JP4135500B2 - 開閉器の制御電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は開閉器に接続し制御する開閉器制御装置に電源を供給する開閉器の制御電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
第1の従来の開閉器の制御電源装置としては、特開平11−120872号公報に開示されるものがあり、図5に基づいて説明する。図5は従来の開閉器の制御電源装置を有する開閉器の回路構成図である。
【0003】
この従来の開閉器の制御電源装置は、高圧開閉器1の負荷側線路100U、100Wに接続される一次側巻線21及びこの一次側巻線21に磁気結合して変圧する二次側巻線22を備える制御電源用変圧器2と、前記高圧開閉器1の投入・開放動作に連動して開閉し、前記制御電源用変圧器2の二次側巻線22に直列に接続される低圧用スイッチ4とを備え、前記二次側巻線22に誘起される出力電圧を開閉器制御装置3へ供給する構成である。
【0004】
従来の開閉器の制御電源装置は、高圧開閉器1の負荷側線路100U、100Wに接続される制御電源用変圧器の一次側巻線21が接続されると共に、前記高圧開閉器1の投入・開放動作に連動して動作する低圧用スイッチ4が前記制御電源用変圧器2の二次側巻線22に直列に接続され、この二次側巻線22から高圧開閉器1を駆動制御する開閉器制御装置3に電力を供給することにより、動作試験時において制御電源用変圧器2の二次側巻線22の出力端子と開閉器制御装置3の入力端子に接続される低圧別電源から低電圧が印加されても変圧器一次側巻線へ逆に昇圧された高電圧を誘起せず、また絶縁耐力試験においても負荷側線路100U、100Wに耐圧試験電源120が接続されて高圧電源の印加中において変圧比に応じた過電圧が開閉器制御装置3へ供給されることはない。
【0005】
第2の従来の開閉器の制御電源装置としては、特開平9−17295号公報に開示されるものがあり、図6に基づいて説明する。図6は従来の開閉器の制御電源装置を有する開閉器の回路構成図である。
この従来の開閉器の制御電源装置は、開閉器1の電源側導体100R、100S、100Tの任意の2相、例えば、100S、100Tの線間にコンデンサ61、62、63を3個直列に接続し、これらのコンデンサ61、62、63のうち両端に位置しないコンデンサ62に変圧器2の一次巻線21を並列に接続し、変圧器2の二次巻線22は、方向性SOG制御装置3に接続し、電源を供給するものである。
【0006】
この従来の開閉器の制御電源装置によれば、変圧器2の一次電圧21はコンデンサ61、62、63を設けることにより下げられ、変圧器2の一次巻線21に加わる異常電圧も抑制され、急岐な異常電圧に対しては、コンデンサ61、62、63で急岐分を吸収するサージ抑制効果があるため、変圧器2の一次巻線21の太さを小さくすることができ、絶縁強度も小さくすることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−120872号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平9−17295号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記第1の従来の開閉器の制御電源装置は以上のように構成されていたことから、高圧開閉器1の投入・開放動作に連動して動作する低圧用スイッチ4を有して絶縁耐力試験および耐圧試験を円滑に実施できるものの、高電圧である配線路の線間電圧を制御電源用変圧器のみで低電圧に変圧しているため制御電源用変圧器が大型、且つ、高価となり、この大型、且つ、高価な制御電源用変圧器を内部に有する高圧開閉器も大型、且つ、高価とならざるえないという課題を有する。
【0010】
前記第2の従来の開閉器の制御電源装置は以上のように構成されていたことから、負荷側地絡事故が発生した場合に、前記制御電源装置が開閉器1を開放するのであるが、開閉器のトリップコイルを動作させる為に所定電力を必要とする回路を用いるとき、中間のコンデンサに変圧器の一次巻線を並列に接続しているために、線間から得られる電流が分流されて一次巻線に流れ、変圧器に十分な電流が得られないため変圧器2次側の制御装置に即座にチャージすることができず、開閉器のトリップコイルを迅速に動作させることができないという課題を有する。
【0011】
本発明は前記課題を解決するためになされ、大型、且つ、高価である制御電源用変圧器の替わりに小型、且つ、安価な制御電源用変圧器を内部に有して同等の電圧の電力を制御装置に供給する小型、且つ、安価な開閉器の制御電源装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る開閉器の制御電源装置は、受電設備に配設される開閉器を駆動制御する開閉器制御装置に対して、前記開閉器内の負荷側の複数の配電線路に一次側巻線が接続される制御電源用変圧器から電力を供給する開閉器の制御電源装置において、前記一次側巻線の一端と一の配電線路とを接続した第1の接続線路と、当該一次側巻線の他端と他の一の配電線路とを接続した第2の接続線路を有し、第1の接続線路及び第2の接続線路それぞれに降圧用コンデンサを介装するものである。このように本発明においては、開閉器の負荷側線路と制御電源用変圧器の一次側巻線との間に二つのコンデンサを接続し、この二つのコンデンサにおいて電圧降下が生じ、制御電源用変圧器の一次巻線に印加される電圧を小さくしているので、小型で且つ安価な制御電源用変圧器でも十分対応でき、このような制御電源用変圧器を有する本制御電源装置も小型で且つ安価に製造することができる。また、制御電源用変圧器の一次巻線と並列にコンデンサを接続していないため、分流することなく制御電源用変圧器に電流が流れ、制御電源用変圧器の2次側に接続される制御装置の充電回路に即座にチャージできるため、開閉器投入直後に万一地絡事故が発生した場合においても、開閉器のトリップコイルを即座に励磁し、迅速に開閉器をトリップ動作させることができる。
【0013】
また、本発明に係る開閉器の制御電源装置は必要に応じて、前記制御電源用変圧器から電力を供給されている場合に点灯する表示灯を有するものである。このように本発明においては、電力の供給がある場合に明示的に表示灯を点灯しているので、正常に制御電源装置が動作し、少なくとも制御装置に電力を供給していることを確認することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る開閉器の制御電源装置について、図1または図2に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る開閉器の制御電源装置を有する開閉器の回路構成図、図2は本実施形態に係る開閉器の制御電源装置の説明図である。
【0015】
本実施形態に係る開閉器の制御電源装置6は、高圧開閉器1の負荷側線路100U、100Wにそれぞれ接続されるコンデンサ51、52と、このコンデンサ51、52を介して高圧開閉器1の負荷側線路100U、100Wと接続される一次側巻線21及びこの一次側巻線21に磁気結合して変圧する二次側巻線22を備える制御電源用変圧器2と、この制御電源用変圧器2の一次側巻線21の両側および前記高圧開閉器1の投入・開放動作に連動して開閉し、前記制御電源用変圧器2の二次側巻線22に直列に接続される低圧用スイッチ4とを備え、前記二次側巻線22に誘起される出力電圧を開閉器制御装置3へ供給する構成である。
2つのコンデンサ51、52を、負荷側線路100U、100Wと制御電源用変圧器2の一次巻線21との間に接続しているが、このコンデンサの容量は同一である。なお、低圧用スイッチ4が無い構成もある。
【0016】
次に、本実施形態に係る開閉器の制御電源装置6の動作について説明する。高圧開閉器1が投入状態にある場合、電源側配線路100R、100S、100Tから負荷側線路100U、100V、100Wへ電力が供給状態となって負荷側線路100U、100Wに接続するコンデンサ51、52にも電流が流れて電荷が蓄積される。所定時間経過するとコンデンサ51、52に容量分の電荷が蓄積され、コンデンサ51、52それぞれにおいてこの蓄積電荷に応じた電圧降下が生じる。この2つのコンデンサ51、52における電圧降下により制御電源用変圧器2の一次巻線21に印加される電圧は、コンデンサ51、52の容量にもよるが、負荷側線路100Uと負荷側線路100Wとの線間電圧を十分に小さくしたものとなる。一次巻線21に印加された電圧は、制御電源用変圧器2の変圧比に応じて制御電源用変圧器2の二次側に出力される。制御電源用変圧器2の二次側に出力された電圧の電力は、制御電源用変圧器2の二次側に接続する開閉器制御装置3に供給される。
【0017】
具体的に、負荷側線路100Uと負荷側線路100Wとの線間電圧が6600[V]とし、コンデンサにおける電圧降下がそれぞれ3000[V]とすると、2つのコンデンサにより6000[V]の電圧降下が生じて制御電源用変圧器2の一次巻線21に掛かる電圧は高々600[V]となって、制御電源用変圧器2の二次側に出力される電圧が30[V]となる。ここで、従来の開閉器の制御電源装置においては、線間電圧6600[V]が一次巻線21に直接印加され、制御電源用変圧器2の一次側が6600[V]に対応させるために、大型で且つ高価な制御電源用変圧器2を用意する必要がある。
【0018】
このように本実施形態に係る開閉器の制御電源装置によれば、高圧開閉器1の負荷側線路100U、100Wと制御電源用変圧器2の一次側巻線21との間にコンデンサ51、52を接続し、このコンデンサ51、52において電圧降下を生じさせ、制御電源用変圧器2の一次巻線21に印加される電圧を小さくしているので、小型で且つ安価な制御電源用変圧器2でも十分対応でき、この制御電源用変圧器2を有する本制御電源装置も小型で且つ安価となることができる。
【0019】
また、制御電源用変圧器2の一次巻線21と並列にコンデンサ51、52を接続していないため、分流することなく制御電源用変圧器2に電流が流れ、制御電源用変圧器2の2次側に接続される開閉器制御装置3の充電回路に即座にチャージできるため、開閉器1投入直後に万一地絡事故が発生した場合においても、開閉器1を迅速にトリップ動作させることができる。具体的に説明すると、図3a)に示すように一次巻線21と並列にコンデンサ53が接続される場合と、図3b)に示すように一次巻線21に並列にコンデンサ53が接続されない場合とでは、前者図3a)の場合電流がコンデンサ53と一次巻線21とに分流するためこの一次巻線21に分流した一部の分流電流のみが流れ、この一部の分流電流により誘起される電流が二次巻線22に十分でない電流として流れコンデンサ54が即座にチャージせず迅速に開閉器1をトリップ動作させることができないのに対し、後者図3b)の場合全電流が一次巻線21に総て流れ二次巻線22に十分な電流が誘起されてコンデンサ54が即座にチャージして迅速に開閉器1を動作させることができる。
【0020】
図3c)は、十分な電流(例えば図中140[mA])の場合開閉器1をトリップする開閉器制御装置3の充電回路にあるコンデンサ54へのチャージ時間が開閉器1のトリップ動作時間の最小値である0.15[s]より短いのに対し、十分でない電流(例えば図中40[mA])の場合チャージ時間が動作時間の最小値である0.15[s]より大幅に長くなり、このように十分でない電流の場合開閉器1の動作保証にも係る重要な役目を果たせない。
【0021】
事故時にZCTに流れる電流により開閉器制御装置3が動作する最低電流(0.2A)を100%とした場合に、前記開放許容時間はZCTに流れる電流値に基づいて変化し、例えば、ZCTに流れる電流が前記最低電流の130%のとき0.4秒以内、ZCTに流れる電流が前記最低電流の400%のとき0.3秒以内である旨が規定されている。この規定によれば、ZCTに流れる電流が大きくなるにつれて、開放許容時間は短かくなる。したがって、チャージ時間はこの開放許容時間を満たすか否かに大きく関り、チャージ時間が大幅に長くなる場合は規定により定められる開放許容時間を満足することができない、逆に、チャージ時間が動作時間の最小値内である場合は開放許容時間を満足する。
【0022】
そこで、前記図3c)開閉器トリップの動作時間の最小値よりチャージ時間が大幅に長くなる場合は、同時に開放許容時間をも満たさなくなり、さらに、チャージ時間と開閉器1の開放動作に有する時間との総和が変電所の地絡継電器の動作整定時間より長くなって、変電所の遮断器が遮断して同一系統の配電線全ての需要家に対する電力供給が中断することとなり、事故の被害を一需要家で留めることができずに他の需要家にも波及して多大な損害が生じる。
【0023】
なお、本実施形態に係る制御電源装置において、前記制御電源用変圧器2から電力を供給されている場合に点灯する表示灯を有することもできる。すなわち、二次側巻線22と開閉器制御装置3との間に電圧検出手段を設けて、この電圧検出手段の出力を表示灯に反映させて実施することができる。具体的には、開閉器制御装置3の制御動作に必要な電圧(例えば30[V])を電圧検出手段が検出している場合に、表示灯を点灯させる。また、この電圧検出手段が所定の電圧値以上を検出しないと表示灯を点灯させないようにする。さらにまた、この電圧検出手段に加えて、電流検出手段を設けることもでき、電圧検出手段及び電流検出手段の出力に基づいて表示灯の点灯・非点灯を制御することもできる。例えば、所定の電流値幅及び所定の電圧値幅にあるときのみ表示灯を点灯(若しくは非点灯)させることもでき、または、所定の電流値及び所定の電圧値以上にあるときのみ表示灯を点灯(若しくは非点灯)させたりすることもできる。
【0024】
また、本実施形態に係る制御電源装置において、開閉器の制御電源装置6を内蔵した開閉器1を一体的に形成することもでき、例えば図4に示すように、開閉器1の下部に制御電源用変圧器2及びコンデンサ51、52を備えた構成とすることもできる。尚、図4には現していないが、本来であれば、制御電源用変圧器2及びコンデンサ51、52を覆う外箱蓋を開閉器1の下部に配設する。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、開閉器の負荷側線路と制御電源用変圧器の一次側巻線との間に二つのコンデンサを接続し、この二つのコンデンサにおいて電圧降下が生じ、制御電源用変圧器の一次巻線に印加される電圧を小さくしているので、小型で且つ安価な制御電源用変圧器でも十分対応でき、このような制御電源用変圧器を有する本制御電源装置も小型で且つ安価に製造することができるという効果を奏する。また、制御電源用変圧器の一次巻線と並列にコンデンサを接続していないため、分流することなく制御電源用変圧器に電流が流れ、制御電源用変圧器の2次側に接続される制御装置の充電回路に即座にチャージできるため、開閉器投入直後に万一地絡事故が発生した場合においても、開閉器のトリップコイルを即座に励磁し、迅速に開閉器をトリップ動作させることができるという効果を奏する。
【0026】
このように本発明においては、電力の供給がある場合に明示的に表示灯を点灯しているので、正常に制御電源装置が動作し、少なくとも制御装置に電力を供給していることを確認することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る開閉器の制御電源装置を有する開閉器の回路構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る開閉器の制御電源装置の説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る開閉器の制御電源装置の説明図である。
【図4】制御電源装置を内蔵した開閉器の外箱蓋を開放した状態を示す図である。
【図5】従来の開閉器の制御電源装置を有する開閉器の回路構成図である。
【図6】従来の開閉器の制御電源装置を有する開閉器の回路構成図である。
【符号の説明】
1 開閉器
2 制御電源用変圧器
3 開閉器制御装置
4 低圧用スイッチ
6 開閉器の制御電源装置
11U、11V、11W 固定接触子
12U、12V、12W 可動接触子
13U、13W 開閉接点
21 一次巻線
22 二次側巻線
22a、22b 出力端子
31a、31b 電源入力端子
41 低圧用固定スイッチ
41 低圧用可動スイッチ
51、52、53、54 コンデンサ
61、62、63 コンデンサ
64 操作部
65 検出部
71 取付枠
100R、100S、100T 電源側配線路
100U、100V、100W 負荷側線路
Claims (2)
- 受電設備に配設される開閉器を駆動制御する開閉器制御装置に対して、前記開閉器内の複数の配電線路に一次側巻線が接続される制御電源用変圧器から電力を供給する開閉器の制御電源装置において、
前記一次側巻線の一端と一の配電線路とを接続した第1の接続線路と、当該一次側巻線の他端と他の一の配電線路とを接続した第2の接続線路を有し、
第1の接続線路及び第2の接続線路それぞれに降圧用コンデンサを介装することを
特徴とする開閉器の制御電源装置。 - 前記請求項1に記載の開閉器の制御電源装置において、
前記制御電源用変圧器から電力を供給されている場合に点灯する表示灯を有することを
特徴とする開閉器の制御電源装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002381718A JP4135500B2 (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 開閉器の制御電源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002381718A JP4135500B2 (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 開閉器の制御電源装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004214007A JP2004214007A (ja) | 2004-07-29 |
JP4135500B2 true JP4135500B2 (ja) | 2008-08-20 |
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Family Applications (1)
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JP2002381718A Expired - Lifetime JP4135500B2 (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 開閉器の制御電源装置 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
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2002
- 2002-12-27 JP JP2002381718A patent/JP4135500B2/ja not_active Expired - Lifetime
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