JP4133620B2 - ガラス板に形成された導体のための電気接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス板の面上に形成された導体とリード線とを電気的に接続するガラス板に形成された導体のための電気接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の自動車用窓ガラスには、導電性プリントを利用した様々な昨日が付加されている。例えば、後部窓ガラスにおいては、ガラス面に銀ペーストの焼成体を形成することでAM、FM、TV等の受信を行うアンテナ機能や窓ガラスの曇りを取り除く防曇機能が付与されている。これらの導電性プリントには、外部電源から給電を受けるためのバスバー部が設けられ、バスバー部にJIS−D5403の自動車用平型おす端子PA、PB型に示される形状を有する端子をはんだ付けし、リード線に接続されたコネクタをこの端子に接続することで外部電源と電気的に接続される。
【0003】
図6は、銀ペーストの焼成体63に、端子54をはんだ付けしてリード線50を接続する従来の構造を示す斜視図である。従来は、図示しない外部電源に接続されたリード線50の主端にはコネクタ51が接続されている。よって、コネクタ51と端子54とを接続することにより、銀ペーストの焼成体63とリード線50とを接続することができるようになっている。また、コネクタ51に設けられているスイッチ52を押すことにより端子54からコネクタ51を取り外すことができた。
【0004】
しかし、上述の端子54は、はんだ付けにより銀ペーストの焼成体63へ取り付けられるため、はんだ付けする際、熱衝撃によりガラスの強度を低下させるおそれがあった。
【0005】
また、通常、自動車用窓ガラスに用いられるはんだは鉛を含んでいるため、廃棄処分時に鉛を含むはんだを処理することに手間がかかることや、欧州でのELV(廃棄自動車)指令やWHEE&RoHS(廃棄電気電子機器)指令など各国で鉛を含んだはんだの使用に対する規制が検討され始めており、鉛を含有するはんだを使用できない状況になりつつある。
【0006】
さらに、端子54は、剥き出しの状態でバスバー部に取り付けられているため、外観を悪化させており、意匠上の対応も求められていた。
【0007】
それゆえ、はんだを用いない端子の接続方法が求められており、提案もされている。その一例として、車両のボディフランジに取り付けられたコイルバネを有する接触子に、ガラス面のバスバー部を押し付け、コイルバネの反力によりバスバー部と強固に接触させることにより電気的に接続させる方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、ガラス面のバスバー部に基台を貼着し、バスバー部に介装端子片を接触させ、その上に加圧支体を戴置し、蓋体を基台に嵌合することにより、介装端子片が加圧支体の押圧力によりバスバー部に圧接、保持され、電気的に接続する方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第4707591号明細書(第2−5図)
【特許文献2】
特開平10−40977号公報(第1−4図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1によると、接触子をボディフランジに取り付けるためボディの構造が複雑となり、さらに、ガラス板の曲率形状に個体差があるため、接触子のバスバー部への押付け度合いが変わるため、ボディの設計を複雑にしていた。さらに、ボディとの短絡も考慮する必要があった。
【0011】
特許文献2は、ボディを利用していないため、特許文献1のような課題はないが、基台を接着剤や接着テープを用いてガラス板に接着する構造になっているため、あらかじめ接着部分にプライマーなどの前処理をしておく必要があり、また接着時には接着剤が効果するまでの間、紫外線照射や加熱・加圧処理などが必要なため組み付け時間や工数が多くなり、コストがかかっていた。
【0012】
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、はんだ付けや接着剤を用いずに、機械結合のみでガラス板に形成された導体とリード線とを電気的に接続するガラス板に形成された導体のための電気接続構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、ガラス板の面上に形成された導体と、前記ガラス板に設けられた貫通孔と、前記導体の少なくとも一部に接触する当接部を有する導電性材料からなる接続部材と、前記接続部材を保持する支持部材とを備え、前記支持部材は、前記接続部材をガラス板の面上に保持する本体部と、前記貫通孔に挿入し嵌合する挿入部を有し、前記挿入部が前記貫通孔と嵌合することによる前記支持部材の弾性変形により、前記本体部が前記接続部材を前記導体に押圧し、前記接続部材と前記導体とが電気的に接続していることを特徴とするガラス板に形成された導体のための電気接続構造を提供する。
【0014】
本発明は、支持部材の弾性変形により接続部材をガラス板に形成された導体に押圧することで導体と接続部材とを電気的に接続すること、ガラス板に設けられた貫通孔と支持部材の挿入部とを嵌合させることにより、接着剤を用いずにガラス板と支持部材との機械結合を可能にすることに着目してなされたものである。
【0015】
本発明によれば、ガラス板に設けられた貫通孔と支持部材の挿入部とを嵌合させることにより、支持部材は機械結合のみでガラス板に配設される。また、ガラス板と嵌合した状態での支持部材の弾性変形により、本体部が接続部材の当接部を押圧できるように、支持部材の本体部と挿入部のサイズは、ガラス板の板厚と当接部の厚さとを考慮している。そのため、当接部をガラス板の面上に形成された導体に本体部で押さえつけながら保持することができ、はんだを用いずに導体と当接部とを電気的に接続することができる。また、機械結合のみの接続なので接着剤を用いることもない。
【0016】
また、前記導体は、前記貫通孔の周縁に環状に形成され、前記当接部は、前記導体の環状に形成された部分と接触するよう環状に形成され、前記挿入部が前記当接部の中心の開口を介して前記貫通孔に嵌合されていることが好ましい。
【0017】
すなわち、貫通孔の周縁に環状に導体を形成し、当接部をほぼ同形状の環状に形成し、その中心の開口を介して挿入部と貫通孔を嵌合させることにより、接続部材は支持部材と貫通孔の嵌合を開放しない限り脱落することはなく、スペースも小さくて済む。
【0018】
また、前記挿入部は、前記本体部の反対側に封止部材を有することが好ましい。例えば、ガラス板が自動車のリアガラスの場合、支持部材と貫通孔とを嵌合させると、支持部材の挿入部が外部に露出し見栄えが悪いが、封止部材を設けることにより、支持部材と挿入部との嵌合部分を隠蔽することができ、見栄えが良くなる。
【0019】
また、前記挿入部と前記封止部材とはネジ機構により接続されていることが好ましい。すなわち、封止部材と挿入部とをネジ機構により締結する。さらに封止部材を挿入部に締め込むことにより、本体部を接続部材の当接部に、より強く押圧することができる。
【0020】
また、前記挿入部は、前記本体側の反対側に開口する空間部及び/又は1つ以上の切欠きを有することが好ましい。すなわち、ガラス板に支持部材を嵌合させる際に、貫通孔に挿入部を押し込んでも、挿入部に空間部と切欠きとが設けられているため、挿入部が弾性変形し、貫通孔に容易に押し込むことができる。
【0021】
また、前記支持部材及び/又は前記封止部材は、防水治具設置機構を有し、前記防水治具設置機構に防水治具を設置することにより前記貫通孔からの浸水を防ぐことが好ましい。
【0022】
例えば、導体が形成されたガラス面と反対側の面が雨露に曝される環境で使用される場合、貫通孔からの浸水を防止し、導電性材料からなる接続部材や導体の酸化や錆の発生を防止できる。
【0023】
また、前記接続部材は、前記貫通孔と係合する固定部を有することが好ましい。すなわち、固定部が貫通孔に係合することにより、接続部材の脱落を防止し、ガラス板に接続部材を配置する際の位置決めを容易にする。
【0024】
また、前記支持部材は、前記接続部材の位置ずれを防止する突起及び/又は溝を有することが好ましい。すなわち、ガラス板に接続部材を配置する際の位置決めを容易にし、かつ組み付け後の接続部材の位置ずれを防止することにより、安定した抵抗値が得られる。
【0025】
また、前記当接部は、機械的に弾性を有する形状に加工されていることが好ましい。すなわち、当接部の弾性による反力により、導体により強固に接続し、安定した抵抗値が得られる。
【0026】
また、前記接続部材は、リード線が圧着により接続されている、又はリード線に接続されているコネクタに対応する端子からなる外部接続部を有することが好ましい。
【0027】
また、前記当接部は、表面に金属メッキが施されていることが好ましい。
【0028】
また、前記導体は、銀ペーストの焼成体であることが好ましい。
【0029】
また、前記導体は、車両用窓ガラスに形成されていることが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。実施の形態1は、支持部材の外部接続部がリード線を圧着により接続された本発明の一つの実施の形態であり、実施の形態2は、防水治具設置機構が封止部材側に設けられた本発明の一つの実施の形態であり、実施の形態3は、支持部材の外部接続部がリード線に接続されているコネクタに対応するオス型の端子である本発明の一つの実施の形態である。
【0031】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の分解斜視図であり、図2はガラス板への一部取り付け状態を図1のA−A’断面として示す説明図である。
【0032】
図1、2に示すように、実施の形態1は、貫通孔2の周縁に導体3が形成されたガラス板1と、導体3に接続する接続部材4と、ガラス板1の貫通孔2と勘合し、接続部材4を導体3に押し付けて保持する支持部材5と、導体3が形成されたガラス板1の反対側から支持部材と締結する封止部材6と、貫通孔2からの浸水を防ぐ防水治具7とで構成される。
【0033】
ガラス板1には、表裏両面を貫通する貫通孔2が設けられ、貫通孔2の周縁に、例えば、微細な銀粒子と低融点ガラス粉末と溶媒とからなる銀ペーストをプリントした後、これを焼き付けたものなど、導体3が環状に形成されている。
【0034】
接続部材4は、導電性材料からなり、導体3と接触する環状に形成された当接部8と、圧着、かしめによりリード線10と接続する外部接続部9とを有している。当接部8は、正面視で導体3の環状に形成された部分とほぼ同形状を有している。
【0035】
支持部材5は、弾性材料からなり、接続部材4の当接部8を導体3に押し付け保持する本体部11と、ガラス板1の貫通孔2と嵌合する挿入部12とを有している。挿入部12の先端は、挿入部12と貫通孔2とが勘合した際に、本体部11側と反対側の貫通孔2の周縁部と係合して、支持部材5がガラス板1から脱落しないように爪状の突起を設けた折り返し加工が施された戻り防止機構13を有している。
【0036】
また、挿入部12は、本体部11側と反対側に開口している空間部14を有し、1箇所以上の切欠き15を設けている。ガラス板1に支持部材5を嵌合させる際は、貫通孔2に挿入部12を押し込んでも、挿入部12に空間部14と切欠き15とが設けられているため、挿入部12が弾性変形し、貫通孔2に容易に押し込むことができる。また、挿入部12の先端が、本体部11の反対側のガラス板1の面まで到達すると、戻り防止機構13を有しているため、支持部材5がガラス板1から脱落することなく強固に固定される。
【0037】
また、支持部材5のガラス板1に係合している戻り防止機構13の面から接続部材4の当接部8と接触している本体部11の面までのガラス板1の板厚方向の距離が、ガラス板1の板厚と導体3の厚さと当接部8の厚さとの合計よりも短く構成されている。そのため、支持部材5は弾性変形し、その弾性力により本体部11が当接部8を導体3に強く押圧することができる。
【0038】
空間部14に接する挿入部12にはメスネジ加工16が施されており、封止部材6にはオスネジ加工17が施されている。封止部材6と挿入部12とはネジ機構により締結される。封止部材6を締結することにより、空間部14が露出するのを防ぎ、また封止部材6を挿入部12に締め込むことにより、支持部材5の本体部11を当接部8に、より強固に押圧することができる。
【0039】
防水治具7は、例えば、ガラス板1が自動車のリアガラスなどで、導体3が形成されたガラス面と反対側の面が雨露に曝される環境で使用される場合、貫通孔2からの浸水を防ぐために設けられている。実施の形態1では、導体3が形成されたガラス板の面上に、貫通孔2と導体3との間に配設されている。防水治具7がOリングのような弾性部材である場合、本体部11のガラス板に面する部分に防水治具設置構造として本体部11の全周にわたってOリングと同形状の溝部18を設け、溝部18にOリングを配設する。さらに、封止部材6を挿入部12に締め込むことにより良好な気密性が得られ、貫通孔2からの浸水を防止し、導電性材料からなる接続部材4や導体3の酸化や錆の発生を防止できる。
【0040】
支持部材5の本体部11のガラス板1に面する部分に接続部材4の当接部8の位置ずれを防止する段部19を本体部11の全周にわたって当接部8の形状に沿って設けている。当接部8は環状を有しているため、全周にわたって設けられた段部19により、当接部8は位置ずれを起こすことなく強固に固定される。また、溝部18と段差19は、貫通孔2に支持部材5を嵌合した際に、溝部18は防水治具7のOリングの径より充分に深く、段差19は接続部材4の厚さよりも充分に小さいものであり、当接部8を導体3に充分な圧力で押圧する妨げにならない寸法となっている。
【0041】
以上のように、ガラス板1の面上に形成された導体3に接続部材4を支持部材5で押し付けることにより、はんだ付けをせずに導体3と接続部材4とを電気的に接続させることができる。さらに、ガラス板1の貫通孔2に支持部材5の挿入部12を嵌合させることにより、接着剤や粘着性両面テープ等を用いずに機械結合のみでガラス板1の面上に形成された導体3に接続部材4を押圧することができる。また、支持部材5はガラス板1に対して接着剤などで接着されていないため、挿入部12の先端の戻り防止機構13を解除すれば、支持部材5をガラス板1から容易に取外しが可能であり、さらに接続部材4は導体3に対してはんだ付けされていないため、支持部材5が取外されれば、接続部材4も容易に取外しが可能であり、メンテナンス性に優れた構造である。
【0042】
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2の分解斜視図であり、図4はガラス板への一部取り付け状態を図1のB−B’断面として示す説明図である。
【0043】
図3、4に示すように、実施の形態2は、貫通孔22の周縁に導体23が形成されたガラス板21と、導体23に接続する接続部材24と、ガラス板21の貫通孔22と勘合し、接続部材24を導体23に押し付けて保持する支持部材25と、導体23が形成されたガラス板21の反対側から支持部材と締結する封止部材26と、貫通孔22からの浸水を防ぐ防水治具27とで構成される。
【0044】
ガラス板21には、表裏両面を貫通する貫通孔22が設けられ、貫通孔22の周縁に、例えば、微細な銀粒子と低融点ガラス粉末と溶媒とからなる銀ペーストをプリントした後、これを焼き付けたものなど、導体23が環状に形成されている。
【0045】
接続部材24は、導電性材料からなり、導体23と接触する環状に形成された当接部28と、当接部28と連続して設けられ貫通孔22の端面に係合する固定部39と、圧着、かしめによりリード線30と接続する外部接続部29とを有している。当接部28は、正面視で導体23の環状に形成された部分とほぼ同形状を有している。固定部39は、貫通孔22の端面と面接触するよう平行に配設され、固定部39が貫通孔22の端面と係合した状態で接続部材24が位置ずれを起こさないよう、貫通孔22の端面とほぼ同形状となっている。
【0046】
支持部材25は、弾性材料からなり、接続部材24の当接部28を導体23に押し付け保持する本体部31と、ガラス板21の貫通孔22と嵌合する挿入部32とを有している。挿入部32の先端は、支持部材25の挿入部32と貫通孔22とが勘合した際に、支持部材25の本体部31側とは反対側の貫通孔22の周縁部と係合して、支持部材25がガラス板21から脱落しないように爪状の突起を設けた折り返し加工が施された戻り防止機構33を有している。
【0047】
また、挿入部32は、本体部31側とは反対側に開口している空間部34を有し、1箇所以上の切欠き35を設けている。ガラス板21に支持部材25を嵌合させる際は、貫通孔22に挿入部32を押し込んでも、挿入部32に空間部34と切欠き35とが設けられているため、挿入部32が弾性変形し、貫通孔22に容易に押し込むことができる。また、挿入部32の先端が、本体部31の反対側のガラス板21の面まで到達すると、戻り防止機構33を有しているため、支持部材25がガラス板21から脱落することなく強固に固定される。
【0048】
また、支持部材25のガラス板21に係合している戻り防止機構33の面から接続部材24の当接部28と接触している本体部11の面までのガラス板21の板厚方向の距離が、ガラス板21の板厚と導体23の厚さと当接部28の厚さとの合計よりも短く構成されている。そのため、支持部材25は弾性変形し、その弾性力により本体部31が当接部28を導体23に強く押圧することができる。
【0049】
空間部34に接する挿入部32にはメスネジ加工36が施されており、封止部材36にはオスネジ加工37が施されている。封止部材26と挿入部32とはネジ機構により締結される。封止部材26を締結することにより、空間部34が露出するのを防ぎ、また封止部材26を挿入部32に締め込むことにより、支持部材25を当接部28に、より強固に押圧することができる。
【0050】
防水治具27は、導体23が形成されたガラス面と反対側の面から、貫通孔22への浸水を防ぐために設けられている。実施の形態2では、導体23が形成されたガラス板の面と反対側の面に配設されている。防水治具27がOリングのような弾性部材である場合、封止部材26のガラス板に面する部分に防水治具設置構造として封止部材26の全周にわたってOリングと同形状の溝部38を設け、溝部38にOリングを配設する。封止部材26を挿入部32に締め込むことにより良好な気密性が得られ、貫通孔22への浸水を防止し、導電性材料からなる接続部材24や導体23の酸化や錆の発生を防止できる。
【0051】
以上の構成により、実施の形態1と同等の効果を得ることができる。
【0052】
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3の分解斜視図である。図5に示すように、実施の形態3は、実施の形態1の接続部材4の外部接続部9がリード線10を圧着により接続されたものを、リード線に接続されたコネクタに対応する端子部材に変更したものであり、実施の形態1の図1と同一のものには同一の数字を添えている。また、C−C’断面は、図2と同じ形状となるため省略する。
【0053】
図5に示すように、実施の形態3は、貫通孔2の周縁に導体3が形成されたガラス板1と、導体3に接続する接続部材44と、リード線50の先端に接続されたコネクタ51と、ガラス板1の貫通孔2と勘合し接続部材44を導体3に押し付けて保持する支持部材5と、導体3が形成されたガラス板1の反対側から支持部材と締結する封止部材6と、貫通孔2からの浸水を防ぐ防水治具7とで構成される。接続部材44とコネクタ52以外は、実施の形態1と同一であり、同様の効果を有する。
【0054】
接続部材44は、導電性材料からなり、導体3と接触する環状に形成された当接部48と、リード線50の先端に接続されたコネクタ51と接続する端子53からなる外部接続部49とを有している。当接部48は、正面視で導体3の環状に形成された部分とほぼ同形状を有している。
【0055】
端子53は、JIS−D5403自動車用電線端子の自動車用平形おす端子のPA、PB型に準拠したオス型の端子である。一方、リード線50の先端に接続されたコネクタ51は、従来から使用されているJIS−D5403自動車用ぎぼし型複メス端子CW型に準拠したメス型コネクタである。このコネクタ51を端子53に接続することにより、リード線50をガラス板1に形成された導体3と電気的に接続することができる。
【0056】
以上のように構成すれば、実施の形態1と同様の効果が得られ、さらに、支持部材5を取り外さなくても、リード線50の脱着ができる。
【0057】
また、本発明は、実施の形態1、2及び3に限定されるものではない。例えば、支持部材5、25、接続部材4、24、44、封止部材6、26の形状・大きさは、上述したものに限られるものではない。例えば、支持部材5、25の外形を、デザイン性を考慮した形状にしてもよい。さらに、支持部材5、25を着色して、見栄えを良くすることもできる。また、接続部材4、24、44が複数個の外部接続部9、29、49を有する構造となっていてもよい。また、支持部材5、25の接続部材4、24、44を位置ずれ防止の構造も実施の形態1、2及び3に限定されるものではなく、溝であってもよい。また、支持部材5、25、封止部材6、26には、互いを締め込むためのネジ孔を設けていてもよい。
【0058】
また、接続部材4、24、44の当接部8、28、48の形状をより安定的な接触が得られるようにバネ構造を持たせてもよい。また、接続部材4、24、44の当接部8、28、48の導体3、23との接触面に半球状のディンプルを複数個設けてもよい。ディンプルを設けることにより、当接部8、28、48と導体3、23とが点接触にしかならないので、接触安定性が向上し、接触抵抗をより低くできる。
【0059】
支持部材5、25の材料は、電気絶縁性材料であれば特に限定されないが、耐久性を考慮して決定する。例えば、ポリアミド樹脂が挙げられる。また、製造方法は、切削加工、射出成型でも良く、特に限定されない。
【0060】
接続部材4、24、44の材料は、導電性材料であれば特に限定されないが、長期間にわたる安定性や導体2との相性を考慮して、少なくとも当接部8、28、48には金、銀、錫、ニッケルなどの金属メッキをすることが望ましい。特に導体2に接触する当接部8、28、48は、金属メッキを施すのが好ましい。金属メッキは、導体2の材質や廃棄の際の環境に対する影響を考慮することが望ましく、特に導体2が銀ペーストを焼成してなる導体の場合には、銀が望ましい。また、本発明は、自動車用窓ガラスに形成された導体に適用することが好ましいが、自動車用に限らず、列車、船舶、建築物に適用しても構わない。
【0061】
【実施例】
次に実施例について具体的に説明する。
【0062】
直径25mmの円柱状のポリアミド樹脂を切削加工により図1、2に示す形状の支持部材5を作製した。支持部材5には直径7.0mmの挿入部12が設けて、さらにその先端には戻り防止機構が施している。支持部材5のガラス板1と面する側には溝部18、段部19を設けている。また、ガラス板1上には直径8.0mmの貫通孔2を設けている。
【0063】
接続部材4は、厚さ0.8mmの黄銅製であり、当接部8は、内径15mm、外形20mmのドーナッツ形状をしており、弾性力を持たせるための波打ち加工を施した。また、リード線10をかしめ加工により締結した。Oリング7の内径は12mm、肉厚1.2mmである。
【0064】
溝部18にOリング7を仮に固定し、段部19には接続部材4を仮に固定した状態で支持部材5の挿入部12を貫通孔2に勘合し、固定されるまで押し込んだ。このとき、肉厚1.2mmのOリングを潰してガラス板1に密着させ防水機能を発揮させた状態で、接続部材4と導体3を充分に安定的に接触させた。
【0065】
この状態で導体3と接続部材4との接触抵抗を測定したところ、0.005Ω以下であり、従来のはんだ付けによる接続方法と比較しても、充分実用的で、環境試験によっても良好な結果であった。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば以下の効果を奏する。ガラス板の貫通孔に支持部材の挿入部を嵌合させることにより、接着剤や粘着性両面テープ等を用いずに機械結合のみでガラス板の面上に形成された導体に接続部材を押圧し、安定的な電気接続となる。また、部品点数が少なく、構造も簡単なため、作業を簡略化でき、コストを低く抑えることができ、小型なのでスペースを奪わない。
【0067】
また、支持部材はガラス板に対して接着剤などで接着されていないため、挿入部の先端の戻り防止機構を解除すれば、支持部材をガラス板から容易に取外しが可能であり、さらに接続部材は導体に対してはんだ付けされていないため、支持部材が取外されれば、接続部材も容易に取外しが可能であり、メンテナンス性に優れた構造である。
【0068】
また、はんだを用いずにガラス板に形成された導体と電気的に接続するため、はんだの廃棄処理について考慮する必要がなくなり、廃棄処理コストの抑制に寄与し、はんだ付けの熱衝撃によりガラスの強度を低下させることもなくなる。また、はんだ付けのように端子が剥き出しになることがないため、見栄えも向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示す分解斜視図。
【図2】本発明の実施の形態1を示す断面図。
【図3】本発明の実施の形態2を示す分解斜視図。
【図4】本発明の実施の形態2を示す断面図。
【図5】本発明の実施の形態3を示す分解斜視図。
【図6】従来のガラス板に形成された導体への電気接続装置を示す斜視図。
【符号の説明】
1、21、61:ガラス板
2、22:貫通孔
3、23、63:導体
4、24、44:接続部材
5、25:支持部材
6、26:封止部材
7、27:防水治具(Oリング)
8、28、48:当接部
10、30、50:リード線
11、31:本体部
12、32:挿入部
14、34:空間部
15、35:切欠き
16、36:メスネジ加工
17、37:オスネジ加工
18、38:溝部
19:段部
39:固定部
51:コネクタ
53、54:端子
Claims (13)
- ガラス板の面上に形成された導体と、前記ガラス板に設けられた貫通孔と、前記導体の少なくとも一部に接触する当接部を有する導電性材料からなる接続部材と、前記接続部材を保持する支持部材とを備え、前記支持部材は、前記接続部材をガラス板の面上に保持する本体部と、前記貫通孔に挿入し嵌合する挿入部とを有し、前記挿入部が前記貫通孔と嵌合することによる前記支持部材の弾性変形により、前記本体部が前記接続部材を前記導体に押圧し、前記接続部材と前記導体とが電気的に接続していることを特徴とするガラス板に形成された導体のための電気接続構造。
- 前記導体は、前記貫通孔の周縁に環状に形成され、前記当接部は、前記導体の環状に形成された部分と接触するよう環状に形成され、前記挿入部が前記当接部の中心の開口を介して前記貫通孔に嵌合されている請求項1に記載のガラス板に形成された導体のための電気接続構造。
- 前記挿入部は、前記本体部の反対側に封止部材を有する請求項1又は2に記載のガラス板に形成された導体のための電気接続構造。
- 前記挿入部と前記封止部材とはネジ機構により接続されている請求項3に記載のガラス板に形成された導体のための電気接続構造。
- 前記挿入部は、前記本体側の反対側に開口する空間部及び/又は1つ以上の切欠きを有する請求項1から4のいずれか一項に記載のガラス板に形成された導体のための電気接続構造。
- 前記支持部材及び/又は前記封止部材は、防水治具設置機構を有し、前記防水治具設置機構に防水治具を設置することにより前記貫通孔からの浸水を防ぐ請求項1から5のいずれか一項に記載のガラス板に形成された導体のための電気接続構造。
- 前記接続部材は、前記貫通孔と係合する固定部を有する請求項1から6のいずれか一項に記載のガラス板に形成された導体のための電気接続構造。
- 前記支持部材は、前記接続部材の位置ずれを防止する段差及び/又は溝を有する請求項1から7のいずれか一項に記載のガラス板に形成された導体のための電気接続構造。
- 前記当接部は、機械的に弾性を有する形状に加工されている請求項1から8のいずれか一項に記載のガラス板に形成された導体のための電気接続構造。
- 前記接続部材は、リード線が圧着により接続されている、又はリード線に接続されているコネクタに対応する端子からなる外部接続部を有する請求項1から9のいずれか一項に記載のガラス板に形成された導体のための電気接続構造。
- 前記当接部は、表面に金属メッキが施されている請求項1から10のいずれか一項に記載のガラス板に形成された導体のための電気接続構造。
- 前記導体は、銀ペーストの焼成体である請求項1から11のいずれか一項に記載のガラス板に形成された導体のための電気接続構造。
- 前記導体は、車両用窓ガラスに形成されている請求項1から12のいずれか一項に記載のガラス面に形成された導体のための電気接続構造。
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