JP4133191B2 - 電子写真用感光体およびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真用感光体材料として有用な特定の繰り返し単位を有する重合体を含む電子写真用感光体、詳しくは感光層中に電荷輸送能を有する特定の繰り返し単位を有する重合体を含有した高感度で且つ高耐久の電子写真用感光体およびその感光体が搭載された画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真プロセスに基づいて画像形成する複写機、プリンター等には、有機感光体(OPC)が多く使用され、特に、有機感光体の代表的な構成例として、導電性基板上に電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)を順次積層した積層感光体が主流になっている。
該電荷輸送層は、低分子電荷輸送材料(CTM)とバインダー樹脂を主成分として構成されているが、低分子電荷輸送材料を含有させると、バインダー樹脂が本来有する機械的強度を低下させ、このことが感光体の摩耗性、傷、クラック等の原因となり、感光体の耐久性を損なうものとなっている。
またOPCの感光体市場での伸長に伴い、高速機への対応も急務であるが、現状ではその高速応答性は充分なものではなく、高速応答性を実現するためには高い移動度を有する電荷輸送材料が必要になる。
【0003】
一方、高画質化のために、液体現像システムが見直され、最近意欲的に検討がなされている。しかしながら、前述の有機感光体の代表的な構成例として挙げられる低分子電荷輸送材料(CTM)を含む積層感光体は、該液体現像システムには実用的ではない。
それは、液体現像剤に用いられるキャリアー液であるイソパラフィン系炭化水素に接触すると、感光体にクラッキングが生じ、低分子電荷輸送材料が結晶化しあるいは現像液に溶出する等して、機械的にはもちろん、電気的にも著しい劣化を伴うからである。
【0004】
光導電性高分子材料としては、古くはポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のビニル重合体が電荷移動錯体型の感光体として検討されたが、光感度の点で満足できるものではなかった。
【0005】
一方、前述の積層型感光体の欠点を改良すべく、電荷輸送能を有する高分子材料として、構造が違うものについて様々な検討がなされているが、実用化には至っていない。その例を材料の構造別に列挙する。
トリフェニルアミン構造を有するアクリル系樹脂(例えば、非特許文献1参照。)。
ヒドラゾン構造を有するビニル重合体(例えば、非特許文献2参照。)。
トリアリールアミン構造を有するポリカーボネート樹脂(例えば、特許文献1、乃至16参照。)。
【0006】
【0007】
また、テトラアリールベンジジン誘導体をモデル化合物にして、低分散型と高分子化されたポリカーボネートとの比較が行なわれ、高分子系はドリフト移動度が一桁低いとの結果を得たものがある(例えば、非特許文献3参照。)。
【0008】
このドリフト移動度が一桁低くなる原因については明らかではないが、高分子化することにより機械的強度は改善されるものの、感度、残留電位等電気的特性に課題があることを示唆している。
すなわち、テトラアリールベンジジン誘導体に代表される、主鎖に電荷輸送性の骨格を有するポリマー、特にポリカーボネート樹脂においては、テトラアリールベンジジン骨格上のアリール基に置換された電子吸引性のカルボニルジオキシ基と第3級アミンの電子供与性の効果によって、電子の局在化が起こり、この結果ホール移動に不利な分子設計になっていることが推察される。このことが高分子化することにより感度、残留電位等電気特性が充分でない原因になっているものと思われる。
【0009】
さらに、電荷輸送能を有する高分子材料としての新たな試みとして、ポリアリレンビニレンが検討されたものがある(例えば、特許文献1乃至9参照。)。
しかしながら、これらの技術におけるポリアリレンビニレンは、分子量が小さいために、他の結着樹脂を併用し、その結果機械的耐久性、高速応答性及び耐溶剤性を損なうものとなっている。
【0010】
【非特許文献1】
M.Stolka et al,J.Polym.Sci.,vol21,969(1983)
【非特許文献2】
Japan HardCopy‘89P.67
【非特許文献3】
[M.A.Abkowitzら、Physical Review B46 6705(1992)]
【特許文献1】
米国特許第4,801,517号明細書
【特許文献2】
米国特許第4,806,443号明細書
【特許文献3】
米国特許第4,806,444号明細書
【特許文献4】
米国特許第4,959,288号明細書
【特許文献5】
特開平3−221522号公報
【特許文献6】
特開平4−11627号公報
【特許文献7】
特開平4−175337号公報
【特許文献8】
特開平9−222740号公報
【特許文献9】
特開平10−310635号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、その課題は、有機感光体用の電荷輸送性高分子材料として特定の繰り返し単位を有する重合体を用いることによって、機械的耐久性の向上、高速応答性の向上および高画質化のための電子写真用感光体、特に湿式現像システムへの適用が可能になる電子写真用感光体およびそれを用いた画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討した結果、特定の繰り返し単位を有する重合体を含む電子写真用感光体を提供することにより、従来技術における様々な課題が解決されることを見い出した。
【0013】
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の繰り返し単位を有する重合体を含む電子写真用感光体を提供することにより上記課題が解決されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題は、本発明の、(1)「導電性支持体上に、下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を有効成分として含有した感光層を設けたことを特徴とする電子写真用感光体;
【0014】
【化2】
(式中、R1、R 2 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基またはアルコキシ基から選択される基を表わし、R 3 は置換もしくは無置換のアルコキシ基を表わし、x、yはそれぞれ独立に0〜4の整数を表わし、zは1〜4の整数を表わし、R 3 の少なくとも1つは置換もしくは無置換の炭素数10〜18のアルコキシ基であり、R1、R2、R3が各々複数存在する場合には、同一でも異なっていてもよく、Arは置換または無置換の芳香族炭化水素基を表わす。)」、(2)「導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含む電子写真用感光体であって、電荷輸送物質として前記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を有効成分として含有することを特徴とする電子写真用感光体」、(3)「導電性支持体上に、電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真用感光体であって、電荷輸送層に前記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を有効成分として含有することを特徴とする電子写真用感光体」、(4)「導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含む電子写真用感光体であって、その最表層に前記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を有効成分として含有することを特徴とする電子写真用感光体」、(5)「感光層が単一層に形成される単層型電子写真感光体の感光層中に、前記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を有効成分として含有することを特徴とする電子写真用感光体」、(6)「感光層が単一層に形成される単層型電子写真感光体の最表層に、前記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を有効成分として含有することを特徴とする電子写真用感光体」、(7)「前記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体が、ゲル浸透クロマトグラフィーの重量平均分子量(ポリスチレン換算)が7000〜1000000であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の電子写真用感光体」によって解決される。
【0015】
また、上記課題は、本発明の(8)「前記第(1)項乃至第(7)項の何れかに記載の電子写真用感光体、帯電装置、像露光装置、現像装置および転写装置を有することを特徴とする電子写真装置」、(9)「前記現像装置として液体現像方式を用いることを特徴とする前記第(8)項に記載の電子写真装置」によって解決される。
【0016】
本発明の電子写真用感光体は、下記一般式(I)で示される特定の繰り返し単位を有する重合体を含むことを特徴とするが、さらに詳細に説明する。
【0017】
【化3】
(式中、R1、R 2 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基またはアルコキシ基から選択される基を表わし、R 3 は置換もしくは無置換のアルコキシ基を表わし、x、yはそれぞれ独立に0〜4の整数を表わし、zは1〜4の整数を表わし、R 3 の少なくとも1つは置換もしくは無置換の炭素数10〜18のアルコキシ基であり、R1、R2、R3が各々複数存在する場合には、同一でも異なっていてもよく、Arは置換または無置換の芳香族炭化水素基を表わす。)
【0018】
上記重合体は、芳香環上に置換基R 1 、R 2 、R 3 を有していてもよいが、溶解性の向上の観点からはアルキル基やアルコキシ基などが挙げられる。これら置換基の炭素数が増加すれば溶解性はより向上するが、その反面キャリア移動度は低下してしまうため、溶解性が損なわれない範囲で所望の特性が得られるような置換基を選択することが好ましい。
その場合の好適な置換基の例としては、炭素数が1〜25のアルキル基及びアルコキシ基が挙げられる。更に好適には、炭素数が2〜18のアルキル基及びアルコキシ基が挙げられる。ここでR 3 の少なくとも1つは置換もしくは無置換の炭素数10〜18のアルコキシ基であり、これら置換基R 1 、R 2 、R 3 は同一のものを複数導入してもよいし、異なるものを複数導入してもよい。
また、これらのアルキル基及びアルコキシ基はさらにハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基やアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。
【0019】
アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を一例として挙げることができ、アルコキシ基としては上記アルキル基の結合位に酸素原子または硫黄原子を挿入してアルコキシ基としたものが一例として挙げられる。
【0020】
上記重合体は、アルキル基やアルコキシ基の存在により、溶媒への溶解性がさらに向上する。これらの材質において溶解性を向上させることは、フィルムの湿式成膜過程の製造許容範囲が大きくなることから重要である。例えば塗工溶媒の選択肢の拡大、溶液調製時の温度範囲の拡大、フィルムの乾燥時の温度の拡大となり、これら取り扱いの容易性により、結果的に高純度で均一性の高い高品質な薄膜が得られる。
【0021】
前記一般式(I)における置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基としては単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)のいずれでもよく、一例として以下のものを挙げることができる。例えばフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
また、これら芳香族炭化水素基は以下に示す置換基を有していてもよい。
【0022】
すなわち、(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、(2)炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、アルコキシ基、(3)アリールオキシ基(アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これは、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。
具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)、(4)置換メルカプト基又はアリールメルカプト基(置換メルカプト基又はアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。)、(5)アルキル置換アミノ基(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)、(6)アシル基(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)等である。
【0023】
前記一般式(I)に示される繰り返し単位を含む重合体は、例えばアルデヒドとホスホネートを用いたWittig−Horner反応、アルデヒドとホスホニウム塩を用いたWittig反応、ビニル置換体とハロゲン化物を用いたHeck反応等公知の方法により製造が可能である。
【0024】
前記一般式(I)に示される重合体の好ましい分子量は、ポリスチレン換算数平均分子量で7000〜1000000であり、より好ましくは10000〜500000である。分子量が小さすぎる場合にはクラックの発生等成膜性が悪化し実用性に乏しくなる。
また分子量が大きすぎる場合には、一般有機溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、やはり実用上問題になる。
【0025】
本発明の重合体は種々の一般的有機溶媒、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、トルエン、ジクロロベンゼン及びキシレン等に対し、良好な溶解性を示す。
したがって、本発明の重合体を溶解できる適当な溶媒により適当な濃度の溶液を作製し、これを用いて公知の塗工法により種々の感光体を作製することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以上、本発明の電子写真用感光体に使用される電荷輸送能を有する重合体について説明したが、これらを感光層中に含有させる実施形態について以下に説明する。
本発明の感光体の断面図を図1〜図6に示す。
本発明の感光体は前記のような重合体の1種または2種以上を感光層(2,2’,2’’,2’’’,2’’’’,2’’’’’)に含有させたものであるが、これらの応用の仕方によって図1、図2、図3、図4、図5あるいは図6に示したごとくに用いることができる。
【0027】
図1における感光体は、導電性支持体(1)上に増感染料及び本発明の重合体、場合により結合剤(結着樹脂)よりなる感光層(2)が設けられたものである。
ここでの本発明の重合体は光導電性物質として作用し、光減衰に必要な電荷担体の生成及び移動は本発明の重合体を介して行なわれる。
しかしながら、本発明の重合体は、光の可視領域においてほとんど吸収を有していないので、可視光で画像を形成する目的のためには、可視領域に吸収を有する増感染料を添加して増感する必要がある。
【0028】
図2における感光体は、導電性支持体(1)上に電荷発生物質(3)を電荷輸送能を有する本発明の重合体単独あるいは結合剤と併用してなる電荷輸送媒体(4)の中に分散せしめた感光層(2’)が設けられたものである。
ここでの本発明の重合体は、単独であるいは結合剤との併用で電荷輸送媒体を形成し、一方、電荷発生物質(3)(無機又は有機顔料のような電荷発生物質)が電荷担体を発生する。
この場合、電荷輸送媒体(4)は主として電荷発生物質(3)が発生する電荷担体を受入れ、これを輸送する作用を担当している。
そしてこの感光体にあっては、電荷発生物質と本発明の重合体とが、互いに主として可視領域において吸収波長領域が重ならないというのが基本的条件である。これは電荷発生物質(3)に電荷担体を効率よく発生させるためには、電荷発生物質表面まで光を透過させる必要があるからである。
一般式(1)で表わされる構成単位を含有する本発明の重合体は波長600nm以上にほとんど吸収がなく、一般に可視領域から近赤外領域の光線を吸収し、電荷担体を発生する電荷発生物質(3)とを組み合わせた場合、特に有効に電荷輸送物質として働くのがその特長である。
なお、上記電荷輸送媒体(4)中に低分子電荷輸送物質を含有させてもよい。
【0029】
図3における感光体は導電性支持体(1)上に電荷発生物質(3)を主体とする電荷発生層(5)と、電荷輸送能を有する本発明の重合体を含有する電荷輸送層(4)との積層からなる感光層(2’’)が設けられたものである。
この感光体では、電荷輸送層(4)を透過した光が電荷発生層(5)に到達し、その領域で電荷担体の発生が起こり、一方電荷輸送層(4)は電荷担体の注入を受け、その輸送を行なうもので、光減衰に必要な電荷担体の発生は電荷発生物質(3)で行なわれ、また電荷担体の輸送は電荷輸送層(4)で行なわれる。
こうした機構は、図2に示した感光体における説明と同様である。
【0030】
なお、電荷輸送層(4)は本発明の重合体単独あるいは結合剤との併用で形成される。
また電荷発生効率を高めるために、電荷発生層(5)に本発明の重合体を含有させてもよい。
同様の目的で、感光層(2’’)中に低分子電荷輸送物質を併用してもよい。
また、後述の感光層(2’’’)〜(2’’’’’)についても同様である。
【0031】
図4における感光体は、電荷輸送層(4)上に保護層(6)を設けたものである。本構成の場合は電荷輸送層(4)上に本発明の重合体あるいは結合剤との併用で保護層が形成される。
当然のことながら、従来多く使用されている低分子分散型電荷輸送層上への形成が効果的である。なお図2に示した感光層(2’)上へ同様に保護層が設けられてもよい。
【0032】
図5における感光体は、図3の電荷発生層(5)と本発明の重合体を含有する電荷輸送層(4)の積層順を逆にしたものであり、その電荷担体の発生及び輸送の機構は上記の説明と同様にできる。
この場合機械的強度を考慮し、図6のように電荷発生層(5)の上に保護層(6)を設けることもできる。
【0033】
実際に本発明の感光体を作製するには、図1に示した感光体であれば、電荷輸送能を有する本発明の重合体の1種または2種以上あるいはそれと結合剤と併用して溶解し、更にこれに増感染料を加えた液をつくり、これを導電性支持体(1)上に塗布し乾燥して感光層(2)を形成すればよい。
【0034】
感光層の厚さは、3〜50μm、好ましくは5〜40μmが適当である。感光層(2)に占める本発明の重合体の量は30〜100重量%であり、また感光層(2)に占める増感染料の量は0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
増感染料としては、ブリリアントグリーン、ビクトリアブルーB、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アシッドバイオレット6Bのようなトリアリールメタン染料、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミンGエキストラ、エオシンS、エリトロシン、ローズベンガル、フルオレセインのようなキサンテン染料、メチレンブルーのようなチアジン染料、シアニンのようなシアニン染料が挙げられる。
【0035】
また、図2に示した感光体を作製するには、1種又は2種以上の電荷輸送能を有する本発明の重合体あるいは結合剤を併用し溶解した溶液に電荷発生物質(3)の微粒子を分散せしめ、これを導電性支持体(1)上に塗布し乾燥して感光層(2’)を形成すればよい。
【0036】
感光層(2’)の厚さは、3〜50μm、好ましくは5〜40μmが適当である。
感光層(2’)に占める電荷輸送能を有する本発明の重合体の量は、40〜100重量%が好ましく、また、感光層(2’)に占める電荷発生物質(3)の量は0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%である。
電荷発生物質(3)としては、例えばセレン、セレン−テルル、硫化カドミウム、硫化カドミウム−セレン、α−シリコンなどの無機材料、有機材料としては例えばシーアイピグメントブルー25(カラーインデックスCI21180)、シーアイピグメントレッド41(CI21200)、シーアイアシッドレッド52(CI45100)、シーアイベーシックレッド3(CI45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公報に記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132347号公報に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記載)などのアゾ顔料、例えばシーアイピグメントブルー16(CI74100)などのフタロシアニン系顔料、例えばシーアイバットブラウン5(CI73410)、シーアイバットダイ(CI73030)などのインジゴ系顔料、アルゴスカーレットB(バイエル社製)、インダンスレンスカーレットR(バイエル社製)などのペリレン系顔料などが挙げられる。
なお、これらの電荷発生物質は単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0037】
また、上記の電荷発生物質の中で、特にフタロシアニン系顔料との組み合わせにより、高感度で且つ高耐久な感光体を得ることができる。
フタロシアニン顔料としては、下記一般式(N)で表わされるフタロシアニン骨格を有する化合物で、M(中心金属)は、金属および無金属(水素)の元素が挙げられる。
【0038】
【化4】
【0039】
ここで挙げられるM(中心金属)は、H、Li、Be、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ba、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Th、Pa、U、Np、Am等の単体、もしくは酸化物、塩化物、フッ化物、水酸化物、臭化物などの2種以上の元素からなる。中心金属は、これらの元素に限定されるものではない。
本発明におけるフタロシアニン骨格を有する電荷発生物質とは、少なくとも前記一般式(N)の基本骨格を有していればよく、2量体、3量体など多量体構造を持つもの、さらに高次の高分子構造を持つものでもかまわない。また基本骨格に様々な置換基があるものでもかまわない。
【0040】
これらの様々なフタロシアニンのうち、中心金属にTiOを有するオキソチタニウムフタロシアニン、Hを有する無金属フタロシアニンは、感光体特性的に、特に好ましい。
【0041】
またこれらのフタロシアニンは、様々な結晶系を持つことも知られており、例えばオキソチタニウムフタロシアニンの場合、α、β、γ、m、y型等、銅フタロシアニンの場合、α、β、γ等の結晶多系を有している。同じ中心金属を持つフタロシアニンにおいても、結晶系が変わることにより、種々の特性も変化する。その中で、感光体特性も、このような結晶系変化に伴い、変化することが報告されている(電子写真学会誌 第29巻 第4号(1990))。
このことから、各フタロシアニンは、感光体特性的に、最適な結晶系が存在し、特にオキソチタニウムフタロシアニンにおいては、y型の結晶系が望ましい。
【0042】
また、これらの電荷発生物質は、フタロシアニン骨格を有する電荷発生物質を2種以上混合していてもかまわない。さらにそれ以外の電荷発生物質と混合していてもかまわない。この場合に混合する電荷輸送物質としては、無機系材料及び有機系材料が挙げられる。
【0043】
更に図3に示した感光体を作製するには、導電性支持体(1)に電荷発生物質を真空蒸着するか、あるいは電荷発生物質の微粒子(3)を必要によって結合剤を溶解した適当な溶媒中に分散した分散液を塗布し乾燥するかして、更に必要であればバフ研磨などの方法によって表面仕上げ、膜厚調整などを行なって電荷発生層(5)を形成し、この上に1種又は2種以上の電荷輸送能を有する芳香族ポリカーボネート樹脂あるいは結合剤と併用し溶解した溶液を塗布し乾燥して電荷輸送層(4)を形成すればよい。
【0044】
なおここで電荷発生層(5)の形成に用いられる電荷発生物質は、前記の感光層(2’)の説明と同じものである。
【0045】
電荷発生層(5)の厚さは5μm以下、好ましくは2μm以下であり、電荷輸送層(4)の厚さは3〜50μm、好ましくは5〜40μmが適当である。
電荷発生層(5)が電荷発生層物質の微粒子(3)を結合剤中に分散させたタイプのものにあっては、電荷発生物質の微粒子(3)の電荷発生層(5)に占める割合は10〜100重量%、好ましくは50〜100重量%程度である。また、電荷輸送層(4)に占める電荷輸送能を有する本発明の重合体の量は40〜100重量%である。
【0046】
なお、図3における感光層(2’’)に低分子電荷輸送物質を含有してもよいことは前記のとおりであるが、ここに用いられる該電荷輸送物質としては下記のものが挙げられる。
【0047】
すなわち、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体(特開昭52−139065号公報、特開昭52−139066号公報に記載)、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体(特開平3−285960号公報に記載)、ベンジジン誘導体(特公昭58−32372号公報に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体(特開昭57−73075号公報に記載)、ヒドラゾン誘導体(特開昭55−154955号公報、特開昭55−156954号公報、特開昭55−52063号、特開昭56−81850号などの公報に記載)、トリフェニルメタン誘導体(特公昭51−10983号公報に記載)、アントラセン誘導体(特開昭51−94829号公報に記載)、スチリル誘導体(特開昭56−29245号、特開昭58−198043号各公報に記載)、カルバゾール誘導体(特開昭58−58552号公報に記載)、ピレン誘導体(特開平2−94812号公報に記載)などがある。
【0048】
図4に示した感光体を作成するには、図3に示した感光体上に本発明の電荷輸送能を有する本発明の重合体を単独であるいは結合剤と併用して溶解し塗布し、乾燥して、保護層(6)が設けられる。保護層の厚さは0.15〜10μmが好ましい。保護層(6)中に占める本発明の重合体の量は40〜100重量%である。
【0049】
図5に示した感光体を作成するには、導電性支持体(1)上に電荷輸送能を有する本発明の重合体あるいは結合剤と併用し溶解した溶液を塗布し、乾燥して電荷輸送層(4)を形成したのち、この電荷輸送層の上に電荷発生層物質の微粒子を必要によって結合剤を溶解した溶媒中に分散した分散液をスプレー塗工等の方法で塗布乾燥して電荷発生層(5)を形成すればよい。電荷発生層あるいは電荷輸送層の量比は図3で説明した内容と同様である。
【0050】
このようにして得られた感光体の電荷発生層(5)の上に前述の保護層(6)を形成することにより、図6に示す感光体を作成できる。
【0051】
なお、これらのいずれの感光体製造においても、導電性支持体(1)にはアルミニウムなどの金属板又は金属箔、アルミニウムなどの金属を蒸着したプラスチックフィルム、あるいは導電処理を施した紙などが用いられる。
【0052】
また、結合剤としてはポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネートなどの縮合樹脂や、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドのようなビニル重合体などが用いられるが、絶縁性で且つ接着性のある樹脂はすべて使用できる。必要により可塑剤が結合剤に加えられているが、そうした可塑剤としてはハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタリン、ジブチルフタレートが例示できる。また必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤などの添加剤を加えることができる。
【0053】
更に以上のようにして得られる感光体には導電性支持体と感光層の間に、必要に応じて接着層又はバリヤ層を設けることができる。これらの層に用いられる材料としては、ポリアミド、ニトロセルロース、酸化アルミニウム、酸化チタンなどであり、また膜厚は1μm以下が好ましい。
【0054】
本発明の電子写真用感光体は、一般的に画像形成プロセスに用いられる、少なくとも帯電手段、像露光手段、現像手段および転写手段と共に、複写機とかプリンタのような画像形成装置に搭載されて用いられる。
また、本発明の電子写真用感光体は、電子写真画像形成装置に脱着可能なプロセスカートリッジにして用いることもできる。このプロセスカートリッジに、該感光体の他に、前記の帯電手段、像露光手段、現像手段および転写手段などを具備させても良い。
このような電子写真画像形成装置あるいはプロセスカートリッジを装着させた電子写真画像形成装置を用い、一般的な方法によって、感光面に帯電、露光を施した後、現像を行ない必要によって紙などへ転写を行なって、複写が行なわれる。
さらに、本発明の電子写真用感光体は、機械的耐久性が向上し、高速応答性にも優れているため、現像システムが乾式でも湿式でも適用可能であるが、前述のように耐溶剤性が高いために、特に液体現像剤を用いた湿式現像システムに適用し、高画質な画像を得るのに有効である。
【0055】
図7は、液体現像剤を用いた湿式現像システムの代表的な概念図である。
プロセスの概略は次のとおりである。回転する感光体(11)表面に帯電手段(12)によって帯電させ、露光手段(13)によって像露光して潜像を形成し、その潜像を湿式現像手段(14)によって顕像化した後、該顕像を転写手段(15)によって給送される一般紙のような被複写材(16)に転写して、複写画像が得られる。なお、湿式現像剤としては、特に限定されず公知のものが適用可能である。
【0056】
【実施例】
次に本発明の感光体に用いる重合体の製造例を示す。
<合成例1(重合体1の合成)>
【0057】
【化5】
100ml四つ口フラスコに、上記のジアルデヒド0.852g(2.70mmol)及びジホスホネート1.525g(2.70mmol)を入れ、窒素置換してテトラヒドロフラン75mlを加えた。この溶液にカリウムt−ブトキシドの1.0mol dm−3テトラヒドロフラン溶液6.75ml(6.75mmol)を滴下し室温で2時間撹拌した後、ベンジルホスホネート及びベンズアルデヒドを順次加え、さらに2時間撹拌した。酢酸およそ1mlを加えて反応を終了し、溶液を水洗した。溶媒を減圧留去した後、テトラヒドロフラン及びメタノールを用いて再沈澱による精製を行ない、ポリマー1.07gを得た。
収率73%
元素分析値(計算値);C:84.25%(84.02%),
H:8.20%(7.93%),
N:2.33%(2.45%)、
Tg;117℃、
分子量(GPCポリスチレン換算);Mw:20000,
Mn:8500。
【0058】
<合成例2(重合体2の合成)>
【0059】
【化6】
合成例1と同様の操作を行ない、上記ジアルデヒド419.5mg(1.00mmol)及びジホスホネート564.5mg(1.00mmol)からポリマー518.3mgを得た。
収率62%
元素分析値(計算値);C:85.18%(85.55%),
H:8.03%(7.63%),
N:2.10%(2.08%)、
Tg;133℃、
分子量(GPCポリスチレン換算);Mw:116000,
Mn:39200。
【0060】
<合成例3(重合体3の合成)>
【0061】
【化7】
合成例1と同様の操作を行ない、上記ジアルデヒド1.00g(2.40mmol)及びジホスホネート1.35g(2.40mmol)からポリマー1.32gを得た。
収率82%
元素分析値(計算値);C:85.33%(85.55%),
H:7.86%(7.63%),
N:2.30%(2.08%)、
Tg;152℃、
分子量(GPCポリスチレン換算);Mw:118000,
Mn:44400。
【0062】
以下、実施例により本発明を説明する。なお、下記実施例において、部はすべて重量部である。
<実施例1>
Al電極が蒸着されたPET基板上に、合成例1に記載した方法によって製造された電荷輸送能を有する重合体1の10wt%のテトラヒドロフラン溶液をブレード塗工し、膜厚10μmの薄膜を形成した。このフィルム上にさらに金電極を蒸着し、サンドイッチセルを作製した。このセルを用いて、タイムオブフライト法により窒素レーザーを光源としてキャリア移動度を測定したところ、4.1×105V/cmの電界強度において6.1×10−3cm2V−1s−1の高いキャリア移動度が観測され、優れた性能を有することが示された。
【0063】
<実施例2>
合成例2に記載した方法によって製造された電荷輸送能を有する重合体2を用いた以外は実施例1と同様の方法によりサンドイッチセルを作製した。このセルを用いて、タイムオブフライト法により窒素レーザーを光源としてキャリア移動度を評価したところ、2.9×105V/cmの電界強度において1.7×10―3cm2V−1s−1の高いキャリア移動度が観測され、優れた性能を有することが示された。
【0064】
<実施例3>
合成例3に記載した方法によって製造された電荷輸送能を有する重合体3を用いた以外は実施例1と同様の方法によりサンドイッチセルを作製した。このセルを用いて、タイムオブフライト法により窒素レーザーを光源としてキャリア移動度を評価したところ、2.4×105V/cmの電界強度において1.6×10−3cm2V−1s−1の高いキャリア移動度が観測され、優れた性能を有することが示された。
【0065】
<比較例1>
実施例1における重合体1のかわりに下記式(II)で示される電荷輸送材料とポリカーボネート樹脂(パンライトTS2020、帝人化成社製)の7/10(重量比)組成液を用いて実施例1と同様に試料を作成しキャリア移動度を測定した。
【0066】
【化8】
結果を実施例1,2および3における各々重合体のキャリア移動度とともに図8に示した。
本発明の電荷輸送能を有する重合体が高い移動度を有すること、すなわち高い応答性を有することが明らかである。
【0067】
<実施例4>
アルミニウムシリンダー表面を陽極酸化処理した後、封孔処理を行なった。この上に、下記電荷発生層塗工液および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥して各々厚さ0.2[μm]の電荷発生層、厚さ20[μm]の電荷輸送層を形成して本発明の電子写真感光体を作製した。
【0068】
(電荷発生層塗工液)
下記構造式の化合物 3部
【0069】
【化9】
ポリビニルブチラール樹脂 1部
シクロヘキサノン 250部
シクロヘキサン 50部
(電荷輸送層塗工液)
合成例1で得られた重合体1 17部
塩化メチレン 80部
【0070】
<比較例2>
実施例4において用いた重合体1の代わりに特開平10−310635号公報に記載される下記式で表わされる重合体を用いるほかは、実施例4と同様にして感光体を作成した。
【0071】
【化10】
分子量(GPCポリスチレン換算)
Mw=5600(特開平10−310635号公報合成例1に記載されたデータ)
【0072】
<比較例3>
実施例4において用いた重合体1の代わりに、比較例1で示した電荷輸送材料7部、ポリカーボネート樹脂(パンライトTS2020、帝人化成社製)10部に代えるほかは、実施例4と同様にして感光体を作成した。
実施例4、比較例2および比較例3で得られた感光体を、図7で示したプロセスからなる市販の湿式電子写真複写機に装着し、帯電せしめた後、原図を介して光照射を行なって静電潜像を形成せしめ、現像し、得られた画像(トナー画像)を普通紙上に静電転写し、定着した。実施例4で得られた感光体を用いた場合は1000枚プリント後も鮮明な転写画像が得られた。
【0073】
一方、比較例2の感光体は、感光体作成直後から電荷輸送層のクラック発生とこれにともなう剥離が生じ画像形成には到らなかった。これは比較例2で用いた重合体の分子量が小さいため成膜性が著しく劣っていることによる。また比較例3の感光体を用いた場合、初期は鮮明な転写画像が得られたが、除々に画像が劣化した。これは経時で電荷輸送層中の電荷輸送材料が結晶化および現像剤中に溶出したことにより静電特性が大きく劣化したことによる。
【0074】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明により明らかなように、本発明によれば、有機感光体用の電荷輸送性高分子材料として特定の繰り返し単位を有する重合体を用いることにより、機械的耐久性の向上、高速応答性の向上が可能となり、さらに高画質化のための湿式現像システムへの適用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の一例を示す断面図である。
【図2】本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他の例を示す断面図である。
【図5】本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他の例を示す断面図である。
【図6】本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他の例を示す断面図である。
【図7】本発明に係わる液体現像剤を用いた湿式現像システムのプロセス図である。
【図8】本発明に係わる重合体および比較例のTime of Flight移動度を示す図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体
2,2’,2’’,2’’’,2’’’’,2’’’’’ 感光層
3 電荷発生物質
4 電荷輸送層又は電荷輸送媒体
5 電荷発生層
6 保護層
11 感光体
12 帯電手段
13 露光手段
14 湿式現像手段
15 転写手段
16 被複写材
Claims (9)
- 導電性支持体上に、下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を有効成分として含有した感光層を設けたことを特徴とする電子写真用感光体。
- 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含む電子写真用感光体であって、電荷輸送物質として請求項1に記載の一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を有効成分として含有することを特徴とする電子写真用感光体。
- 導電性支持体上に、電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真用感光体であって、電荷輸送層に請求項1に記載の一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を有効成分として含有することを特徴とする電子写真用感光体。
- 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含む電子写真用感光体であって、その最表層に請求項1に記載の一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を有効成分として含有することを特徴とする電子写真用感光体。
- 感光層が単一層に形成される単層型電子写真感光体の感光層中に、請求項1に記載の一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を有効成分として含有することを特徴とする電子写真用感光体。
- 感光層が単一層に形成される単層型電子写真感光体の最表層に、請求項1に記載の一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体を有効成分として含有することを特徴とする電子写真用感光体。
- 前記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体が、ゲル浸透クロマトグラフィーの重量平均分子量(ポリスチレン換算)が7000〜1000000であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電子写真用感光体。
- 請求項1乃至7の何れかに記載の電子写真用感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段および転写手段を少なくとも具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
- 前記現像手段として液体現像方式が用いられることを特徴とする請求項8に記載の電子写真画像形成装置。
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