JP4137906B2 - セラミダーゼ阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、角層中のセラミダーゼ活性を阻害することで、細胞間脂質であるセラミドの分解を抑制するセラミダーゼ阻害剤に関する。
周知のように、セラミドは皮膚の一番外側である角層に多く存在し、脂質二重膜構造(ラメラ構造)を形成することで、生体内からの水分蒸散や、外部環境からのアレルゲンや化学物質等の侵入を防ぐ皮膚バリア機能の中心的な役割を果たしていることが知られている。
これまで、低下した皮膚バリア機能の改善には、合成又は抽出されたセラミドそのものの塗布やセラミド合成を活性化することで、角層中のセラミド量を増加させ、皮膚バリア機能の改善が図られてきた。セラミドを塗布する技術として、たとえば下記特許文献1に開示されているような皮膚化粧料を用いる技術があり、セラミド合成を活性化する技術としては、たとえば下記特許文献2、3のようなセラミド合成促進剤を用いる技術がある。
特開2004−168763号公報 特開11−322534号公報 WO02/6225号公報
しかし、上記特許文献1に開示されたような皮膚化粧料を用いてセラミドそのものを塗布しても角層中で脂質二重膜構造が形成できないため、十分な改善効果を得ることは難しい。また心理的社会的ストレスによる肌荒れ等の場合は、角層中のセラミド合成はすでに活性化されているという報告がなされており、従って上記特許文献2、3のようなセラミド合成促進剤を用いてセラミド合成を活性化させても、皮膚バリア機能の改善は十分には図られないこととなる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、低下した皮膚バリア機能を改善する効果を有するとともに、安全性及び使用感に優れた皮膚外用剤、化粧料、医薬部外品として使用されるセラミダーゼ阻害剤を提供することを課題とする。
本発明者等は、このような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、N−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルやその塩類、或いはビタミンEやその誘導体に、セラミドを分解する酵素であるセラミダーゼの活性を特異的に抑制し、皮膚バリア機能を改善することを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、セラミダーゼ阻害剤に係る請求項1記載の発明は、N−ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンエチルエステル、酢酸DL−α−トコフェロール、α−トコフェロール、リノール酸DL−α−トコフェロール、リノレイン酸DL−α−トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、アスコルビン酸DL−α−トコフェロール、コハク酸DL−α−トコフェロール、N−ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンプロピルエステル、N−ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンブチルエステル、N−ミリストイルアルギニンエチルエステル、N−ミリストイルアルギニンブチルエステル、N−ヤシ油脂肪酸アシルリジンエチルエステル、N−ヤシ油脂肪酸アシルリジンプロピルエステル、N−ヤシ油脂肪酸アシルリジンブチルエステル、N−ミリストイルリジンエチルエステル、N−ミリストイルリジンプロピルエステル、又はN−ミリストイルリジンブチルエステルの少なくとも1種と、部分ミリストイル化キトサンピロリドンカルボン酸塩又は部分ミリストイル化サクシニルキトサンからなる高分子乳化剤とを含有することを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載のセラミダーゼ阻害剤において、高分子乳化剤で乳化させた乳化粒子径が、10〜900nmであることを特徴とする。
本発明は、上述のように、ビタミンE、ビタミンE誘導体、N−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステル、又はN−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルの塩類の少なくとも1種をセラミダーゼ阻害剤に含有させたものであるため、このようなセラミダーゼ阻害剤を皮膚外用剤、皮膚化粧料、医薬部外品等に配合することで、顕著な肌荒れ改善効果を有し、使用感に優れた有用な皮膚化粧料、医薬部外品、皮膚外用剤を提供することが可能となった
本発明のセラミダーゼ阻害剤は、上述のように、ビタミンE、ビタミンE誘導体、N−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステル、又はN−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルの塩類の少なくとも1種を含有するものである。ここで「含有する」とは、本発明のセラミダーゼ阻害剤が、上記ビタミンE、ビタミンE誘導体、N−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステル、又はN−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルの塩類の少なくとも1種のみからなるものであってもよく、また他の成分を含有していてもよいことを意味する。
ビタミンE誘導体としては、たとえばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−
トコフェロール、δ−トコフェロール、酢酸DL−α−トコフェロール、リノール酸DL−α−トコフェロール、リノレイン酸DL−α−トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、アスコルビン酸DL−α−トコフェロール、リン酸DL−α−トコフェロール、コハク酸DL−α−トコフェロール等を使用することができる。
N−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルは、塩基性アミノ酸であるアルギニン、リジンにアシル基がN−結合したアルキルエステルである。この場合、アシル基の炭素数は8〜22程度であることが好ましい。
N−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルとしては、たとえばN−ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンエチルエステル、N−ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンプロピルエステル、N−ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンブチルエステル、N−ミリストイルアルギニンエチルエステル、N−ミリストイルアルギニンプロピルエステル、N−ミリストイルアルギニンブチルエステル、N−ヤシ油脂肪酸アシルリジンエチルエステル、N−ヤシ油脂肪酸アシルリジンプロピルエステル、N−ヤシ油脂肪酸アシルリジンブチルエステル等が例示される。
また、上記のようなN−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルの塩類を使用することもできる。たとえばN−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルのグリコール酸塩、ピロリドンカルボン酸塩等である。より具体的には、N−α−ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンエチルエステルのピロリドンカルボン酸塩〔N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩〕(商品名:CAE〔味の素株式会社製〕)を好適に使用することができる。
さらに、本発明のセラミダーゼ阻害剤には、さらに両親媒性成分を含有させることもできる。両親媒性成分としては、たとえばポリオキシエチレンひまし油等のポリオキシエチレン系界面活性剤、ポリグリセリン系界面活性剤、リン脂質やリゾリン脂質等の誘導体、高分子乳化剤等が例示される。
高分子乳化剤としては部分ミリストイル化キトサンピロリドンカルボン酸塩(商品名:PM−キトサン〔ピアス株式会社製〕)や、アルキル変性カルボキシビニルポリマー(アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体)(商品名:ペムレン〔グッドリッチ社製〕)や部分ミリストイル化サクシニルキトサン等が例示される。乳化粒子径は特に限定されないが、10〜900nm程度が好ましい。10〜900nm程度にナノサイズ化することによって、セラミダーゼ阻害作用が効果的に発揮され易いからである。
N−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステル又はその塩類、ビタミンE誘導体の皮膚外用剤、化粧料、医薬部外品への配合量は、特に限定されるものではないが、乾燥固形物量で、総量を基準として0.0001〜20重量%であることが好ましく、0.0005〜5.0重量%であることがより好ましい。
本発明のセラミダーゼ阻害剤を配合する皮膚外用剤、化粧料、医薬部外品は、ローション類、乳液類、クリーム類、パック類、軟膏類等の剤型にすることが可能である。また、本発明の皮膚外用剤を化粧料として使用する場合、その化粧料の種類としては、清浄用化粧品、基礎化粧品、頭髪化粧品、メークアップ化粧品、石鹸類、洗顔料類等が例示される。
その他、本発明の皮膚外用剤、化粧料、医薬部外品には、外用剤等で一般に用いられる成分を、セラミダーゼ阻害作用を阻害しない範囲で広く配合できる。たとえばセタノール、
ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、流動パラフィン、スクワラン等の非極性油剤類、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル系油剤類、小麦胚芽油やオリーブ油等の植物油類、トリメチルシロキシケイ酸、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコン化合物類、パーフルオロポリエーテル等のフッ素化合物類を配合することができる。また色素、防腐剤、界面活性剤、香料、顔料等も適宜配合することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
〔実施例1〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の一実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩を用いて、セラミダーゼ阻害試験を行った。
(セラミダーゼの抽出)
セラミダーゼは、次のような常法に従って抽出した。マウスより摘出した脳を緩衝液と共にホモジナイズし、遠心して得た上清を超音波処理及び0.5%コール酸ナトリウム(メルク社製)を含む緩衝液で粗抽出した。この粗抽出液を透析、硫酸アンモニウム沈殿及びゲル濾過を経て、セラミダーゼを精製し、試験使用時まで−20℃で冷凍保存した。
(N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩の調製)
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩を超純水で1.0w/v%となるように調製した。これを超純水で希釈して0.0125、0.05、及び0.1w/v%とした。
(セラミダーゼ活性の測定)
セラミダーゼ活性の測定は、セラミドとしてN−パルミトイル−DL−スフィンゴシン(BIOMOL)に前述のセラミダーゼを作用させ、その結果として生じるDL−スフィンゴシン量を測定することにより行った。つまり、セラミダーゼ抽出液にN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩を作用させた後、基質であるN−パルミトイル−DL−スフィンゴシン(BIOMOL)懸濁液を添加し、37℃で酵素反応をさせた。
この酵素反応液にNBD−Cl(4−クロロ−7−ニトロベンゾフラザン:同仁化学社製)エタノール溶液を加え、酵素反応液中に遊離したDL−スフィンゴシンを55℃でNBD誘導化反応させた。このNBD誘導化反応液にメタノールを加えて反応を停止した後、蛍光検出器を接続したHPLCでNBDラベル化されたDL−スフィンゴシンの励起波長469nm、蛍光波長530nmにおける蛍光強度を測定した。検量線作成には、40mg/mL コール酸ナトリウム水溶液で順次希釈したDL−スフィンゴシン(BIOMOL) を用い、これをNBD誘導化しHPLCで蛍光強度を測定した。
このような蛍光強度の測定を、0.0125、0.05、及び0.1w/v%の3種類の濃度のN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩の水溶液を上記セラミダーゼ抽出液に添加した場合、及びN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩を添加しなかった場合についてそれぞれ行い、それぞれの場合について測定した蛍光強度の比を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 0004137906
表1においては、各試験でのセラミダーゼ活性について、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩を添加しなかった場合のセラミダーゼ活性を100とし、上記蛍光強度の比に基づいてセラミダーゼ活性の数値を示している。表1に示すように、セラミダーゼ活性はN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸の添加濃度に依存して減少した。この試験結果から、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩に、セラミダーゼ活性を抑制する作用が認められた。
〔実施例2〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてビタミンE誘導体を用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。ビタミンE誘導体として、本実施例では酢酸DL−α−トコフェロールを用いた。
(セラミダーゼの抽出)
セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。このビタミンE誘導体をエタノールに溶解して1.0w/v%となるように調製し、さらに超純水で希釈して0.005、0.01、及び0.02w/v%とした。
(セラミダーゼ活性の測定)
セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。実施例2の試験結果を表2に示す。
Figure 0004137906
表2に示すように、ビタミンE誘導体を作用させることによって、セラミダーゼ活性はビタミンE誘導体の添加濃度に依存して減少した。この試験結果から、ビタミンE誘導体に、セラミダーゼ活性を抑制する作用が認められた。
〔実施例3,4及び比較例1〜3〕
本実施例では、上記実施例1、2で示したセラミダーゼ阻害剤であるN−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルの塩類、ビタミンE誘導体の皮膚バリア機能に対する改善効果を試験した。
(N−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルの塩類の調製)
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩を10%エタノール溶液に溶解して5%とした溶液を実施例3とした。
(ビタミンE誘導体の調製)
酢酸DL−α−トコフェロールを10%エタノール溶液に溶解して5%とした溶液を実施例4とした。
(試験方法)
背部を剃毛したBALB/cマウス雄性、7週齢を40匹/1ケージで10日間飼育し、過密ストレスを負荷した。過密ストレス負荷中、毎日剃毛したマウスの背部に実施例3、4のセラミダーゼ阻害剤を塗布した。過密ストレスから開放後、マウスの背部皮膚の経皮水分蒸散量、角層面積当たりのセラミド量、角層中の総脂質量当たりのセラミド量の測定を行い、さらに、同部位の組織標本を作成し、組織の状態を観察した。
尚、試験期間中5匹/1ケージで飼育した過密ストレスを負荷していない非ストレス負荷のマウスを比較例1として、同様に測定及び観察を行った。またマウスにストレスを負荷するのみでセラミダーゼを塗布しない場合を比較例2とし、実施例3、4の基剤である10%エタノール溶液のみを過密ストレス負荷中のマウスに塗布した場合を比較例3とした。
(バリア機能の測定)
実施例3、4及び比較例1〜3のマウス背部皮膚の経皮水分蒸散量を、テバメーターTM210(インテグラル社)で測定し、比較例1と比較例2の測定値の差を100として換算し、実施例3、4、比較例3と比較例1との差をTEWL回復率で示した。バリア機能の回復率の測定結果を表3に示す。
Figure 0004137906
表3から明らかなように、実施例3、4のセラミダーゼ阻害剤を塗布したマウスの皮膚は、比較例3である基剤を塗布したマウスの皮膚と比べ、バリア機能が回復していることが分かった。このことは、実施例3、4のセラミダーゼ阻害剤を皮膚に塗布することで、皮膚バリア機能が改善されたことを示している。
(角層中のセラミド量の測定)
実施例3、4及び比較例3の背部皮膚から、シアノアクリレート樹脂で角層を採取し、ヘキサン:エタノール(95:5)溶液で脂質を抽出した。抽出した脂質を薄層クロマトグラフィーで分離、発色後、現れた各スポットの濃淡を定量し、採取した角層の面積当たりのセラミド量及び抽出された総脂質量に対するセラミド量の割合で示した。角層面積当たりのセラミド量を表4、角層中の総脂質量に対するセラミド量の割合を表5に示す。
Figure 0004137906
Figure 0004137906
表4からも明らかなように、実施例3、4のセラミダーゼ阻害剤を皮膚に塗布したマウス皮膚は、比較例3である基剤を塗布した場合と比べ、すべての実施例で角層面積当たりのセラミド量が増加していることがわかった。このことは、実施例3、4を皮膚に塗布することで、ストレスによる角層中のセラミド量の減少が抑制されていることを示している。
さらに、表5においても、実施例3、4のセラミダーゼ阻害剤を塗布したマウス皮膚は、比較例3である基剤を塗布した場合と比べ、すべての実施例で角層中の総脂質量に対するセラミド量の割合が増加傾向にあることが分かった。このことは、ストレスによる角層中のセラミド量の減少が細胞間脂質の減少に原因があるのではなく、セラミド自身の減少にあることを裏付けているといえる。
(組織状態の観察)
実施例3、4及び比較例1〜3のマウスから摘出した背部皮膚を、20%ホルマリン中性緩衝液中で固定後、ヘマトキシリン・エオジン染色した病理組織標本を作製し、顕微鏡下で観察した。組織の観察は、表皮層の肥厚、基底細胞の紡錘化、角質層の重層化、及び角化不全の程度が、顕著に観察される場合を++、全体の8割に観察される場合を+、一部に観察される場合を±、及び観察されない場合を−で表した。組織状態の観察結果を表6に示す。
Figure 0004137906
表6に示した組織状態の観察から、実施例3、4を塗布した皮膚では比較例2及び3と
比べ、表皮層における角化異常が抑制されていることが分かった。このことは、実施例3、4のセラミダーゼ阻害剤を塗布することで、ストレスによって起る角化異常が改善され、より正常な状態を保っていることを示している。
以上のようなバリア機能の測定結果、角層面積当たりのセラミド量の測定結果、角層中の総脂質量に対するセラミド量の割合の測定結果、組織状態の観察結果等から、N−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルの塩の1種であるN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩、及びビタミンE誘導体の1種である酢酸DL−α−トコフェロールにはストレスによるセラミドの減少を抑制し、皮膚バリア機能をより正常な状態に保つ作用があることが分かった。
(肌荒れ改善試験)
本実施例は、上記セラミダーゼ阻害剤であるN−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルの塩類、ビタミンE誘導体を、化粧料の一例としてクリームに配合した場合の処方例であり、そのクリームの肌荒れ改善試験を行った。
クリームの調製は次のようにして行った。スクワレン、セラキルアルコール、セチルイソオクタノエート、及びマイクロクリスタリンワックスを加熱溶解後、粘土鉱物、POEグリセロールトリイソステアリン酸エステルを加え、70℃に調整し、均一に分散・溶解して油性ゲルを得た。N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩、ビタミンE誘導体を、それぞれ所定濃度精製水に溶解し、70℃に調整した後、油性ゲルの中へ十分に攪拌しながらゆっくりと添加した。ホモミキサーで均一に混合した後、脱気、濾過後、30℃まで冷却し、クリームを得た。得られた実施例5、6のクリームの組成及び配合比は次のとおりである。
〔実施例5〕
組成 配合比(重量%)
スクワレン 20%
セラキルアルコール 2.0%
セチルイソオクタノエート 8.5%
マイクロクリスタリンワックス 1%
粘土鉱物 1.3%
POEグリセロールトリイソステアリン酸エステル 0.2%
ジグリセリン 2.0%
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル
−DL−ピロリドンカルボン酸塩 0.5%
キトサンピロリドンカルボン酸塩 0.2%
水 残 量
〔実施例6〕
組成 配合比(重量%)
スクワレン 20%
セラキルアルコール 2.0%
セチルイソオクタノエート 8.5%
マイクロクリスタリンワックス 1%
粘土鉱物 1.3%
POEグリセロールトリイソステアリン酸エステル 0.2%
ジグリセリン 2.0%
ビタミンE誘導体(酢酸DL−α−トコフェロール) 0.5%
キトサンピロリドンカルボン酸塩 0.2%
水 残量
このように調製した実施例5、6のクリームを用いて荒れ肌実用試験を行った。試験方法は次のとおりである。荒れ肌、乾燥肌を訴える女子被験者(25歳〜45歳)30人を対象にして、その患部に試料とクリーム基剤を半分ずつ1日2回1ケ月間連用塗布した。
評価は試料塗布部位の方がクリーム基剤塗布部位と比較して荒れ肌や乾燥肌の改善の程度が良好であったと回答した人数で示した。
一方、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル-DL-ピロリドンカルボン酸塩やビタミンE誘導体等のセラミダーゼ阻害剤の配合されていないクリームを、比較例4として同様の試験を行った。試験結果を表7に示す。
Figure 0004137906
表7から明らかなように、実施例5、6では、潤いを感じたと回答した人数は比較例4に比べて約3倍若しくはそれ以上に多かった。
〔実施例7、8〕
本実施例は、上記セラミダーゼ阻害剤であるN−アシル塩基性アミノ酸アルキルエステルの塩類、ビタミンE誘導体を、化粧料の一例としての化粧水に配合した場合の処方例であり、その化粧水の荒れ肌実用試験を行った。
化粧水の調製は次のようにして行った。界面活性剤POE(20)オレイルアルコールエーテル、増粘剤メチルセルロース及びクインスシード、エタノールを含有する化粧水基剤を調製し、所定濃度のN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩或いはビタミンE誘導体を添加した。得られた実施例7、8の化粧水の組成及び配合比は次のとおりである。
〔実施例7〕
組成 配合比(重量%)
POE(20)オレイルアルコールエーテルスクワレン 0.5%
部分ミリストイル化キトサンピロリドンカルボン酸塩 0.1%
メチルセルロース 0.2%
クインスシード 0.1%
エタノール 10%
ペンタジオール 2.0%
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル
−DL−ピロリドンカルボン酸塩 0.5%
水 残量
〔実施例8〕
組成 配合比(重量%)
POE(20)オレイルアルコールエーテルスクワレン 0.5%
POE硬化ひまし油 0.2%
部分ミリストイル化カルボキシメチルキトサン 0.2%
メチルセルロース 0.2%
クインスシード 0.1%
エタノール 10%
ペンタジオール 2.0%
ビタミンE誘導体(酢酸DL−α−トコフェロール) 0.5%
ビタミンE誘導体(ニコチン酸DL−α−トコフェロール) 0.2%
水 残量
このように調製した実施例7、8の化粧水を用いて荒れ肌実用試験を行った。試験方法は次のとおりである。荒れ肌、乾燥肌を訴える女子被験者(25歳〜45歳)30人を対象にして、その患部に試料と化粧水基剤を半分ずつ1日2回1ケ月間連用塗布した。評価は試料塗布部位の方が化粧水基剤塗布部位と比較して荒れ肌や乾燥肌の改善の程度が良好であったと回答した人数で示した。一方、セラミダーゼ阻害剤の配合されていない化粧水を、比較例5として同様の試験を行った。試験結果を表8に示す。
Figure 0004137906
表8から明らかなように、実施例7、8では、潤いを感じたと回答した人数は比較例5に比べて約1.5倍〜2倍程度に多かった。
〔実施例9〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてα-トコフェロールを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。α-トコフェロールをエタノールに溶解して1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.005、0.01、及び0.02w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例10〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてリノール酸DL-α-トコフェロールを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。リノール酸DL-α-トコフェロールをエタノールに溶解して1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.005、0.01、及び0.02w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例11〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてリノレイン酸DL-α-トコフェロールを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。リノレイン酸DL-α-トコフェロールをエタノールに溶解して1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.005、0.01、及び0.02w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例12〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてニコチン酸DL-α-トコフェロールを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。ニコチン酸DL-α-トコフェロールをエタノールに溶解して1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.005、0.01、及び0.02w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例13〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてアスコルビン酸DL-α-トコフェロールを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。アスコルビン酸DL-α-トコフェロールをエタノールに溶解して1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.005、0.01、及び0.02w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例14〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてコハク酸DL-α-トコフェロールを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。コハク酸DL-α-トコフェロールをエタノールに溶解して1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.005、0.01、及び0.02w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
実施例9〜14の試験結果を表9に示す。
Figure 0004137906
表9からも明らかなように、実施例9〜14のセラミダーゼ活性は、それぞれのセラミダーゼ阻害剤の添加濃度に依存して減少した。この試験結果から、各実施例9〜14のセラミダーゼ阻害剤に、セラミダーゼ活性を抑制する作用が認められた。
〔実施例15〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてN-ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンプロピルエステルを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。
セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。N-ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンプロピルエステルを超純水で1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.0125、0.05、及び0.1w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例16〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてN-ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンブチルエステルを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。
セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。N-ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンブチルエステルを超純水で1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.0125、0.05、及び0.1w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例17〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてN-ミリストイルアルギニンエチルエステルを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。N-ミリストイルアルギニンエチルエステルをで1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.0125、0.05、及び0.1w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例18〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてN-ミリストイルアルギニンブチルエステルを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。N-ミリストイルアルギニンブチルエステルを超純水で1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.0125、0.05、及び0.1w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例19〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてN-ヤシ油脂肪酸アシルリジンエチルエステルを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。N-ヤシ油脂肪酸アシルリジンエチルエステルを超純水で1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.0125、0.05、及び0.1w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例20〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてN-ヤシ油脂肪酸アシルリジンプロピルエステルを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。
セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。N-ヤシ油脂肪酸アシルリジンプロピルエステルを超純水で1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.0125、0.05、及び0.1w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例21〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてN-ヤシ油脂肪酸アシルリジンブチルエステルを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。N-ヤシ油脂肪酸アシルリジンブチルエステルを超純水で1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.0125、0.05、及び0.1w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例22〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてN-ミリストイルリジンエチルエステルを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。N-ミリストイルリジンエチルエステルを超純水で1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.0125、0.05、及び0.1w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例23〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてN-ミリストイルリジンプロピルエステルを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。N-ミリストイルリジンプロピルエステルを超純水で1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.0125、0.05、及び0.1w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
〔実施例24〕
本実施例は、セラミダーゼ阻害剤の他の実施例であり、セラミダーゼ阻害剤としてN-ミリストイルリジンブチルエステルを用いてセラミダーゼ阻害試験を行った。セラミダーゼの抽出は、実施例1と同様に行った。N-ミリストイルリジンブチルエステルを超純水で1.0w/v%となるように調製し、さらにこれを超純水で希釈して0.0125、0.05、及び0.1w/v%とした。セラミダーゼ活性の測定は、実施例1と同様に行った。
実施例15〜24の試験結果を表10に示す。
Figure 0004137906
表10からも明らかなように、実施例15〜24のセラミダーゼ活性は、それぞれのセラミダーゼ阻害剤の添加濃度に依存して減少した。この試験結果から、各実施例15〜24のセラミダーゼ阻害剤に、セラミダーゼ活性を抑制する作用が認められた。
(処方例1)
本処方例は、皮膚バリア改善の半透明ローションの処方例である。その組成は次のとおりである。
組成 配合比(重量%)
(1)ブチレングリコール 1.0%
(2)N−ヤシ油脂肪酸アシルアルギニン
エチルエステルピロリドンカルボン酸塩 0.2%
(3)N−ヤシ油脂肪酸アシルリジン
エチルエステルピロリドンカルボン酸塩 0.1%
(4)ビタミンE誘導体分散液(平均粒子径:200nm) 7.5%
組成:酢酸トコフェロール 0.08%
コハク酸トコフェロール 0.02%
ペンタジオール 2.0%
POE硬化ひまし油 0.1%
リゾリン脂質 0.1%
部分ミリストイル化キトサン
ピロリドンカルボン酸塩 0.2%
精製水 5.0%
(5)グリセリン 10.0%
(6)グリコール酸 0.1%
(7)キトサングリコール酸塩 0.1%
(8)グルタチオン 0.1%
(9)エタノール 5.0%
(10)精製水 残量
本処方例のローションを調製する場合について説明すると、先ず上記(4)の組成成分を高圧型フルイダイザー機器で高圧処理(2000psi)することによりビタミンE誘導体分散液(平均粒子径:200nm)を得た。次に、加熱処理した(1)〜(3)の成分に(4)の分散液を添加し、(5)〜(8)の成分に均一に溶解させることにより、半透明のエッセンスローションを得た。
(処方例2)
本処方例は、皮膚バリア改善の外用クリームの処方例である。その組成は次のとおりである。
組成 配合比(重量%)
(1)セラキルアルコール 3.5%
(2)スクワラン 4.0%
(3)モノステアリン酸ソルビタン 3.0%
(4)グリコシルセラミド 0.2%
(5)ビタミンE誘導体分散液(平均粒子径:300nm)10.0%
組成:酢酸トコフェロール 0.2%
γ−トコフェロール 0.2%
ブタンジオール 2.0%
ポリオキシエチレンひまし油 0.1%
水酸化リン脂質 0.1%
部分ミリストイル化カルボキシ
メチルキトサン 0.2%
精製水 7.2%
(6)N−ヤシ油脂肪酸アシルリジン
エチルエステルピロリドンカルボン酸塩 0.05%
(7)N−ミリストイルアルギニン
エチルエステルピロリドンカルボン酸塩 0.02%
(8)シトルリン 1.5%
(9)ローズマリーエキス 1.0%
(10)グルタチオン 0.5%
(11)メチルパラベン 0.2%
(12)精製水 残量
本処方例のクリームを調製する場合について説明すると、先ず上記(5)の組成成分を高圧型フルイダイザー機器で高圧処理(2500psi)することによりビタミンE誘導体分散液(平均粒子径:300nm)を得た。次に、加熱処理した(6)〜(12)の水相組成に(5)の分散液を添加し、加熱溶解させた(1)〜(4)の油相を添加し、ホモミキサー処理(8000rpm、1min)による乳化によりクリーム状製剤を得た。
〔その他の実施例〕
尚、上記実施例では、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギン酸エチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩、ビタミンE誘導体のうちの一種のみを使用する場合について説明したが、2種以上を配合して使用することも可能である。

Claims (2)

  1. N−ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンエチルエステル、酢酸DL−α−トコフェロール、α−トコフェロール、リノール酸DL−α−トコフェロール、リノレイン酸DL−α−トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、アスコルビン酸DL−α−トコフェロール、コハク酸DL−α−トコフェロール、N−ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンプロピルエステル、N−ヤシ油脂肪酸アシルアルギニンブチルエステル、N−ミリストイルアルギニンエチルエステル、N−ミリストイルアルギニンブチルエステル、N−ヤシ油脂肪酸アシルリジンエチルエステル、N−ヤシ油脂肪酸アシルリジンプロピルエステル、N−ヤシ油脂肪酸アシルリジンブチルエステル、N−ミリストイルリジンエチルエステル、N−ミリストイルリジンプロピルエステル、又はN−ミリストイルリジンブチルエステルの少なくとも1種と、部分ミリストイル化キトサンピロリドンカルボン酸塩又は部分ミリストイル化サクシニルキトサンからなる高分子乳化剤とを含有することを特徴とするセラミダーゼ阻害剤。
  2. 高分子乳化剤で乳化させた乳化粒子径が、10〜900nmである請求項1記載のセラミダーゼ阻害剤。
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