JP4134738B2 - ドアガラスラン構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チャンネル状に形成されたドアサッシュに嵌着される略コ字状断面のドアガラスラン本体と、このドアガラスラン本体の両側部から中央側へ向けて各々延出されてドアガラスに摺接するリップ部と、を含んで構成されたドアガラスラン構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車のサイドドアのドアサッシュ内には、ドアサッシュとドアガラスとの間をシールするゴム製のドアガラスランが装着されている。ドアガラスランはドアサッシュへの組付位置からずれないことが要求されるが、ドアガラスランとドアガラスとの間に作用する摺動抵抗がドアサッシュとドアガラスランとの間に作用する摺動抵抗よりも大きくなると、ドアガラスランは組付位置からずれてしまう。従って、この点において従来のドアガラスランは、解決すべき課題があった。
【0003】
ここで、先行技術調査をした結果、下記特許文献1が摘出された。簡単に説明すると、この特許文献1に記載されたドアガラスランは、ドアサッシュに嵌着される略コ字状のドアガラスラン本体と、その両側部から各々延出されてドアガラスに摺接する一対のシールリップ部とを備えている。そして、このドアガラスランでは、ドアガラスラン本体の硬度をJIS(A)硬度60〜75度の軟質材料で構成し、かつ一対のシールリップ部の硬度をJIS(A)硬度85〜95度の硬質材料で構成したことを特徴としている。
【0004】
上記構成によれば、ドアガラス摺動時におけるドアサッシュとドアガラスランとの摺動抵抗が高くなる一方、ドアガラスランとドアガラスとの摺動抵抗が低くなるため、ドアガラス摺動時にドアガラスに引き摺られてドアガラスランの組付位置がずれるのを防止することができる。
【0005】
【特許文献1】
実開平5−93940号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構造による場合、ドアガラスラン本体の全体が軟質に形成されているため、ドアガラスラン本体の剛性が低下する。このため、ドアガラスが摺動した際に、剛性不足に起因して、ドアガラスラン本体が引っ張られて寸法が変化するという別の問題が生じる。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、ドアガラスランの組付位置のずれ防止とドアガラスランの寸法変化防止とを両立させることができるドアガラスラン構造を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明に係るドアガラスラン構造は、チャンネル状に形成されたドアサッシュに嵌着される略コ字状断面のドアガラスラン本体と、このドアガラスラン本体の両側部から中央側へ向けて各々延出されてドアガラスに摺接するリップ部と、を含んで構成されたドアガラスラン構造であって、前記ドアガラスラン本体は、その内側に基底部及び両側部から成る略コ字状断面の本体部分を備えていると共に当該基底部及び両側部の外側に積層部分を備えており、前記積層部分の硬度を前記本体部分の硬度よりも相対的に低くし、かつ前記積層部分の表面粗さをRz10μm以下に設定した、ことを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の本発明に係るドアガラスラン構造は、チャンネル状に形成されたドアサッシュに嵌着される略コ字状断面のドアガラスラン本体と、このドアガラスラン本体の両側部から中央側へ向けて各々延出されてドアガラスに摺接するリップ部と、を含んで構成されたドアガラスラン構造であって、前記ドアガラスラン本体は、その内側に基底部及び両側部から成る略コ字状断面の本体部分を備えていると共に当該基底部及び両側部の外側に積層部分を備えており、前記積層部分の硬度を前記本体部分の硬度よりも相対的に低くし、かつ前記積層部分にシリコンオイルを配合した、ことを特徴としている。
【0011】
請求項1記載の本発明によれば、ドアガラスラン本体は、その内側に基底部及び両側部から成る略コ字状断面の本体部分を備えていると共に当該基底部及び両側部の外側に積層部分を備えており、積層部分の硬度が本体部分の硬度よりも相対的に低いため、ドアガラスラン本体はドアサッシュの表面の凹凸に馴染み易くなる。このため、ドアサッシュとドアガラスラン本体との間に作用する摺動抵抗(静摩擦抵抗)は、ドアガラスラン本体とドアガラスとの間に作用する摺動抵抗(静摩擦抵抗)よりも高くなる。従って、ドアガラス摺動時にドアガラスランの組付位置がずれるのを抑制又は防止することができる。
【0012】
さらに、本発明では、前記構成としたので、即ち逆に解すれば、ドアガラスラン本体の内側に形成され基底部及び両側部から成る略コ字状断面の本体部分の硬度は、当該基底部及び両側部の外側に形成された積層部分の硬度よりも相対的に高いため、ドアガラスラン本体の剛性も確保される。このため、ドアガラス摺動時にドアガラスラン本体の寸法が変化することを抑制又は防止することができる。
【0013】
請求項2記載の本発明によれば、ドアガラスラン本体は、その内側に基底部及び両側部から成る略コ字状断面の本体部分を備えていると共に当該基底部及び両側部の外側に積層部分を備えており、積層部分の硬度が本体部分の硬度よりも相対的に低いため、ドアガラスラン本体はドアサッシュの表面の凹凸に馴染み易くなる。このため、ドアサッシュとドアガラスラン本体との間に作用する摺動抵抗(静摩擦抵抗)は、ドアガラスラン本体とドアガラスとの間に作用する摺動抵抗(静摩擦抵抗)よりも高くなる。従って、ドアガラス摺動時にドアガラスランの組付位置がずれるのを抑制又は防止することができる。
【0014】
さらに、本発明では、前記構成としたので、即ち逆に解すれば、ドアガラスラン本体の内側に形成され基底部及び両側部から成る略コ字状断面の本体部分の硬度は、当該基底部及び両側部の外側に形成された積層部分の硬度よりも相対的に高いため、ドアガラスラン本体の剛性も確保される。このため、ドアガラス摺動時にドアガラスラン本体の寸法が変化することを抑制又は防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、図1及び図2を用いて、本発明に係るドアガラスラン構造の第1実施形態について説明する。
【0017】
図2には、4ドアタイプの自動車10の側面図が示されている。この図に示されるように、サイドドア12は、車体側部を構成すると共にドアガラス14を昇降させるウインドレギュレータ(図示省略)等が収容されたドア本体16と、このドア本体16の上部に設けられたチャンネル状のドアサッシュ18と、を含んで構成されている。
【0018】
図1には、上記ドアサッシュ18のA線矢視部の拡大横断面図が示されている。なお、図1に付記された矢印FRは車両前方側を示しており、矢印INは車両室内側を示している。
【0019】
この図に示されるように、ドアサッシュ18の内側には、押出し成形によって長尺状に形成されたゴム製のドアガラスラン20が嵌着されている。ドアガラスラン20は、略コ字状に形成されており、基底部22A及び一対の両側部22Bから成るドアガラスラン本体22と、このドアガラスラン本体22の両側部22Bの先端部から中央側へそれぞれ延出された湾曲形状の一対のリップ部24、26と、によって構成されている。さらに、基底部22Aの両端部及び一方の側部22B(車両室外側に位置される側部22B)の外側面には、ドアガラスラン本体22がドアサッシュ18から抜けるのを防止するための抜止め部28が形成されている。
【0020】
上記ドアガラスラン20における一対のリップ部24、26の間には、ドアガラス14の周縁部14Aが一対のリップ部24、26が有する弾性復元力に抗して挿入されている。これにより、ドアガラス14の周縁部14Aに一対のリップ部24、26が弾性的に圧接され、ドアサッシュ18とドアガラス14の周縁部14Aとの間がシールされている。
【0021】
ここで、上述したドアガラスラン本体22は、硬度が異なる二種類の材料によって構成されている。具体的に説明すると、ドアガラスラン本体22の基底部22Aの本体部分22A1及び一対の両側部22Bの本体部分22B1は、熱可塑性オレフィン系材料(TPO)によって構成されている。一方、ドアガラスラン本体22の基底部22Aの外側に積層された積層部分22A2及び一対の両側部22Bの外側の全部又は一部に積層された積層部分22B2は、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体材料(EPDM)によって構成されている。従って、後者は前者に対して相対的に硬度が低くなっている。ちなみに、後者の硬度はショアD硬度25度以上40度未満にするのが好ましく、前者の硬度はショアD硬度40度以上60度以下にするのが好ましい。
【0023】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0024】
本実施形態に係るドアガラスラン構造では、ドアガラスラン本体22の基底部22Aの本体部分22A1及び一対の両側部22Bの本体部分22B1については熱可塑性オレフィン系材料(TPO)によって構成すると共に、ドアガラスラン本体22の基底部22Aの外側に積層された積層部分22A2及び一対の両側部22Bの外側の全部又は一部に積層された積層部分22B2についてはエチレン・プロピレン・ジエン共重合体材料(EPDM)によって構成したので、後者の硬度が前者の硬度よりも相対的に低くなる。このため、ドアガラスラン本体22の積層部分22A2、22B2は、ドアサッシュ18の表面の凹凸に馴染み易い。従って、ドアサッシュ18とドアガラスラン本体22との間に作用する摺動抵抗(静摩擦抵抗)は、ドアガラスラン本体22とドアガラス14との間に作用する摺動抵抗(静摩擦抵抗)よりも高くなる。その結果、ドアガラス摺動時にドアガラスラン20の組付位置が正規の組付位置からずれるのを抑制又は防止することができる。
【0025】
さらに、本実施形態に係るドアガラスラン構造では、前記構成としたので、ドアガラスラン本体22の剛性は基底部22Aの本体部分22A1及び一対の両側部22Bの本体部分22B1によって確保される。このため、ドアガラス摺動時にドアガラスラン本体22の寸法が変化することを抑制又は防止することができる。
【0026】
総じて言えば、本実施形態に係るドアガラスラン構造によれば、ドアガラスラン20の組付位置のずれ防止とドアガラスラン20の寸法変化防止とを両立させることができる。
【0027】
また、本実施形態に係るドアガラスラン構造では、ドアガラスラン本体22の基底部22Aの本体部分22A1及び一対の両側部22Bの本体部分22B1の硬度をショアD硬度40度以上60度以下とし、ドアガラスラン本体22の基底部22Aの積層部分22A2及び一対の両側部22Bの積層部分22B2の硬度をショアD硬度25度以上40度未満にしたので、ドアサッシュ18とドアガラスラン20との間に作用する摺動抵抗を確実に高めることができると共に、ドアガラス摺動時のドアガラスラン20の剛性を確実に確保することができる。
【0028】
なお、本実施形態に係るドアガラスラン構造では、ドアガラスラン本体22の基底部22Aの積層部分22A2及び一対の両側部22Bの積層部分22B2をエチレン・プロピレン・ジエン共重合体材料(EPDM)によって構成したが、これに限らず、相対的に軟らかくて静摩擦抵抗が高い材料であればすべて適用可能である。
【0029】
〔第2実施形態〕
以下、図3及び図4を用いて、本発明に係るドアガラスラン構造の第2実施形態について説明する。
【0030】
本実施形態の基本的な構成は、前述した図1に示した第1実施形態と同様である。また、積層部分22A2、22B2の硬度の設定(数値)及び本体部分22A1、22B1の硬度の設定(数値)も、前述した第1実施形態と同様である。
【0031】
ここで、本実施形態では、積層部分22A2、22B2の材料として本体部分22A1、22B1と同じTPO材料を用いつつ、EPDM材料の配合比率を大きくすることで、当該積層部分22A2、22B2を柔らかくした点に特徴がある。ちなみに、EPDM材料の配合比率を60〜90%程度にするのが好ましい。
【0032】
図3には通常のTPO材料の配合状態のイメージ図が示されており、本体部分22A1、22B1に相当する部分である。一方、図4にはEPDMリッチな材料の配合状態のイメージ図が示されており、積層部分22A2、22B2に相当する部分である。
【0033】
上記構成のドアガラスラン構造によっても、性質的には前述した第1実施形態を踏襲しているので、同様の効果、即ちドアガラスラン20の組付位置のずれ防止とドアガラスラン20の寸法変化防止とを両立させることができる。
【0034】
〔第3実施形態〕
以下、本発明に係るドアガラスラン構造の第3実施形態について説明する。
【0035】
本実施形態の基本的な構成は、前述した第2実施形態と同様である。従って、積層部分22A2、22B2にTPO材料を用いつつ、EPDM材料の配合比率を大きくすることで、当該積層部分22A2、22B2を柔らかくしている。なお、積層部分22A2、22B2の硬度の設定(数値)及び本体部分22A1、22B1の硬度の設定(数値)も、前述した第2実施形態と同様である。
【0036】
ここで、本実施形態では、積層部分22A2、22B2を単に軟らかい材料で構成するだけではなく、表面が滑らかな材料によって構成した点に特徴がある。具体的には、積層部分22A2、22B2のEPDM材料の配合比率を大きくすることに加え、一例として、添加剤の球径(体積)を小さくして表面を滑らかな性状にする方法が採られている。なお、表面粗さは、Rzで10μm以下に設定するのが好ましい。
【0037】
上記構成のドアガラスラン構造によっても、性質的には前述した第1実施形態を踏襲しているので、同様の効果、即ちドアガラスラン20の組付位置のずれ防止とドアガラスラン20の寸法変化防止とを両立させることができる。加えて、積層部分22A2、22B2の表面を滑らかにすると、ドアガラス14の進入によってドアガラスラン本体22がドアサッシュ18に押し付けられた際にドアサッシュ18の表面に密着し、静摩擦抵抗が大きくなる。従って、前述した第1実施形態や第2実施形態よりも、静摩擦抵抗を大きくすることが可能である。
【0038】
〔第4実施形態〕
以下、本発明に係るドアガラスラン構造の第4実施形態について説明する。
【0039】
前述した第3実施形態では、積層部分22A2、22B2のTPO材料にEPDM材料を多く配合することで材料を軟らかくしたが、本実施形態では、TPO材料にシリコンオイルを多く配合することで材料を軟らかくした点に特徴がある。なお、シリコンオイルの配合比率は、1.5%以上にするのが好ましい。その他の構成(表面を滑らかにする点等)は、前述した第3実施形態と同様である。
【0040】
上記構成の本実施形態によっても、性質的には前述した第1実施形態を踏襲しているので、同様の効果、即ちドアガラスラン20の組付位置のずれ防止とドアガラスラン20の寸法変化防止とを両立させることができる。さらに、第3実施形態で説明したように、積層部分22A2、22B2の表面を滑らかにすると、ドアガラス14の進入によってドアガラスラン本体22がドアサッシュ18に押し付けられた際にドアサッシュ18の表面に密着し、静摩擦抵抗が大きくなる。従って、前述した第1実施形態や第2実施形態よりも、静摩擦抵抗を大きくすることが可能である。
【0041】
加えて、本実施形態によれば、シリコンオイルは配合比率を大きくすると、表面に染み出す性質がある。また、シリコンオイルは粘度が非常に高いという性質もある。従って、シリコンオイルの配合比率を大きくして表面に染み出させることにより、当該表面にシリコンオイルの薄い層が形成される。その結果、ドアガラスラン本体22とドアサッシュ18との間に作用する摺動抵抗(静摩擦抵抗)を非常に大きくすることができるという利点がある。
【0042】
〔第5実施形態〕
以下、図5を用いて、本発明に係るドアガラスラン構造の第5実施形態について説明する。
【0043】
この実施形態では、ドアガラスラン本体22の基底部22Cの形状を波形に形成した点に特徴がある。より具体的に説明すると、本実施形態における基底部22Cも前述した各実施形態と同様に本体部分22C1と積層部分22C2とによって構成されているが、その全体が波形形状を成している。これにより、基底部22Cは、ドアサッシュ18の幅方向に伸縮可能とされている。また、基底部22Cが伸長した際に、相互干渉によって基底部22Cの伸長動作が妨げられるのを防止するため、本体部分22C1の内側面に一体形成されたリブ状の突起部30の間隔はある程度離されている。
【0044】
なお、上記構成の本実施形態は、前述した第1実施形態〜第4実施形態の構成に付加される形で適用される。
【0045】
上記構成のドアガラスラン構造によれば、ドアガラスラン本体22の基底部22Cの形状が波形形状とされているため、ドアガラス14がドアガラスラン本体22内へ進入すると、基底部22Cがドアサッシュ18側へ押し付けられ、ドアサッシュ18の幅方向(左右方向)に伸びる。これに伴い、基底部22Cの両端部及び一方の側部22Bの外側面に設けられた抜止め部28がドアサッシュ18の内側の側面へ向けて広がり、当該内側の側面に接触する。これにより、積層部分22A2、22B2がより強くドアサッシュ18の内側の側面に押し付けられる。従って、ドアサッシュ18とドアガラスラン本体22との間に作用する摺動抵抗(静摩擦抵抗)をより一層高めることができる。その結果、ドアガラス摺動時にドアガラスラン20の組付位置が正規の組付位置からずれるのをより一層効果的に抑制又は防止することができる。
【0046】
しかも、本実施形態に係るドアガラスラン構造では、ドアガラスラン本体22の基底部22Cが伸びることにより、当該基底部22Cの形状がドアサッシュ18に押し付けられた状態で定まるので、ドアガラスラン20がドアサッシュ18から外れる可能性を殆ど皆無にすることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係るドアガラスラン構造は、ドアガラスラン本体は、その内側に基底部及び両側部から成る略コ字状断面の本体部分を備えていると共に当該基底部及び両側部の外側に積層部分を備えており、積層部分の硬度を本体部分の硬度よりも相対的に低くしたので、ドアサッシュとドアガラスランとの摺動抵抗を相対的に高くすることができると共にドアガラスラン本体の剛性も確保することができ、その結果、ドアガラスランの組付位置のずれ防止とドアガラスランの寸法変化防止とを両立させることができるという優れた効果を有する。
また、本発明によれば、積層部分の表面粗さをRz10μm以下に設定したので、積層部分の表面が滑らかになる。このため、ドアガラスの進入によってドアガラスラン本体がドアサッシュに押し付けられた際にドアサッシュの表面に密着し、静摩擦抵抗を大きくすることができるという優れた効果を有する。
【0048】
請求項2記載の本発明に係るドアガラスラン構造は、ドアガラスラン本体は、その内側に基底部及び両側部から成る略コ字状断面の本体部分を備えていると共に当該基底部及び両側部の外側に積層部分を備えており、積層部分の硬度を本体部分の硬度よりも相対的に低くしたので、ドアサッシュとドアガラスランとの摺動抵抗を相対的に高くすることができると共にドアガラスラン本体の剛性も確保することができ、その結果、ドアガラスランの組付位置のずれ防止とドアガラスランの寸法変化防止とを両立させることができるという優れた効果を有する。
また、本発明によれば、積層部分にシリコンオイルを配合したので、以下の作用・効果が得られる。すなわち、シリコンオイルは配合比率を大きくすると、表面に染み出す性質がある。また、シリコンオイルは粘度が非常に高いという性質もある。従って、積層部分におけるシリコンオイルの配合比率を大きくして表面に染み出させることにより、当該表面にシリコンオイルの薄い層が形成される。その結果、ドアガラスラン本体とドアサッシュとの間に作用する摺動抵抗(静摩擦抵抗)を非常に大きくすることができるという優れた効果を有する。
【0049】
請求項3記載の本発明に係るドアガラスラン構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、ドアサッシュとの接触部位の硬度又はドアサッシュとの対向部位の硬度をショアD硬度25度以上40度未満にすると共に、ドアサッシュとの非接触部位又はドアガラスとの対向部位の硬度をショアD硬度40度以上60度以下としたので、ドアガラスランの組付位置のずれ防止とドアガラスランの寸法変化防止とを高い精度で両立させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るドアガラスラン構造を示す図2のA線矢視部の横断面図である。
【図2】ドアサッシュを有する自動車の側面図である。
【図3】第2実施形態の説明図であり、通常のTPO材料の配合状態のイメージ図である。
【図4】第2実施形態の説明図であり、EPDMリッチな材料の配合状態のイメージ図である。
【図5】第5実施形態に係るドアガラスラン構造を示す図1に対応する横断面図である。
【符号の説明】
14 ドアガラス
18 ドアサッシュ
20 ドアガラスラン
22 ドアガラスラン本体
22A1 本体部分
(ドアサッシュとの非接触部位、ドアガラスとの対向部位)
22A2 積層部分
(ドアサッシュとの接触部位、ドアサッシュとの対向部位)
22B 両側部
22B1 本体部分
(ドアサッシュとの非接触部位、ドアガラスとの対向部位)
22B2 積層部分
(ドアサッシュとの接触部位、ドアサッシュとの対向部位)
24 リップ部
26 リップ部
22C1 本体部分
(ドアサッシュとの非接触部位、ドアガラスとの対向部位)
22C2 積層部分
(ドアサッシュとの接触部位、ドアサッシュとの対向部位)
Claims (2)
- チャンネル状に形成されたドアサッシュに嵌着される略コ字状断面のドアガラスラン本体と、このドアガラスラン本体の両側部から中央側へ向けて各々延出されてドアガラスに摺接するリップ部と、を含んで構成されたドアガラスラン構造であって、
前記ドアガラスラン本体は、その内側に基底部及び両側部から成る略コ字状断面の本体部分を備えていると共に当該基底部及び両側部の外側に積層部分を備えており、
前記積層部分の硬度を前記本体部分の硬度よりも相対的に低くし、
かつ前記積層部分の表面粗さをRz10μm以下に設定した、
ことを特徴とするドアガラスラン構造。 - チャンネル状に形成されたドアサッシュに嵌着される略コ字状断面のドアガラスラン本体と、このドアガラスラン本体の両側部から中央側へ向けて各々延出されてドアガラスに摺接するリップ部と、を含んで構成されたドアガラスラン構造であって、
前記ドアガラスラン本体は、その内側に基底部及び両側部から成る略コ字状断面の本体部分を備えていると共に当該基底部及び両側部の外側に積層部分を備えており、
前記積層部分の硬度を前記本体部分の硬度よりも相対的に低くし、
かつ前記積層部分にシリコンオイルを配合した、
ことを特徴とするドアガラスラン構造。
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