JP4135740B2 - スピーカーキャビネットおよびこれを用いたスピーカーシステム - Google Patents

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Description

本発明は、背面方向への寸法が制限された薄型のスピーカーキャビネットを備えるスピーカーシステムに関し、特に、樹脂成形されて面積が広い背面平面を有する背面板を備えるスピーカーキャビネットおよびこれを用いたスピーカーシステムに関する。
スピーカーキャビネットを備えるスピーカーシステムにおいて、バッフル板に取り付けられたスピーカーの振動がスピーカーキャビネットの背面板に伝搬し、背面板の振動放射音がスピーカーシステムの音質に影響を与えることが知られている。
従来には、スピーカーシステムの音質を好ましく調整するために、スピーカーキャビネットの背面板の振動を励起、または、抑制する補強構造が採用されることがある。例えば、背面板の厚みを部分的に変更する、補強桟もしくは補強リブを設ける、等の補強構造がある。
また、従来には、スピーカーキャビネットの背面板を複数の柾板から構成し、柾板を横切る棒材を設ける等の構造が施される場合がある(特許文献1)。
特開平10−13980号公報 (第1図)
背面方向への寸法が制限された薄型のスピーカーシステムでは、十分なスピーカーキャビネットの体積を確保するためにバッフル板ならびに背面が広い面積を備えるので、背面板の振動放射音がスピーカーシステムの音質に与える影響が大きくなる。特に、スピーカーキャビネットが、樹脂成形されて面積が広い背面平面を有する背面板を備える場合には、背面平面の板厚が薄くて振動しやすいため、背面板の振動を励起または抑制する補強構造を背面板と一体に成形し、音質に好ましい影響を与える振動を励起し、一方で、音質に好ましくない振動を抑制しなければならない、という問題がある。
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、特に、音質に好ましい影響を与える振動を励起し、かつ、一方で、音質に好ましくない振動を抑制する補強構造を、樹脂成形されて面積が広い背面平面を有する背面板に備えた、スピーカーキャビネットおよびこれを用いたスピーカーシステムを提供することにある。
本発明のスピーカーキャビネットは、スピーカーを取り付けるバッフル板と、バッフル板に取り付けられる側面板と、樹脂成形されて側面板に取り付けられる背面板と、を備えるスピーカーキャビネットであって、背面板が、側面板との境界を規定する周囲稜線に囲まれるほぼ一定厚みZを有する背面平面と、背面平面から突出して形成される補強リブと、を備え、補強リブが、その長さ方向Xに高さTが変化する斜面部を両端に備える主リブと、主リブの第1分岐点のリブ側面から枝分かれするように形成されて、かつ、その終端に斜面部を備える第1副リブと、主リブの第1分岐点とは異なる位置である第2分岐点の第1副リブが形成されたリブ側面とは反対側のリブ側面から枝分かれするように形成されて、かつ、その終端に斜面部を備える第2副リブと、を有し、補強リブの斜面部を備える全ての端部が、周囲稜線に到達しない位置に配置されている。
好ましくは、本発明のスピーカーキャビネットは、主リブの全長L0が、主リブの長さ方向Xにおける背面平面の周囲稜線間の距離X0の1/2倍以上9/10倍以下の長さである。
好ましくは、本発明のスピーカーキャビネットは、主リブの全長L0が、主リブの長さ方向Xにおける背面平面の周囲稜線間の距離X0の3/5倍以上4/5倍以下の長さである。
好ましくは、本発明のスピーカーキャビネットは、主リブの第1分岐点と第2分岐点との離隔距離L3が、主リブの全長L0の1/10倍以上1/2倍以下の長さである。
また、好ましくは、本発明のスピーカーキャビネットは、主リブおよび第1副リブが、もしくは、主リブおよび第2副リブが、直交するように形成されている。
好ましくは、本発明のスピーカーキャビネットは、第1副リブ、もしくは、第2副リブが、それぞれに備える分岐点からさらに枝分かれする枝リブを備える。
好ましくは、本発明のスピーカーキャビネットは、主リブの高さTの最大値Tmaxが、背面平面の厚みZ以上である。
好ましくは、本発明のスピーカーキャビネットは、補強リブのいずれの位置における高さT方向の断面が、曲線で面取りされた稜線を備える。
また、本発明のスピーカーシステムは、スピーカーと、上記のいずれかに記載のスピーカーキャビネットと、を備える。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明のスピーカーキャビネットは、スピーカーを取り付けるバッフル板と、バッフル板に取り付けられる側面板と、樹脂成形されて側面板に取り付けられる背面板と、を備える。背面板は、側面板との境界を規定する周囲稜線に囲まれるほぼ一定厚みZを有する背面平面と、背面平面から突出して形成される補強リブとが樹脂成形されており、側面板が一体に樹脂成形されているものを含む。ここで、背面平面を補強する補強リブは、音質に好ましい影響を与える低次振動モードに伴う振動を励起し、かつ、一方で、音質に好ましくない高次振動モードに伴う振動を抑制する補強構造を形成する。背面平面に低次振動モードに伴う振動が励起され、一方で背面平面の高次振動モードに伴う振動が抑制されることにより、聴感上で重心の下がった好ましい低音感が得られる。
具体的には、補強リブは、主リブと、主リブの第1分岐点のリブ側面から枝分かれするように形成される第1副リブと、主リブの第1分岐点とは異なる位置である第2分岐点の第1副リブが形成されたリブ側面とは反対側のリブ側面から枝分かれするように形成される第2副リブと、を有している。主リブの全長L0は、主リブの長さ方向Xにおける背面平面の周囲稜線間の距離X0に対して、好ましい長さに設定される。また、第1副リブならびに第2副リブは、主リブの異なる位置から、主リブの長さ方向と異なる方向に枝分かれするように形成されている。また、補強リブの全ての端部は、周囲稜線に到達しない位置に配置されている。
その結果、補強リブは、樹脂成形されて面積が広い背面平面の中央付近に配置される主リブの周辺と、主リブから枝分かれした第1副リブならびに第2副リブの周辺とを強化し、周囲稜線付近は強化しないので、周囲稜線を節とする低次モードに伴う振動を励起し、一方で、高次振動モードに伴う振動を抑制する補強構造を形成する。したがって、背面方向への寸法が制限された薄型のスピーカーキャビネットの場合に、樹脂成形されて面積が広い背面平面を有する背面板を備えていても、音質に優れたスピーカーシステムを提供することができる。
補強リブの主リブは、その長さ方向Xに高さTが変化する斜面部を両端に備え、第1副リブおよび第2副リブは、それぞれの終端に高さTが変化する斜面部を備えるように形成される。また、主リブの高さTの最大値Tmaxは、背面平面の厚みZの2倍よりも高く、主リブ、第1副リブ、および、第2副リブの高さは、それぞれの長さ方向に渡って変化する。さらに、補強リブのいずれの位置における高さT方向の断面が、曲線で面取りされた稜線を備える。したがって、補強リブでは、高次振動モードが分散され、もしくは、高い周波数における振動波の反射が少なくなる。その結果、高次振動モードに伴う振動を抑制することができ、音質に優れたスピーカーシステムが提供される。
本発明のスピーカーキャビネットおよびこれを用いたスピーカーシステムは、樹脂成形されて面積が広い背面平面を有する背面板に、音質に好ましい影響を与える振動を励起し、かつ、一方で、音質に好ましくない振動を抑制する補強構造を備えるので、音質に優れたスピーカーシステムが提供される。
本発明のスピーカーキャビネットは、音質に優れたスピーカーシステムを提供するという目的を、樹脂成形される背面板が、側面板との境界を規定する周囲稜線に囲まれるほぼ一定厚みZを有する背面平面と、背面平面から突出して形成される補強リブと、を備え、補強リブが、その長さ方向Xに高さTが変化する斜面部を両端に備える主リブと、主リブの第1分岐点のリブ側面から枝分かれするように形成されて、かつ、その終端に斜面部を備える第1副リブと、主リブの第1分岐点とは異なる位置である第2分岐点の第1副リブが形成されたリブ側面とは反対側のリブ側面から枝分かれするように形成されて、かつ、その終端に斜面部を備える第2副リブと、を有し、補強リブの斜面部を備える全ての端部が、周囲稜線に到達しない位置に配置されているようにすることにより、実現した。
以下、本発明の好ましい実施形態によるスピーカーキャビネットおよびこれを用いたスピーカーシステムについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態による長方形薄型のスピーカーキャビネット10について説明する図である。図1(a)はスピーカーキャビネット10の正面図であり、また、図1(b)はA−A’断面図、図1(c)はB−B’断面図である。スピーカーキャビネット10は、樹脂成形されたバッフル板11と、側面板15ならびに背面板16とが一体に樹脂成形されたキャビネット部材14と、を備える。なお、図1(a)では、バッフル板11の背面側に位置するキャビネット部材14の形状が、点線で透過するように描かれている。
バッフル板11はキャビネット部材14の側面板15の前面側に取り付けられ、スピーカー取付孔12および13が形成され、これらのスピーカー取付孔12および13には、それぞれ(図示しない)ツィーター(高音域用スピーカー)2および(図示しない)ウーファー(低音域用スピーカー)3が取り付けられて、スピーカーシステム1(図示しない)が構成される。このスピーカーキャビネット10では、側面板15の奥行き方向の長さに比較して、バッフル板11ならびに背面板16の幅および高さが長く面積が広いので、いわば薄型のスピーカーシステム1が構成される。なお、スピーカーキャビネット10には、(図示しない)ターミナルや吸音材等の部品が取り付けられ、スピーカーシステム1を構成するが、本実施例の説明においては省略する。
図2は、キャビネット部材14について説明する図である。図2(a)はキャビネット部材14についての正面図であり、また、図2(b)はA−A’断面図、図2(c)はB−B’断面図、図2(d)は図2(c)の点線で囲われた部分の部分拡大図である。キャビネット部材14の背面板16は、側面板15との境界を規定する周囲稜線17に囲まれるほぼ一定厚みZを有する背面平面18と、背面平面18から突出して形成される補強リブ19とが樹脂成形されている。側面板15と背面板16とが接合する角部分は、樹脂が型内で円滑に流れるように面取りされているので、ほぼ一定厚みZを有する背面平面18を囲む周囲稜線17は、図2(a)において点線で表されるように、側面板15の少し内側に形成される。なお、キャビネット部材14を形成する樹脂がABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)もしくはPP(ポリプロピレン)である場合には、背面板16の背面平面18の厚みZは、好ましくは約2.0mm〜約4.0mmの範囲であり、側面板15も背面平面18とほぼ同様の厚みを有する。
本実施例において、キャビネット部材14が備える補強リブ19は、背面平面18からスピーカーキャビネット10の内側に突出するように形成されている3本の略梁状のリブ(主リブ20、第1副リブ21、および、第2副リブ22)の集合体である。つまり、補強リブ19は、主リブ20と、主リブ20の第1分岐点21aのリブ側面201から枝分かれするように形成される第1副リブ21と、主リブ20の第2分岐点22aの第1副リブ21が形成されたリブ側面201とは反対側のリブ側面202から枝分かれするように形成される第2副リブ22と、を有している。本実施例の補強リブ19では、第1副リブ21ならびに第2副リブ22が、それぞれ主リブ20に直交するように形成されている。
ここで、主リブ20の長さ方向をXとすると、主リブ20のX方向の全長L0は、方向Xにおける背面平面18の周囲稜線17間の距離X0に対して、後述するように、好ましい長さに設定される。また、第1副リブ21ならびに第2副リブ22は、主リブ20の異なる位置(第1分岐点21aならびに第2分岐点22a)から、主リブ20の長さ方向Xと直交する方向に、それぞれ枝分かれするように形成されている。また、これも後述するように、第1副リブ21および第2副リブ22の全長は、それぞれ、図示したL1およびL2であり、補強リブ19の全ての端部(20a,20b,21b,22b)は、背面平面18内の周囲稜線17に到達しない位置に配置されている。
補強リブ19の主リブ20は、好ましくは幅W0が約1.0mm〜約3.0mmの略梁状のリブであり、第1分岐点21aならびに第2分岐点22aを含む高さTが一定の中心部203と、中心部203の両端に形成され、その長さ方向Xに高さTが変化する斜面部204および205を備える。主リブ20の中心部203のリブ高さの最大値Tmaxが、背面平面の厚みZ以上に高く形成されるのが好ましい。また、斜面部204および205では、その長さ方向Xに高さTが変化するので、その結果、主リブ20の断面方向の高さTは、零(0)から最大値Tmaxまで変化する。さらに、主リブ20の断面は、樹脂型の抜き勾配に伴う略台形の断面形状を備え、例えば、図2(d)に示すように、リブ側面201、中心部203、および、リブ側面202を構成する平面が曲線で面取りされた稜線を備え、例えば、R0.5mm〜R1.0mmの円弧で連続している。なお、斜面部204および205におけるいずれの位置における高さT方向の断面も、曲線で面取りされた稜線を備える。
また、補強リブ19の第1副リブ21は、好ましくは幅W1が約1.0mm〜約3.0mmの略梁状のリブであり、主リブ20の第1分岐点21aのリブ側面201から枝分かれするように形成され、高さTが一定の中心部211と、その長さ方向(X方向と直交する方向)に高さTが変化する斜面部212を備える。中心部211のリブ高さは、主リブ20の中心部203のリブ高さTmaxに等しく形成されるのが好ましい。また、斜面部212では、その長さ方向に高さTが変化するので、その結果、第1副リブ21の断面方向の高さTは、主リブ20の断面方向の高さと同様に、零(0)から最大値Tmaxまで変化する。さらに、第1副リブ21のいずれの位置における高さT方向の断面は、主リブ20の断面と同様に、樹脂型の抜き勾配によって略台形の断面形状を備え、第1副リブ21を構成するそれぞれの平面が曲線で面取りされた稜線を備える。
また、補強リブ19の第2副リブ22は、好ましくは幅W2が約1.0mm〜約3.0mmの略梁状のリブであり、主リブ20の第1分岐点21aとは異なる位置の第2分岐点22aの第1副リブ21が形成されたリブ側面201とは反対側のリブ側面202から枝分かれするように形成され、高さTが一定の中心部221と、その長さ方向(X方向と直交する方向)に高さTが変化する斜面部222を備える。中心部221のリブ高さは、主リブ20の中心部203のリブ高さTmaxに等しく形成されるのが好ましい。また、斜面部222では、その長さ方向に高さTが変化するので、その結果、第1副リブ21の断面方向の高さTは、主リブ20の断面方向の高さと同様に、零(0)から最大値Tmaxまで変化する。さらに、第2副リブ22のいずれの位置における高さT方向の断面は、主リブ20ならびに第1副リブ21の断面と同様に、樹脂型の抜き勾配によって略台形の断面形状を備え、第2副リブ22を構成するそれぞれの平面が曲線で面取りされた稜線を備える。
例えば、薄型スピーカーキャビネット10において、X方向の背面平面18の周囲稜線17間の距離X0が約185.0mmである場合には、主リブ20の全長L0が、距離X0の1/2倍以上9/10倍以下の長さ、つまり、約92.5mm〜約166.5mmの範囲であるのが好ましい。さらに好ましくは、主リブ20の全長L0が、距離X0の3/5倍以上4/5倍以下の長さ、つまり、約111.0mm〜約148.0mmの範囲であるのが好ましい。具体的に、本実施例において、主リブ20の全長L0は距離X0の約7/10倍である約134.0mm、第1副リブ21の全長L1は約64.0mm、第2副リブ22の全長L2は約64.0mmである。
また、主リブ20の第1分岐点21aと第2分岐点22aとの離隔距離L3は、主リブ20の全長L0の1/10倍以上1/2倍以下の長さ、つまり、約18.5mm〜約92.5mmの範囲であるのが好ましく、具体的に本実施例においては、主リブ20の全長L0の約1/5倍である約30.0mmである。このとき、第1分岐点21aならびに第2分岐点22aを含む高さTが一定の中心部203の長さは、約40.0mmであり、その長さ方向Xに高さTが変化する斜面部204および205の長さは、それぞれ約47.0mmである。主リブ20の斜面部204および205の長さは、本実施例のように等しくてもよく、また、異なっていてもよい。
上記に説明した構成から、補強リブ19は、樹脂成形されて面積が広い背面平面18の中央付近に配置される主リブ20の周辺と、主リブ20から枝分かれした第1副リブ21ならびに第2副リブ22の周辺とを強化し、周囲稜線17の付近は強化しない。また、補強リブ19の形状から、高次振動モードが分散され、もしくは、高い周波数における振動波の反射が少なくなる。したがって、補強リブ19は、周囲稜線17を節とする低次モードに伴う振動を励起し、一方で、高次振動モードに伴う振動を抑制する補強構造を形成する。その結果、背面方向への寸法が制限された薄型のスピーカーキャビネット10の場合に樹脂成形されて面積が広い背面平面18を有する背面板16を備えていても、音質に優れたスピーカーシステム1を提供することができる。
図3は、キャビネット部材14の背面平面18が振動した場合に放射する音波の周波数特性を表すグラフである。図3(a)は本実施例における補強リブ19を備えるキャビネット部材14の場合であり、図3(b)は比較例としての従来の補強リブを備えたキャビネット部材の場合である。ここで比較例の従来の補強リブとは、本実施例の補強リブ19の主リブ20、第1副リブ21ならびに第2副リブ22に似た配置のリブであるが、端部に斜面部を備えず、補強リブの全ての端部が周囲稜線に到達して配置され、側面板とも結合しているリブである。これらのキャビネット部材を備えるスピーカーシステムにおいて、振動を生じるスピーカーにノイズ信号を加え、背面平面18が振動して生じる放射音を、背面平面18の近傍で測定して周波数分析した結果である。測定した近傍放射音には、背面平面18の振動モードに伴って大きな振動が生じる周波数において高いレベル成分が現れており、顕著に表れる低次振動モード(約135Hz:グラフ中の左側矢印)と、レベルは低くても音質に影響する高次振動モード(約2kHz以上)が観測される。本実施例の場合と比較例の場合を比較検討すると、低次振動モードは若干ながら励起され、高次振動モードは約3kHz以上で全体的に抑制され、グラフ中の右側矢印付近(約10kHz)で顕著である。また、試聴による音質の検討結果からも、本実施例の補強リブ19を備えるキャビネット部材14の方が、重心の低い、耳障りな音色を伴わない振動音となる。したがって、スピーカーシステム1を構成した場合においても、本実施例の補強リブ19を備えるキャビネット部材14を用いた場合の方が、音質に優れたスピーカーシステム1が実現される。
補強リブ19を備えるキャビネット部材14は、図1に示した本実施例のように主リブ20が長方形のキャビネット部材14の背面板16のほぼ中央に、長方形の辺にほぼ平行に配置される場合に限定されない。図4(a)は、その他のキャビネット部材14についての正面図であり、長方形のキャビネット部材14の背面板16に備わる補強リブ19の主リブ20が、長方形の辺に対して斜めに設けられている。また、図4(b)は、キャビネット部材14が丸い外形寸法をもつ背面板16ならびに円筒状の側面板15を備える、その他の実施例について説明する図である。これらのように、樹脂成形されて面積が広い背面平面18を有する背面板16を備えていても、スピーカーキャビネット10が背面板16に補強リブ19を備えることにより、周囲稜線17を節とする低次モードに伴う振動を励起し、一方で、高次振動モードに伴う振動を抑制し、音質に優れたスピーカーシステム1が実現される。
また、補強リブ19を構成する主リブ20と、第1副リブ21および第2副リブ22は、上記の略梁状のリブに限られない。背面平面18から突出して形成されるリブであれば、湾曲した円弧状のリブや、波状のリブであってもよい。主リブ20がその長さ方向Xに高さTが変化する斜面部204および205を両端に備え、主リブ20の第1分岐点21aのリブ側面201から枝分かれするように形成されて、かつ、その終端に斜面部212を備える第1副リブ21と、主リブ20の第1分岐点21aとは異なる位置である第2分岐点22aの第1副リブ21が形成されたリブ側面201とは反対側のリブ側面202から枝分かれするように形成されて、かつ、その終端に斜面部222を備える第2副リブ22と、を有し、補強リブ19の斜面部を備える全ての端部が、周囲稜線17に到達しない位置に配置されていればよい。周囲稜線17を節とする低次モードに伴う振動を励起し、一方で、高次振動モードに伴う振動を抑制し、音質に優れたスピーカーシステム1が実現される。
図5は、本発明の他の好ましい実施形態による長方形薄型のスピーカーキャビネットを構成するキャビネット部材34について説明する正面図である。本実施例のキャビネット部材34は、側面板15ならびに背面板16が一体に樹脂成形された実施例1のキャビネット14と、補強リブ39の形状が異なる点を除いて共通であるので、共通する部分の説明は省略する。補強リブ39は、実施例1の補強リブ19と比較して、第1副リブ21の分岐点23aからさらに枝分かれする枝リブ23と、第2副リブ22の分岐点24aからさらに枝分かれする枝リブ24と、を備える。
枝リブ23は、図示したように、第1副リブ21の斜面部212に設けられた分岐点23aからさらに枝分かれすればよいが、高さTが一定の中心部211に設けられた分岐点からさらに枝分かれしてもよい。枝リブ23は、第1副リブ21の長さ方向と異なる方向に枝分かれするように形成される。また、枝リブ23の端部23bは斜面部を形成し、端部23bが周囲稜線17に到達しない位置に配置されていればよい。
また、枝リブ24は、枝リブ23と同様に、第2副リブ22の斜面部222に設けられた分岐点24aからさらに枝分かれすればよいが、高さTが一定の中心部221に設けられた分岐点からさらに枝分かれしてもよい。枝リブ24は、第2副リブ22の長さ方向と異なる方向に枝分かれするように形成される。また、枝リブ24の端部24bは斜面部を形成し、端部23bが周囲稜線17に到達しない位置に配置されていればよい。
補強リブ39は、樹脂成形されて面積が広い背面平面18の枝リブ23と枝リブ24の周辺をさらに強化する一方で、周囲稜線17の付近は強化しない。したがって、補強リブ39は、高次振動モードに伴う振動を抑制し、一方で、周囲稜線17を節とする低次モードに伴う振動を励起し、さらに、低次モードに伴う振動のレベル及び周波数を、枝リブ23および枝リブ24の構成を変えて調節できる。その結果、背面方向への寸法が制限された薄型のスピーカーキャビネット10の場合に樹脂成形されて面積が広い背面平面18を有する背面板16を備えていても、さらに音質に優れたスピーカーシステム1を提供することができる。
本発明のスピーカーキャビネットは、スピーカースタンド等に設置して使用されるスピーカーシステムのみならず、天井面や壁面に埋め込む埋込型スピーカーにも適用が可能である。
本発明の好ましい実施形態によるスピーカーキャビネット10について説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるキャビネット部材14について説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるキャビネット部材14の放射音の周波数特性を表すグラフである。(実施例1) 本発明の他の好ましい実施形態によるキャビネット部材14について説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい他の実施形態によるキャビネット部材14について説明する断面図である。(実施例2)
符号の説明
1 スピーカーシステム
10 スピーカーキャビネット
11 バッフル板
12、13 スピーカー取付孔
14、34 キャビネット部材
15 側面板
16 背面板
17 周囲稜線
18 背面平面
19、39 補強リブ
20 主リブ
21 第1副リブ
22 第2副リブ
23、24 枝リブ

Claims (9)

  1. スピーカーを取り付けるバッフル板と、該バッフル板に取り付けられる側面板と、樹脂成形されて該側面板に取り付けられる背面板と、
    を備える、スピーカーキャビネットであって、
    該背面板が、該側面板との境界を規定する周囲稜線に囲まれるほぼ一定厚みZを有する背面平面と、該背面平面から突出して形成される補強リブと、を備え、
    該補強リブが、その長さ方向Xに高さTが変化する斜面部を両端に備える主リブと、
    該主リブの第1分岐点のリブ側面から枝分かれするように形成されて、かつ、その終端に斜面部を備える第1副リブと、
    該主リブの第1分岐点とは異なる位置である第2分岐点の該第1副リブが形成されたリブ側面とは反対側のリブ側面から枝分かれするように形成されて、かつ、その終端に斜面部を備える第2副リブと、を有し、
    該補強リブの斜面部を備える全ての端部が、該周囲稜線に到達しない位置に配置されている、スピーカーキャビネット。
  2. 前記主リブの全長L0が、該主リブの長さ方向Xにおける前記背面平面の周囲稜線間の距離X0の1/2倍以上9/10倍以下の長さである、
    請求項1に記載のスピーカーキャビネット。
  3. 前記主リブの全長L0が、該主リブの長さ方向Xにおける前記背面平面の周囲稜線間の距離X0の3/5倍以上4/5倍以下の長さである、
    請求項2に記載のスピーカーキャビネット。
  4. 前記主リブの前記第1分岐点と前記第2分岐点との離隔距離L3が、前記主リブの全長L0の1/10倍以上1/2倍以下の長さである、
    請求項1から3のいずれかに記載のスピーカーキャビネット。
  5. 前記主リブおよび前記第1副リブが、もしくは、該主リブおよび前記第2副リブが、直交するように形成されている、請求項1から4のいずれかに記載のスピーカーキャビネット。
  6. 前記第1副リブ、もしくは、前記第2副リブが、それぞれに備える分岐点からさらに枝分かれする枝リブを備える、請求項1から5のいずれかに記載のスピーカーキャビネット。
  7. 前記主リブの高さTの最大値Tmaxが、前記背面平面の厚みZ以上である、請求項1から6のいずれかに記載のスピーカーキャビネット。
  8. 前記補強リブのいずれの位置における高さT方向の断面が、曲線で面取りされた稜線を備える、請求項1から7のいずれかに記載のスピーカーキャビネット。
  9. スピーカーと、請求項1から8のいずれかに記載のスピーカーキャビネットと、を備えるスピーカーシステム。


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