JP4135113B2 - ホログラム再生装置、ホログラム記録再生装置およびホログラム再生方法 - Google Patents

ホログラム再生装置、ホログラム記録再生装置およびホログラム再生方法 Download PDF

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Description

本発明はホログラム再生装置、ホログラム記録再生装置およびホログラム再生方法に関する。
ホログラムを用いてデータを記録するホログラム記録装置および記録方法が提案されている。すなわち、記録すべき情報(記録データ)によって変調された信号光と参照光とを同一のレーザ光源から生成し、ホログラム記録媒体に照射する。それによって、ホログラム記録媒体上で信号光と参照光とが干渉して干渉縞が生じる。そして、この干渉縞の形状に応じてホログラム記録媒体中に回折格子(ホログラム)が形成されることによって記録データが記録される。この場合において、信号光および参照光を発生させるために空間光変調器が用いられる。空間光変調器には、所定面積を有する微小領域(ピクセル)を単位として、レーザ光源からの光ビームが透過する透過領域(透過ピクセル)と、レーザ光源からの光ビームが透過しない遮光領域(遮光ピクセル)とが所定の組み合わせを有する所定パターンとして配されている。この所定パターンは、記録データに応じて透過ピクセルと遮光ピクセルとの組み合わせが変化して分布する信号光パターンと、予め定められる態様で透過ピクセルと遮光ピクセルとが組み合わされて分布する参照光パターンとで構成されている。
また、このようにして記録された回折格子(ホログラム)から記録データを再生するホログラム再生装置および再生方法が提案されている。すなわち、記録済みの記録媒体に形成された回折格子(ホログラム)に参照光を照射すると再生光(回折光)が発生する。この再生光をアレイ型光検出器に2次元に配置された所定面積を有する微小領域(ピクセル)を単位とした光検出素子からの各々のピクセルに照射される再生光の受光信号(再生データ)の値が閾値を越えるか否かを検出し、その検出された2値信号に対して復号のための信号処理をおこない記録データを再生できる。
このような記録再生(記録または/および再生)において、信号光と参照光をどのように発生させるかについては、二つの記録再生方式が提案されている。信号光の光路と参照光の光路とを全く別個に配する二光束干渉記録再生方式(以下、二光束方式と省略する)と、信号光の光路と参照光の光路とを同軸上に配し、光路を共有するコアキシャル記録再生方式(以下、コアキシャル方式と省略する)とである(例えば、非特許文献1を参照)。コアキシャル方式においては、信号光パターンと、参照光パターンとは同一面上の異なる領域に配置され、二光束方式においては、信号光パターンと、参照光パターンとは異なる平面上に配置されている(例えば、非特許文献1を参照)。
また、ホログラム記録の原理を解析的に検討した技術が知られている(例えば、非特許文献2を参照)。
日経エレクトロニクス2005年1月17日号P106〜114 Tsutomu Shimura, et al. 「Analysis of a collinear holographic storage system:introduction of pixel spread function」 OPTICS LETTERS Vol.31,No.9 May 1,2006.P1208
上述したホログラム記録再生においては、信号光と参照光とが干渉してホログラム記録媒体中に回折格子が形成されるのが望ましいものであるが、複数のピクセルの各々を透過する光ビームの望ましくない干渉が生じる。例えば、信号光パターンを構成するピクセルを透過する光ビームが相互に干渉し、または、参照光パターンを構成するピクセルを透過する光ビームが相互に干渉する。このような、望ましくない干渉によってもホログラム記録媒体中に回折格子が形成されることとなる。このようなピクセルを透過する光ビームの所望としない相互の干渉によって形成されるホログラムからの再生光成分は、ノイズとして、再生される信号の品質の劣化原因となっている。従来は、このノイズ成分を除去することはできなかった。
本発明は、上述した課題を解決し、ピクセルを透過する光ビームの所望としない相互干渉によって形成されるホログラムからの回折光として得られるノイズ成分を除去して良好なる品質の再生信号を得ることができるホログラム再生装置、ホログラム記録再生装置およびホログラム再生方法を提供することを目的とする。
本発明のホログラム再生装置は、レーザ光源からの参照光をホログラム記録媒体に照射することによって生じる回折光から前記ホログラム記録媒体に記録された記録データを再生するホログラム再生装置であって、前記レーザ光源からの光ビームに空間変調を施して前記参照光を発生させるための所定参照光パターンを形成する空間光変調器と、前記回折光によって生じる再生像の輝度に応じた再生データを検出するアレイ型光検出器と、前記空間光変調器に対して前記参照所定パターンとして第1参照光パターンおよび前記第1参照光パターンの反転パターンである第2参照光パターンの各々が形成されるように制御をするとともに、前記アレイ型光検出器からの前記第1参照光パターンに応じた第1再生データの値と前記第参照2パターンに応じた第2再生データの値との差に応じた演算後再生データの値に基づき前記記録データを再生する制御部と、を備えるものである。
このホログラム再生装置では、空間光変調器とアレイ型光検出器と制御部とを備える。空間光変調器は参照光を発生させるための所定参照光パターンをピクセル単位で形成する。アレイ型光検出器は再生像の輝度に応じた再生データを検出する。制御部は参照所定パターンとして第1参照光パターンおよび第1参照光パターンの反転パターンである第2参照光パターンの各々が形成されるように空間光変調器を制御する。そして、アレイ型光検出器からの第1参照光パターンに応じた第1再生データの値と第参照2パターンに応じた第2再生データの値との差に応じた演算後再生データの値に基づき前記記録データを再生する。
本発明のホログラム記録再生装置は、レーザ光源からの参照光および信号光をホログラム記録媒体に照射することによって生じる干渉縞をホログラムとして記録し、前記ホログラムが記録された前記ホログラム記録媒体に前記参照光を照射して得られる回折光から前記ホログラム記録媒体に記録された記録データを再生するホログラム記録再生装置であって、前記レーザ光源からの光ビームに空間変調を施して前記参照光を発生させるための所定参照光パターンおよび前記記録データに応じた信号光パターンを同一平面上に形成する空間光変調器と、前記回折光によって生じる再生像の輝度に応じた再生データを検出するアレイ型光検出器と、前記空間光変調器に対して前記所定参照光パターンとして第1参照光パターンおよび前記第1参照光パターンの反転パターンである第2参照光パターンの各々が形成されるように制御をするとともに、前記アレイ型光検出器からの前記第1参照光パターンに応じた第1再生データと前記第2参照光パターンに応じた第2再生データとの差である演算後再生データに基づき前記記録データを再生する制御部と、を備えるホログラム記録再生装置。
このホログラム記録再生装置では、空間光変調器はレーザ光源からの光ビームに空間変調を施して参照光を発生させるための所定参照光パターンおよび記録データに応じた信号光パターンを同一平面上に形成する。アレイ型光検出器は回折光によって生じる再生像の輝度に応じた再生データを検出する。制御部は参照所定パターンとして第1参照光パターンおよび第1参照光パターンの反転パターンである第2参照光パターンの各々が形成されるように空間光変調器を制御する。そして、アレイ型光検出器からの第1参照光パターンに応じた第1再生データの値と第参照2パターンに応じた第2再生データの値との差に応じた演算後再生データの値に基づき前記記録データを再生する。
本発明のホログラム再生方法は、レーザ光源からの参照光をホログラム記録媒体に照射することによって生じる回折光から前記ホログラム記録媒体に記録された記録データを再生するホログラム再生方法であって、前記レーザ光源からの光ビームに空間変調を施して第1参照光を発生させ、前記レーザ光源からの光ビームに空間変調を施して前記第1参照光の反転参照光である第2参照光を発生させ、前記第1参照光に応じた回折光から第1再生データを検出し、前記第2参照光に応じた回折光から第2再生データを検出し、前記第1再生データの値と前記第2再生データの値の差に応じた演算後再生データの値に基づき前記記録データを再生する。
このホログラム再生方法では、レーザ光源からの光ビームに空間変調を施して第1参照光を発生させ、レーザ光源からの光ビームに空間変調を施して第2参照光を発生させ、第1参照光に応じた回折光から第1再生データを検出し、第2参照光に応じた回折光から第2再生データを検出し、第1再生データの値と第2再生データの値の差に応じた演算後再生データの値に基づき記録データを再生する。
本発明によれば、ピクセルを透過する光ビームの所望としない相互干渉によって形成されるホログラムからの回折光として得られるノイズ成分を除去して良好なる品質の再生信号を得ることができるホログラム再生装置、ホログラム記録再生装置およびホログラム再生方法を提供することができる。
実施形態のホログラム再生装置では、再生光から記録されたデータ信号(以下、記録データと称する)を再生するときに、記録データを記録するとき(以下、記録時と称する)に用いた参照光パターン(第1参照光パターン)により発生させた再生光によって受光素子に形成される再生像と、記録時に用いた参照光パターンの反転パターンを新たな参照光パターン(第2参照光パターン)として発生させた再生光によってアレイ型光検出器の受光素子面上に形成される再生像とを得、これらの各々の再生像に応じて電気信号として得られる各々の再生データ(第1再生データと第2再生データ)の値の差分を演算することにより、再生像に含まれる縮退ノイズ成分を低減するものである。このようにすることによって、従来は第1再生データのみを再生データとして用いて記録データを再生していたのに替えて、本実施形態では第1再生データと第2再生データの値の差分を再生データとして用いて記録データを再生して再生における特性を向上させる。
ここで、記録時に用いた参照光パターンとこの反転パターンとの関係は、2次元平面上の同一の位置に配置された各々のピクセルについて、透過するか否か(遮光するか)が相互に反転したピクセルを有する2種類のパターンの関係となるものである。つまり、一の参照光パターンを特定した場合に、その参照光パターンの一のピクセルに付いて見ると、そのピクセルが透過ピクセルである場合に、同位置にある反転パターンのピクセルは遮光ピクセルとなるものである。また、このような反転パターンを透過する参照光を反転参照光と称して以下用いるものとする。また、縮退ノイズ成分とは、所望としない光ビームの相互干渉によって形成されたホログラムからの再生光によって生じる再生信号の成分をいうものである。
実施形態のホログラム記録再生装置は、いわゆる、コアキシャル方式として構成されており、空間光変調器はレーザ光源からの光ビームに空間変調を施して参照光を発生させるための所定参照光パターンおよび記録データに応じた信号光パターンを同一平面上に形成している。上述したようにして、再生時において縮退ノイズを削減する機能を有するホログラム記録再生装置としては、コアキシャル方式に限らずに2光束方式であっても良いが、コアキシャル方式において、より良好なる記録再生特性を有するものである。
以下、本実施形態のホログラム記録装置とホログラム再生装置とを併せてホログラム記録再生装置として説明を簡単にした後、本実施形態のホログラム記録、ホログラム再生の原理を簡単に説明し、さらに、具体的な記録および再生の処理の説明をする。
(ホログラム記録再生装置の説明)
図1を参照して、ホログラム記録再生装置10の簡単な説明をする。図1に示すのはコアキシャル方式のホログラム記録再生装置である。まず記録の原理を説明する。レーザ光源11は光ビームを出射する。この光ビームはコリメートレンズ12を通過し、空間光変調器13に入射する。空間光変調器13は、空間分割された微小領域(ピクセル)ごとに光ビームの透過と遮光を制御することができる素子をその構成要素として有するものである。空間光変調器13は信号光パターンが形成される信号光領域と参照光パターンが形成される参照光領域との2つの領域に領域分割されており、信号光領域を通過した信号光14と、参照光領域を通過した参照光15との各々の強度変調された光ビームが集光レンズ18により、ホログラム記録媒体19内に集光され、信号光と参照光とが干渉することにより干渉縞を生じ、ホログラム記録媒体19内の記録層にこの干渉縞の形状に応じたホログラムを形成する。
以上がコアキシャル方式ホログラムにおける信号記録の過程である。この記録の過程は制御部22によって制御されるものであるが、その具体的な内容は後述する。なお、上述した信号光パターンおよび参照光パターンは、それらに属する各々のピクセルを透過ピクセルとするか遮光ピクセルとするかを制御部22からの電気信号で容易に制御できるように、空間光変調器13は例えば液晶で構成されている。
次に、コアキシャル方式における再生の過程を説明する。レーザ光源11から出射されてコリメートレンズ12を通過した光ビームは空間光変調器13に入射する。再生の場合、信号光領域のピクセルはすべて遮光ピクセルとされ信号光14の領域の光ビームは遮光され光量が零となり、記録時と同一の参照光パターンが形成された参照光領域から記録時と同様に空間変調された参照光15のみが得られる。参照光15は、集光レンズ18を通過し、ホログラム記録媒体19内のホログラムに集光される。参照光15を照射することによってホログラム記録媒体19内のホログラムでの回折光が集光レンズ20を介して光強度パターンを有してアレイ型光検出器21の撮像面に結像する。このアレイ型光検出器21として、CCDやCMOSなどの撮像素子が使われ、この撮像素子の撮像面は、アレイ状に空間分割された微小領域(ピクセル)を有している。この再生の過程は制御部22によって制御されるものであるが、その具体的な内容は後述する。なお、アレイ型光検出器21に配された2次元のピクセルの各々における光強度は、1次元の時系列の再生データとして制御部22によって取得される。
(ホログラム記録、再生の原理)
図1に示すホログラム記録再生装置10におけるホログラム記録の原理を、図2を参照してより詳細に説明する。図2は空間光変調器13の面を模式的に示すものであり、内側の同心円は信号光領域を示し、外側の同心円は参照光領域を示すものである。空間光変調器13の信号光領域の2次元に分割された信号光ピクセルおよび参照光ピクセルの各々に2次元の座標を付して以下説明する。座標(i,j)の位置に存在する信号光ピクセル(i,j)と座標(k,l)の位置に存在する参照光ピクセル(k,l)とによってホログラム記録媒体に記録されるグレーティングベクトルKijkl、すなわち、回折格子は数[1]で表される。
Figure 0004135113
また、アレイ型光検出器21の2次元に分割されたピクセルの各々に同様に2次元の座標を付して以下説明する。数[1]で示されるグレーティングベクトルKijklに参照光ピクセル(k,l)の周辺の参照光ピクセル(m,n)からの参照光を照射したとき、回折光として照射される再生像は、アレイ型光検出器21のピクセルであるピクセルPm+i-k,n+j-lに回折される。この場合の、ブラッグミスマッチ量ΔPz、および回折効率ηは、各々、数[2]、数[3]で表される。
Figure 0004135113
Figure 0004135113
数[3]における、Lはホログラム記録媒体の記録層の厚さである。コアキシャル方式のホログラム記録再生において、再生像が形成されるアレイ型光検出器21の各々のピクセルについて、数[2]、数[3]で表される近接ピクセルからの回折光成分を含み、すべての近接ピクセルからの回折光成分の総和が、ノイズ成分として本来の再生像とともに再生される。このノイズ成分は縮退ノイズである。そして、縮退ノイズは記録再生において信号品質の低下要因となるものである。
ここで、記録時における参照光パターンからの参照光を用いた場合の再生像に含まれる縮退ノイズと、その反転パターンからの参照光を用いた場合の再生像に含まれる縮退ノイズとは、略同等の成分を有している。また、反転パターンを用いた参照光の再生像には記録時の信号光によって生成される成分は含まれない。本実施形態のホログラム再生の原理においては、以上の2つの特徴点に着目し、両者の差分を演算することにより、記録時と同じ参照光パターンから得られる再生光を用いて検出される再生像に含まれる縮退ノイズを低減させている。
(数値解析の結果)
数[1]、数[2]および数[3]に基づき、数値解析(シミュレーション)によって、縮退ノイズの低減の効果を評価する。
図3の(A)および図3の(B)に空間光変調器13の参照光領域に表示される参照光パターンの一例を示す。図3の(A)は全体図であり、図3の(B)は、参照光パターンを構成する各々のピクセルが分かるように示された拡大図である。参照光パターンは、2つの同心円のより直径の大きい円の内部であって、かつ、より直径の小さい円の外部に該当する領域に円環状に配置されており、図3の(B)に示すようなピクセルに細分化されている。そして、そのパターンに含まれる各々のピクセルが光ビームを透過するか否かはランダムなものとされている。すなわち、光ビームが透過する透過ピクセルと光ビームが透過しない遮光ピクセルとは、2次元平面にランダムに配置されている。このような参照光のパターンをランダムパターンと称する。図3の(C)は図3の(B)の反転パターンを示すものであり、図3の(B)と図3の(C)とは同じ拡大領域を示すものである。図3の(B)と図3の(C)とを対比すると同じピクセル位置においては透過ピクセルと遮光ピクセルとが反転して分布している。このような、ランダムパターンを用いる場合の縮退ノイズの低減の効果を以下に示す。
図4の(A)は、図3に示すランダムパターンを参照光パターンとして用いて、信号光ピクセル(0,0)、すなわち、信号光領域の中心である同心円の中心に存在するピクセルのみに光ビームを透過させ、ホログラム記録媒体にホログラムを形成し、このホログラムに、記録時に用いた参照光パターンと同一のランダムパターンからの参照光を照射した場合におけるアレイ型光検出器21の撮像面において回折光によって形成される再生像である。色の濃い部分は光強度が高い(輝度が大きい)部分である。中心部の光強度の最も高いところが所望の再生信号の発生位置である。すなわち、理想的には信号光ピクセル(0,0)に対応する位置に存在するアレイ型光検出器21のピクセルのみに回折光によって像が形成されることが望ましいものである。しかしながら、所望としない相互の干渉によって形成されるホログラムからの回折光の成分によって、上述の中心部の光強度の最も高いところの周辺に、連続的な光強度で分布する再生像が発生する。これが縮退ノイズ成分である。
図4の(B)は、記録時に用いたランダムパターンとは、2次元平面の同位置における透過ピクセルと遮光ピクセルとが反転した反転パターンを用いて、同一のホログラムに、反転パターンからの参照光を照射した場合におけるアレイ型光検出器21の撮像面において回折光によって形成される再生像である。
図4の(C)は、アレイ型光検出器21の撮像面における、参照光パターンによる再生信号である再生データD1iの値と反転パターンによる再生信号である反転再生データD2iの値との差の演算結果(演算後再生データΔDiの値)を示すものである。ここで、ホログラム記録再生装置10においては再生データD1iおよび反転再生データD2iの各々は、再生像の輝度に応じてそのレベルが変化するアナログ情報であるので、A/D変換器(図示せず)を用いてデジタル処理を行う制御部22に取り込まれ、制御部22では両者の引き算が行われることとなる。そして、この演算後再生データΔDiは閾値を境に「1」と「0」との2値信号とされる。制御部22においては、この2値データの所定個数を1ブロックとして、この1ブロックを単位として、以降の誤り訂正処理等の処理がなされる。
図4の(C)から、読み取れるように、このような演算の結果、ほぼ、所望の再生信号成分のみが生成されている。この差の演算の処理の結果、再生信号のS/N(信号対雑音比)の値は、未処理の場合の値1.75から、処理後に44.6となり、信号品質が大幅に向上していることが示される。ここで、信号Sの大きさは、アレイ型光検出器21の輝度が最大となるピクセルにおける光強度をRMS値で表したものとし、雑音Nの大きさは、アレイ型光検出器21の輝度が最大となるピクセル以外のピクセルにおける光強度をRMS値で表したものである。すなわち、例えば、「1」を輝度が閾値よりも大きい場合に対応させると、図4の(C)から見て取れるように、閾値と中心部の光強度の最も高いところとの幅(振幅マージン)が、演算処理前に較べて大きくなり、ノイズが大きい場合においてもより誤りなく中心部の光強度の最も高いところのみが「1」と判別されることとなる。なお、上述の説明では信号光パターンの1ピクセルの領域はアレイ型光検出器21の1ピクセルの領域に1対1に対応するものとして説明をおこなった。
以上は信号領域中心の1ピクセルである信号光ピクセル(0,0)についてのノイズ低減処理の結果であるが、同様の処理を信号領域の外周部に配されたピクセルである信号光ピクセル(120,0)についても行い、その結果を図5の(A)ないし図5の(C)に示す。
図5の(A)は、図3に示すランダムパターンを参照光パターンとして用いて、信号光ピクセル(120,0)に存在するピクセルのみに光ビームを透過させ、ホログラム記録媒体にホログラムを形成し、このホログラムに、記録時に用いたランダムパターンからの参照光を照射した場合におけるアレイ型光検出器21の撮像面において回折光によって形成される再生像である。
図5の(B)は、記録時に用いたランダムパターンの反転パターンを用いて反転参照光を同一のホログラムに照射した場合におけるアレイ型光検出器21の撮像面において回折光によって形成される再生像である。
図5の(C)は、アレイ型光検出器21の撮像面における、参照光パターンによる再生信号である再生データD1iの値と反転パターンによる再生信号である反転再生データD2iの値との差の演算結果(演算後再生データΔDiの値)を示すものである。図5の(C)から、読み取れるように、この場合にも、再生信号のS/N値は、未処理の場合の1.45から45.7と向上している。
次に、上述したランダムパターンに替えて、図6に示す放射線と同心円の複合パターンを参照光として用いた場合の結果を以下に示す。図6の(A)は全体図であり、図6の(B)は一部分を拡大した拡大図である。ここで、放射線と同心円の複合パターンとは、所定角度を有して隣り合う同心円の中心から延びる放射線で、黒(遮光領域)と白(光透過領域)とが交互に配置され、かつ、半径の増分が所定長である同心円によって黒(遮光領域)と白(光透過領域)とが交互に配置され、放射線によって形成される領域または同心円によって形成される領域の重複領域については、いずれか一方が白の領域である場合には、白領域とするものである。ここで、放射線状に延びる白領域の幅は内周から外周まで一定の幅である。また、図示しない別の放射線と同心円の複合パターンは、上述した放射線と同心円の複合パターンの黒部分と白部分とを反転したものであっても良い。
図7の(A)は、図6に示す放射線と同心円の複合パターンを参照光パターンとして用いて、信号光ピクセル(0,0)、すなわち、信号光領域の中心である同心円の中心に存在するピクセルのみに光ビームを透過させ、ホログラム記録媒体にホログラムを形成し、このホログラムに、記録時に用いた放射線と同心円の複合パターンからの参照光を照射した場合におけるアレイ型光検出器21の撮像面において回折光によって形成される再生像である。色の濃い部分は光強度が高い(輝度が大きい)部分である。中心部の光強度の最も高いところが所望の再生信号であり、その周辺に、連続的な光強度で分布する領域が縮退ノイズ成分である。
図7の(B)は、記録時に用いた放射線と同心円の複合パターンの反転パターンを用いて同一のホログラムに反転参照光を照射した場合におけるアレイ型光検出器21の撮像面において回折光によって形成される再生像である。
図7の(C)は、アレイ型光検出器21の撮像面における、参照光パターンによる再生信号である再生データD1iの値と反転パターンによる再生信号である反転再生データD2iの値との差の演算結果(演算後再生データΔDiの値)を示すものである。この差の演算の処理の結果、再生信号のS/N(信号対雑音比)の値は、未処理の場合の値1.8から、処理後に4.0となり、信号品質が向上していることが示される。
図8の(A)は、放射線と同心円の複合パターンを参照光パターンとして用いて、信号光ピクセル(120,0)に存在するピクセルのみに光ビームを透過させ、ホログラム記録媒体にホログラムを形成し、このホログラムに、記録時に用いた放射線と同心円の複合パターンからの参照光を照射した場合におけるアレイ型光検出器21の撮像面において回折光によって形成される再生像である。
図8の(B)は、記録時に用いた放射線と同心円の複合パターンの反転パターンを用いて同一のホログラムに反転参照光を照射した場合におけるアレイ型光検出器21の撮像面において回折光によって形成される再生像である。
図8の(C)は、アレイ型光検出器21の撮像面における、参照光パターンによる再生信号である再生データD1iの値と反転パターンによる再生信号である反転再生データD2iの値との差の演算結果(演算後再生データΔDiの値)を示すものである。図8の(C)から、読み取れるように、この場合にも、再生信号のS/N値は、未処理の場合の1.4から4.1と向上している。
さらに、図9に示す放射状パターンを参照光として用いた場合の結果を以下に示す。図9の(A)は全体図であり、図9の(B)は一部分を拡大した拡大図である。ここで、放射状パターンとは、所定角度を有して隣り合う同心円の中心から延びる放射線で各々の領域が区分けされることによって形成されるパターンであって、線分を介して、黒部分と白部分とが交互に配置されるパターンをいうものである。ここで、白部の幅は外周部と内周部とで等しい幅とされている。なお、図3、図6および図9に示す参照光パターンを1個の空間光変調器13で表示をするためには、ピクセルの形状は固定形状、例えば、図3の(B)に示すように正方形の形状のピクセルとして、放射状の線分または同心円状の線分を階段状に近似して種々の参照光パターンに対応することができる。
図10の(A)は、図9に示す放射状パターンを参照光パターンとして用いて、信号光ピクセル(0,0)、すなわち、信号光領域の中心である同心円の中心に存在するピクセルのみに光ビームを透過させ、ホログラム記録媒体にホログラムを形成し、このホログラムに、記録時に用いた放射状パターンからの参照光を照射した場合におけるアレイ型光検出器21の撮像面において回折光によって形成される再生像である。色の濃い部分は光強度が高い(輝度が大きい)部分である。中心部の光強度の最も高いところが所望の再生信号であり、その周辺に、連続的な光強度で分布する領域が縮退ノイズ成分である。
図10の(B)は、記録時に用いた放射状パターンの反転パターンを用いて、同一のホログラムに反転パターンからの反転参照光を照射した場合におけるアレイ型光検出器21の撮像面において回折光によって形成される再生像である。
図10の(C)は、アレイ型光検出器21の撮像面における、参照光パターンによる再生信号である再生データD1iの値と反転パターンによる再生信号である反転再生データD2iの値との差の演算結果(演算後再生データΔDiの値)を示すものである。この差の演算の処理の結果、再生信号のS/N(信号対雑音比)の値は、未処理の場合の値1.8から、処理後に3.0となり、信号品質が向上していることが示される。
図11の(A)は、放射状パターンを参照光パターンとして用いて、信号光ピクセル(120,0)に存在するピクセルのみに光ビームを透過させ、ホログラム記録媒体にホログラムを形成し、このホログラムに、記録時に用いた放射状パターンからの参照光を照射した場合におけるアレイ型光検出器21の撮像面において回折光によって形成される再生像である。
図11の(B)は、記録時に用いた放射状パターンの反転パターンを用いて、同一のホログラムに、反転パターンからの反転参照光を照射した場合におけるアレイ型光検出器21の撮像面において回折光によって形成される再生像である。
図11の(C)は、アレイ型光検出器21の撮像面における、参照光パターンによる再生信号である再生データD1iの値と反転パターンによる再生信号である反転再生データD2iの値との差の演算結果(演算後再生データΔDiの値)を示すものである。図11の(C)から、読み取れるように、この場合にも、再生信号のS/N値は、未処理の場合の1.4から2.3と向上している。
なお、上述の説明においては、ランダムパターン、放射線と同心円の複合パターン、放射状パターンを参照光パターンとして用いる場合について説明したが、参照光パターンとしては、これら以外であっても縮退ノイズを低減する効果を生じるものである。また、信号光パターンと参照光パターンが同心円によって、完全に2つの領域に分割されたコアキシャル方式について、参照光パターンを種々に替えて説明をしたが、実施形態としては、他の種々の形態が可能である。例えば、コアキシャル方式においても、信号光パターンと参照光パターンを光ビーム断面内で任意に領域分割するものであっても良いものである。
また、参照光パターンによる再生信号である再生データD1iの値と反転パターンによる再生信号である反転再生データD2iの値との差から演算結果(演算後再生データΔDiの値)を求めるのみではなく、後述するように、再生データD1iまたは反転再生データD2iのいずれかに所定係数kを掛けて、新たな、再生データDk1iまたは反転再生データDk2iを得て、再生データDk1iと反転再生データD2iとの差分、または、再生データD1iと反転再生データDk2iとの差分を得る演算をおこなって演算後再生データΔDiを求めるものであっても良い。なお、上述の例では信号パターンの透過ピクセルが、信号光ピクセル(0,0)または信号光ピクセル(120,0)のみである場合の説明をしたが、すべての信号光ピクセルのいずれの組み合わせが透過ピクセルとなる場合においても上述、演算をすべてのピクセルについて行い再生信号のS/N向上の効果が得られるものである。
(具体的な記録および再生の処理)
図1を参照して、具体的な記録および再生の処理の内容をより詳細に説明する。まず、記録の処理について説明する。制御部22は、レーザ光源11を制御して記録のための適正な強度の光ビームを出射する。また、制御部22は空間光変調器13に1ページ分の記録されるべきデータ(記録データ)に応じた信号光パターンを表示するとともに、予め定められる参照光パターンを表示する。この表示の時間は、ホログラムの形成のための最適な時間として記録再生特性を良好とするように適宜定められる。以上の処理によって、ホログラム記録媒体19にはホログラムが形成される。このときの参照光パターンは、例えば、上述したランダムパターン、放射線と同心円の複合パターン、放射状パターンである。
次に、再生の処理について説明をする。制御部22は、レーザ光源11を制御して再生のための適正な強度の光ビームを出射する。また、制御部22は空間光変調器13に記録時に用いたと同一の参照光パターンを表示する。ここで、参照光パターンは制御部22のRAM(Random Access Memory)の所定記憶領域に予め記憶されているものである。これによって、回折光が発生し、集光レンズ20を介してアレイ型光検出器21に再生像が表示される。アレイ型光検出器21の各々のピクセルにおける再生像の輝度に応じた電気信号が再生データD1iとして、時系列で走査されてA/D変換器で検出され、制御部22に配されたRAMの第1所定記憶領域に取り込まれる。
次に、制御部22は空間光変調器13に記録時に用いたと同一の参照光パターンの反転パターンを表示する。ここで、この反転パターンも参照光パターンと同様に制御部22のRAMの所定記憶領域に予め記憶されているものである。この反転パターンを通過する参照光をホログラム記録媒体19に照射することによって、回折光が発生し、集光レンズ20を介してアレイ型光検出器21に再生像が表示される。アレイ型光検出器21の2次元に配列された各々のピクセルにおける再生像の輝度に応じた反転再生データD2iが1次元の時系列データとして走査され、A/D変換器で検出され、制御部22に配された第2所定記憶領域に取り込まれる。
第1所定領域および第2所定記憶領域には、アレイ型光検出器21の一のピクセルに対応して、記憶領域が確保され、一の記憶データが格納するようになされているので、制御部22は同一のピクセルに対応する第1所定領域の再生データD1iと第2所定記憶領域の反転再生データD2iとの各々を読み出し、第1所定領域の再生データD1iに所定係数kを掛けた新たな再生データDk1iから反転再生データD2iを差し引く演算を行い演算後再生データΔDiを求める。ここで、所定係数kの値は、正の実数であり、実験によって予めS/Nが最大となるように定められているものである。なお、第1所定領域の再生データD1iに所定係数kを掛けた新たな再生データDk1iから反転再生データD2iを差し引く演算に替えて、第1所定領域の再生データD1iから反転再生データD2iに所定係数kを掛けた新たな再生反転データDk2iを差し引く演算を行い演算後再生データΔDiを求めるようにしても良いものである。
上述したようにして、制御部22は、各々のピクセルに対応する差のデータである演算後再生データΔDiを演算する。そして、この演算後再生データΔDiを所定の単位毎に区切って、誤り訂正処理をして、記録されたデータを再現する。ここで、所定係数kの値を1、すなわち、所定係数kを掛けないものとしてもS/Nの改善効果は十分にあるものであり、再生データD1iのみによっては再生が困難であった記録データも、演算後再生データΔDi用いることによって再生が可能となる。しかしながら、1ではない所定係数kを掛ける演算を行う場合には、さらに、良好なる再生特性を得ることができる。
このようにして、単に再生データD1iから反転再生データD2iを差し引く演算によって得られた演算後再生データΔDiによっては再生が困難であった記録データも、所定係数kを掛けて演算した演算後再生データΔDi用いることによってより良好なる再生特性を得ることができるものである。ここで、望ましい所定係数kの値は、参照光のパターン、信号光のパターンに依存するものである。したがって、予めその内容が分かっている参照光パターンに応じて、予め所定係数kの値を定めておくことによって、さらに、良好なるS/Nの改善効果が得られる。
また、所定係数kの値は、誤り訂正処理における符号誤り率が最小となるようにページを単位として適応的に変更するものであっても良い。具体的には、同一のページを所定係数kの値を順次変更して、繰り返して再生し、最も誤り率が小さくなる所定係数kの値を固定値として定め、この固定値によって、関連する複数のページの再生をすることができる。そして、このようなS/N改善の処理をしない場合には再生ができなかった信号を非常に良好に誤りなく再生することが可能となる。
上述したように、参照光パターンとしては、図3に示すランダムパターンを用いる場合が最も良好なるS/Nが得られ、図6に示す放射線と同心円の複合パターン、図9に示す放射状パターンを採用する場合においても、S/Nの改善効果が得られたが、光ビームが透過するピクセルである透過ピクセルの数を全ピクセルの数で割った値であるホワイトレートの値(0以上、1以下の値である)については以下の知見が数値解析により得られた。参照光パターン、放射線と同心円の複合パターン、放射状パターンのいずれを採用する場合においても、ホワイトレートの値が0.15から0.85の範囲で良好なるS/N改善効果を得ることができた。すなわち、一の参照光パターンのホワイトレートが0.15である場合には、それに対応する反転パターンのホワイトレートは0.85であり、一方、一の参照光パターンのホワイトレートが0.85である場合には、それに対応する反転パターンのホワイトレートは0.15である。このような範囲であれば、参照光パターンと反転パターンとのホワイトレートの差に極端な差がなく、良好にS/Nの改善の効果を奏することができるものである。
上述の実施形態はコアキシャル方式を例として説明をしてきたが、コアキシャル方式のみならず2光束方式においても、このノイズ低減手法は有効なものである。しかしながら、2光束ホログラム光学系においては、数[2]、数[3]にて表現されるブラックミスマッチノイズ成分が生じる、すなわち、ΔPz≠0,η≠0であるための条件は、参照光ビームが、信号光ビームと参照光ビームの作る平面に対して角度分布を持つことを表している。すなわち、角度分布がない場合、ΔPz=0,η≠0となり、縮退ノイズ成分が生成せず、上述したノイズ除去手法が成立しないこととなる。
この要件を満たすため、信号光と参照光の作る平面と直交する方向に参照光ビームを集光することが必要となる。図12にこの条件を満たすような2光束方式のホログラム記録再生装置50を示す。図12においては、図1に示すと同一の構成を有して同一の作用を奏する部分には図1におけると同一の符号を付している。
ホログラム記録再生装置50においては、レーザ光源11から出射し、コリメートレンズ12を通過した光ビームは、光ビームスプリッタ23により2つの方向に分岐する。直進方向に進んだ光ビームは空間光変調器13に入射する。空間光変調器13は、空間光変調器13により、強度変調された光ビームが集光レンズ18により集光され、信号光14となる。一方、光ビームスプリッタ23により直角方向に反射された光ビームは、ミラー26、ミラー27により反射された後、集光レンズ28、コリメートレンズ29を通過し、空間光変調器30により強度変調される。空間光変調器30は、空間光変調器13と略同一の構成を有するものである。円筒レンズ31により紙面と直交する方向に集光され、参照光15となる。信号光14と、参照光15とがホログラム記録媒体19内に集光され、交差することにより、干渉縞を形成してホログラムが形成される。以上が信号記録の手順である。
次に2光束方式における再生の手順を説明する。レーザ光源11を出射し、コリメートレンズ12、光ビームスプリッタ23を通過した光ビームが空間光変調器13に入射する。再生の場合、空間光変調器13において信号光路の光ビームは遮光され光量ゼロとなる。一方、光ビームスプリッタ23により直角方向に反射された光ビームはミラー26、ミラー27、集光レンズ28、コリメートレンズ29を通過した後、空間光変調器30により変調された後、円筒レンズ31により集光され、参照光15として、ホログラム記録媒体19内のホログラム上に集光される。参照光15のホログラム記録媒体19内のホログラムでの回折光が集光レンズ20により光強度の分布を有したパターンとして、アレイ型光検出器21の撮像面に結像する。
空間光変調器30の参照光パターンを、再生時において記録時と同一の参照光パターンとし、参照光をホログラム記録媒体19に照射して集光レンズ20によって集光し、アレイ型光検出器21の撮像面に形成される回折光による再生像が発生する再生データD1iを制御部22に取り込む。そして、空間光変調器30の参照光パターンを、反転パターンとし、反転参照光をホログラム記録媒体19に照射して集光レンズ20によって集光し、アレイ型光検出器21の撮像面に形成される回折光による再生像が発生する再生データD2iを制御部22に取り込む。このようにして、コアキシャル方式ホログラムにおける、縮退ノイズの除去と同様の効果を2光束方式のホログラム記録再生においても得ることが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、その発明の技術的思想の範囲内で様々に変形し、組み合わせて実施することが可能である。
コアキシャル方式のホログラム記録再生装置の概念図である。 ホログラム記録の原理を示す図である。 参照光パターンの一例を示す図である。 回折光によって形成される中心付近の再生像を示す図である。 回折光によって形成される外周付近の再生像を示す図である。 参照光パターンの別の例を示す図である。 回折光によって形成される中心付近の再生像を示す図である。 回折光によって形成される外周付近の再生像を示す図である。 参照光パターンのさらに別の例を示す図である。 回折光によって形成される中心付近の再生像を示す図である。 回折光によって形成される外周付近の再生像を示す図である。 2光束方式のホログラム記録再生装置の概念図である。
符号の説明
10、50 ホログラム記録再生装置、11 レーザ光源、12、29 コリメートレンズ、13、30 空間光変調器、14 信号光、15 参照光、18、20、28 集光レンズ、19 ホログラム記録媒体、21 アレイ型光検出器、22 制御部、23 光ビームスプリッタ、26、27 ミラー、31 円筒レンズ

Claims (7)

  1. レーザ光源からの参照光をホログラム記録媒体に照射することによって生じる回折光から前記ホログラム記録媒体に記録された記録データを再生するホログラム再生装置であって、
    前記レーザ光源からの光ビームに空間変調を施して前記参照光を発生させるための所定参照光パターンを形成する空間光変調器と、
    前記回折光によって生じる再生像の輝度に応じた再生データを検出するアレイ型光検出器と、
    前記空間光変調器に対して前記所定参照光パターンとして第1参照光パターンおよび前記第1参照光パターンの反転パターンである第2参照光パターンの各々が形成されるように制御をするとともに、前記アレイ型光検出器からの前記第1参照光パターンに応じた第1再生データの値と前記第参照2パターンに応じた第2再生データの値との差に応じた演算後再生データの値に基づき前記記録データを再生する制御部と、
    を備えるホログラム再生装置。
  2. 前記第1参照光パターンは前記光ビームを透過または遮光する各々のピクセルがランダムに配置され、前記光ビームを透過させるピクセルである透過ピクセルの数の全ピクセルの数に対する割合が0.15から0.85の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム再生装置。
  3. 前記第1参照光パターンは前記光ビームを透過または遮光する各々のピクセルが放射線状に配置され、前記光ビームを透過させるピクセルである透過ピクセルの数の全ピクセルの数に対する割合が0.15から0.85の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム再生装置。
  4. 前記第1参照光パターンは前記光ビームを透過または遮光する各々のピクセルが放射線と同心円とで囲まれた領域とされ、線分によって透過領域と遮光領域とが交互に隣接するように配置され、前記光ビームを透過させるピクセルである透過ピクセルの数の全ピクセルの数に対する割合が0.15から0.85の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム再生装置。
  5. 前記制御部は、前記第1再生データの値または前記第2再生データの値に所定係数を掛けた後、演算後再生データを得ることを特徴とする請求項1に記載のホログラム再生装置。
  6. レーザ光源からの参照光および信号光をホログラム記録媒体に照射することによって生じる干渉縞をホログラムとして記録し、前記ホログラムが記録された前記ホログラム記録媒体に前記参照光を照射して得られる回折光から前記ホログラム記録媒体に記録された記録データを再生するホログラム記録再生装置であって、
    前記レーザ光源からの光ビームに空間変調を施して前記参照光を発生させるための所定参照光パターンと前記記録データに応じた信号光パターンとを同一平面上に形成する空間光変調器と、
    前記回折光によって生じる再生像の輝度に応じた再生データを検出するアレイ型光検出器と、
    前記空間光変調器に対して前記所定参照光パターンとして第1参照光パターンおよび前記第1参照光パターンの反転パターンである第2参照光パターンの各々が形成されるように制御をするとともに、前記アレイ型光検出器からの前記第1参照光パターンに応じた第1再生データと前記第2参照光パターンに応じた第2再生データとの差である演算後再生データに基づき前記記録データを再生する制御部と、
    を備えるホログラム記録再生装置。
  7. レーザ光源からの参照光をホログラム記録媒体に照射することによって生じる回折光から前記ホログラム記録媒体に記録された記録データを再生するホログラム再生方法であって、
    前記レーザ光源からの光ビームに空間変調を施して第1参照光を発生させ、
    前記レーザ光源からの光ビームに空間変調を施して前記第1参照光の反転参照光である第2参照光を発生させ、
    前記第1参照光を照射して得られる回折光から第1再生データを検出し、
    前記第2参照光を照射して得られる回折光から第2再生データを検出し、
    前記第1再生データの値と前記第2再生データの値の差に応じた演算後再生データの値に基づき前記記録データを再生する、
    ホログラム再生方法。
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