JP4132882B2 - 粉末冶金による成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は粉末冶金による成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、粉末冶金法により、複数の異なる材料からなる成形体を接合する方法としては、主として次の2つの方法が知られていた。
その1つ目は、特開平7−177712号公報に記載されているように、粉末材料を圧縮成形して得られる圧粉体を、各粉末材料ごとに別個に形成し、得られた複数の圧粉体を接触させた状態で焼結する方法である。この方法は、接触させた複数の圧粉体の焼結時に各圧粉体の原子が熱により拡散して、複数の圧粉体が接合するものである(以下、「拡散接合」という)。
【0003】
また、2つ目は、粉末材料を圧縮成形して得られる圧粉体を焼結して、各粉末材料ごとに別個に成形体を形成し、得られた複数の成形体を高分子からなる接着剤で接着するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した粉末冶金法により得られた成形体を接合する方法は、各粉末材料ごとに圧粉体を成形することから、粉末材料ごとにダイとパンチからなる金型が必要になり、製造コストが高くつく。また、拡散接合、接着によるいずれの方法でも、強度上の信頼性が低いことから、そのままでは機械部品として使用することはできなかった。そのため、例えばモータ用のロータなど、粉体からなるヨークの周りに粉体からなる磁石を接合したものでは、外周にガラス繊維強化プラスチック等からなるカバーをつけて信頼性を上げる必要があった。ところが、モータのロータとステータのエアギャップは小さい方が性能上好ましいのに対し、このようなカバーが、磁石とステータの間に介在することでモータの性能を低下させていた。
【0005】
また、モータ用ロータには、残留磁束密度、保持力、最大エネルギー積等に優れたネオジウム・鉄・ボロン磁石(Nd−Fe−B系磁石)が使用されるが、Nd−Fe−B系磁石は、熱により磁力が弱くなることから、拡散接合のように長時間高温で焼結する方法はできるだけ避けるのが望ましい。
【0006】
さらに、モータ用ロータの磁石には、使用中に渦電流が発生し、この電流により磁石の温度が上がるが、ヨークでこの熱を奪うことで、冷却している。しかし、接着剤でヨークと磁石を接着した場合には、接着剤の熱伝導性が悪いことから、ヨークに効率的に熱を伝えて磁石を冷却するということができなかった。また、拡散接合によりヨークと磁石とを接合する場合でも、ヨークと磁石を合わせる形状の誤差を無くすことはできず、密着性も良くないことから、磁石からヨークへの熱伝達は十分に効率的とはいえなかった。磁石の温度が上がると、その状態での磁力も低下するし、また、熱サイクルを繰り返しても磁力が低下するので、モータの効率を高くする上では、磁石での発熱を速やかに冷却できるのが望ましい。
【0007】
このような問題に鑑み、本発明はなされたもので、本発明は、低コストでかつ信頼性が高く、磁性特性にも優れた、複数の異種材料からなる粉末冶金による成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するため、本発明の請求項1では、成形体を成形するダイの内部に板状の仕切板を配置することにより前記ダイの内部を、前記仕切板の一側に形成された第一成形部と他側に形成された第二成形部とに仕切り、前記第一成形部に第一粉末材料を供給し、前記第二成形部に第二粉末材料を供給し、前記仕切板を取り除いた後、パンチにより前記第一、第二粉末材料を圧縮成形して圧粉体を得、この圧粉体を焼結して成形体を得、前記第一、第二粉末材料のうち、一方の平均粒径が、他方の平均粒径の0.15倍以下であり、前記第一、第二粉末材料の一方が他方に入り込んで、一方がアンダカットの断面を有するように、前記仕切板が屈曲した断面を有しており、前記仕切板は、その両面のうち、前記平均粒径の大きくされた第一粉末材料または第二粉末材料が入る側の一方の面が、他方の面よりも面粗度が粗く形成されていることを特徴とする。
【0009】
このような製造方法によれば、仕切板を取り除いた時点で、第一粉末材料と第二粉末材料の一方から他方へ一部の粒子が入り込む。そして、パンチで圧縮成形した際に他方へ入り込んだ粒子が一方の粉末材料と圧接されることで、第一粉末材料と第二粉末材料が噛み合った組織になる。したがって、この圧粉体を焼結することで、第一、第二粉末材料が強固に密着して接合された成形体を得ることができる。また、金型が1つで済むことから、成形体の製造コストを低くすることもできる。
また、第一、第二粉末材料のうち一方の平均粒径が他方の平均粒径の0.15倍以下であるので、大きい方の粒子が最密構造で配列する場合でもその間隙内に入り込むことができる。したがって、小さい粒子の粉末材料が、大きい粒子の粉末材料の中に入り込み、アンダカット部を形成し、第一、第二粉末材料が互いに噛み合うので、強固に接合される。
また、第一、第二粉末材料の一方が他方に入り込んで、一方がアンダカットの断面を有するように、仕切板が屈曲した断面を有するので、前記した、粒子レベルでの第一、第二粉末材料の噛み合い(アンダカット部)に加えて、マクロな形状で第一、第二粉末材料の一方をアンダカットの断面にして噛み合わせることができるので、より強固に第一、第二粉末材料が接合される。もちろん、一方の粉末材料だけでなく、第一、第二粉末材料がともにアンダカットの断面を有し、互いに相手側の材料内に入り込んだ形状とすることもできる。
また、仕切板は、その両面のうち、平均粒径の大きくされた第一粉末材料または第二粉末材料が入る側の一方の面が、他方の面よりも面粗度が粗く形成されているので、仕切板を取り除いた際に、粒子が転がって、大きい粒子の間に小さい粒子が入り込みやすくなり、アンダカットの断面ができやすくなって、より強固に2つの材料を接合することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態においては、本発明の製造方法を利用して製造される成形体の例として、永久磁石を備えたモータ用ロータを取り上げて説明する。参照する図において、図1は、モータ用ロータの一例を示す斜視図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態での製造方法で製造されるモータ用ロータ1は、鉄(Fe)を主成分とするリング状のヨーク2の外周に、複数の(図1においては8個の)ネオジウム・鉄・ボロン(Nd−Fe−B)系磁石からなる磁石部3が等間隔に接合されて構成されている。
このモータ用ロータ1は、図示しない出力軸と一体に組み合わされ、いわゆるブラシレスモータの回転子として利用される。
【0023】
[金型10]
図2は、本実施形態のモータ用ロータの製造方法に使用する金型の断面図で、図1のモータ用ロータの2−2線断面に相当する断面であり、(a)が粉末材料を供給する工程、(b)が仕切板を取り除く工程、(c)がパンチで圧縮成形する工程、(d)が離型工程を示す。
【0024】
図2(a)に示すように、本実施形態に使用する金型10はモータ用ロータ1の平面視における輪郭形状の孔部から成る成形部40を有するダイ11と、成形部40の輪郭に対応したパンチであって、成形部40を下方から臨んで成形部40に対し摺動自在な下パンチ12と、成形部40の輪郭に対応した輪郭を有し、成形部40の上部から粉末原料を圧縮する上パンチ13(図2(c)参照)とを備えている。また、成形部40は、仕切板15により、ヨーク2が成形される第一成形部41と、各磁石部3が成形される第二成形部42に仕切られている。なお、第二成形部42は、磁石部3に応じて8箇所形成されている。仕切板15は、下パンチ12に対し上下に摺動可能で、下パンチ12内に退避し、又は成形部40内に進出することが可能に構成されている。
なお、仕切板15は、下パンチ12内に退避する構成とせずに、例えば紙片をヨーク2の外周に対応したリング状に形成し、粉末材料の供給後、成形部40の上部へ取り去るようにしても良い。
【0025】
[粉末材料]
本実施形態では、ヨーク2を形成する第一粉末材料20として鉄系の粉末材料を使用し、磁石部3を形成する第二粉末材料30として、Nd−Fe−B系磁石の磁性粉末を使用する。なお、磁性材料としては、フェライト磁石、アルニコ磁石の粉末材料を使用することも可能である。
【0026】
ここで、第一粉末材料20及び第二粉末材料30の粒径は、一方の平均粒径が、他方の平均粒径の0.15倍以下であるのが望ましい。これを、図3を参照して説明する。図3は、圧縮成形前における第一粉末材料と第二粉末材料とが接する界面の粒子の配列を模式的に示した図である。図3においては、大きい粒子20aが第一粉末材料20を示し、小さい粒子30aが第二粉末材料30を示している。もちろん、実際の粒子は球形ではないが、図3では理想的な状態として図示する。第一粉末材料の粒子20aが、圧縮成形前に最密の状態で詰まっている場合には、面心立方格子又は六方最密格子と同様に配列するので、このとき平面状に配列した粒子20aは図3のように正三角形で構成された格子の格子点に粒子20aが位置するように配列する。この配列での粒子20aの間隙に入り込める最大の粒子を粒子30aとして図3に図示し、その半径をaとする。ここで、粒子30aの半径をAとすると、幾何学的にa=0.1547Aの関係があることが分かる。したがって、粒子30aの粒径(=2a)が粒子20aの粒径(=2A)の0.15倍以下である場合には、粒子30aが最密状態に配列した界面の粒子20aの間隙をすり抜けて、第一粉末材料20内の粒子20aの間隙に入り込むことができる。
【0027】
本実施形態では、一例として、第一粉末材料20の平均粒径を70μm(粒径分布40〜100μm)とし、第二粉末材料30の平均粒径を2μm(粒径分布1〜3μm)としている。なお、磁性粉末材料は、なるべく小さい粒径のものを使用した方が、磁束密度を向上できるので望ましい。
【0028】
[製造方法]
次に、以上のような金型10を使用してモータ用ロータ1を製造する方法について説明する。
まず、図2(a)に示すように、仕切板15を成形部40内に進出させた状態で、成形部40を第一成形部41と第二成形部42とに仕切っておく。そして、第一成形部41に第一粉末材料20を供給し、第二成形部42に第二粉末材料30を供給する。
【0029】
次に、図2(b)に示すように、仕切板15を下パンチ12内へ下げることで、成形部40から退避させて取り除き、第一粉末材料20と第二粉末材料30とを接触させる。このときの第一粉末材料20と第二粉末材料の界面の断面を模式的に示したのが図4である。図4は、図3の4−4線断面に相当し、第二粉末材料30の粒子30aは十分に小さいものとして、粒子形状を省略する。図4における、上半分の第二粉末材料30は、粒子20aの最小間隙を潜り抜け、粒子20aの四面体間隙21aの内部に入り込んでいる。また、四面体間隙21aに隣接するより大きな間隙21bの内部にも入り込んでいる。すなわち、粒子30aは、粒子20aの最小間隙も潜り抜けることができるので、第一粉末材料20の内部へさらに入り込み、前記最小間隙より広い間隙で広がって、アンダカットの断面を有することができる。ここでの四面体間隙21a、間隙21bに入った粒子が圧縮成形されて焼結されると、アンダカット部となる。
【0030】
また、仕切板15の両面のうち、粒径が大きい粉末材料が入る側の面、即ち第一粉末材料20側の面を他方の面に比べ若干荒らしておくのが望ましい。このときの面粗度は、大きい方の粒子が引っ掛かる程度にする。こうすると、仕切板15を取り除いた際に、粒子20aが転がって、大きい粒子の間に小さい粒子が入り込みやすいので、アンダカットの断面ができやすく、より強固に2つの材料を接合することができる。
【0031】
次に、図2(c)に示すように、例えば電磁石により、第一粉末材料20(ヨーク2)の内側がN極、第二粉末材料30(磁石部3)の外側がS極になるように磁場をかけ、この状態で上パンチ13を上から押し込んで、第一粉末材料20と第二粉末材料30とを圧縮成形する。圧縮成形により、第二粉末材料20の粒子20a間に入り込んだ第一粉末材料30のアンダカット断面が押し固められ、第一粉末材料20と第二粉末材料30とが噛み合って強固に接合される。
【0032】
なお、仕切板15を取り除いた後、上パンチ13で第一、第二粉末材料20,30を圧縮成形する前に、第一、第二粉末材料20,30に振動を与えるのが望ましい。このように振動を与えることにより、第一、第二粉末材料20,30の界面で粒子20a,30aが動き、粒子30aが粒子20aの間に入り込みやすくなることで、アンダカット部がより多くできて、両者の接合がより強固になる。なお、振動を与える方法としては、金型10自体に機械的に振動を与えたり、第一、第二粉末材料20,30に向けて、これらの粉末が動きやすい周波数の音を鳴らす方法等が利用できる。
【0033】
次に、図2(d)に示すように、上パンチ13を上昇させ、さらに下パンチ12を上昇させることで、圧粉体1’を突き上げてダイ11から離型させる。
この圧粉体1’を、真空焼成炉中で、例えば1000℃、1時間の条件で焼結し、モータ用ロータ1を得ることができる。
【0034】
以上のような製造方法で得られたモータ用ロータ1(成形体)は、圧粉体1’の状態で、第二粉末材料30が第一粉末材料20の粒子20a間に入り込んでアンダカットの断面を有することから、焼結後もそのまま第二粉末材料30がアンダカットの断面を有しており、第一、第二粉末材料20,30が噛み合って強固に接合される。その結果、高温、高速回転での信頼性が高く、磁石部3を押さえるカバー等も不要であることから、磁石部3とモータのステータの間のエアギャップも最小化することができ、高効率のモータを構成することができる。
【0035】
また、両者を粉末の状態で接触させ、圧縮成形することから、従来のように圧縮成形後、拡散接合するのに比べると、密着性が良く、磁石部3からヨーク2への熱伝導も良好である。したがって、本実施形態のモータ用ロータ1は、モータの部品として使用したときに、磁石部3で発生した熱をヨーク2に速やかに伝達し、磁石部3の温度が上がることを防止できるので、磁力の低下を防止して、高効率のモータとすることができる。
さらに、ヨーク2と磁石部3の密着性の良さから、磁石部3の磁力線を効率良くヨーク2へ通すので、磁石部3の効率的利用により、高効率のモータを構成することができる。
また、本実施形態の成形体の製造方法によれば、磁石部3とヨーク2とを同時に圧縮成形するので金型が一つで済み、低コストで成形体を製造することができる。
【0036】
次に、仕切板15の他の例について説明する。
図5は、仕切板の他の例を説明するためのダイ及び仕切板の斜視図である。
図5では、ダイ50内に仕切板55を設置してダイ50の内部を2つに仕切り、一方に第一粉末材料51を、他方に第二粉末材料52を供給した後、仕切板55を取り除いた状態を示している。この仕切板55は、蟻溝型の断面を有するように屈曲した板で、第一、第二粉末材料51,52を供給した後、溝の方向に沿って取り除くことで、第一、第二粉末材料51,52を蟻接ぎ状の断面にすることができる。即ち、第二粉末材料52を粒子レベルで第一粉末材料51の粒子間に入り込ませてアンダカットの断面を形成すると同時に、マクロな形状でも第二粉末材料52を第一粉末材料51内へ入り込ませてアンダカットの断面を有するように形成することができる。その結果、この仕切板55を使用して粉末材料を供給して作った接合体は、より強固に2つの粉末材料を接合することが可能である。
なお、仕切板55の断面は、蟻溝型に限らず、一方の粉末材料側から、他方側へ入り込んで広がる断面を有するのであればどのような形であっても良く、例えばΩ字状の断面でも構わない。また、仕切板55において、アンダカットの断面を有する屈曲部は複数繰り返し設けても良い。
【0037】
【実施例】
次に、本発明の粉末冶金による成形体の製造方法を使用して2つの粉末材料を接合した実施例について説明する。参照する図において、図6(a)は、成形体サンプルを成形した金型の断面図であり、(b)は、成形体サンプルの斜視図である。
まず、縦7mm、横15mmの長方形断面の成形部を有するダイ60を用い、図示しない仕切板をこの横方向の中央に設置し、ダイ60の内部を2つの成形部に仕切った。そして、一方の成形部に平均粒径70μm(粒径分布40〜100μm)の鉄系の第一粉末材料65を1g供給し、他方の成形部に平均粒径2μm(粒径分布1〜3μm)のNd−Fe−B系磁石からなる第二粉末材料66を2g供給した。
【0038】
そして、仕切板を取り除き、磁場中成形機で磁場をかけながら、下パンチ61及び上パンチ62により挟み込み、29.4MPaの圧力で圧縮成形した。この圧粉体を取り出し、真空焼成炉にて、1050℃、2.5時間の条件で焼結し、鉄とNd−Fe−B系磁石が接合された成形体サンプル67を得た。
【0039】
この成形体サンプルの表面をEDS分析装置(エネルギー分散型X線分光分析装置:OXFORD MODEL6886)を備えたSEM(走査型電子顕微鏡:日本電子株式会社製JSM-6320F)を用いて観察し、界面を横断する線上の元素分析を行った。なお、SEMの稼動条件は、加速電圧20kV、電流1×10-7A、WD(ワーキングディスタンス)15mm、とし、EDS分析装置で検出した特性X線は、Feについては、Kα輝線を、NdについてはLα1輝線を検出した。
【0040】
この結果を図7に示す。図7(a)は、観察した成形体のSEM像を示し、(b)は、EDS分析装置で分析した特性X線強度を示す図である。図7(a)では、左側がFe、右側がNd−Fe−B系磁石であり、この視野において、界面を横断して(図中横方向の直線に沿って)表面の元素分析を行った結果が図7(b)である。図7(b)では、横軸が図7(a)に対応する走査方向であり、縦軸が特性X線の強度を示している。図7(b)をみると、FeのKα輝線は界面を境に左側は強く、右側は急激に弱くなっており、逆に、NdのLα1輝線は、界面を境に右側は強く、左側は急激に弱くなっている。このことより、界面では、反対側の相への拡散は起こっていないと考えられ、2つの粉末材料が、界面で形状的に噛み合って接合していることが分かる。
【0041】
また、前記成形体サンプルについて、3点曲げ抗折試験を行った結果について説明する。なお、3点曲げ抗折試験は、JIS R1601「ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法」に基づいて行った。
【0042】
図8(a)は、成形体サンプルの破壊応力を、Nd−Fe−B系磁石、Fe粉末成形体の破壊応力と比較して示した図であり、(b)は、破壊後の成形体サンプルの破面付近のSEM像である。なお、Nd−Fe−B系磁石及びFe粉末成形体は、成形体サンプル(実施例)で使用した材料と同じ材料を用い、同じ条件で圧縮成形、焼結して得たものである。また、3点曲げ抗折試験の条件も同じである。図8(a)に示すように、成形体サンプル(実施例)の破壊応力は、約60N/mm2、Nd−Fe−B系磁石では、約90N/mm2、Fe粉末成形体では、約260N/mm2であった。即ち、成形体サンプルの破壊応力はNd−Fe−B系磁石のそれに近く、十分強固に接合されていることが分かった。また、図8(b)では、左側にFe、右側にNd−Fe−B系磁石が見えているが、破面はNd−Fe−B系磁石の母材中に位置しており、FeとNd−Fe−B系磁石の界面(接合面)で破壊していないことが分かる。このことからも、2つの粉末材料が本発明により強固に接合されたことが分かった。なお、図8(b)に示すように、Nd−Fe−B系磁石がFeの粒子間へ入り込んでいる状態も観察することができた。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば以下のような顕著な効果を奏する。
本発明の成形体の製造方法によれば、第一、第二粉末材料が強固に密着して接合された成形体を得ることができる。また、金型が1つで済むことから、成形体の製造コストを低くすることもできる。
【0046】
また、本発明の製造方法によれば、小さい粒子の粉末材料が、大きい粒子の粉末材料の中に入り込みやすく、2つの粉末材料がより強固に接合される。
【0048】
さらに、本発明の製造方法によれば、マクロな形状でも2つの材料が噛み合って、より強固に2つの粉末材料を接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モータ用ロータの一例を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係るモータ用ロータの製造方法に使用する金型の断面図で、図1のモータ用ロータの2−2線断面に相当する断面であり、(a)が粉末材料を供給する工程、(b)が仕切板を取り除く工程、(c)がパンチで圧縮成形する工程、(d)が離型工程を示す。
【図3】圧縮成形前における第一粉末材料と第二粉末材料とが接する界面の粒子の配列を模式的に示した図である。
【図4】図3の4−4線断面に相当する、第一粉末材料と第二粉末材料の界面の断面を模式的に示した図である。
【図5】仕切板の他の例を説明するためのダイ及び仕切板の斜視図である。
【図6】図6(a)は、成形体サンプルを成形した金型の断面図であり、(b)は、成形体サンプルの斜視図である。
【図7】(a)は、実施例に係る成形体サンプルのSEM像であり、(b)は、EDS分析装置で分析した特性X線強度を示す図である。
【図8】(a)は、成形体サンプルの破壊応力を、Nd−Fe−B系磁石、Fe粉末成形体の破壊応力と比較して示した図であり、(b)は、破壊後の成形体サンプルの破面付近のSEM像である。
【符号の説明】
1 モータ用ロータ
1’ 圧粉体
10 金型
11 ダイ
12 下パンチ
13 上パンチ
15 仕切板
20 第一粉末材料
30 第二粉末材料
40 成形部
41 第一成形部
42 第二成形部

Claims (1)

  1. 成形体を成形するダイの内部に板状の仕切板を配置することにより前記ダイの内部を、前記仕切板の一側に形成された第一成形部と他側に形成された第二成形部とに仕切り、前記第一成形部に第一粉末材料を供給し、前記第二成形部に第二粉末材料を供給し、前記仕切板を取り除いた後、パンチにより前記第一、第二粉末材料を圧縮成形して圧粉体を得、この圧粉体を焼結して成形体を得、
    前記第一、第二粉末材料のうち、一方の平均粒径が、他方の平均粒径の0.15倍以下であり、
    前記第一、第二粉末材料の一方が他方に入り込んで、一方がアンダカットの断面を有するように、前記仕切板が屈曲した断面を有しており、
    前記仕切板は、その両面のうち、前記平均粒径の大きくされた第一粉末材料または第二粉末材料が入る側の一方の面が、他方の面よりも面粗度が粗く形成されていることを特徴とする粉末冶金による成形体の製造方法。
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