JP4134642B2 - 定着器、及び、それを備える画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、定着媒体を加熱定着する定着部材を備えた定着器において、当該定着部材の温度測定の精度向上のための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、定着器の定着部材の温度制御をする際に、当該定着部材の温度を非接触の温度センサで測定しながら制御する技術は公知となっている。
例えば特開平10−78728号公報では、非接触の温度センサとして、サーモパイルを使ったものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特開平10−78728号公報の構成では、サーモパイルの素子ごとのバラツキ(製品間のバラツキ)が大きく、出力電圧に素子間で±20%程度のバラツキが出ることもあった。
従って、このようなバラツキが測定の際の誤差の要因となって、精度の良い温度測定ができず、温度制御の精度を向上できない原因となっていたのである。
【0004】
また、サーモパイルから出力される電圧は数十mVと微弱であり、増幅回路で増幅する必要があるが、温度ドリフトなどにより測定精度を向上させることが難しいという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、◆請求項1の発明においては、定着媒体を加熱定着する定着器において、前記定着媒体に接触し、加熱する定着部材と、前記定着部材に非接触に設置され、前記定着部材から放射される赤外線に基づいて前記定着部材の温度を検出する、第一温度検出手段と、前記定着部材の温度を検出する、前記第一温度検出手段とは別個に設けられた第二温度検出手段と、を備え、前記第一温度検出手段は、第一温度検出手段自体の温度を検出する内部温度検出手段及び、前記定着部材から放射される赤外線を受光し、その受光量に応じたレベルの電気信号を出力する赤外線検出手段を少なくとも有してなり、更に、予め用意されている、前記赤外線検出手段の理想出力値と、前記内部温度検出手段による検出温度と、定着部材の実際の温度との関係、及び、前記赤外線検出手段の実際の出力値と、前記理想出力値との関係に基づいて、前記定着部材の温度を決定する温度決定手段と、前記赤外線検出手段、前記第二温度検出手段、および前記内部温度検出手段のそれぞれの出力値の組を、少なくとも二組以上記憶するとともに、前記定着部材の温度、前記赤外線検出手段の理想出力値、及び、前記内部温度検出手段の出力値、の三者間の対応テーブル、及び、前記赤外線検出手段の実際の出力値と前記理想出力値とを互いに異なる対応関係で関連付けた複数の補正テーブルを記憶する記憶手段とを備え、前記温度決定手段は、前記記憶手段に記憶された各組の出力値のそれぞれについて、前記補正テーブル群から以下の(1)(2)の方法によって選択された補正テーブルに基づいて、実際の赤外線検出手段の出力値を前記理想出力値に変換することによって補正し、各組ごとに算出された理想出力値の平均値と前記内部温度検出手段の出力値とに基づいて、前記対応テーブルから得られた定着部材の温度を、当該定着部材の温度として決定するものである。
(1)前記第二温度検出手段の出力値として得られる前記定着部材の温度と、前記内部温度検出手段の出力値とから、それに対応する前記赤外線検出手段の理想出力値を前記対応テーブルに基づいて得る。
(2)そして、(1)により得られた理想出力値と赤外線検出手段の実際の出力値との対応関係を前記補正テーブル群から探索し、探索された当該対応関係が属する補正テーブルを選択する。
【0007】
この構成により、第一温度検出手段の出力値を補正して温度算出を行うので、定着部材の正確な温度を得ることができる。
また、赤外線検出手段の実際の出力値と理想出力値との関係を用いることで、赤外線検出手段の素子ごとのバラツキを補正でき、精度の良い温度測定が行える。また、定着部材ごとの赤外線放射率のバラツキを補正でき、この点においても精度の良い温度測定を行うことができる。
さらに、対応テーブルと補正テーブルとを記憶手段に記憶させておくことで、補正の処理はテーブルに値を当てはめるのみでよい。従って、前記温度決定手段の処理負担が軽減される。
加えて、一回のみの測定結果のみならず複数回分の測定結果を考慮して赤外線検出手段の出力値の補正を行うことになるから、測定回ごとのバラツキの影響が抑制され、赤外線検出手段の出力値の補正を一層精度良く行うことができる。
【0008】
◆請求項2の発明においては、定着媒体を加熱定着する定着器において、前記定着媒体に接触し、加熱する定着部材と、前記定着部材に非接触に設置され、前記定着部材から放射される赤外線に基づいて前記定着部材の温度を検出する、第一温度検出手段と、前記定着部材の温度を検出する、前記第一温度検出手段とは別個に設けられた第二温度検出手段と、を備え、前記第一温度検出手段は、第一温度検出手段自体の温度を検出する内部温度検出手段及び、前記定着部材から放射される赤外線を受光し、その受光量に応じたレベルの電気信号を出力する赤外線検出手段を少なくとも有してなり、更に、予め用意されている、前記赤外線検出手段の理想出力値と、前記内部温度検出手段による検出温度と、定着部材の実際の温度との関係、及び、前記赤外線検出手段の実際の出力値と、前記理想出力値との関係に基づいて、前記定着部材の温度を決定する温度決定手段と、前記赤外線検出手段、前記第二温度検出手段、および前記内部温度検出手段のそれぞれの出力値の組を、少なくとも二組以上記憶するとともに、前記定着部材の温度、前記赤外線検出手段の理想出力値、及び、前記内部温度検出手段の出力値、の三者間の対応関係式、及び、前記赤外線検出手段の実際の出力値と前記理想出力値との対応を表す複数の補正関係式を記憶する記憶手段とを備え、前記温度決定手段は、前記記憶手段に記憶された各組の出力値のそれぞれについて、前記補正関係式群から以下の(1)(2)の方法によって選択された補正関係式を用いて、実際の赤外線検出手段の出力値を前記理想出力値に変換することによって補正し、各組ごとに算出された理想出力値の平均値と前記内部温度検出手段の出力値とに基づいて、前記対応関係式から得られた定着部材の温度を、当該定着部材の温度として決定するものである。
(1)前記第二温度検出手段の出力値として得られる前記定着部材の温度と、前記内部温度検出手段の出力値とから、それに対応する前記赤外線検出手段の理想出力値を前記対応関係式に基づいて得る。
(2)そして、(1)により得られた理想出力値と赤外線検出手段の実際の出力値との対応関係に最も近い対応関係を表す補正関係式を、前記補正関係式群から選択する。
【0009】
この構成により、第一温度検出手段の出力値を補正して温度算出を行うので、定着部材の正確な温度を得ることができる。
また、赤外線検出手段の実際の出力値と理想出力値との関係を用いることで、赤外線検出手段の素子ごとのバラツキを補正でき、精度の良い温度測定が行える。また、定着部材ごとの赤外線放射率のバラツキを補正でき、この点においても精度の良い温度測定を行うことができる。
さらに、対応関係と補正関係について、個々の値同士の関係をテーブル形式で予め記憶させておく必要がないので、記憶容量の小さい記憶手段を用いることができ、記憶手段のコストを節減できる。
加えて、一回のみの測定結果のみならず複数回分の測定結果を考慮して赤外線検出手段の出力値の補正を行うことになるから、測定回ごとのバラツキの影響が抑制され、赤外線検出手段の出力値の補正を一層精度良く行うことができる。
【0010】
◆請求項3の発明においては、前記赤外線検出手段、前記内部温度検出手段、前記第二温度検出手段の検出が行われるごとに、前記記憶手段において、最も過去に記憶された検出値の組が消去されるとともに当該検出における新しい検出値の組が新しく記憶されるものである。
【0011】
記憶手段において、測定回ごとに最も古い検出値が消去され、その度に新しい検出値が記憶される構成となるから、定着部材などの経年変化による検出値への影響にも対応した補正を行うことができる。従って、定着器を長期間使用した場合でも定着部材の温度測定の精度が低下することがない。
【0012】
◆請求項4の発明においては、前記補正テーブルの選択、前記補正関係式の選択、または前記演算式の決定は、前記定着部材の温度が上昇された状態であって、かつ、前記定着媒体が該定着部材に接触する前の段階で行われるものである。
【0013】
従って、定着部材が定着媒体に熱を奪われることによる温度低下が、前記補正テーブルの選択、前記補正関係式の選択、または前記演算式の決定に影響しない。従って、適切な選択あるいは決定を行うことができ、定着部材の温度測定の精度がより一層向上する。
【0014】
◆請求項5の発明においては、前記温度決定手段で補正された温度に従い前記定着部材の温度制御を行う温度制御手段を備えたものである。
【0015】
この構成により、第一温度検出手段の出力値を補正して温度測定を精度良く行いながら温度制御をすることで、定着部材の温度制御を正確かつ適切に行える。この結果、定着媒体を確実に定着させることができる。
【0016】
◆請求項6の発明においては、前記第二温度検出手段は、前記定着部材の表面のうち、前記定着媒体が通過する領域外の部位の温度を検出するよう構成したものである。
【0017】
従って、定着器の長期間の使用によって多数の定着媒体が定着部材に接触しても、第二温度検出手段の測定部位がそれによって損耗することはない。従って、そのような損耗による第二温度検出手段の測定誤差も防止されるので、第一温度検出手段の出力値の補正を適切に行うことができる。
【0018】
◆請求項7の発明においては、前記第二温度検出手段は接触式のセンサであるものである。
【0019】
この構成によると、第二温度検出手段の検出値が、定着部材の表面の経年変化の影響を受けにくい。従って、長期間使用しても、前記第一温度手段の出力値の補正を適切に行うことができる。
【0020】
◆請求項8の発明においては、前記第一温度検出手段はサーモパイルであるものである。
【0021】
従って、高感度で高速応答できるサーモパイルを用いることで、定着部材の温度制御を精度良く行うことができる。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
◆請求項9の発明においては、上記定着器を備えて画像形成装置としたものである。
【0037】
従って、定着部材の温度制御を精度良く行えるので、使い勝手の良い画像形成装置を提供できる。
【0038】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るレーザプリンタの全体的な構成を示した側面図である。図2は定着器の構成を示す断面図、図3はサーモパイルの構成を示す分解斜視図である。
【0039】
レーザプリンタ1は、図1に示すように、本体ケーシング2内に、用紙3(本発明の定着媒体に相当する)を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に所定の画像を形成するための画像形成部5を備えている。
フィーダ部4は、その本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板7と、給紙トレイ6の一端部の上方に設けられる給紙ローラ8及び給紙パッド9と、給紙ローラ8に対し用紙3の搬送方向の下流側(以下、用紙3の搬送方向上流側を「上流側」、搬送方向下流側を「下流側」と、それぞれ単に称する場合がある。)に設けられる搬送ローラ10,11と、搬送ローラ10,11に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ12とを備えている。
【0040】
用紙押圧板7は、用紙3を積層状にスタック可能とされ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部を上下方向に移動可能とし、また、その裏側から図示しないバネによって上方向に付勢されている。
用紙押圧板7上の最上位にある用紙3は、用紙押圧板7の裏側から図示しないバネによって給紙ローラ8に向かって押圧され、その給紙ローラ8の回転によって給紙ローラ8と給紙パッド9とで挟まれた後、一枚ごとに給紙される。給紙された用紙3は、搬送ローラ10,11によってレジストローラ12に送られ、用紙3を所定のレジスト後に、画像形成部5に送るようにしている。
【0041】
なお、このフィーダ部4は、さらに、マルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス給紙ローラ15及びマルチパーパス給紙パッド15aとを備えている。マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3は、マルチパーパス給紙ローラ15の回転によってマルチパーパス給紙ローラ15とマルチパーパス給紙パッド15aとで挟まれた後、一枚ごとに給紙される。
【0042】
画像形成部5は、スキャナユニット16、プロセスカートリッジ17、転写ローラ18、および定着器19等を備えている。
スキャナユニット16は本体ケーシング2の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部や、回転駆動されるポリゴンミラー20や、レンズ21,22や、反射鏡23等を備え、この構成で、後述するプロセスカートリッジ17の感光ドラム24の表面上にレーザービームを高速走査にて照射させている。
【0043】
プロセスカートリッジ17は、スキャナユニット16の下方に配設され、本体ケーシング2に対して着脱可能に装着されるように構成されている。このプロセスカートリッジ17は感光ドラム24を備えるとともに、スコロトロン型帯電器、現像ローラ、トナー収容部等(図略)を備えている。
【0044】
トナー収容部には、現像材として、正帯電性の非磁性一成分の重合トナーが充填されており、そのトナーが、現像ローラに一定厚さの薄層として担持される。
一方、感光ドラム24は、前記現像ローラと対向状に回転可能に配設されており、ドラム本体が接地されるとともに、その表面がポリカーボネート等から構成される正帯電性の感光層により形成されている。
【0045】
そして、感光ドラム24の表面は、感光ドラム24の回転に伴って、スコロトロン型帯電器により一様に正帯電された後、スキャナユニット16からのレーザビームの高速走査により露光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成される。その後に感光ドラム24が現像ローラと対向したときに、この現像ローラ上に担持されかつ正帯電されているトナーが、前記感光ドラム24の表面に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム24の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている部分に供給され、選択的に担持されることによって、可視像化され、これによって反転現像が達成される。
【0046】
転写ローラ18は、感光ドラム24の下方において、本体ケーシング2側において回転可能に支持された状態で、感光ドラム24と対向するように配置されており、感光ドラム24上に担持されたトナーで形成されたトナー画像は、用紙3が感光ドラム24と転写ローラ18との間を通る間に用紙3に転写される。トナー画像が転写された用紙3は、搬送ベルト25を介して、以下に述べる定着器19に搬送される。
【0047】
定着器19は、プロセスカートリッジ17の下流側に配設され、ヒートローラ26、プレッシャローラ27、搬送ローラ28を備えている。プレッシャローラ27は、用紙3の搬送経路を挟んでヒートローラ26と対向配置され、ヒートローラ26を押圧する。搬送ローラ28は、プレッシャローラ27および搬送ローラ28の下流側に設けられている。
【0048】
ヒートローラ26は本発明における定着部材に相当するものであって、アルミニウム等の金属素管からなる円筒状のローラ本体32と、ハロゲンランプ33とを備えている。
ハロゲンランプ33は、ローラ本体32内に軸方向に沿って設けられており、図示しない電源から電力が供給されることにより発熱して、それによってローラ本体32を加熱するように構成されている。
【0049】
プレッシャローラ27は、金属製のローラ軸に弾性体からなるローラが被覆された構成とされており、ヒートローラ26を所定の圧力で押圧し、ヒートローラ26との当接部分に、ハロゲンランプ33から発せられた熱を用紙3に伝達するニップを形成する。
【0050】
そして、この定着器19では、プロセスカートリッジ17において用紙3上に転写されたトナー画像を、用紙3がヒートローラ26とプレッシャローラ27との当接部に形成されたニップを通過する間に、加熱定着させるようにしている。また、この定着器19は、定着時にヒートローラ26の表面に付着した用紙3を剥がし取るための剥離爪34を備えている。
【0051】
定着器19においてトナー画像が定着された用紙3は、その後、定着器19の下流側に設けられる搬送ローラ28、および、その搬送ローラ28の下流側に配置される搬送ローラ29及び排紙ローラ30に搬送され、その排紙ローラ30によって排紙トレイ31上に排紙される。
【0052】
前記定着器19は図2に示すように、ヒートローラ26の表面から放出された赤外線を受光して、ヒートローラ26の表面温度を検出するサーモパイル35(第一温度検出手段)を、ヒートローラ26の表面に対して非接触となる位置に備えている。
このサーモパイル35は図3に示すように、サーモパイル素子(赤外線検出手段)350と、このサーモパイル素子350自体の温度を検出するサーミスタ(内部温度検出手段。以下、このサーミスタを「内部サーミスタ」と称する)352とを備えており、これらは赤外線入射口37が開口形成される筒状のキャンケース38内に収納されている。
サーモパイル素子350はヒートローラ26の表面に対し非接触に配置され、このヒートローラ26の表面から放射される赤外線を受光して、その受光量に応じた電圧レベルの電気信号を出力する。
【0053】
このサーモパイル35は、用紙3の搬送方向におけるヒートローラ26とプレッシャローラ27との対向部分よりも上流側に配置される。また、このサーモパイル35の配設位置は、図2に示すように、ヒートローラ26の軸方向において剥離爪34と重ならないように、ヒートローラ26の軸方向(用紙3の搬送方向と直交する方向)の略中央位置となるように定められている。更にはサーモパイル35の向きは、前記赤外線入射口37がヒートローラ26の表面と対向する向きとされている。
【0054】
サーモパイル素子350は略矩形の板状とされ、キャンケース38内において、赤外線入射口37と対向するように配置されている。さらにこのサーモパイル35は、サーモパイル素子350の温度を検出する前記内部サーミスタ352と、サーモパイル素子350が受光した赤外線の受光量に応じた電圧レベルの電気信号を出力する一対の出力ピン412と、内部サーミスタ352がサーモパイル素子350の温度を検出してその温度に応じた電気信号を出力する一対の出力ピン414とを備えている。
【0055】
また、定着器19には、前記サーモパイル35の内部サーミスタ352とは別に、サーミスタ(第二温度検出手段。以下、このサーミスタを「直接測定サーミスタ」と称する)36を備えている。この直接測定サーミスタ36は、前記ヒートローラ26の表面の軸方向端部であって、前記用紙3が通過する領域を外れた部位に取り付けられ、その部位に直接接触して温度を検出するように構成している。
なお、本実施形態のレーザプリンタ1は、B5サイズやA4サイズなど様々な大きさの用紙3に印刷可能とされているが、前記直接測定サーミスタ36は、印刷可能な最大サイズの用紙の通過領域を外れた箇所に取り付けられている。
【0056】
次に、本実施形態のレーザプリンタ1を制御する制御装置について説明する。
【0057】
〔第一参考例〕
次に、第一参考例の制御装置を説明する。
【0058】
第一参考例に係る制御装置は、ブロック図である図4に示すように、中央制御回路110と、ヒータ制御回路120と、センサ制御回路130と、その他の回路140と、を備える。各回路110〜140はバス190によってそれぞれ結ばれている。
【0059】
中央制御回路110は本発明における温度決定手段に相当する。この中央制御回路110は、CPU111、RAM113、ROM114及びNV−RAM115を備えて、各種の制御を実行する。
RAM113には、サーモパイル素子350から出力される電気信号の電圧レベルに関する情報や、前記内部サーミスタ352から出力される電圧レベルの情報や、前記直接測定サーミスタ36から出力される電圧レベルの情報などが記憶される。
ROM114には、メイン制御プログラムや、ヒートローラ26の表面温度を算出する算出プログラム等の各種のプログラムが格納されるほか、後述する対応テーブルや補正テーブル群の内容が記憶されている。
NV−RAM115は、電源をオフにしてもその内容が失われない不揮発性のメモリであって、各種のパラメータが記憶される。
【0060】
ヒータ制御回路120には前述のハロゲンランプ33が接続されており、ハロゲンランプ33は、ROM114に記憶された前記メイン制御プログラムによって、そのオン・オフが制御される。
【0061】
センサ制御回路130にはサーモパイル35が接続されている。このサーモパイル35に備えられたサーモパイル素子350は、赤外線を受光すると、その受光量に応じた電圧レベルの電気信号を出力する。CPU111は制御信号をセンサ制御回路130に送ることで、サーモパイル素子350からの電気信号の電圧レベルをA/D変換して取得することができる。
また、サーモパイル35に備えられた内部サーミスタ352はサーモパイル素子350の温度を検出すると、その温度に応じて抵抗が変化するので、この抵抗の変化に応じた電圧レベルの電気信号が出力される。CPU111は制御信号をセンサ制御回路130に送ることで、内部サーミスタ352からの電気信号の電圧レベルをA/D変換して取得することができる。
更には、前記直接測定サーミスタ36は、ヒートローラ26の温度を検出するとその温度に応じて抵抗が変化するので、当該抵抗の変化に応じた電圧レベルの電気信号が出力される。これについても同様に、CPU111は制御信号をセンサ制御回路130に送ることで、内部サーミスタ352からの電気信号の電圧レベルをA/D変換して取得することができる。
【0062】
次に、本構成における制御フローを、図5を参照して説明する。
プリンタに電源が投入されると、CPU111はROM114からの制御プログラムの読込み等の初期化処理を行ったのち、直ちにヒータ制御回路120に信号を送ってハロゲンランプ33を点灯し、ヒートローラ26を加熱する(ステップ101)。即ち、このステップ101の時点で、定着器19のウォームアップが開始される。
そして、ステップ102〜ステップ103のループに入る。このループでは、前記直接測定サーミスタ36によって前記ヒートローラ26の温度を測定するとともに(ステップ102)、測定された温度がトナーの定着に適した所定の温度(例えば、150℃)に到達したか否かを比較判定する(ステップ103)。ヒートローラ26の温度上昇が不十分である場合には、ハロゲンランプ33の点灯を継続したままステップ102に戻って、改めて直接測定サーミスタ36による温度測定を行う。ヒートローラ26が所定の温度に到達したことが判定されると、このループを抜ける。こうして定着器19のウォームアップが完了し、ヒートローラ26の温度は定着に適した温度まで上昇される。
【0063】
次に、CPU111は、センサ制御回路130に信号を送って、直接測定サーミスタ36、サーモパイル素子350、内部サーミスタ352のそれぞれが出力する電圧レベル(検出値)を測定値として取得し、RAM113に書き込んで記憶する(ステップ104)。
そして、これら三者の測定値から以下に説明する方法で、どの補正テーブルを選択するかを決定し、これをRAM113の適宜の領域に書き込んで記憶する(ステップ105)。
【0064】
この補正テーブルの選択の方法について説明する。
前記ROM114には図6に示すように、前記ヒートローラ26の表面温度、サーモパイル素子350の理想出力電圧、内部サーミスタ352で検出されたサーモパイル素子350自体の温度、の三者の関係を定めるテーブル(対応テーブル)が、予め記憶されている。この表は、サーモパイル素子350の出力電圧が、測定対象物体であるヒートローラ26の温度と、サーモパイル素子350自体の温度の関数になっていること(ステファン・ボルツマンの法則)を、個々の具体的な値の1対1対1の関係として、テーブル形式で表したものとなっている。
【0065】
CPU111はこのテーブルに、前記三者の測定値のうち、内部サーミスタ352の測定値と直接測定サーミスタ36の測定値を当てはめることで、サーモパイル素子350の理想出力電圧を算出する。
例えば、内部サーミスタ352の測定値が38℃であって、直接測定サーミスタ36の測定値(つまり、前記ヒートローラ26の表面温度)が157.1℃であれば、サーモパイル素子350の理想出力電圧は図7のようにして2.72と算出することができる。
【0066】
ここでいうサーモパイル素子350の「理想出力電圧」とは観念的な値であって、平均的なサーモパイル素子が出力することが期待される値として、予め定めた値である。これは、前記ステファン・ボルツマン法則の周知の式を用いて計算した理論的な値を採用しても良いし、複数のサーモパイル素子について出力電圧の測定実験を実際に行って、その測定値の平均を採用してもよい。
前述の例に照らして言えば、サーモパイル素子350自身の温度が38℃(内部サーミスタ352の測定値)であって、かつ、サーモパイル素子350の測定対象たるヒートローラ26の温度が157.1℃(直接測定サーミスタ36の測定値)であれば、当該サーモパイル素子350は理想的には2.72という電圧を出力することが期待されることになる。
【0067】
そしてCPU111は、以上のようにして算出された2.72という値と、サーモパイル素子350の実際の出力電圧(前記ステップ104においてRAM113に保存されているものを読み出して用いる)を基に、ROM114に予め記憶されている複数の補正テーブル群から一つの補正テーブルを選択する。
この補正テーブル群は、サーモパイル素子350の理想出力電圧と実際の出力電圧の関係を定めるものであり、図8のような表となっている。本実施形態では、理想出力電圧と実際の出力電圧のズレ(誤差)の度合いに応じて、1〜8の8つのテーブルが記憶されている。なお、各補正テーブルは理想出力電圧の値を共通にしたデータ構造で記憶されており、ROM114の容量を節約する構成となっている。
「補正テーブル5」は、理想出力電圧と実際の出力電圧の数値が相互に一致しており、両電圧の間にズレがまったくない場合である。
【0068】
CPU111は、前述の算出処理で得られたサーモパイル素子350の理想出力値と、サーモパイル素子350の実際の出力電圧の対応関係が表れる補正テーブルを、8つの補正テーブルから探索する。
前述の例では、サーモパイル素子350の理想出力電圧は2.72である。そしてこのときに実際のサーモパイル素子350の出力電圧が2.75だった場合は、図9に示すように、8つの補正テーブルのうち、理想出力電圧2.72のときに実際の出力電圧が2.75になる「補正テーブル7」を選択すれば良いことが判る。CPU111は、こうして選択された補正テーブルの番号「7」を、RAM113に記憶する。こうしてステップ105の処理が終了する。
【0069】
こうして補正テーブルの選択が終了すると、レーザプリンタ1は「スタンバイ」状態となり、パーソナルコンピュータ等の上位装置からの印刷動作指令が入力されれば直ちに各部の機構を駆動して印字が可能な状態となる。
【0070】
以上のようにレーザプリンタ1が「スタンバイ」状態となった後も、定着器19のヒートローラ26の温度は、上述の定着に適した温度範囲に保たれていなければならない。従って、CPU111はステップ106以降の処理において、定着器19のハロゲンランプ33を随時ON/OFF制御することとしている。
そして、このステップ106以降の処理において、前述のステップ105で選択された補正テーブルが用いられることになる。これを以下説明する。
【0071】
具体的には図5のステップ106において、CPU111は、サーモパイル素子350の出力電圧と内部サーミスタ352の出力電圧を取得して、RAM113に記憶する。
【0072】
そして、得られたサーモパイル素子350の出力電圧を、前述の補正テーブルを使って補正する(ステップ107)。
この補正は、ステップ105でRAM113に記憶された補正テーブルの番号「7」を当該RAM113から読み出すとともに、サーモパイル素子350の出力電圧(ステップ106においてRAM113に記憶されているものを読み出して用いる)を、ROM114に記憶された「補正テーブル7」に当てはめ、サーモパイル素子350の実際の出力電圧に対応する理想出力電圧を得ることで行う。
例えば、サーモパイル素子350の実際の出力電圧(前記ステップ107で取得された測定値)が2.83であった場合、図10に示すように、前記選択された「補正テーブル7」によれば、これに対応する理想出力電圧は2.80である。CPU111は、サーモパイル素子350から得られた実際の測定値2.83を、補正テーブル7によって理想出力電圧2.80に変換することによって、補正する。この変換の処理は、サーモパイル素子毎の測定値のバラツキを補償するという意味合いを有する。
【0073】
そして、この補正によって得られた理想出力電圧2.80と、前記内部サーミスタ352で測定した温度(前述のステップ107でRAM113に記憶されている)を用いて、前述の図6の対応テーブルから、ヒートローラ26の表面温度を取得するのである(ステップ108)。この温度が、ヒートローラ26の温度として決定される。
例えば、理想出力電圧は前述のとおり2.80で、内部サーミスタ352の測定温度が42℃であった場合は、図11のようにして、ヒートローラ26の表面温度を166.0℃と決定することができる。
【0074】
以上のようにして決定されたヒートローラ26の表面温度(166.0℃)が、ヒートローラ26の温度制御に用いられる。即ち、定着に適した温度範囲を予め設定しておき、ヒートローラ26の表面温度が当該温度範囲の上限を上回ったらハロゲンランプ33を消灯させ、温度範囲の下限を下回ったらハロゲンランプ33を点灯させればよい(ステップ109)。
以上のステップ106〜109の処理を反復することで、ヒートローラ26の表面温度を、上記温度範囲の上限と下減の間に保持することができる。
【0075】
以上に示すように、本実施形態の定着器19は、定着媒体たる用紙3に接触して加熱する定着部材であるヒートローラ26を備えるとともに、第一温度検出手段たるサーモパイル35が前記ヒートローラ26に非接触に設置されて、ヒートローラ26から放射される赤外線に基づいて該ヒートローラ26の温度を検出するように構成している。
また、このサーモパイル35とは別個に、前記ヒートローラ26の温度を検出するための、第二温度検出手段たる直接測定サーミスタ36を備えている。
そして、温度決定手段たる前記中央制御回路110(CPU111)は、直接測定サーミスタ36で検出された温度に基づいて、前記サーモパイル35で検出される温度を補正するように構成してある。
【0076】
従って、サーモパイル35の出力値を補正して温度算出を行うので、ヒートローラ26の正確な温度を得ることができる。
【0077】
また、本実施形態の定着器19は、前記中央制御回路110で補正された温度に従って、前記ヒートローラ26の温度制御を行う、温度制御手段としてのヒータ制御回路120を備えている。
【0078】
従って、サーモパイル35の出力値を補正して温度測定を精度良く行いながら温度制御をすることで、ヒートローラ26の温度コントロールを正確かつ適切に行える。この結果、定着器19の消費エネルギーを抑えながら、用紙3にトナーを確実に定着させることができる。
なお、特にこの効果は、適切に定着できる温度範囲が狭いカラートナーを定着させるカラープリンタに有効である。
更には、前記ウォームアップに掛かる時間を短縮することも可能で、電源投入から印刷可能になるまでの時間が短い使い勝手の良いプリンタを提供することができる。
【0079】
更には、本実施形態において、前記直接測定サーミスタ36は図2に示すように、前記ヒートローラ26の表面のうち、前記用紙3が通過する領域外の部位の温度を検出するよう構成している。
【0080】
従って、ヒートローラ26の用紙通過領域を避けた部位の温度が検知されるので、長期間の使用によって多数の用紙3が定着器19を通過しても、当該部位がそれによって損耗することはない。従って、そのような損耗に基づく直接測定サーミスタ36の測定誤差も防止されるので、サーモパイル35の出力値の補正を適切に行うことができる。
【0081】
また、本実施形態の定着器19は、前記直接測定サーミスタ36を接触式のセンサに構成している。
【0082】
従って、直接測定サーミスタ36を非接触の赤外線センサなどとする構成に比して、測定値が、ヒートローラ26の表面の経年変化(特に、放射率の経年変化)の影響を受けにくい。従って、長期間使用しても、前記サーモパイル35の出力値の補正を適切に行うことができる。
【0083】
また、本実施形態においては、ヒートローラ26から放射される赤外線に基づいて当該ヒートローラ26の温度を検出する第一温度検出手段として、サーモパイル35を採用している。
【0084】
従って、高感度で高速応答が可能なサーモパイル35を第一温度検出手段として用いることによって、ヒートローラ26の温度コントロールを精度良く行え、定着器19の消費エネルギーを抑えながら確実に定着させることができる。
【0085】
加えて、本実施形態においては、第一温度検出手段たる前記サーモパイル35は、サーモパイル35自体の温度を検出する内部温度検出手段としての内部サーミスタ352を備える。また更にサーモパイル35は、前記ヒートローラ26から放射される赤外線を受光して、その受光量に応じたレベルの電気信号を出力する、赤外線検出手段としてのサーモパイル素子350を備える。
また、温度決定手段たる前記中央制御回路110(CPU111)は、
予め用意されている、前記サーモパイル素子350の理想出力値、前記内部サーミスタ352の検出温度、及び、前記ヒートローラ26の実際の温度、の関係(前記対応テーブル)、並びに、
予め用意されている、前記サーモパイル素子350の実際の出力値と前記理想出力値との関係(前記補正テーブル)、
に基づいて、前記ヒートローラ26の温度を決定するように構成している。
【0086】
この構成によれば、サーモパイル素子350の実際の出力値と理想出力値との関係を用いることで、サーモパイル素子350の素子ごとのバラツキを補正でき、精度の良い温度測定が行える。
【0087】
なお、本構成によれば、個々のサーモパイル素子350間の上述のバラツキとともに、ヒートローラ26ごとの赤外線放射率のバラツキをも、補正することができる。従って、ヒートローラ26の放射率を測定する特別の機構を装置(定着器19本体またはレーザプリンタ1)に設ける必要もなくなり、また、定着器19を製造する際に、ヒートローラ26の放射率を正確に測定して、それを基に出荷時に調整する必要もなくなることになる。
【0088】
また、本実施形態では、前記ヒートローラ26の温度、前記サーモパイル素子350の理想出力値、及び、前記内部サーミスタ352の出力値、の三者間の対応テーブルを記憶する、記憶手段としてのROM114を備える。
そして、このROM114には、前記サーモパイル素子350の実際の出力値と前記理想出力値とを、互いに異なるズレの度合い(対応関係)で関連付けた、複数の補正テーブルを記憶させている。
更には、前記中央制御回路110(CPU111)は、
(1) 前記直接測定サーミスタ36の出力値として得られるヒートローラ26の温度と、前記内部サーミスタ352の出力値とから、それに対応するサーモパイル素子350の理想出力値を、前記対応テーブルに基づいて得て、
(2) (1)により得られた理想出力値とサーモパイル素子350の実際の出力値との対応関係を前記補正テーブル群から探索し、探索された当該対応関係が属する補正テーブルを選択することにより、補正テーブルを選択し、
前記サーモパイル素子350の実際の出力値を、この選択された補正テーブルを用いて、前記理想出力値に変換することによって補正し、
この理想出力値と前記内部サーミスタ352の出力値とに基づいて前記対応テーブルから得られたヒートローラ26の温度を、当該ヒートローラ26の温度として決定するように構成している。
【0089】
従って、サーモパイル35の素子ごと(製品間)のバラツキ、および、ヒートローラ26ごとの赤外線放射率のバラツキ、の双方を考慮して、サーモパイル35の出力値を補正できる。従って、ヒートローラ26の正確な温度を得ることができ、ヒートローラ26の温度コントロールを精度良く行え、定着器19の消費エネルギーを抑えながら用紙3にトナーを確実に定着させることができる。また、対応テーブルと補正テーブルをROM114に記憶させておくことで、補正の処理はテーブルに値を当てはめるのみで済むこととなるから、CPU111の負担も少なくて済む。
【0090】
更には、前記補正テーブルの選択は、ヒートローラ26の温度が上昇された状態であって、かつ、前記用紙3がヒートローラ26に接触する前の段階で行われるよう構成している。
即ち、レーザプリンタ1における電源投入直後はプリンタは「ウォームアップ状態」になり、ヒートローラ26の温度が適温になり、かつ、補正テーブルが選択された後に、印刷可能な「スタンバイ状態」になる。そして、「ウォームアップ状態」では上位装置から印刷動作指令が送られたとしても、レーザプリンタ1は印刷動作を開始せず、印刷可能な「スタンバイ状態」になるまで待機する。そして、ヒートローラ26の温度が十分に上昇された状態であって、かつ、補正テーブルが選択された後、レーザプリンタ1は「スタンバイ状態」となって印字動作が開始され、初めて用紙3が用紙搬送経路を通過してヒートローラ26に接触することになる。
【0091】
従って、定着器19を用紙3が通過する前の段階で補正テーブルの選択が行われることが確保されるから、ヒートローラ26が用紙3に接触して熱を奪われることによる該ヒートローラ26の用紙3の通過範囲の温度の低下が、補正テーブルの選択の段階では影響しないことになる。従って、適切な補正テーブルを選択でき、サーモパイル35の出力値を適切に補正することが可能で、ヒートローラ26の温度制御を精度良く行うことができる。
【0092】
また、定着器19のヒートローラ26の温度が上昇する前に前記補正をする構成に比しても、ヒートローラ26の実際に使用する(定着を行う)高温の状態での測定値を基にして補正ができるために、補正をより適切に行え、誤差を少なくでき、測定精度をより一層向上できる点で有利である。
【0093】
〔第一実施形態〕
次に、第一実施形態を説明する。
この第一実施形態は、直接測定サーミスタ36、サーモパイル素子350、内部サーミスタ352の測定値を、NV−RAM115に複数組記憶しておくことを特徴とする。
図12は第一実施形態のブロック図、図13は第一実施形態のフロー図である。
図14は第一実施形態の変形例のブロック図である。
【0094】
この第一実施形態においては図12に示すように、NV−RAM115には、前記三者(直接測定サーミスタ36、サーモパイル素子350、内部サーミスタ352)で測定した測定値を、<現在><過去1><過去2>の計三組記憶できるように構成している。<現在>には、今回の測定回において測定された前記三者の値が記憶され、<過去1>には、前回の測定回において測定された前記三者の値が記憶され、<過去2>には、前々回の測定回において測定された前記三者の値が記憶される。
【0095】
この第一実施形態の処理を説明する。
図13のフロー図において、レーザプリンタ1の電源投入後、ヒートローラ26を所定の温度まで加熱する処理(ステップ201〜203)は、上述の第一参考例のステップ101〜103と同様である。
【0096】
次にCPU111はステップ204で、NV−RAM115の記憶内容の更新を行う。
この更新においては、<過去1>に記憶されている前記三者の測定値が、それぞれ<過去2>に書き込まれる。この結果、<過去2>に記憶されていた前記三者の測定値(最も過去に記憶された測定値)は、破棄され消去される。次に、<現在>に記憶されている前記三者の測定値が、それぞれ<過去1>に書き込まれる。
【0097】
次にCPU111はステップ205で、直接測定サーミスタ36、サーモパイル素子350、内部サーミスタ352の三者の測定値を取得し、この値をNV−RAM115の<現在>に書き込む。こうして一回の測定回が完了する。
【0098】
この後、レーザプリンタ1は「スタンバイ」状態となって、印刷動作指令を待機する。なお、この第一実施形態では第一参考例と異なり、「スタンバイ」状態になった後に補正テーブルの選択処理を行うこととしている。
【0099】
「スタンバイ」状態となった後のステップ206では、サーモパイル素子350の測定値、および、内部サーミスタ352の測定値が取得され、RAM113に保存される。これは第一参考例のステップ106と全く同様である。
【0100】
そしてステップ207において、この測定値を、前記NV−RAM115の<現在>に書き込まれている前記三者の値に基づいて補正する。
即ち、NV−RAM115の<現在>に保存されている前記直接測定サーミスタ36の出力値(ヒートローラ26の温度)と、同じく<現在>に保存されている前記内部サーミスタ352の出力値とから、それに対応するサーモパイル素子350の理想出力値を、前記対応テーブルに基づいて得る。これは、直接測定サーミスタ36の出力値と内部サーミスタ352の出力値としてRAM113ではなくNV−RAM115に保存されている記憶内容を用いること以外は、前述の第一参考例のステップ105と同様である。
そして、得られた理想出力値と、NV−RAM115の<現在>に保存されているサーモパイル素子350の実際の出力値との対応関係を、前記補正テーブル群から探索し、探索された当該対応関係が属する補正テーブルを選択する。これも、サーモパイル素子350の実際の出力値としてRAM113ではなくNV−RAM115に保存されている記憶内容を用いること以外は、前述の第一参考例のステップ105と同様である。
次に、こうして選択された補正テーブルを用いて、前記ステップ206でRAM113に保存されたサーモパイル素子350の実際の測定値を、理想出力値に変換する。この処理は、前述の第一参考例のステップ107の処理と全く同様である。こうして得られた補正値(理想出力値)は、RAM113に適宜確保された記憶領域に保存しておく。
【0101】
この補正(補正テーブルの選択と、その選択された補正テーブルを用いた理想出力値への変換)は、前記NV−RAM115の<過去1>に書き込まれている前記三者の値を基にしても行われ(ステップ208)、NV−RAM115の<過去2>に書き込まれている前記三者の値を基にしても行われる(ステップ209)。それぞれの補正の結果(理想出力値)は、RAM113の適宜の記憶領域に保存される。
【0102】
以上の結果、ステップ206でRAM113に保存されたサーモパイル素子350の測定値は、ステップ207〜209において、NV−RAM115に<現在><過去1><過去2>として保存されている三つの測定値(即ち、直近三回の測定回の測定値)を基に、それぞれ異なる補正が行われ、それぞれ異なる三つの補正値(理想出力値)がRAM113に保存される。
次にステップ210において、三つの補正値(理想出力値)の平均を求め、この平均値と内部サーミスタ352の測定温度(ステップ206でRAM113に保存されている)から、ヒートローラ26の表面温度を図6の対応テーブルに従って得るのである。この温度がヒートローラ26の表面温度として決定され、次のステップ211におけるハロゲンランプ33のON/OFF制御に用いられることになる。
【0103】
以上に示すように、この第一実施形態では、記憶手段としてのNV−RAM115が、前記サーモパイル素子350、前記直接測定サーミスタ36、および前記内部サーミスタ352の出力値の組を、<現在><過去1><過去2>の三組記憶するように構成し、
前記NV−RAM115に記憶された各組の出力値のそれぞれについて補正テーブルを選択し、当該選択された補正テーブルに基づいて現在のサーモパイル素子350の出力値を変換した後の理想出力値を算出し、
各組ごとに算出された理想出力値の平均値と前記内部サーミスタ352の出力値とに基づいて、前記対応テーブルから得られたヒートローラ26の温度を、当該ヒートローラ26の温度として決定するように構成している。
【0104】
従って、測定回一回だけでなく三回分の測定値を考慮してサーモパイル素子350の測定値の補正を行うことになるから、測定回ごとの誤差(バラツキ)の影響が抑制され、サーモパイル素子350の出力値の補正を一層精度良く適切に行うことができる。
【0105】
また、第一実施形態の定着器は、前記サーモパイル素子350、前記内部サーミスタ352、前記直接測定サーミスタ36の検出が行われるごとに、記憶手段である前記NV−RAM115において最も過去に記憶された<過去2>の出力値の組が消去され、当該検出における新しい検出値の組が、当該NV−RAM115の<現在>に記憶される構成となっている。
【0106】
従って、測定回ごとに最も古い測定値が消去され、その度に新しい測定値が記憶される構成となるから、ヒートローラ26の経年変化(放射率の変化)による出力値への影響にも対応した補正を行うことができる。従って、長期間使用した場合でもヒートローラ26の温度測定の精度が低下しにくく、適切な温度コントロールを行うことができる。
【0107】
なお、前述の第一実施形態は、直近の三回の測定回の測定値をNV−RAM115に<現在><過去1><過去2>として記憶させる構成となっているが、これに限るものではなく、例えば、<現在><過去>の二回の測定回の測定値のみを記憶させる構成でも良く、逆に、<現在><過去1><過去2><過去3>・・・と、過去のより多くの測定回の測定値をNV−RAM115に記憶させるようにしても構わない。
一般に、多数の測定回の測定値を用いて補正値を求め、その平均を用いるようにすることで、測定回ごとの誤差(バラツキ)の影響は一層抑えられることになる。
【0108】
また、過去の測定回の測定値そのものをNV−RAM115に記憶させる代わりに、図14に(第一実施形態の変形例)として示されるように、選択された補正テーブルの番号をNV−RAM115の<現在><過去1><過去2>に記憶させるようにしても良い。
即ちこの変形例では、第一実施形態のステップ205の部分で、直接測定サーミスタ36、サーモパイル素子350、内部サーミスタ352の三者の測定値をそれぞれ取得して、これら三者の測定値をRAM113に保存するとともに、この三者の測定値を用いて前記第一参考例と全く同様に補正テーブルを選択し、この選択された当該補正テーブルの番号をNV−RAM115の<現在>に記憶させるようにする。
そして、第一実施形態のステップ207〜209の部分では、予め選択されてNV−RAM113の<現在><過去1><過去2>に記憶されている補正テーブルの番号をそれぞれ読み出し、この番号の補正テーブルを用いて、ステップ206で得られたサーモパイル素子350の測定値を補正するのである。このように構成しても、前記第一実施形態と全く同様の効果が得られる。
【0109】
〔第二実施形態〕
次に、第二実施形態を説明する。
この第二実施形態は、前述の対応テーブル・補正テーブルを使う代わりに、予め用意されている対応関係式・補正関係式を用いることを特徴とする。
図15は第二実施形態において、対応関係式を説明するグラフ図、図16は第二実施形態において、補正関係式を説明するグラフ図である。
図17は第二実施形態のフロー図である。
【0110】
即ち、この第二実施形態においては、前述の対応テーブルの代わりに、図15に示すような対応関係式を用いることとしている。この対応関係式は、前記対応テーブル(図6)で示された、ヒートローラ26の表面温度、サーモパイル素子の理想出力電圧、内部サーミスタの検出温度、の三者の関係を、二次曲線の近似式で表したものである。図15には、サーモパイル素子350の温度(内部サーミスタ352の検出温度)が30℃,40℃,50℃の場合の、ヒートローラ26の表面温度yとサーモパイル素子350の理想出力電圧xとの関係が示されている。
【0111】
この対応関係式はROM114に記憶される。具体的には、図15でy=ax2+bx+cの形で表示されている式のそれぞれの係数(a,b,c)を、内部サーミスタ352の検出温度(30℃,40℃,50℃)のそれぞれの場合に対応させて、テーブル形式で記憶させてある。
図15にはサーモパイル素子350の温度(内部サーミスタ352の検出温度)が30℃,40℃,50℃の場合について図示しているが、これに限らない。例えば、前記対応テーブル(図6)は、サーモパイル素子350の理想出力電圧とヒートローラ26の表面温度の関係を、内部サーミスタ352の検出温度の4℃刻み毎で定めている。これと同様に、内部サーミスタ352の検出温度の4℃刻み毎に対応関係式を用意してROM114に記憶させておけば、精度のより高い測定が可能になる。
【0112】
また、この第二実施形態においては、前述の補正テーブルの代わりとして、図16に示すような補正関係式を用いることとしている。
この補正関係式は、前記補正テーブル群(図6)で示された、サーモパイル素子350の理想出力電圧と実際の出力電圧の関係を、二次曲線の近似式で表したものである。
一本の線(一つの補正関係式)が、一つの補正テーブルに対応している。本実施形態では三つの補正関係式(補正関係式1〜3)が用意されているが、より多くの補正関係式を用意する構成でも勿論構わない。
この補正関係式も、ROM114に記憶される。この図16では具体的な補正関係式の内容は示していないが、補正関係式1〜3を前記対応関係式と同様にy=ax2+bx+cの形で表現し、それぞれの係数(a,b,c)の内容を、補正関係式の番号に対応させて、テーブル形式で記憶させることとすればよい。
【0113】
この第二実施形態における処理は、対応テーブルの代わりに対応関係式を、補正テーブルの代わりに補正関係式を、それぞれ用いるほかは、前述の第一参考例と同様である。
【0114】
第二実施形態のフローを、図17に従って説明する。
このフローのステップ301〜304の処理は、前記第一参考例のステップ101〜104と、全く同様である。このステップ301〜304の処理によって、ヒートローラ26は定着に適した温度まで加熱されるとともに、サーモパイル素子350、内部サーミスタ352、直接測定サーミスタ36の測定値が、RAM113に記憶される。
【0115】
そしてステップ305では、サーモパイル素子350の理想出力値を、直接測定サーミスタ36の測定値と、前記内部サーミスタ352の測定値から、前記対応関係式に基づいて算出して得る。
更に、得られたサーモパイル素子350の理想出力値と、サーモパイル素子350の実際の測定値との関係を表すものとして、最も近い補正関係式を、補正関係式1〜3から選択する。
【0116】
ステップ306では、サーモパイル素子350の測定値および内部サーミスタの測定値を取得する。
次に、ステップ307においては、前記ステップ306で得られたサーモパイル素子350の実際の出力値を、前記ステップ305で選択された補正関係式を用いて、前記理想出力値に変換する。
ステップ308においては、この補正後の値(理想出力値)と内部サーミスタ352の測定値とから、前記対応関係式を用いて、ヒートローラ26の温度を算出する。この算出された温度が、ヒートローラ26の温度として決定され、ステップ309におけるハロゲンランプ33のON/OFF制御の判定材料として用いられる。
【0117】
以上に示すように、第二実施形態の定着器は、前記ヒートローラ26の温度、前記サーモパイル素子350の理想出力値、及び、前記内部サーミスタ352の出力値、の三者間を対応づける対応関係式が予め設定されている。
更に、前記サーモパイル素子350の実際の出力値と前記理想出力値との対応を表す複数の補正関係式が設定されている。
また、温度決定手段たる前記中央制御回路110(CPU111)は、
(1)前記直接測定サーミスタ36の出力値として得られる前記ヒートローラ26の温度と、前記内部サーミスタ352の出力値とから、それに対応する前記サーモパイル素子350の理想出力値を前記対応関係式に基づいて算出し、
(2)そして、(1)により得られた理想出力値と前記サーモパイル素子350の実際の出力値との対応関係に最も近い対応関係を表す補正関係式を、前記補正関係式群から選択する
ことによって、補正関係式を選択し、
この補正関係式を用いて、前記サーモパイル素子350の実際の出力値を前記理想出力値に変換することによって補正し、当該理想出力値と前記内部サーミスタ352の出力値とに基づいて前記対応関係式から得られたヒートローラ26の温度を、当該ヒートローラ26の温度として決定するように構成している。
【0118】
従って、サーモパイル35の素子ごと(製品間)のバラツキ、および、ヒートローラ26ごとの赤外線放射率のバラツキ、の双方を考慮して、サーモパイル35の出力値を補正できる。従って、ヒートローラ26の正確な温度を得ることができ、ヒートローラ26の温度コントロールを精度良く行え、定着器19の消費エネルギーを抑えながら用紙3にトナーを確実に定着させることができる。また、対応関係と補正関係について、個々の値同士の1対1の関係をテーブル形式で予め記憶させておく必要がないので、記憶容量の小さいROM114を用いることができ、ROM114のコストが小さくて済む。
【0119】
〔第二参考例〕
次に、第二参考例を説明する。
この第二参考例は、前記第一実施形態と同様に、直接測定サーミスタ36、サーモパイル素子350、内部サーミスタ352の測定値を、NV−RAM115に複数組記憶しておくことを特徴とする。そして更に、このNV−RAM115に記憶された複数組の測定値から適宜の演算式を作成し、サーモパイル素子350の測定値から、この演算式を用いてヒートローラ26の表面温度を算出することを特徴とする。
【0120】
第二参考例のブロック図が図18に、フロー図が図19に、それぞれ示される。
フロー図の図19に沿って説明すると、ステップ401〜405までにおいては、前述の第一実施形態と全く同様の処理を行っている。この結果、ヒートローラ26は定着に適した温度まで加熱されるとともに、サーモパイル素子350、内部サーミスタ352、直接測定サーミスタ36の、それぞれの直近三回の測定回の測定値が、NV−RAM115の<現在><過去1><過去2>に記憶されることとなる。
【0121】
そしてステップ406において、NV−RAM115に保存された前記三回の測定値から、演算式を作成する。
この演算式の作成方法は様々であるが、一例を挙げると、サーモパイル素子350の測定値をx1,内部サーミスタ352の測定値をx2,直接測定サーミスタ36の測定値(即ち、ヒートローラ26の温度)をy,としたときに、y=ax1+bx2+c(a,b,cは未知数)の関係式を設定し、この関係式に前記NV−RAM115の<現在><過去1><過去2>の記憶内容であるサーモパイル素子350の測定値,内部サーミスタ352の測定値,直接測定サーミスタの測定値を、それぞれx1,x2,yに代入する。こうすることで、a,b,cの関係を表す三つの方程式を得ることができるので、この方程式を連立させて解いて、(a,b,c)の解を求めれば良い。
こうして求められた演算式の内容(具体的には、前記(a,b,c)の解の内容)は、RAM113に保存される。
【0122】
この後にプリンタは「スタンバイ」状態になり、ステップ407でサーモパイル素子350及び内部サーミスタ352の測定値を取得した後、ステップ408で、前記演算式のx1にサーモパイル素子350の測定値を、x2に内部サーミスタ352の測定値を、それぞれ代入することで、ヒートローラ26の温度yを求めることができる。ステップ409では、こうして算出されたヒートローラ26の温度yを用いて、ハロゲンランプ33のON/OFFを制御する。
【0123】
以上に示すように、この第二参考例においては、前記サーモパイル35は、サーモパイル35自体(サーモパイル素子350自体)の温度を検出する内部サーミスタ352を有し、更に、前記ヒートローラ26から放射される赤外線を受光し、その受光量に応じたレベルの電気信号を出力するサーモパイル素子350と、を有する。
そして、前記記憶手段であるNV−RAM115は、前記サーモパイル素子350の出力値、前記内部サーミスタ352による検出温度、及び、前記直接測定サーミスタ36による検出温度の組を、<現在><過去1><過去2>の三組以上記憶するように構成されている。
そして中央制御回路110(CPU111)は、前記のヒートローラ26の温度を決定するための演算式を、前記NV−RAM115に記憶されている三組以上の前記検出結果に基づいて決定し、
前記サーモパイル素子350の現在の出力値、前記内部サーミスタ352による現在の検出温度、及び、前記直接測定サーミスタ36による現在の検出温度から、当該演算式に基づいてヒートローラ26の温度を決定するように構成している。
【0124】
このような構成であるから、サーモパイル35の素子ごとのバラツキ、および、ヒートローラ26ごとの赤外線放射率のバラツキ、の双方を考慮して、サーモパイル35の出力値を補正できる。従って、ヒートローラ26の正確な温度を得ることができ、ヒートローラ26の温度コントロールを精度良く行え、定着器19の消費エネルギーを抑えながら用紙3にトナーを確実に定着させることができる。また、サーモパイル素子350の実際の出力値を理想出力値に補正するステップを省略でき、サーモパイル素子350の出力値と内部サーミスタ352の検出温度から演算式を用いてヒートローラ26の温度を直接算出するように構成されるから、CPU111の処理負担・処理時間を小さくでき、ヒートローラ26の精度の良い温度制御を行える。また、対応関係や補正関係を表や式の形で予め記憶させておく必要もないので、記憶容量の小さいROM114を用いることができ、記憶手段に要するコストが小さくて済む。
【0125】
なお、前記NV−RAM115は、測定値を<現在><過去1><過去2>の三組記憶するように構成しているが、四組以上記憶できるように構成しても構わない。この場合は、前記演算式の決定は、例えば最小二乗法を用いて行えばよい。
【0126】
以上に説明してきたように、前記第一〜第二実施形態及び前記第一〜第二参考例のレーザプリンタ(画像形成装置)は、上述のような定着器を用いて構成されている。
【0127】
この構成によって、定着部材(ヒートローラ26)の温度制御が精度良く行えるから、例えば消費エネルギーを節減でき、あるいはプリンタの電源投入から印字可能な状態になるまでのウォームアップ時間を短縮でき、かつ、定着媒体を確実かつ容易に定着させることができる。
【0128】
〔増幅回路〕
次に、前述の第一〜第二実施形態及び第一〜第二参考例において共通して用いられる増幅回路を説明する。図20はサーモパイルの出力電圧の増幅のための回路図である。
【0129】
この増幅回路は、通常数十mVと微弱であるサーモパイル素子350の出力電圧を増幅するためのものである。仮にこの増幅回路をOPアンプ単独での構成とすると、温度変化により生ずるオフセットドリフト(あるいは、経年変化で生じるオフセットドリフト)が、測定精度に大きな悪影響を及ぼすことになる。この点に鑑み、本実施形態では、図20の回路を使用することとしている。
【0130】
この回路は、サーモパイル素子350の出力する直流をアナログスイッチSwによって交流に変換し、それを二つのOPアンプA1,A2で交流増幅した後、再びアナログスイッチSwで直流に変換するものであり、チョッパアンプの一種を構成している。
二つのOPアンプA1,A2は、その一方A1が動作している間、他方A2はコンデンサC2を使ってゼロ調整を行う。アナログスイッチSwが切り替わると役割が逆転し、動作していたOPアンプA1はコンデンサC1を使ってそのオフセットをキャンセルし、ゼロ調整を行っていたOPアンプA1は電圧の増幅を行うことになる。
【0131】
以上のように、前述の第一〜第二実施形態及び第一〜第二参考例のヒートローラ26の温度を制御する定着器は、ヒートローラ26に対し非接触に設置され、このヒートローラ26から放射される赤外線に基づいて該定着部材の温度を検出する、サーモパイル35を有する。
そして更に、該サーモパイル35から出力される微弱電力を増幅する増幅回路と、この増幅回路の温度ドリフトをキャンセルするための温度補償回路を、図20のように備える。
【0132】
この結果、ヒートローラ26の温度上昇による増幅回路の温度ドリフトが補正されるので、サーモパイル35の出力を適切に増幅でき、ヒートローラ26の精度の良い温度制御が可能になる。
【0133】
また、この定着器は、前記二つのOPアンプとアナログスイッチを含んだ、一体的な半導体(IC)として構成されている。
【0134】
この結果、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0135】
更には、この定着器は、前記増幅回路と温度補償回路を、チョッパアンプで構成している。
【0136】
この結果、温度ドリフトの補償を適切に行うことができる。
【0137】
〔バリエーション〕
以上に四つの実施形態を説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能である。
【0138】
例えば、本実施形態の定着器は、レーザプリンタ1に用いられるものであって、用紙3にトナー(現像剤)を定着させる役割を果たすよう構成している。しかしながらこれに限るものでもなく、例えば、ラミネータの定着器についても本願発明の構成の適用は妨げられない。
また、本実施形態の定着部材はローラ形状としているが、ベルトタイプの定着部材とすることも差し支えない。
また、本実施形態ではヒートローラ26の温度を測定しているが、ヒートローラ26から熱が与えられるプレッシャローラ27の温度はヒートローラ26の温度と相関があるため、プレッシャローラ27の温度を測定するようにしても良い。
【0139】
更には、前記補正テーブルの選択、前記補正関係式の選択、あるいは前記演算式の作成は、前述の四つの実施形態ではプリンタの電源投入時に行われるものとしているが、これに限るものでもない。
例えば、レーザプリンタ1においては、長時間にわたって印刷動作指令が送られて来ない等の特定の条件で、定着器19のハロゲンランプ33を消灯して電力節減を図る「スリープ」状態となる構成をとることがある。この「スリープ」状態で印刷動作指令を受け取った場合は、ハロゲンランプ33を直ちに点灯して「スタンバイ」状態とすることになるが、この際に前記補正テーブルの選択を行うようにしても勿論構わない。
【0140】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、定着部材の温度制御を精度良く行うことができ、定着媒体を確実かつ容易に定着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るレーザプリンタの全体的な構成を示した断面図。
【図2】 定着器の構成を示す断面図。
【図3】 サーモパイルの構成を示す分解斜視図。
【図4】 第一参考例のブロック図。
【図5】 第一参考例のフロー図。
【図6】 対応テーブルの一例を示す図。
【図7】 対応テーブルを用いてサーモパイル素子の理想出力電圧を導出する様子を示す図。
【図8】 補正テーブル群を示す図。
【図9】 サーモパイル素子の理想出力電圧と実際の出力電圧を基に補正テーブルを選択する様子を示す図。
【図10】 選択された補正テーブルを用いて、サーモパイル素子の実際の出力値を理想出力値に変換する様子を示す図。
【図11】 サーモパイルの理想出力値と内部サーミスタの出力値からヒートローラの温度を算出する様子を示す図。
【図12】 第一実施形態のブロック図。
【図13】 第一実施形態のフロー図。
【図14】 第一実施形態の変形例のブロック図。
【図15】 第二実施形態において、対応関係式を説明するグラフ図。
【図16】 第二実施形態において、補正関係式を説明するグラフ図。
【図17】 第二実施形態のフロー図。
【図18】 第二参考例のブロック図。
【図19】 第二参考例のフロー図。
【図20】 サーモパイルの出力電圧の増幅のための回路図。
【符号の説明】
19 定着器
26 ヒートローラ(定着部材)
33 ハロゲンランプ
35 サーモパイル(第一温度検出手段、温度検出手段)
350 サーモパイル素子(赤外線検出手段)
352 内部サーミスタ(内部温度検出手段)
36 直接測定サーミスタ(第二温度検出手段)
110 中央制御回路(温度決定手段)
120 ヒータ制御回路(温度制御手段)
113 RAM(記憶手段)
114 ROM(記憶手段)
115 NV−RAM(記憶手段)
Claims (9)
- 定着媒体を加熱定着する定着器において、
前記定着媒体に接触し、加熱する定着部材と、
前記定着部材に非接触に設置され、前記定着部材から放射される赤外線に基づいて前記定着部材の温度を検出する、第一温度検出手段と、
前記定着部材の温度を検出する、前記第一温度検出手段とは別個に設けられた第二温度検出手段と、
を備え、
前記第一温度検出手段は、第一温度検出手段自体の温度を検出する内部温度検出手段及び、前記定着部材から放射される赤外線を受光し、その受光量に応じたレベルの電気信号を出力する赤外線検出手段を少なくとも有してなり、
更に、予め用意されている、前記赤外線検出手段の理想出力値と、前記内部温度検出手段による検出温度と、定着部材の実際の温度との関係、及び、前記赤外線検出手段の実際の出力値と、前記理想出力値との関係に基づいて、前記定着部材の温度を決定する温度決定手段と、
前記赤外線検出手段、前記第二温度検出手段、および前記内部温度検出手段のそれぞれの出力値の組を、少なくとも二組以上記憶するとともに、前記定着部材の温度、前記赤外線検出手段の理想出力値、及び、前記内部温度検出手段の出力値、の三者間の対応テーブル、及び、前記赤外線検出手段の実際の出力値と前記理想出力値とを互いに異なる対応関係で関連付けた複数の補正テーブルを記憶する記憶手段とを備え、
前記温度決定手段は、
前記記憶手段に記憶された各組の出力値のそれぞれについて、前記補正テーブル群から以下の(1)(2)の方法によって選択された補正テーブルに基づいて、実際の赤外線検出手段の出力値を前記理想出力値に変換することによって補正し、各組ごとに算出された理想出力値の平均値と前記内部温度検出手段の出力値とに基づいて、前記対応テーブルから得られた定着部材の温度を、当該定着部材の温度として決定することを特徴とする、定着器。
(1)前記第二温度検出手段の出力値として得られる前記定着部材の温度と、前記内部温度検出手段の出力値とから、それに対応する前記赤外線検出手段の理想出力値を前記対応テーブルに基づいて得る。
(2)そして、(1)により得られた理想出力値と赤外線検出手段の実際の出力値との対応関係を前記補正テーブル群から探索し、探索された当該対応関係が属する補正テーブルを選択する。 - 定着媒体を加熱定着する定着器において、
前記定着媒体に接触し、加熱する定着部材と、
前記定着部材に非接触に設置され、前記定着部材から放射される赤外線に基づいて前記定着部材の温度を検出する、第一温度検出手段と、
前記定着部材の温度を検出する、前記第一温度検出手段とは別個に設けられた第二温度検出手段と、
を備え、
前記第一温度検出手段は、第一温度検出手段自体の温度を検出する内部温度検出手段及び、前記定着部材から放射される赤外線を受光し、その受光量に応じたレベルの電気信号を出力する赤外線検出手段を少なくとも有してなり、
更に、予め用意されている、前記赤外線検出手段の理想出力値と、前記内部温度検出手段による検出温度と、定着部材の実際の温度との関係、及び、前記赤外線検出手段の実際の出力値と、前記理想出力値との関係に基づいて、前記定着部材の温度を決定する温度決定手段と、
前記赤外線検出手段、前記第二温度検出手段、および前記内部温度検出手段のそれぞれの出力値の組を、少なくとも二組以上記憶するとともに、前記定着部材の温度、前記赤外線検出手段の理想出力値、及び、前記内部温度検出手段の出力値、の三者間の対応関係式、及び、前記赤外線検出手段の実際の出力値と前記理想出力値との対応を表す複数の補正関係式を記憶する記憶手段とを備え、
前記温度決定手段は、
前記記憶手段に記憶された各組の出力値のそれぞれについて、前記補正関係式群から以下の(1)(2)の方法によって選択された補正関係式を用いて、実際の赤外線検出手段の出力値を前記理想出力値に変換することによって補正し、各組ごとに算出された理想出力値の平均値と前記内部温度検出手段の出力値とに基づいて、前記対応関係式から得られた定着部材の温度を、当該定着部材の温度として決定することを特徴とする、定着器。
(1)前記第二温度検出手段の出力値として得られる前記定着部材の温度と、前記内部温度検出手段の出力値とから、それに対応する前記赤外線検出手段の理想出力値を前記対応関係式に基づいて得る。
(2)そして、(1)により得られた理想出力値と赤外線検出手段の実際の出力値との対応関係に最も近い対応関係を表す補正関係式を、前記補正関係式群から選択する。 - 請求項1または請求項2に記載の定着器であって、
前記赤外線検出手段、前記内部温度検出手段、前記第二温度検出手段の検出が行われるごとに、前記記憶手段において、最も過去に記憶された検出値の組が消去されるとともに当該検出における新しい検出値の組が新しく記憶されることを特徴とする、定着器。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の定着器であって、
前記補正テーブルの選択、または前記補正関係式の選択の決定は、前記定着部材の温度が上昇された状態であって、かつ、前記定着媒体が該定着部材に接触する前の段階で行われることを特徴とする、定着器。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の定着器であって、
前記温度決定手段で補正された温度に従い前記定着部材の温度制御を行う温度制御手段を備えたことを特徴とする定着器。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の定着器であって、
前記第二温度検出手段は、前記定着部材の表面のうち、前記定着媒体が通過する領域外の部位の温度を検出するよう構成したことを特徴とする定着器。 - 請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の定着器であって、前記第二温度検出手段は接触式のセンサであることを特徴とする定着器。
- 請求項1から請求項7までの何れか一項に記載の定着器であって、前記第一温度検出手段はサーモパイルであることを特徴とする定着器。
- 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の定着器を備える、画像形成装置。
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