JP4136102B2 - 表面処理したシ−ル材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面処理したシ−ル材に関する。更に詳しくは、耐熱性、耐久性、高温での非粘着性にすぐれた表面処理したシ−ル材に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ゴム製や樹脂製のシール材が多く用いられており、これらは容易に機密性を確保できることから、例えばOリング、Dリング、角リング、オイルシール、ガスケット、Vパッキンを始めとするパッキン一般等のシール材として広く用いられている。
【0003】
しかしながら、これらのシール材は、装置組込時にシール材同志あるいは相手材接触面に粘着する現象が多くみられ、このためシール材を自動装着しようとすると、粘着によって自動装着が困難であるという問題を有する。また、シール材を装置に組み込んだ後でも、長時間の使用によりシール材が相手材(金属製、樹脂製等)に粘着して固着し、機器の作動不具合や交換時の脱離が困難であるという問題もある。
【0004】
こうした問題の発生を避けるため、シール材にグリース、潤滑油等を塗布して使用することも行われているが、これらの潤滑剤は液状であるため他の物質との接触によってとれ易く、結局非粘着性に持続性がないということになる。
【0005】
こうした問題の解決を図るための提案が、特公平7-15084号公報、特開平2-64109号公報、同1-141909号公報などでなされており、例えば上記公告公報では、シ−ル材と金属表面の固着や粘着現象についての改良が行われている。
【0006】
しかるに、これらの方法で処理されたシール材は、室温条件下等の温和な条件下や使用初期の段階では非粘着性が発揮されるものの、高温条件下や高圧条件下で加熱された場合には、表面処理剤が接触面に転写したり、剥離したり、粘着したりすることがあり、耐熱性、耐久性、高温での非粘着性に問題がみられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐熱性、耐久性、高温での非粘着性などにすぐれた表面処理されたシ−ル材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の目的は、(1)末端水酸基を含有するポリシロキサンとシリルイソシアネ−トとの反応生成物、(2)イソシアネート基と反応性を有する官能基を含有するオリゴマーとシリルイソシアネートとの反応生成物、(3)一般式
Figure 0004136102
(ここで、Rはアルキル基、アリール基またはイソシアネート基であり、nは1以上の整数である)で表わされるシリルイソシアネートオリゴマーおよび(4)有機溶媒可溶性ゴムよりなる表面処理剤で表面処理されたシ−ル材によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
(1)成分の反応生成物を形成する末端水酸基を含有するポリシロキサンとしては、分子中に少くとも1個の末端水酸基を有するポリシロキサン、例えばα,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω-ジヒドロキシポリジフェニルシロキサン等が用いられ、これらのポリシロキサンは、約100〜100,000cst、好ましくは約100〜10,000cstの粘度(室温)のものが用いられる。
【0010】
また、(2)成分の反応生成物を形成するオリゴマーとしては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール等のイソシアネート基と反応性を有する官能基を有する、分子量が約10,000以下、好ましくは約1000〜7000のオリゴマーが用いられ、例えばこれらの官能基を有するオリゴマ−状のポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ニトロセルロース等が用いられ、好ましくは水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有フッ素樹脂、ブチラール樹脂、ニトロセルロース等が用いられる。
【0011】
これらの官能基を有するポリシロキサンおよびオリゴマーは、予め当量以上、一般には1〜100倍当量、好ましくは1〜50当量のシリルイソシアネートと反応させた上で用いられる。シリルイソシアネートとしては例えばメチルトリイソシアネートシラン、エチルトリイソシアネートシラン、イソプロピルトリイソシアネートシラン、ブチルトリイソシアネートシラン、フェニルトリイソシアネートシラン、ジメチルジイソシアネートシラン、ジエチルジイソシアネートシラン、テトライソシアネートシラン等が用いられる。
【0012】
反応性官能基を有するポリシロキサンまたはオリゴマーとシリルイソシアネートとの間の反応は、ポリシロキサンまたはオリゴマーの有機溶媒溶液中に、シリルイソシアネートを滴下することによって行われ、ポリシロキサンとオリゴマーとは一般に別個に反応させるが、同時に反応させることも可能である。反応は、室温乃至約150℃、好ましくは室温乃至約100℃で行われる。
【0013】
反応溶媒として用いられる有機溶媒としては、ポリシロキサンまたはオリゴマーを溶解させかつイソシアネート基と反応しないものであれば任意のものを用いることができ、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエステル類、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン等のプロトン性極性溶媒などが、単独であるいは組合せて用いられる。
【0014】
(3)成分のシリルイソシアネートオリゴマーとしては、前記一般式で表わされるものが用いられ、ここでRはメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基によって代表されるアリール基またはイソシアネート基であり、nは好ましくは1〜4である。
【0015】
更に、(4)成分の有機溶媒可溶性ゴムとしては、前記の如き各種有機溶媒に可溶性のNBR、SBR、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、EPDM、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等の合成ゴムまたは天然ゴムであって、好ましくはNBR、特に好ましくはカルボキシル基または水酸基含有NBR、カルボキシル基またはアミノ基変性ブタジエン-アクリロニトリル共重合体等が用いられる。
【0016】
以上の各成分は、(1)成分が約1〜50重量%、好ましくは約1〜10重量%、(2)成分が約1〜50重量%、好ましくは約1〜10重量%、(3)成分が約3〜50重量%、好ましくは約3〜20重量%、また(4)成分が約0.01〜10重量%、好ましくは約0.05〜5重量%の割合でそれぞれ用いられ、残部は有機溶媒よりなる。
【0017】
これらの各成分の混合割合において、これ以下の使用割合では、(1)成分では非粘着性が低下するようになり、(2)成分、(3)成分、(4)成分では密着性が低下するようになる。一方、これ以上の割合で用いられると、(1)成分ではその成分の脱落が生ずるようになり、(2)成分、(4)成分では非粘着性が低下し、また(3)成分ではポットライフが短かくなる。
【0018】
以上の各成分を必須成分とする表面処理剤は、一旦約5〜20重量%程度の固形分濃度を有する有機溶媒溶液として調製された後、塗布厚みや塗布方法に応じて更に有機溶媒で希釈されて用いられる。
【0019】
その塗布厚みは、通常約1〜20μm、好ましくは約2〜10μmであり、これ以下の塗布厚みでは処理表面すべてを覆うことができず、非粘着性が損われるばかりではなく、シール材に適用した場合にシール性が損われるようになる。一方、塗布厚みがこれよりも厚いと、シール材表面の剛性が高くなり、シール性や柔軟性が損われることもあり得るようになる。その塗布方法も任意であり、一般には浸漬法、スプレー法、ロールコーター法、フローコーター法等が用いられ、塗布後約80〜250℃、好ましくは約120〜200℃での加熱処理が約3分間乃至1時間程度行われる。
【0020】
表面処理剤は、前記の如き各種シール材表面に好適に使用される。フッ素ゴム、シリコーンゴム、NBR、水素化NBR、EPDM、SBR、アクリルゴム等の合成ゴム、天然ゴム、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等からなるシール材の表面にこれを適用する場合には、予めシール材表面の汚れ等を洗浄除去した上で表面処理することが望ましい。特に、ゴム材料の場合には、ゴムからのブルーム物やブリード物が表面から析出することもあり、水、洗浄、有機溶媒等による洗浄および乾燥が十分に行われる。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係る表面処理されたシール材およびこの表面処理に用いられる表面処理剤は、次のような効果を奏する。
(1)表面処理剤の塗布性およびポットライフ性にすぐれている。
(2)金属との粘着性や固着性が少なく、このような傾向は高温においても保持されている。これは、表面処理剤とゴムの官能基との間に化学的結合が多く形成され、その結果表面処理したシール材の耐熱性、耐久性および高温での非粘着性が発揮されるものと考えられる。
(3)シール材の耐リーク性にすぐれている。
(4)装着作業性にすぐれている。
【0022】
【実施例】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0023】
参考例1
テトラヒドロフラン2876gとイオン交換水320g(17.8モル)との混合溶液を、メチルトリイソシアネートシラン6000g(35.5モル)中に5時間かけて滴下し、滴下終了後室温下で3時間撹拌し、その後4時間静置した。反応混合物から溶媒を留去し、ロ過した後、減圧蒸留して沸点100〜180℃/5mmHgの留分として、メチルトリイソシアネートシランオリゴマー(前記一般式において、R=CH3,n=1〜4)を3000g得た。
【0024】
参考例2 参考例1において、メチルイソシアネートシランの代りにフェニルトリイソシアネートシランを用い、沸点200〜280℃/1mmHgの留分として、フェニルトリイソシアネートオリゴマー(前記一般式において、R=C6H5,n=1〜4)を得た。
【0025】
参考例3 参考例1において、メチルイソシアネートシランの代りにテトライソシアネートシランを用い、沸点150〜230℃/5mmHgの留分として、テトライソシアネートオリゴマー(前記一般式において、R=NCO,n=1〜4)を得た。
【0026】
参考例4
α,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン(粘度約2000cst)300gを酢酸ブチル900gに溶解させた後、メチルトリイソシアネートシラン0.3g(α,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン:メチルトリイソシアネート=2.5:1の当量比)を加え、80℃で30分間還流させた。この反応溶液を室温迄冷却し、A液とした。
【0027】
参考例5
α,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン(粘度約10000cst)300gをキシレン900gに溶解させた後、フェニルトリイソシアネートシラン0.5g(α,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン:フェニルトリイソシアネート=2.0:1の当量比)を加え、80℃で30分間還流させた。この反応溶液を室温迄冷却し、B液とした。
【0028】
参考例6
α,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン(粘度約2000cst)300gをテトラヒドロフラン900gに溶解させた後、テトライソシアネートシラン0.3g(α,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン:テトラトリイソシアネート=2.0:1の当量比)を加え、80℃で30分間還流させた。この反応溶液を室温迄冷却し、C液とした。
【0029】
参考例7
水酸基含有ポリエステル樹脂オリゴマ−(ユニチカ製品エリーテルUE-3350;平均分子量1800)120gをシクロヘキサノン1080gに溶解させた溶液に、メチルトリイソシアネートシラン3g(ポリエステル樹脂:メチルイソシアネートシラン=2:1の当量比)を加え、80℃で30分間還流させた。この反応溶液を室温迄冷却し、D液とした。
【0030】
参考例8
ニトロセルロース(ダイセル化学製品硝化綿RS1/4)120gをエチレングリコールモノブチルエーテル1080gに溶解させた溶液に、テトライソシアネートシラン35g(ニトロセルロース:テトライソシアネートシラン=2:1の当量比)を加え、80℃で30分間還流させた。この反応溶液を室温迄冷却し、E液とした。
【0031】
参考例9
ブチラール樹脂オリゴマ−(積水化学製品エスレックBX-1;平均分子量1720)120gをメチルエチルケトン1080gに溶解させた溶液に、フェニルトリイソシアネートシラン2g(ブチラール樹脂:フェニルトリイソシアネートシラン=2:1の当量比)を加え、80℃で30分間還流した。この反応溶液を室温迄冷却し、F液とした。
【0032】
参考例10
水酸基含有フッ素樹脂オリゴマ−(旭硝子製品ルミフロンLF-100;平均分子量10000〜100000)120gをメチルエチルケトン1080gに溶解させた溶液に、メチルトリイソシアネートシラン6g(水酸基含有フッ素樹脂:メチルトリイソシアネートシラン=2:1の当量比)を加え、80℃で30分間還流させた。この反応溶液を室温迄冷却し、G液とした。
【0033】
実施例1
参考例4のA液10部(重量、以下同じ)、参考例7のD液5部、参考例1のメチルトリイソシアネートシランオリゴマー5部、カルボキシル基含有NBR(日本ゼオン製品ニッポール1072J)0.5部、酢酸ブチル69.5部およびトルエン10部よりなる表面処理剤を、表面処理剤成分含有率(固形分濃度)が10重量%になるように酢酸エチルで希釈し、得られた表面処理剤溶液を加硫フッ素ゴムシート(厚さ2mm)上に約2〜3μmの厚さで塗布し、150℃で10分間の加熱処理を行った。
【0034】
このようにして得られた表面処理剤溶液および表面処理されたゴムシートまたはOリング(ゴムシートと同様に表面処理が行われた)について、次の各項目の試験を行った。
塗布試験:加硫ゴムシート(100×100cm)を表面処理剤溶液中に浸漬、塗布したときの塗膜の状態を目視で観察し、ムラがなく均一に塗布されているものを○、少しムラはあるが全面に塗布されているものを△、ハジキやムラがあり全面に塗布されていないものを×として評価
塗液のポットライフ試験:固形分濃度10重量%の表面処理剤溶液を液温30℃、湿度70%の雰囲気下におき、溶液の白濁程度を目視で観察し、1日放置後にも白濁がみられないものを○、5時間放置後に白濁が発生したものを△、1時間放置後に白濁が発生したものを×と評価
摩擦試験:ASTM D-1894に準じ、新東科学製表面性試験機によって、表面処理加硫ゴムシート表面の動摩擦係数を測定
Figure 0004136102
摩耗試験:鈴木式摩擦摩耗試験機を用い、表面処理加硫ゴムシートに金属リングを押し当てて回転させ、エアーを吹き付けて空冷した後、下記試験条件下で摩耗試験を行ない、試験後の表面処理剤被膜の剥れ状態を目視で観察し、表面状態が良好であるものを○、表面処理剤被膜が摩耗して摩耗面のゴム基材が一部露出したものを△、表面処理剤被膜が摩耗して摩耗面のゴム基材が全面露出したものあるいはゴム基材の摩耗がみられるものを×と評価
Figure 0004136102
金属との粘着試験:表面処理した加硫ゴムシート試験片を、恒温槽(150℃)中で面圧0.15Kg/cm2、時間15時間の条件下で、アルミニウム板と圧着した後、JIS K-6850引張せん断接着強さ試験法に従い、室温下での引張強さを測定し、試験片表面の高温粘着性を示す粘着力とした
加硫ゴムシート同志の粘着試験:上記金属との粘着試験において、アルミニウム板の代りに表面処理加硫ゴムシート試験片を用いて、表面処理加硫ゴムシート試験片同志の粘着力を測定
金属との高温粘着試験I:前記金属との粘着試験において、恒温恒湿槽における引張せん断接着試験前に、恒温槽(150℃)中で面圧0.15Kg/cm2、時間15時間の条件下でアルミニウム板と圧着したものが用いられた
金属との高温粘着試験II:JIS B-2401の4種Dに規定されているフッ素ゴム製Oリング(内径7.8mm、太さ1.9mm径;呼び番号P8)を加硫ゴムシートの場合と同様に表面処理したものを、JIS K-6301圧縮装置(圧縮面アルミニウム)で25%圧縮し、恒温槽(120℃)中に5時間、次いで室温下に1時間放置した後、圧縮装置との粘着の有無および表面処理剤被膜の剥離の有無を目視で観察し、粘着なし、表面処理剤被膜の剥離なしを○、粘着あり、表面処理剤被膜の剥離ありを×と評価
シール材のリーク試験:上記金属との高温粘着試験IIで用いられた表面処理フッ素ゴム製Oリングを用いて、ヘリウムリーク試験での漏れの有無を測定し、漏れのないものを○、漏れのあるものを×として評価
【0035】
実施例2
参考例5のB液10部、参考例8のE液5部、参考例2のフェニルトリイソシアネートシランオリゴマー5部、カルボキシル変性ブタジエン-アクリロニトリル共重合体(宇部興産製品HYCAR CTBN 1300×8)0.5部、シクロヘキサノン69.5部およびプロピレングリコールモノメチルアセテート10部よりなる表面処理剤を、固形分濃度が10重量%になるように酢酸エチルで希釈し、これを加硫ゴムシート(厚さ2mm)上に約2〜3μmの厚さで塗布し、150℃で10分間の加熱処理を行った。
【0036】
実施例3
参考例6のC液10部、参考例9のF液5部、参考例3のテトライソシアネートシランオリゴマー5部、アミノ変性ブタジエン-アクリロニトリル共重合体(宇部興産製品HYCAR ATBN 1300×6)0.5部、テトラヒドロフラン69.5部およびジメチルホルムアミド10部よりなる表面処理剤を、固形分濃度が10重量%になるように酢酸エチルで希釈し、これを加硫ゴムシート(厚さ2mm)上に約2〜3μmの厚さで塗布し、150℃で10分間の加熱処理を行った。
【0037】
実施例4
参考例4のA液10部、参考例10のG液5部、参考例1のメチルトリイソシアネートシランオリゴマー5部、カルボキシル基含有NBR(ニッポール1072J)0.5部、酢酸エチル69部およびメチルエチルケトン10部よりなる表面処理剤を、固形分濃度が10重量%になるように酢酸エチルで希釈し、これを加硫ゴムシート(厚さ2mm)上に約2〜3μmの厚さで塗布し、150℃で10分間の加熱処理を行った。
【0038】
以上の各実施例で得られた試験結果は、次の表1に示される。
Figure 0004136102
【0039】
比較例1
特公平7-15084号公報の実施例1に記載されている如く、メチルトリイソシアネートシラン8部、ブチルアシッドホスフェート0.4部、酢酸エチル70部およびセロソルブアセテート5部よりなる表面処理剤を、固形分濃度が10重量%になるように酢酸エチルで希釈し、これを加硫ゴムシート(厚さ2mm)上に約2〜3μmの厚さで塗布し、150℃で10分間の加熱処理を行った。
【0040】
比較例2
エトキシシラントリイソシアネート/テトライソシアネートシラン/トリエチルシリルイソシアネート(重量比1:1:1)混合物よりなる表面処理剤を、固形分濃度が10重量%になるように酢酸エチルで希釈し、これを加硫ゴムシート(厚さ2mm)上に約2〜3μmの厚さで塗布し、150℃で10分間の加熱処理を行った。
【0041】
比較例3
ブトキシシラントリイソシアネート/テトライソシアネートシラン/トリエチルシリルイソシアネート/テレフタル酸系ポリエステル樹脂(重量比1:1:1:2)混合物を、希釈溶媒トルエン/メチルエチルケトン/酢酸エチル(重量比2:1:1)で固形分濃度が10重量%になるように希釈し、これを加硫ゴムシート(厚さ2mm)上に約2〜3μmの厚さで塗布し、150℃で10分間の加熱処理を行った。
【0042】
比較例4
メチルシリコーンオイル(信越化学製品KF96)の2重量%メチルエチルケトン溶液を加硫ゴムシート(厚さ2mm)上に約2〜3μmの厚さで塗布し、150℃で10分間の加熱処理を行った。
【0043】
比較例5
アミノ変性シリコーンオイル(信越化学製品KF864)の2重量%メチルエチルケトン溶液を加硫ゴムシート(厚さ2mm)上に約2〜3μmの厚さで塗布し、200℃で1時間の加熱処理を行った。
【0044】
比較例6
アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学製品KBE903)の2重量%メチルエチルケトン溶液を加硫ゴムシート(厚さ2mm)上に約2〜3μmの厚さで塗布し、200℃で1時間の加熱処理を行った。
【0045】
比較例7
実施例1において、参考例4のA液が用いられず、酢酸ブチル量が59.5部に変更された。
【0046】
比較例8
実施例1において、参考例7のD液が用いられず、酢酸ブチル量が59.5部に変更された。
【0047】
比較例9
実施例1において、参考例1のメチルトリイソシアネ−トシランオリゴマ−が用いられず、酢酸ブチル量が44.5部に変更された。
【0048】
比較例10
実施例1において、カルボキシル基含有NBRが用いられなかった。
【0049】
以上の各比較例で得られた試験結果は、次の表2に示される。
Figure 0004136102
【0050】
なお、前記各実施例および比較例1〜3の表面処理剤溶液では、浸漬塗布、エアー式スプレーガンのいずれの塗布方法でも同様の被膜が得られるが、比較例4〜10の場合には、浸漬塗布法で塗布ムラがあるため、摩擦試験、摩耗試験および粘着試験の試験片への塗布はすべてエアー式スプレーガン法によって行われた。

Claims (4)

  1. (1)末端水酸基を含有するポリシロキサンとシリルイソシアネ−トとの反応生成物、(2)イソシアネート基と反応性を有する官能基を含有するオリゴマーとシリルイソシアネートとの反応生成物、(3)一般式
    Figure 0004136102
    (ここで、Rはアルキル基、アリール基またはイソシアネート基であり、nは1以上の整数である)で表わされるシリルイソシアネートオリゴマーおよび(4)有機溶媒可溶性ゴムよりなる表面処理剤で表面処理されたシール材。
  2. (1)末端水酸基を含有するポリシロキサンとシリルイソシアネ−トとの反応生成物、(2)イソシアネート基と反応性を有する官能基を含有するオリゴマーとシリルイソシアネートとの反応生成物、(3)一般式
    Figure 0004136102
    (ここで、Rはアルキル基、アリール基またはイソシアネート基であり、nは1以上の整数である)で表わされるシリルイソシアネートオリゴマーおよび(4)有機溶媒可溶性ゴムよりなる表面処理剤。
  3. 有機溶媒溶液として調製された請求項2記載の表面処理剤。
  4. シール材の表面に適用される請求項2または3記載の表面処理剤。
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