JP2020108323A - コア、ステータ、及び回転電機 - Google Patents

コア、ステータ、及び回転電機 Download PDF

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JP2020108323A JP2018248530A JP2018248530A JP2020108323A JP 2020108323 A JP2020108323 A JP 2020108323A JP 2018248530 A JP2018248530 A JP 2018248530A JP 2018248530 A JP2018248530 A JP 2018248530A JP 2020108323 A JP2020108323 A JP 2020108323A
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達哉 齋藤
Tatsuya Saito
達哉 齋藤
友之 上野
Tomoyuki Ueno
友之 上野
聖 鶴田
Hijiri Tsuruta
聖 鶴田
由加 福永
Yuka Fukunaga
由加 福永
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Sumitomo Electric Sintered Alloy Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Sintered Alloy Ltd
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Abstract

【課題】磁気特性を改善でき、かつ生産性に優れるコアを提供する。【解決手段】アキシャルギャップ型回転電機に用いられるコアであって、前記コアは、圧粉成形体で構成される柱状のティースと、前記ティースの一端側に配置される板状の第一部材とを備え、前記ティースは、前記第一部材側から先端側に向かうほど細くなるテーパ部を有し、前記テーパ部の傾斜角度が0.5°以上10°以下であるコア。【選択図】図3

Description

本開示は、コア、ステータ、及び回転電機に関する。
特許文献1〜4は、ロータとステータとが軸方向に対向して配置されたアキシャルギャップ型のモータ(回転電機)を開示している。この種の回転電機に用いられるステータは、ヨーク及びティースを有するコアと、ティースに配置されるコイルとを備える。一般に、ヨークは、円環板状の部材である。ティースは、ヨークから軸方向に突出する柱状の部材である。また、特許文献1〜3には、ティースにおけるヨークとは反対側の端部に板状の鍔部を設けることが記載されている。
特開2009−44829号公報 特開2009−44941号公報 特開2009−124794号公報 特開2017−229191号公報
アキシャルギャップ型回転電機に用いられるコアの磁気特性を改善し、かつコアの生産性を向上することが望まれる。
本開示は、磁気特性を改善でき、かつ生産性に優れるコアを提供することを目的の一つとする。また、本開示は、上記コアを備えるステータを提供することを目的の一つとする。更に、本開示は、上記ステータを備える回転電機を提供することを目的の一つとする。
本開示のコアは、
アキシャルギャップ型回転電機に用いられるコアであって、
前記コアは、圧粉成形体で構成される柱状のティースと、前記ティースの一端側に配置される板状の第一部材とを備え、
前記ティースは、前記第一部材側から先端側に向かうほど細くなるテーパ部を有し、
前記テーパ部の傾斜角度が0.5°以上10°以下である。
本開示のステータは、
アキシャルギャップ型回転電機のステータであって、
本開示のコアと、
前記コアの前記ティースに配置されるコイルと、を備える。
本開示の回転電機は、
ロータとステータとを備え、前記ロータと前記ステータとが軸方向に対向して配置されたアキシャルギャップ型の回転電機であって、
前記ステータが本開示のステータである。
本開示のコアは、磁気特性を改善でき、かつ生産性に優れる。また、本開示のステータは、コアの磁気特性と生産性に優れる。更に、本開示の回転電機は効率に優れる。
図1は、実施形態1に係るコアの概略斜視図である。 図2は、実施形態1に係るコアの概略上面図である。 図3は、図1のIII−III線に沿うコアの部分概略断面図である。 図4は、実施形態1に係るコアの一部を外周側から見た概略図である 図5は、実施形態1に係るコアを成形する金型の一例を示す概略断面図である。 図6は、変形例1に係るコアの部分概略断面図である。 図7は、変形例1に係るコアの一部を外周側から見た概略図である。 図8は、実施形態2に係るコアの部分概略断面図である。 図9は、実施形態に係るステータの一例を示す概略斜視図である。 図10は、実施形態に係る回転電機の一例を示す概略断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
本発明者らは、アキシャルギャップ型の回転電機に用いられるコアについて鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。
アキシャルギャップ型の回転電機において、コイルに電流を流すと、コアに磁束が流れて磁路が形成される。コアに流れる磁束が減少すると、回転電機のトルクが低下する。回転電機のコアにおいて、ティースでは軸方向に磁束が流れ、ヨークでは周方向に磁束が流れる。そのため、ティースとヨークとの間で磁束の方向が変化する。ティースに鍔部が設けられている場合は、鍔部においてティースの軸方向と直交する方向に磁束が流れ、ティースと鍔部との間で磁束の方向が変化する。
ティースの周面と、ティースが突出するヨークの上面とが直交する場合、ティースとヨークとの間を磁束が流れる際、ティースの周面とヨークの上面とがなす角部近傍に磁束が集中することがある。また、ティースの周面と、ティースが接続される鍔部の下面とが直交する場合も、ティースと鍔部との間を磁束が流れる際にティースの周面と鍔部の下面とがなす角部近傍に磁束が集中することがある。つまり、ティースとヨークとの間、又は、ティースと鍔部との間で磁束の集中が発生し易い。回転電機のコアに局所的な磁束の集中が発生すると、コアの損失が増大して、回転電機の効率の低下を招く。
また、ティースを圧粉成形体で構成する場合、金型を用いて原料の軟磁性粉末を圧縮成形することによって製造する。金型でティースを成形する際、ティースの軸方向に一軸加圧することが一般的である。ティースの太さが全長に亘って一様である場合、金型から抜き出し難くなる。
そこで、本発明者らは、ヨーク又は鍔部が接続されるティースの一端側に、先端側(ヨーク又は鍔部とは反対側)に向かうほど細くなるテーパ部を形成することを試みた。このようなテーパ部をティースに形成することによって、テーパ部の周面とヨークの上面又は鍔部の下面とが鈍角に交差することになる。これにより、テーパ部とヨーク又は鍔部との間での磁束の集中を緩和できるため、コアの磁束の集中を低減できる。また、ティースを金型で成形した後、金型から抜き出す際に、テーパ部の周面が抜き勾配として機能し、金型から抜き出し易くなる。
更に、本発明者らが更に検討した結果、ティースに形成するテーパ部の傾斜角度が大きくなり過ぎると、テーパ部の密度が部分的に低くなり、ティースにおいて密度差が生じることが分かった。これは、金型でティースを成形するとき、テーパ部では粉末の圧縮率の差が大きくなるためと考えられる。そして、本発明者らは、ティースの金型からの抜き出し易さ(離型性)を向上させつつ、ティースの密度の均一化を図る観点から、テーパ部の傾斜角度を0.5°以上10°以下とすることが好ましいことを見出した。
本開示は、以上の知見に基づいてなされたものである。最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の実施形態に係るコアは、
アキシャルギャップ型回転電機に用いられるコアであって、
前記コアは、圧粉成形体で構成される柱状のティースと、前記ティースの一端側に配置される板状の第一部材とを備え、
前記ティースは、前記第一部材側から先端側に向かうほど細くなるテーパ部を有し、
前記テーパ部の傾斜角度が0.5°以上10°以下である。
本開示のコアによれば、ティースの一端側にテーパ部を有することで、ティースと第一部材との間で発生する磁束の集中を低減できる。よって、本開示のコアは、磁気特性を改善できる。第一部材としては、ヨーク又は鍔部が挙げられる。また、ティースがテーパ部を有することによって、ティースを金型で成形した後、金型から抜く際に、金型から抜き出し易くなる。よって、本開示のコアは、生産性に優れる。テーパ部の傾斜角度が0.5°以上であることで、磁束の集中を効果的に低減できる。また、テーパ部の傾斜角度が0.5°以上であれば、テーパ部の周面が抜き勾配として機能し、離型性を向上させることができる。
更に、本開示のコアによれば、テーパ部の傾斜角度が10°以下であることで、ティースの密度の均一化を図ることができる。よって、本開示のコアは、ティースの密度を均一化し易い。
(2)上記コアの一形態として、
前記ティースは、前記テーパ部より先端側に太さが一様な直線部を有し、
前記ティースの軸方向の長さに対する前記テーパ部の軸方向の長さの比が10%以上95%以下であることが挙げられる。
上記形態によれば、ティースがテーパ部と直線部とを有する。ティースにおけるテーパ部の比率が高いほど、離型性が向上する。ティースの長さに対するテーパ部の長さの比が10%以上であることで、離型性を効果的に向上させることができる。一方、ティースの長さに対するテーパ部の長さの比が95%以下であれば、テーパ部と直線部との密度差を小さくでき、ティースの密度をより均一化し易い。また、ティースにおける直線部の比率が低い、換言すればテーパ部の比率が高いほど、ティースの高密度化が可能となる。これは、ティースの軸方向に一軸加圧してティースを成形した場合、テーパ部の圧縮比が高くなるため、密度を高め易くなるためと考えられる。ティースの長さに対するテーパ部の長さの比が10%以上であることで、テーパ部の長さを一定以上確保することにより、ティースを高密度化し易い。
(3)上記(2)に記載のコアの一形態として、
前記ティースにおける前記テーパ部と前記直線部との相対密度の差が3%以下であることが挙げられる。
ティースに密度の低い部分が存在すると、ティースの磁気特性が低下する。上記形態によれば、テーパ部と直線部との相対密度の差が3%以下であることで、テーパ部と直線部との密度差が小さい。よって、ティースの磁気特性の低下を抑制できる。
(4)上記コアの一形態として、
前記ティースの軸方向の長さが4mm以上35mm以下であることが挙げられる。
ティースの軸方向の長さが上記範囲内であることで、ティースの密度の均一化と高密度化を達成し易い。また、ティースの軸方向の長さが35mm以下であれば、金型から抜き出し易い。
(5)上記コアの一形態として、
前記ティースの相対密度が90%以上であることが挙げられる。
ティースを高密度化することによって、ティースの磁気特性を向上させることができる。上記形態によれば、ティースの相対密度が90%以上であることで、磁気特性に優れる。
(6)上記コアの一形態として、
前記ティースと前記第一部材とが一体に成形されていることが挙げられる。
上記形態によれば、ティースと第一部材とが一体化されていることで、部品点数を削減でき、組立作業が容易になる。
(7)上記コアの一形態として、
前記第一部材は、ヨークであることが挙げられる。
上記形態によれば、ティースの一端側にヨークが接続される。第一部材がヨークであることで、ティースとヨークとの間で発生する磁束の集中を低減できる。
(8)上記(7)に記載のコアの一形態として、
前記ヨークから突出する複数の前記ティースを有し、
複数の前記ティースのうち、最も高い前記ティースの端面の位置と最も低い前記ティースの端面の位置との差が0.15mm以下であることが挙げられる。
ヨークのティースが突出する側と反対側の面を平面上に載置した状態で、最も高いティースの端面の位置と最も低いティースの端面の位置との差が0.15mm以下であることで、ティースの各端面の高さのばらつきが小さい。上記コアを用いて回転電機を構成した場合、ティースの各端面はロータの磁石に対向するように配置される。ティースの各端面の高さのばらつきが小さいことで、回転電機において、ティースの各端面とロータとの間隔のばらつきを小さくできる。これにより、コギングを低減できるなど、回転電機の特性の低下を抑制できる。
(9)上記コアの一形態として、
前記第一部材は、鍔部であり、
前記ティースの他端側にヨークを備えることが挙げられる。
上記形態によれば、ティースの一端側に鍔部が接続される。第一部材が鍔部であることで、ティースと鍔部との間で発生する磁束の集中を低減できる。また、上記コアを用いて回転電機を構成した場合、鍔部はロータの磁石に対向するように配置される。ティースに鍔部を備えることで、ロータの磁石に対向する面積が増え、鎖交磁束が増大する。これにより、コギングを低減できるなど、回転電機の特性を向上できる。
(10)上記コアの一形態として、
前記圧粉成形体は、軟磁性粒子の表面に絶縁被覆を有する複数の被覆軟磁性粒子の集合体で構成され、
前記軟磁性粒子が、純鉄、又は、Fe−Si系合金、Fe−Al系合金、Fe−Si−Cr系合金及びFe−Si−Al系合金から選択される少なくとも一種の鉄基合金からなる鉄基粒子であることが挙げられる。
純鉄又は上記鉄基合金は比較的軟質である。そのため、軟磁性粒子が純鉄又は上記鉄基合金からなる鉄基粒子であることで、成形時に軟磁性粒子が変形し易く、高密度で寸法精度の高い圧粉成形体が得られ易い。圧粉成形体を高密度化することで、コアの機械的強度や磁気的特性を改善できる。また、軟磁性粒子の表面に絶縁被覆を有することで、軟磁性粒子間の電気的絶縁性を高めることができる。そのため、渦電流損に起因するコアの鉄損を低減できる。
(11)本開示の実施形態に係るステータは、
アキシャルギャップ型回転電機のステータであって、
上記(1)から(10)のいずれか1つに記載のコアと、
前記コアの前記ティースに配置されるコイルと、を備える。
上記ステータは、コアの磁気特性と生産性に優れる。これは、実施形態に係る上記コアは、磁気特性を改善でき、かつ生産性に優れるからである。
(12)本開示の実施形態に係る回転電機は、
ロータとステータとを備え、前記ロータと前記ステータとが軸方向に対向して配置されたアキシャルギャップ型の回転電機であって、
前記ステータが上記(11)に記載のステータである。
上記回転電機は効率に優れる。これは、実施形態に係る上記ステータを構成するコアの磁気特性が優れるからである。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本開示の実施形態に係るコア、ステータ、及び回転電機の具体例を説明する。図中の同一符号は、同一名称物を示す。また、各図面では、説明の便宜上、適宜縮尺を変更しており、実際の縮尺とは必ずしも一致していない。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<コア>
図1〜図8を参照して、実施形態に係るコア1について説明する。コア1は、アキシャルギャップ型回転電機に用いられる。より具体的には、コア1は、ステータのコアに利用できる。コア1は、柱状のティース2と、ティース2の一端側に配置される板状の第一部材3とを備える。後述する実施形態1では、図1〜図4に示すヨーク30が第一部材3である。後述する実施形態2では、図8に示す鍔部40が第一部材3である。コア1の特徴の1つは、第一部材3が接続されるティース2の一端側に、第一部材3側から先端側(第一部材3側とは反対側)に向かうほど細くなるテーパ部21を有する点にある。コア1のもう1つの特徴は、テーパ部21の傾斜角度が0.5°以上10°以下である点にある。
〈実施形態1〉
図1〜図4を参照して、実施形態1に係るコア1について説明する。実施形態1では、第一部材3がヨーク30である。コア1は、図1、図2に示すように、板状のヨーク30と、ヨーク30から突出する複数のティース2とを備える。以下の説明では、コア1について説明するときは、ヨーク30からティース2が突出する側を上、その反対側を下とする。
(ヨーク)
図1、図2に示すヨーク30は、円環板状であり、その一方の平面(上面32)にティース2が突出して設けられる。ヨーク30は、隣り合うティース2同士を端部側で磁気的に結合する。ヨーク30の厚みは、例えば1.0mm以上10mm以下、更に1.5mm以上8.0mm以下である。
(ティース)
ティース2は、図1、図2に示すように、柱状であり、ヨーク30の上面32から垂直方向(ヨーク30の軸方向)に突出するように設けられる。ティース2は、ヨーク30の周方向に間隔をあけて配置されている。ティース2の個数は、適宜決めればよく、例えば3個以上、更に6個以上とすることが挙げられる。この例では、ヨーク30の上面32に12個のティース2が周方向に等間隔に配置されている。
ティース2の形状としては、円柱状、角柱状などが挙げられる。この例では、ティース2の端面24が三角形状である三角柱状である。ティース2は、端面が台形状である四角柱状などであってもよい。ここでいう「三角形状」及び「台形状」とは、幾何学的に厳密な意味での三角形及び台形でなくてもよく、角部に丸みを有するものなども含めて、実質的に三角形及び台形とみなされる範囲を含む。例えば、多角形の各辺の延長線の交点が多角形の頂点を構成する形状を含む。
ティース2は、圧粉成形体で構成されている。圧粉成形体は、金型5(図5参照)を用いて軟磁性粉末を圧縮成形したものである。軟磁性粉末は、軟磁性粒子の表面に絶縁被覆を有する複数の被覆軟磁性粒子の集合体である。つまり、圧粉成形体は、複数の被覆軟磁性粒子の集合体で構成されている。本例では、圧粉成形体(ティース2)が、実質的に、被覆軟磁性粒子からなる軟磁性粉末のみで構成されている。
軟磁性粒子は、純鉄(純度99質量%以上)、又は、Fe(鉄)−Si(シリコン)系合金、Fe(鉄)−Al(アルミニウム)系合金、Fe(鉄)−Si(シリコン)−Cr(クロム)系合金及びFe(鉄)−Si(シリコン)−Al(アルミニウム)系合金から選択される少なくとも一種の鉄基合金からなる鉄基粒子であることが挙げられる。絶縁被覆としては、例えばリン酸塩被覆、シリカ被覆などが挙げられる。
純鉄又は上記鉄基合金は比較的軟質である。そのため、軟磁性粒子が純鉄又は上記鉄基合金からなる鉄基粒子であることで、成形時に軟磁性粒子が変形し易く、高密度で寸法精度の高い圧粉成形体が得られ易い。圧粉成形体を高密度化することで、機械的強度や磁気特性を改善できる。特に、上記鉄基合金は、純鉄に比べて電気抵抗が高く、渦電流損失に起因する鉄損を低減し易い。また、軟磁性粒子の表面に絶縁被覆を有することで、軟磁性粒子間の電気的絶縁性を高めることができる。そのため、渦電流損に起因する鉄損を低減できる。
絶縁被覆がリン酸塩被覆を含むことが好ましい。リン酸塩被覆は鉄基粒子との密着性が高く、変形性にも優れている。そのため、絶縁被膜がリン酸塩被覆を含むことで、成形時に鉄基粒子の変形に追従し易い。よって、絶縁被覆が損傷し難く、鉄損を効果的に低減できる。
(テーパ部)
実施形態1では、ティース2において、ヨーク30が配置される側を一端側とし、その反対側の他端側を先端側とする。ティース2は、図3、図4に示すように、ヨーク30側から先端側に向かうほど細くなるテーパ部21を有する。図3、図4では、分かり易くするため、テーパ部21を誇張して示している(後述する図5〜図8なども同じ)。
テーパ部21の周面21oは、ティース2の軸線(図中、一点鎖線で示す)に対して傾斜しており、ヨークの上面32と鈍角に交差する。「軸線」とは、ティース2の軸方向に沿った線を意味する。これにより、ティース2とヨーク30との間を磁束が流れるとき、テーパ部21の周面21oとヨーク30の上面32との間をショートカットする磁束が減少するため、ティース2とヨーク30との間で発生する磁束の集中を低減できる。テーパ部21の軸方向の長さ(図中のL21)は、例えば2mm以上、更に4mm以上であることが挙げられる。
本例では、テーパ部21の周面21oが全周に亘って傾斜面になっている。テーパ部21の周面21oの少なくとも一部が傾斜面になっていればよい。例えば、テーパ部21の周面21oの周方向の1/2以上、更に2/3以上の範囲が傾斜面になっていることが挙げられる。
(傾斜角度)
テーパ部21の傾斜角度は0.5°以上10°以下である。「傾斜角度」とは、図3、図4に示すように、ティース2の軸線に対する周面21o(傾斜面)の角度αをいう。テーパ部21の傾斜角度が0.5°以上であることで、磁束の集中を効果的に低減できる。また、テーパ部21の傾斜角度が0.5°以上であれば、テーパ部21の周面21oが抜き勾配として機能し、金型5(図5参照)からの離型性を向上させることができる。一方、テーパ部21の傾斜角度が10°以下であることで、ティース2の密度を均一化し易い。テーパ部21の傾斜角度は、更に1°以上7°以下であることが挙げられる。
(直線部)
本例では、図3、図4に示すように、テーパ部21より先端側に太さが一様な直線部22を有している。図中の点線は、テーパ部21と直線部22の境界を示している。直線部22の周面22oは、ティース2の軸線に平行な面になっている。ここでいう「平行」とは、幾何学的に厳密な意味での平行でなくてもよく、完全な平行に限らず、実質的に平行とみなされる範囲を含む。具体的には、ティース2の軸線に対する周面22oの傾斜角度が0°以上0.5°未満である場合は、実質的に平行とみなす。なお、直線部22の周面22oに0.5°未満でも傾斜がある場合、直線部22は、先端側ほど細くなるものとし、テーパ部21との境界が最も細い形状とならないようにする。
ティース2が直線部22を有する場合、直線部22の軸方向の長さは、例えば、ティース2の軸方向の長さ(図中のL)の5%以上90%以下であることが挙げられる。つまり、ティース2の軸方向の長さ(図中のL)に対するテーパ部21の軸方向の長さ(図中のL21)の比(テーパ部21の比率:(L21/L)×100)は、例えば10%以上95%以下であることが挙げられる。テーパ部21の比率が10%以上であることで、金型5(図5参照)からの離型性を効果的に向上させることができる。一方、テーパ部21の比率が95%以下であれば、テーパ部21と直線部22との密度差を小さくでき、ティース2の密度をより均一化し易い。また、テーパ部21の比率が10%以上であることで、テーパ部21の長さを一定以上確保することにより、ティース2を高密度化し易い。テーパ部21の比率は、更に20%以上90%以下、30%以上80%以下であることが挙げられる。ティース2の軸方向の長さ(図中のL)は、例えば4mm以上35mm以下、更に10mm以上30mm以下であることが挙げられる。ティース2の軸方向の長さが4mm以上35mm以下であることで、ティース2の密度の均一化と高密度化を達成し易い。また、ティース2の軸方向の長さが30mm以下であれば、金型5から抜き出し易い。ティース2の軸方向の長さは、ヨーク30の上面32からティース2の先端側(他端側)の端面24までの距離に等しい。
本例では、ティース2がテーパ部21と直線部22とを有する構成であるが、ティース2は、テーパ部21のみで構成されていてもよい。この場合、ティース2は、ヨーク30側(一端側)から先端側(他端側)にかけて細くなるように形成され、テーパ部21の比率(L21/L)が100%である。また、本例では、テーパ部21がティース2の一端側にのみ形成されているが、テーパ部21とは別のテーパ部(図示せず)がティース2の中間部に形成された構成としてもよい。つまり、テーパ部21がティース2の軸方向に沿って断続的に設けられていてもよく、複数のテーパ部21を有する構成でもよい。この場合、テーパ部21の比率は、各テーパ部21の軸方向の長さの合計長とティース2の軸方向の長さの比とする。
(相対密度)
ティース2の相対密度は90%以上であることが好ましい。ティース2の高密度化により、ティース2の機械的強度や磁気特性を向上させることができる。より好ましい相対密度は93%以上である。「相対密度」とは、ティース2を構成する圧粉成形体(軟磁性粉末)の理論密度(真密度)に対する実際に測定した圧粉成形体の実測密度の比率(%)のことをいう。
更に、ティース2におけるテーパ部21と直線部22との相対密度の差は3%以下であることが好ましい。より好ましくは2%以下である。これにより、テーパ部21と直線部22との密度差が小さく、ティース2の密度が均一である。よって、ティース2が均質であり、ティース2の磁気特性の低下を抑制できる。テーパ部21及び直線部22のそれぞれの相対密度を求めるときは、ティース2をテーパ部21と直線部22とに分け、それぞれの部分の相対密度を求めるとよい。
(その他)
本例では、ティース2とヨーク30とが一体に成形されており、コア1(ティース2及びヨーク30)が圧粉成形体で構成されている。ティース2とヨーク30とは別体であってもよい。この場合、例えば、ティース2の一端側の端面とヨーク30の上面32とを接着剤で接着することで、ティース2とヨーク30とを接続することが挙げられる。更に、ティース2の一端側の端面に凸部又は凹部を設け、この凸部又は凹部に対応する凹部又は凸部をヨーク30の上面32に設けることで、接着剤に加えて凸部と凹部との嵌合により、ティース2とヨーク30とを接続することも可能である。ここで、ティース2の軸方向から見た凸部の端面形状(凹部の開口形状)が非円形状である場合、ヨーク30に対してティース2を回り止めしつつ位置決めできる。ティース2とヨーク30とを別体する場合、円環板状のヨーク30は圧粉成形体で構成してもよいし、例えば、軟磁性材料からなる板材(例、電磁鋼板)を積層した積層体などで構成することも可能である。
また、本例では、ヨーク30が円環板状の一体物で構成されているが、ヨーク30を周方向に分割した複数の分割片で構成してもよい。この場合、各分割片を扇板状とし、複数の分割片を円環状に組み合わせてヨーク30を構成することが挙げられる。
コア1における複数のティース2のうち、最も高いティース2の端面24の位置と最も低いティース2の端面24の位置との差が、例えば0.15mm以下であることが挙げられる。ティース2の端面24の位置とは、図3、図4に示すように、ヨーク30におけるティース2が突出する側とは反対側の面(下面)を平面上に載置した状態で、その面からティース2の端面24までの軸方向の高さ位置(図3、図4中、Hで示す)のことをいう。最も高いティース2の端面24の位置と最も低いティース2の端面24の位置との差が0.15mm以下であることで、ティース2の各端面24の高さのばらつきが小さい。後述するように、コア1を用いて回転電機300(図10参照)を構成した場合、ティース2の各端面24はロータ200の磁石220に対向するように配置される。ティース2の各端面24の高さのばらつきが小さいことで、回転電機300において、ティース2の各端面24とロータ200との間隔のばらつきを小さくできる。これにより、コギングを低減できるなど、回転電機300の特性の低下を抑制できる。
圧粉成形体からなるティース2及びヨーク30を有するコア1は、図5に例示するような金型5で成形することができる。金型5は、上下方向に貫通する型孔51を有するダイ50と、型孔51に挿入されるコアロッド55と、ダイ50の内周とコアロッドの外周との間に摺動自在に嵌合される上パンチ60及び下パンチ70とを備える。下パンチ70は、第1下パンチ71と第2下パンチ72とを有する。第1下パンチ71には、第2下パンチ72が挿通される貫通孔が形成されている。第2下パンチ72は、第1下パンチ71内に摺動自在に挿入されている。
図5に示す金型5を用いてコア1(ティース2及びヨーク30)を成形するときは、ダイ50の型孔51にコアロッド55を挿入すると共に下パンチ70を嵌合させた状態で、型孔51内に原料の軟磁性粉末を充填する。そして、上パンチ60を下降させて型孔51に嵌合させ、上パンチ60と下パンチ70とで上下方向から軟磁性粉末を圧縮して成形する。図5に示すように、金型5を用いてコア1を成形した場合、ダイ50(型孔51)の内周面でヨーク30の外周面を成形する。コアロッド55の外周面でヨーク30の内周面を成形する。上パンチ60の端面でヨーク30の下面(ティース2が突出する側とは反対側の面)を成形する。第1下パンチ71の端面でヨーク30の上面32(図1参照)を成形すると共に、第1下パンチ71の内周面でティース2の周面を成形する。第2下パンチ72の端面でティース2の端面24(図1参照)を成形する。第1下パンチ71の内周面には、テーパ部21の傾斜に対応する傾斜面が形成されている。
成形したコア1を金型5から取り出すときは、上パンチ60を上昇させた後、ダイ50、コアロッド55及び第1下パンチ71を第2下パンチ72に対して下降させる。そして、第2下パンチ72でティース2の端面を支持しながら金型5からコア1を抜き出す。このとき、ティース2の周面が第1下パンチ71の内周面に摺動するが、第1下パンチ71の内周面に上記傾斜面が形成されていることで、ティース2を第1下パンチ71から抜き出し易い。
軟磁性粉末の平均粒子径は、例えば20μm以上350μm以下、更に40μm以上300μm以下とすることが挙げられる。軟磁性粉末の平均粒子径を上記範囲内とすることで、取り扱い易く、圧縮成形し易い。軟磁性粉末の平均粒子径は、レーザ回折・散乱式粒子径・粒度分布測定装置を用いて測定し、積算質量が全粒子の質量の50%となる粒径を意味する。
軟磁性粉末を圧縮する際の成形圧を高くすることで、コア1(ティース2及びヨーク30)を高密度化できる。成形圧は、例えば700MPa以上、更に980MPa以上とすることが挙げられる。
〈変形例1〉
変形例1では、図6、図7を参照して、ティース2の先端側(他端側)に鍔部40を備える形態を説明する。図6、図7に示す変形例1のコア1は、鍔部40を備える点で上述した実施形態1と異なり、それ以外の点は実施形態1と同様の構成である。以下では、実施形態1との相違点を中心に説明し、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
(鍔部)
鍔部40は、図6、図7に示すように、板状であり、ティース2の先端側の端面24に設けられる。鍔部40は、ティース2の先端側の周面から外周側に突出するように形成されており、端面24より大きい面積を有する。ティース2に鍔部40を備えるコア1を用いて回転電機を構成した場合、ロータ200の磁石220(図10参照)に対向する面積が増え、鎖交磁束が増大する。これにより、コギングを低減したり、トルクを向上できるなど、回転電機の特性を向上できる。その他、鍔部40を備えることで、磁束飽和を抑制することによる鉄損の低減効果も期待できる。
ティース2と鍔部40との接続は、例えば、ティース2の端面24と鍔部40の下面42とを接着剤で接着することが挙げられる。更に、ティース2の端面24に凸部又は凹部を設け、この凸部又は凹部に対応する凹部又は凸部を鍔部40の下面42に設けることで、接着剤に加えて凸部と凹部との嵌合により、ティース2と鍔部40とを接続することも可能である。ここで、ティース2の軸方向から見た凸部の端面形状(凹部の開口形状)が非円形状である場合、ティース2に対して鍔部40を回り止めしつつ位置決めできる。図6では、ティース2の端面24に凹部25が設けられ、鍔部40の下面42に凹部25に対応する凸部45が設けられており、接着剤に加えて凸部45と凹部25との嵌合により、ティース2の先端に鍔部40が接続されている。鍔部40は、圧粉成形体で構成する他、例えば、軟磁性材料からなる板材を積層した積層体などで構成することも可能である。
〈実施形態2〉
図8を参照して、実施形態2に係るコア1について説明する。実施形態2では、実施形態1と異なり、第一部材3が鍔部40である。以下では、実施形態1の変形例1との相違点を中心に説明し、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態2では、ティース2において、鍔部40が配置される側を一端側とし、その反対側の他端側を先端側とする。ティース2は、図8に示すように、鍔部40側から先端側に向かうほど細くなるテーパ部21を有する。また、ティース2は、実施形態1と同じように、テーパ部21より先端側に太さが一様な直線部22を有しており、テーパ部21と直線部22とを有する。
テーパ部21の周面21oは、ティース2の軸線(図中、一点鎖線で示す)に対して傾斜しており、鍔部40の下面42と鈍角に交差する。これにより、ティース2と鍔部40との間を磁束が流れるとき、テーパ部21の周面21oと鍔部40の下面42との間をショートカットする磁束が減少するため、ティース2と鍔部40との間で発生する磁束の集中を低減できる。
実施形態1の場合と同様に、テーパ部21の傾斜角度は0.5°以上10°以下である。また、ティース2の軸方向の長さ(図中のL)に対するテーパ部21の軸方向の長さ(図中のL21)の比(テーパ部21の比率:(L21/L)×100)は、例えば10%以上95%以下であることが挙げられる。
本例では、ティース2と鍔部40とが一体に成形されており、ティース2及び鍔部40が圧粉成形体で構成されている。ティース2と鍔部40とは別体であってもよい。この場合、例えば、ティース2の一端側の端面と鍔部40の下面42とを接着剤で接着することで、ティース2と鍔部40とを接続することが挙げられる。更に、ティース2の一端側の端面に凸部又は凹部を設け、この凸部又は凹部に対応する凹部又は凸部を鍔部40の下面42に設けることで、接着剤に加えて凸部と凹部との嵌合により、ティース2と鍔部40とを接続することも可能である。ここで、ティース2の軸方向から見た凸部の端面形状(凹部の開口形状)が非円形状である場合、ティース2に対して鍔部40を回り止めしつつ位置決めできる。ティース2と鍔部40とを別体する場合、鍔部40は圧粉成形体で構成してもよいし、例えば、軟磁性材料からなる板材(例、電磁鋼板)を積層した積層体などで構成することも可能である。
本例の場合、図8に示すように、ティース2の先端側(他端側)にヨーク30を備える。ティース2とヨーク30とは別体で構成されており、ティース2の先端にヨーク30が接続されている。ティース2とヨーク30との接続は、例えば、ティース2の先端側の端面23とヨーク30の上面32とを接着剤で接着することが挙げられる。更に、ティース2の端面23に凸部又は凹部を設け、この凸部又は凹部に対応する凹部又は凸部をヨーク30の上面32に設けることで、接着剤に加えて凸部と凹部との嵌合により、ティース2とヨーク30とを接続することも可能である。ここで、ティース2の軸方向から見た凸部の端面形状(凹部の開口形状)が非円形状である場合、ヨーク30に対してティース2を回り止めしつつ位置決めできる。図8では、ティース2の端面23に凹部25が設けられ、ヨーク30の上面32に凹部25に対応する凸部35が設けられており、接着剤に加えて凸部35と凹部25との嵌合により、ティース2の先端にヨーク30が接続されている。
<ステータ>
図9を参照して、実施形態に係るステータ100について説明する。ステータ100は、アキシャルギャップ型回転電機に用いられる。ステータ100は、コア1と、コア1の各ティース2に配置されるコイル110とを備える。本実施形態では、上述した実施形態1のコア1を用いた場合を例示する。コイル110は、巻線を螺旋状に巻回した筒状のコイルである。この例では、コイル110は、巻線にエナメル平角線を用いた三角筒状のエッジワイズ巻きコイルである。
<回転電機>
図10を参照して、実施形態に係る回転電機300について説明する。回転電機300は、モータであってもよいし、発電機であってもよい。回転電機300は、ロータ200と、ステータ100とを備える。回転電機300は、ロータ200とステータ100とが回転軸方向に対向して配置されたアキシャルギャップ型の回転電機である。
ステータ100及びロータ200は、円筒状のケース310に収納されている。ケース310の両端にはそれぞれ円板状のプレート320が取り付けられている。両プレート320の中心には、貫通孔が形成されており、回転軸330がケース310内を貫通している。
(ロータ)
ロータ200は、平板状の複数の磁石220と、これら磁石220を支持する円環状の保持板210とを備える。磁石220の平面形状は、ティース2の端面24にほぼ対応した形状である。ティース2の端面24の形状が三角形状の場合、磁石220の平面形状は、例えば三角形状や台形状であることが挙げられる。保持板210は、回転軸330に固定され、回転軸330と一緒に回転する。各磁石220は、保持板210に嵌め込まれている。磁石220は、回転軸330の周方向に等間隔に配置されている。また、磁石220は、回転軸330の軸方向に着磁されている。周方向に隣り合う磁石220の磁化方向は互いに逆になっている。
(ステータ)
ステータ100は、ティース2の端面24がロータ200の磁石220に対向するように配置される。図6、図7に示す変形例1のように、ティース2に鍔部40を備える場合は、鍔部40がロータ200の磁石220に対向するように配置される。ステータ100は、コア1のヨーク30の外周面をケース310の内周面に嵌合させることにより、ケース310に固定されている。また、ヨーク30の内周面には、回転軸330を回転自在に支持する円環状のベアリング340が取り付けられている。
{実施形態の効果}
上述した実施形態のコア1、ステータ100、及び回転電機300は、次の効果を奏する。
ティース2の一端側にテーパ部21を有することで、ティース2と第一部材3(図3に示すヨーク30、図8に示す鍔部40)との間で発生する磁束の集中を低減できる。また、ティース2がテーパ部21を有することによって、金型5から抜き出し易くなる。よって、コア1は、磁気特性を改善でき、かつ生産性に優れる。特に、テーパ部21の傾斜角度が0.5°以上であることで、磁束の集中を効果的に低減できる。また、テーパ部21の傾斜角度が0.5°以上であれば、テーパ部21の周面21oが抜き勾配として機能し、金型5からの離型性を向上させることができる。更に、テーパ部21の傾斜角度が10°以下であることで、ティース2の密度の均一化を図り易い。
ステータ100は、コア1を備えることで、コア1の磁気特性と生産性に優れる。回転電機300は、ステータ100を備えることで、効率に優れる。
[試験例1]
実施形態1のコア1と同じ構成のものを作製し、その評価を行った。
コア(ティース及びヨーク)の基本寸法は次の通りである。
ティースの軸方向の長さ(L):20mm
ヨークの厚み:5mm
ヨークの外径:110mm
ヨークの内径:40mm
コア1は、実施形態1で説明したような金型5(図5参照)を用いて軟磁性粉末を圧縮成形した。原料の軟磁性粉末には、純鉄粉の表面にリン酸塩被覆を有する被覆軟磁性粒子の粉末(平均粒子径250μm)を使用した。成形圧は980MPaとした。
試験例1では、テーパ部の比率及びテーパ部の傾斜角度を異ならせた複数のコア(試料No.1−1〜1−6)を作製した。なお、テーパ部の比率が100%の試料No.1−6は、ティースがテーパ部のみからなり、直線部を有していない。また、比較として、テーパ部の比率が0%の試料No.100を作製した。試料No.100は、ティースが直線部のみからなり、テーパ部を有していない。
作製した試料No.1−1〜1−6及び100のコアについて、ティースの相対密度を評価した。ティースの相対密度は、ティースをヨークから分離して求めた。相対密度は、体積と質量から実測密度を求め、[実測密度/真密度]の百分率とした。実測密度は、アルキメデス法により測定した。真密度は7.84g/cmとした。その結果を表1に示す。
ティースをテーパ部と直線部とに分割し、それぞれの実測密度から相対密度を求め、テーパ部と直線部との相対密度の差(絶対値)を算出した。その結果を表1に併せて示す。テーパ部と直線部との分割は、テーパ部と直線部との境界(図3、図4に示す点線)に沿って切断した。なお、試料No.1−6及び100では、ティースを軸方向の長さの半分で切断して一端側(ヨーク側)と他端側とに2分割し、それぞれの相対密度を求めた。そして、一端側の部分の相対密度をテーパ部の相対密度とし、他端側の部分の相対密度を直線部の相対密度とした。
また、作製した試料No.1−1〜1−6及び100のコアについて、離型性を評価した。離型性は、金型からコア(圧粉成形体)を抜き出すときの抜き荷重を測定し、抜き荷重の大きさに基づいて評価した。ここでは、図5に示す金型5において、コア1の成形後、ダイ50及びコアロッド55を下パンチ70(第1下パンチ71及び第2下パンチ72)に対して下降させ、ダイ50(型孔51)からコア1を抜き出した。その後、第2下パンチ72に対して第1下パンチ71を下降させて、金型5からコア1を抜き出した。そして、その際に第2下パンチ72に加わる荷重を測定し、この荷重を抜き荷重とした。離型性の評価は、抜き荷重が35kN以下の場合を「A」、50kN超の場合を「B」とした。抜き荷重の測定値、及び離型性の評価を表1に示す。
更に、作製した試料No.1−1〜1−6及び100のコアについて、全てのティースの各端面の高さ位置を測定した。ティースの各端面の高さ位置は、ヨークの下面を平面上に載置した状態で、ヨークの下面からそれぞれのティースの端面までの距離をハイトゲージで測定した。そして、最も高いティースの端面の位置と最も低いティースの端面の位置との差(高さのばらつき)を求めた。その結果を表1に併せて示す。
Figure 2020108323
表1に示す結果から、ティースの一端側にテーパ部を有し、テーパ部の傾斜角度が0.5°以上の試料No.1−1〜1−6では、テーパ部を有さない試料No.100に比較して、抜き荷重が小さく、離型性が向上していることが分かる。試料No.1−3〜1−5の比較結果から、テーパ部の傾斜角度が大きいほど、抜き荷重が小さくなる傾向がある。また、試料No.1−1〜1−3の比較結果から、テーパ部の比率が大きいほど、抜き荷重が小さくなることが分かる。これらの比較結果から、テーパ部の傾斜角度が0.5°以上で、テーパ部の比率が10%以上であれば、抜き荷重を十分に低減でき、離型性を高めることができる。テーパ部の傾斜角度が1°以上であったり、テーパ部の比率が20%以上である場合、抜き荷重を更に低減でき、離型性をより高めることができる。テーパ部の傾斜角度が10°で、テーパ部の比率が100%である試料No.1−6の抜き荷重は、テーパ部の比率が95%である試料No1−5に比べて大きくなっている。これは、直線部を有さない試料No.1−6では、成形時に第1下パンチ71の内周面(傾斜面)と第2下パンチ72との間に原料の軟磁性粉末が入り込み、粉末の噛み込みが生じたため、抜き荷重が大きくなったものと考えられる。
テーパ部の傾斜角度が10°以下の試料No.1−1〜1−6は、テーパ部と直線部との相対密度の差が3%以下であり、ティースの密度の均一化を達成している。試料No.1−3〜1−5の比較結果から、テーパ部の傾斜角度が大きいほど、テーパ部の相対密度が高くなる傾向がある。また、試料No.1−1〜1−3の比較結果、及び、試料No.1−5〜1−6の比較結果から、テーパ部の比率が大きいほど、テーパ部の相対密度が高く、ティースを高密度化できることが分かる。試料No.1−3〜1−5の比較結果からすれば、テーパ部の傾斜角度が10°未満であれば、テーパ部と直線部との相対密度の差をより小さくできる。更に、試料No.1−5〜1−6の比較結果から、テーパ部の比率が95%以下である場合、テーパ部と直線部との相対密度の差を小さくでき、ティースの密度をより均一化し易い。
また、表1に示すように、ティースにテーパ部を有する試料No.1−1〜1−6では、ティースの各端面の高さのばらつきが0.15mm以下であり、ばらつきが小さい。これは、各ティースの周面を成形する第1下パンチ71の内周面がテーパ部の傾斜に対応する傾斜面で形成されていることで、軟磁性粉末の給粉性が向上することにより、ティースの高さのばらつきが小さくなったものと推察される。
作製した試料No.1−1〜1−6及び100のコアについて、磁気特性を評価した。ここでは、コアの各ティースにコイルを配置してステータを作製した。コイルの巻線には、線径が1.5mmの銅線を使用した。コイルのターン数は26ターンとした。
電磁界解析ソフトウェア(JSOL社製「JMAG」)を用いて、コイルに電流を流したときのコアの磁束密度分布を解析し、ティースとヨークとの接続箇所での最大磁束密度を求めた。また、電磁界解析により、コアの鉄損を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2020108323
表1に示す結果から、ティースの一端側にテーパ部を有し、テーパ部の傾斜角度が0.5°以上10°以下の試料No.1−1〜1−6では、試料No.100に比較して、最大磁束密度が低く、ティースとヨークとの間の磁束の集中を低減できていることが分かる。また、磁束の集中が少ないことから、コアの鉄損が小さい。試料No.1−3〜1−5の比較結果から、テーパ部の傾斜角度が大きいほど、最大磁束密度が低くなる傾向がある。また、試料No.1−1〜1−3の比較結果から、テーパ部の比率が大きいほど、最大磁束密度が低くなることが分かる。これらの比較結果から、テーパ部の傾斜角度が0.5°以上で、テーパ部の比率が10%以上であれば、磁束の集中を十分に低減できる。テーパ部の傾斜角度が1°以上であったり、テーパ部の比率が20%以上である場合、磁束の集中を更に低減でき、コアの鉄損をより小さくできる。
1 コア
2 ティース
21 テーパ部 21o 周面
22 直線部 22o 周面
23、24 端面
25 凹部
3 第一部材
30 ヨーク
32 上面 35 凸部
40 鍔部
42 下面 45 凸部
5 金型
50 ダイ 51 型孔
55 コアロッド
60 上パンチ
70 下パンチ
71 第1下パンチ 72 第2下パンチ
100 ステータ
110 コイル
200 ロータ
210 保持板 220 磁石
300 回転電機
310 ケース 320 プレート
330 回転軸 340 ベアリング

Claims (12)

  1. アキシャルギャップ型回転電機に用いられるコアであって、
    前記コアは、圧粉成形体で構成される柱状のティースと、前記ティースの一端側に配置される板状の第一部材とを備え、
    前記ティースは、前記第一部材側から先端側に向かうほど細くなるテーパ部を有し、
    前記テーパ部の傾斜角度が0.5°以上10°以下であるコア。
  2. 前記ティースは、前記テーパ部より先端側に太さが一様な直線部を有し、
    前記ティースの軸方向の長さに対する前記テーパ部の軸方向の長さの比が10%以上95%以下である請求項1に記載のコア。
  3. 前記ティースにおける前記テーパ部と前記直線部との相対密度の差が3%以下である請求項2に記載のコア。
  4. 前記ティースの軸方向の長さが4mm以上35mm以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコア。
  5. 前記ティースの相対密度が90%以上である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコア。
  6. 前記ティースと前記第一部材とが一体に成形されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコア。
  7. 前記第一部材は、ヨークである請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコア。
  8. 前記ヨークから突出する複数の前記ティースを有し、
    複数の前記ティースのうち、最も高い前記ティースの端面の位置と最も低い前記ティースの端面の位置との差が0.15mm以下である請求項7に記載のコア。
  9. 前記第一部材は、鍔部であり、
    前記ティースの他端側にヨークを備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコア。
  10. 前記圧粉成形体は、軟磁性粒子の表面に絶縁被覆を有する複数の被覆軟磁性粒子の集合体で構成され、
    前記軟磁性粒子が、純鉄、又は、Fe−Si系合金、Fe−Al系合金、Fe−Si−Cr系合金及びFe−Si−Al系合金から選択される少なくとも一種の鉄基合金からなる鉄基粒子である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のコア。
  11. アキシャルギャップ型回転電機のステータであって、
    請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のコアと、
    前記コアの前記ティースに配置されるコイルと、を備えるステータ。
  12. ロータとステータとを備え、前記ロータと前記ステータとが軸方向に対向して配置されたアキシャルギャップ型の回転電機であって、
    前記ステータが請求項11に記載のステータである回転電機。
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