したところ、溝形状自体は、ディスクの内周から外周の全域にわたって、溝中心に対してほぼ対称で特に問題なかったが、ディスクの外周部においては、溝の内周側斜面と外周側斜面とで情報層の膜厚が顕著に、例えば2割程度異なっていることが確認された。
この膜厚差とノイズレベルが高いこととの因果関係は、以下のように熱的な側面と光学的な側面が考えられる。まず、溝の内周側斜面と外周側斜面とで膜厚に差があると、それぞれの熱容量の差により熱の拡散速度に差が生じ、トラック中心に対して非対称な歪んだマーク形状となり、ノイズレベルが上昇する。また、溝の内周側斜面と外周側斜面とでレーザ光に対する反射率等の光学的特性に差が生じ、レーザ光のスポット中心がトラック中心からずれてしまって正常なトラッキング動作に変調をきたし、このような状態で記録動作を行った結果ノイズレベルが上昇する。
また、これまで実用化された記録媒体は、多層記録媒体ではなく単一の情報層のみを有する記録媒体であったため、情報層はレーザ光を透過させる必要がなく、例えば反射膜等を透過率がほとんどゼロになる膜厚まで十分厚くしており、溝の内周側の斜面と外周側の斜面とで膜厚に差があってもその部分の熱的あるいは光学的な特性差が無視できるレベルであったと考えられる。
これに対し、多層記録媒体のレーザ光源から近い側の情報層は一定の、例えば30%以上の透過率が必要であり、単一の情報層のみを有する記録媒体やレーザ光源から遠い側の情報層とは違って、その熱的あるいは光学的特性が膜厚の差に非常に敏感であると考えられる。
情報層を構成する薄膜は、ほぼ全ての当業者が、基板とターゲットを対向させてスパッタリング法により形成しており、発明者らの実験もこの方法で成膜を行っている。成膜装置の簡便性・実用性や成膜速度の観点から他の方法は採用が困難である。通常、レーザ光による記録は、溝及び/または溝間の平坦な部分にマークを形成して行われるため、ディスク内周部から外周部まで平坦な部分の膜厚を均一に保つように成膜装置は設計される。しかしながら、溝の斜面部分については、膜の原材料であるターゲットからスパッタリングによりその粒子が飛んでくる角度及び速度が、ディスクの内周から外周まで均等にはできておらず、遮影効果によって内周側の斜面と外周側の斜面とで膜厚に差のある部分ができてしまう。これまで、溝の斜面部分はマークを形成しないため記録再生特性には直接影響しないと考えられ、内周側の斜面と外周側の斜面とで膜厚をディスク内周から外周まで高い精度で均一にすることは、成膜装置の設計上、考慮されていなかったと考えられる。
本発明者らは、成膜室内に設置されたターゲットと基板との距離を調整することで、ディスク内周部の斜面と外周部の斜面との膜厚差を小さくできる条件が存在することを見いだし、概してターゲットと基板との距離を短くするほど、膜厚差を小さくするできることを見いだした。しかしながら、スパッタリング時間の長い情報層を形成する成膜室においてターゲットと基板との距離を短くすると、ディスク基板の温度が高くなり、基板上に形成された溝が変形しやすくなる課題があった。また、ターゲット材料によっては、ターゲットと基板との距離を短くすると、ターゲットを使用していくと共に、比較的早い時期で膜厚分布が悪くなることがわかり、ターゲット寿命を短くしてしまう課題があった。
本発明は、前記課題を解決し、半透明な情報層への高密度記録においても信号品質の良好な光学的情報記録媒体とその製造方法及び製造装置を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、複数の情報層を有し、光ビームが前記複数の情報層のいずれかに照射されることにより情報の記録及び再生がされる光学的情報記録媒体であって、前記複数の情報層が、前記光ビームの入射側から見て近い順に少なくとも第1情報層、第2情報層を含めて構成される場合、前記複数の情報層が、溝を有するとともに、光学的に検出可能な少なくとも2つの状態間で変化する記録膜を含み、前記複数の情報層の少なくとも1つの情報層における、前記溝の内周側斜面部分の膜厚をd1とし、前記溝の外周側斜面部分の膜厚をd2としたとき、前記光ビームの入射側から最も遠い情報層を除いた、少なくとも1つの情報層において、
0.9≦(d2/d1)≦1.1
の関係を満たすことを特徴とする。
また、前記光学的情報記録媒体においては、情報層と保護基板の間に1層または2層以上の追加の情報層を備え、前記情報層と前記追加の情報層の間、および追加の各情報層の間に分離層を設けたことが好ましい。ここで、分離層とは各情報層を光学的に聞知するために設けられる層をいう。

また、前記光学的情報記録媒体においては、情報層が、記録膜の透明基板側に第1の誘電体膜を有することが好ましい。ここで、誘電体膜とは、繰り返し記録する際の記録膜の蒸発や基板の熱変形を防止し、さらには光学的干渉効果により記録膜の光吸収率や光学的変化をエンハンスする等の目的で設けられ、耐熱性に優れた誘電体材料等で形成される。
また、前記光学的情報記録媒体においては、情報層が、記録膜の保護基板側の界面に接して第1の界面膜を有することが好ましい。ここで、界面膜とは記録膜の結晶化を促進し、消去特性を向上させる、あるいは記録膜と誘電体膜との間の原子・分子の相互拡散を防止し、繰り返し記録における耐久性を向上させる等の目的で記録膜に接して設けられるものをいう。
また、前記光学的情報記録媒体においては、情報層が、記録膜の保護基板側に第2の誘電体膜を有する多層膜であることが好ましい。
また、前記光学的情報記録媒体においては、情報層が、記録膜の保護基板側に反射膜を有することが好ましい。ここで、反射膜とは入射光を効率良く使い,記録膜の冷却速度を向上させて非晶質化しやすくするなどの目的で設けられるものをいい、金属およびその合金で形成される。
また、前記光学的情報記録媒体においては、情報層が、反射膜の保護基板側に透過率調整膜を有することが好ましい。ここで、透過率調整膜とは多層記録媒体において第1情報層の反射率変化を高く保った上で透過率を高める目的で設けられるものをいい、一般に屈折率が高く、ほぼ透明な材料で形成される。
また、前記光学的情報記録媒体においては、情報層が、記録膜の透明基板側の界面に接して第2の界面膜を有することが好ましい。
また、本発明の一の光学的情報記録媒体の製造方法は、ターゲットと基板ホルダーと電極とを有する複数の成膜室内で、基板上に溝を有する情報層を形成するとともに、前記複数の成膜室がRFスパッタリング成膜室を含む、光学的情報記録媒体の製造方法であって、各RFスパッタリング成膜室における前記電極と前記基板ホルダーとの距離をそれぞれHr1,Hr2,…,Hrn(nは、RFスパッタリング成膜室の数)とした場合、前記RFスパッタリング成膜室におけるターゲット直径をLとして、距離Hr1,Hr2,…,Hrnのうちいずれか1つが0.20L以上0.24L未満に設定され、別の1つが0.26L以上0.30L未満に設定されていることを特徴とする。また、別の製造方法は、ターゲットと基板ホルダーと電極とを有する複数の成膜室内で、基板上に溝を有する情報層を形成するとともに、前記複数の成膜室がDCスパッタリング成膜室を含む、光学的情報記録媒体の製造方法であって、各DCスパッタリング成膜室における前記電極と前記基板ホルダーとの距離をそれぞれHd1,Hd2,…,Hdm(mは、DCスパッタリング成膜室の数)とした場合、前記DCスパッタリング成膜室におけるターゲット直径をLとして、距離Hd1,Hd2,…,Hdnのうちいずれか1つが0.15L以上0.19L未満に設定され、別の1つが0.21L以上0.25L未満に設定されていることを特徴とする。また、光学的情報記録媒体が、前記情報層として第1情報層と保護基板の間に1層または2層以上の追加の情報層を備え、かつ第1情報層及び前記追加の情報層の間、および各情報層の間に分離層を設けたものであり、前記複数の成膜室のいずれか一つの成膜室内における基板と膜材料ターゲット間の距離を、残部の成膜室内における基板と膜材料ターゲット間の距離と異なるようにして第1の情報層を形成することもできる。
また、本発明の一の光学的情報記録媒体の製造装置は、基板上に情報層が形成された光学的情報記録媒体の製造装置であって、電極と、電極近傍に磁界を発生する磁界発生部材と、電極上に設けられ、1つの情報層に対応した材料からなるターゲットと、該ターゲットから隔てて対向配置される基板ホルダーとを備えるDCスパッタリング成膜室が設けられ、電極と、電極近傍に磁界を発生する磁界発生部材と、電極上に設けられ、1つの情報層に対応した材料からなるターゲットと、該ターゲットから隔てて対向配置される基板ホルダーとを備えるRFスパッタリング成膜室が設けられ、基板ホルダーに装着された前記基板を各成膜室に搬送し、順次成膜を行うための基板搬送部材が設けられ、各DCスパッタリング成膜室における電極と基板ホルダーとの距離をそれぞれHd1,Hd2,…,Hdm(mは、DCスパッタリング成膜室の数)とした場合、DCスパッタリング成膜室におけるターゲット直径をLとして、距離Hd1,Hd2,…,Hdmのうちいずれか1つが0.15L以上0.19L未満に設定され、別の1つが0.21L以上0.25L未満に設定されていることを特徴とする。また、別の製造装置は、基板上に情報層が形成された光学的情報記録媒体の製造装置であって、
電極と、電極近傍に磁界を発生する磁界発生部材と、電極上に設けられ、1つの情報層に対応した材料からなるターゲットと、該ターゲットから隔てて対向配置される基板ホルダーとを備えるDCスパッタリング成膜室が設けられ、電極と、電極近傍に磁界を発生する磁界発生部材と、電極上に設けられ、1つの情報層に対応した材料からなるターゲットと、該ターゲットから隔てて対向配置される基板ホルダーとを備えるRFスパッタリング成膜室が設けられ、基板ホルダーに装着された前記基板を各成膜室に搬送し、順次成膜を行うための基板搬送部材が設けられ、各RFスパッタリング成膜室における電極と基板ホルダーとの距離をそれぞれHr1,Hr2,…,Hrn(nは、RFスパッタリング成膜室の数)とした場合、RFスパッタリング成膜室におけるターゲット直径をLとして、距離Hr1,Hr2,…,Hrnのうちいずれか1つが、他の距離と0.5L以上異なるように設定されていることを特徴とする。また、別の製造装置は、基板上に情報層が形成された光学的情報記録媒体の製造装置であって、電極と、電極近傍に磁界を発生する磁界発生部材と、電極上に設けられ、1つの情報層に対応した材料からなるターゲットと、該ターゲットから隔てて対向配置される基板ホルダーとを備えるDCスパッタリング成膜室が設けられ、電極と、電極近傍に磁界を発生する磁界発生部材と、電極上に設けられ、1つの情報層に対応した材料からなるターゲットと、該ターゲットから隔てて対向配置される基板ホルダーとを備えるRFスパッタリング成膜室が設けられ、基板ホルダーに装着された前記基板を各成膜室に搬送し、順次成膜を行うための基板搬送部材が設けられ、各DCスパッタリング成膜室における電極と基板ホルダーとの距離をそれぞれHd1,Hd2,…,Hdm(mは、DCスパッタリング成膜室の数)とした場合、DCスパッタリング成膜室におけるターゲット直径をLとして、距離Hd1,Hd2,…,Hdmのうちいずれか1つが、他の距離と0.5L以上異なるように設定されていることを特徴とする。
また、本発明の製造装置は、基板ホルダーの直径を、0.4L以上0.8L以下に設定することができる。また、本発明の製造装置は、複数の情報層の各情報層が、順次形成された、第1の誘電体層、反射層、第2の誘電体層、記録層、第3の誘電体層を有し、波長350nm以上500nm以下のレーザ光かつレンズ開口数0.7以上の光学系を備えた記録再生装置によって記録再生がなされる光学的情報記録媒体の製造に用いることができる。また、本発明の製造装置は、溝が形成された基板上に、複数の情報層が形成されている光学的情報記録媒体を対象とするものである。
本発明の製造装置は、複数の真空成膜室において、個々に基板ホルダーと電極との距離を異なる設計にすることで課題解決を図ったものである。詳細には、ターゲットからの輻射熱が基板に損傷を与えやすい材料を形成する成膜室では、基板ホルダーと電極との距離を予め離しておくことが好ましく、さらに電極とターゲットとの距離を短くすることで膜厚分布の均一性が損なわれやすいターゲット材料をスパッタリングする成膜室においても、基板ホルダーと電極との距離を予め離しておくことが好ましい。一方、これら以外の成膜室においては、基板ホルダーと電極との距離を予め短くしておくことで、光ディスク媒体の量産性と特性の両立を図ることができる。
従来にも、ターゲットに印加する電力種(例えばRF電力とDC電力)が異なる成膜室においては、電極とカソードとの距離が異なる設計とすることはよく用いられるが、この理由としては、DCスパッタリングを行う電極では、相対的に電気伝導度が高い材料、すなわち熱伝導度が高い材料をスパッタリングするので輻射熱を低くできるため、電極と基板との距離を短くしやすいが、一方で、RFスパッタリングを行う電極では相対的に電気伝導度の低い材料をスパッタリングするため、輻射熱が高くなり、DC電極のときと比べて電極と基板との距離を短くしにくい問題があったからである。
本発明のように、基板内周部と外周部との溝斜面に形成される内周側の膜厚と外周側の膜厚との差に着目し、同じ電源種を用いる成膜室間において、電極と基板ホルダーとの距離を異なる設計とする光ディスク媒体の製造装置については、従来では全く知られていない。また、従来の製造装置で、同じ電源種を用いる複数の成膜室において、電極と基板ホルダーとの距離を異なるように改造することは容易ではない。
なお、ターゲットの板厚を変えることによりターゲットと基板との距離を変えて、基板内周部と外周部との溝斜面に形成される内周側の膜厚と外周側の膜厚との差を小さくすることはある程度は可能であるが、本発明に示すような大きな効果を得ることは困難である。ターゲット板厚を厚いと、ターゲット使用初期から末期にかけてディスクの膜厚分布を均一に保つことが困難となり、ターゲット板厚が薄いと使用期間が短くなり量産性に乏しくなる。
また、ターゲットに溶接された導電性の板(バッキングプレート)の厚みを調整することによっても、基板の内周部と外周部との溝斜面に形成される内周側の膜厚と外周側の膜厚との差を小さくすることはある程度は可能であるが、本発明に示すような大きな効果を得ることは困難である。バッキングプレートが厚いと、バッキンプレートの重量が増すため、ターゲットの交換が困難となり、バッキングプレートの薄いと、スパッタ放電時の熱応力におりターゲットが割れやすくなるといった問題が生じる。
また、本発明の光学的情報記録媒体の記録再生方法は、複数の情報層を有し、光ビームが前記複数の情報層のいずれかに照射されることにより情報の記録及び再生がされる光学的情報記録媒体の記録再生方法であって、前記複数の情報層が、前記光ビームの入射側から見て近い順に少なくとも第1情報層、第2情報層を含めて構成される場合、前記複数の情報層が、溝を有するとともに、光学的に検出可能な少なくとも2つの状態間で変化する記録膜を含み、前記複数の情報層の少なくとも1つの情報層における、前記溝の内周側斜面部分の膜厚をd1とし、前記溝の外周側斜面部分の膜厚をd2としたとき、0.9≦(d2/d1)≦1.1の関係を満たす光学的情報記録媒体に対して、波長350nm以上500nm以下かつレンズ開口数0.6以上の光学系を用いて記録及び再生を行うことを特徴とする。また、本発明の記録再生方法には、第1情報層において0.9≦(d2/d1)≦1.1の関係を満たすとともに、複数の情報層における、各情報層の間の少なくともいずれかに、分離層を設けた光学的情報記録媒体を用いることができる。
また、本発明の光学的情報記録媒体の記録再生装置は、複数の情報層を有し、光ビームが前記複数の情報層のいずれかに照射されることにより情報の記録及び再生がされる光学的情報記録媒体の記録再生装置であって、前記複数の情報層が、前記光ビームの入射側から見て近い順に少なくとも第1情報層、第2情報層を含めて構成される場合、前記複数の情報層が、溝を有するとともに、光学的に検出可能な少なくとも2つの状態間で変化する記録膜を含み、前記複数の情報層の少なくとも1つの情報層における、前記溝の内周側斜面部分の膜厚をd1とし、前記溝の外周側斜面部分の膜厚をd2としたとき、0.9≦(d2/d1)≦1.1の関係を満たす光学的情報記録媒体に対して、波長350nm以上500nm以下かつレンズ開口数0.6以上の光学系を備えることを特徴とする。また、本発明の記録再生装置には、第1情報層において0.9≦(d2/d1)≦1.1の関係を満たすとともに、複数の情報層における、各情報層の間の少なくともいずれかに、分離層を設けた光学的情報記録媒体を用いることができる。
以上説明したとおり、本発明によれば、半透明な情報層への高密度記録においてもノイズレベルの高くない、信号品質の良好な光学的情報記録媒体とその製造方法、製造装置、記録再生方法及び記録再生装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
(光学的情報記録媒体)
図1は本発明の光学的情報記録媒体の最小限の構成例の部分断面図である。図1において、本発明の光学的情報記録媒体は、円盤状の透明基板1と保護基板3の間に半透明な第1情報層2を備えている。ここで、半透明とは記録再生を行うレーザ光の波長において少なくとも30%以上の透過率を有することを示す。第1情報層2はレーザ光案内用のスパイラル状の溝4を有し、レーザ光の照射により情報の記録再生が可能である。溝4の内周側及び外周側の斜面部分の第1情報層の膜厚をそれぞれd1及びd2とすると、その差は±10%以内、すなわち0.9≦(d2/d1)≦1.1である。この光学的情報記録媒体に対し、透明基板1の側からレーザ光5を対物レンズ6で集光し、照射して記録再生を行う。
また、図2及び/または図3に示すように、情報層は第1情報層2のみならず、追加の情報層として第2情報層8、さらには第n情報層9(但し、nは3以上の整数)までを、各々分離層7を介して第1情報層2と保護基板3の間に設けることができる。図4は、第1情報層2の多層膜構成の一例の断面図を示す。第1情報層2は、透明基板1に近い側から順に、下側誘電体膜10、下側界面膜11、記録膜12、上側界面膜13、上側誘電体膜14、反射膜15、透過率調整膜16を順次積層してなる。この内、第1情報層2として必須の構成要素は記録膜12であり、その他は必要に応じて用いられる。
透明基板1の材料としては、レーザ光5の波長において略透明であることが好ましく、ポリカーボネイト樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、紫外線硬化性樹脂、ガラス、あるいはこれらを適宜組み合わせたもの等を用いることができる。また、透明基板1の厚さは特に限定されないが、0.01〜1.5mm程度のものを用いることができる。
下側誘電体膜10及び上側誘電体膜14は、繰り返し記録する際の記録膜の蒸発や基板の熱変形を防止し、さらには光学的干渉効果により記録膜の光吸収率や光学的変化をエンハンスする等の目的で設けられ、耐熱性に優れた誘電体材料等を用いる。例えば、Y、Ce、Ti、Zr、Nb、Ta、Co、Zn、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の酸化物、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo、W、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb等の窒化物、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Si等の炭化物、Zn、Cd等の硫化物、セレン化物またはテルル化物、Mg、Ca、La等の希土類等のフッ化物、C、Si、Ge等の単体、あるいはこれらの混合物を用いることができる。中でも特に略透明で熱伝導率の低い材料、例えばZnSとSiOの混合物等が好ましい。下側誘電体膜10及び上側誘電体膜14は、必要に応じて異なる材料・組成のものを用いてもよいし、同一の材料・組成のものを用いることもできる。
下側界面膜11及び上側界面膜13は、記録膜12の結晶化を促進し、消去特性を向上させる、あるいは記録膜12と下側誘電体膜10及び/または上側誘電体膜14との間の原子・分子の相互拡散を防止し、繰り返し記録における耐久性を向上させる等の目的で記録膜12に接して設けられる。さらには、記録膜12との間に剥離や腐食を生じない等の環境信頼性も兼ね備えている必要がある。下側界面膜11及び上側界面膜13の材料としては、前記の下側誘電体膜10及び上側誘電体膜14の材料として挙げたものの中に、その役割を果たすものが幾つか存在する。例えばGe、Si等をベースにした窒化物、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W及びSi等の酸化物またはこれらの複合酸化物を用いることができ、中でも特にTi、Zr、Hf、V、Nb及びTa等の酸化物をベースとして、Cr、Mo及びW等の酸化物を添加したものは耐湿性の面で優れており、さらにSi等の酸化物を添加したものは消去率をより高くすることができる。下側界面膜11及び上側界面膜13の膜厚は特に限定されないが、薄すぎると界面膜としての効果が発揮できなくなり、厚すぎると記録感度低下等につながるため、例えば0.2nm以上20nm以下であることが好ましい。下側界面膜11と上側界面膜13は、いずれか片方設けるだけでも前記効果を発揮するが、両方設けることがより好ましく、両方設ける場合は必要に応じて異なる材料・組成のものを用いてもよいし、同一の材料・組成のものを用いることもできる。また、上側界面膜13を用いる場合は上側誘電体膜14を省略することも可能であり、その場合の上側界面膜13の膜厚は2nm以上50nm以下が好ましい。
記録膜3としては、大別して書換型と追記型の2種類がある。書換型の記録膜3としては相変化記録材料、すなわち、Te及び/またはSb等のカルコゲン材料を主成分としたものが適している。中でも特に、GeTe及びSb2Te3の両化合物組成を適当な割合で混合した材料系が、結晶化速度が速く、透過率を高めるために膜厚を薄くしても記録再生特性を保持しやすいため好ましい。この材料系は、より結晶化速度を高めるために、Geの一部をSnで、あるいはSbの一部をBiで置き換えることができ、一般式(GeSn1−x(SbBi1−yTez+3(但し、0.5<x≦1、0≦y≦1、z≧1)で表される組成を用いるのがさらに好ましい。z≧1とすることで反射率及び反射率変化を大きくすることができる。このような材料組成には、結晶化速度、熱伝導率または光学定数等の調整、あるいは繰り返し耐久性、耐熱性または環境信頼性の向上等の目的で、In、Ga、Zn、Cu、Ag、Au、Crあるいは追加のGe、Sn、Sb、Bi、Te等の金属、半金属または半導体元素、またはO、N、F、C、S、B等の非金属元素から選ばれる1つまたは複数の元素を必要に応じて記録膜12全体の10原子%以内、より好ましくは5原子%以内の組成割合の範囲で適宜添加してもよい。
書換型の記録膜12の膜厚は2nm以上20nm以下、より好ましくは4nm以上14nm以下とすれば、十分なC/N比を得ることができる。記録膜12の膜厚が薄すぎると十分な反射率及び反射率変化が得られないためC/N比が低く、また、厚すぎると記録膜12の薄膜面内の熱拡散が大きいため高密度記録においてC/N比が低くなってしまう。
前記のような書換型の相変化記録材料は、成膜された状態では非晶質であり、情報信号の記録を行うには、レーザ光等によりアニールすることで結晶化させる初期化処理を施し、これを初期状態として非晶質マークを形成するのが一般的である。
また、追記型の記録膜3としては、例えばTeやSb、Bi、Sn、In、Ga等の比較的低融点の金属または金属酸化物等をベースとする相変化記録材料等の無機材料、あるいは色素等の有機材料がある。中でも、Teの酸化物をベースとする材料は非可逆な結晶化記録が可能なため追記型の記録膜として適しており、また、高い透過率を実現しやすいため半透明な情報層に用いる記録膜として適している。例えば、Te、O及びM(但し、MはAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Biから選ばれる1つまたは複数の元素)を主成分とする材料が好ましい。元素Mとして最も好ましいのはPd及びAuであり、これらの添加により結晶化速度が向上し、高い環境信頼性が確保できる。
この材料は、O原子を25原子%以上60原子%以下、M原子を1原子%以上35原子%以下含有する組成を有することが好ましい。O原子が25原子%未満では、記録層の熱伝導率が高くなりすぎて、記録マークが過大となることがある。このため、記録パワーを上げてもC/N比が上がりにくい。これに対し、O原子が60原子%を超えると、記録層の熱伝導率が低くなりすぎて、記録パワーを上げても記録マークが十分大きくならないことがある。このため、高いC/N比と高い記録感度が実現しにくくなる。M原子が1原子%未満では、レーザ光照射時にTeの結晶成長を促進する働きが相対的に小さくなって記録膜12の結晶化速度が不足することがある。このため、高速でマークを形成できなくなる。これに対し、M原子が35原子%を超えると、非晶質−結晶間の反射率変化が小さくなって、C/N比が低くなることがある。また、このような材料組成には、熱伝導率や光学定数の調整、又は耐熱性・環境信頼性の向上等を目的でN、F、C、S、B等の非金属元素から選ばれる1つまたは複数の元素を必要に応じて記録膜12全体の10原子%以内、より好ましくは5原子%以内の組成割合の範囲で適宜添加してもよい。
前記のような追記型の相変化記録材料は、成膜された状態である非晶質を初期状態として結晶化記録を行うのが一般的で、初期化処理は必要ないが、60℃〜100℃程度の高温で一定時間アニールすることで初期状態を安定にすることが好ましい。
前記追記型の記録膜12の膜厚は2nm以上70nm以下、より好ましくは4nm以上30nm以下とすれば、十分なC/N比を得ることができる。記録膜12の膜厚が薄すぎると十分な反射率及び反射率変化が得られないためC/N比が低く、また、厚すぎると記録膜12の薄膜面内の熱拡散が大きいため高密度記録においてC/N比が低くなってしまう。
反射膜15は、入射光を効率良く使い、冷却速度を向上させて非晶質化しやすくする等の目的で設けられる。反射膜15の材料としては、金属・合金等、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Crあるいはこれらをベースにした合金材料を用いることができる。中でも特にAg合金は熱伝導率及び反射率が高く、またAl合金もコストの面から好ましい。また、反射膜15は複数の層を組み合わせて用いても良い。
透過率調整膜16は、第1情報層の反射率変化を高く保った上で透過率を高める目的で設けられる。透過率調整膜16の材料としては、屈折率が高く、略透明な材料、例えばTiO、Bi、Nb、ZrO、HfO、Ta、あるいはこれらの混合物を主成分としたものを用いることができる。中でも特にTiOを主成分としたものは屈折率が2.7程度と高く最も好ましい。
前記の多層薄膜は、オージェ電子分光法、X線光電子分光法または2次イオン質量分析法等の方法(例えば応用物理学会/薄膜・表面物理分科学会編「薄膜作製ハンドブック」共立出版株式会社、1991年等)により各層の材料及び組成を調べることが可能である。本願の実施例においては各層のターゲット材料組成と実際に形成された薄膜の組成が略同等であることを確認した。ただし、成膜装置、成膜条件またはターゲットの製造方法等によっては、ターゲット材料組成と実際に形成された薄膜の組成が異なる場合もある。そのような場合には、あらかじめ組成のずれを補正する補正係数を経験則から求め、所望の組成の薄膜が得られるようにターゲット材料組成を決めることが好ましい。
保護基板3の材料としては、透明基板1の材料として挙げたのと同じものを用いることができるが、透明基板1とは異なる材料としてもよく、レーザ光5の波長において必ずしも透明でなくてもよい。また、保護基板3の厚さは特に限定されないが、0.01〜3.0mm程度のものを用いることができる。
分離層7としては、紫外線硬化性樹脂等を用いることができる。分離層12の厚さは、隣接する情報層のいずれか一方を再生する際に他方からのクロストークが小さくなるように、少なくとも対物レンズ6の開口数NAとレーザ光5の波長λにより決定される焦点深度以上の厚さであることが必要であり、また、全ての情報層が集光可能な範囲に収まる厚さであることも必要である。例えば、分離層7の厚さは、λ=660nm、NA=0.6の場合は10μm以上100μm以下、λ=405nm、NA=0.85の場合は5μm以上50μm以下であることが必要である。但し、層間のクロストークを低減できる光学系が開発されれば分離層7の厚さは前記より薄くできる可能性もある。
第2情報層8及び第n情報層9としては、書換型のみならず、追記型または再生専用型のいずれの情報層とすることも可能である。また、前記光学的情報記録媒体2枚を、それぞれの保護基板3の側を対向させて貼り合わせ、両面構造とすることにより、媒体1枚あたりに蓄積できる情報量をさらに2倍にすることもできる。
前記の各薄膜は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法等の気相薄膜堆積法によって形成することができる。中でも特にスパッタリング法が成膜速度と装置コストの面から実用的であり好ましい。スパッタリング法においては上述のように基板と膜材料からなるターゲットを対向させて成膜を行うが、例えば、その際に基板とターゲットの距離を調整することで、溝4の内周側及び外周側の斜面部分の膜厚の差をディスクの全領域にわたって小さくできる成膜条件が存在することが、発明者等の実験により明らかになった。また、スパッタリング時にターゲット表面に発生する同心円状のエロージョンの半径位置を、ターゲット下部に配置された磁石から発生する磁界の位置を調整することで変更することが可能であるが、これにより斜面部分の膜厚を制御することも可能である。これらの方法によっても、上記の基板とターゲットの距離を調整する方法と同様に、溝4の内周側及び外周側の斜面部分の膜厚の差をディスクの全領域にわたって小さくできる成膜条件が存在することが、発明者等の実験により明らかになった。さらには、成膜を、複数の半径位置間でエロージョン位置を任意の時間割合で切り替えて行うことも可能であり、より精密かつ自由度の高い、斜面部分の膜厚制御が可能となる。
前記の各情報層や分離層7は、透明基板1上に順次形成した後に保護基板3を形成または貼り合せしてもよいし、逆に保護基板3上に順次形成した後に透明基板1を形成または貼り合せしてもよい。中でも特に後者は透明基板1が0.3mm以下のように薄いシート状のものである場合に適している。その場合、レーザ光案内用の溝であるグルーブやアドレス信号等の凹凸パターンは、保護基板3及び分離層7の表面上に形成、すなわちスタンパ等のあらかじめ所望の凹凸パターンが形成されたものから転写される必要がある。その際、特に分離層7のようにその層厚が薄く、通常用いられているインジェクション法が困難な場合は、2P法(photo-polymerization法)を用いることができる。
(製造装置)
特に内周側と外周側の斜面部分の膜厚差をなくする方法および装置については次の方法および装置が利用できる。図9は、本発明に係る光学的情報記録媒体の製造装置の一例を示す構成図である。この製造装置は、ロードロック室36と、複数の独立した成膜室31〜35と、基板を搬送するための回転体37などで構成される。なお、ここでは成膜室の数が5室の場合について説明するが、成膜室の数は特に限定されるものではなく、4室または6室以上の場合についても本発明は同様に適用できる。
成膜室31は、RF電極44と、RF電極44の内部に設けられた永久磁石(不図示)と、RF電極44上に設けられたターゲットA39と、ターゲットA39から隔てて対向配置される基板ホルダー38などで構成される。
成膜室32は、DC電極45と、DC電極45の内部に設けられた永久磁石(不図示)と、DC電極45上に設けられたターゲットB40と、ターゲットB40から隔てて対向配置される基板ホルダー38などで構成される。
成膜室33は、RF電極46と、RF電極46の内部に設けられた永久磁石(不図示)と、RF電極46上に設けられたターゲットC41と、ターゲットC41から隔てて対向配置される基板ホルダー38などで構成される。
成膜室34は、DC電極47と、DC電極47の内部に設けられた永久磁石(不図示)と、DC電極47上に設けられたターゲットD42と、ターゲットD42から隔てて対向配置される基板ホルダー38などで構成される。
成膜室35は、RF電極48と、RF電極48の内部に設けられた永久磁石(不図示)と、RF電極48上に設けられたターゲットE43と、ターゲットE43から隔てて対向配置される基板ホルダー38などで構成される。
成膜室31〜35は、真空ポンプを用いて常時真空状態に保たれており、任意のスパッタリングガスを導入しながら、各電極44〜48にRF電力またはDC電力を印加することによって、RFスパッタリングまたはDCスパッタリングが行われる。各電極44〜48には、光学的情報記録媒体の情報層構成に対応した材料からなるターゲット39〜43がそれぞれ設置される。
ロードロック室36には、真空ポンプおよびリーク弁が備わっており、外部から適宜投入された基板を大気から真空状態に移したり、真空状態にある基板を大気に戻したりして、基板の投入または排出を行う。
複数の基板ホルダー38は、均等な間隔で回転体37に取り付けられ、回転体37および全ての基板ホルダー38は常時真空状態に保たれている。
ロードロック室36に投入された基板は、基板ホルダー38のいずれかに固定されて真空状態へと移された後、回転体37が一定の角度(ここでは、60°)だけ回転して、隣の成膜室31に搬入され、ターゲットA39の材料を用いて成膜が行われる。続いて、次の成膜室32に搬入されてターゲットB40の材料を用いて成膜が行われ、次の成膜室33に搬入されてターゲットC41の材料を用いて成膜が行われ、次の成膜室34に搬入されてターゲットD42の材料を用いて成膜が行われ、次の成膜室35に搬入されてターゲットE43の材料を用いて成膜が行われ、最後に、ロードロック室36において基板が排出される。こうして各成膜室31〜35での成膜プロセスとロードロック室36での基板の投入・排出プロセスが同時進行して、光学的情報記録媒体を連続的に製造することができる。
ターゲット直下の電極内部には、マグネトロンスパッタリングを行うための永久磁石が設置され、ターゲット表面に発生させた磁界により、スパッタリング時において生成される電子をトラップすることで、スパッタリング効率を高めている。また、ターゲット表面の磁界分布を予め適宜調整し、すなわち永久磁石の配置を予め調整しておくことによって、ディスク内周部から外周部まで平坦な部分の膜厚、すなわち膜厚分布の均一化を図ることができる。
各成膜室31〜35に設けられた電極44〜48は、種々の厚さを有する別の電極に交換可能であり、電極44〜48と各電極44〜48に対向配置される基板ホルダー38との距離を適宜変更することによって、各層を成膜する上で溝の両側の斜面部分の膜厚を制御することができる。
本実施形態では、成膜室31,33,35においてRF電極44,46,48にRF電力を印加することによって、RFスパッタリングを行っている。また、成膜室32,34においてDC電極45,47にDC電力を印加することによって、DCスパッタリングを行っている。
また、各DCスパッタリング成膜室32,34におけるDC電極45,47と基板ホルダー38との距離をそれぞれHd1,Hd2とし、また、各RFスパッタリング成膜室31,33,35におけるRF電極44,46,48と基板ホルダー38との距離をそれぞれHr1,Hr2,Hr3とした場合、DCスパッタリング成膜室での距離Hd1,Hd2のいずれか1つが他の距離と異なるように、すなわちHd1≠Hd2に設定している。
こうした配置により、DCスパッタリングにおいてターゲット材料の成膜特性に応じて、基板損傷対策および膜厚分布均一化を両立させることができ、その結果、光学的情報記録媒体の歩留まりおよび製造効率を向上させることができる。
さらに、RFスパッタリング成膜室での距離Hr1,Hr2,Hr3のいずれか1つが、DCスパッタリング成膜室での距離Hd1,Hd2のいずれか1つと異なるように設定している。
こうした配置により、RFスパッタリングにおいてターゲット材料の成膜特性に応じて、基板損傷対策および膜厚分布均一化を両立させることができ、その結果、光学的情報記録媒体の歩留まりおよび製造効率を向上させることができる。
本発明の製造装置において、RFスパッタリング成膜室におけるターゲット直径をLとして、距離Hr1,Hr2,…,Hrnのうちいずれか1つが0.20L以上0.24L未満に設定され、別の1つが0.26L以上0.30L未満に設定されていることが好ましい。
詳細には、溝斜面に形成される内周側の膜厚と外周側の膜厚の差を少なくするためには、ターゲットと基板との距離を近くすることが好ましいが、距離を近くしすぎるとターゲット材料およびスパッタ時間にもよるが、ターゲット寿命が短くなりすぎたり、基板への輻射熱が高くなりすぎてしまい、基板ダメージが大きくなる。ターゲット寿命を長くし、基板ダメージを抑えるためには、距離Hr1,Hr2,…,Hrnのうちいずれか1つの距離を0.26L以上0.30L未満とすることが好ましい。この距離が0.30L以上であると、溝斜面に形成される内周側の膜厚と外周側の膜厚の差が大きくなりすぎてしまい、また、0.26L以下であると、スパッタ条件にもよるが、ターゲット寿命が短くなったり、基板ダメージが大きくなってしまう。
また、上記距離が0.26L以下であっても、ターゲット寿命や基板ダメージが問題にならないスパッタ条件においては、溝斜面に形成される内周側の膜厚と外周側の膜厚の差を少なくするために、距離Hr1,Hr2,…,Hrnのうちいずれか1つの距離を0.20L以上0.24L未満に設定することが好ましい。この距離が0.24L以上であると、溝斜面に形成される内周側の膜厚と外周側の膜厚の差を抑制することが困難となり、また、0.20L以下であると、ターゲット寿命や基板ダメージが問題になってきやすい。
また本発明の製造装置において、DCスパッタリング成膜室におけるターゲット直径をLとして、距離Hd1,Hd2,…,Hdmのうちいずれか1つが0.15L以上0.19L未満に設定され、別の1つが0.21L以上0.25L未満に設定されていることが好ましい。
詳細には、DCスパッタリングで用いるターゲットは一般に金属材料であるので、電極と基板ホルダーとの距離をRFスパッタリングよりも短くしやすい。また、RFスパッタリングと同様に、溝斜面に形成される内周側の膜厚と外周側の膜厚の差を少なくするためには、ターゲットと基板との距離を近くすることが好ましいが、距離を近くしすぎるとターゲット材料およびスパッタ時間にもよるが、ターゲット寿命が短くなりすぎたり、基板への輻射熱が高くなりすぎてしまい、基板ダメージが大きくなる。ターゲット寿命を長くし、基板ダメージを抑えるためには、距離Hd1,Hd2,…,Hdmのうちいずれか1つの距離を0.21L以上0.25L未満とすることが好ましい。この距離が0.25L以上であると、溝斜面に形成される内周側の膜厚と外周側の膜厚の差が大きくなりすぎてしまい、また、0.21L以下であると、スパッタ条件にもよるが、ターゲット寿命が短くなったり、基板ダメージが大きくなってしまう。
また、上記距離が0.21L以下であっても、ターゲット寿命や基板ダメージが問題にならないスパッタ条件においては、溝斜面に形成される内周側の膜厚と外周側の膜厚の差を少なくするために、距離Hd1,Hd2,…,Hdmのうちいずれか1つの距離を0.15L以上0.19L未満に設定することが好ましい。この距離が0.19L以上であると、溝斜面に形成される内周側の膜厚と外周側の膜厚の差を抑制することが困難となり、また、0.15L以下であると、ターゲット寿命や基板ダメージが問題になってきやすい。
また、本発明の製造装置において、RFスパッタリング成膜室におけるターゲット直径をLとして、距離Hr1,Hr2,…,Hrnのうちいずれか1つが、他の距離と0.5L以上異なるように設定されていることが好ましい。0.5L以下であると、溝斜面に形成される内周側の膜厚と外周側の膜厚の差を抑制することと、ターゲットの長寿命化や基板ダメージの抑制とを両立させることが困難となる。
また、本発明の製造装置において、DCスパッタリング成膜室におけるターゲット直径をLとして、距離Hd1,Hd2,…,Hdmのうちいずれか1つが、他の距離と0.5L以上異なるように設定されていることが好ましい。0.5L以下であると、溝斜面に形成される内周側の膜厚と外周側の膜厚の差を抑制することと、ターゲットの長寿命化や基板ダメージの抑制とを両立させることが困難となる。
また、本発明の製造装置において、基板ホルダーの直径が、0.4L以上0.8L以下に設定されていることが好ましい。0.4L未満であると、スパッタ効率(基板に堆積される原子/スパッタ原子の比)が悪くなり、また、0.8Lより大きいと、基板全周にわたりスパッタ膜厚を均一とすることが困難となる。
また、本発明の製造装置において、光学的情報記録媒体は、基板上に少なくとも第1の誘電体層、反射層、第2の誘電体層、記録層、第3の誘電体層をこの順に有し、波長350nm以上500nm以下のレーザ光かつレンズ開口数0.7以上の光学系を備えた記録再生装置によって記録再生を行うものであることが好ましい。
また、本発明の製造装置において、光学的情報記録媒体は、同心円上に凹凸溝が形成された基板上に、複数の情報層が形成されていることが好ましい。
(記録再生装置)
図5に本発明の光学的情報記録媒体の記録再生を行う記録再生装置の最小限必要な装置構成の一例の概略図を示す。レーザダイオード17を出たレーザ光5は、ハーフミラー18及び対物レンズ6を通じて、モーター19によって回転されている光学的情報記録媒体20上にフォーカシングされ、その反射光をフォトディテクター21に入射させて信号を検出する。ここで、記録再生に用いる光学系は、高密度な情報の記録再生に対応するために、例えば波長350nm以上500nm以下かつレンズ開口数0.6以上のものを用いることが好ましい。
情報信号の記録を行う際には、レーザ光5の強度を複数のパワーレベル間で変調する。レーザ強度を変調するには、半導体レーザの駆動電流を変調して行うのが良く、あるいは電気光学変調器、音響光学変調器等の手段を用いることも可能である。マークを形成する部分に対しては、ピークパワーP1の単一矩形パルスでもよいが、特に長いマークを形成する場合は、過剰な熱を省き、マーク幅を均一にする目的で、図6に示すようにピークパワーP1及びボトムパワーP3(但し、P1>P3)との間で変調された複数のパルスの列からなる記録パルス列を用いる。また、最後尾のパルスの後に冷却パワーP4の冷却区間を設けても良い。マークを形成しない部分に対しては、バイアスパワーP2(但し、P1>P2)で一定に保つ。ここで、記録するマークの長さ、さらにはその前後のスペースの長さ等の各パターンによってマークエッジ位置に不揃いが生じ、ジッタ増大の原因となることがある。本発明の光学的情報記録媒体の記録再生方法では、これを防止し、ジッタを改善するために、前記パルス列の各パルスの位置または長さをパターン毎にエッジ位置が揃うように必要に応じて調整し、補償することもできる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1.
(実験方法)
図9の製造装置を用い、各電極44〜48と基板ホルダー38との間の距離を変化させて、基板状にターゲット材料を単層形成して、溝の内周側と外周側の膜厚を測定した。
電極44〜48に取り付けるターゲットA39〜E43は、全て直径200mm、板厚6mmの円形とした。
また成膜室31では、ターゲットA39としてTiO材料を用い、RF電源からRF電極44に5kWのRF電力を供給して、RFスパッタリングを行った。
成膜室32では、ターゲットB40としてAg0.98Pd0.01Cu0.01からなる材料を用い、DC電源からDC電極45に500WのDC電力を供給して、DCスパッタリングを行った。
成膜室33では、ターゲットC41として(ZrO0.25(SiO0.25(Cr0.50からなる材料を用い、RF電源からRF電極46に4kWのRF電力を供給して、RFスパッタリングを行った。
成膜室34では、ターゲットD42としてGe0.45Sb0.05Te0.55からなる材料を用い、DC電源からDC電極47に500WのDC電力を供給して、DCスパッタリングを行った。
成膜室35では、ターゲットE43として(ZrO0.50(SiO0.50よりなる材料を用い、RF電源からRF電極48に4kWのRF電力を供給して、RFスパッタリングを行った。
ターゲット直下の各電極内部には永久磁石をそれぞれ設置し、各電極44〜48と基板ホルダー38との距離を変える毎に、適宜永久磁石の配置を調整することで、ターゲット初期における各層の膜厚分布が±3%以内となるように設定した。スパッタリング時には、いずれのターゲットにおいてもターゲットの半径約60mm近辺に同心円上に沿ってエロージョンが形成されることを確認した。
各成膜室内ではスパッタガスとしてすべての情報層についてArガスを用い、ガス圧0.2Paに保って成膜し、基板ホルダーを順次、それぞれの成膜室へと搬送することによりディスク基板上に薄膜を形成した後、光ディスク媒体の表面上に、ポリカーボネート製のシートを紫外線硬化樹脂を用いて貼り合わせた後、ディスク基板を回転させながらレーザ光でアニールすることにより記録層全面を初期化した。
光学的情報記録媒体の各情報層の膜厚に関して、TiO層(誘電体層)は20nmとし、Ag0.98Pd0.01Cu0.01層(反射層)は7nmとし、(ZrO0.25(SiO0.25(Cr0.50層(誘電体層)では16nmとし、Ge0.45Sb0.05Te0.55層(記録層)では6nmとし、(ZrO0.50(SiO0.50層(誘電体層)では40nmとした。こうした層構成を有する光学的情報記録媒体は、波長350nm以上500nm以下のレーザ光かつレンズ開口数0.7以上の光学系を備えた記録再生装置によって、高密度で大容量の情報記録再生を行うことができる。
ターゲット積算電力に伴なって基板上に形成される膜厚の分布は変化するが、各電極44〜48と基板ホルダー38との距離を変えると、変化の様子が異なり、ターゲット材料にもよるが、比較的早い時期で膜厚分布の均一性が損なわれる場合がある。従って、各電極44〜48と基板ホルダー38との距離を変える毎に、ターゲット積算電力を膜厚分布の均一性について調べ、各層での膜厚分布がディスク全周にわたって±3%以上になった時をターゲットの寿命とし、その時のターゲットの掘れ量が板厚の半分に満たない場合を×、半分以上の場合を○とした。
各電極44〜48と基板ホルダー38との距離を短くするほど、ターゲットの輻射熱により基板を損傷させやすくなり、スパッタする時間にもよるが、基板に形成された溝が変形されやすくなり、光ディスク媒体を評価する際に、レーザ光が溝を追従しにくくなる、すなわちトラッキングがかかりにくくなる。従って、電極と基板ホルダーとの距離を変える毎に、作成したディスクのトラッキングの掛かりやすさについて調べ、トラッキングが掛からなかった場合を×、トラッキングが掛かった場合を○とした。
各電極44〜48と基板ホルダー38との距離を変える毎に、基板上に各ターゲット材料を単層形成して、その断面を各半径位置において透過電子顕微鏡で観察し、溝の内周側および外周側の膜厚をそれぞれd1およびd2とし、その比d2/d1を調べた。
光学的情報記録媒体の記録再生特性の評価方法としては、ディスクのグルーブ、すなわち溝及び溝間のうちレーザ光入射側から見て手前に凸になっている部分に対し、波長405nm・レンズ開口数0.85の光学系を用い、線速5m/sで回転させながら、(1−7)変調方式でマーク長0.154μmの2T信号及びマーク長0.693μmの9T信号を記録をし、再生パワーはすべて0.7mWとした。
未記録のトラックに2T信号及び9T信号を交互に合計11回記録を行い、2T信号が記録された状態でC/N比をスペクトラムアナライザーで測定した。さらに、その上に9T信号を記録し、消去率、すなわち2T信号振幅の減衰比を同じくスペクトラムアナライザーで測定した。記録消去のパワーを任意に変化させて測定し、C/N値が最大値より3dB低くなるパワーの1.3倍の値を記録パワーとし、消去率が25dBを超えるパワー範囲の中心値を消去パワーとして設定し、各ディスクの設定パワーにおけるノイズレベルを評価した。
(結果)
下記の表1に、各成膜室の電極と基板ホルダーとの距離を変えたときの、各ターゲット材料における溝斜面の膜厚比d2/d1と、すべての成膜室で電極と基板ホルダーとの距離を同じとして作製した光ディスク媒体のノイズレベルについて調べた結果を示す。
Figure 0004141993
表1によると、いずれのターゲット材料においても内周(半径位置25mm)及び中周(半径位置40mm)はd2/d1は1に近いが、外周(半径位置55mm)では1よりも大きな値になっているが、電極と基板ホルダーとの距離を短くするほど、外周におけるd2/d1の値は小さくなり1に近づく。また、d2/d1の値が1から離れるほどノイズレベルは高くなっている。このことから、書換型の半透明な情報層を有する光ディスク媒体において、溝の斜面部分の内周側と外周側の膜厚差を抑えることで、ノイズレベルの低い良好な信号品質が実現できることがわかった。
下記の表2には、各成膜室の電極と基板ホルダーとの距離を変えたときのターゲット寿命とディスクのトラッキングの掛かりやすさについて評価した結果を示す。また、表中には光ディスク媒体を形成するための各ターゲットのスパッタリング時間についてもあわせて示す。
Figure 0004141993
表2によると、ターゲットAについては、電極と基板ホルダーとの距離を36mmに設定した場合、膜厚分布は良好であるが、トラッキングが困難になった。ターゲットB、Cについては、電極と基板ホルダーとの距離を36mmに設定した場合、トラッキングは良好であるが、膜厚分布が不具合となった。ターゲットDについては、電極と基板ホルダーとの距離が36mm、46mm、56mmのいずれにおいても良好な結果が得られた。ターゲットEについては、電極と基板ホルダーとの距離を46mmに設定した場合、トラッキングが困難になり、36mmに設定した場合、膜厚分布およびトラッキングともに不具合となった。
本結果が良好であった条件、すなわち、ターゲットA、B、Cでの電極と基板ホルダーとの距離を46mmとし、ターゲットDでの距離を36mmとし、ターゲットEでの距離を56mmとして作成した光ディスク媒体のノイズレベルを調べたところ、ディスク半径が25mmで−60.8dB、40mmで−60.4dB、55mmで−59.0dBであり、すべてのターゲット材料を、電極と基板ホルダーとの距離が56mmとして形成した時のディスクのノイズレベル(表1参照)よりも良好な結果が得られた。
このように、各DCスパッタリング成膜室32,34における電極45,47と基板ホルダー38との距離をそれぞれHd1,Hd2とし、また、各RFスパッタリング成膜室31,33,35における電極44,46,48と基板ホルダー38との距離をそれぞれHr1,Hr2,Hr3とした場合、DCスパッタリング成膜室での距離Hd1,Hd2のいずれか1つが他の距離と異なるように、すなわちHd1=46mm、Hd2=36mmにそれぞれ設定することによって、ターゲット材料の成膜特性に応じて基板損傷対策、膜厚分布均一化および量産性のバランスを図ることができる。
さらに、RFスパッタリング成膜室での距離Hr1,Hr2,Hr3のいずれか1つが、DCスパッタリング成膜室での距離Hd1,Hd2のいずれか1つと異なるように、すなわちHr1=46mm、Hr2=46mm、Hr3=56mmにそれぞれ設定することによって、ターゲット材料の成膜特性に応じて基板損傷対策、膜厚分布均一化および量産性のバランスを図ることができる。
次に、ターゲット直径Lとの関係について、RFスパッタリング成膜室31,33,35における距離Hr1,Hr2,Hr3のうちいずれか1つを0.20L以上0.24L未満に設定し、別の1つを0.26L以上0.30L未満に設定することが好ましい。例えば、上述した実施例のようにターゲット直径L=200mmの場合、距離Hr1,Hr2,Hr3のうちいずれか1つを40mm〜48mmの範囲に設定し、別の1つを52mm〜60mmの範囲に設定することが好ましい。
また、DCスパッタリング成膜室32,34における距離Hd1,Hd2のうちいずれか1つを0.15L以上0.19L未満に設定し、別の1つを0.21L以上0.25L未満に設定することが好ましい。例えば、上述した実施例のようにターゲット直径L=200mmの場合、距離Hd1,Hd2のうちいずれか1つを30mm〜38mmの範囲に設定し、別の1つを42mm〜50mmの範囲に設定することが好ましい。
また、RFスパッタリング成膜室31,33,35における距離Hr1,Hr2,Hr3のうちいずれか1つが、他の距離と0.5L以上異なるように設定されていることが好ましい。例えば、上述した実施例のようにターゲット直径L=200mmの場合、距離Hr1,Hr2,Hr3のうちいずれか1つが、他の距離と100mm以上異なることが好ましい。
また、DCスパッタリング成膜室32,34における距離Hd1,Hd2のうちいずれか1つが、他の距離と0.5L以上異なるように設定されていることが好ましい。例えば、上述した実施例のようにターゲット直径L=200mmの場合、距離Hd1,Hd2のうちいずれか1つが、他の距離と100mm以上異なることが好ましい。
また、基板ホルダー38の直径は、0.4L以上0.8L以下に設定されていることが好ましい。例えば、上述した実施例のようにターゲット直径L=200mmの場合、基板ホルダー38の直径は、80mm〜160mmの範囲に設定することが好ましい。
実施例2.
(実験方法)
保護基板としては、ポリカーボネイト樹脂からなり、直径約12cm、厚さ約1.1mm、溝ピッチ0.32μm、溝深さ約20nmのものを用いた。この保護基板の溝が形成された表面上に、第2情報層として、Ag98Pd1Cu1からなる膜厚80nmの反射膜、Alからなる膜厚10nmの反射膜、(ZnS)80(SiO)20からなる膜厚15nmの上側誘電体膜、Cからなる膜厚2nmの上側界面膜、Ge45Sb5Te55からなる膜厚10nmの記録膜、(ZrO)25(SiO)25(Cr)50からなる膜厚5nmの下側界面膜、(ZnS)80(SiO)20からなる膜厚55nmの下側誘電体膜の各薄膜をスパッタリング法によりこの順に積層した。
この第2情報層の表面上に、紫外線硬化性樹脂を用いて2P法により保護基板と同じ溝パターンを転写し、厚さ25μmの分離層を形成した。この分離層の表面上に、第1情報層として、TiOからなる膜厚23nmの透過率調整層、Ag98Pd1Cu1からなる膜厚10nmの反射膜、(ZrO)35(SiO)35(Cr)30からなる膜厚13nmの上側誘電体膜、(ZrO)50(Cr)50からなる膜厚3nmの上側界面膜、Ge45Sb5Te55からなる膜厚6nmの記録膜、(ZrO)50(Cr)50からなる膜厚5nmの下側界面膜、(ZnS)80(SiO)20からなる膜厚36nmの下側誘電体膜の各層をスパッタリング法によりこの順に積層した。
この第1情報層の表面上に、ポリカーボネイトのシートを紫外線硬化樹脂を用いて貼り合わせ、厚さ75μmの透明基板とした。このディスクを回転させながら透明基板側からレーザ光でアニールすることにより各情報層の記録膜全面を初期化した。
なお、各薄膜はいずれも直径200mm、厚さ6mm程度のターゲットを用いて成膜した。透過率調整膜、誘電体膜及び界面膜はRF電源で2kW、反射膜はDC電源で2kW、記録膜はDC電源で500Wで成膜した。記録膜はAr−N混合ガス(N分圧3%)を、その他の膜はArガスのみをスパッタガスとして、いずれもガス圧0.2Paに保って成膜した。
ここで、各層を成膜する上で溝の内周および外周両側の斜面部分の膜厚を制御するために、ターゲットと基板の距離(T−S距離)を変えて表3に示すディスクA、B及びCを作製した。各ディスクの各半径位置において、その断面を透過電子顕微鏡で観察し、溝の内周側及び外周側の斜面部分の第1情報層の膜厚であるd1及びd2を測定した。その比d2/d1を表3に示す。
Figure 0004141993
前記各ディスクのグルーブ、すなわち溝及び溝間のうちレーザ光入射側から見て手前に凸になっている部分に対し、波長405nm・レンズ開口数0.85の光学系を用い、線速5m/sで回転させながら、マーク長0.154μmの2T信号及びマーク長0.693μmの9T信号を記録した。
信号を記録する際には図6に示すパルス波形を用い、2T信号の場合はパワーレベルP1・幅6nsの単一パルス、9T信号の場合はパワーレベルP1・幅6nsかつパルス間の幅9nsの等間隔に並ぶ8個のパルスとその直後に続くパワーレベルP4・幅4nsの冷却パルスからなるパルス列とした。P3及びP4は0mW、再生パワーはすべて0.7mWとした。この条件で、未記録のトラックに2T信号及び9T信号を交互に合計11回記録を行い、2T信号が記録された状態でC/N比をスペクトラムアナライザーで測定した。さらに、その上に9T信号を記録し、消去率、すなわち2T信号振幅の減衰比を同じくスペクトラムアナライザーで測定した。P1及びP2を任意に変化させて測定し、P1は振幅が最大値より3dB低くなるパワーの1.3倍の値、P2は消去率が25dBを超えるパワー範囲の中心値を設定パワーとした。いずれのディスクも設定パワーは第1情報層ではP1が10.0mW、P2が3.5mW、第2情報層ではP1が10.0mW、P2が4.0mWであった。各ディスクの設定パワーにおける2T信号のC/N比を測定した際のキャリアレベル及びノイズレベルを比較したところ、キャリアレベルにはほとんど差がなかったが、ノイズレベルには顕著な差が見られた。そのノイズレベルを表3に示す。また、d2/d1とノイズレベルの関係を図7に示す。
(結果)
表3によると、いずれのディスクも内周(半径位置25mm)及び中周(半径位置40mm)はd2/d1は1に近いが、外周(半径位置55mm)では1よりも大きな値になっている。しかしながら、T−S距離を縮めるほど外周におけるd2/d1の値は小さくなり1に近づく。また、d2/d1の値が1から離れるほどノイズレベルは高くなっており、図7によると、d2/d1が1.1を超えた辺りから急激に悪化している。
以上のように、書換型の半透明な情報層を有する記録媒体において、溝の斜面部分の内周側と外周側の膜厚の差をディスクの全領域にわたって±10%以内に抑えることで、ノイズレベルの低い良好な信号品質が実現できることがわかった。また、上記各ディスクの場合は成膜時にターゲット表面に発生する同心円状のエロージョンの位置が半径30mm近傍であったが、上記ディスクAと全く同じ条件で、エロージョン位置を、各層の成膜時間のうち最初の30%は、半径30mm近傍、残り70%は半径55mm近傍に切り替えて成膜を行った。このディスクを上記ディスクAと同様に評価したところ、内周(半径位置25mm)、中周(半径位置40mm)及び外周(半径位置55mm)いずれにおいてもd2/d1は0.9以上1.1以下であり、ノイズレベルも−60dBm以下に抑えられていることが確認できた。このように、エロージョン位置を制御することでも同様に、溝の斜面部分の内周側と外周側の膜厚の差をディスクの全領域にわたって±10%以内に抑え、ノイズレベルの低い良好な信号品質が実現できることがわかった。
実施例3.
(実験方法)
保護基板としては、ポリカーボネイト樹脂からなり、直径約12cm、厚さ約1.1mm、溝ピッチ0.32μm、溝深さ約20nmのものを用いた。この保護基板の溝が形成された表面上に、第2情報層として、Al98Cr2からなる膜厚40nmの反射膜、(ZnS)80(SiO)20からなる膜厚15nmの上側誘電体膜、Te−O−Pdからなる膜厚15nmの記録膜、(ZnS)80(SiO)20からなる膜厚15nmの下側誘電体膜の各層をスパッタリング法によりこの順に積層した。
この第2情報層の表面上に、紫外線硬化性樹脂を用いて2P法により保護基板と同じ溝パターンを転写し、厚さ約25μmの分離層を形成した。この分離層の表面上に、第1情報層として、Ag98Pd1Cu1からなる膜厚10nmの反射膜、(ZrO)25(SiO)25(Cr)20(LaF)30からなる膜厚15nmの上側誘電体膜、Te−O−Pdからなる膜厚10nmの記録膜、(ZnS)80(SiO)20からなる膜厚30nmの下側誘電体膜の各薄膜をスパッタリング法によりこの順に積層した。この第1情報層の表面上に、ポリカーボネイトのシートを紫外線硬化樹脂を用いて貼り合わせ、厚さ75μmの透明基板とした。このディスクを100℃に保った恒温槽で2時間アニールした。
なお、各薄膜はいずれも直径200mm、厚さ6mm程度のターゲットを用いて成膜した。誘電体膜及び界面膜はRF電源で2kW、反射膜はDC電源で2kW、記録膜はDC電源で500Wで成膜した。記録膜はAr−O混合ガス(O分圧50%)を、その他の膜はArガスのみをスパッタガスとして、いずれもガス圧0.2Paに保って成膜した。ここで、第1情報層及び第2情報層のTe−O−Pd記録膜は、いずれもTe90Pd10ターゲットを用いて成膜しており、前述のオージェ電子分光法によると、その組成比はいずれもTe:O:Pd=45:50:5(at%)であった。
ここで、各層を成膜する上で溝の両側の斜面部分の膜厚を制御するために、ターゲットと基板の距離(T−S距離)を変えて表4に示すディスクD、E及びFを作成した。各ディスクの各半径位置において、その断面を透過電子顕微鏡で観察し、溝の内周側及び外周側の斜面部分の第1情報層の膜厚であるd1及びd2を測定した。その比d2/d1を表4に示す。
Figure 0004141993
前記各ディスクのグルーブ、すなわち溝及び溝間のうちレーザ光入射側から見て手前に凸になっている部分に対し、波長405nm・レンズ開口数0.85の光学系を用い、線速5m/sで回転させながら、マーク長0.154μmの2T信号を記録した。
信号を記録する際には図6に示すパルス波形を用い、パワーレベルP1・幅6nsの単一パルスとした。P2は2mW、P3及びP4は0mW、再生パワーはすべて0.7mWとした。
この条件で、未記録のトラックに2T信号を1回記録し、C/N比をスペクトラムアナライザーで測定した。P1を任意に変化させて測定し、振幅が最大値より3dB低くなるパワーの1.3倍の値を設定パワーとした。いずれのディスクも設定パワーP1は第1情報層、第2情報層とも8.5mWであった。各ディスクの設定パワーにおける2T信号のC/N比を測定した際のキャリアレベル及びノイズレベルを比較したところ、キャリアレベルにはほとんど差がなかったが、ノイズレベルには顕著な差が見られた。そのノイズレベルを表2に示す。また、d2/d1とノイズレベルの関係を図8に示す。
表2によると、いずれのディスクも内周及び中周はd2/d1は1に近いが、外周では1よりも大きな値になっている。しかしながら、T−S距離を縮めるほど外周におけるd2/d1の値は小さくなり1に近づく。また、d2/d1の値が1から離れるほどノイズレベルは高くなっており、図8によると、d2/d1が1.1を超えた辺りから急激に悪化している。
以上のように、追記型の半透明な情報層を有する記録媒体においても、溝の斜面部分の内周側と外周側の膜厚の差をディスクの全領域にわたって±10%以内に抑えることで、ノイズレベルの低い良好な信号品質が実現できることがわかった。
本発明の光学的情報記録媒体は、映像、音楽、情報等の電子化できるデータを保存する媒体として有用である。
本発明の光学的情報記録媒体の一構成例の断面図 本発明の光学的情報記録媒体の一構成例の断面図 本発明の光学的情報記録媒体の一構成例の断面図 本発明の光学的情報記録媒体の一構成例の断面図 本発明の光学的情報記録媒体の記録再生に用いる記録再生装置の一例の概略図 本発明の光学的情報記録媒体の記録再生に用いるパルス波形の一例の概略図 本発明の実施例2における溝の内周側と外周側の斜面部分の膜厚の比に対する各ディスクのノイズレベルの依存性を示した図 本発明の実施例3における溝の内周側と外周側の斜面部分の膜厚の比に対する各ディスクのノイズレベルの依存性を示した図 本発明の光学的情報記録媒体の製造に用いる製造装置の一例を示す構成図である。
符号の説明
1 透明基板
2 第1情報層
3 保護基板
4 溝
5 レーザ光
6 対物レンズ
7 分離層
8 第2情報層
9 第n情報層
10 下側誘電体膜
11 下側界面膜
12 記録膜
13 上側界面膜
14 上側誘電体膜
15 反射膜
16 透過率調整膜
17 レーザダイオード
18 ハーフミラー
19 モーター
20 光学的情報記録媒体
21 フォトディテクター
31〜35 成膜室
36 ロードロック室
37 回転体
38 基板ホルダー
39 ターゲットA
40 ターゲットB
41 ターゲットC
42 ターゲットD
43 ターゲットE
44 RF電極
45 DC電極
46 RF電極
47 DC電極
48 RF電極

Claims (12)

  1. 複数の情報層を有し、光ビームが前記複数の情報層のいずれかに照射されることにより情報の記録及び再生がされる光学的情報記録媒体であって、
    前記複数の情報層が、前記光ビームの入射側から見て近い順に少なくとも第1情報層、第2情報層を含めて構成される場合、
    前記複数の情報層が、溝を有するとともに、光学的に検出可能な少なくとも2つの状態間で変化する記録膜を含み、
    前記複数の情報層の少なくとも1つの情報層における、前記溝の内周側斜面部分の膜厚をd1とし、前記溝の外周側斜面部分の膜厚をd2としたとき、
    前記光ビームの入射側から最も遠い情報層を除いた、少なくとも1つの情報層において、
    0.9≦(d2/d1)≦1.1
    の関係を満たす、光学的情報記録媒体。
  2. 前記第1情報層において、
    0.9≦(d2/d1)≦1.1
    の関係を満たす、請求項1記載の光学的情報記録媒体。
  3. 前記複数の情報層における、各情報層の間の少なくともいずれかに、分離層を設ける、請求項1記載の光学的情報記録媒体。
  4. 透明基板及び保護基板の間に、前記複数の情報層を備える、請求項1記載の光学的情報記録媒体。
  5. 前記第1情報層が、記録膜の透明基板側に第1の誘電体膜を有する、請求項4記載の光学的情報記録媒体。
  6. 前記第1情報層が、記録膜の保護基板側の界面に接して第1の界面膜を有する、請求項4または5に記載の光学的情報記録媒体。
  7. 前記第1情報層が、記録膜の保護基板側に第2の誘電体膜を有する、請求項4〜6のいずれか一つに記載の光学的情報記録媒体。
  8. 前記第1情報層が、記録膜の保護基板側に反射膜を有する、請求項4〜7のいずれか一つに記載の光学的情報記録媒体。
  9. 前記第1情報層が、反射膜の保護基板側に透過率調整膜を有する、請求項8に記載の光学的情報記録媒体。
  10. 前記第1情報層が、記録膜の透明基板側の界面に接して第2の界面膜を有する、請求項5〜9のいずれか一つに記載の光学的情報記録媒体。
  11. 複数の情報層を有し、光ビームが前記複数の情報層のいずれかに照射されることにより情報の記録及び再生がされる光学的情報記録媒体であって、
    前記複数の情報層が、前記光ビームの入射側から見て近い順に少なくとも第1情報層、第2情報層を含めて構成される場合、
    前記複数の情報層が、溝を有するとともに、光学的に検出可能な少なくとも2つの状態間で変化する記録膜を含み、前記複数の情報層の少なくとも1つの情報層における、前記溝の内周側斜面部分の膜厚をd1とし、前記溝の外周側斜面部分の膜厚をd2としたとき、前記光ビームの入射側から最も遠い情報層を除いた、少なくとも1つの情報層において、0.9≦(d2/d1)≦1.1の関係を満たし、
    波長350nm以上500nm以下かつレンズ開口数0.6以上の光学系を用いて記録及び再生を行う、光学的情報記録媒体。
  12. 前記第1情報層において0.9≦(d2/d1)≦1.1の関係を満たすとともに、
    前記複数の情報層における、各情報層の間の少なくともいずれかに、分離層を設け
    請求項11記載の光学的情報記録媒体。
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