JP4135055B2 - 波形測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、波形測定装置やデジタルオシロスコープ(以下単に波形測定装置という)に関し、特に波形パラメータ測定およびその判定機能の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、波形測定装置においては、アクイジションメモリに取込んだ入力信号の波形データを測定対象とし、測定アイテム(例えばピーク・ピーク値、最大値、最小値、立ち上がり、立ち下がり、周波数など)や、測定範囲、対象チャンネルなどを指定して、自動的に波形のパラメータ(例えば、平均値や周波数など)を測定し、表示噐に表示するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の波形測定装置においては、波形パラメータは自動測定されるものの、その良否判定は自動ではなく測定者自らが行わねばならず、測定の都度測定値と規定値とを比較・判定する必要があり、その作業はきわめて煩雑であるという課題があった。
【0004】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、波形パラメータの測定値を画面に表示するに留まらず、あらかじめ波形パラメータの範囲(許容範囲とも言う)を設定しその設定値を同画面上に表示することができ、さらに波形パラメータの実測値と前記設定値とを比較判定しその結果も波形表示と同一画面上に表示できるようにした波形測定装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、請求項1の発明はアナログ入力信号をデジタルデータに変換し波形として表示すると共に前記デジタルデータについて波形パラメータを測定して表示する波形測定装置において、波形パラメータの許容範囲を設定し、その許容範囲を波形パラメータの測定値と共に前記表示波形と同一画面上に表示すると共に波形パラメータの測定値が許容範囲内か否かの判定を行いその判定結果を前記表示波形と同一画面上に併せて表示するように構成したことを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、波形のパラメータを表示するだけでなく、あらかじめ測定者が波形パラメータの許容範囲を設定することができると共に同一画面上にその許容範囲も表示して、より使い易い波形測定装置を実現することができる。
また、実測値が許容範囲内かどうかの判定結果も同時に表示できるため、試験対象回路のタイミングマージン確認などのデバッグ時に非常に有効である。
【0007】
この場合、請求項2のように、判定結果の表示において許容範囲内にある場合と許容範囲外にある場合とで文字、波形データの表示色、または波形データの点滅表示の少なくともいずれかからなる表示態様が変化するように構成すると、判定結果がより見やすくなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。図1は本発明に係る波形測定装置の一実施例を示す概念的構成図である。図において、1はアナログ・デジタル変換器(以下AD変換器と略す)であり、アナログ入力信号を高速にサンプリングしてデジタルデータに変換する。2はアクイジションメモリであり、AD変換器1の出力データをデータ処理し格納する。なお、アクイジションメモリ2はチャンネルごとに分割され、チャンネルごとに当該データや測定範囲のカーソル情報などが記憶される。
【0009】
3は表示器であり、アクイジションメモリ2からの波形データを波形表示データに変換し表示する。また、演算・制御手段4から出力されるデータも表示する。演算・制御手段4は、アクイジションメモリ2から波形データを読取り、測定条件設定手段5で設定した設定条件(測定アイテム、測定範囲など)に基づいて波形パラメータを求め、その波形パラメータを表示噐3に表示すると共に、測定条件設定手段5によりあらかじめ定めた波形パラメータの範囲(判定値)と比較して波形パラメータの良否判定を行ないその判定結果を表示噐3に表示する機能、および各部の動作を制御する機能を有する。
測定条件設定手段5は、測定アイテム、測定範囲、対象チャンネルなどの設定を行うための設定手段である。
【0010】
本発明はこのような構成において、波形パラメータを測定し、その測定値を表示器に表示するだけでなく、あらかじめ測定者が波形パラメータの範囲などを設定して表示器にその範囲などの設定情報を表示すると共に、実測値が判定値の範囲内か否かなどの判定を行ってその結果を前記設定情報と併せて表示することができるようにしたものである。
【0011】
以下このような構成における動作を、図2のフローチャートと、図3および図4の表示例を参照して次に説明する。
測定開始前に測定条件設定手段5を操作して、測定対象チャンネルや、測定アイテム、波形パラメータの許容範囲(判定値)をあらかじめ設定しておく。設定した各内容は例えば演算・制御手段4に設けたメインメモリ(図示せず)に格納され、適宜読み出されて表示器3に表示される。
【0012】
測定を開始すると、AD変換器1は、設定されたサンプリングレートで入力のアナログ信号をサンプリングし逐次デジタルデータ(波形データ)に変換して行く。このデジタルデータは表示器3の表示画面の時間軸設定に合ったサンプルレートでデータ処理されアクイジションメモリ2に順次書き込まれる。
【0013】
アクイジションメモリ2に格納された波形データは演算・制御手段4により適宜読み出され、図3に示すように表示器3に表示される。波形パラメータの測定範囲は、測定条件設定手段5を操作して波形表示画面上に表示されたカーソル(図では垂直方向に伸びた破線)を左右に移動させて設定する。この測定範囲のカーソル情報はアクイジションメモリ2に格納される。
【0014】
次に、演算・制御手段4では、測定範囲内にある波形データをアクイジションメモリ2より読み出して、指定の波形パラメータを算出する。求めた測定値は例えば図4に示す形式で表示される。すなわち、「実測値のみの表示」では、測定アイテムおよび対象チャンネルの表示に並んで測定値が表示され、「判定範囲+実測値」の表示では、測定アイテムと波形パラメータの許容範囲の表示と共に表示される。
【0015】
演算・制御手段4はまた、求めた波形パラメータが判定値の範囲内にあるかどうかを判定し、判定結果を適宜の態様で表示器3に表示する。例えば、範囲内にある場合は「OK」表示あるいはデータの表示色を変えるなどの態様で表示する。範囲外にある場合は「NG」表示あるいはデータの点滅表示あるいはデータの表示色を変えるなどの態様で表示する。
なお、その判定結果は、表示波形に重ならないように、例えば表示波形の右側に並べて表示する。
【0016】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【0017】
例えば、上記実施例で述べたアルゴリズムを適宜ファームウェア化し、それによって同様のデータ処理を行うようにすることもできる。また、アクイジションメモリに取込まれた波形データを演算処理するプロセッサと、波形パラメータの許容範囲を設定する設定手段と、その設定値を格納しておくメモリと、許容範囲と測定値を比較するための比較器により、ハードウェアで本発明の機能を実現することもできる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば次のような効果がある。
(1)波形のパラメータを測定し、その測定値を表示器に表示するだけでなく、あらかじめ測定者が波形パラメータの範囲を容易に設定することができると共に同一画面上にその範囲も表示して、より使い易い波形測定装置を実現することができる。
(2)また、実測値が波形パラメータの範囲内かどうかの判定を行い、その結果も同時に表示できるため、試験対象回路のタイミングマージン確認などのデバッグ時には非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る波形測定装置の一実施例を示す概念的構成図である。
【図2】本発明の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明における波形表示例である。
【図4】本発明の判定結果などの表示を説明するための図である。
【図5】従来の波形測定装置の表示例である。
【符号の説明】
1 AD変換器
2 アクイジションメモリ
3 表示器
4 演算・制御手段
5 測定条件設定手段
Claims (2)
- アナログ入力信号をデジタルデータに変換し波形として表示すると共に前記デジタルデータについて波形パラメータを測定して表示する波形測定装置において、
波形パラメータの許容範囲を設定し、その許容範囲を波形パラメータの測定値と共に前記表示波形と同一画面上に表示すると共に波形パラメータの測定値が許容範囲内か否かの判定を行いその判定結果を前記表示波形と同一画面上に併せて表示するように構成したことを特徴とする波形測定装置。 - 前記判定結果の表示において許容範囲内にある場合と許容範囲外にある場合とで文字、波形データの表示色、または波形データの点滅表示の少なくともいずれかからなる表示態様が変化するように構成したことを特徴とする請求項1記載の波形測定装置。
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