JP4137892B2 - 炊飯器 - Google Patents

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Description

本発明は、安全性の高い炊飯器に関する。
内蓋を本体に収納自在とし、炊飯を行う炊飯器が一般的である。炊飯器、蓋体に設けた所定の蒸気連通孔に設けた蒸気排出機構から蒸気を蓋体外へ放出する構造としている(例えば特許文献1)。
炊飯時、鍋より発生する蒸気は、鍋直上を閉塞する内蓋に当り、内蓋に設けた蒸気連通孔より蓋体に流入し、蒸気排出機構から蓋体外へ排出される。
特開2003−310432号公報
しかし、従来の炊飯器では、内蓋に設けた蒸気連通孔に異物が溜まる等して、蒸気連通孔が閉塞された場合、炊飯に伴い鍋内の内部圧力が上昇し、鍋内の水やご飯粒などが外へと飛び出す虞があった。その時の鍋内が沸騰に近い状態であれば、当然水は熱湯であり、安全上問題となる。また、内部圧力が高ければ外へ飛び出す勢いも強いので、炊飯器本体や周囲が汚れる虞もあった。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、蒸気連通孔がつまった状態等で鍋内が加圧された場合でも、より安全性の高い炊飯器を提供することを目的とする。
本発明における請求項1の炊飯器では、連通孔が閉塞するなどの異常時でも、連通孔と別に設けた逃がし部から鍋内の蒸気を逃がすことができる。また、逃がし部を連結部の範囲内に設けることで、逃がし部からの鍋の内容物の飛び散りは、一旦連結部に当たってから本体外へ排出することとなり、直接、本体外へ飛び散る場合よりも排出速度(勢い)を低減させて、さらに危険ではない方向である本体後方から外へ排出することが可能となる。
本発明における請求項2の炊飯器では、シール部材又はシール保持部材に凹部を設けて逃がし部を構成することにより、凹部を設けた部分の当該シールが脆弱になり、炊飯時における鍋の内部圧力の上昇に伴いシール部材に変形が生じた際、凹部を設けた部分のみ他個所とは変形度合いが異なり、部分的に当該シールが崩壊し、蒸気漏れの方向を規定することが可能となる。
本発明における請求項の炊飯器では、鍋の内容物の飛び散りは、一旦、連結部に当るが、例えば本体外へ排出されない蒸気等は、連結部近傍で液化し溜まるため、連結部近傍に回収部を設けることで、当該液化した水滴などを回収することができる。
本発明における請求項の炊飯器では、逃がし部を保持部材に形成された把手部の範囲内に設けることで、逃がし部からの鍋の内容物の飛び散りは、一旦把手部に当たってから本体外へ排出することとなり、直接、本体外へ飛び散る場合よりも排出速度(勢い)を低減させることが可能となる。
本発明における請求項の炊飯器では、シール保持部材の把手部が鍋を覆うことで、鍋とシール部材との密着の崩壊による当該飛び散りを効果的に抑制することができる。
本発明における請求項の炊飯器では、把手部が、本体と所定の隙間を有して、鍋の外側部に位置するよう形成されることにより、蓋体を閉じた時に、把手部が鍋や本体と先当たりすることを防止することができる。また、鍋とシール部材との密着の崩壊により発生する当該飛び散りは、当該隙間から排出されることになり、この隙間を調整することで、蒸気の排出速度等が調整可能となる。
本発明における請求項の炊飯器では、把手部が鍋の上部から外側部へと経路するように形成されていることにより、蓋体を閉じても、把手部と鍋とが当たることを防止できる。また、把手部が本体に設けた収納部に収納されることで、例えば排出された蒸気で液化した水滴等を収納部に溜めることを可能とし、本体外への液垂れを抑制できる。
本発明の請求項1によると、連通孔がつまった状態等で鍋内が加圧された場合でも安全性く、また鍋の内容物の飛び散りの排出速度を低減させて、さらに危険ではない方向から外へ排出することが可能となり、より安全性の高い炊飯器を提供できる。
本発明の請求項2によると、連通孔がつまった状態等で鍋内が加圧された場合に、鍋とシール部材の密着が崩壊し、鍋内の蒸気などが外へ飛び出した場合でも安全性の高い炊飯器を提供することができる。
本発明の請求項によると、本体外への液垂れを抑制でき、清掃性が高く、商品性を向上させた炊飯器を提供できる。
本発明の請求項によると、鍋の内容物の飛び散りの排出速度を低減させることが可能となり、より安全性の高い炊飯器を提供できる。
本発明の請求項によると、鍋の内容物の飛び散りの排出速度を効果的に低減させることが可能となり、より安全性の高い炊飯器を提供できる。
本発明の請求項によると、蓋体を閉じた時に、把手部が鍋や本体と先当たりすることを防止することができると共に、より安全性の高い炊飯器を提供できる。
本発明の請求項によると、蓋体を閉じても、把手部と鍋とが当たることを防止できると共に、本体外への液垂れを抑制でき、清掃性が高く、商品性を向上させた炊飯器を提供できる。
以下、本発明における炊飯器の好ましい各実施例を説明する。
以下、添付図面を参照しながら、本発明における炊飯器の第1実施例を説明する。
本実施例における炊飯器の基本的な構成を図1に基づき説明すると、1は炊飯器の外郭となる器本体で、この器本体1は、ほぼ筒状の外枠2と、この外枠2の下面開口を覆って設けられた底板3とにより形成されている。器本体1の上側には、その後部に位置するヒンジたるヒンジ軸4により、蓋すなわち蓋体5が回動自在に支持されている。また、外枠2の上部内周部から一体に垂下させて形成されるほぼ筒状の鍋収容部6と、この鍋収容部6の下面開口を覆って設けられた内枠8とにより、器本体1内に有底筒状の鍋収容体9が形成される。なお、鍋収容体9の側部をなす鍋収容部6は、外枠2と一体化したPP(ポリプロピレン)などの合成樹脂からなる。また、鍋収容体9の底部をなす内枠8は、FR−PET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂で、後述する鍋11の外面形状とほぼ相似形状に形成されている。
炊飯器の本体外観は、その上部と側部を一体化した外側枠すなわち外枠2と、外枠2の底部を覆う底板3で構成してもよい。また本体外観を、上部を覆う上枠と、側部と底部を一体化した底側枠とにより構成したり、あるいは上部を覆う上枠と、側部を覆う側枠と、底部を覆う底板とにより構成したりしてもよい。その際、外枠2,底板3,上枠,底側枠は、いずれもPPなどの合成樹脂で形成されるが、側枠はPPなどの合成樹脂で形成してもよいし、ステンレスなどの金属板で形成してもよい。
前記鍋収容体9内には、米や水などの被調理物を収容する有底筒状の鍋11が着脱自在に収容される。この鍋11は、熱伝導性のよいアルミニウムを主材料とした鍋本体12と、この鍋本体12の外面の側面下部から底面部にかけて、例えば溶湯鍛造により一体的に形成されたフェライト系ステンレスなどの磁性金属材料からなる発熱層13とにより構成される。鍋11の側面中央から上部に発熱層13を設けないのは、鍋11の軽量化を図るためである。また、鍋11の上端周囲には、その外周側に延出する円環状のフランジ部14が形成されている。
鍋収容部6の上端にはコードヒータ53を備えてあり、熱伝導がよいアルミ板などの金属板54で覆われている。このコードヒータ53と金属板54が発熱手段であるフランジヒータ51を形成し、蓋と本体の隙間に対向する位置に備えてある。また金属板54には、上方に突出した突出部が形成され、この突出部の上面に、鍋11の上端周囲より外周側に延出させたフランジ部14の下面が載置されることで、鍋11が吊られた状態で鍋収容部6内に収容される。したがって、鍋11とこの鍋11が収容された鍋収容部6の上端との間における隙間がほとんどない構成になる。しかも、鍋11のフランジ部14は、外形がフランジヒータ51のコードヒータ53さらには金属板54と同等以上の大きさに形成されており、これにより、フランジヒータ51が鍋11のフランジ部14で上から覆われている。但し、図示していないが、例えば鍋収容部6の左右両側部においてフランジヒータ51を下方へ屈曲させることにより、フランジ部14とフランジヒータ51とを非接触としてこれらフランジ部14とフランジヒータ51との間に部分的に隙間が形成されるようにしてあり、この隙間において、鍋11を着脱する際の持ち手部としてフランジ部14を使用できるようにしてある。また、前記隙間は、鍋11の外面に水が付着した状態で炊飯したときに蒸気を排出させる作用をも有する。
前記内枠8は、鍋11の発熱層13に対向して位置しているが、この内枠8の外面の発熱層13に対向する側面下部および底面部には、鍋11の特に底部を電磁誘導加熱する加熱手段としての加熱コイル16が設けられている。この加熱コイル16は、前記鍋11の外面にある発熱層13に対向する状態で、内枠8の外面に螺旋状に巻き付け固定される。さらに、前記加熱コイル16を下側から覆ってフェライトコア17が設けられている。
また、内枠8の底部中央には、前記鍋11の底部外面に弾発的に当接して鍋11の外面温度を検知する鍋温度検知手段としての鍋温度センサ21がセンサホルダ22により支持されて設けられている。この鍋温度センサ21は、好ましくは負特性サーミスタからなり、加熱コイル16による鍋11の外面温度を主に温度管理する。
前記蓋体5は、その回転軸であるヒンジ軸4に固定されており、ヒンジ軸4に巻装された蓋開閉手段たるヒンジばね23の力により、ヒンジ軸4を支点として開く方向へ付勢されている。蓋体5は、その上面外殻を形成する例えばプラスチック製の外蓋31と、この外蓋31の下側に固定され外蓋31の内面を構成する放熱板32と、これら外蓋31と放熱板32とを結合させて蓋体5の骨格を形成する蓋ベース材としての外蓋カバー33とを主たる構成要素としている。また、蓋体5の下面には、この下面との間に所定の隙間を形成して、前記鍋11の上部開口部を直接覆う内蓋35が着脱自在に装着される。前記放熱板32および内蓋35はともに金属製であり、例えば、ステンレスやアルミニウムをアルマイトした材料からなっている。放熱板32には蓋加熱手段68を設けてある。蓋加熱手段68はコードヒータなどの電熱式ヒータでも、電磁誘導加熱式でもよい。それに伴い、蓋体5には蓋温度を検知するサーミスタ式の蓋温度センサ65が備えてあり、主に蓋加熟手段68による内蓋35の温度管理を行なう。また、前記内蓋35の外周部にはシール保持部材としてのパッキンベース36が固定されており、このパッキンベース36と内蓋35とにより挟まれてシール部材としての蓋パッキン37が固定されている。これら内蓋35,パッキンベース36,及び蓋パッキン37を組み立て一体としたものが内蓋組立60となる。パッキンベース36は、鍋11の上方に位置し、鍋11のフランジ部14の内径より外に広がる形状となっている。この蓋パッキン37は、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性部材により環状に形成され、前記鍋11のフランジ部14の上面あるいは内側面のどちらか一方、又は両方に当接してこの鍋11と内蓋35との間の隙間を塞ぎ、鍋11内から発生する蒸気を密閉するシール部材となる。
外蓋31の上面の最頂部には、蒸気口収容部として鍋11側に陥没した凹部80が設けられており、この凹部80に、蓋体5の上方から垂直方向に装着または外すことができる蒸気口81が備えてある。この蒸気口81は、上部側の蒸気口キャップ83と下部側の蒸気口ケース84とからなり、これら蒸気口キャップ83および蒸気口ケース84は、いずれも耐スチーム性に優れたプラスチック樹脂材料からなっている。
凹部80の底部には、鍋11内の空間と連通する蒸気連通孔としての開口孔87が形成されており、この開口孔87に嵌め入れた弾性部材からなる蒸気口パッキン88に蒸気口ケース84の外底面中央部から下方へ延出する筒状の突出部89を挿入している。この突出部89の外周面下部には前記蒸気口パッキン88と係合する湾曲状の凸部90が外側に向かって突出形成し、前記蒸気口ケース84の内部には、その底部の突出部89から同軸的に立ち上がる蒸気筒部91が形成してある。この蒸気筒部91の内部は、突出部89の内部を介して鍋11の内部に連通するものである。一方、前記蒸気口キャップ83の中央部には調圧弁93が取付けられている。炊飯時、調圧弁93が適宜開放されることにより、鍋11内に発生した蒸気が開口孔87を通り蒸気口81から外部へ放出される。
器本体1の前側には、蓋体5と閉じた状態を保つ為の第1の保持部材たるクランプ受け26が設けられ、蓋体5には第1の保持部材と結合する第2の保持部材たるクランプ25が設けられている。クランプ25の上方にはクランプボタン24が配置され、このクランプボタン24の動作に連動し、クランプ25が回動しクランプ受け26との結合・解除動作を行う。前記内蓋組立60の取り付けは、パッキンベース36に設けた突出部(図示せず)を、外蓋カバー33の前方側にあるクランプ25に係合させ、外蓋カバー33の後方側に設けた引掛け部(図示せず)にパッキンベース36を引掛けて固定する。
加熱制御手段71は、鍋温度センサ21や蓋温度センサ65からの温度検知信号を受信し、加熱手段たる加熱コイル16やフランジヒータ51、蓋加熱手段68を加熱調節する。加熱制御手段71には、加熱コイル16を駆動させる素子72が備え付けられている。加熱コイル16を駆動する素子72は、加熱コイル16の発振と共に加熱されるが、加熱コイル16を駆動する素子72は使用条件温度を持つので一定温度以下で駆動させる必要がある。その為、加熱コイル16を駆動する素子72は、アルミニウムのような熱伝導性のよい材料で構成された放熱器73に取り付け、冷却手段たる冷却ファン74から発する風により冷却され、使用条件温度内で駆動している。冷却ファン74は、加熱制御手段71に取付けられた放熱器73の下方、又は側部(本実施例では下方)に配置されている。それに伴い、器本体1の底部又は側部には、冷却ファン74から発し、加熱制御手段71に取付けられた放熱器73により温かくなった風を外部へ排出する孔75が設けられている。加熱制御手段71は器本体1内に収納されるが、鍋11に対してどの位置に配置してもよく、器本体1の底部又は側部に設けた孔75も、どの位置に配置してもよい。しかし、近年製品の小型化設計が求められている背景もあり、加熱制御手段71,冷却ファン74と、風を排出する孔75は、鍋11を挟んで略反対位置に配置されている場合が多い。
表示部76には、時間や選択した炊飯コースを表示するLCD27や、現在の工程を表示するLED28や、炊飯を開始させたり炊飯コースを選択させたりするためのスイッチ29が、配置されている。表示部76の上方には、ボタン名を表示したりする為に操作部としての操作パネル30が配置されている。この操作パネル30は電子部品である表示部76にほこりや水が付着することも防止している。
そして、炊飯時および保温時には、加熱コイル16に高周波電流を供給することにより、加熱コイル16から発生する交番磁界で鍋11の発熱層13が発熱し、鍋11が加熱される。特に保温時には、鍋11の底面に接触した鍋温度センサ21の検知温度に応じて、加熱コイル16による加熱が調節され、鍋11が一定の温度(約73℃)に保持される。炊飯と保温加熱は鍋温度センサ21と蓋温度センサ65の温度検知にて鍋底加熱,側面加熱,蓋加熱を温度制御して行なう。
炊飯を開始すると、加熱コイル16により鍋11の鍋底及び側面を加熱し、鍋11内の水温を約45〜60℃で15〜20分間保持し浸し炊きを行なう。その後、鍋11内の水が沸騰するまで加熱する。この沸騰加熱時に鍋温度(鍋温度センサ21の検知温度)が90℃以上になり、蓋温度(蓋温度センサ65の検知温度)が90℃以上で安定(温度上昇率検知)したら沸騰を検知し、加熱量を低減した沸騰継続加熱にする。鍋温度センサ21,蓋温度センサ65を設けることにより、鍋温度,蓋温度が全て90℃以上になったことが確認でき、完全に鍋11内が沸騰したことを精度よく検知可能になる。
また、鍋温度,蓋温度のいずれかが120℃以上の通常ではあり得ない温度になったら異常と判断し、炊飯加熱を低減し切りにするか、むらしにするか、保温にし、異常加熱を防止する。また、鍋温度,蓋温度のいずれかが90℃以上になって所定時間経過(例えば5分)しているのに、鍋温度,蓋温度のいずれかが90℃未満の低い温度の場合、いずれかのセンサーが何らかの理由で温度検知精度が悪化している(汚れ、傾き、接触不良など)と判断し、炊飯加熱を低減し切りにするか、むらしにするか、保温にし、異常加熱を防止する。沸騰継続になると蓋加熱手段68による蓋加熱を開始する。蓋加熱は蓋温度が100〜110℃になるように蓋温度センサ65の検知温度により管理される。また、鍋11が所定の温度上昇になったら炊き上げを検知し、むらしに以降する。むらし中は蓋温度管理にてつゆ付き防止し、鍋温度がご飯が焦げない程度に高温を保持(98〜100℃)するように温度管理する。15〜20分のむらしが終了したら保温に移行する。
保温は加熱コイル16にて鍋11の鍋底と側面下部を加熱すると共に、蓋加熱で蓋をご飯の温度よりわずかに高く加熱し、鍋11の側面をフランジヒータ51でご飯が乾燥せず、かつ、つゆが多量に付着しないように温度管理する。ご飯は70〜76℃に温度保持する。保温時も2つのセンサーが相互に異常に高かったり、低かったりした場合は異常を検知し、異常加熱を防止する。
また、炊飯後、鍋11内の被炊飯物であるご飯の温度が約100℃から保温温度(約73℃)に低下するまでの期間、および、ご飯の温度が約73℃で安定した保温安定時には、フランジヒータ51のコードヒータ53を発熱させる。これにより、フランジヒータ51の金属板54から蓋体5と本体1との間の隙間に熱放射が行われて、前記隙間からの外気の侵入による冷えが抑制されるとともに、鍋11のフランジ部14が加熱される。これとともに、保温時に一時的に鍋11内のご飯を再加熱する期間にも、フランジヒータ51により鍋11のフランジ部14が加熱される。保温時に加熱コイル16により鍋11内のご飯を再加熱するあつあつ再加熱を実行している期間にも、この加熱によってご飯から水分が発生するが、フランジヒータ51の加熱によって鍋11の内面上部に結露することが防止される。
次に本発明の特徴部である内蓋組立60の構成について、図1及び図2を参照しながら詳述する。
図2は、内蓋組立60を蓋体5から取り外した状態を示しており、同図のパッキンベース36においては、蓋パッキン37が取付けられている側すなわち上側が鍋11と対向する側となる。つまり図2では、図1とは上下関係が反対になっている。
内蓋35は、蓋面44(鍋11との対向面)を底面とする底が浅い有底筒状であり、その開口部はフランジ状のベース取付部45となっている。なお、ベース取付部45の外周端縁は、上方へ折れ曲がっている。
パッキンベース36は断面略矩形の環状であり、その下面には、内側の環状溝となるパッキン嵌合溝39と外側の環状溝となる内蓋係止溝40が、それぞれパッキンベース36と同心円となるよう形成されている。一方、その上面の内周側は、蓋パッキン37が装着されるパッキン装着部41となり、蓋パッキン37に覆われない外周側の部分は、後述するシール部対向部42となる。パッキン装着部41は、シール部対向部42との境界部分で窪んでおり、パッキンベース36に装着された蓋パッキン37が、後述するように鍋11の内部圧力により外側方向へ変形可能とすべく、パッキン装着部41及びシール部対向部42と蓋パッキン37との間が若干空くよう成形されている。パッキンベース36の外周端縁には把手部38が設けられており、蓋体5からパッキンベース36を取り外す際に手でつかみ易いように、上方(鍋11側)へ湾曲するよう形成されている。なお、パッキンベース36と把手部38とは樹脂材料により一体成形されている。また、把手部38は左右2ヶ所に設けてもよいし、1ヶ所でもよい。
蓋パッキン37は、断面が十字状となる環状の弾性部材からなり、嵌合部46と内蓋当接部47とシール部48とベース当接部49とが四方に突出するよう形成されている。下方へ突出した嵌合部46は端部が鉤状に折り曲がった形状になっており、パッキンベース36のパッキン嵌合溝39に先端が嵌合されるように構成されている。内側へ突出した内蓋当接部47は、内蓋35をパッキンベース36に取付けた際に、内蓋35の蓋面44と当接するよう構成されている。上方へ突出したシール部48は、蓋体5を閉じた状態で鍋11のフランジ部14の上面あるいは内側面のどちらか一方、又は両方をシールする(密閉する)ように構成されている。このシール部48は、フランジ部14とのシールを強くするために、フランジ部14の内側面より外へ位置すると共に、先端がフランジ部14に沿って鍋11内に入り易くするために、内側にやや反り返った(径を絞った)形状となっている。外側へ突出したベース当接部49は上側にくの字に折れ曲がった形状となっており、蓋パッキン37をパッキンベース36に取付けた際に、パッキンベース36のパッキン装着部41を覆い、シール部対向部42に達したその端部がシール部対向部42と一定隙間を有して配置されるよう構成されている。
シール部48とフランジ部14とのシール部分に対向する箇所が、パッキンベース36のシール部対向部42となり、図1では、パッキンベース36の外周下方(フランジ部14と対向する箇所)に存在することになる。シール部対向部42には部分的な段差を形成する凹部43が設けられている。そのため、この凹部43部分では、蓋パッキン37のベース当接部49端部とシール部対向部42との間が他のシール部対向部42に比べ広い隙間となっており、凹部43が設けられた範囲(円弧部分)の蓋パッキン37は、炊飯時の鍋11内の圧力に押されてシール部48が動いても、シール部対向部42が蓋パッキン37の可動を阻害せず、他の箇所に比べシール部48が鍋11の外側へ(放射方向へ)動き易くなっている。言い換えると、凹部43が設けられた範囲のシール部48は、他の箇所に比べ可動範囲が広くなっている。この凹部43が設けられた範囲のシール部48が蒸気逃がし部48aとなる。凹部43は、本実施例のような段差形状に限らず、例えば半円,V字形状などどのような形状でもよく、いずれにしても、蓋パッキン37のベース当接部49端部とシール部対向部42との間が他のシール部対向部42に比べ広い隙間となるよう、凹んでいればよい。
パッキンベース36に内蓋35と蓋パッキン37を装着するには、まずパッキンベース36の内側に蓋パッキン37の嵌合部46を挿入し、嵌合部46の先端をパッキンベース36のパッキン嵌合溝39に嵌合させて、蓋パッキン37をパッキンベース36に取付ける。次に、内蓋35の蓋面44をベース取付部45及び蓋パッキン37の内側に挿入する。このとき、ベース取付部45の外周端縁は内蓋係止溝40に挿入される。このようにして、パッキンベース36に内蓋35と蓋パッキン37が装着されるが、パッキンベース36と内蓋35とは、ネジにより固定しても良いし、内蓋35に凸状の爪を設け、爪を曲げて固定してもよい。いずれの場合も、蓋パッキン37はパッキンベース36と内蓋35との間で支持されることになる。
次に、炊飯時における蒸気逃がし部48aの作用について詳述する。
鍋11の加熱炊飯を行うと、蓋パッキン37のシール部48は、当該加熱炊飯に伴う鍋11の内部圧力により、フランジ部14及び鍋11の内周面に密着し、図3のように鍋11上部開口部をシールする。これにより、鍋11と内蓋35との間が蓋パッキン37により完全にシールされる。加熱コイル16による鍋11の加熱が進むと、内蓋35と蓋パッキン37で閉塞された鍋11内部はさらなる加圧状態となり、内蓋35表面は均一に大きなカを受け、蓋体5を上部へ浮かせようとする。蓋パッキン37も同様に上方へ持上げられ、鍋11のフランジ部14と離れようとする動きが生じる。すると、当該加圧により、蓋パッキン37のシール部48には、鍋11の外側方向に向けて放射状に力が働き、シール部48をフランジ部14に対し外側上部へと押し上げるように弾性変形させる。蓋パッキン37のベース当接部49とパッキンベース36のシール部対向部42との間が一定隙間であれば、弾性変形した蓋パッキン37のベース当接部49も一様にシール部対向部42に当接する。この当接部分では、シール部対向部42からの反作用により、蓋パッキン37へ当該弾性変形を押し戻す力が作用するため、蓋パッキン37の弾性変形は、鍋11のシールに影響を及ぼさない程度で止まることとなる。
本実施例では、蓋パッキン37のベース当接部49とパッキンベース36のシール部対向部42との間が一定隙間とならない様に、シール部対向部42に凹部43を設けることで蒸気逃がし部48aが構成されており、この蒸気逃がし部48aでの弾性変形は他の部分とは異なり、フランジ部14ひいては鍋11とのシールを崩壊するに至る程大きく弾性変形する。この状態を示したのが図4であり、蒸気逃がし部48aがフランジ部14に乗り上げるように弾性変形しており、鍋11とのシールが崩壊した部分から蒸気漏れが発生するのがわかる。凹部43が設けられた範囲のベース当接部49は、鍋11の内部圧力の上昇に伴う蓋パッキン37の弾性変形時に、シール部対向部42に当接するまでの距離が長く、他の部分に比べ大きく変形しないと、シール部対向部42に当接することができない。すなわち、当該凹部43の範囲では、蓋パッキン37が大きく弾性変形しないと、シール部対向部42からの反作用による抗力が作用せず、その結果、鍋11とのシールが崩壊するに至る程、蒸気逃がし部48aが大きく弾性変形することとなる。これは、蓋パッキン37のシール強度が、凹部43が設けられた範囲、すなわち蒸気逃がし部48aにおいて脆弱になっていることを意味する。
従って、パッキンベース36のシール部対向部42に凹部43を設けることにより、その部分の当該シールが脆弱になり、炊飯時における鍋11の内部圧力の上昇に伴い蓋パッキン37に弾性変形が生じた際、蒸気逃がし部48a部分のみ他個所とは変形度合いが異なり、部分的に当該シールが崩壊し、蒸気漏れの方向を規定することが可能となる。その為、例えば内蓋35の開口孔87が閉塞するなどの異常時でも、この蒸気逃がし部48aにおいて鍋11と蓋パッキン37との密着を崩壊させ易くなり、蒸気などが器本体1外へ飛び出る方向を規定することが可能となる。よって、例えば内蓋35の開口孔87が閉塞するなどの異常時でも、例えば器本体1後方などの危険ではない方向へ飛び出し方向を設定でき、安全性の高い炊飯器を提供できる。
そして、鍋11の内部圧力がある程度まで低下すると、蓋パッキン37の付勢力(弾性力)が当該内部圧力に抗して元の形状に弾性復帰し、鍋11内の蒸気が必要以上に逃げることが防止される。
以上のように本実施例では、器本体1と、器本体1に収容される鍋11と、この鍋11の開口部を覆う内蓋35を具備する蓋体5とを備えた炊飯器において、内蓋35に設けられた蒸気連通孔としての開口孔87とは別に、鍋11内の蒸気を逃がす蒸気逃がし部48aが設けられている。
このようにすると、開口孔87が閉塞するなどの異常時でも、開口孔87と別に設けた蒸気逃がし部48aから鍋11内の蒸気を逃がすことができる。従って、開口孔87がつまった状態等で鍋11内が加圧された場合でも安全性の高い炊飯器を提供することができる。
また本実施例では、蒸気逃がし部48aは、鍋11と内蓋35との間を密閉するシール部材としての蓋パッキン37、又は蓋パッキン37を保持するシール保持部材としてのパッキンベース36に、蓋パッキン37とパッキンベース36との隙間が他と異なるよう凹部43を設けることにより構成されている。
このようにすると、蓋パッキン37又はパッキンベース36に凹部43を設けて蒸気逃がし部48aを構成することにより、蓋パッキン37とパッキンベース36との隙間が他と異なり、凹部43を設けた部分の当該シールが脆弱になり、炊飯時における鍋11の内部圧力の上昇に伴い蓋パッキン37に変形が生じた際、凹部43を設けた部分のみ他個所とは変形度合いが異なり、部分的に当該シールが崩壊し、蒸気漏れの方向を規定することが可能となる。従って、開口孔87がつまった状態等で鍋11内が加圧された場合に、鍋11と蓋パッキン37の密着が崩壊し、鍋11内の蒸気などが外へ飛び出した場合でも安全性の高い炊飯器を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明における炊飯器の第2実施例を説明する。第1実施例と同一箇所には同一符号を付し、共通する部分の説明は重複するため極力省略する。
本実施例における炊飯器の基本的な構成は、図1で示した第1実施例と略同様であるが、器本体1の後方部分が若干異なっている。図5において、器本体1後方に配置され、ヒンジ軸4に巻装された蓋開閉手段たるヒンジばね23は、器本体1と蓋体5との連結部に相当する蓋開閉手段収納部たる本体ヒンジ部100に収納される。この本体ヒンジ部100はヒンジばね23の高さよりも高く、蓋体5回動時に、蓋体5が本体ヒンジ部100を乗り越えない構造とする必要がある。従って、本体ヒンジ部100はある程度の高さを有することになる。また、本体ヒンジ部100の前側近傍(本体ヒンジ部100と鍋収容部6との間)には、本体1上面より下方に凹んだ回収部としての本体凹み部102が設けられている。101は、パッキンベース36を蓋体5に取付けた際に、パッキンベース36の把手部38が収容される把手収容部である。
内蓋組立60の構成についても、図2で示した第1実施例と略同様である。すなわち、シール部対向部42には部分的な段差を形成する凹部43が設けられてることにより、蒸気逃がし部48aが構成されている。但し、本実施例では、本体ヒンジ部100幅内に、パッキンベース36のシール部対向部42に設ける凹部43が収まるように構成している。
次に、炊飯時における蒸気逃がし部48aの作用について詳述する。
鍋11の加熱炊飯を行うと、蓋パッキン37のシール部48は、角部となっており、当該加熱炊飯に伴う鍋11の内部圧力により、フランジ部14及び鍋11の内周面に密着し、図3のように鍋11上部開口部をシールする。これにより、鍋11と内蓋35との間が蓋パッキン37により完全にシールされる。加熱コイル16による鍋11の加熱が進むと、内蓋35と蓋パッキン37で閉塞された鍋11内部はさらなる加圧状態となり、内蓋35表面は均一に大きなカを受け、蓋体5を上部へ浮かせようとする。蓋パッキン37も同様に上方へ持上げられ、鍋11のフランジ部14と離れようとする動きが生じる。すると、当該加圧により、蓋パッキン37のシール部48には、鍋11の外側方向に向けて放射状に力が働き、シール部48をフランジ部14に対し外側上部へと押し上げるように弾性変形させる。
蒸気逃がし部48aでの弾性変形は他の部分とは異なり、フランジ部14ひいては鍋11とのシールを崩壊するに至る程大きく弾性変形し、図4のように、蒸気逃がし部48aがフランジ部14に乗り上げ、鍋11とのシールが崩壊した部分から蒸気漏れが発生する。このとき、凹部43は、本体ヒンジ部100幅内に設けられているため、当該蒸気漏れは、本体ヒンジ部100に最初に当たることになる。その結果、鍋11内部で発生する蒸気漏れの勢いは低減され、器本体1外へは勢いを殺した蒸気を排出することになる。本体ヒンジ部100に当該蒸気漏れが衝突すると、本体ヒンジ部100に結露が生じるが、本体凹み部102が設けられていることにより、鍋11内から漏れた蒸気が本体ヒンジ部100近傍で液化しても、本体凹み部102で回収でき外部への流出を抑制できるようになる。
従って、パッキンベース36のシール部対向部42に凹部43を設けることにより、その部分の当該シールが脆弱になり、炊飯時における鍋11の内部圧力の上昇に伴い蓋パッキン37に弾性変形が生じた際、蒸気逃がし部48a部分のみ他個所とは変形度合いが異なり、部分的に当該シールが崩壊し、蒸気漏れの方向を規定することが可能となる。その為、内蓋35の開口孔87が閉塞するなどの異常時でも、この蒸気逃がし部48aにおいて鍋11と蓋パッキン37との密着を崩壊させ易くなり、蒸気などが器本体1外へ飛び出る方向を規定することが可能となる。
とりわけ、本実施例では、凹部43を本体ヒンジ部100の範囲内に設けることで、鍋11と蓋パッキン37との密着が崩壊することによる鍋11の内容物の飛び散りは、一旦本体ヒンジ部100に当ててから器本体1外へ排出することとなり、直接、器本体1外へ飛び散る場合よりも排出速度(勢い)を低減させて、さらに危険ではない方向である器本体1後方から外へ排出することが可能となり、安全性の高い炊飯器を提供できる。
また、当該飛び散りは、一旦、本体ヒンジ部100に当るが、器本体1外へ排出されない蒸気等は、本体ヒンジ部100近傍の器本体1上部で液化し溜まる。本体ヒンジ部100近傍に本体凹み部102を設けることで、液化した水滴などを回収し、器本体1外への液垂れを抑制でき、清掃性が高く、商品性を向上させた炊飯器を提供できる。
以上のように本実施例では、蒸気逃がし部48aが、器本体1と蓋体5との連結部に相当する本体ヒンジ部100の範囲内に設けられている。
このようにすると、蒸気逃がし部48aを本体ヒンジ部100の範囲内に設けることで、蒸気逃がし部48aからの鍋11の内容物の飛び散りは、一旦本体ヒンジ部100に当たってから器本体1外へ排出することとなり、直接、器本体1外へ飛び散る場合よりも排出速度(勢い)を低減させて、さらに危険ではない方向である器本体1後方から外へ排出することが可能となる。従って、鍋11の内容物の飛び散りの排出速度を低減させて、さらに危険ではない方向から外へ排出することが可能となり、より安全性の高い炊飯器を提供できる。
また本実施例では、蒸気逃がし部48aから飛び出した鍋11の内容物を回収する回収部としての本体凹み部102が、本体ヒンジ部100近傍に設けられている。
このようにすると、鍋11の内容物の飛び散りは、一旦、本体ヒンジ部100に当るが、例えば器本体1外へ排出されない蒸気等は、本体ヒンジ部100近傍で液化し溜まるため、本体ヒンジ部100近傍に本体凹み部102を設けることで、当該液化した水滴などを回収することができる。従って、器本体1外への液垂れを抑制でき、清掃性が高く、商品性を向上させた炊飯器を提供できる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明における炊飯器の第3実施例を説明する。第1実施例及び第2実施例と同一箇所には同一符号を付し、共通する部分の説明は重複するため極力省略する。
本実施例における炊飯器の基本的な構成は、第2実施例と略同様であり、内蓋組立60の構成についても、第2実施例と略同様である。すなわち、シール部対向部42には部分的な段差を形成する凹部43が設けられてることにより、蒸気逃がし部48aが構成されている。但し、本実施例では、パッキンベース36の把手部38は、鍋11上部より外側部へと経路するように設けられている。そうすることで、蓋体5を閉じても、鍋11と当たることを防止できる。また、把手部38は、蓋体5を閉じた状態にあっても器本体1上部と一定隙間を設けられている。これは、蓋体5を閉じた時に、把手部38が器本体1と先当たりすることを防止する為である。そして、把手部38の範囲内に、パッキンベース36のシール部対向部42に設ける凹部43が収まるように構成している。また、本実施例では、蓋体5を閉じた状態で、パッキンベース36の把手部38が器本体1に設けた本体凹み部102の直上に位置するよう設けられている。すなわち、把手部38が器本体1に設けた本体凹み部102に収容される(落とし込まれる)よう構成されている。
次に、炊飯時における蒸気逃がし部48aの作用について詳述する。
鍋11の加熱炊飯を行うと、蓋パッキン37のシール部48は、角部となっており、当該加熱炊飯に伴う鍋11の内部圧力により、フランジ部14及び鍋11の内周面に密着し、図3のように鍋11上部開口部をシールする。これにより、鍋11と内蓋35との間が蓋パッキン37により完全にシールされる。加熱コイル16による鍋11の加熱が進むと、内蓋35と蓋パッキン37で閉塞された鍋11内部はさらなる加圧状態となり、内蓋35表面は均一に大きなカを受け、蓋体5を上部へ浮かせようとする。蓋パッキン37も同様に上方へ持上げられ、鍋11のフランジ部14と離れようとする動きが生じる。すると、当該加圧により、蓋パッキン37のシール部48には、鍋11の外側方向に向けて放射状に力が働き、シール部48をフランジ部14に対し外側上部へと押し上げるように弾性変形させる。
蒸気逃がし部48aでの弾性変形は他の部分とは異なり、フランジ部14ひいては鍋11とのシールを崩壊するに至る程大きく弾性変形し、図4のように、蒸気逃がし部48aがフランジ部14に乗り上げ、鍋11とのシールが崩壊した部分から蒸気漏れが発生する。このとき、凹部43は、パッキンベース36の把手部38の範囲内に設けられているため、当該蒸気漏れは、把手部38に最初に当たることになる。その結果、鍋11内部で発生する蒸気漏れの勢いは低減され、器本体1外へは勢いを殺した蒸気を排出することになる。
従って、パッキンベース36のシール部対向部42に凹部43を設けることにより、その部分の当該シールが脆弱になり、炊飯時における鍋11の内部圧力の上昇に伴い蓋パッキン37に弾性変形が生じた際、蒸気逃がし部48a部分のみ他個所とは変形度合いが異なり、部分的に当該シールが崩壊し、蒸気漏れの方向を規定することが可能となる。その為、内蓋35の開口孔87が閉塞するなどの異常時でも、この蒸気逃がし部48aにおいて鍋11と蓋パッキン37との密着を崩壊させ易くなり、蒸気などが器本体1外へ飛び出る方向を規定することが可能となる。
とりわけ、本実施例では、凹部43をパッキンベース36の把手部38の範囲内に設けることで、鍋11と蓋パッキン37との密着が崩壊することによる鍋11の内容物の飛び散りは、一旦把手部38に当ててから器本体1外へ排出することとなり、直接、器本体1外へ飛び散る場合よりも排出速度(勢い)を低減させることが可能となり、安全性の高い炊飯器を提供できる。また、鍋11と蓋パッキン37との密着の崩壊による当該飛び散りの勢いは、鍋11と蓋パッキン37とのシール部分近傍で当てた方が低減しやすいので、パッキンベース36の把手部38を、鍋11上部に設けられているフランジ部14の上部から外側部にかけて覆うことで、鍋11と蓋パッキン37との密着の崩壊による当該飛び散りを効果的に抑制することができ、より安全性の高い炊飯器を提供できる。
鍋11と蓋パッキン37との密着の崩壊により発生する当該飛び散りは、鍋11のフランジ部14の外側部に設けたパッキンベース36の把手部38に当たり、器本体1上面と蓋体5下面の隙間から器本体1外へ排出される。従って、当該飛び散りの排出隙間、つまり把手部38と器本体1上面の隙間から排出されることになり、この隙間を調整することで、蒸気の排出速度等が調整可能となる。よって、把手部38と器本体1上面の間を一定隙間で形成することで、より安全性の高い炊飯器を提供できる。
把手部38は、鍋11上部に設けられているフランジ部14の上部から外側部を経路し、器本体1上面に設けた本体凹み部102に収納されることで、排出された蒸気で液化した水滴等を溜めることを可能とし、器本体1外への水滴垂れを抑制でき、清掃性が高く、商品性を向上させた炊飯器を提供できる。
以上のように本実施例では、蒸気逃がし部48aが、パッキンベース36に形成された把手部38の範囲内に設けられている。
このようにすると、蒸気逃がし部48aを把手部38の範囲内に設けることで、鍋11と蓋パッキン37との密着が崩壊することによる鍋11の内容物の飛び散りは、一旦把手部38に当たってから器本体1外へ排出することとなり、直接、器本体1外へ飛び散る場合よりも排出速度(勢い)を低減させることが可能となる。従って、鍋11の内容物の飛び散りの排出速度を低減させることが可能となり、より安全性の高い炊飯器を提供できる。
また本実施例では、把手部38が、鍋11に設けられたフランジ部14の上部から外側部にかけて覆うよう形成されている。
このようにすると、パッキンベース36の把手部38を、鍋11に設けられているフランジ部14の上部から外側部にかけて覆うことで、鍋11と蓋パッキン37との密着の崩壊による当該飛び散りを効果的に抑制することができる。従って、鍋11の内容物の飛び散りの排出速度を効果的に低減させることが可能となり、より安全性の高い炊飯器を提供できる。
さらに本実施例では、把手部38が、器本体1と所定の隙間を有して、フランジ部14の外側部に位置するよう形成されている。
このようにすると、把手部38が、器本体1と所定の隙間を有して、フランジ部14の外側部に位置するよう形成されることにより、蓋体5を閉じた時に、把手部38が鍋11や器本体1と先当たりすることを防止することができる。また、鍋11と蓋パッキン37との密着の崩壊により発生する当該飛び散りは、当該隙間から排出されることになり、この隙間を調整することで、蒸気の排出速度等が調整可能となる。以上より、蓋体5を閉じた時に、把手部38が鍋11や器本体1と先当たりすることを防止することができると共に、より安全性の高い炊飯器を提供できる。
また本実施例では、把手部38は、フランジ部14の上部から外側部を経路し、器本体1に設けた収納部としての本体凹み部102に収納されるものである。
このようにすると、把手部38がフランジ部14の上部から外側部へと経路するように形成されていることにより、蓋体5を閉じても、把手部38と鍋11とが当たることを防止できる。また、把手部38が器本体1に設けた本体凹み部102に収納されることで、例えば排出された蒸気で液化した水滴等を本体凹み部102に溜めることを可能とし、器本体1外への液垂れを抑制できる。以上より、蓋体5を閉じても、把手部38と鍋11とが当たることを防止できると共に、器本体1外への液垂れを抑制でき、清掃性が高く、商品性を向上させた炊飯器を提供できる。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。内蓋組立60は蓋体5から着脱自在でなくてもよい。蒸気逃がし部48aは、蓋パッキン37側に凹部を形成してもよく、例えば蒸気逃がし部48a部分のみ厚みや材質を変えるなどして構成してもよい。いずれにしても蓋パッキン37のシール強度が部分的に脆弱になれば、どのような形態で構成してもよい。
本発明の第1実施例における炊飯器の構成を示す縦断面図である。 同上、炊飯器が備える内蓋組立の構成を示す断面斜視図である。 同上、炊飯器が備える鍋内が通常時の蓋パッキンの状態を示す拡大縦断面図である。 同上、炊飯器が備える鍋内が加圧状態になった時の蓋パッキンの状態を示す拡大縦断面図である。 本発明の第2実施例における炊飯器の構成を示す要部斜視図である。
符号の説明
1 器本体
5 蓋体
11 鍋
14 フランジ部
35 内蓋
36 パッキンベース(保持部材)
37 蓋パッキン(シール部材)
38 把手部
43 凹部
48a 蒸気逃がし部(逃がし部)
87 開口孔(連通孔)
100 本体ヒンジ部(連結部)
102 本体凹み部(回収部,収納部)

Claims (7)

  1. 本体と、前記本体に収容される鍋と、内蓋を具備する蓋体とを備えた炊飯器において、前記内蓋に設けられた連通孔とは別に、蒸気を逃がす逃がし部が設けられ、前記逃がし部が、前記本体と前記蓋体との連結部の範囲内に設けられたことを特徴とする炊飯器。
  2. 前記逃がし部は、前記鍋と前記内蓋との間を密閉するシール部材、又は前記シール部材を保持する保持部材に、凹部を設けることにより構成されるものであることを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  3. 前記逃がし部から飛び出した前記鍋の内容物を回収する回収部が、前記連結部近傍に設けられたことを特徴とする請求項記載の炊飯器。
  4. 前記逃がし部が、前記保持部材に形成された把手部の範囲内に設けられたことを特徴とする請求項2記載の炊飯器。
  5. 前記把手部が、前記鍋を覆うよう形成されたことを特徴とする請求項記載の炊飯器。
  6. 前記把手部が、前記本体と所定の隙間を有して、前記鍋の外側部に位置するよう形成されたことを特徴とする請求項記載の炊飯器。
  7. 前記把手部は、前記鍋の上部から外側部へと経路し、前記本体に設けた収納部に収納されるものであることを特徴とした請求項記載の炊飯器。
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