JP4136952B2 - エアゾール組成物 - Google Patents

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本発明は、エアゾール組成物に関するものであり、より詳しくは、噴出される原液が泡状となり、その泡の質、及び持続性に優れ、更に低温下においても泡の形成性が良好で、特に化粧品として用いる場合には使用時にべたつきのないエアゾール組成物に関する
従来より、簡便性等の点で化粧品を含めて多くの分野においてエアゾール組成物が用いられている。その中でも、噴出時に泡状となるエアゾール組成物が好まれ、数多く市販されている。泡状エアゾール組成物には、噴出直後より泡を形成しているものや、噴出後しばらくして泡を形成するもの、原液をスプレー状に噴射させたのちに泡を形成させるものなど種々あるが、いずれについても泡のきめ細かさ、泡の持続性が重視されている。また、冬の時期などの低温下においては、噴射剤の圧力が低下するため、噴出される泡の形成性が低下する傾向にある。
このような低温下での泡の噴出性や泡質などを改善するために、従来より種々の提案がなされ、例えば特定のアニオン界面活性剤を用いる方法(例えば、特許文献1参照。)、特定の非イオン界面活性剤を用いる方法(例えば、特許文献2参照。)、特定のグルコース誘導体を用いる方法(例えば、特許文献3参照。)などが提案されているが、更に良好な泡を形成するエアゾール組成物が望まれていた。
また一方、毛髪用化粧料等において、アミンオキシド基記含有樹脂は公知であり(例えば、特許文献4、非特許文献1参照。)、セット力や艶の付与、コンディショニング効果などの目的で使用される。しかしながら、アミンオキシド基含有樹脂を配合して泡を形成する様なエアゾール組成物は、上記の従来の技術を用いても、泡の質や泡の持続性、特に低温下での泡の形成性については十分満足するレベルには至らず課題があった。
特開平2−11506号公報 特開平6−271422号公報 特開平3−255019号公報 特開平10−72323号公報 特開2001−310915号公報 The Cosmetic Toiletry and Fragrance Association発行,「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook 第9版」2002年,volume1,p.31
したがって、本発明の目的は、噴出される原液が泡状となり、その泡の質、及び持続性に優れ、更に低温下においても泡の形成性が良好で、特に化粧品として用いた場合には使用時にべたつきのないエアゾール組成物を提供することにある。
本発明者等は、本発明の目的達成するために鋭意研究した結果、アミンオキシド基含有樹脂と特定のアミド化合物と噴射剤とをエアゾール組成物に配合すると上記課題が改善されることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、次の(A)〜(C)、
(A)アミンオキシド基含有樹脂、
(B)一般式(1)
Figure 0004136952
[但し、Rは炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、RはH又はCH基、0≦m<10、0<n≦10、m<nである。但し、m、nはそれぞれ平均数である。]で示されるアミド化合物の1種又は2種以上、
(C)噴射剤
を含有することを特徴とするエアゾール組成物にある。
本発明のエアゾール組成物は、スタイリングにおけるセット性、セット保持性、ごわつきのなさや柔軟性等のコンディショニング性、自然なまとまり等の風合い、べたつきのなさやごわつきのなさ等の使用感に優れ、また、低い温度環境における起泡性、きめ細やかな泡質、洗浄性に優れたエアゾール組成物を提供することができる。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明の(A)成分であるアミンオキシド基含有樹脂は、長鎖脂肪酸アクリルエステルとメタクリル酸エチルアミンオキシドとアクリル酸及び/またはメタクリル酸を構成成分に有する共重合体であり、その構造中にアミンオキシド基を含有したものである。具体的には、Acrylates/LaurylAcrylate/StearylAcrylate/Ethlamine Oxide Methacrylate copolymer、Acrylates/StearylAcrylate/Ethlamine Oxide Methacrylate copolymer、Acrylates/LaurylAcrylate/Ethlamine Oxide Methacrylate copolymer等が挙げられ、これらの中でも、Acrylates/StearylAcrylate/Ethlamine Oxide Methacrylate
copolymerが特に好適に使用される。これらのアミンオキシド基含有樹脂は、「The Cosmetic Toiletry and Fragrance Association発行のInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」に記載されている。また、これらのアミンオキシド基含有樹脂は市販されており、クラリアント社から販売されているDiaformer Z711、Diaformer Z712、Diaformer Z731、Diaformer Z751、三菱化学社から販売されているダイヤフォーマーZ711、ダイヤフォーマーZ712、ダイヤフォーマーZ631、ダイヤフォーマーZ732、ダイヤフォーマーZ651、ダイヤフォーマーZ731、ダイヤフォーマーZ751等が挙げられる。
本発明における上記アミンオキシド基含有樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用する事ができ、その配合量としては、エアゾール組成物の全量に対して0.01〜10質量%(以下%と略す)が好ましく、更に好ましくは0.1〜5%である。この範囲であると使用上におけるセット性、セット保持性、コンディショニング性や風合い、べたつきのなさ等の使用感において好ましい感触が得られ、また低い温度環境における起泡性、きめ細やかな泡質となる。
本発明の(B)成分であるアミド化合物は、一般式(1)
Figure 0004136952
[但し、Rは炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、RはH又はCH基、0≦m<10、0<n≦10、m<nである。但し、m、nはそれぞれ平均数である。]で示される物が用いられる。Rとして、望ましくは炭素数が8〜22のものが用いられる。また、Rであらわされるアルキル基は飽和でも不飽和でも、またこれらが混在していてもよい。尚、Rの炭素数が8より小さいと泡の保持性が不十分な場合があり、22より大きいと低温下での泡の形成性が悪くなる傾向にある。
また、一般式(1)中のmはポリオキシエチレン(POE)基の平均重合数を示し、望ましくはm=0〜4、さらに望ましくは、m=0のもの、すなわちポリオキシエチレン基を含まないものが用いられる。nはポリオキシプロピレン(POP)基の平均重合数を示し、好ましくはn=0.5〜5、さらに好ましくはn=1〜3のものが用いられる。また、m<nである。m≧nの場合には起泡性が充分得られず、nが10より大きいと泡のきめが粗くなる傾向にある。尚、POE基を含む場合、一般式(1)におけるPOE基とPOP基とはブロック重合又はランダム重合のどちらでも良いことを示している。
これらのアミド化合物の具体例としては、POE(0.5)POP(2)ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、POE(1)POP(3)パーム核油脂肪酸モノエタノールアミド、POP(2)イソステアリン酸モノイソプロパノールアミド、POP(1)イソパルミチン酸モノエタノールアミド、POP(2)ラウリン酸モノエタノールアミド、POP(1)ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、POP(2)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、POP(3)ミリスチン酸モノエタノールアミドなどが挙げられ、これらの中でも一般式(1)中のRがCH基のもの、すなわちモノイソプロパノールアミドタイプのものが特に好適に使用される。市販されているものとしては、川研ファインケミカル社より販売されている、アミゼット 1PC、 Uniquema社より販売されている、Promidium CC、Promidium CO、Promidium
SYなどがある。
これらのアミド化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、他の脂肪酸アルカノールアミドと組合せて用いた場合にも相乗作用により所望の効果が得られる。また、これらのアミド化合物の配合量としては、エアゾール組成物の全量に対して0.01〜10%の配合が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5%配合される。0.01%より少ないと泡を形成しない場合があり、また、10%を越えて配合するとべたつき感を感じる場合がある。
本発明の(C)成分である噴射剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン等を主成分とする液化石油ガス(LPG)等の炭化水素類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、炭酸ガス、窒素ガス、酸素等の圧縮ガスが挙げられる。これらの噴射剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用する事ができ、その配合量としては、エアゾール組成物の全量に対して0.5〜60%が好ましく、3.0〜20%が特に好ましい。この範囲を超えると起泡性、泡のきめ細やさ、泡の持続性などが悪くなる場合がある。
本発明のエアゾール組成物には、上記必須成分の他に、必要により、一般にエアゾール組成物に用いられている成分、例えば、他の界面活性剤、高分子化合物、油脂類、粉体、シリコーン類、pH調整剤、保湿剤、紫外線吸収剤、紫外線分散剤、色素、液状アルコール、植物エキス、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、薬剤、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で用いることができる。
本発明のエアゾール組成物の用途としては、化粧料としては整髪料、トリートメント、シャンプー、リンス等の頭髪用化粧料、化粧下地剤、ひげ剃り、ムダ毛処理剤、クレンジング等の皮膚化粧料が挙げられる。また、化粧料以外にも硬質表面洗浄料、動物用化粧料等に用いることができる。
本発明のエアゾール組成物は、噴出直後より泡を形成しているものや、噴出後しばらくして泡を形成するもの、原液をスプレー状に噴射させたのちに泡を形成させるもの等いずれの形態を採ることができる。
次に、本発明を実施例を以って詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例、比較例に示した泡の質、泡の持続性、低温下での泡の形成性、官能評価(べたつきのなさ、ごわつきのなさ、自然なまとまり)の試験方法は下記の通りである。また、以下の表に示す組成物の配合量は、それぞれ質量%で示す。
(泡の質、泡の持続性)
20名の被験者によって25℃に保たれた室内で各試料を噴出させ手に取り、泡の質、泡の持続性の観察を行った。尚、評価基準は以下の通りである。
◎:非常に良好〔良いと答えた被験者が15名以上〕
○:良好〔良いと答えた被験者が10名以上15名未満〕
△:やや悪い〔良いと答えた被験者が5名以上10名未満〕
×:悪い〔良いと答えた被験者が5名未満〕
(低温下での泡の形成性)
専門研究員が0℃に保たれた室内で各試料を噴出させ、目視により泡の形成性の観察を行った。尚、評価基準は以下の通りである。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや悪い
×:悪い
(官能評価)
20名の被験者によって試料を頭髪に使用し、整髪を実施した。その後被験者本人が、べたつきのなさ、ごわつきのなさ、自然なまとまりについて官能評価した。尚、評価基準
は以下の通りである。
◎:非常に良好〔良いと答えた被験者が15名以上〕
○:良好〔良いと答えた被験者が10名以上15名未満〕
△:やや悪い〔良いと答えた被験者が5名以上10名未満〕
×:悪い〔良いと答えた被験者が5名未満〕
実施例1〜8及び比較例1〜4(整髪料)
表1に記載の配合組成よりなる泡状整髪料を常法により調製し、前記各試験実施した。その結果を表1に併せて示す。
Figure 0004136952
表1より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1〜9のエアゾール組成物はいずれも優れた性能を示していた。一方、比較例1〜4では、泡の質、泡の持続性、低温下での泡の形成性、官能評価(べたつきのなさ、ごわつきのなさ、自然なまとまり)の面で劣っており、本発明の目的を達成できなかった。
以下、本発明のエアゾール組成物のその他の処方例を実施例として挙げる。なお、これ
らの実施例のエアゾール組成物についても、上記の泡の質、泡の持続性、低温下での泡の形成性、官能評価(べたつきのなさ、ごわつきのなさ、自然なまとまり)に関する試験を検討したところ、いずれの実施例においても、優れた特性を有しており良好であった。
実施例9<スタイリングフォーム>
配合量(%)
(1)アミンオキシド基含有樹脂 2.0
(商品名:ダイヤフォーマーZ732、三菱化学社製)
(2)POP(1)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 0.8
(商品名:アミゼット1PC、川研ファインケミカル社製)
(3)液化石油ガス(0.4MPa,25℃) 6.0
(4)両性イオン性樹脂 5.0
(商品名:ユカフォーマーAM−75、三菱化学社製)
(5)95度エタノール 8.0
(6)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(80E.O.) 0.5
(7)POE(60)硬化ヒマシ油 0.3
(8)モノオレイン酸POE(20)ソルビタン 0.3
(9)メチルパラベン 0.1
(10)エデト酸二ナトリウム 0.1
(11)セージ抽出液 0.1
(12)ユキノシタ抽出液 0.5
(13)精製水 残 部
(製法)(1)〜(2)、(4)〜(13)を均一に混合し、エアゾール耐圧容器に充填した後、(3)を充填しスタイリングフォームタイプのエアゾール組成物を得た。
実施例10<トリートメントフォーム>
配合量(%)
(1)アミンオキシド基含有樹脂 1.0
(商品名:ダイヤフォーマーZ732、三菱化学社製)
(2)アミンオキシド基含有樹脂 1.0
(商品名:Diaformer Z751、クラリアント社製)
(3)POP(1)やし油脂肪酸モノエタノールアミド 0.3
(商品名:アミコールCMIP−3E、ミヨシ油脂社製)
(4)液化石油ガス(0.4MPa,25℃) 7.0
(5)ジメチルエーテル 3.0
(6)エタノール 12.0
(7)POE(60)硬化ヒマシ油 0.3
(8)POE(15)セチルエーテル 0.3
(9)グリセリン 5.0
(10)フェノキシエタノール 0.5
(11)セチルアルコール 0.1
(12)精製水 残 部
(製法)(3)、(6)〜(11)を均一に混合溶解し、次いで(13)を加えた後、(1)および(2)を加え混合した後、エアゾール耐圧容器に充填し、噴射剤(4)および(5)を充填しトリートメントフォームタイプのエアゾール組成物を得た。
実施例12<ミストスプレー>
配合量(%)
(1)アミンオキシド基含有樹脂 4.0
(商品名:ダイヤフォーマーZ732、三菱化学社製)
(2)POP(1)やし油脂肪酸モノエタノールアミド 1.0
(商品名:アミゼット1PC、川研ファインケミカル社製)
(3)液化石油ガス(0.4MPa,25℃) 40.0
(4)両性イオン性樹脂 2.0
(商品名:ユカフォーマーAM75RFN、三菱化学社製)
(5)エタノール 30.0
(6)POE(25)ステアリルエーテル 0.5
(7)ベンゾフェノン6 0.2
(8)ジプロピレングリコール 3.0
(9)POE変性シリコーン 2.0
(商品名:KF−6011、信越化学社工業製)
(10)精製水 残 部
(製法)(1)〜(2)、(4)〜(10)を均一に混合溶解した後、エアゾール耐圧容器に充填し、噴射剤(3)を充填しスプレーミストタイプのエアゾール組成物を得た。
本発明により、低い温度環境における起泡性、きめ細やかな泡質、スタイリングにおけるセット性、セット保持性、コンディショニング性や風合い、使用感(べとつきのなさ、柔軟性、フレーキングのなさ、自然な仕上りなど)に優れ、特に、洗浄性に優れたエアゾール組成物を提供することができる。

Claims (1)

  1. 次の(A)〜(C)
    (A)長鎖脂肪酸アクリルエステルとメタクリル酸エチルアミンオキシドとアクリル酸及び/またはメタクリル酸を構成成分に有する共重合体であるアミンオキシド基含有樹脂、(B)下記一般式(I):
    Figure 0004136952
    [但し、Rは炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、RはH又はCH基、0≦m<10、0<n≦10、m<nである。但し、m、nはそれぞれ平均数である。]で示されるアミド化合物の1種又は2種以上、
    (C)噴射剤
    を含有することを特徴とする整髪用エアゾール組成物。
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