JP4137931B2 - 内視鏡用処置具 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1,2に示すような高周波処置具は、可撓性を有するシースと、シースに対して進退自在な進退手段と、進退手段と接続され、進退手段をシースに対して突没させることによって開閉して患部を把持する一対の腕部とを有し、一対の腕部の先端側には、患部を把持する際に最初に患部に係合する先端把持部が配されている。
本発明に係る内視鏡用処置具は、可撓性を有するシースと、該シース内に進退自在に配される進退手段と、該進退手段の進退動作に伴って前記シース先端に対して突没する際、先端側が拡開した状態で基端側が前記進退手段の先端に接続され、前記シース内に没入する際に弾性変形して閉じる一対の腕部を有する弾性把持部とを備えて被処置物を把持する内視鏡用処置具であって、前記弾性把持部に係る前記一対の腕部の各々が、前記進退手段との接続部と、該接続部よりも先端側に配され、前記進退手段の進退方向に対して一定の角度で屈曲した屈曲部と、前記接続部と前記屈曲部との間に配された並行部と、該屈曲部から前記角度を維持して先端側に向って直線状に延びる直線部と、該直線部の先端に配されて前記被処置物と掛着する先端把持部とを有し、前記進退手段が前記シースに対して後退したときに、前記直線部が前記シースの先端と接触し、前記進退手段の進退方向に対して平行となる方向へ旋回可能な角度に前記屈曲部が形成されており、前記一対の腕部のうち、一方の腕部の前記直線部が、該直線部を含む第一平面内で旋回し、他方の腕部の前記直線部が、前記第一平面と平行な第二平面内で旋回することを特徴とする。
そして、並行部の長さを調整することによって、弾性把持部の拡開角度を好適に維持しながらシース先端からの十分な突出長さを確保することができる。また、並行部が長いほど一対の腕部を撓み易くすることができる。従って、周囲の生体組織から突出する患部に対して、一対の腕部が拡開時に形成する拡開面が傾斜する方向から弾性把持部をアプローチする際、内視鏡操作によって一対の腕部におけるそれぞれの直線部の先端を生体組織に当接した状態で押し付け、一対の腕部を湾曲させて拡開面の角度を調整することができる。
さらに、弾性把持部の各腕部を閉じた際に、先端把持部同士が当たるのを抑えることができ、閉じたときの外径をより小さくすることができる。特に、腕部を屈曲して先端把持部を形成する場合又は先端把持部を直線部よりも太くした場合には特に顕著な効果を得ることができる。
本実施形態に係る内視鏡用処置具は、体腔内の生体組織の表面から突出する、例えば、ポリープ等の患部(被処置物)を把持して焼灼する高周波切開具1であって、図1から図3に示すように、可撓性を有するシース2と、シース2内に進退自在に配される操作ワイヤ(進退手段)3と、操作ワイヤ3の進退動作に伴ってシース2の先端に対して突没する際、先端側が拡開した状態で基端側が操作ワイヤ3の先端に接続され、シース2内に没入する際に弾性変形して閉じる一対の腕部5,6を有する弾性把持部7と、シース2の基端側に接続され、シース2に対して操作ワイヤ3を進退操作する操作部8とを備えている。
操作ワイヤ3は、導電性を有し、所定の低いねじり剛性となるように形成された単線ワイヤとなっている。なお、細線が撚られた撚線ワイヤであっても低いねじり剛性のものであれば構わない。
並行部12の長さは、接続部10から30mmとなっている。なお、この長さは、25mm〜40mmの範囲であればよい。
即ち、一対の腕部5,6の直線部13が、軸線Cに対してそれぞれ角度αで離間する方向に屈曲するように形成されている。このときの角度αは40度となっている。なお、この角度は、35度〜45度の範囲であればよい。
直線部13の先端に配された先端把持部15は、直線部13の先端から2.0mmの長さを有しており、直線部13の先端よりも接続部10側に配されるように、シース2の内径方向に向って直線部に対して角度βが25度で屈曲して形成されている。なお、先端把持部15の長さは、1.5mm〜2.5mmの範囲であればよく、直線部13に対する角度βは、20度〜40度の範囲であればよい。
操作部本体8Aとスライド部8Bの双方には、指を掛けることができる指掛部8aが配されている。スライド部8Bには、後述する高周波電源19と導通されるケーブルが接続される接続端子8bが配されている。
使用に際しては、まず、内視鏡16を体腔内に挿入し、内視鏡16の不図示のチャンネルに高周波切開具1を挿入する工程と、一対の腕部5,6が完全に拡開するまでシース2の先端から弾性把持部7を突出させる工程と、直線部13の先端を患部17Aの周囲の生体組織17の表面に押し付けて、シース2に対する各拡開面S1,S2の回転角度を調整する工程と、一対の腕部5,6を閉じて患部17Aを把持する工程と、一対の腕部5,6に高周波電流を通電する工程とを備えている。
まず、挿入工程にて、シース2の先端を内視鏡16の挿入部16A先端から患部17A近傍に突出させる。その際、操作部8のスライド部8Bを操作部本体8Aに対して基端側となる手元側に引込んで、弾性把持部7をシース2内に完全に収納しておく。
内視鏡16の先端が患部17A近傍に到達した後、接続端子8bに不図示のケーブルを接続し、シース2全体をチャンネルに対して移動してシース2の先端を患部17A近傍に突出させる。
まず、一対の腕部5,6が完全に拡開して並行部12の一部がシース2の先端から突出するまで、スライド部8Bを操作部本体8Aに対して先端側に押出す。
この場合、各拡開面S1,S2の回転角度を調整する工程に移行する。
まず、操作部本体8Aに対してスライド部8Bを手元側に引込み、並行部12がシース2内に没入後、さらに後退してシース2の先端面2aに一対の腕部5,6の直線部13が角度αを維持した状態で当接して図7(a)に示すような状態となる。
こうして、患部17Aを切除又は凝固することができる。また、焼灼して切除した部位を先端把持部15にて把持して回収し、体外へと排出する。このとき、高周波切開具1は把持鉗子として機能する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る高周波切開具20のシース21の先端近傍の内径が、基端側の内径よりも大きい点である。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第3の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る高周波切開具30の弾性把持部31に係る一対の腕部32,33の並行部35が予め湾曲しているという点である。具体的には、第1の実施形態に係る直線部13が、拡開面S1,S2に平行、かつ一対の腕部32,33の進退方向に直交する軸線回りに回動するように、並行部35が湾曲した状態としている。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第4の実施形態と第3の実施形態との異なる点は、図11に示すように、本実施形態に係る高周波切開具40のシース41の先端側にも湾曲した部分が設けられているとした点である。
この高周波切開具40によれば、シース41も湾曲しているので、挿入部16Aの先端側を湾曲させた状態で高周波切開具40のシース41をチャンネルから突出させる際、チャンネルに対する抵抗がより小さい状態で、挿入部16Aの湾曲方向に沿って湾曲した状態で突出させることができる。
また、図13に示すように、シース41の曲率半径に合わせて湾曲して、内面にシース41と接触する凸部43aが複数形成された貫通孔43Aが配されたブロック状の保持部材43にシース41を挿入して押圧固定してもよい。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第5の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る高周波切開具50が、並行部12の間隔を維持する固定部51を備えているとした点である。
この高周波切開具50によれば、一対の腕部5,6がシース2に対してねじれたり湾曲したりしても、接続部10と固定部51との間で並行部12の互いの間隔を維持することができ、並行部12の耐性を向上することができる。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第6の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る高周波切開具60の一対の腕部61,62における接続部10が、腕部5,6の直線部13が旋回する第一拡開面S1及び第二拡開面S2に対して平行な平面に互いに平行になるように配されている。即ち、並行部12は、接続部10から直線部13にかけて互いに捻れの関係となっている。
この高周波切開具60によっても、上記第1の実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
例えば、上記実施形態では、一対の腕部の弾性線状部材が剥き出しの状態となっている。しかし、図17に示すように、一方の腕部70の先端把持部15以外の表面に絶縁被覆71がなされたものでも構わない。この場合、絶縁被覆71の代わりに絶縁コーティングであっても構わない。また、図18に示すように、一対の腕部55,72の両方に絶縁被覆56がされたものでも構わない。
この場合、内視鏡の挿入部ではなく、高周波切開具の操作部を回転することによって、その回転トルクを一対の腕部に伝達して回転させることができる。
この場合も、第1の実施形態において通電する工程を除く他の工程を行うことによって、第1の実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
確認方法としては、胃の粘膜(ひだ:幅約5mm)を把持し、電源出力60Wにて高周波電流を通電して切開したときの切開時間を測定した。
測定結果を表1に示す。
2,21,41 シース
3 操作ワイヤ(進退手段)
5,6,22,23,32,33,61,62,70,72 腕部
7 弾性把持部
10 接続部
11 屈曲部
12,35 並行部
13 直線部
15,25,31 先端把持部
80 二脚把持鉗子(内視鏡用処置具)
S1 第一拡開面(第一平面)
S2 第二拡開面(第二平面)
Claims (7)
- 可撓性を有するシースと、
該シース内に進退自在に配される進退手段と、
該進退手段の進退動作に伴って前記シース先端に対して突没する際、先端側が拡開した状態で基端側が前記進退手段の先端に接続され、前記シース内に没入する際に弾性変形して閉じる一対の腕部を有する弾性把持部とを備えて被処置物を把持する内視鏡用処置具において、
前記弾性把持部に係る前記一対の腕部の各々が、
前記進退手段との接続部と、
該接続部よりも先端側に配され、前記進退手段の進退方向に対して一定の角度で屈曲した屈曲部と、
前記接続部と前記屈曲部との間に配された並行部と、
該屈曲部から前記角度を維持して先端側に向って直線状に延びる直線部と、
該直線部の先端に配されて前記被処置物と掛着する先端把持部とを有し、
前記進退手段が前記シースに対して後退したときに、前記直線部が前記シースの先端と接触し、前記進退手段の進退方向に対して平行となる方向へ旋回可能な角度に前記屈曲部が形成されており、
前記一対の腕部のうち、一方の腕部の前記直線部が、該直線部を含む第一平面内で旋回し、他方の腕部の前記直線部が、前記第一平面と平行な第二平面内で旋回することを特徴とする内視鏡用処置具。 - 可撓性を有するシースと、
該シース内に進退自在に配される進退手段と、
該進退手段の進退動作に伴って前記シース先端に対して突没する際、先端側が拡開した状態で基端側が前記進退手段の先端に接続され、前記シース内に没入する際に弾性変形して閉じる一対の腕部を有する弾性把持部とを備えて被処置物を把持する内視鏡用処置具において、
前記弾性把持部に係る前記一対の腕部の各々が、
前記進退手段との接続部と、
該接続部よりも先端側に配され、前記進退手段の進退方向に対して一定の角度で屈曲した屈曲部と、
前記接続部と前記屈曲部との間に配された並行部と、
該屈曲部から前記角度を維持して先端側に向って直線状に延びる直線部と、
該直線部の先端に配されて前記被処置物と掛着する先端把持部とを有し、
前記進退手段が前記シースに対して後退したときに、前記直線部が前記シースの先端と接触し、前記進退手段の進退方向に対して平行となる方向へ旋回可能な角度に前記屈曲部が形成されており、
前記一対の腕部の前記各並行部が、少なくとも一方の前記腕部が旋回する平面に対して直交する平面に互いに平行に配されていることを特徴とする内視鏡用処置具。 - 可撓性を有するシースと、
該シース内に進退自在に配される進退手段と、
該進退手段の進退動作に伴って前記シース先端に対して突没する際、先端側が拡開した状態で基端側が前記進退手段の先端に接続され、前記シース内に没入する際に弾性変形して閉じる一対の腕部を有する弾性把持部とを備えて被処置物を把持する内視鏡用処置具において、
前記弾性把持部に係る前記一対の腕部の各々が、
前記進退手段との接続部と、
該接続部よりも先端側に配され、前記進退手段の進退方向に対して一定の角度で屈曲した屈曲部と、
前記接続部と前記屈曲部との間に配された並行部と、
該屈曲部から前記角度を維持して先端側に向って直線状に延びる直線部と、
該直線部の先端に配されて前記被処置物と掛着する先端把持部とを有し、
前記進退手段が前記シースに対して後退したときに、前記直線部が前記シースの先端と接触し、前記進退手段の進退方向に対して平行となる方向へ旋回可能な角度に前記屈曲部が形成されており、
前記一対の腕部の前記各接続部が、少なくとも一方の前記腕部が旋回する平面に対して平行な平面に互いに平行に配されていることを特徴とする内視鏡用処置具。 - 前記シースの先端近傍の内径が、基端側の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の内視鏡用処置具。
- 前記先端把持部が、前記直線部の先端よりも前記接続部側に配されるように、前記シースの内径方向に向って前記直線部に対して鋭角に屈曲して形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載の内視鏡用処置具。
- 前記進退手段が、前記一対の腕部に処置エネルギーを供給する処置エネルギー発生源に接続されていることを特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載の内視鏡用処置具。
- 少なくとも前記先端把持部を含む前記一対の腕部におけるそれぞれの先端側の外周長さが1.1mm以下であることを特徴とする請求項1から6の何れか一つに記載の内視鏡用処置具。
処置具。
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