JP4138941B2 - 薄頭付きねじ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークにねじ込まれたねじの頭部がワークから突出してワークの美観を損なうことなく、しかも、ねじとしてのねじ込み締結機能に何らの不具合を生じることなく使用可能な薄頭付きねじに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の電化製品及び情報機器製品においては、性能が向上するとともに比較的小型化されたものが多く使用されているが、その中でも、持ち運びが便利なように厚みの薄い例えば、電子手帳、パソコン、携帯電話等の電子機器が広く普及している。このような製品においては、できるだけ軽く、しかも、厚みの薄いことが条件であり、これを組み立てるためのねじも呼び径が2mm以下の小さいねじが使用されているのが現状である。そのため、近年ではこのねじをできるだけ小さくしたものが開発されているが、図3に示すように、ねじ101の頭部102はドライバに係合する係合溝105を形成する関係上、その頭部102の形状は依然として今までの形状のままとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように厚みの薄い製品が要求されているにもかかわらず、このねじの小型化に限界があることから製品の小型化に対応できないことは将来の組み立て作業に大きな影響を与えている。この問題を解決すべく呼び径の小さいだけの従来のねじに比べてその頭部も薄くしたねじが考えられているが、圧造加工により頭部を薄くする加工には頭部にドライバビットが係合する係合溝がある関係上、脆くなるとともに係合溝がねじの脚部まで達するため、脚部の材料が薄くなったり、破れたりしてねじの機能が得られていない。また、このねじに必要な強度を与えるために熱処理及び鍍金処理を施した場合、頭部の上面が平坦であると、この頭部体積が小さいため、処理作業中に互いの頭部が密着した状態となり、熱処理及び鍍金処理が不完全になる等の課題を有している。
【0004】
本発明の目的は、このような課題を解消するとともに頭部厚さが薄いねじにおいてもねじ込み機能を損なうことのないねじの提供である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上面を薄頭が形成される大きな半径の球面形状とした頭部と座面から延びてねじ山が形成された脚部に至るテーパ形状の補強部とを備え、頭部から補強部を通り脚部まで達する係合溝を形成する一方、補強部をワークの下穴に収まる径とした薄頭付きねじにおいて、脚部に形成されたねじ山の不完全ねじ部を補強部と脚部との接合部に形成し、この不完全ねじ部の谷底を補強部のテーパの延長線上、もしくはその外側に位置させるように構成されている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1及び図2に基づき説明する。図1において、1は頭部2とこの頭部2と一体で且つねじ山3を有する脚部4とからなるねじである。このねじ1の頭部2には脚部4の中心線上にドライバビット(図示せず)と係合する十字形状の係合溝5が形成してあり、この係合溝5は先端が脚部4に達している。この頭部2はその厚みが通常のねじ1の頭部2より比較的薄く形成してあり、この頭部2の厚さはねじ1の呼び径に対して、その1/3以下程度に設定されている。この頭部2の上面は比較的大きな半径の球面形状となっており、頭部2の外周縁はその厚みが中心部の厚みより薄くなっている。
【0007】
この頭部2には、座面から延びて脚部4に至る補強部10が形成されている。この補強部10は頭部2側がワーク20の下穴に収まる径をなすとともに脚部4に形成されたねじ山3のねじ山外径より大きく、脚部4側がねじ山外径より小さいテーパ形状に形成されている。また、この補強部10の長さは頭部2側のワーク20の板厚よりも短くなるように構成されている。さらに、前記補強部10のテーパの角度は前記係合溝5の壁面角度とほぼ等しいか僅かに大きくなっており、補強部10が前記係合溝5の壁面6との間に所定の厚みを有するように構成されている。しかも、前記補強部10と脚部4との接合部には前記ねじ山3の一部をなす不完全ねじ部11が設けられている。この不完全ねじ部11の谷底およびそのねじ山3の谷底は補強部10のテーパの延長線上あるいはこれより外側に位置しており、補強部10と脚部4との接合部で横断面が急激に少なくならずに、係合溝5の壁面6との間に所定の厚みが保たれるように設定されている。
【0008】
このような薄頭付きねじ1を使用してワーク20にねじ込む作業においては、図2に示すように、ワーク20の下穴に対してこのねじ1の係合溝5にドライバビットを係合してねじ込み力を伝達してねじ込む。この時、ドライバビットからのねじ込み力は補強部10から脚部4に伝達され、ねじ山3はワーク20に所定のねじ込み力でねじ込まれる。そして、頭部2の座面7がワーク20に着座すると、ねじ込み作業は終了する。
【0009】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した実施の形態から明らかなように、上面を薄頭が形成される大きな半径の球面形状とした頭部2と座面から延びてねじ山3が形成された脚部4に至るテーパ形状の補強部10とを備え、頭部2から補強部10を通り脚部4まで達する係合溝5を形成する一方、補強部10をワーク20の下穴に収まる径とした薄頭付きねじ1において、脚部4に形成されたねじ山3の不完全ねじ部11を補強部10と脚部4との接合部に形成し、この不完全ねじ部11の谷底を補強部10のテーパの延長線上、もしくはその外側に位置させた薄頭付きねじ1である。そのため、頭部2のみでワーク20を押えて締付けを行う時には、頭部2と補強部10との接合部での頭部2の厚さが全周にわたって滑らかに変化し、この接合部での狭小部分が急激に狭くならずに半径方向に広がることとなるので、接合部に加わる応力が分散される。この応力の分散により、頭部2がこの接合部で折損することがなく、ねじとしての本来の機能を発揮することができる。また、本発明では補強部10と脚部4との接合部にねじ山3の不完全ねじ部11が形成されているので、ワークの板厚を補強部の長さまで薄くすることができる。さらに、本発明では係合溝5がねじの脚部4に達していても、不完全ねじ部11のねじ山3の谷部により補強部10と脚部4との接合部の横断面の面積がテーパによる漸減量以上には減少することがない。そのため、この接合部の横断面の面積は急激に変化しないので、この接合部での応力集中を避けることができる。しかも、本発明では頭部2が僅かに球面状に形成されているので、このねじ1に必要な強度を与えるために熱処理及び鍍金処理を施した場合、これら表面処理作業中に頭部2の上面同士が密着することがなく、ムラなく表面処理作業が完全に行える等の特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す薄頭付きねじの正面図である。
【図2】本発明のねじ込み状態を示す断面図である。
【図3】従来のねじのねじ込み状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ねじ
2 頭部
3 ねじ山
4 脚部
5 係合溝
6 壁
7 座面
10 補強部
11 不完全ねじ部
20 ワーク

Claims (1)

  1. 上面を薄頭が形成される大きな半径の球面形状とした頭部と座面から延びてねじ山が形成された脚部に至るテーパ形状の補強部とを備え、頭部から補強部を通り脚部まで達する係合溝を形成する一方、補強部をワークの下穴に収まる径とした薄頭付きねじにおいて、
    脚部に形成されたねじ山の不完全ねじ部を補強部と脚部との接合部に形成し、この不完全ねじ部の谷底を補強部のテーパの延長線上、もしくはその外側に位置させたことを特徴とする薄頭付きねじ。
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