JP4136320B2 - カメラの絞り値表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はレンズ交換が可能なカメラに関し、特にレンズの絞り値(F値)をカメラボディ側において表示することが可能なカメラのF値表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レンズ交換が可能なカメラでは、装着したレンズのF値をカメラボディ側において表示するためのF値表示装置が設けられる。このF値表示装置は、通常ではレンズ内に配設されているレンズROMに記憶された開放F値情報や、レンズの絞り設定環で設定されるF値設定情報をカメラボディ側に伝達し、当該情報に基づいてカメラボディ側に設けられた液晶表示器等の表示器においてF値表示を行うように構成されている。また、ズームレンズの場合には、ズーミングによって開放F値が変化されるが、この場合においても設定された焦点距離に対応する開放F値が前記レンズROMからカメラボディ側に伝達され、F値表示装置において表示が行われる。
【0003】
ところで、従来のカメラボディに設けられているF値表示装置は、F値をデジタル数値により表示する構成であり、このデジタル数値を表示する際にはある程度の表示分解能でF値を表示するように構成されている。例えば、F値表示が1ステップ表示の場合には、「1.0 ,1.4 ,2.0 ,2.8 ,4 ,…」であり、さらに細かいF値表示を行うために1/2ステップ表示としたときには、「1.0 ,1.2 ,1.4 ,1.7 ,2.0 ,2.4 ,2.8 ,3.4 ,4 、…」となる。このように、表示分解能を細かくすれば、より正確にF値を表示することは可能であるが、実際の撮影者は大略のF値が判ればよく、細かいF値を必要とすることは少ないため、通常では1/2ステップ程度、あるいは1/3ステップ程度の表示分解能に設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、撮影者にとっては、カメラに装着されているレンズの開放F値を認識することは重要であり、特にズームレンズにおいてズーミングによって変化される開放F値を認識することは、露出アンダーの撮影を未然に防止する上からも必要である。そのため、開放F値については、正確な表示が要求されるが、前述したように1/2ステップ、あるいは1/3ステップの表示分解能に設定されているF値表示装置では、レンズの開放F値が表示分解能上のF値と一致しないときに、正確な表示を行うことができない場合がある。例えば、公称開放F値が「1.9 」のレンズの場合には、F値表示装置において、「1.7 」(1/2ステップ表示の場合)、あるいは「1.8 」(1/3ステップ表示の場合)の表示開放F値として表示されてしまうことになる。このような問題は、ズームレンズにおけるズーミングに伴って開放F値が変化する場合、あるいはレンズの絞り設定環の操作に伴ってF値が変化される場合についても同様であり、両者間に誤差が生じてしまうことになる。また、前記F「1.9 」の公称開放F値を持つレンズにおいて、表示F値が「2.0 」より小さい値が表示されない場合も考えられ、使用者は、開放F値に設定できないと感じ、故障ではないかと不安になる。
【0005】
このような公称開放F値と、表示開放F値との誤差を無くし、あるいは低減するためには、F値表示装置における前記した表示分解能を細かくすればよい。例えば、1/8ステップ程度に設定することが考えられる。この程度まで表示分解能を細かくすれば、前記した公称開放F値「1.9 」についても、表示開放F値を「1.9 」とすることは可能である。しかしながら、このように細かく設定すると、開放F値以外の領域で、ズーミングあるいは絞り設定環を操作したときの公称F値の変化に追従して、F値表示装置においても表示F値としてのデジタル数値が目まぐるしく変化することになり、これでは前述したように本来は必要性の少ない表示が行われることになるとともに、撮影者にとってF値の変化が煩わしいものになってしまう。
【0006】
本発明の目的は、開放F値を正確に表示することを可能とする一方で、表示するF値を適切な分解能で表示することを可能にしたF値表示装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のカメラのF値表示装置は、カメラに装着されたレンズの絞り値を第1のステップで変化する絞り値として表示するための第1ステップ表示絞り値と前記第1のステップよりも分解能が細かい第2のステップで変化する第2ステップ表示絞り値とをそれぞれ格納した表示絞り値格納手段と、前記レンズの現在の設定的された絞り値を検出する絞り値検出手段と、前記検出した絞り値に基づいて前記表示絞り値格納手段から対応する表示絞り値を選択し、かつ当該選択した表示絞り値を表示器に表示する表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記レンズの絞り値が当該レンズの開放絞り値であると判断したときには前記第2ステップ表示絞り値を選択し、当該レンズの開放絞り値以外の絞り値であると判断したときには前記第1ステップ表示絞り値を選択することを特徴とする。
【0008】
例えば、本発明の好ましい形態としては、前記第1ステップ表示絞り値は1/2、もしくは1/3ステップの分解能の表示絞り値とし、前記第2ステップ表示絞り値は1/8ステップ以上の細かい分解能の表示絞り値とする。また、本発明においては、レンズにリアコンバータが装着されたときには、絞り値検出手段では、当該リアコンバータにより前記レンズの絞り値を補正する構成とすることが好ましい。また、レンズがズームレンズとして構成されたときには、表示制御手段は、当該ズームレンズの短焦点側端点および長焦点側端点の各開放絞り値を表示する際に第2ステップ表示絞り値を選択する構成とすることが好ましい。
【0009】
本発明のF値表示装置によれば、レンズの開放F値を表示する場合には、表示分解能が細かい第2ステップ表示絞り値を選択してF値表示を行い、開放F値以外のF値を表示する場合には、それよりも表示分解能が粗い第1ステップ表示絞り値を選択してF値表示を行うことが可能になる。これにより、第1ステップ表示絞り値の分解能では表示値から外れてしまう開放F値を正確に表示することが可能になる。その一方で、開放F値以外のF値の表示では、実際の撮影には十分な表示分解能でのF値表示が行われることになり、表示が目まぐるしく変化して撮影者が煩わしく感じるようなことはない。また、リアコンバータを装着した場合の開放F値が第1ステップ表示絞り値の分解能では表示値から外れてしまうような場合、さらには、ズームレンズの短焦点側と長焦点側の開放F値が第1ステップ表示絞り値の分解能では表示値から外れてしまうような場合のそれぞれにおいても、正確なF値の表示が可能になり、その一方でF値表示が目まぐるしく変化する状態のF値表示が回避される。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明のF値表示装置をレンズ交換式一眼レフカメラに適用した実施形態の概略構成図である。カメラボディ1に対してレンズ2が着脱可能とされている。なお、この実施形態では、前記レンズ2の後部にリアコンバータ3(テレコンバータ)が装着されているものとする。前記レンズ2はレンズ鏡筒21の周面に沿って絞り設定環22が配設されており、前記絞り設定環22の周面には、公称開放F値「1.4 」を含む、F値「1.4 ,2.0 ,2.8 ,4 ,…」が記されており、撮影者が絞り設定環22を回動操作することにより前記レンズ鏡筒21に設けられた指標23に対して前記F値を設定することが可能とされている。また、前記レンズ鏡筒21内にはレンズROM4が内蔵されており、このレンズROM4には後述するように当該レンズ2の公称開放F値の情報と、表示F値の表示分解能の情報が設定され、レンズ2をカメラボディ1に装着したときに前記レンズROM4から前記各情報がカメラボディ1側に伝達されるようになっている。一方、前記絞り設定環22には図外の絞り連係片が一体に形成されており、前記絞り設定環22が操作されたときの回動位置をカメラボディ1側に伝達するようになっている。また、前記リアコンバータ3内にはリアコンROM6が内蔵されており、当該リアコンバータ3の開放F値に与えるシフト値を前記カメラボディ1側に伝達するようになっている。
【0011】
前記カメラボディ1には、ファインダ11、レリーズボタン12、測光装置13、ストロボ(フラッシュ)14、各種スイッチ15等が配設され、さらにシャッター速度やF値等の各種撮影情報を表示することが可能な液晶表示装置16が設けられる。また、前記カメラボディ1内には、カメラ全体の動作を制御するためのCPU5が配設されている。また、前記レンズ2の絞り連係片に連動して前記絞り設定環の設定位置、すなわち絞り設定環で設定されるF値に対応する設定位置を検出し、検出した設定位置を前記CPU5に入力する絞り設定環検出機構7が設けられている。この絞り設定環検出機構7としては、例えばコード板と摺動接点を用いたエンコーダが用いられる。
【0012】
前述したようにCPU5には、前記レンズROM4からの公称開放F値及び表示分解能の情報が入力され、また前記リアコンROM6からはシフト値の情報が入力され、前記カメラボディ1内の絞り設定環検出機構7からはレンズの絞り設定環で設定される設定F値の情報が入力される。また、前記CPU5は入力された前記公称開放F値及び設定F値やシフト値の情報に基づいて所要の処理を行い、この処理により得られた表示分解能を前記液晶表示装置16に入力してレンズ2の現在のF値を表示するように構成されている。この場合、前記CPU5はカメラボディ1内に設けられた表示用メモリ8に対してアクセスし、当該表示用メモリ8に格納されている表示F値テーブルデータに基づいて前記F値を表示する。前記表示F値テーブルデータは、図2に示すように、Av値に基づいて算出した値に対応して、1/2ステップ、1/8ステップでの表示を行うF値が記憶されているものである。
【0013】
以上の構成のカメラにおけるF値表示動作について説明する。図3はそのゼネラルフローである。カメラボディ1にレンズ2を装着すると、レンズROM4から各種情報がカメラボディ側に伝達され、CPU5に入力される、いわゆるレンズROM通信が行われる(S101)。次いで、カメラボディ1の絞り設定環検出機構7はレンズの絞り設定環22の設定位置を検出し、検出した設定位置がCPU5に入力される(S103)。そして、レリーズボタン12の押下により測光スイッチがONされると、測光装置(測光センサ)13の測光出力がCPU5に入力され(S105)、かつ各種スイッチ15の情報がCPU5に入力される(S107)。その上で、CPU5はAE(露出)演算を実行するとともに(S109)、現在のレンズのF値と、演算されたシャッター速度をそれぞれ液晶表示装置16に表示する(S111,S113)。また、予め設定されている各種情報を液晶表示装置16に表示する(S115)。以降は、説明を省略するが、レリーズボタン12のさらなる押下によってレリーズスイッチがONされると、表示されたF値及びシャッター速度での撮影が実行されることになる。
【0014】
前記AE演算S109のフローを図4に示す。前記ゼネラルフローのステップS107で入力された各種スイッチの情報のうち、フィルムのISO感度から感度アペックス値Svdを算出する(S201)。また、前記ステップS103で入力される絞り設定環22の回動位置のアペックス値Avvrdを算出する(S203)。次いで、前記ステップS101においてレンズROM4から入力された各種情報から装着されている前記レンズ2の開放F値のアペックス値Avdminと最大F値(最小絞り開口)のアペックス値Avdmaxを算出する(S205)。さらに、前記ステップS105で入力された測光装置の測光出力から測光アペックス値Bvdを算出する(S207)。そして、この測光アペックス値Bvdに基づいてフラッシュ撮影が必要であるか否かを判断する(S209)。フラッシュ撮影が必要な場合には、ステップS203で得られた現在の絞り設定環の設定位置AvvrdからF値のアペックス値Avdを算出する(S211)。そして、前記Svd、Bvd、Avdに基づいて露出演算を行い、フラッシュ撮影でのシャッター速度のアペックス値Tvdを算出する(S213)。また、フラッシュ撮影が不要な場合には、ステップS211と同様にF値のアペックス値Avdを算出し(S215)、その上で、前記Bvd、Svd、Avdに基づいて露出演算を行い、定常光(外光)でのシャッター速度のアペックス値Tvdを算出する(S217)。このようにして設定されたF値、シャッター速度は、図3のフローのステップS111、S113において液晶表示装置16に表示されることになる。
【0015】
次に、前記液晶表示装置16において表示するF値の表示動作の詳細を説明する。先ず、前記レンズROM4に記憶されている情報を図5(a)に示す。レンズROM4には、レンズ種類、公称開放F値のアペックス値であるAvdmin、公称最大F値のアペックス値であるAvdmax、レンズのシリアル番号等の情報が格納されている。また、Avdminの分解能として1/2ステップと1/8ステップを設定しており、これら1/2ステップと1/8ステップのいずれに設定するかを示す第1フラグFL1がAvdminオフセット(1)に格納されている。ここでは、第1フラグFL1が「1」のときに1/8ステップに設定し、第1フラグFL1が「0」のときに1/2ステップに設定する。また、前記レンズROM4のAvdminオフセット(1)には、1/2ステップデータのAvdminに対するリアコンバータのオフセットデータを「正(プラス)」または「負(マイナス)」のいずれとして補正するかを示す第2フラグFL2が格納されている。ここでは、第2フラグFL2が「1」のときにオフセットデータをマイナスし、「0」のときにオフセットデータをプラスする。また、前記リアコンバータ3のリアコンROM6に記憶されている情報を図5(b)に示す。リアコンROM6には、レンズ種類と共にAvdminリアコンshift値が格納されている。
【0016】
図4のフローのステップS205におけるAvdminとAvdmaxの算出動作のフローを図6に示す。最初にリアコンバータが装着されているか否かを判定する(S301)。本実施形態のカメラでは、リアコンバータ3が設けられているので、ステップS301ではリアコンバータ有りとなり、図5(b)に示したリアコンROM6から当該リアコンバータのAvdminリアコンshiftを読み出し、Avdshiftとする(S303)。なお、リアコンバータが無い場合には、Avdshiftを「0」にする(S305)。
【0017】
次いで、レンズROM4の第1フラグFL1を判定する(S307)。第1フラグFL1が「1」のときには、1/8ステップでの表示となる。また、第1フラグFL1が「0」のときには、レンズシリアル番号を判定し、レンズシリアル番号からレンズ種類がF1.9 のレンズであると判定されたときには(S309)、AvdminをF1.9 とする(S311)。また、レンズシリアル番号からレンズ種類がF1.8 のレンズであると判定されたときには(S313)、AvdminをF1.8 とする(S315)。なお、これらF1.9 ,F1.8 等の各レンズは、現在までに提供されている特異な開放F値のレンズの例であり、これ以外にも特異な開放F値のレンズが存在する場合には、前記レンズシリアル番号から当該レンズについて判定を行い、それぞれについて設定されている開放F値をAvdminに設定することになる。なお、シリアル番号から判定する場合には、図5(a)に示す1/8ステップの分解能のAvdminオフセット(2)情報は必要ない。
【0018】
また、前記ステップS307において、1/8ステップでの表示が有効とされたときには、符号を示すフラグであるレンズROM4の第2フラグFL2を判定する(S317)。第2フラグFL2が「1」のときには、オフセットデータをマイナスし、これにより、Avdminとして、レンズROMの1/2ステップのAvdminデータから1/8ステップのオフセットデータをマイナスした値とし、1/8ステップデータとなる(S319)。すなわち、
Avdmin=レンズROM1/2ステップAvdminデータ−1/8ステップオフセットデータ
また、第2フラグFL2が「0」のときには、オフセットデータをプラスし、これにより、Avdminとして、レンズROMの1/2ステップのAvdminデータに1/8ステップのオフセットデータをプラスした値とする(S321)。すなわち、
Avdmin=レンズROM1/2ステップAvdminデータ+1/8ステップオフセットデータ
【0019】
しかる上で、前記各フローで得られたAvdminに、ステップS303で得られたAvdshiftを加えて最終的なAvdminを算出する。また、レンズROM4の情報から得られるAvdmaxデータに対して前記Avdshiftを加えて最終的なAvdmaxを算出する(S323)。なお、リアコンバータが存在しない場合には、Avdshiftは0であるから、前記Avdmin,Avdmaxの値は変化されない。
【0020】
以上のようにAvdminとAvdmaxを算出した上で、図3のフローのステップS111でのF値の表示を行う。図7はこのF値の表示動作のフローを示している。先ず、図4のAE演算のステップS211,S215で算出したAvdと、図6のステップS323で算出したAvdminとを比較する(S401)。AvdがAvdmin以上のときには、現在のレンズ2の絞りが開放状態であると判定し、表示するデータをAvdminとし、開放F値を表示するものとする(S403)。このときには、前記ステップS307での判定で第1フラグF1が「1」で表示分解能が1/8ステップであるとき、または前記ステップS309,S313での判定でレンズがF1.9 あるいはF1.8 等の特異な開放F値のレンズであるときは、表示用メモリ8に格納されている、図2に示した表示F値テーブルデータの1/8ステップのF値を選択する(S405,S407)。
【0021】
一方、前記ステップS401において、AvdがAvdminよりも大きいときには、表示するデータをAvdとし、AE演算で得られたAvdに基づく中間F値を表示するものとする(S409)。このときには、表示用メモリに格納されている表示F値テーブルデータの1/2ステップのF値を選択する(S411,S413)。なお、前記ステップS405において、表示分解能を示すフラグF1が1/8ステップではないとき、またはレンズ2がシリアル番号の判別にてF1.9 あるいはF1.8 のレンズでないと判断されたときは同様に表示F値テーブルデータの1/2ステップのF値を選択する(S411,S413)。
【0022】
この結果、Avdの最小値であるAvdmin、すなわち開放F値を表示する場合、あるいはF1.9 またはF1.8 のレンズの特異な開放F値を表示する場合には、1/8ステップの表示分解能でのF値表示を行うことになり、開放F値よりも大きなF値を表示する場合には1/2段のF値表示を行うことになる。すなわち、開放F値の表示では、細分化されたステップでのF値表示を行うことができ、F1.9 あるいはF1.8 等のような、1/2ステップ或いは1/3ステップの表示分解能のF値表示では表示値から外れてしまうF値を含めて開放F値を正確に表示することが可能になる。その一方で、開放F値以外のF値の表示では、それよりも大きい1/2ステップの表示分解能でのF値表示を行うため、実際の撮影には十分な表示分解能での表示が行われることになり、表示が目まぐるしく変化して撮影者が煩わしく感じるようなことはない。
【0023】
例えば、図2に示したF値表示テーブルデータから判るように、F1.8 あるいはF1.9 のレンズの場合に、1/2ステップの表示の場合には開放F値はいずれのレンズでもF1.7 或いはF2.0 と表示されるが、本実施形態のように1/8ステップの表示の場合にはそれぞれF1.8 ,F1.9 として表示されることになり、開放F値を正確に表示することが可能になる。一方、中間F値であるF4.0 からF5.6 まで表示が変化する場合、1/8ステップの場合には、F4.0 ,F4.2 ,…,F5.4 ,F5.6 と8段階で表示F値が変化するのに対し、1/2ステップの場合には、F4.0 ,F4.5 ,F5.6 と3段階で表示F値が変化する。そのため、中間F値を1/2ステップでの表示を行うことにより、撮影者が表示変化を煩わしく感じることはない。
【0024】
また、前記実施形態のようにリアコンバータを装着し、当該リアコンバータのAvシフト値Avdshiftを考慮した場合を図8に示す。算出Avは、図2に示された1/8ステップの演算データ、F値は公称値、Avminは算出Avをアペックス表示したもの、1/8ステップ表示は算出Avに対応した表示値、1/2ステップ表示は同じく算出Avに対応した表示値である。例えば、公称の開放F値がF1.9 のレンズでは、リアコンバータ3を装着していないときには、同図(a)のように、Avminは1.875 、1/8ステップ表示用開放F値は1.9 、1/2ステップ表示用開放F値は2.0 となる。このレンズに、(×2)のリアコンバータ3を装着した場合には、同図(b)のように、公称の開放F値はF3.8 (1.9 ×2),(Avmin=3.875( 1.875+2))となる。なお、(+2)はリアコンバータの(×2)のAvdshiftである。この公称の開放F値に対し、1/8ステップの表示用開放F値はF3.8 、1/2ステップの表示用開放F値はF4.0 となる。また、同図(c)のように、(×1.7 )のリアコンバータを装着した場合には、公称の開放F値はF3.2 (1.9 ×1.7 )(Avmin=3.375 (1.875 +1.5 ))となる。なお、(+1.5 )はリアコンバータの(×1.7 )のAvdshiftである。この公称の開放F値に対し、1/8ステップの表示用開放F値はF3.2 、1/2ステップの表示用開放F値はF3.5 となる。このように、リアコンバータを使用した場合においても、開放F値をより正確に表示することが可能になる。
【0025】
また、本発明はズームレンズについても適用が可能である。例えば、図9にはF3.2 〜4.8 /f(焦点距離:mm)28〜80のレンズに本発明を適用した例である。焦点距離が最短焦点端(S端)のf28,…,中間焦点のf50,…,最長焦点端(L端)のf80と変化するのに伴い、公称の開放F値はF3.2 ,…,F4.0 ,…,F4.8 と変化する。なお、Avminは、3.375 ,…,4.0 ,…,4.5 と変化する。これに対し、1/8ステップでは、それぞれ表示用開放F値は、F3.2 ,…,F4.0 ,…,F4.8 となる。また、1/2ステップでは、それぞれ表示用開放F値は、F3.5 ,…,F4.0 ,…,F4.5 となる。このことから、S端とL端では、1/8ステップの表示用開放F値の方では、公称開放F値と一致した正確なF値を表示することがわかる。また、その一方で中間焦点では、1/8ステップと1/2ステップの各表示開放F値には大きな差が生じないことが判る。したがって、ズームレンズに適用する場合には、S端とL端において、開放F値の表示を1/8ステップで行い、中間焦点での開放F値の表示を1/2ステップで行うようにする。これにより、ズームレンズの全焦点距離において正確な開放F値の表示が可能である一方で、中心焦点での開放F値が微細に変化することはなく、撮影者が煩わしく感じるようなこともない。また、カタログ表示上のF値は一般的にS端とL端のF値が示されているが、このF値とカメラの表示F値とを一致できるというメリットがある。
【0026】
ここで、前記実施形態では、F値の表示を1/2ステップの分解能と1/8ステップの分解能の例について示したが、これらのステップ以外の分解能での表示を行うように構成することが可能であることは言うまでもない。また、表示絞り値格納手段は、予め算出された表示F値を記憶する表示用メモリとして構成した例を示したが、表示制御手段から与えられるステップの分解能に応じてその都度表示F値を演算する演算回路として構成することも可能である。また、F値設定はレンズよりなされる例を示したが、カメラ本体からF値設定した場合でも、自動露出モードにて測光値(Bv)よりF値が自動設定されるような場合でも同様な動作をする。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、レンズの開放F値を表示する場合には、表示分解能が細かい第2ステップ表示絞り値を選択してF値表示を行い、開放F値以外のF値を表示する場合には、それよりも表示分解能が粗い第1ステップ表示絞り値を選択してF値表示を行うことにより、第1ステップ表示絞り値の分解能では表示値から外れてしまう開放F値を正確に表示することが可能になる一方で、開放F値以外のF値の表示では、実際の撮影には十分な表示分解能でのF値表示が行われることになり、表示が目まぐるしく変化して撮影者が煩わしく感じるようなことはない。また、リアコンバータを装着した場合の開放F値が第1ステップ表示絞り値の分解能では表示値から外れてしまうような場合、さらには、ズームレンズの短焦点側端点と長焦点側端点の開放F値が第1ステップ表示絞り値の分解能では表示値から外れてしまうような場合のそれぞれにおいても、正確なF値の表示が可能になり、その一方でF値表示が目まぐるしく変化する状態のF値表示が回避される。また、一般的にカタログ表記上、ズームレンズのF値は短焦点側端点と長焦点側端点とのみが表示されているので、カメラの表示もカタログ表記の数値と一致できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のF値表示装置を備えるカメラの概念構成図である。
【図2】表示用メモリに記憶される表示F値テーブルデータの例を示す図である。
【図3】本発明にかかるF値表示動作のゼネラルフローチャートである。
【図4】AE演算のフローチャートである。
【図5】レンズROMとリアコンROMの情報を示す図である。
【図6】開放F値と最大F値を算出するフローチャートである。
【図7】絞り値表示のフローチャートである。
【図8】リアコンバータを用いたときの開放F値表示の例を示す図である。
【図9】ズームレンズを用いたときの開放F値表示の例を示す図である。
【符号の説明】
1 カメラボディ
2 レンズ
3 リアコンバータ
4 レンズROM
5 CPU
6 リアコンROM
7 絞り設定環検出機構
8 表示用メモリ
11 ファインダ
12 レリーズボタン
13 測光装置
14 ストロボ
15 各種スイッチ
16 液晶表示装置
21 鏡筒
22 絞り設定環
23 指標
Claims (8)
- カメラに装着されたレンズの絞り値を第1のステップで変化する絞り値として表示するための第1ステップ表示絞り値と、前記第1のステップよりも分解能が細かい第2のステップで変化する第2ステップ表示絞り値とをそれぞれ格納した表示絞り値格納手段と、前記レンズの現在の設定された絞り値を検出する絞り値検出手段と、前記検出した絞り値に基づいて前記表示絞り値格納手段から対応する表示絞り値を選択し、かつ当該選択した表示絞り値を表示器に表示する表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記レンズの絞り値が当該レンズの開放絞り値であると判断したときには前記第2ステップ表示絞り値を選択し、当該レンズの開放絞り値以外の絞り値であると判断したときには前記第1ステップ表示絞り値を選択することを特徴とするカメラの絞り値表示装置。
- 前記表示絞り値格納手段は、予め算出された各表示絞り値をテーブルとして記憶しておく表示用メモリであることを特徴とする請求項1に記載のカメラの絞り値表示装置。
- 前記絞り値検出手段は、前記レンズから伝達される当該レンズの開放絞りデータと、前記カメラに設けられた露出演算手段で演算される現在の絞りデータとを比較し、前記現在の絞りデータが前記開放絞りデータ以下の大きさのときに絞り値が開放絞り値であると判断することを特徴とする請求項1または2に記載のカメラの絞り値表示装置。
- 前記絞り値検出手段は、前記レンズにリアコンバータが装着されたときに、当該リアコンバータにより前記レンズの絞り値を補正することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のカメラの絞り値表示装置。
- 前記レンズはズームレンズとして構成され、前記表示制御手段は、当該ズームレンズの短焦点側端点および長焦点側端点における各開放絞り値を表示する際に前記第2ステップ表示絞り値を選択し、中間焦点設定においては前記第1ステップ表示絞り値を選択することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のカメラの絞り値表示装置。
- 前記第1ステップ表示絞り値は1/2もしくは1/3ステップの分解能の表示絞り値であり、前記第2ステップ表示絞り値は1/8ステップ以上の細かい分解能の表示絞り値であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のカメラの絞り値表示装置。
- 前記表示器は、前記表示絞り値をデジタル表示する表示器であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のカメラの絞り値表示装置。
- 前記表示制御手段は、前記レンズのシリアル番号、若しくはこれに相当する情報に基づいて前記表示絞り値の分解能を設定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のカメラの絞り値表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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