JP4137409B2 - 着色透光性オーバーレイフィルム - Google Patents
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Description
本発明は、プラスチック基材の表面に貼着し、基材の表面を保護し基材に意匠性を付与する透明で着色したオーバーレイフィルム、更に詳しくは、マーキングフィルムや反射シートが貼られた看板や標識等の表面に貼着してその表面を保護するとともに、意匠性を付与することができる、透明樹脂層と透明着色接着剤層を有する着色透光性マ−キングフィルムに関する。
【0001】
【従来の技術】
基材表面に着色してその表面の装飾性(意匠性)を高める方法として、従来から金属表面に所望の色を有する塗料を塗布する方法が知られている。
【0002】
このように基材表面に塗料を塗布することは、基材表面を保護すると共に、その装飾性を高めたものであったが、基材の表面に塗布された塗料は、経時的に劣化してひび割れて基材表面から剥離したり、基材が樹脂である場合には塗装の際、塗料中に含まれる溶剤等の影響で基材表面を損傷したりするおそれもあった。
【0003】
特に看板や標識等の樹脂基材の表面にさらに追加の表示等を印刷すると、塗料の塗布ムラが生じると共に、追加して印刷した部分の耐擦傷性及び耐候性に劣るという課題があった。
【0004】
一方、基材表面に着色マーキングフィルムを被着して基材表面を保護し、塗料の有する弱点を補う方法がある。マーキングフィルムは、基材表面を均一にムラなく容易に被覆することが可能であり、貼り付け作業に際しては、塗料の場合に問題となるような溶剤の揮散もないため、広範囲の分野において塗料に替わりつつある。
【0005】
近年、看板や標識等の既存の表示の上に別な表示を追加する必要がある場合、着色フィルムを重ね貼りし、既存の表示(再帰反射表示の場合は再帰反射性能)を損なうことなく被着された標識や看板の表面に別の表示を加えたり、その表面を完全に着色透明フィルムで被覆し、従来の表示が視認できるままで異なる色を発現することも行われつつある。多様な表示が求められる分野において、効果的で経済的な看板等作成方法として、広く利用され始めているのである。
【0006】
他方、従来の標識等樹脂フィルムの表面はチリやホコリ等に汚染され易く、また表面に水滴等がついて表示が見難くなるため、その表面をホコリやゴミ、水滴などが付着しないように処理するという課題もあり、これらを解決することを目的として、表面汚染しにくい透明フィルムをオーバーレイフィルムとして用い、汚染防止の問題を解決することも行われている。
【0007】
この処理方法の一つとして、汚染防止のために表面張力の小さいフッ素系フィルムが使用されているが、透明なフッ素系フィルムに着色剤を含有させてフィルム自体を透明で着色されたフィルムにすることは樹脂の性質上困難であった。特に、長期間色の劣化を少なくするために、着色剤として耐候性の高い顔料を用いるのが望ましいが、顔料によって着色されたフッ素系透明フィルムで実用できるものは存在せず、耐候性の良い着色透光性オーバーレイフィルムが求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、耐候性、耐汚染性に優れ、しかも基材の表面の表示を隠蔽することなく表面に別の色彩を色ムラなく付与して表面を保護しながらかつ美麗に仕上げることができる着色透光性オーバーレイフィルムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、400nm〜800nmの波長光を90%以上透過する膜厚が5〜500μmの透明なフッ素系樹脂層と、該透明樹脂層によって被覆され、膜厚が 5〜100μmで顔料を0.1〜50重量%含有する透明着色接着剤層とを有し、400nm〜800nmの波長光を40%以上透過し、特性波長における光線透過率が少なくとも40%であって、D65光源を使用したヘイズが30以下である着色透光性オーバーレイフィルムが上記課題を解決し得ることを見出した。
【0010】
本発明における透明樹脂層は、波長400nm〜800nmの波長域の光線を90%以上、好ましくは95%以上透過する層として形成される。
【0011】
上記透明樹脂層は、その膜厚が5〜1000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは30〜200μmであるのがよい。膜厚が5μm未満になるとフィルムとしての強度の維持が困難であり、1000μmを超えると上記の透過率を確保し難く、またコスト的に高くなる虞がある。
【0012】
上記透明樹脂層はフッ素系樹脂からなる。本発明でいう「フッ素系樹脂」とは樹脂構造式中にフッ素を含有する樹脂であればいずれの樹脂でも良く、そのフッ素含有量は特に制限されるものではないが、一般的には30重量%以上、好ましくは35重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。
【0013】
そのような含フッ素系樹脂としては、例えばエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン系共重合体(ECTFE)、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体(FET)、パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン及び/又はモノクロロトリフルオロエチレン−ヒドロキシアルキルビニルエーテル−アルキルビニルエーテル系共重合体等が挙げられ、本発明ではこれらのいずれでも使用可能であるが、中でも、ETFE,FEP,およびPFAが好ましく、特にETFEが好適である。
【0014】
ETFE はエチレン及びテトラフルオロエチレンを主体とし(エチレン/テトラフルオロエチレンのモル比は一般に40/60〜60/40にある)、そして必要により、これに少量(通常10モル%以下)の第3のコモノマー成分を共重合させたものである。このETFEはそれ自体公知のものであり、例えば特公昭59−501653号公報に記載の方法で製造することができ、また、市販品として旭硝子(株)より「アフロンCOP」また、ダイキン工業(株)製「ネオフロンETFE」、デュポン社製「テクゼル」なる商品名で市販されているものを使用することもできる。
【0015】
またFEPはダイキン工業(株)製「ネオフロンFEP」、またデュポン社製「テフロン(登録商標)FEP」として販売されており、PFAは例えば、ダイキン工業(株)製「ネオフロンPFA」、またデュポン社製「テフロン(登録商標)PFA」なる商品名でそれぞれ販売されているものを使用することもできる。
さらに上記含フッ素化合物は単独でも2種以上混合しても使用することができる。
【0016】
以上に述べたフッ素系樹脂を原料としてフィルム化することができるが、そのフィルムの成形はそれ自体公知の方法に従い、例えば押し出し成形法、カレンダー成形法及びインフレーション成形法等により行うことができる。
【0017】
上記透明樹脂層は、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%の紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤としては、従来公知のものであれば特に制限されないが、斯る紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ−ル系及びシアノアクリレ−ト系のものが好ましい。
上記ベンゾフェノン系のものとしては、例えば、2,3′-ジヒドロキシ-4,4′- ジメトキシベンゾフェノン、2,2′-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン及 び2,2′,4,4′-テトラヒドロキシベンゾフェノンを挙げることができる。
【0018】
また上記ベンゾトリアゾ−ル系のものとしては、例えば、2-(2′-ヒドロキシ-5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2-(2′-ヒドロキシ-5′-メチルフェニル)-5,6-ジクロルベンゾトリアゾ−ル)、2-(2′-ヒドロキシ-5′-t-ブチルフェニル)、ベンゾトリアゾ−ル、2-(2′-ヒドロキシ-3′-メチル-5′-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2-(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロル-ベンゾトリアゾ−ル及び2-(2′-ヒドロキシ-5′-フェニルフェニル)-5-クロルベンゾトリアゾ−ル、2-(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロロベンゾトリアゾ−ル、2-(2′-ヒドロキシ-3′-t-ブチル-5′-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ−ル、
【0019】
2-(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-t-アミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2-(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2-(2′-ヒドロキシ-5′-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2-{2′-ヒドロキシ-3′-(3″,4″,5″,6″-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5′-メチルフェニル}ベンゾトリアゾ−ル、2-{2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)フェニル}-2-ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
【0020】
上記シアノアクリレ−ト系のものとしては、例えば、エチル-2-シアノ-3,3- ジフェニルアクリレ−ト、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリ レ−ト等を挙げることができる。
【0021】
さらに上記透明樹脂層はワックス剤、酸化防止剤、熱安定剤、レベリング剤、カップリング剤等の添加剤、改質剤を必要に応じ、特性を損なわない範囲で添加することもできる。
【0022】
上記の透明樹脂層に紫外線吸収剤、光安定剤を添加することにより、経時における密着性を良くしている。
【0023】
上記の接着剤層に相対する面の密着性を上げるため、下地処理をすることができる。処理方法としては、コロナ放電処理、プライマー処理などが挙げられるが、効率を考慮すればコロナ放電処理がもっとも好ましい。
【0024】
接着層と接合する面は前記処理により、JIS K-6768に準拠する方法による範囲に入るように処理するのが良い。
【0025】
本発明のオーバーレイフィルムは、前述したフッ素系透明樹脂層と接着剤層とからなるフィルムである。これに使用される着色透明接着剤層を形成する樹脂は透光性を有する着色された接着剤であって、前記透明樹脂層の全面に塗布されて接着剤の層を形成するものであり、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が好ましい例として挙げられる。これらの中でも、透明性、耐候性に優れ、比較的安価で加工適正の優れている(メタ)アクリル系樹脂が特に好ましい。
【0026】
このような(メタ)アクリル系樹脂としては、たとえば、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、2−メチルブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、イソノニルアクリレート等のアクリル酸のC2〜C12アルキルエステルの少なくとも1種(モノマーA)とアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の官能基含有アクリル系モノマーの少なくとも1種(モノマーB)とが共重合されることにより得られるものを挙げることができる。上記モノマーAとモノマーBの共重合割合はモノマーA/モノマーBの重量比で99.5/0.1〜70/30特に99/1〜75/25の範囲内が好適である。
【0027】
接着剤を形成する樹脂の中でも特に好適なアクリル樹脂としては、ブチルアクリレート(BA)とアクリル酸(AA)とを、BA/AAの重量比が99.9/0.1〜70/30特に99.5/0.5〜80/20の範囲内で共重合させる事によって得られる共重合体を挙げることができる。
【0028】
上記アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20万〜100 万、より好ましくは40万〜80万であり、斯る分子量は、重合開始剤の量によって、または連鎖移動剤を添加することによって調整することができる。
【0029】
上記接着剤層は、透明樹脂層の光透過性、および反射基板の再帰反射性能を著しく損なわない程度に所望の色彩を与える量の顔料を含有する。接着剤樹脂層は接着性樹脂100重量部に対し、0.1〜50重量部、好ましくは0.2〜40重量部、の顔料を含有する。0.1重量部未満になると上記着色樹脂層の着色性に劣り、着色の意義が薄れて好ましくなく、また、50重量部を超えると上記着色接着剤層の諸物性が劣り、美麗な装飾性、視認性が得難くなるおそれがある。
【0030】
斯る顔料は、いずれの顔料でも用いることができるが、長期間使用可能な耐候性のある顔料が特に好ましく、具体的には、The Society of Dyers and Colorists社出版による、Color Index 3rd Edition(1971)及びSupplements(1975)に掲載されている顔料から選ぶことができる。以下に示す顔料名は同書規定のColor Index Generic Nameによる。例えば、Y-1はC.I. Pigment Yellow1を意味し、またOは橙色(Orange)、Rは赤色(Red)、Vは紫色(Violet)、Bは青色(Blue)、Cは緑色(Green)、Brは茶色(Brown)、Bkは黒色(Black)、Wは白 色(White)を表している。
【0031】
上記顔料の色としては、黄色、橙色、赤色、紫色、青色、緑色、茶色、黒色及び白色等いずれの色調のものでも用いることができる。以下、それぞれの好ましい顔料を具体的に例示する。
【0032】
黄色系の好ましい顔料としては、例えば、アゾ系、縮合多環系、金属錯塩系、無機系の顔料を挙げることができる。
アゾ系の好ましい顔料としては、例えば、不溶性モノアゾ顔料(Y-97,Y-116,Y-120,Y-151,Y-154)、ジスアゾ顔料(Y-81,Y-83,Y-155)、縮合アゾ顔料(Y-93,Y-94,Y-95,Y-128)を挙げることができ、また、縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、アントラキノン顔料(Y-24,Y-108,Y-147,Y-123,Y-99)、イソインドリノン顔料(Y-109,Y-110,Y-173)、イソインドリン顔料(Y-139)、キノフタロン顔料(Y-138)を挙げることができ、また、金属錯塩系の好ましい顔料としては、例えば、同アゾメチン顔料(Y-117,Y-129)、ニッケルニトロソ顔料(Y-153)、ニッケルアゾ顔料(G-10)を挙げることができる。更に、無機系の好ましい顔料としては、例えば、酸化鉄イエロ−(Y-42)、チタン−アンチモン−ニッケル酸化物(Y-53)等を挙げることができる。
【0033】
橙色系の好ましい顔料としては、例えば、アゾ系、縮合多環系顔料を挙げることができる。
アゾ系の好ましい顔料としては、例えば、不溶性モノアゾ系顔料(O-36,O-5,O-38,O-60,O-62)、ジスアゾ系顔料(O-34)、縮合アゾ系顔料(O-31)を挙げることができ、また、縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、ペリレン系顔料(O-43)、アントラキノン系顔料(O-40,O-51)、イソインドリノン系顔料(O-42)、キナクリドン系顔料(O-48,O-49)を挙げることができる。
【0034】
赤色系の好ましい顔料としては、例えば、アゾ系顔料、縮合多環系顔料、無機系顔料を挙げることができる。
アゾ系の好ましい顔料としては、例えば、不溶性モノアゾ系顔料(R-2,R-6,R-7,R-9,R-10,R-12,R-14,R-112,R-146,R-147,R-170,R-171,R-175,R-185,R-187,R-188,R-208)、アゾレ−キ系顔料(R-52:2,R-115,R-151,R-243)、縮合アゾ系顔料(R-144,R-166,R-214,R-220,R-221,R-242)、ジスアゾ系顔料(R-38,R-37)を挙げることができ、
【0035】
また、縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、アントラキノン系顔料(R-168,R-177,R-216)、チオインジゴ系顔料(R-88)、ペリノン系顔料(R-194)、ペリレン系顔料(R-123,R-149,R-178,R-179,R-190,R-224)、キナクリドン系顔料(V-19,R-122,R-202,R-207,R-209,R-206)を挙げることができ、
更に、ジケトピロロピロ−ル系顔料(チバガイギ−製イルガジンDPPレッドBO)を挙げることができ、また、無機系の好ましい顔料としては、ベンガラ(赤色酸化鉄R-101)、亜鉛・鉄酸化物(R-225)等を挙げることができる。
【0036】
紫色系の好ましい顔料としては、例えば、アゾ系顔料、縮合多環系顔料、無機系顔料を挙げることができる。
アゾ系の好ましい顔料としては、例えば、モノアゾ系顔料(V-50)等を挙げることができ、縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、ペリレン系顔料(V-29)、アントラキノン系顔料(V-31,V-33)、チオインジゴ系顔料(V-38,V-36)、キ ナクリドン系顔料(V-19)、ジオキサジン系顔料(V-23,V-37)を挙げることができ、また、無機系の好ましい顔料としては、例えば、リン酸コバルト系(V-14:1)、フェロライトバイオレット顔料(V-18)、コバルト・リチウム・バナジウムフォスフェ−ト顔料(V-47)等を挙げることができる。
【0037】
青色系の好ましい顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、縮合多環系顔料、無機系顔料を挙げることができる。
フタロシアニン系の好ましい顔料としては、例えば、α型銅フタロシアニン系顔料(B-15:1,B-15:2)、β型銅フタロシアニン系顔料(B-15:3,B-15:4)ε型フタロシアニン系顔料(B-15:6)、無金属フタロシアニン系顔料(B-16)を挙げること ができ、また、縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、インダトロン系顔料(B-60,B-21,B-22,B-64)を挙げることができ、 また、無機系の好ましい顔料としては、例えば、紺色(B-27)、群青(B-29)、 コバルト−アルミニウム酸化物系顔料(B-28)、コバルト−クロム−アルミニウ ム酸化物系顔料(B-36)等を挙げることができる。
【0038】
緑色系の好ましい顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料、縮合多環状系顔料、無機系顔料を挙げることができる。
フタロシアニン系の好ましい顔料としては、例えば、中塩素化銅フタロシアニン系顔料(G-37)、高塩臭化銅フタロシアニン系顔料(G-7)、高塩臭素化銅フタロ シアニン系顔料(G-36)等を挙げることができ、縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、ビオラントロングリ−ン(G-47)を挙げることができ、無機系の好ましい顔料としては、例えば、酸化クロム系顔料(G-17)、コバルト−チタン−ニッケル−亜鉛酸化物系顔料(G-19)、コバルト−チタン系顔料(G-50)等を挙げることができる。
【0039】
茶色系の好ましい顔料としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料、無機系顔料を挙げることができる。
アゾ系の好ましい顔料としては、例えば、モノアゾ系顔料(Br-25,Br-32)、金属錯塩アゾ系顔料(Br-5,Br-2)、縮合アゾ系顔料(Br-23)を挙げることができ、 縮合多環系の好ましい顔料としては、例えば、アントラキノン系顔料(Br-28)、ペリレン系顔料(Br-26)を挙げることができ、 無機系の好ましい顔料としては、例えば、酸化鉄系顔料(Br-6)、鉄−クロム酸化物系顔料(Br-29)、亜鉛−鉄酸化物系顔料(Br-31)を挙げることができる。
【0040】
黒色系の好ましい顔料としては、有機系顔料、無機系顔料があり、有機系の好ましい顔料としては、例えば、アニリンブラック(Bk-1)、ペリレンブラック(Bk-31)等を挙げることができ、また、無機系の好ましい顔料としては、例えば、カ−ボンブラック(Bk-31)、 カ−ボンブラック(Bk-7)、カ−ボンブラック(Bk-9)、鉄黒(Bk-11)、コバルト酸 化物系顔料(Bk-13)等を挙げることができる。
【0041】
白色系の好ましい顔料としては、無機系の顔料が好ましく、例えば、亜鉛華(W-4)、硫化亜鉛(W-7)、二酸化チタン(W-6)、炭酸カルシウム(W-18)、クレ −(W-19)、硫酸バリウム(W-21)、アルミナホワイト(W-24)、シリカ(W-27)、白雲母(W-20)、タンク(W-26)等を挙げることができる。
【0042】
その他、特に好ましい顔料としては、例えば、パ−ル顔料として知られる二酸化チタン被覆雲母等を挙げることができ、その粒径が2〜200μmのものが好 ましく、更に好ましくは4〜150μm、特に好ましくは5〜100μmである。また、耐候性の点から被覆層の酸化チタンはルチル型であることが好ましい。また更に、酸化鉄等の顔料で着色されていてもよく、干渉色を示すものであってもよく、シルバ−調、ミルク調のものであってもよい。
【0043】
また上記接着剤には、耐候性、耐熱性、接着力を改善するため、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、粘着付与剤、可塑剤等の添加剤を添加することができる。
これら接着剤に配合し得る紫外線吸収剤としては、該紫外線吸収剤の紫外線吸収能や使用する接着剤との相溶性等を考慮して広範囲の種類の中から適宜選択使用することができるが、使用可能な紫外線吸収剤としては例えば下記の如きものが挙げられる。
【0044】
ハイドロキノン系−ハイドロキノン、ハイドロキノンジサリチレート
ベンゾフェノン系― 2−ハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ハイドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ハイドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2,4−ジハイドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジハイドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ハイドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノン、2,2’−ハイドロキシ−4−メトキシ−5−スルホンベンゾフェノン、2,2’−4,4’−テトラハイドロキシベンゾフェノン、2,2’−ハイドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ナトリウムスルホベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ハイドロキシ−5−クロルベンゾフェノン
【0045】
ベンゾトリアゾール系− 2−(2’−ハイドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−メチルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−第3ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−第3ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール、2−(2’−メチル−4’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ステアリルオキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5−カルボン酸フェニル)ベンゾトリアゾールエチルエステル、2−(2’−ハイドロキシ−3’−メチル−5’−第3ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’,5’−ジ第3ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’,5’−ジ第3ブチルフェニル)−5−クロル−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−フェニルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−シクロヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−4’,5’−ジメチルフェニル)−5−カルボン酸ベンゾトリアゾールブチルエステル、2−(2’−ハイドロキシ−3’5’−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−4’5’−ジクロル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’5’−ジメチルフェニル)−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−フェニルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−メトキシフェニル)−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−カルボン酸エステルベンゾトリアゾール、2−(2’−アセトキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’5’−ジターシャリブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール。
【0046】
これらの紫外線吸収剤のうちベンゾフェノン系及びベンゾトリアゾール系のものが好適であり、ベンゾフェノン系では、2,2’−ジハイドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ハイドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン及び2,2’−4,4’−テトラハイドロキシベンゾフェノン、が好ましく、
【0047】
ベンゾトリアゾール系では2−(2’−ハイドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−メチルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’−メチル−5’−第3ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’,5’−ジ第3ブチルフェニル)−5−クロル−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−フェニルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’5’−ジターシャリブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’−ターシャリブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’5’−ジターシャリアミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’5’−ジターシャリブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−ターシャリブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−5’−ターシャリオクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ハイドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α’−ジメチルベンンジル)フェニル)−2−ヒドロキシベンゾトリアゾール、が好ましく、特に好適な紫外線吸収剤は、式
【0048】
【化1】
式中、R1及びR2は同一もしくは相異なり、それぞれ水素、低級及び高級アルキル基、殊に分岐鎖状の低級アルキル基又はアリ−ル基、特にフェニル基を表わし、さらにアルキル基、アリール基には水酸基、アミノ基等の官能基を有していても良く、Xは水素原子又はハロゲン原子、特に塩素原子である、で表されるタイプのものである。
【0049】
上記の如き紫外線吸収剤の配合量は、紫外線吸収剤の種類、使用する接着剤の種類、接着剤の厚さ等に依存して広範囲に変えることができるが、一般的には、接着剤100重量部当り、0.01〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは、0.5〜8重量部の範囲である。
【0050】
さらに上記の接着剤に添加する光安定剤としては、たとえばヒンダードアミン系化合物及びニッケル錯塩系化合物等があり、中でもヒンダードアミン系化合物が光安定剤として好適に使用できる。
ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペラジン重縮合物、1−(2−(3−(3,5−ジターシャリブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−エチル)−4−(3−(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−(3,5−ジターシャリブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)及びポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−24ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ))等があり、中でもコハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペラジン重縮合物が好適である。
【0051】
上記の如き光安定剤の配合量は、光安定剤の種類、使用する接着剤の種類、接着剤層の厚さ等に依存して広範に変えることができるが、一般的には、接着剤100重量部当り0.01〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜8重量部の範囲である。
【0052】
上記透明着色接着剤の層の膜厚は、特に限定されるものではないが、一般的には5〜100μm、好ましくは20〜100μm、特に好ましくは30〜70μmである。上記膜厚が5μm未満になると被着体からフィルムが剥がれて被着体の屈曲等の加工適性が悪くなって好ましくなく、また、膜厚が100μmを超えると接着強度が高くなり過ぎて貼着適性に劣り、しかもコストが高くなる虞がある。上記接着剤の層の表面には固体粒子が分散固定されていてもよい。
【0053】
本透明着色接着剤層として使用可能なウレタン系樹脂としては、例えばポリオキシアルキル化ジオール又はポリオール、軟化点40℃〜140℃の粘着付与剤、脂肪族あるいは芳香族ジイソシアネートあるいはポリイソシアネート等があげられる。また、ビニル系樹脂としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル重合体、ポリビニルブチラ−ル及びポリアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル系からなる樹脂があげられる。さらにシリコーン系樹脂としては,たとえばゴム状ポリシロキサン及び樹脂状ポリシロキサン等があげられる。
以上記載した接着剤は、単独またはこれら2種類以上から成る共重合体及びこれらの混合物としても使用できる。
【0054】
また、上記接着剤層の接着強度は、被着体に25.4mm幅の該複合フィルムで貼り合わせて24時間放置した後、テンシロン引張試験機での剥離試験で180゜折り返して剥離させる時の測定値が10N/25.4mm以上であるものが好ましい。上記接着強度が10N/25.4mm未満になると本複合マ−キングフィルムが貼着された被着体を屈曲成形すると被着体からフィルムが剥がれる虞がある。
【0055】
本発明の着色透光性オーバーレイフィルムは、各色の最大透過率において40%以上、好ましくは50%以上の透過率を持つ。
各色の特性波長における透過率が高いことで、下地の意匠性を生かした効果的な着色が可能となる。
【0056】
本発明のオーバーレイフィルムは、透明なフィルムと染料の組み合わせではなく、顔料を配合した着色透明接着剤層と透明フィルムとの複合体であり、フィルムをそのまま貼ったり、切ってから基材に貼ったりすることができる特徴もあり、また、印刷品では持ちえない物性を持つ。特にマーキングフィルムや再帰反射フィルムが貼られた看板、標識等のプラスチック基材上に貼着して使用され、看板や標識に別の情報を付与し、別な色彩を付与することができる。
【0057】
【実施例】
以下に実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。尚、本発明は下記実施例に何等制限されないことはいうまでもない。
フィルムの各評価項目とその判定基準は以下のとおりである。
【0058】
(1)全光線透過性
分光光度計(日立製作所U-4000)に積分球付受光部をセットし波長400nm〜800nmにおける複合体の全光線透過率を測定した。
【0059】
(2)最大光線透過率
前記全光線透過率の測定で得られたチャート上より最大透過率を読みとり、これを最大光線透過率とした。
【0060】
(3)輝度
輝度測定装置(神津精機 PTS-NK4)を用いる。投光器から光が試料面に投射され、反射して帰ってくるのを受光器で測定する。その際、条件として入射角5゜、反射角12’と入射角40゜、反射角20’を測定した。
【0061】
(4)ヘイズ
ヘイズ測定装置(東洋精機 DIRECT READING HAZE METER)を用い、JIS K-7015で規定された条件で測定する。
【0062】
(5)W−O−M試験
サンシャインウェザーメーター(スガ試験機製、WEL-SUN-HC)の運転条件で180分サイクル(うち18分間降雨)、ブラックパネル温度(63±3)℃に設定し、約75mmX150mmの複合体を含フッ素樹脂層が光源側になるようにセットし、1000,3000時間並びに5000時間を試験した後、取り出し、光線透過性、輝度を調べた。
【0063】
(6)かすとり作業性試験(カッティング性)(以下CM性と略す)カッティングマシーン(GRAPHTEC社製、CUTTING PRO FC3200−50)で各複合体を文字の形に25文字カットし、文字以外の部分の複合体を被着体から剥がし、被着体に残った文字数で比較した。
○:24文字以上、△:18文字以上、X:17文字以下
【0064】
(7)耐汚染性試験
複合体の表面に油性マジックで書き、書いた被着体をオーブンに入れ、80℃X72Hr放置後、イソプロピルアルコールを浸した布でふき取り、外観比較をした。
○:被着体に残らない、△:少し残る、X:残る
【0065】
(8)耐摩耗性試験(テーバー磨耗)
テーバ−磨耗試験機(TELEDYNE TABER社製、DUAL ABRASER2)を使用して各複合体の表面部分の磨耗状態を比較した。
○:傷がつかない、△:ほとんど傷がつかない、X:傷がつく
【0066】
(9)耐溶剤性
金巾3号の布に溶剤(トルエン)を漬け、各複合体の表面部分を50回往復でこすった後、初期との外観比較した。
○:被着体の表面の差がない、△:ほとんど差がわからない、X:はっきりと差がわかる
【0067】
実施例1
該フッ素樹脂の製法として2層構造である。上層部はフッ化ビニリデン樹脂(エルフ・アトケム社製、1000LD)80重量部とアクリル樹脂(三菱レイヨン社製アクリPET MD)20重量部の中に(チバスペシャリティケミカルズ社製、チヌビン234)2重量部を添加する。下層はフッ化ビニリデン樹脂(エルフ・アトケム社製、1000LD)70重量部とアクリル樹脂(三菱レイヨン社製アクリPET MD)30重量部の中に(チバスペシャリティケミカルズ社製、チヌビン234)4重量部を添加し、これら樹脂を2層T台押出し機により上層厚み15μm、下層厚み35μmのフィルムにした後、急冷することにより、ヘイズ値0.8のフィルムになる.
アクリル系樹脂接着剤(日本カーバイド社製、ニッセツPE−121)100重量部に対して有機顔料(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガジンイエロー3RLTN)2重量部をあらかじめ溶剤に溶解した.
紫外線吸収剤として(白石カルシウム社製、シーソーブ706) 1重量部及び光安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、T−622LD)0.5重量部、溶解後イソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン社製、コロネートL)1.5重量部、溶剤(トルエン)25重量部、また粘度を抑えるために減粘剤(アセチルアセトン)2重量部を加え、攪拌後、剥離紙 (藤森工業社製、50E―0010DW)には平滑性が必要であることからフローティングコーターを用いて使用し、100℃X3minで乾燥し、層厚40μmのアクリル系粘着剤を得た.更に前記のフッ素樹脂フィルムの面に常温で5Kg/cm2の圧力で張り合わせ、着色透光性オーバーレイフィルムを得た.
【0068】
実施例2
アフロンCOP88X(旭硝子社製)をT台押出し機ダイス温度300℃、押出し温度310℃で厚み40μmのフィルムした後、急冷することにより、ヘイズ値1.5のフィルムになる.
そのフィルムを使用し、接着剤層が接する面をJIS K−6768に準拠する方法によるぬれが40〜50の範囲に入るようにコロナ処理機を用いてコロナ放電という条件で内面にコロナ処理を処した
接着剤として(ニッカポリマ社製、ニッセツPE−121)、有機顔料(チバスペシャリティケミカルズ社製、イルガジンイエロー3RLTN)、紫外線吸収剤として(白石カルシウム社製、シーソーブ706) 、光安定剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、T−622LD)、硬化剤(日本ポリウレタン社製、コロネートL)、溶剤(トルエン)、減粘剤(アセチルアセトン)、剥離紙 (藤森工業社製、50E―0010DW)を使用し、実施例1と同様に着色透光性オーバーレイフィルムを得た.
【0069】
実施例3
市販PVFフィルム(デュポン社製、商品名:テドラ)の使用以外は実施例1と同様にして着色透光性オーバーレイフィルムを得た.
【0070】
実施例4
赤色有機顔料(山陽色素社製、商品名:カラーテックスレッドU457)の使用以外は実施例1と同様にして着色透光性オーバーレイフィルムを得た.
【0071】
比較例1
市販ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人社製、商品名:テトロンS−50)の使用以外は実施例1と同様にして着色透光性オーバーレイフィルムを得た.
【0072】
比較例2
市販塩化ビニルフィルム(日本カーバイド工業社製、商品名:N−14)の使用以外は実施例1と同様にして着色透光性オーバーレイフィルムを得た.
【0073】
比較例3
市販アクリルフィルム(日本カーバイド工業社製、商品名:Aカル)の使用以外は実施例1と同様にして着色透光性オーバーレイフィルムを得た.
【0074】
実施例、比較例の結果を表1、表2にまとめる。
【表1】
【0075】
【表2】
Claims (6)
- プラスチック基材の表面に貼着して基材の表面を保護し、基材に意匠性を付与するオーバーレイフィルムであって、400nm〜800nmの波長光を90%以上透過する膜厚が5〜1000μmのフッ素系透明樹脂層と、該透明樹脂層によって被覆され、膜厚が5〜100μmで顔料を0.1〜50重量%含有してなる透明着色接着剤層とを有し、
該透明着色接着剤層100重量部当り、0.01〜15重量部の紫外線吸収剤 及び0.01〜15重量部の光安定剤を含有し、
400nm〜800nmの最大光線透過率が少なくとも40%であって、D65光源を使用したヘイズが30以下であることを特徴とする着色透光性オーバーレイフィルム。 - 該フッ素系樹脂のフッ素含有量が30重量%以上である請求項1記載の着色透光性オーバーレイフィルム。
- 該フッ素系樹脂がエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン系共重合体、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系共重合体、ポリフッ化ビニリデン及びポリフッ化ビニル、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン及び/又はモノクロロトリフルオロエチレン−ヒドロキシアルキルビニルエーテル−アルキルビニルエーテル系共重合体より選ばれる樹脂である請求項1記載の着色透光性オーバーレイフィルム。
- 該フッ素系樹脂がエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、ポリフッ化ビニリデン系共重合体である請求項1記載の着色透光性オーバーレイフィルム。
- 該紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である請求項1〜請求項4いずれかに記載の着色透光性オーバーレイフィルム。
- 該光安定剤がヒンダードアミン系光安定剤である請求項1〜請求項5いずれかに記載の着色透光性オーバーレイフィルム。
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