JP4140854B2 - 回転電機の回転子 - Google Patents
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Description
そこで、特許文献1に記載の車両用交流発電機においても、高温中で大きな遠心力が発生する場合には、特に絶縁ボビンの口出し線係止部は、高温に曝された状態で、口出し線係止部自身に作用する遠心力に加えて、口出し線に作用する遠心力が加わるので、口出し線係止部が大きく変形してしまう。そこで、大きな応力が口出し線係止部に保持されている口出し線に作用して口出し線の断線を引き起こし、口出し線の耐久性が低下してしまうという課題があった。
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の回転子を示す縦断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の回転子の主要部を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の回転子の主要部を示す断面図である。
そして、第1ポールコア体7は、シャフト挿通穴が軸心位置に穿設された円柱状の第1ボス部8と、第1ボス部8の一端縁部から径方向外側に延設された厚肉リング状の第1継鉄部9と、第1継鉄部9の外周部から軸方向他端側に延設された第1爪状磁極部10とを有している。第1爪状磁極部10は、その最外径面形状を略台形形状とし、周方向幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向厚みが先端側に向かって徐々に薄くなる先細り形状に形成され、第1継鉄部9の外周部に周方向に等角ピッチで例えば8つ配列されている。
ボビン15は、樹脂によって概略糸巻き状に作製され、円筒状の胴体部16と、胴体部16の両端縁部から径方向外側に延設された円盤状の一対のフランジ部17と、一方のフランジ部17から径方向外側に延設されたT字状の口出し線係止部18と、を備えている。
図4はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の回転子の主要部を示す斜視図、図5はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の回転子の主要部を示す断面図である。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
図6はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機の回転子の主要部を示す斜視図、図7はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機の回転子の主要部を示す断面図である。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
また、口出し線係止部18Bの形状が簡易となり、ボビン15Bを安価に作製できる。
上記実施の形態1〜3では、口出し線係止部の最外径面を第1爪状磁極部の内周壁面に当接させるようにするものとしているが、この実施の形態4では、口出し線係止部の最外径面と第1爪状磁極部の内周壁面との間に接着剤やワニスなどの樹脂を充填し、硬化させるものとしている。
図8はこの発明の実施の形態5に係る車両用交流発電機の回転子の主要部を示す斜視図、図9はこの発明の実施の形態5に係る車両用交流発電機の回転子の主要部を示す断面図である。
磁石保持部材23は、ステンレス板を折り曲げ成形されたもので、外壁面が第1および第2爪状磁極部10,14の内周壁面に沿った面形状に形成された台形形状の基部23aと、基部23aの両側に形成された一対の翼部23bとを有している。各翼部23bは、コ字状に成形されており、コ字状の開口側を相対するように基部23aの両側辺に形成されている。そして、永久磁石22が各翼部23bに接着剤などにより固着されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
また、口出し線係止部18の最外径面が磁石保持部材23の基部23aの内壁面に当接しているので、遠心力による口出し線係止部18の荷重が磁石保持部材23を介して第1爪状磁極部10によって受けられる。そこで、口出し線係止部18の変形が抑えられるので、口出し線19の断線を防止でき、口出し線19の耐久性を向上させることができる。
図10はこの発明の実施の形態6に係る車両用交流発電機の回転子の主要部を示す断面図である。
なお、他の構成は上記実施の形態5と同様に構成されている。
図11はこの発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の回転子の主要部を示す斜視図、図12はこの発明の実施の形態7に係る車両用交流発電機の回転子の主要部を示す断面図である。
なお、他の構成は上記実施の形態5と同様に構成されている。
また、口出し線係止部18Bの形状が簡易となり、ボビン15Bを安価に作製できる。
さらに、磁石保持部材23Aをプレス加工で作製できるので、受け片24を容易に作製できる。また、第1および第2爪状磁極部10,14の形状を変更する必要はなく、第1および第2爪状磁極部10,14の最適な形状を維持できる。
上記実施の形態5〜7では、口出し線係止部の最外径面を磁石保持部材の基部の内壁面に当接させるようにするものとしているが、この実施の形態8では、口出し線係止部の最外径面と磁石保持部材の基部の内壁面との間に接着剤やワニスなどの樹脂を充填し、硬化させるものとしている。
また、上記実施の形態5〜8では、磁石保持部材が爪状磁極部に溶接により固着されているものとして説明しているが、径方向外方に付勢するリング体を磁石保持部材の内径側に嵌装し、リング体の付勢力により磁石保持部材を爪状磁極部に押し付けるようにしてもよい。
また、上記各実施の形態では、車両用交流発電機の回転子に適用するものとして説明しているが、この発明は、車両用交流発電機に限らず、車両用交流電動機や車両用交流発電電動機などの回転電機の回転子に適用しても、同様の効果を奏する。
Claims (8)
- 円柱状のボス部、該ボス部の軸方向両端縁部からそれぞれ径方向外側に延設された継鉄部および該継鉄部の外周部から交互に噛み合うように軸方向に延設された複数の爪状磁極部を有するポールコアと、
円筒状の胴体部と、胴体部の軸方向両端縁部からそれぞれ径方向外側に延設されたフランジ部およびフランジ部から径方向外側に延設された口出し線係止部を有し、該胴体部を上記ボス部に外嵌状態に嵌装して上記ポールコアに取り付けられた樹脂製のボビンと、
導線を上記ボビンに巻回して構成され、該導線の巻回部から引き出された口出し線が上記口出し線係止部に巻き付けられているロータコイルと、
上記ボス部の軸心位置に挿通されて、上記ポールコアを相対回転不能に支持するシャフトとを備え、
上記口出し線係止部の最外径部の少なくとも一部が、上記爪状磁極部の内周壁面に当接していることを特徴とする回転電機の回転子。 - 上記口出し線係止部の最外径部が、上記爪状磁極部の内周壁面に面接触状態に当接していることを特徴とする請求項1記載の回転電機の回転子。
- 上記口出し線係止部の最外径部と上記爪状磁極部の内周壁面との接触面が、上記シャフトの軸心を中心とする円筒面に接する平坦面に形成されていることを特徴とする請求項2記載の回転電機の回転子。
- 上記口出し線係止部の最外径部が上記爪状磁極部の内周壁面に樹脂で固着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
- 円柱状のボス部、該ボス部の軸方向両端縁部からそれぞれ径方向外側に延設された継鉄部および該継鉄部の外周部から交互に噛み合うように軸方向に延設された複数の爪状磁極部を有するポールコアと、
隣り合う上記爪状磁極部間に配設される永久磁石と、
外壁面が上記爪状磁極部の内周壁面に沿った面形状に形成された基部および該基部の両側に形成され、それぞれ上記永久磁石が固着された翼部を有し、該永久磁石部が該爪状磁極部の周方向の両側面に接するように該基部の外壁面を該爪状磁極部の内周壁面に当接させて配設された磁石保持部材と、
円筒状の胴体部と、胴体部の軸方向両端縁部からそれぞれ径方向外側に延設されたフランジ部およびフランジ部から径方向外側に延設された口出し線係止部を有し、該胴体部を上記ボス部に外嵌状態に嵌装して上記ポールコアに取り付けられた樹脂製のボビンと、
導線を上記ボビンに巻回して構成され、該導線の巻回部から引き出された口出し線が上記口出し線係止部に巻き付けられているロータコイルと、
上記ボス部の軸心位置に挿通されて、上記ポールコアを相対回転不能に支持するシャフトとを備え、
上記口出し線係止部の最外径部の少なくとも一部が、上記基部の内壁面に当接していることを特徴とする回転電機の回転子。 - 上記口出し線係止部の最外径部が、上記基部の内壁面に面接触状態に当接していることを特徴とする請求項5記載の回転電機の回転子。
- 上記口出し線係止部の最外径部と上記基部の内壁面との接触面が、上記シャフトの軸心を中心とする円筒面に接する平坦面に形成されていることを特徴とする請求項6記載の回転電機の回転子。
- 上記口出し線係止部の最外径部が上記基部の内壁面に樹脂で固着されていることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
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