JP4133104B2 - 電磁調理用ケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁調理用ケースに関し、特に、構造を簡略化し製造コストを削減できると共に、補給水の給排水処理を手際良く実行することができる電磁調理用ケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、冷めてしまった食品を加熱調理する手段として電子レンジが用いられている。しかし、電子レンジは無水加熱によって被加熱食品を加熱調理するものであるため、被加熱食品の水分が奪われてしまう。従って、被加熱食品は乾燥して食味が変化してしまうという問題点があった。
【0003】
そこで、出願人は上記問題点を解決すべく特開平7−330044において、被加熱食品を入れるため上面が開口した受け箱と、その受け箱の上面開口部に被せる蓋体とを備え、蓋体の内面に吸水紙を支持するための補助蓋を着脱自在に設け、覆い蓋と補助蓋との間に形成される空間を受け箱の内部に連通させてなる電磁調理用食品ケースを提案している。この電磁調理用食品ケースによれば、吸水紙に含ませた水が蒸発し、連通部を経て被加熱食品の上面に一様に加水する。よって、被加熱食品の乾燥を抑制することができる。
【0004】
また、出願人は、特開平9−47235において、薄板紙の袋体に吸水紙を収納した電磁調理用シートを提案している。この電磁調理用シートの袋体の片面には、多数の孔が穿設されている。この電磁調理用シートは、袋体の孔が内側になるように被加熱食品を包み込んだ状態で使用される。この状態で電子レンジによる加熱調理をすれば、袋体内部の吸水紙に含ませた水が蒸発し、袋体に穿設された孔から噴出して、袋体に包まれる被加熱食品に加水する。よって、被加熱食品の乾燥を抑制することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような電磁調理用ケースでは、吸水紙を配置するために蓋体は2重構造で構成されるので、構造が複雑で製造コストが増加してしまうという問題点があった。また、上述したような電磁調理用シートでは、電磁調理用ケースに比較して構造は簡略化できるものの、吸水紙に補給水を給排水するには袋体自体を把手して、袋体に穿設された孔に向けて水を給水したり、その孔から余剰水を排水させたりする必要がある。よって、補給水の給排水処理の際、手に水が付着したり、袋体はシート状に形成されているので取り扱いに不便である等、手際良く補給水を給排水処理することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、構造を簡略化し製造コストを削減できると共に、補給水の給排水処理を手際良く実行することができる電磁調理用ケースを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1記載の電磁調理用ケースは、電磁波を利用して加熱調理される被加熱食品を収納するために、上面が開口した受け箱と、その受け箱の上面開口部に覆い被せる蓋体と、前記被加熱食品に応じた水を含水する吸水シートと、その吸水シートの少なくとも一部を封入する袋状に構成され、前記蓋体の内側面に付着され、前記吸水シートに水を含水させた際に生じる余剰水や前記吸水シートから発生する水蒸気を所定の位置から排出させるために、少なくとも前記被加熱食品と対峙する面を疎水性を有する不織布で構成されたシート体と、そのシート体の前記被加熱食品と対峙する面の略中央部に穿設され、前記吸水シートに水を含水させた際に生じる余剰水や前記吸水シートから発生する水蒸気を排出する排出孔と、前記シート体を前記蓋体の内側面に付着させるために、前記シート体の周縁の一部を前記蓋体の内側面に付着する付着部と、その付着部を除く前記シート体の周縁を、前記電磁波による前記吸水シートの波打ち現象を生起させるために、前記蓋体の内側面に対し非付着とする非付着部とを備えている。
【0008】
この請求項1記載の電磁調理用ケースによれば、吸水シートに補給水を含水させる際には、蓋体の外側を把手して蓋体の内側面を上方に向ける。蓋体の内側面には、吸水シートを袋状に封入しつつ、その吸水シートに通じる排出孔が穿設されたシート体が付着されているので、蛇口から流出する水を補給水として排出孔から給水する。排出孔から給水された補給水は、吸水シートに吸水される。吸水シートが補給水を吸水すると、残りは余剰水となるため、蓋体の内側面を下方に向けて余剰水を排水する。この際、排出孔が穿設されている面のシート体は、疎水性を有する不織布で構成されているので、余剰水の一部は不織布よりしみ出つつ、大部分の余剰水は抵抗のない排出孔から排水される。このように吸水シートに補給水を含水させた後、被加熱食品を収納した受け箱の上面開口部に蓋体を覆い被せ、この状態で被加熱食品を電磁波によって加熱調理する。加熱調理を開始すると、電磁波は吸水シートに含水させた水を水蒸気に変化させる。この際、吸水シートを封入する袋状の内部は水蒸気によって高圧となり、水蒸気の一部はシート体の表面を通過しつつも、大部分の水蒸気は抵抗のない排出孔から排出され、受け箱に収納されている被加熱食品を加熱、加水する。また、蓋体の内側面に付着されるシート体は、シート体の周縁の一部を蓋体の内側面に付着する付着部によって付着されている。一方、その付着部を除くシート体の周縁は、蓋体の内側面に対し非付着とする非付着部とされているので、非付着部 ではシート体は上下方向に移動可能になる。よって、電磁波による吸水シートの波打ち現象を生起させる。
【0009】
請求項2記載の電磁調理用ケースは、請求項1記載の電磁調理用ケースにおいて、前記シート体の全部は、疎水性を有する不織布によって構成されている。
【0010】
請求項3記載の電磁調理用ケースは、請求項1又は2に記載の電磁調理用ケースにおいて、前記シート体に封入される吸水シートは、その周縁を対峙する前記シート体に付着されている。
【0011】
請求項4記載の電磁調理用ケースは、請求項1又は2に記載の電磁調理用ケースにおいて、前記シート体に封入される吸水シートは、対峙する前記シート体を付着して形成される袋状の内部に収納されている。
【0012】
請求項5記載の電磁調理用ケースは、請求項1から4のいずれかに記載の電磁調理用ケースにおいて、前記シート体は略矩形状に形成されており、前記非付着部は、対峙する2方向に形成されている。
【0013】
【0014】
請求項6記載の電磁調理用ケースは、請求項1から5のいずれかに記載の電磁調理用ケースにおいて、前記被加熱食品は、白米と、その白米の上に載置されたウナギの蒲焼きとによって構成されている。
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例である電磁調理用ケース1の斜視図である。電磁調理用ケース1は、電子レンジ等の電磁波を利用して加熱調理される被加熱食品に所量の水分を補給して、被加熱食品の乾燥に伴う食味の低下を抑制するためのものである。本実施例においては、被加熱食品として白米4と、その白米4の上に載置されるウナギの蒲焼き5とを用いた場合について説明する。尚、被加熱食品に関しては、白米4、ウナギの蒲焼き5に限定されるものではない。まず、図1を参照して電磁調理用ケース1の構成のうち、受け箱2と、蓋体3とについて説明する。
【0018】
受け箱2は、白米4とウナギの蒲焼き5とを収納するためのものであり、内部に収納空間を有する略直方体に形成さている。上面には開口部2aを有し、開口部2aから白米4とウナギの蒲焼き5とが出し入れされる。大きさは、幅130mm程度、奥行き190mm程度、深さ50mm程度であり、約150g〜250g程度の白米4と、250g〜350g程度のウナギの蒲焼き5とを収納できるように構成されている。また、軽量で、安価に製造することができるように、発泡体で構成されている。尚、図示はされていないが、耐熱性を確保すべく、受け箱2の内部には、受け箱2よりひとまわり小さく形成された耐熱シートが組み込まれている。
【0019】
蓋体3は、受け箱2の上面に形成された開口部2aに覆い被せるためのものであり、下面が開口された略直方体に形成されている。幅と奥行きとは、受け箱2よりひとまわり大きく、高さは30mm程度で構成されている。蓋体3の下面と受け箱2の開口部2aとが対峙するように蓋体3を受け箱2に覆い被せると、蓋体3の周壁3bが受け箱2の周壁2bの外側にはめ込まれ、受け箱2の開口部2aは蓋体3の上面によって覆い被せられる。こうして白米4とウナギの蒲焼き5とは受け箱2と蓋体3とによって封入され、この状態で電子レンジによって加熱調理される。また、蓋体3の上面であって、その内側面3aには吸水シート6(図3参照)を封入するシート体7が溶着されている。
【0020】
ここで、図2および図3を参照して吸水シート6と、その吸水シート6を封入するシート体7とについて説明する。図2は蓋体3の内側面3aに溶着されているシート体7を示す平面図である。図3はシート体7の分解斜視図である。尚、図2において、上述した蓋体3は組み立て以前の状態を示している。即ち、蓋体3は当初板状に形成されており、周壁3bを図中鎖線に沿って引き起こし、糊代3cを直交する周壁3bの内側に折り畳みつつ接着して、図1に示すような略直方体に形成される。
【0021】
蓋体3の内側面3aに溶着されている吸水シート6を封入するシート体7は、図3に示すように、第1シート7aと第2シート7bとの2枚のシート材料で構成されている。この第1シート7aと第2シート7bとは、吸水シート6に補給水を含水させた際に生じる余剰水や吸水シート6から発生する水蒸気を第2シート7bの略中央部に穿設された排出孔8から排出させるためのものである。第1シート7aと第2シート7bとは共に、ポリエステル製の不織布で構成され、蓋体3の内側面3aと略同様の大きさに形成されている。また、第2シート7bの略中央部には、直径略30mm程度の排出孔8が穿設されている。尚、この排出孔8は、第2シート7bの略中央部に穿設されていれば、1つに限られず、2つ以上であっても良い。但し、補給水の給水を容易にすべく、ある程度の径を有する排出孔8を1つ若しくは2つ穿設することが好ましい。
【0022】
一方、第1シート7aと第2シート7bとに封入される吸水シート6は、電子レンジによる加熱調理の際に、白米4とウナギの蒲焼き5とに水分を加水するために、加熱調理に先立ち所量の補給水を含水させるためのものである。吸水シート6は、シート体7の長手方向の長さと略同一に形成され、長手方向と直交する方向の長さをシート体7より短く形成されている。この大きさで本実施例の吸水シート6は、15cc〜17cc程度の含水能力を有している。
【0023】
上述のように構成された吸水シート6は、その両面を第1シート7aと第2シート7bとに挟み込まれ、その周縁を対峙する第1シート7aと第2シート7bとに熱溶着され(図2の第1溶着部9参照)、シート体7に封入される。吸水シート6を封入したシート体7は、その長手方向に対向する2辺を蓋体3の内側面3aに熱溶着される(図2の第2溶着部10参照)。即ち、シート体7は長手方向に対向する2辺によって蓋体3の内側面3aに熱溶着され、他の対向する2辺は、蓋体3の内側面3aに非溶着になっている。よって、シート体7は、蓋体3の内側面3aに対し上下方向に移動可能に構成されている。
【0024】
次に、シート体7によって吸水シート6を封入する封入態様についての第2実施例を図4を参照して説明する。図4は、図2に対応する図であり、蓋体3の内側面3aに熱溶着されているシート体7を示す平面図である。尚、第2実施例は、シート体7によって吸水シート6を封入する封入態様を異にするものであり、第1実施例と同一部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0025】
第2実施例では、吸水シート6の長手方向の長さは、シート体7の長手方向の長さよりひとまわり短く形成され、長手方向と直交する方向の長さは、第1実施例の場合と略同様に形成されている。このように形成された吸水シート6は、第1シート7aと第2シート7bとを熱溶着(図4の第3溶着部11参照)して形成される袋状の内部に収納される。即ち、第1実施例では、吸水シート6の周縁を第1シート7aと第2シート7bとに挟み込まれ、その周縁を第1シート7aと第2シート7bとに熱溶着され(図2の第1溶着部9参照)、シート体7に封入される。従って、厚み方向の吸水シート6は、第1シート7aと第2シート7bとから露出した状態になっている。
【0026】
一方、第2実施例における吸水シートは、第1シート7aと第2シート7bとを熱溶着(図4の第3溶着部11参照)して形成される袋状の内部に収納されるので、厚み方向の吸水シート6が、第1シート7aと第2シート7bとから露出することなく、吸水シート6の全部がシート体7に封入されている。
【0027】
次に、図5および図6を参照して、上述のように構成された電磁調理用ケース1の使用方法について説明する。図5は、吸水シート6に水を給水する際の様子を示した斜視図である。図6は、電子レンジ12を用いて加熱調理する際の様子を示した電磁調理用ケース1の断面図である。尚、図6においては、図面の理解を容易にすべく、電子レンジ12は2点鎖線で示し、白米4とウナギの蒲焼き5とについては断面を示す線を省略する。
【0028】
受け箱1に収納した白米4とウナギの蒲焼き5とを電子レンジを利用して加熱調理する際には、まず、図3に示すように蓋体3に配置された吸水シート6に所量の補給水を含水させる。吸水シート6に所量の水を含水させるには、蓋体3の外側を把手し、蓋体3の内側面3aが蛇口に対向するように上向きにする。そして、蛇口から下方に向けて流出する水を、蓋体3に熱溶着された第2シート7bの排出孔8から、袋状に構成されているシート体7の内部に給水する。シート体7の内部には、予め所量の含水能力を有する吸水シート6が封入されているので、排出孔8から給水された水のうち15cc〜17cc程度の水が、吸水シート6に吸水される。
【0029】
こうして、吸水シート6に所量の補給水を含水させると、吸水シート6に吸水されなかった水は余剰水となるので、余剰水を排水すべく蓋体3の内側面3aを下方に向け、排出孔8から余剰水を排水する。この際、シート体7は、ポリエステル製の不織布で構成されているので、余剰水の一部はシート体の表面からしみ出ししつつも、大部分の余剰水は抵抗のない排出孔から円滑に排水される。よって、手に水が付着するのを抑制して、手際良く補給水の給排水処理を実行することができる。
【0030】
このように吸水シートに所量の水を含水させた後、図4に示すように、蓋体3を受け箱2の上面開口部2aに覆い被せ、電磁調理用ケース1を電子レンジ12の中に入れて加熱調理を開始する。ここで、電子レンジ12は電磁波を利用して加熱調理するもので、軸芯13を中心に電磁調理用ケース1を回転させる回転テーブル14と、側壁の上方に配置される電磁波を発生するマグネトロン15とを備え、一般家庭で多く使用される500W用のもの使用する。
【0031】
この電子レンジ12は、その中央部がマグネトロン14から最も遠い部位となるため、電子レンジ12の中央部が他の部位に比較して加熱されにくい。よって、被加熱食品である白米4とウナギの蒲焼き5との中央部分は、他の部分に比べ温度が低く温度むらが生ずる。また、ウナギの蒲焼き5は油分を含んでいるため、白米4に比べて加熱されやすく、ウナギの蒲焼き5と白米4との間で温度むらが生ずる。
【0032】
しかし、本実施例における電磁調理用ケース1によれば、受け箱2の下方に敷設された白米4は、受け箱2の周壁2bを通過する電磁波(図中一点鎖線の矢印参照)によって加熱される。一方、白米4の上に載置されるウナギの蒲焼き5は、蓋体3を通過する電磁波によって加熱される。蓋体3の内側面3aには、吸水シート6を封入するシート体7が溶着されているので、蓋体3を通過する電磁波は、吸水シートに含水させた補給水を加熱し、水蒸気に変化させた後に、ウナギの蒲焼き5に到達する。よって、ウナギの蒲焼き5を加熱する電磁波は、白米4を加熱する電磁波に比較して減衰されているので、白米4がウナギの蒲焼き5よりも加熱されやすくなる。また、白米4がウナギの蒲焼き5よりも早く加熱されるので、白米4の余熱(図中実線の矢印参照)によって、ウナギの蒲焼き5を効率よく加熱することができる。
【0033】
また、吸水シート6から発生する水蒸気は、吸水シート6がシート体7に封入されているため、吸水シート6を封入するシート体7の内部は、水蒸気によって高圧となり、水蒸気の一部はシート体7の表面を通過しつつも、その大部分は、は抵抗のない第2シート7bの略中央に穿設された排出孔8から円滑に排出される。更に、吸水シート6を封入するシート体7は、長手方向に対向する2辺が蓋体3の内側面3aに熱溶着(第2溶着部10)され、他の周縁は非溶着とされているので、吸水シート6から発生する水蒸気によってシート体7が上下に揺れ、シート体7に封入される吸水シート6の波打ち現象を生起させる。よって、袋状の内部で発生する水蒸気の滞留を抑制でき、水蒸気は一層円滑に排出孔8から排出される。
【0034】
ここで、図4において説明したように、吸水シート6をシート体7の内部に完全に収納した場合には、、吸水シート6から発生する水蒸気が、シート体7から露出した部分から流出することがなく、発生する水蒸気の大部分を抵抗のない排出孔8から排出させることができる。また、複数枚の吸水シート6を袋状の内部に収納すれば、含水量の調節可能範囲が広がるため、水分の乾燥量が異なる多種の被加熱食品に使用でき、汎用性を向上させることができる。
【0035】
こうして、吸水シート6から発生する大部分の水蒸気は、第2シート7bの中央部に穿設された排出孔8からウナギの蒲焼き5の中央部に向けて噴出するので、ウナギの蒲焼き5の中央部は、他の部分に比べて効率よく加熱される。従って、本実施例の電磁調理用ケース1によれば、白米4がウナギの蒲焼き5よりも加熱されやすく、また、ウナギの蒲焼き5の中央部は他の部分に比べて加熱されやすいので、白米4とウナギの蒲焼き5との温度むらを抑制しつつ、共に適温で加熱調理することができる。
【0036】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0037】
例えば、本実施例では、吸水シート6をシート体7の内部に封入するための長手方向の第1溶着部9(第3溶着部11)と、吸水シート6を封入したシート体7を蓋体3の内側面3aに溶着するための長手方向の第2溶着部10とを別々に設ける場合について説明した。しかしながら、この第1溶着部9(第3溶着部11)と第2溶着部10とを共通化しても良い。即ち、第1実施例では、蓋体3の内側面3aと第1シート7aと吸水シート6と第2シート7bとを併せて熱溶着し、第1溶着部9と第2溶着部10とを共通化させても良い。また、第2実施例では、蓋体3の内側面3aと第1シート7aと第2シート7bとを熱溶着し、第3溶着部11と第2溶着部10とを共通化させても良い。このように、第1溶着部9(第3溶着部11)と第2溶着部10とを共通化させれば、製造工程を削減することができる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に記載の電磁調理用ケースによれば、吸水シートはシート体に封入された状態で蓋体の内側に配置されているので、吸水シートを配置するための構造を簡略化することができ、製造コスト削減することができるという効果がある。また、シート体は薄いので、電磁調理用ケースの外観を損なうことなく、吸水シートを設置することができるという効果がある。また、吸水シートに補給水を給水したり余剰水を排水したりする際には、蓋体の外側を把手して、蓋体を上方や下方に向ければ良い。よって、手に水が付着するのを抑制して、手際良く給排水処理を実行することができる。また、排出孔が穿設された面、即ち、被加熱食品と対峙する面のシート体は、疎水性を有する不織布で構成されているので、余剰水の一部は不織布の一部からしみ出つつも、余剰水の大部分を抵抗のない排出孔から円滑に排水することができる。
【0039】
また、一般家庭で使用される電子レンジの多くは、電磁波を発生させる電磁波発生装置が、電子レンジの略中央部から最も離れた位置に設置されているので、電子レンジの略中央部は他の部分に比べ加熱されにくい。しかし、排出孔が穿設された面のシート体は、疎水性を有する不織布で構成成されているので、吸水シートから発生する水蒸気の一部はシート体の表面を通過しつつも、その大部分はシート体の略中央部に穿設された排出孔から、被加熱食品の略中央部に向けて排出される。よって、被加熱食品の中央部を効率良く加熱することができ、温度むらの少ない加熱調理を実現することができるという効果がある。また、付着部を除くシート体の周縁は、蓋体の内側面に対し非付着とする非付着部とされているので、非付着部ではシート体は上下方向に移動可能となり、電磁波による吸水シートの波打ち現象を生起させることができる。従って、吸水シートから発生する水蒸気は、波打ち現象によって抵抗のない排出孔に押し出され、水蒸気を一層円滑に排出させることができるという効果がある。
【0040】
請求項2記載の電磁調理用ケースによれば、請求項1に記載の電磁調理用ケースの奏する効果に加え、シート体の全部は、疎水性を有する不織布で構成されているので、例えば、袋状に構成するシート体の一面を親水性の紙素材で構成した場合に比べて、親水性を有する紙素材によって補給水が吸収されることがなく、一層効率的に請求項1に記載の電磁調理用ケースの奏する効果を奏することができるという効果がある。
【0041】
請求項3記載の電磁調理用ケースによれば、請求項1又は2に記載の電磁調理用ケースの奏する効果に加え、シート体に封入される吸水シートは、その周縁を対峙するシート体に付着されている。よって、吸水シートの大部分をシート体によって封入できる。従って、吸水シートから発生する水蒸気の大部分を、排出抵抗のない排出孔から排出させることができるという効果がある。
【0042】
請求項4記載の電磁調理用ケースによれば、請求項1又は2に記載の電磁調理用ケースの奏する効果に加え、シート体に封入される吸水シートは、対峙するシート体を付着して形成される袋状の内部に収納されている。よって、吸水シートの全部をシート体によって封入することができる。従って、吸水シートから発生する水蒸気を一層多量に抵抗のない排出孔から排出させることができるという効果がある。また、複数枚の吸水シートを袋状の内部に収納すれば、含水量の調節可能範囲が広がるため、水分の乾燥量が異なる多種の被加熱食品に使用でき、汎用性を向上させることができるという効果がある。
【0043】
請求項5記載の電磁調理用ケースによれば、請求項1から4のいずれかに記載の電磁調理用ケースの奏する効果に加え、シート体は略矩形状に形成されており、非付着部は対峙する2方向に形成されている。よって、バランスよく電磁波による波打ち現象を生起させることができるという効果がある。
【0044】
請求項6記載の電磁調理用ケースによれば、請求項1から5のいずれかに記載の電磁調理用ケースの奏する効果に加え、ウナギの蒲焼きに上方から作用する電磁波は、ウナギの蒲焼きに到達する前に、含水されている吸水紙を透過するため、電磁波は減衰されてウナギの蒲焼きに到達する。よって、ウナギの蒲焼きの加熱状況を白米に比べて抑制することができる。従って、ウナギの蒲焼きが、過剰に加熱されることがなく、ウナギの蒲焼きと白米とを共に適温で加熱調理することができるという効果がある。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電磁調理用ケースの斜視図である。
【図2】 蓋体の内面にシート体を付着した様子を示す平面図である。
【図3】 シート体の分解斜視図である。
【図4】 第2実施例における蓋体の内面にシート体を付着した様子を示す平面図である。
【図5】 吸水シートに補給水を給水する際の様子を示した斜視図である。
【図6】 電磁調理用ケースを用いて加熱調理する際の様子を示した断面図である。
【符号の説明】
1 電磁調理用ケース
2 受け箱
3 蓋体
4 白米
5 ウナギの蒲焼き
6 吸水シート
7 シート体
8 排出孔
9 第1溶着部
10 第2溶着部
11 第3溶着部
12 電子レンジ
Claims (6)
- 電磁波を利用して加熱調理される被加熱食品を収納するために、上面が開口した受け箱と、その受け箱の上面開口部に覆い被せる蓋体とを備えた電磁調理用ケースにおいて、
前記被加熱食品に応じた水を含水する吸水シートと、
その吸水シートの少なくとも一部を封入する袋状に構成され、前記蓋体の内側面に付着され、前記吸水シートに水を含水させた際に生じる余剰水や前記吸水シートから発生する水蒸気を所定の位置から排出させるために、少なくとも前記被加熱食品と対峙する面を疎水性を有する不織布で構成されたシート体と、
そのシート体の前記被加熱食品と対峙する面の略中央部に穿設され、前記吸水シートに水を含水させた際に生じる余剰水や前記吸水シートから発生する水蒸気を排出する排出孔と、
前記シート体を前記蓋体の内側面に付着させるために、前記シート体の周縁の一部を前記蓋体の内側面に付着する付着部と、
その付着部を除く前記シート体の周縁を、前記電磁波による前記吸水シートの波打ち現象を生起させるために、前記蓋体の内側面に対し非付着とする非付着部とを備えていることを特徴とする電磁調理用ケース。 - 前記シート体の全部は、疎水性を有する不織布によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁調理用ケース。
- 前記シート体に封入される吸水シートは、その周縁を対峙する前記シート体に付着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁調理用ケース。
- 前記シート体に封入される吸水シートは、対峙する前記シート体を付着して形成される袋状の内部に収納されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁調理用ケース。
- 前記シート体は略矩形状に形成されており、前記非付着部は、対峙する2方向に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電磁調理用ケース。
- 前記被加熱食品は、白米と、その白米の上に載置されたウナギの蒲焼きとによって構成されていることを特徴とする請求項1から5に記載された電磁調理用ケース。
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