JP4139229B2 - 地盤災害予測方法、地盤災害予測システム及び地盤災害予測プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、目標地物の位置座標と、該位置座標から選定された観測点との間の距離変動をGPS地心座標で連続測定し、せん断応力場が形成されている地殻プレート付近の観測点における座標の変動量に基づいて地盤災害を予測する地盤災害予測方法、地盤災害予測システム及び地盤災害予測プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、地殻の変動を地表における距離の変動として把握し、その距離の変動を地図上の水平変動として解析し、その解析結果に基づいて地震を含む地盤災害等の予測を行っていた。
また、従来の地盤災害予測方法では、地殻変動の測定にGPSを用いて地表面の距離の変動を観測していたが、その際に、観測データとして得られるGPS座標を地図座標に変換してデータの解析を行っていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−250624号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の地震を含む地盤災害の予測方法では、3次元の地殻の変動を地図表面(準拠楕円体)上の水平変動、すなわち、2次元における変動として歪曲して把握していたが、本発明では、この過ちを正すことで、災害予知を可能なものとする。
地殻プレートの微小部分において、XYZ直交座標系で考えると、例えば、Z方向に応力が加わると、その微小部分はX方向、またはY方向に変位する。したがって、地殻変動を微小なものまで正確に把握するには、XYZ直交座標系で地殻の変動を観測する場合には、X方向、Y方向、Z方向の各座標について観測する必要があるが、従来方法では、実際に小さな地殻変動はもとより、大きな地殻変動が生じても、体感・視認に至る状況にならない限り、誤差として異常が無視されてしまう研究基板になっていた。
【0005】
また、従来の地盤災害予測方法では、地殻変動の測定にGPSを用いて地表面の距離の変動を観測していたが、その際に、観測データとして得られるGPS座標を地図座標に変換していたために、地下での微小な動きが誤差に埋もれてしまい、精密に地殻変動を把握することができないという問題が有った。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能な地盤災害予測方法、地盤災害予測システム及び地盤災害予測プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定し、前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、該定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出し、該変動量の変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定または予知するものであり、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標について、前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、該観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎に前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出し、前記X,Y,Z座標毎に求めた前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地中、または地殻プレートにおいてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定または予知することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定し、前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、該定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出し、該変動量の変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定または予知するようにしたので、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【0010】
また、この発明によれば、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標について、前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、該観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎に前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出するようにしたので、地殻変動を漏れなくチェックすることができる。
【0012】
また、この発明によれば、前記X,Y,Z座標毎に求めた前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量の変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地中、または地殻プレートにおいて、X,Y,Z座標毎に地心座標順列で配列した観測基準点の近傍においてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定または予知するようにしたので、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【0013】
また、本発明は、目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定する観測基準点設定手段と、前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測する測定手段と、前記測定手段により定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出する演算手段と、前記演算手段により算出された前記変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定する判定手段と、を有し、前記測定手段は、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標について、前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、前記演算手段は、前記測定手段の観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎に前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出し、前記判定手段は、前記X,Y,Z座標毎に求めた前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地中、または地殻プレートにおいてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定することを特徴とする。
【0014】
また、この発明によれば、目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定する観測基準点設定手段と、前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測する測定手段と、前記測定手段により定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出する演算手段と、前記演算手段により算出された前記変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定する判定手段とを有するので、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【0016】
また、この発明によれば、測定手段は、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標について、前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、前記演算手段は、前記測定手段の観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎に前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出するようにしたので、地殻変動を漏れなくチェックすることができる。
【0018】
また、この発明によれば、前記判定手段は、前記X,Y,Z座標毎に求めた前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地殻プレートにおいてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定するようにしたので、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【0019】
また、本発明は、コンピュータに、目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定する第1のステップと、前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測する第2のステップと、前記第2のステップにより定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出する第3のステップと、前記第3のステップにより算出された前記変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定する第4のステップと、を実現させるための地盤災害予測プログラムであり、前記第2のステップでは、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標について、前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、前記第3のステップでは、前記第2のステップにより観測された観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎に前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出し、前記第4のステップでは、前記X,Y,Z座標毎に求めた前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地中、または地殻プレートにおいてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定することを実現させるための地盤災害予測プログラムを要旨とする。
【0020】
また、この発明によれば、目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定する第1のステップと、前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測する第2のステップと、前記第2のステップにより定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出する第3のステップと、前記第3のステップにより算出された前記変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定する第4のステップとをコンピュータに実行させるための地盤災害予測プログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【0022】
また、この発明によれば、前記第2のステップでは、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標について、前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、前記第3のステップでは、前記第2のステップにより観測された観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎に前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出するようにしたので、地殻変動を漏れなくチェックすることができる。
【0024】
また、この発明によれば、前記第4のステップでは、前記X,Y,Z座標毎に求めた前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地殻プレートにおいてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定するようにしたので、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1に本発明の実施形態に係る地盤災害予測システムの構成を示す。この地盤災害予測システムは、目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定し、前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、該定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出し、該変動量の変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定または予知することを特徴とする地盤災害予測方法を実施するためのシステムである。
【0026】
同図において、本実施形態に係る地盤災害予測システムは、システム全体に各種指示を行うための操作部10と、目標地物の測定点と、目標地物の測定点を囲むように選定された観測基準点との間の距離を観測する距離測定部11と、記憶部20と、観測基準点の座標の変動量を算出する座標変動量演算部30と、判定部40と、表示部50と、プリンタ60と、通信部70とを有している。
【0027】
距離測定部11は、目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定し、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標(地心X,Y,Z座標)について、前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測する。
また、距離測定部11は、目標地物の測定点と観測基準点の位置を測定する位置測定装置12と、位置測定装置12により測定された測定データを記憶するメモリ13と、メモリ13に記憶された目標地物の測定点及び観測基準点の位置データに基づいて目標地物の測定点と観測基準点の2点間の距離を演算する距離演算部14とを有している。
【0028】
また、記憶部20には、距離演算部14により演算された距離データ及び座標変動量演算部30により演算された目標地物の測定点と観測基準点の2点間の距離に対する観測基準点の座標の変動量を示すデータが格納される。
さらに、記憶部20には、地心X,Y,Z座標における地盤災害を発生する各座標の閾値Fx(地心X座標閾値),Fy(地心Y座標閾値),Fz(地心Z座標閾値)、地図データ等の固定データが格納されている。
【0029】
座標変動量演算部30は、距離測定部11により観測された観測結果に基づいて上記X,Y,Z座標毎に上記目標地物の測定点と観測基準点との2点間における距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出する。この変動量は、目標地物の測定点と観測基準点との2点間における距離に対する各観測基準点の座標の変化分の割合を意味し、例えば、PPMで表される。
また、判定部40は、座標変動量演算部30により演算された上記観測基準点と測定点との2点間における距離変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定または予知する。
【0030】
すなわち、判定部40は、上記X,Y,Z座標毎に求めた前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、該変動量の変動方向が逆転した観測基準点が有る場合に該観測基準点近傍の地殻プレートにおいてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたものと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値(Fx(地心X座標閾値),Fy(地心Y座標閾値),Fz(地心Z座標閾値))とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定する。
なお、上記せん断応力場はX,Y,Z座標毎に地心座標順列下で配列した観測点(観測基準点を意味する)の近傍においてのみ形成される。
【0031】
表示部50は、判定部40により出力された各観測基準点の座標の区間変動量、推定された地盤災害予測地点/災害地域予測情報を表示する。
また、プリンタ60は、判定部40により出力された各観測基準点の座標の区間変動量、地盤災害予測地点/災害地域予測情報を印字出力する。
さらに、通信部70は、通信ネットワークを介して関係箇所に各観測基準点の座標の区間変動量、地盤災害予測地点/災害地域予測情報を自動配信する。
【0032】
次に、位置測定装置12による観測基準点及び測定点の位置測定方法を図2及び図3を参照して説明する。図2は、時空間三角網平均による宇宙測量法を説明するためのGPSシステムの概要図である。図2において、1a、1b、1cはそれぞれ異なるGPS衛星であり、地上約2万キロメートルの円軌道を周回しながら2周波の測距用電波を連続的に送信している。2a、2b、2cは、地盤等の変位を測定する地上の観測基準点または測定点に設置され、GPS衛星1a、1b、1cから送信される電波を受信するGPS受信機である。
【0033】
3は、GPS衛星1a、1b、1cと地上面との間を飛行する飛行機に搭載されたGPS受信機である。
また、GPS受信機2a、2b、2c、3には、GPS衛星1a、1b、1cから受信した信号を位置データとして記録する記録装置が接続されているものとする。さらに、12はGPS受信機2a、2b、2c、3で受信した位置データに基づいて、観測基準点または測定点の位置情報を確定するための位置測定装置である。
【0034】
図3は、位置測定装置12の構成を示すブロック図である。図3において、121および122はそれぞれ地上の測定点におけるGPS受信機2a、2b、2cで受信した位置データを入力する入力手段、および飛行機に搭載したGPS受信機3で受信した位置データを入力する入力手段である。
123は、入力手段121、122から入力したGPS受信機2a、2b、2c、3の位置データを記憶する記憶手段である。124は、記憶手段123に記憶された位置データを取り出す取出手段である。
【0035】
125は、取り出した位置データに基づいて、ある時刻における測定点のGPS受信機2a、2b、2cおよび飛行機に搭載されたGPS受信機3の位置を頂点として三角錐を構成する三角網構成手段である。三角網構成手段125では、測定点を多数設けることによって多くの三角錐を構成することができ、3次の三角網を構成することができる。
126は、三角網構成手段125で構成した3次元の三角網を網平均計算することによってGPS受信機2a、2b、2c、3の位置データを調整する調整手段である。また、127は調整手段126で調整した位置データを出力する出力手段である。
【0036】
次に、時空間三角網平均による宇宙測量法の手順について説明する。本実施の形態では、GPS受信機3を搭載した飛行機にGPS受信機2a、2b、2cの上空を飛行させる。このとき、地上の観測基準点または測定点のGPS受信機2a、2b、2cおよび飛行機に搭載したGPS受信機3は、複数のGPS衛星1a、1b、1cから送信される信号を受信する。そして、その受信信号は位置データとしてGPS受信機に接続されたそれぞれの記録装置に記録される。
【0037】
次に、GPS受信機2a、2b、2c、3に接続されている記録装置からそれぞれの位置データを取り出し、入力手段121および122から位置測定装置12に入力する。入力されたそれぞれの位置データは記憶手段123に一旦記憶される。そして、記憶手段123から取出手段124によって取り出され、三角網構成手段125によって3次元の三角網を構成する。
【0038】
一般に、地形等の測量においては実際に測定した測定点の位置データを測定点全体の関係から調整して確定する。このために、測定点の位置データから三角網を構成し、網平均計算を行う。ここで三角網とは、測定点を三角形の頂点として互いに直線で結ぶことによって構成される三角形の集合体である。また、網平均計算とは、この三角形の頂点の位置を角条件や辺条件といった制約条件の下で最小二乗法を行うことによって位置データを確定する計算方法である。このような網平均計算については、例えば「最小二乗法の理論とその応用」(田島稔他著、東洋書店)等に詳述されている。
【0039】
このような計算を調整手段126で行うことによって、三角網構成手段125で構成した3次元の三角網を用いて、GPS受信機2a、2b、2c、3の位置データを確定する(ステップS5)。本実施形態のように、網平均計算において地上の観測基準点または測定点となるGPS受信機2a、2b、2cだけでなくGPS受信機3の位置データを三角網に含めることによって、水平方向だけでなく垂直方向の測定精度を高くすることができる。このようにして求めた位置データを出力手段127から取り出すことができる。
【0040】
上述した手法で、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標(地心X,Y,Z座標)について位置測定装置12により目標地物の測定点と目標地物を囲む各観測基準点の位置が測定される。目標地物(災害予想地点、ユーザの希望箇所等)を囲む水平距離20〜300km以内の観測基準点(GPS電子基準点)を常時監視点としたGPS監視網を構築し、各観測基準点の地心X,Y,Z座標の変動量を観測する。
なお、本実施形態では、目標地物の測定点の近傍の観測基準点を常時監視点として選定する。常時監視点は、6点以上(目標地物を除く、同一の地心XYZ座標系列上で2点以上)とする。図5は、目標地物を挟んで常時監視点としての観測基準点P1、P2が選定された状態を示している。
【0041】
次に、図1に示した本実施形態に係る地盤災害予測システムの動作を図4のフローチャートを参照して説明する。同図において、操作部10を操作することにより地盤災害予測システムの動作が開始され、まず、位置測定装置12を含むGPSシステム(図2)により目標地物の測定点及び選定された各観測基準点の位置が測定され、位置測定装置12より目標地物の測定点及び各観測基準点の位置データが出力される。
この位置データはメモリ13に取り込まれ、記憶される(ステップ200、201)。
【0042】
次いで、距離演算部14により、メモリ13に記憶された目標地物の測定点及び各観測基準点の位置データに基づいて該測定点と各観測基準点との2点間の距離が算出され(ステップ202)、この算出された距離データは記憶部20に格納される(ステップ203)。上述したステップ200からステップ203に至る処理は定期的に行われ、目標地物の測定点と各観測基準点との間の距離(区間距離)は定期的に演算される。
座標変動量演算部30では、観測基準点と各測定点との間の区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量をX,Y,Z座標について各々、一定期間毎に演算し、その演算結果を記憶部20に格納する(ステップ204)。
【0043】
判定部40では、記憶部20に格納されている目標地物の測定点と各観測基準点との間の区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量の変動方向に基づいてせん断応力場が形成されているか否かを判定する(ステップ205)。
すなわち、各観測基準点における座標の変動量を観測し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量の変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地殻プレートにおいてせん断応力場が形成されたものと判定する。
【0044】
図6は、目標地物の測定点P0付近の地点にせん断応力場が形成されている状態を示している。同図において、P1、P2、P3、P4は目標地物の測定点P0を囲む観測基準点であり、1回目の観測では、P1、P2、P3、P4の各観測基準点の座標に変化はないが、2回目以降の観測では、観測基準点P1、P2側では各観測基準点の座標の変動量が+方向、すなわち増加する方向に変化して引張場が形成され、観測基準点P3、P4では各観測基準点の座標の変動量が−方向、すなわち減少する方向に変化して圧縮場が形成されている。
【0045】
この結果、隣接する観測基準点P2、P3間である測定点P0付近の地点にせん断応力場が形成されていることが判る。図6では、各観測基準点の座標は、地心X座標について観測した例について示しているが、地心Y座標、地心Z座標についても同様である。地心X、Y、Z座標のうちいずれかについてせん断応力場が形成されているか否かを判定する。
また、ステップ205でせん断応力場が形成されていないと判定した場合には、ステップ200に戻り、既述した処理を繰り返す。
【0046】
次いで、判定部40は、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定する(ステップ206)。ここで、観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値は、過去の地盤災害発生時における観測データから決定される。
【0047】
すなわち、目標地物の測定点と常時観測される観測基準点との間の区間距離変動量は周期的に反復伸縮し、最大振幅量が地盤破壊強度を超えるときに地盤災害が発生すると推測される。そこで、過去の災害地における観測データと整合性のとれた災害注意報、災害警報を出すようにする。災害注意報は観測基準点の最大振幅量が閾値の80〜100%であるときに、災害警報は観測基準点の最大振幅量が閾値の100%以上であるときに出すようにする。
【0048】
図7は地盤のせん断面に作用するせん断力とせん断抵抗との関係について示している。同図において、地球の重心を原点とする、XYZ直交座標系において、せん断応力場が形成されている地盤におけるせん断面ΔSに対し、X、Y、Z軸にそれぞれ、直交する方向にせん断力τx(地心X座標最大振幅量),τy(地心Y座標最大振幅量),τz(地心Z座標最大振幅量)が作用する。Fx,Fy,Fzは、せん断抵抗であり、せん断力τx,τy,τzに対してそれぞれ、反対方向に作用する。また、Fxは地心X座標閾値,Fyは地心Y座標閾値,Fzは地心Z座標閾値である。
せん断破壊条件は、τx>Fx,τy>Fy,τz>Fzである。
【0049】
次に、ステップ207では、ステップ206の判定結果、すなわち、災害注意報または災害警報等の災害予測情報、さらには、常時監視点である観測基準点の座標の変動量を示す情報(座標の変動量のうち年変動、月変動、日変動等を示す図表)を表示部50に表示し、その表示内容をプリンタ60でプリントアウトする。また、ステップ208では、ステップ207でプリントアウトされる災害予測情報及び観測基準点の座標の変動量を示す情報を通信部70により図示していない通信ネットワークを介して関係箇所に電子配信する。
【0050】
なお、図1に示した地盤災害予測システムの機能を、図4に示す処理内容の地盤災害予測プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより実現してもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0051】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0052】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの(伝送媒体ないしは伝送波)、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0053】
以上、本実施の形態に係る地盤災害予測システムによれば、目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定し、前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、該定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測点の座標の変動量を算出し、該変動量の変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定するようにしたので、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【0054】
また、本実施の形態に係る地盤災害予測システムによれば、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標について、前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、該観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎に前記区間距離に対する各観測点の座標の変動量を算出するようにしたので、地殻変動を漏れなくチェックすることができる。
【0055】
さらに、本実施の形態係る地盤災害予測システムによれば、X,Y,Z座標毎に求めた観測基準点と目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量の変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地殻プレートにおいてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定するようにしたので、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【0056】
【発明の効果】
この発明によれば、目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定し、前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、該定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出し、該変動量の変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定または予知するようにしたので、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【0057】
また、この発明によれば、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標について、前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、該観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎に前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出するようにしたので、地殻変動を漏れなくチェックすることができる。
【0058】
また、この発明によれば、X,Y,Z座標毎に求めた観測基準点と目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量の変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地中、または地殻プレートにおいて、X,Y,Z座標毎に地心座標順列で配列した観測基準点の近傍においてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定または予知するようにしたので、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【0059】
また、この発明によれば、目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定する観測基準点設定手段と、前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測する測定手段と、前記測定手段により定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出する演算手段と、前記演算手段により算出された前記変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定する判定手段とを有するので、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【0060】
また、この発明によれば、測定手段は、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標について、前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、前記演算手段は、前記測定手段の観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎に前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出するようにしたので、地殻変動を漏れなくチェックすることができる。
【0061】
また、この発明によれば、前記判定手段は、前記X,Y,Z座標毎に求めた前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地殻プレートにおいてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定するようにしたので、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【0062】
また、この発明によれば、目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定する第1のステップと、前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測する第2のステップと、前記第2のステップにより定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出する第3のステップと、前記第3のステップにより算出された前記変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定する第4のステップとをコンピュータに実行させるための地盤災害予測プログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【0063】
また、この発明によれば、前記第2のステップでは、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標について、前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、前記第3のステップでは、前記第2のステップにより観測された観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎に前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出するようにしたので、地殻変動を漏れなくチェックすることができる。
【0064】
また、この発明によれば、前記第4のステップでは、前記X,Y,Z座標毎に求めた前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地殻プレートにおいてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定するようにしたので、異常地盤を精確に把握でき、かつ的確に地盤災害の予測を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る地震予測システムの構成を示すブロック図。
【図2】 時空間三角網平均による宇宙測量法を説明するためのGPSシステムの概要図。
【図3】 図1に示した本発明の実施形態に係る地盤災害予測システムにおける位置測定装置の具体的構成を示すブロック図。
【図4】 図1に示した本発明の実施形態に係る地盤災害予測システムの動作を示すフローチャート。
【図5】 目標地物の測定点と常時監視点として選定された観測基準点との関係を示す説明図。
【図6】 目標地物の測定点付近の地点にせん断応力場が形成されている状態を示す説明図。
【図7】 地盤のせん断面に作用するせん断力とせん断抵抗との関係を示す説明図。
【符号の説明】
10 操作部
11 距離測定部(観測基準点設定手段、測定手段)
12 位置測定装置
13 メモリ
14 距離演算部
20 記憶部
30 座標変動量演算部(演算手段)
40 判定部(判定手段)
50 表示部
60 プリンタ
70 通信部
Claims (3)
- 目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定し、前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、該定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出し、該変動量の変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定または予知するものであり、
GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標について、前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、該観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎に前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出し、
前記X,Y,Z座標毎に求めた前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地中、または地殻プレートにおいてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定または予知することを特徴とする地盤災害予測方法。 - 目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定する観測基準点設定手段と、
前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測する測定手段と、
前記測定手段により定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出する演算手段と、
前記演算手段により算出された前記変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定する判定手段と、
を有し、
前記測定手段は、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標について、前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、
前記演算手段は、前記測定手段の観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎に前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出し、
前記判定手段は、前記X,Y,Z座標毎に求めた前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地中、または地殻プレートにおいてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定する
ことを特徴とする地盤災害予測システム。 - コンピュータに、
目標地物を囲む所定距離以内に複数の観測基準点を地表面上に設定する第1のステップと、
前記目標地物の測定点と前記複数の観測基準点の各観測基準点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測する第2のステップと、
前記第2のステップにより定期的に観測された前記区間距離及び各観測基準点の座標から前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出する第3のステップと、
前記第3のステップにより算出された前記変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向に基づいて地盤の災害発生地点及び/または災害発生地域を推定する第4のステップと、
を実現させるための地盤災害予測プログラムであり、
前記第2のステップでは、GPSを用いて地球の重心を原点とするX,Y,Z座標について、前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離及び各観測基準点の座標を定期的に観測し、
前記第3のステップでは、前記第2のステップにより観測された観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎に前記区間距離に対する各観測基準点の座標の変動量を算出し、
前記第4のステップでは、前記X,Y,Z座標毎に求めた前記観測基準点と前記目標事物の測定点との間における区間距離に対する各観測基準点における座標の変動量を監視し、隣接する観測基準点間で該観測基準点における座標の変動量のX,Y,Z座標毎の順列下での変動方向が反転した場合に前記隣接する観測基準点間近傍の地中、または地殻プレートにおいてせん断応力場が形成されたものと判定し、せん断応力場が形成されたと判定された地点付近の観測基準点における座標の変動量と、該観測基準点における座標の変動量の地盤破壊が生じる基準となる閾値とを比較し、該比較結果に応じて災害発生地点及び/または災害発生地域を推定する
ことを実現させるための地盤災害予測プログラム。
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