JP4136569B2 - 枕型睡眠測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は睡眠を測定する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
睡眠を簡易的にモニタリングする装置には、例えば被験者の体の下にエアマットを敷き、測定された信号から体動や脈拍を算出し、脳波による睡眠ステージとの相関により睡眠をモニタする装置があった。
【0003】
具体的には睡眠中の眠りの深さにより、レム睡眠かノンレム睡眠かを判定する枕が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
【0004】
また、呼吸を検出する枕も提案されている(例えば特許文献2参照。)
【0005】
一方、使用者が快適に睡眠することができるように、枕の内部の空気圧を変更することで、枕の高さを自分の所望の高さに調節することが可能な装置がある(例えば特許文献3参照。)
【0006】
更に、仰臥時と横臥時といった睡眠中の身体の向きを判別して、自動的に枕の高さを変更する装置がある(例えば特許文献4参照。)
【0007】
【特許文献1】
特開平4−256732号公報
【特許文献2】
特開2002−119496号公報
【特許文献3】
特開2002−65433号公報
【特許文献4】
特開2001−340198号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
エアマットの面積は広い方が、寝返りがあっても比較的良好に信号を捕らえることができるが持ち運びには不便なものであった。またエアマットの面積が広いと、実用的には逆に周囲の振動など不要な信号も拾ってしまい、検出した信号から生体の脈などの信号を分離して検出するのは難しい。特にエアマットによる生体信号の検出は、寝姿によって大きく変化し、心臓を下にして寝ている時と、信号を上にして寝ている時では信号レベルが大きく異なってしまう。
【0009】
また、建物の振動雑音は生体の発する信号の周波数と比較的近いため、フィルタ処理では分離することが難しく、生体からの信号が小さい時にオートゲインコントロールを用いて信号を大きく増幅しても信号はノイズに埋もれてしまい、信号が測定できない状況も起きる。
【0010】
また枕そのものに関しても、これまで仰向けの時と横向きの時とで枕の高さを変更することで快適な睡眠を提供するとしているが、単に、睡眠時の身体の姿勢によって決めるだけであり、睡眠の深さやその他の情報を考慮して高さが変わるのでは無く、つまり、睡眠状態の測定を行っていながら、より快適な環境を作るところまでには至らなかった。
【0011】
また、レム睡眠かノンレム睡眠かを判定する枕は、単にそれらの判別が可能なだけであり、利用者自身が目覚ましの時間をセットするのに役立つものであるとしている。
【0012】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、被験者の睡眠をモニタするために生体信号を高精度に検出する構成とし、更に快適な睡眠環境を被験者に提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の枕型睡眠測定装置は、枕の高さを設定する枕高設定手段と、
生体の脈波信号を検出する脈波信号検出手段と、
検出された脈波信号から交感神経の活動度および副交感神経の活動度を算出し、算出された交感神経の活動度および副交感神経の活動度から被験者の睡眠の快適さを判定する判定手段と、
判定手段において判定された被験者の睡眠の快適さに基づき、前記枕高設定手段を制御する制御手段と
を備える。
【0014】
また、本発明の枕型睡眠測定装置は、前記判定手段が、さらに睡眠の深さを算出し、現在の睡眠の深さを被験者の睡眠の快適さの判定に使用する。
【0015】
また、本発明の枕型睡眠測定装置は、心拍を検出する手段、呼吸を検出する手段、体動を検出する手段、およびいびき検出する手段のうちの少なくとも1個を備える。
【0016】
さらに、本発明の枕型睡眠測定装置では、前記枕高設定手段は枕の複数個所の高さを設定することが可能であり、例えば、枕の手前と奥の少なくとも2箇所の高さを設定することが可能なように設けられ、前記判定手段が、いびきが発生していると判定した場合には、前記制御手段が、枕の手前を低くし、奥を高くする制御を行う
【0023】
【発明の実施の形態】
【0024】
本発明の睡眠測定装置は枕型のタイプであり、被験者の睡眠をモニタすると共に、測定データに基づいて、被験者の睡眠状態を判断し、被験者が快適な睡眠が得られるように枕を適切な形状に変形させる。また、測定されている生体信号が適切に検出できているかを常に確認する構成とし、高精度に睡眠の判定が行えるようにする。
また被験者の睡眠状態を評価して、リアルタイムに枕の形状を変化させることで快適な睡眠環境を提供する。睡眠状態の評価としては、自律神経に基づく指標を用いることとし、具体的には、交感神経と副交感神経の活動度によって睡眠が快適であるかを判断し、枕の高さを制御する。また、この交感神経と副交感神経の活動度の判断は、被験者の睡眠の深さ(睡眠のステージ)に応じて判断する構成とすれば、より正確な睡眠の快適さの判断が可能となる。
【0025】
【実施例】
本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は本発明の睡眠測定装置の外観図である。
睡眠測定装置は枕1と操作ボックス2とからなり、それらはコード3で繋がれている。操作ボックス2には電源スイッチ、高スイッチ、低スイッチ、スタートスイッチ、ストップスイッチなどの複数のスイッチからなる入力手段であるスイッチ部4、様々な情報を表示する表示手段であるLCD5を備える。
【0026】
図2は、本睡眠測定装置のブロック図である。
枕1の内部には、枕の形状を形成するための空気封入袋6が備えられ、また空気封入袋6に空気を流入及び排出する空気圧調整装置(アクチュエーター)7を備える。この空気圧が変わることにより枕の高さは変更されることになる。
【0027】
また、生体の信号を検出するためのセンサ8であり、エアマットとそのエアマット内の空気圧を検出するコンデンサマイクロホンからなる。
【0028】
操作ボックス2は、スイッチ部4とLCD5の他、種々の演算、各部の制御を行う演算制御手段であるマイコン(CPU)10、マイコン10からのゲイン信号制御により圧力センサ8からの信号を増幅する入力アンプ11、0.8Hz以下の呼吸の信号成分が通過するローパスフィルタ(LPF)12、0.8〜10Hzの心拍波形の信号成分が通過するバンドパスフィルタ(BPF)13、10Hz以上の体動やいびきの信号成分が通過するハイパスフィルタ(HPF)14を備える。それぞれのフィルタ回路は体動アンプ15、心拍アンプ16、呼吸アンプ17に接続されて、各アンプはアナログ信号からデジタル信号に変換するA/Dコンバータ18に接続されている。A/Dコンバータ18は、マイコン10からの制御信号によって、3種類の生体信号のうち変換する信号を制御し、A/Dコンバータ18からの出力信号であるデジタル信号はマイコン10に入力される。
【0029】
また、記憶手段であるEEPROM19、設定時刻に音で報知するブザー20もCPU10に接続されている。
【0030】
図3は、枕1の前後方向における内部断面図であるが、ここに示すように前側(手前)に設けられた空気袋6aと後側(奥)に設けられた空気袋6bの2つからなる。これら空気袋6a、6bは、互いに独立して横方向に長く設けられ、それぞれアクチュエーター7に接続されており、膨らんだり縮んだりすることが可能である。
【0031】
また、空気袋6a,6bの上方には、生体の信号を検出するセンサであるエアマットが前方から後方にかけて設けられている。
【0032】
次に本発明の睡眠測定装置1の動作について、図4〜図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0033】
被験者となる睡眠測定装置1の使用者は、就寝前に電源スイッチをオンすると、装置は駆動状態となる。
【0034】
CPU10はEEPROM19から枕高のデフォルト値を読み込み(ステップS1)、枕高を読み込まれた値に基づき設定する。つまり、空気袋6a,6bを調整する(ステップS2)。
【0035】
ここでLCD5には、起床時刻をセットするよう指示が表示されるので、使用者はスイッチ4を用いて起床したい時刻を設定する(ステップS3)。この起床時刻は、前回設定された時刻が初期値として呼び出される。
【0036】
更に、枕の高さは良いかを尋ねる内容がLCD5に表示されるので、使用者は枕の高さを調節することができる。尚、本発明において枕高の調節は、枕内部に設けられた空気袋6a,6bの空気圧を変更することであり、アクチュエータ7によって空気を注入した時は空気圧が上昇し、枕高も高くなる。逆に空気を抜いた時は空気圧が下降し、枕高は低くなる。
【0037】
スイッチ4のうちの高スイッチが押された時には(ステップS4)、枕高を現設定値から1段階高くする(ステップS5)。低スイッチが押された時には(ステップS6)、枕高を現設定値から1段階低くする(ステップS7)。
【0038】
スタートスイッチが押されるまでは、この枕高の設定を行うことが可能である(ステップS8)。ここで使用者は就寝体勢となって良い。
【0039】
スタートスイッチが押されると、CPU10はEEPROM19から、入力アンプ11の基準ゲインを読み込む(ステップS9)。ここでゲイン設定値はデフォルト値に設定される(ステップS10)。更に、各睡眠ステージ1〜4における脈波の低周波成分の平均値LFs、高周波成分の平均値Asを読み込む(ステップS11)。
【0040】
その後測定モードとなる(ステップS12)。測定モードについては後述する。
【0041】
更に自律神経指標算出モードとなる(ステップS13)。自律神経指標算出モードについては後述する。
【0042】
ステップS3で設定された起床時刻になったかが判断され、起床時刻となるまで測定モード、自律神経指標算出モードを繰り返す(ステップS14)。
【0043】
起床時刻となった場合にはブザー20が鳴り(ステップS15)、ストップスイッチが押されるまで鳴り続ける(ステップS16)。
【0044】
その後、今回の睡眠中に測定された結果として、各睡眠ステージの出現率をLCD5に表示する(ステップS17)。ここで再度ストップスイッチが押されると、LCD5の表示は消え(ステップS18)、今回の測定で得られた各睡眠ステージにおけるLFs、AsデータをEEPROM19に記憶し(ステップS19)、全ての動作は終了となる。
【0045】
測定モードでは、センサ8から得られる生体信号を分離・解析し、種々の演算を行うことで、現在の睡眠の深さ(睡眠ステージ)を判断する。
【0046】
センサ8からの生体信号はCPU10からのゲイン制御信号に基づき入力アンプ11において増幅され、各フィルタ回路12,13,14に入力される。
【0047】
HPF12、体動信号用アンプ15を介して得られた生体信号をA/Dコンバータ18においてアナログ信号からデジタル信号に変換し(ステップS21)、現在の体動のレベルを算出する(ステップS22)。
【0048】
ここで算出された値が体動閾値以内であるかを判断する(ステップS23)。体動レベルが体動閾値を超える場合には、未だ覚醒状態であり、睡眠中の測定を行う状況ではないとし、その他の心拍、呼吸の算出は行わない。
【0049】
体動レベルが閾値以下であり、睡眠状態にあると判断された場合には、脈波の信号から心拍数を算出する。BPF13、心拍信号用アンプ16を介して得られた脈波の生体信号をA/Dコンバータ18においてアナログ信号からデジタル信号に変換する(ステップS24)。A/Dコンバータのチャンネルは、CPU10により制御する。
【0050】
この時、脈波の信号振幅が必要とされる脈拍数データとして必要な閾値を超えているかを判断する(ステップS25)。ここで閾値以下の場合には、信号振幅が小さいので、CPU10は入力アンプ11のゲインを上げるよう制御する(ステップS26)。
【0051】
また、脈波の信号振幅がオーバーフローしていないかを判断する(ステップS27)。ここでオーバーフローしている場合には、信号振幅が大きいので、CPU10は入力アンプ11のゲインを下げるよう制御する(ステップS28)。
【0052】
ステップS25とS27において信号振幅が正常範囲と判断された時には、現在の脈拍数を算出する。尚、本発明では算出された脈拍数=心拍数としている(ステップS29)。
【0053】
次に呼吸数の算出を行う。LPF14、呼吸アンプ17を介して得られた呼吸の生体情報をA/Dコンバータ18においてアナログ信号からデジタル信号に変換し(ステップS30)、現在の呼吸数を算出する(ステップS31)。
【0054】
次にいびきの検出を行う。いびきの信号成分は100Hz以上とされるため、HPFを用いた体動信号を用いる。突発的な信号となる体動に比べ、いびきの信号周波数はより高く、判別することが可能であり、いびきレベルを算出する(ステップS32)。いびきレベルが高いか否かをいびき閾値と比較する(ステップS33)。
【0055】
ここでいびきが発生していると判定された時には、前方の空気袋6aの空気を抜いて高さを下げ、後方の空気袋6bは空気を注入して高さを上げる。枕の高さをこのように変更すると、使用者の頭部は上がり、顎は下がる体勢となる。これにより使用者の気道は確保され、いびきは解消される(ステップS34)。
【0056】
算出された体動レベル、心拍数、呼吸数のデータはマイコン10内のRAMに保存される(ステップS35)。
【0057】
次に睡眠段階・睡眠ステージの算出を行う。
【0058】
一般的にヒトの睡眠段階はウルトラディアンリズムと呼ばれる周期に沿って変動し、深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)とを周期的に繰り返し、それは約90分周期であることが知られている。ノンレム睡眠はその睡眠の深さにより、更にstage1〜4に分けられるが(stage1の方が浅く、4の方が深い)、各睡眠段階の出現率は成人において、stage1=8.4%、stage2=48%、stage3+4=18.4%、レム=25.2%となっている。ここで睡眠段階の周期と出現率は年齢と共に変化し、高齢になるほど眠りが浅くなり、それによって周期性も乏しくなる(90分周期から外れてくる)。
【0059】
本実施例では睡眠中の脈拍数の変化から睡眠段階の変動周期(パターン)とそれぞれの睡眠段階の出現率を算出する。つまりその時点の睡眠が、stage1,2,3+4,レムのどの段階にあるかを判断する。睡眠直後は深い眠りのstage4となることが多く、その後、別のstageへの移行期には、僅かな脈拍の不安定な時期が生じ、次のstageになった時点で、安定した脈波数となる。脈拍数が上昇すればstageは下がり、脈拍数が下降すれば、stageは上がったことになる。尚、stage1の脈拍数から上昇した場合にはレム睡眠の状態となったことになり、レム睡眠の脈拍数から下降した場合にはstage1に移行したことになる。
【0060】
このように、ある安定した脈拍数状態から、別の安定した脈拍数状態に移行したことにより睡眠段階の移行を判断する。
【0061】
また、呼吸数、体動レベルもレム睡眠とそれ以外の睡眠段階の判断に用いられる。レム睡眠においては、その他のstage1〜4に比べて呼吸数は高く、また体動の生じる頻度も高くなり、レム睡眠かそれ以外であるかを判断することが可能となる(ステップS36)。
【0062】
以上で測定モードは終了する。
【0063】
自律神経指標算出モードでは、被験者が快適な睡眠を得られているかを交感神経の活動度と副交感神経活動度に応じて判断する。
【0064】
交感神経は筋肉の緊張度に関与するとされ、副交感神経は精神的なリラックス状態に関与するとされる。
【0065】
人は快適な睡眠が得られている場合には、精神的にリラックスした状態となり副交感神経活動度が大きくなり、交感神経活動度が小さくなる。逆に、枕高が自身に合わないため寝姿が良くなく、身体の何れかに負担となる力がかかっていたり、悪い夢を見ているような不快な睡眠の場合には、筋肉の緊張度合いが増し、副交感神経活動度が小さく、交感神経活動度が大きくなるとされる。本発明ではこの変化を捉え、快適な睡眠が得られている時には、そのままの状態を維持し、不快な睡眠状態では、快適な睡眠へ移行するように、枕高を調節する。
【0066】
自律神経指標の算出方法としては、本発明では次のように行う。
【0067】
A/D変換された脈波信号のR−R間隔から脈拍変動・脈拍数が求められ、その算出された脈拍数の時系列データをFFT(高速フーリエ変換)を行い、脈拍の周波数成分によるパワースペクトル解析を行う。このパワースペクトルデータにおいて、ここでは0.2Hz以下を低周波帯域成分:LF、それ以上を高周波帯域成分:HFとする。この値を用いて、副交感神経の活動度についてはLFをそのまま用い、交感神経の活動度についてはHF/(HF+LF)によって算出された値Aを用いる。
【0068】
従ってCPU10は、副交感神経活動度LF、交感神経活動度Aを算出する(ステップS41)。ここで算出されたLFが、現在の睡眠ステージにおけるLFの平均値:LFsと比較して高いかどうかを判断し(ステップS42)、高い場合には、快適な睡眠状態であるため、そのままの状態とする。更に算出されたAが、現在のステージにおけるAの平均値Asと比較して高いかどうかを判断し(ステップS43)、高い場合には、不快な睡眠状態であるため枕高を下げることとし(ステップS44)、低い場合には、不快な睡眠状態から徐々に快適な状態へ移行している期間として、下げた枕高を復帰させるために徐々に上げることとする(ステップS45)。
【0069】
算出された現在のLF、Aも平均値LFs、Asのデータとして計算を行いLFs、Asを更新し(ステップS46)、マイコン10内のROMに記憶される(ステップS47)。
【0070】
以上、本発明の一実施例について説明したが、睡眠の状態の判定は単に呼吸数の上下、脈拍の変化、体動の頻度といった情報から判定する装置としても、ある程度の睡眠の快適さを判断することは可能であり、そのような構成としてもよい。
【0071】
また、ここでは枕1内の空気袋は2つの場合で説明したが、この数を増やせば、枕高の設定できる個所は増え、より利用者の頭部形状にフィットさせることが可能となる。
【0072】
また、枕の高さの設定手段は、空気袋を用いた形態に限らず、液体を注入した袋体や、あるいは袋体を用いなくても、ギアとラックを組み合わせて機械的に枕の上面を持ち上げる構造としてもよい。
【0073】
また、枕1内の空気袋とセンサ用のエアマットを別々に設けた場合を説明したがが、空気袋とエアマットを兼用する構造としてもよい。
【0074】
また、本実施例では、枕と制御ボックスを有線接続としたが、電波や赤外線による無線接続としても問題なく構成することができる。
【0075】
あるいは、制御ボックスを枕と別に設けることに限定する必要はなく、枕の内部に内蔵する構成としても、本発明を実現することは可能である。
【0076】
また、脈波から自律神経の活動度を得る方法は多数知られている。今回、時間−周波数解析の手段としてFFTを用いたが、ウェーブレット変換を用いてもよいし、脈波のR−R間隔を単にフィルタリングする方法、MEM(最大エントロピー法)、AR法などを用いても同様の自律神経活動度を得ることが可能である。
【0077】
また、交感神経活動度として皮膚電位を用いてもよい。
【0078】
【発明の効果】
本発明の枕型睡眠測定装置であれば、測定された睡眠中の生体信号を用いて現在の睡眠環境が快適であるかを判断し、枕の高さを変更するので、被験者にとって最適な枕の高さとなり、快適な睡眠環境を提供することができ、また、枕型であるためにセンサが床に接する面積が小さく、相対的に建物の振動などの外乱に対するS/N比が向上することになり測定環境上も良い。
【0079】
また、本発明の枕型睡眠測定装置であれば、測定された睡眠中の生体信号を用いて自律神経に基づく指標を算出して、現在の睡眠環境が快適であるかを判断するので、より正確に現在の睡眠環境を判断することができ、枕の高さの制御をより適切に行うことができる。
【0080】
また、本発明の枕型睡眠測定装置であれば、測定された睡眠中の生体信号を用いて睡眠の深さと自律神経に基づく指標を算出し、睡眠の深さに応じた自律神経の指標から現在の睡眠環境が快適であるかを判断するので、更に正確に現在の睡眠環境を判断することができ、枕の高さの制御は更に適切なものになる。
【0081】
また、本発明の枕型睡眠測定装置であれば、被験者のいびきの発生に応じて、枕の高さを適切に変更するので、被験者はいびきが解消され、快適な睡眠を得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における装置外観図。
【図2】本発明の実施例における装置ブロック図。
【図3】本発明の実施例における装置の枕の内部断面図。
【図4】本発明の実施例における装置のフローチャート。
【図5】本発明の実施例における装置のフローチャート。
【図6】本発明の実施例における装置のフローチャート。
【符号の説明】
1 枕
2 操作ボックス
3 コード
4 スイッチ部
5 LCD
6 空気封入袋
7 空気圧調整装置
8 センサ
9 キー入力装置
10 マイコン
11 入力アンプ電源装置
12 ローパスフィルタ
13 バンドパスフィルタ
14 ハイパスフィルタ
15 体動アンプ
16 心拍アンプ
17 呼吸アンプ
18 A/Dコンバータ
19 EEPROM
20 ブザー

Claims (8)

  1. 枕の高さを設定する枕高設定手段と、
    生体の脈波信号を検出する脈波信号検出手段と、
    検出された脈波信号から交感神経の活動度および副交感神経の活動度を算出し、算出された交感神経の活動度および副交感神経の活動度から被験者の睡眠の快適さを判定する判定手段と、
    判定手段において判定された被験者の睡眠の快適さに基づき、前記枕高設定手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする枕型睡眠測定装置。
  2. 前記判定手段が、さらに睡眠の深さを算出し、現在の睡眠の深さを被験者の睡眠の快適さの判定に使用することを特徴とする請求項1に記載の枕型睡眠測定装置
  3. さらに、心拍を検出する手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の枕型睡眠測定装置
  4. さらに、呼吸を検出する手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の枕型睡眠測定装置
  5. さらに、体動を検出する手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の枕型睡眠測定装置
  6. さらに、いびき検出する手段を備えることを特徴とする請求項1から5いずれか1項に記載の枕型睡眠測定装置
  7. 前記枕高設定手段は枕の複数個所の高さを設定することが可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の枕型睡眠測定装置
  8. 前記枕高設定手段は枕の手前と奥の少なくとも2箇所の高さを設定することが可能なように設けられ、
    前記判定手段が、いびきが発生していると判定した場合には、
    前記制御手段が、枕の手前を低くし、奥を高くする制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の枕型睡眠測定装置
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