JP4138134B2 - 燃料噴射ポンプの噴射時期制御構造 - Google Patents

燃料噴射ポンプの噴射時期制御構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料噴射ポンプの燃料噴射時期を調節する機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンにおいて、燃料噴射ポンプで数百気圧に加圧された燃料はクランク回転角で上死点より20度程度前(進角)にて噴射弁の噴口から燃焼室内に噴射される。ディーゼルエンジンは空気過剰の状態で燃焼が行われるため、ガソリンエンジンに比し、COおよびHCの排出濃度ははるかに少ないが、NOxは同程度排出されるので、その低減がもっとも重要課題とされている。NOxは空気中の窒素と酸素が高温にさらされて反応して生成されるので,一般に良好な燃焼状態ほど多量に排出される。すなわちNOxの発生量は、燃焼が高温なほど、またその持続時間が長いほど多く、また空気と燃料の混合比のある値で最大値をとる。NOxを低減しようとすると、一般に燃焼が悪化し、出力や熱効率の低下、COやHCの増加、低温始動性の悪化や黒煙濃度の増加などをきたすので、これらをいかにくい止めるかが重要になる。
【0003】
NOxの低減には、燃料噴射時期の遅延や燃焼室の改良など、エンジン自体を改良するいわゆるエンジンモディフィケーションと、排気ガスの一部を吸気に戻す排気再循環が有効であることがしられている。上述の燃焼悪化に対しては、燃焼室、噴射系、吸・ 排気系の変更による燃焼の最適化が図られている。また、変化するエンジンの回転数と負荷に応じて燃料噴射時期を精度よく、かつ敏速に制御し、また排気再循環も適時に、しかも必要最小限となるように制御することなども重要である。しかし、排気再循環を行うと排気中の煤が吸入空気を介して潤滑油に混入し、潤滑油の早期劣化とエンジン摺動部の摩耗が問題となる。また、ブローバイガス還元装置を装着した場合には、吸気マニホールド内壁に付着したオイルに煤が堆積し、吸気マニホールドを閉塞して、エンジンの性能を低下させる。
【0004】
一方、エンジンの回転数と負荷に応じて燃料噴射時期を制御する方法において、燃料噴射ポンプの燃料を押し出すプランジャに細工をほどこし、該燃料噴射ポンプの回転速度による燃料の漏れ効果を制御することにより、燃料噴射時期を制御する機構は知られている。例えば、特開平6−50237などである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
NOxを低減するために、燃料噴射時期を遅角させることが有効ではあるが、エンジンの低温始動性の悪化を招き、アイドリング時に失火する可能性が高くなるとともに、未燃焼の燃料による白煙が発生する。また、前記の特開平6−50237記載の技術においては、プランジャの加工の精度により特性が大きく変化するため、燃料噴射ポンプの特性が加工過程に大きく依存する。このため、個々の燃料噴射ポンプの特性を均一化するためには、困難を要する。特にボッシュタイプの列型燃料噴射ポンプに適応した場合には、エンジンの各気筒への燃料供給量の均一化を行うのは困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
ポンプ本体内にプランジャバレルを固設して、該プランジャバレル内部には往復動自在に燃料圧送用のプランジャを配設し、該プランジャバレルにはプランジャ軸方向に対して直角に、燃料ギャラリに連通するメインポートと、ドレイン回路に連通するサブポートとを穿設し、該サブポートに対面する該プランジャの頂部には、段形状のリーク溝を形成し、圧送部からリーク溝を介してサブポートに至り、圧送初期に燃料をリークさせるようにした燃料噴射ポンプにおいて、該リーク量である漏れ度合を制御する手段を、該燃料噴射ポンプの外部より調節可能に付設し、該制御手段は、前記サブポート自体を直接に閉鎖するシート部材(215b)と、該シート部材(215b)を閉鎖方向に付勢する付勢部材(215c)と、ならびに該シート部材(215b)のリフト量を規制する調節軸(215a)により構成し、前記調節軸(215a)は、電磁弁の電磁ソレノイド部(221)により電気的に位置制御を可能とし、回転数または噴射量に応じて、燃料噴射初期の燃料のリーク量を制御すべく構成し、前記プランジャの頂部のリーク溝の段形状は、該プランジャを閉じるプランジャ軸方向相対位置長さが、噴射量の増減、すなわち、プランジャの回動により変化するよう、傾斜を具備した構成とし、該燃料噴射初期のリーク量の制御を、電子ガバナによりエンジンの回転数に応じてプランジャを回動し、リーク溝の位置が変化することによるリーク量の制御と、前記シート部材(215b)の付勢力を電磁ソレノイド部(221)により制御して行なう制御とにより行ない、該電磁ソレノイド部(221)の調節軸(215a)の位置制御は、電子ガバナのコントローラに記憶したエンジンの回転数又は噴射量に対するリーク量の最適条件の関係を示すマップに基づき制御するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面に示した実施例に基づいて、本発明の構成を説明する。
【0009】
図1は燃料噴射ポンプを装着したエンジンの側面図、図2は同じく後面図、図3は本発明に係る第一実施例としての燃料リーク量の制御手段を具備したボッシュ式列型燃料噴射ポンプの側面図、図4は同じく正面図、図5は該第一実施例におけるプランジャのリーク溝、サブポート、及び燃料リーク量制御機構の配置構成を示す平面一部断面図、図6は同じくプランジャのリーク溝の側面図、図7は同じくリーク溝の別構成を示す側面図、図8は同じくリーク溝の別構成を示す側面図である。
【0010】
図9は本発明に係る第二実施例としての燃料リーク量の制御手段を具備したボッシュ式列型燃料噴射ポンプの正面断面図、図10は該第二実施例におけるリーク量調節機構の側面一部断面図、図11は分配形燃料噴射ポンプの側面断面図、図12は同じく正面断面図、図13は分配型燃料噴射ポンプに適用される燃料リーク量調節機構を示す正面一部断面図、図14は同じく要部拡大正面一部断面図、図15は分配型燃料噴射ポンプに適用される電磁弁を使用した場合の燃料リーク量調節機構の正面一部断面図、図16は同じく、位置検出手段を具備する電磁弁を使用した場合の正面一部断面図である。
【0011】
図1、図2において本発明の燃料噴射ポンプを装着するエンジンの構成について説明する。エンジン61は、クランクケース62、シリンダー部63およびシリンダヘッド部64により構成されており、該エンジン61のシリンダヘッド部64の側方には排気装置65が配設されている。エンジン61の側部には燃料噴射ポンプ200が配設されており、図示しない燃料タンクより供給される燃料を各シリンダ内に高圧で供給可能に構成されている。
【0012】
該エンジン61には燃料噴射ポンプ200より燃料が供給され、該燃料は空気とともにシリンダー部63内に導入される。シリンダー部63内には図示しない複数もしくは単数のシリンダおよびピストンが配設されており、前記導入された燃料と空気はシリンダにおいて図示しないピストンにより圧縮され、爆発した後に排気ガスとしてシリンダ部63より排出される。該シリンダ部63より排出される排気ガスはシリンダヘッド部64より排出される。
【0013】
該シリンダヘッド部64には、図示しないバルブ機構が配設されており、該シリンダ部64内において生成した排気ガスが、バルブ機構を介してシリンダヘッド部64に配設された排気マニホールド66内に排出される。各シリンダより排出された排気ガスは排気マニホールド66に集合し、該排気マニホールド66には前記排気装置65が接続されている。該構成において排気マニホールド66に集合させられた排気ガスが該排気装置65内に導入される構成になっている。該燃料噴射ポンプ200にはエンジン61よりの駆動力が伝達されており、該エンジン61の各シリンダに対する燃料の噴射タイミングは燃料噴射ポンプ200において調節される。該燃料噴射ポンプ200に伝達される動力はエンジン61のクランクケース62内に内包されるクランク軸に同期しており、燃料噴射ポンプ200において燃料噴射時期を調節することにより、シリンダー部63に内装されるピストンの摺動に対応した燃料の噴射をおこなうことできる。燃料噴射ポンプ200より噴射された燃料はシリンダ部63に内装される各シリンダ内に図示しない噴油弁を介して噴射される。
【0014】
次に、列型燃料噴射ポンプの構成について説明する。図3、図4に示すごとく、列型燃料噴射ポンプ200にはシリンダ数分のデリバリバルブ202・202・202が配設されており、該デリバリバルブ202より燃料を噴射する構成になっている。該列型燃料噴射ポンプ200にはハウジング201に前後方向に挿嵌されたカム軸205が配設されており、該カム軸205にはカム206が一体成形されている。カム206の上方にはタペット204が配設されており、該タペット204はカム206の山に当接して上方に摺動される構成になっている。タペット204の上部にはプランジャ203の下部が接続されており、カム206の山の形状に沿ってタペット204が摺動される。タペット204の上部にはバネが装着されており、該バネにより下方に付勢されている。これにより、カム軸205が回動することにより、プランジャ203が上下に摺動する。
【0015】
プランジャ203の上部はプランジャバレル210に挿嵌されており、該プランジャ203が下方に摺動することにより、プランジャバレル210内に燃料が導入される。この後、プランジャ203が上方に摺動することにより、該プランジャ203により燃料が加圧される。プランジャ203の上方にはデリバリバルブ202が配設されており、該プランジャ203により加圧された燃料が、デリバリバルブ202を介してエンジンの燃焼室内に供給される。
【0016】
図3および図4に示すごとく、燃料噴射ポンプ200にはデリバリバルブ202がシリンダ数分配設されており、該デリバリバルブ202の下方には上述のごとく、プランジャ203および該プランジャ203に接続されたタペット204および該タペット204を上下に摺動させるカム206が配設されている。上記デリバリバルブ202はそれぞれエンジンの燃焼室に図示しない配管により接続されており、カム軸205の回動により、燃料を噴射する。
【0017】
また、ハウジング201の後部にはガバナケース208が装着されており、該ガバナケース208内にはガバナ機構207が設けられている。該ガバナ機構207はカム軸205の回動速度により該燃料噴射ポンプ200の燃料噴射量を調節する構成になっている。即ち、該カム軸205の後端部が、ハウジング201よりガバナケース208内に突入しており、該カム軸205の後端部はガバナウェイト支持部材32の中心位置に挿嵌固設され、カム軸205の最後端は、摺動体30内に挿入されている。ガバナウェイト支持部材32にはガバナウェイト31・31・・・が枢支されており、カム軸4と一体の該ガバナウェイト支持部材32が回転すると、その回転に伴って発生する遠心力により、ガバナウェイト31・31・・・が開き、該摺動体30を、図中左側に押し出す。
【0018】
上記の構成において、回転が速いほど、ガバナウェイト31の開度は大きくなるので、該摺動体30の押し出し量、即ち摺動量は大きくなる。該摺動体30の摺動は、摺動体30に一端を当接させたアーム29に伝達される。該アーム29はガバナケース208に枢支されており、アーム29の他端にはラック21が接続されている。前記摺動体30の摺動量はアーム29を介してラック21を摺動させる。該ラック21は、ガバナケース208よりハウジング201内に摺動自在に嵌入されており、前記プランジャ203に相対回動不能に挿嵌された制御スリーブ17に連結されている。ラック21が摺動することにより、制御スリーブ17が回動し、該制御スリーブ17とともに、プランジャ203が回動する。これにより、プランジャ203の有効ストロークを調節して、燃料圧送量を調節し、調速作用を行うのである。
【0019】
該制御スリーブ17と一体状にプランジャ203が回動することで、プランジャ203の側面に刻設されたプランジャリード16の位置が、メインポート212に対して上下方向に変位する。プランジャリード16はプランジャ203にらせん状に刻設されているため、該プランジャ203が回動することにより、メインポート212に対してプランジャリード16の位置を上下方向に変位させるものである。
【0020】
プランジャバレル210には燃料ギャラリ211に連通するメインポート212が穿設されており、プランジャ203が下方に摺動した場合には燃料ギャラリ211の燃料がメインポート212を介してプランジャバレル210内に導入される。プランジャ203の上面には図5に示すごとく、前記プランジャリード16に連通する油路203aが刻設されており、プランジャ203の上部の燃料をプランジャリード16に逃がす構成になっいる。このため、プランジャ203が上昇し、燃料を圧送する際にプランジャリード16が前記メインポート212と一致することにより、油路203aを介して燃料がプランジャリード16に流入し、該プランジャリード16からメインポート212を介して燃料ギャラリー211に流入する。
【0021】
これによって、プランジャ203の一往復摺動における燃料の圧送量が変動するのである。即ち、ガバナ機構207にてプランジャ203の単位摺動量あたりの燃料圧送量が調節されるのである。
【0022】
また、図5に示すごとく、プランジャ203の上面には、該プランジャ203をプランジャバレル210に装着させた状態において、サブポート213側にリーク溝203bが刻設されている。該リーク溝203bはプランジャ203においてメインポート212(プランジャリード16)の対称位置に一定の範囲で刻設されており、図5に示すごとく、平面視で円弧状に、そして、図6の如く一定の深さLを持って形成されている。このリーク溝203bの平面視した場合のプランジャ203径方向の幅Wは燃料噴射ポンプ200の使用状況に対応して最適化することもできる。
【0023】
プランジャ203は前記のガバナ機構207によりプランジャバレル210内を回動する構成であるので、該プランジャ203が回動させることにより、リーク溝203bをプランジャ203の摺動により、サブポート213と一致可能な位置もしくは一致不可能な位置に設定できる。上記の構成により、始動時には前記リーク溝203bをサブポート213と一致不可能な位置に設定するとともに、エンジンが運転状態になることにより、プランジャ203を回動し、リーク溝203bをサブポート213と一致可能な位置に移動させることができる。これにより、エンジンの始動時には、リーク溝203bを介してサブポート213に燃料が流入することなく、燃料噴射時期が早くなり(進角され)、エンジンが運転状態になるとプランジャ203が回動され、リーク溝203bを介してサブポート213に燃料が流入し、燃料を加圧するタイミングが遅くなり、燃料噴射時期が遅くなる(遅角される)。
【0024】
前記の図6図示のリーク溝203bは、プランジャ203の上面の縁部に側面視で長方形状に構成されていて、その深さLは図6において示すごとく、リーク溝203bの右端から左端まで一定である。このため、プランジャ203によりサブポート213を閉じる軸方向の相対的位置が変化しない。すなわち、前記リーク溝203bは側面視で長方形状に構成されているため、リーク溝203bの底面はプランジャ203と直交する構成になり、該プランジャ203を回動した場合においても、該リーク溝203bの底面の位置が変化しない。このように、サブポート213とリーク溝203bの底面の位置関係がプランジャ203の回動によっては変化しない構造においては、後記のごとくエンジンの運転時で燃料噴射時期を遅角側に制御された時、すなわちサブポート213がリーク溝203bに連通可能に配置された時において、メインポート14とプランジャリード16との連通・遮断時期の早い遅いにかかわらず、サブポート213とリーク溝203bとの連通開始及び終了時期は一定のままである。
【0025】
これに対し、図7および図8に示すごとく、前記リーク溝203bの底面を傾斜させる構成をとることもできる。図7において、リーク溝203bの中央位置の深さはLに構成されており、該リーク溝203bの底面は、側面視角θに右下がりに傾斜している。また、図8において、リーク溝203bの中央位置の深さはLに構成されており、該リーク溝203bの底面は、側面視角度θに右上がりに傾斜している。このような形状のリーク溝203bを設ければ、前記ガバナ機構による燃料噴射量(負荷量)の調節のためのプランジャ203の回動に伴って、サブポート213に対する連通タイミングを調節できる。即ち、エンジン運転時で燃料噴射時期を遅角側に制御している場合において、プランジャリード16とメインポート14との連通及び遮断タイミングに合わせて燃料リークの開始及び終了時期を調節できる。なお、図7及び図8のように傾斜方向を反対にしたものは、プランジャリード16及びプランジャ203の回転方向が反対のものに対して対応させることも考えられるし、或いは燃料噴射量の増減に伴って、燃料リーク量を増大させるか減少させるか何れに対応させるのが適当かが判った時点で、いずれかを適用するようにすればよい。
【0026】
また、サブポート213には調節軸214が挿入されており、該調節軸214は先端が円錐状に構成されている。該調節軸214はハウジング201にプランジャ203の摺動方向と直交する方向より螺装された構成になっており、サブポート213と調節軸214の間隙を燃料が通過する構成になっている。このため、該調節軸214をサブポート213に挿入する量を調節することにより、サブポート213と調節軸214との間隙を調節することができ、サブポート213よりの燃料の逃げ量を調節できる。本実施例においては3つのプランジャバレル210・210・210それぞれに上記のごとく、調節軸214が装着されており、各プランジャバレル210のサブポート213よりの燃料の逃げ量を調節できる構成になっている。
【0027】
サブポート213にはドレイン回路を接続することができる。このドレイン回路は、前記サブポート213と調節軸214により構成される間隙より下流側に接続される。
【0028】
本実施例においては3つのプランジャバレル210・210・210それぞれに上記のごとく、調節軸214が装着されており、各プランジャバレル210のサブポート213よりの燃料の逃げ量を調節できるため、燃料の噴射量を各燃料噴射機構において調節できる。これにより、エンジンの始動性を向上するとともに、エンジンの運転時の酸化窒素の排出を低減でき、燃料ポンプ200の燃料噴射性能を向上するとともに、エンジンの調節を容易にすることができる。上記のごとく構成することにより、制御特性を加工精度のみに依存せず調節可能であり、燃料噴射ポンプ200の外部より調節できる構造とするとともに、燃料噴射のバラツキを合わせて調節できるため、ハイレベルの加工精度を要求することなく、適応性の高い、かつ個体差のない、燃料噴射ポンプを提供することができる。
【0029】
次に、サブポート213よりの燃料の流量(すなわち、燃料のリーク量)を調節する調節手段として、シート部材、付勢部材、ならびに該シート部材のリフト量を規制する調節軸からなる調節手段を用いた構成について説明する。図9、図10において、ハウジング201の側部にはサブポート213のリーク量調節機構215が配設されており、該サブポート213より燃料が逃げる(リーク)量を調節する構成になっている。リーク量調節機構215は、調節軸215a、シート部材215bおよびスプリング(付勢部材)215cにより構成されている。該調節軸215aはハウジング201に外部より螺装されており、調節軸215aの前方にはシート部材215bが配設されており、調節軸215aとシート部材215bの間にはスプリング215cが配設されている。
【0030】
上記の構成において、シート部材215bは先端が円錐形に構成されており、該シート部材215bがサブポート213へ挿入されている。このため、燃料がサブポート213より流出する際にはスプリング215cの付勢力に押し勝ち、流出する事となる。また、調節軸215の位置により、サブポート213へシート部材215bを押し付ける力を調節できる。
【0031】
上記の構成により、制御特性を加工精度のみに依存せず調節可能であり、燃料噴射ポンプ200の外部より調節できる構造とするとともに、燃料噴射のバラツキを合わせて調節できるため、ハイレベルの加工精度を要求することなく、適応性の高い、かつ個体差のない、燃料噴射ポンプを提供することができる。また、シート部材215bを別体で構成しており、リーク量の確実な制御が可能となり、燃料噴射ポンプ200における個々のプランジャ203による燃料噴射の個体差の吸収も可能であり、安定した特性の確保ができる。
【0032】
上記の調節軸215a、シート部材215bおよびスプリング215cにより構成されるリーク量調節機構215を分配型燃料噴射ポンプに装着した場合について説明する。分配型燃料噴射ポンプの全体構成について、図11乃至図14を用いて説明する。図11および図12において、燃料噴射ポンプ1の下部にはカム5を備えたカム軸4が横設され、該カム軸4はカム軸受12を介してハウジング28に回転自在に軸支されている。カム5の上方には、プランジャバレル8に上下摺動自在に嵌挿されたプランジャ7が配設され、該プランジャ7の下端にはタペット11が付設されている。プランジャ7及びタペット11はスプリング等の付勢手段により下方へ付勢され、該タペット11がカム5に当接している。そして、カム5の回転によりプランジャ7が上下動するように構成している。
【0033】
また、前記プランジャ7の側方には、分配軸9が該プランジャ7と軸心を平行に配設されており、該分配軸9は分配軸スリーブ10に回転自在に嵌挿されるとともに、該分配軸9の下端部に連結した分配駆動軸19により回転駆動される。該分配駆動軸19及び分配軸9はカム軸4と直交する方向に配置されている。
そして、分配駆動軸19の上端部には、該分配軸9の同軸上にフィードポンプ6を配設して連動連結している。
【0034】
上述のごとく構成した燃料噴射ポンプ1において、フィードポンプ6により燃料ギャラリー43へ燃料が圧送され、プランジャ7が上下動範囲の下端部に位置すると、燃料ギャラリー43内の燃料が吸込ポート14を通じてプランジャバレル8内へ圧送される。
プランジャ7がカム5により押し上げられて上昇すると、プランジャバレル8内の燃料は、分配軸スリーブ10及び分配軸9を介してデリベリバルブ18へ圧送され、該デリベリバルブ18に連結された燃料噴射弁から噴射される。この場合、カム軸4と連動して回転する分配軸9により、燃料は複数のデリベリバルブ18へ分配されて圧送される。
【0035】
そして、プランジャ7がさらに上昇すると、該プランジャ7に形成したプランジャリード16とプランジャバレル8に設けた排出ポートが連通し、これにより、プランジャバレル8内と燃料ギャラリー43とが連通して、該プランジャバレル8内に圧送された燃料は燃料ギャラリー43内へ逆流する。尚、ガバナ機構によりプランジャ7を軸心を中心に回動させることで、プランジャリード16と前記排出ポートとが連通する際のプランジャ7の上下位置を変化させることができ、これにより、燃料噴射弁から噴射する燃料量を調節することができる。
【0036】
ガバナハウジング36内においては、リニヤソレノイド36bにより、制御されるガバナ機構が組み込まれている。即ち、リニヤソレノイド36bにはラック21が接続されており、ガバナハウジング36より本体ハウジング28内に摺動自在に嵌入されており、制御スリーブ17に連結されていて、その摺動とともに制御スリーブ17を回動させ、プランジャ7の初期位置を上下調節して、プランジャ7の往復摺動量を、即ち、プランジャ7の燃料圧送量を調節して、調速作用を行うのものである。
【0037】
該制御スリーブ17と一体状にプランジャ7が回動することで、プランジャリード16の位置が、メインポート14に対して上下方向に変位する。プランジャリード16はプランジャ7にらせん状に刻設されているため、該プランジャ7が回動することにより、メインポート14に対してプランジャリード16の位置を上下方向に変位させるものである。これによって、プランジャ7の一往復摺動における燃料吸入量が変動するのである。即ち、ガバナ機構にてプランジャ7の単位摺動量あたりの燃料圧送量が調節されるのである。
【0038】
プランジャバレル8の内側は導入された燃料を加圧するための燃料圧室44に構成されており、該燃料圧室44内に導入された燃料はプランジャ7により加圧されたのちに、プランジャバレル8の上部に設けられた油路49を介して分配軸9に圧送される。
【0039】
メインポート14は上部ハウジング28aに穿設された燃料供給油路41に接続しており、該燃料供給油路41には燃料が循環されており、常にメインポート14に燃料が供給される構成になっている。また、プランジャバレル8にはメインポート14のプランジャ7を介した対向位置にサブポート42が設けられており、該サブポート42はメインポート14よりも小径に構成されている。上記メインポート14およびサブポートは燃料の吸入および排出を行うものである。また、プランジャー7のプランジャー上縁部7aには上部サブリード7bが設けられていて、上死点に達するまでの進角域でメインポート14がプランジャ7の側面にて閉じられた時に該上部サブリード7bが該サブポート42に連通して燃料をリークさせて、燃料噴射時期を調節するのである。この上部サブリード7bの形状に関しては、前記の列型燃料噴射ポンプ200と同様に、その底部を、前記実施例の図6の如く、略水平面状の一定深さに形成してもよいし、或いは、燃料噴射量調節時のプランジャ7の回動に合わせて(エンジン運転時の燃料噴射時期の遅角側制御中において)、燃料リークの開始・終了時期を調節できるように、前記実施例の図7及び図8の如く、傾斜状にしてもよい。
【0040】
上部ハウジング28aの側部には、調節軸215a、シート部材215bおよびスプリング215cにより構成されるリーク量調節機構215が装着されており、該リーク量調節機構215の先端を構成するシート部材215bはサブポート42に挿入されている。該構成において、シート部材215bを付勢するスプリング215cの付勢力を押し切り、燃料がサブポート42よりリークする。上記のごとく、構成するため、制御特性を加工精度のみに依存せず、調節可能である。また、燃料噴射ポンプの外部より、調節軸215aによりスプリング215cの付勢力の付勢力を調節できるため、リーク量の調節を容易におこなうことができる。これにより、ハイレベルの加工精度を要求することなしに、サブポートからの燃料リーク量の微調節が可能であって、燃料噴射ポンプの性能のバラツキを解消でき、適応性の高い燃料噴射ポンプを提供することができる。また、以上のような分配型の燃料噴射ポンプでは、圧送部分が単一なので、複数シリンダ間の燃料噴射時期のバラツキが少なく、良好な特性を得られる。そして、このタイプの燃料噴射ポンプに該リーク量調節機構215を装着するに際しては、前記の実施例では単一のプランジャ7の圧送部分に対して唯一個のリーク量調節機構215を取り付けるだけでよいので、コストの抑制にも繋がる。
【0041】
また、上記構成において、リーク量調節機構215にリニアソレノイド等の電磁弁のアクチュエータによりシート部材のリフト量を規制する構成について説明する。図15において、上部ハウジング28aの側部には、アクチュエータ部である電磁ソレノイド部221が配設されており、該電磁ソレノイド部221の先端にはシート部材215bが配設されている。該電磁ソレノイド部221とシート部材215bの間にはスプリング215cが配設されており、該シート部材215bは前記のごとく、サブポート42に挿入されている。サブポート42はシート部材215bにより閉じられており、サブポート42に燃料が流入し、該燃料の圧力がスプリング215cの付勢力を押し切るに十分である場合には、シート部材215bが摺動し、燃料がサブポート42より燃料ギャラリー43に流出する構成になっている。
【0042】
上記の構成において、シート部材215bの摺動量は電磁ソレノイド221のプランジャ221aの位置により規制される。該電磁ソレノイド221には摺動自在に構成されたプランジャ221aが配設されており、該プランジャ221aの後部には鉄芯が接続されており、該鉄心の後部にはリターンスプリングが装着され、該鉄芯を図中右側に付勢する構成になっている。電磁ソレノイド221に電圧を掛けることにより、鉄心が図中において左側に摺動し、プランジャ221aを摺動させ、プランジャ221aの位置を制御可能に構成している。該プランジャ221aの位置は電磁ソレノイド221にかける電流値に応じて制御出来る構成となっている。
【0043】
サブポート42を閉ざした状態のシート部材215bとプランジャ221aの距離により、サブポート42とシート部材215bとの最大間隙量を調節できる構成となっている。該電磁ソレノイド221は図示しないコントローラに接続されており、エンジンの回転数または負荷のパラメータに応じて、燃料噴射初期の燃料のリーク量を可変制御でき、初期の燃料噴射率の制御とタイミング制御機能を有する燃料噴射ポンプが構成される。これにより、低エミッション、低騒音を実現し、エンジンの燃焼状態の最適化をおこなうことができる。
【0044】
次に、上記の構成において、アクチュエータ部として電磁ソレノイド221に位置検出の手段が装着された構成について説明する。図16において、上部ハウジング28aの側部には、アクチュエータ部である電磁ソレノイド部221が配設されており、該電磁ソレノイド部221の先端にはシート部材215bが配設されている。該電磁ソレノイド部221とシート部材215bの間にはスプリング215cが配設されており、該シート部材215bは前記のごとく、サブポート42に挿入されている。サブポート42はシート部材215bにより閉じられており、サブポート42に燃料が流入し、該燃料の圧力がスプリング215cの付勢力を押し切るに十分である場合には、シート部材215bが摺動し、燃料がサブポート42より燃料ギャラリー43に流出する構成になっている。
【0045】
上記の構成において、シート部材215bの摺動量は電磁ソレノイド221のプランジャ221aの位置により規制される。該電磁ソレノイド221には摺動自在に構成されたプランジャ221aが配設せれており、該プランジャ221aの後部には鉄芯が接続されており、該鉄心の前部にはリターンスプリングが装着され、該鉄芯を図中左側に付勢する構成になっている。電磁ソレノイド221に電圧を掛けることにより、鉄心が図中において右側に摺動し、プランジャ221aを摺動させ、プランジャ221aの位置を制御可能に構成している。該プランジャ221aの位置は電磁ソレノイド221にかける電流値に応じて制御出来る構成となっている。
【0046】
上記プランジャ221aに接続した鉄心の電磁ソレノイド221に対する位置は該電磁ソレノイド221の後部において一体成形された位置センサー部221bにより検出させる構成になっている。サブポート42を閉ざした状態のシート部材215bとプランジャ221aの距離により、サブポート42とシート部材215bとの最大間隙量を調節できる構成となっている。該電磁ソレノイド221は図示しないコントローラに接続されており、エンジンの回転数または負荷のパラメータに応じて、燃料噴射初期の燃料のリーク量を可変制御でき、初期の燃料噴射率の制御とタイミング制御機能を有する燃料噴射ポンプが構成される。
【0047】
これにより、低エミッション、低騒音を実現し、エンジンの燃焼状態の最適化をおこなうことができる。また、該プランジャ221aの位置により燃料のリーク量を認識できる構成になっている。これにより、サブポート42よりの燃料のリーク量を前記コントローラにおいてマップ制御することができる。エンジンの回転数もしくは負荷に対する燃料のリーク量の最適条件の関係を示すマップを記憶した(電子ガバナ用の)コントローラに、エンジンの回転数もしくは負荷およびプランジャ221aの位置が入力され、該エンジンの回転数もしくは負荷に対する燃料のリーク量の最適条件の関係を示すマップと比較され、リーク量を調節すべく、コントローラにより電磁ソレノイドが摺動され、燃料のリーク量が調節される。該コントローラにおいてマップ制御されるため、燃料のリーク量を適切に量に制御することができる。エンジンの回転数と負荷(燃料噴射量)のパラメータに応じて、吐出初期の燃料のリーク量をマップ制御し、電子ガバナの噴射量のマップ制御と組み合わせることにより、燃料のリーク量と燃料噴射ポンプのプランジャ7の有効ストロークの相関値を適切に補正することにより、エンジンの燃焼状態の最適化を図ることができる。これにより、エンジンの性能を向上するとともに、エンジンの耐久性を向上できる。
【0048】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1に記載の如く、ポンプ本体内にプランジャバレルを固設して、該プランジャバレル内部には往復動自在に燃料圧送用のプランジャを配設し、該プランジャバレルにはプランジャ軸方向に対して直角に、燃料ギャラリに連通するメインポートと、ドレイン回路に連通するサブポートとを穿設し、該サブポートに対面する該プランジャの頂部には、段形状のリーク溝を形成し、圧送部からリーク溝を介してサブポートに至り、圧送初期に燃料をリークさせるようにした燃料噴射ポンプにおいて、該リーク量である漏れ度合を制御する手段を、該燃料噴射ポンプの外部より調節可能に付設し、該制御手段は、前記サブポート自体を直接に閉鎖するシート部材(215b)と、該シート部材(215b)を閉鎖方向に付勢する付勢部材(215c)と、ならびに該シート部材(215b)のリフト量を規制する調節軸(215a)により構成し、前記調節軸(215a)は、電磁弁の電磁ソレノイド部(221)により電気的に位置制御を可能とし、回転数または噴射量に応じて、燃料噴射初期の燃料のリーク量を制御すべく構成し、前記プランジャの頂部のリーク溝の段形状は、該プランジャを閉じるプランジャ軸方向相対位置長さが、噴射量の増減、すなわち、プランジャの回動により変化するよう、傾斜を具備した構成とし、該燃料噴射初期のリーク量の制御を、電子ガバナによりエンジンの回転数に応じてプランジャを回動し、リーク溝の位置が変化することによるリーク量の制御と、前記シート部材(215b)の付勢力を電磁ソレノイド部(221)により制御して行なう制御とにより行ない、該電磁ソレノイド部(221)の調節軸(215a)の位置制御は、電子ガバナのコントローラに記憶したエンジンの回転数又は噴射量に対するリーク量の最適条件の関係を示すマップに基づき制御するので、燃料噴射の制御特性をポンプ各部の加工精度のみに頼ることなく、該手段を介して該ポンプの外部より容易に調節可能となり、ハイレベルの加工精度を要求することなく、適応性の高い、かつ個体差のない燃料噴射ポンプを提供できる。
さらに、ボッシュ式の列型燃料噴射ポンプにおいては、このリーク量調節手段を各プランジャ機構に対して取り付けることにより、複数気筒間の燃料リーク量のバラツキを正確に補正することができる。
また、分配型燃料噴射ポンプにおいては、このリーク量調節手段を、気筒数分の複数のデリバリバルブに燃料を圧送する一以上のプランジャに対して取り付けるだけでよく、少ない(或いは一個の)リーク量調節手段によって複数気筒間の燃料リーク量のバラツキを解消できる。
また、エンジンの始動性を向上するとともに、エンジンの運転時の酸化窒素の排出を低減でき、燃料噴射性能を向上するとともに、エンジンの調節を容易にすることができるのである。
【0049】
さらに、前記プランジャの頂部の溝部の段形状を、そのプランジャ軸方向相対位置長さが、負荷(噴射量)の増減、すなわち、プランジャの回動により変化するよう、傾斜をもった部分的な段加工によって構成することにより、該プランジャ頂部における簡単な溝加工と、該プランジャの回動による位置調節によって、エンジン運転時で燃料噴射時期を遅角側に制御している間に、サブポートからの燃料流出開始及び終了時期を調節でき、前記のリーク量制御手段と合わせて、燃料のリーク量の調節精度がさらに精密になる。
さらに、ボッシュ式の列型燃料噴射ポンプにおいては、この溝加工を各プランジャ機構に対して行うことにより、複数気筒間の燃料リーク量のバラツキをより正確に補正することができる。
また、分配型燃料噴射ポンプにおいては、このプランジャの溝加工は、気筒数分の複数のデリバリバルブに燃料を圧送する一以上のプランジャに対して行うだけでよく、少ない(或いは一個の)プランジャの溝加工によって複数気筒間の燃料リークタイミングのバラツキを解消できる。
故に、エンジンの始動性を向上するとともに、エンジンの運転時の酸化窒素の排出を低減でき、燃料噴射性能を向上するとともに、エンジンの調節を容易にすることができる。
【0050】
また、前記の燃料噴射ポンプの外部より調節可能に付設したリーク量(漏れ度合)を制御する手段を、サブポートを閉鎖するシート部材、付勢部材、ならびに該シート部材のリフト量を規制する調節軸より構成することとし、このようにシート部材を別体で構成することにより、燃料噴射ポンプにおける個々のプランジャによる燃料噴射の個体差の吸収も可能であり、リーク量の確実な制御が可能となり、安定した特性の確保ができる。そして、その調節軸によるシート部材のリフト量調節のみの容易な操作によって、ポンプ外部からの燃料リーク量の調節が可能となったのでる。
【0051】
さらに、前記調節軸を電磁弁のアクチュエータ部より構成して電気的に位置制御を可能とし、回転数または噴射量に応じて該調節軸の位置を制御してリーク量を増減して初期噴射率を制御し、該初期噴射率の制御を、電子ガバナによる噴射量の電子制御と組み合わせることにより、有効ストロークを補正することとしたので、前記の共通の効果に加え、エンジンの回転数と燃料噴射量のパラメータに応じて、吐出初期の燃料のリーク量をマップ制御し、電子ガバナの噴射量のマップ制御と組み合わせることにより、燃料のリーク量と燃料噴射ポンプのプランジャの有効ストロークの相関値を適切に補正することにより、エンジンの燃焼状態の最適化を図ることができる。これにより、エンジンの性能を向上するとともに、エンジンの耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 燃料噴射ポンプを装着したエンジンの側面図である。
【図2】 同じく後面図である。
【図3】 本発明に係る第一実施例としての燃料リーク量の制御手段を具備したボッシュ式列型燃料噴射ポンプの側面図である。
【図4】 同じく正面図である。
【図5】 該第一実施例におけるプランジャのリーク溝、サブポート、及び燃料リーク量制御機構の配置構成を示す平面一部断面図である。
【図6】 同じくプランジャのリーク溝の側面図である。
【図7】 同じくリーク溝の別構成を示す側面図である。
【図8】 同じくリーク溝の別構成を示す側面図である。
【図9】 本発明に係る第二実施例としての燃料リーク量の制御手段を具備したボッシュ式列型燃料噴射ポンプの正面断面図である。
【図10】 該第二実施例におけるリーク量調節機構の側面一部断面図である。
【図11】 分配形燃料噴射ポンプの側面断面図である。
【図12】 同じく正面断面図である。
【図13】 分配型燃料噴射ポンプに適用される燃料リーク量調節機構を示す正面一部断面図である。
【図14】 同じく要部拡大正面一部断面図である。
【図15】 分配型燃料噴射ポンプに適用される電磁弁を使用した場合の燃料リーク量調節機構の正面一部断面図である。
【図16】 同じく、位置検出手段を具備する電磁弁を使用した場合の正面一部断面図である。
【符号の説明】
200・1 燃料噴射ポンプ
201 ハウジング
202 デリバリバルブ
203・7 プランジャ
203b リーク溝
211 燃料ギャラリ
212 メインポート
213 サブポート
214 調節軸
215 リーク量調節機構
215a 調節軸
215b シート部材
215c スプリング(付勢部材)
221 電磁ソレノイド

Claims (1)

  1. ポンプ本体内にプランジャバレルを固設して、該プランジャバレル内部には往復動自在に燃料圧送用のプランジャを配設し、該プランジャバレルにはプランジャ軸方向に対して直角に、燃料ギャラリに連通するメインポートと、ドレイン回路に連通するサブポートとを穿設し、該サブポートに対面する該プランジャの頂部には、段形状のリーク溝を形成し、圧送部からリーク溝を介してサブポートに至り、圧送初期に燃料をリークさせるようにした燃料噴射ポンプにおいて、該リーク量である漏れ度合を制御する手段を、該燃料噴射ポンプの外部より調節可能に付設し、該制御手段は、前記サブポート自体を直接に閉鎖するシート部材(215b)と、該シート部材(215b)を閉鎖方向に付勢する付勢部材(215c)と、ならびに該シート部材(215b)のリフト量を規制する調節軸(215a)により構成し、前記調節軸(215a)は、電磁弁の電磁ソレノイド部(221)により電気的に位置制御を可能とし、回転数または噴射量に応じて、燃料噴射初期の燃料のリーク量を制御すべく構成し、前記プランジャの頂部のリーク溝の段形状は、該プランジャを閉じるプランジャ軸方向相対位置長さが、噴射量の増減、すなわち、プランジャの回動により変化するよう、傾斜を具備した構成とし、該燃料噴射初期のリーク量の制御を、電子ガバナによりエンジンの回転数に応じてプランジャを回動し、リーク溝の位置が変化することによるリーク量の制御と、前記シート部材(215b)の付勢力を電磁ソレノイド部(221)により制御して行なう制御とにより行ない、該電磁ソレノイド部(221)の調節軸(215a)の位置制御は、電子ガバナのコントローラに記憶したエンジンの回転数又は噴射量に対するリーク量の最適条件の関係を示すマップに基づき制御することを特徴とする燃料噴射ポンプの噴射時期制御構造。
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