JP4132514B2 - 液晶表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像等の表示に用いられる液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の液晶表示素子は、それぞれ内面に透明な電極が形成された一対の基板を枠状のシール材を介して互いに対向するようにプレス装置を用いて接合し、この接合後にその一対の基板とシール材とで囲まれた領域内に液晶を封入してなる。
【0003】
このような液晶表示素子の表示特性(電気光学特性)は、液晶の複屈折性Δnと液晶層厚dとの積Δndによって決まり、したがって良好な表示特性を得るためには一対の基板の間隔、つまり液晶層厚を精度よく設定する必要がある。
【0004】
特に、強誘電性液晶や反強誘電性液晶を用いた液晶表示素子においては、TN方式やSTN方式の液晶表示素子に比べその液晶層厚が小さく、したがって基板の間隔をより精度よく設定する必要がある。
【0005】
このため従来においては、一対の基板を枠状のシール材を介して接合する際に、いずれか一方の基板上に所定径のビーズ状のスペーサを散布し、これらスペーサで基板間隔を規制したり、或いは一方の基板上に感光性樹脂により複数の柱状のスペーサを形成し、これらスペーサで基板間隔を規制するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の液晶表示素子においては、スペーサがシール材の内側の領域に設けられているだけで、シール材の外側に張り出した基板の周縁部は無支持の状態にあり、このため一対の基板をプレス装置で加圧して接合する際に、そのシール材の外側に張り出した基板の周縁部が撓むように変形し、このような撓み変形の癖で加圧の解除後に基板の全体が湾曲し、この湾曲で基板間隔の精度が低下し、良好な表示特性が得られなくなるという問題がある。
【0007】
この発明は、このような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、基板間隔を均一に精度良く設定して良好な表示特性が得られる液晶表示素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明はこのような目的を達成するために、一対の基板の一方の内面に、マトリックス状に配列された複数の画素電極と、これらの画素電極にそれぞれ接続された複数の薄膜トランジスタと、前記複数の画素電極の間に配置され、前記薄膜トランジスタの動作を制御する信号を前記マトリックス状に配列された複数の画素電極の行ごとに供給するゲートラインと、このゲートラインを覆うゲート絶縁膜と、前記複数の画素電極の間に配置され、データ信号を前記薄膜トランジスタを介して前記マトリックス状に配列された複数の画素電極の列ごとに供給するデータラインと、前記薄膜トランジスタおよびデータラインを覆うオーバーコート絶縁膜とが形成され、他方の基板の内面に、前記画素電極と対向する領域により複数の画素を形成する対向電極と、前記一方の基板の前記画素電極に対応させて配列された複数のカラーフィルタとが形成され、前記一対の基板を枠状のシール材を介して接合してなる液晶表示素子において、
前記一対の基板間の前記シール材の内側の領域の前記他方の基板の内面に形成された前記カラーフィルタ上に、一方の基板上の前記画素領域の間の領域の、前記ゲートラインと前記データラインとが前記ゲート絶縁膜を介して重畳する部分に対応させて感光性樹脂により予め定めた高さに形成され、前記重畳する部分に順次積層された前記ゲートラインとゲート絶縁膜、データライン、およびその上に形成された前記オーバーコート絶縁膜に当接して、両基板の間隔を規制するための複数の第1の柱状スペーサと、前記一対の基板間のシール材の外側の領域に配列され、前記一方の基板の内面に前記ゲートラインを形成する第1の金属膜、前記ゲート絶縁膜を形成する第1の絶縁膜、前記データラインを形成する第2の金属膜、および前記オーバーコート絶縁膜を形成する第2の絶縁膜との積層膜からなる複数の凸部と、前記他方の基板の内面に前記凸部に対応させて配列され、前記カラーフィルタを形成する膜からなるダミーのカラーフィルタと、前記他方の基板の内面の前記ダミーのカラーフィルタ上に、前記凸部と対応させて感光性樹脂により予め定めた高さに形成され、前記凸部に当接して、前記一対の基板間のシール材の外側の領域の前記一対の基板の間隔を規制するための複数の第2の柱状スペーサと、を備えることを特徴とする。
【0009】
そして請求項2の発明では、シール材の外側に設けられた柱状スペーサと、シール材の内側に設けられた柱状スペーサとが同一の工程により同時に形成されていることを特徴としている。
【0010】
さらに、請求項3の発明では、一対の基板と枠状のシール材とで囲まれた領域内には強誘電性液晶または反強誘電性液晶が封入されていることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の液晶表示素子は、上記のように、シール材を介して接合された一対の基板のうちの一方の基板の内面に、シール材の内側の領域に両基板の間隔を規制するための複数の柱状スペーサが突設されていると共に、さらに前記シール材の外側の領域に前記柱状スペーサと同じ高さの複数の柱状スペーサが突設されていることを特徴としている。
【0012】
一対の基板をシール材を介して接合するときにはプレス装置によりその基板を加圧するが、シール材の内側の領域だけでなくシール材の外側の領域にも同じ高さの柱状スペースが設けられていることにより、その加圧時における基板の周縁部の撓みの変形が抑えられ、これにより基板間隔を均一に精度よく規制して良好な表示特性が得られる。
【0013】
シール材の外側に設ける柱状スペーサは、シール材の内側に設ける柱状スペーサの形成工程時に同時に形成することにより、その高さを同一の寸法とすることができる。
【0014】
一対の基板と枠状のシール材とで囲まれた領域内には強誘電性液晶または反強誘電性液晶を封入することが可能である。強誘電性液晶または反強誘電性液晶を用いた液晶表示素子においてはその液晶層厚が小さく、基板の間隔をより精度よく設定する必要があるが、シール材の外側に設けた柱状スペーサにより基板間隔を均一に精度よく規制してその要請に充分に応えることが可能となる。
【0015】
【実施例】
図1にはこの発明の一実施例に係る液晶表示素子の断面図を、図2にはその平面図を示してある。この液晶表示素子は反強誘電性液晶を用いたアクティブマトリックス方式のものであり、互いに対向した一対の透明な基板1a,1bが枠状のシール材2を介して互いに接合され、そのシール材2と基板1a,1bとで囲まれた領域内に反強誘電性液晶LCが封入されている。
【0016】
そして例えば基板1bの内面には、両基板1a,1b間の間隔を規制するための複数の柱状スペーサ20が前記シール材2の内側の領域において形成されていると共に、さらにシール材2の外側に張り出した周縁部の領域においても複数の柱状スペーサ20′が形成されている。
【0017】
この液晶表示素子について図3〜図5を参照してさらに詳しく述べる。図3は液晶表示素子の一部分を拡大して示す平面図、図4は図3中のIV−IV線に沿う拡大断面図、図5は図3中のV−V線に沿う拡大断面図である。
【0018】
一方の基板1aの内面には、マトリックス状に配列する複数の透明な画素電極3と、これら画素電極3にそれぞれ対応して配置された複数の薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)4と、前記行方向に配列する画素電極3の行ごとにその一側に沿って配線された複数のゲートライン10と、前記列方向に配列する前記画素電極3の列ごとにその一側に沿って配線された複数のデータライン11とが設けられ、また他方の基板1bの内面には、前記複数の画素電極3に対向する透明な対向電極14が設けられている。
【0019】
前記TFT4は、前記基板1a上に形成されたゲート電極5と、このゲート電極5を覆うゲート絶縁膜6と、前記ゲート絶縁膜6の上に前記ゲート電極5と対向して設けられたi型半導体膜7と、このi型半導体膜7の両側部の上に図示しないn型半導体膜を介して形成されたソース電極8およびドレイン電極9とからなる。
【0020】
前記ゲートライン10は、前記基板1a上に配線されており、前記TFT4のゲート電極5に一体につながっている。前記ゲート電極5とゲートライン10は、アルミニウム系合金等の低抵抗金属により形成されており、その表面は、前記ソース電極8とドレイン電極9およびデータライン11との間の絶縁耐圧を高くするために、ゲートライン10の端子部(図示せず)を除いて、その表面が陽極酸化処理されている。図5において、10aは前記ゲートライン10の表面の陽極酸化膜である。
【0021】
なお、前記TFT4のゲート絶縁膜6は基板1aのTFT配列領域全体にわたって形成された一枚膜状の透明絶縁膜であり、前記ゲートライン10はその端子部を除いて前記ゲート絶縁膜6により覆われている。
【0022】
一方、前記データライン11は前記ゲート絶縁膜6の上に配線されており、前記TFT4のドレイン電極9につながっている。図4および図5では、前記データライン11を単層膜として示しているが、このデータライン11と前記TFT4のドレイン電極9および前記ソース電極8は、前記TFT4のn型半導体膜とのコンタクト性が良いクロム等のコンタクト金属膜の上にアルミニウム系合金等の低抵抗金属膜を積層した積層膜からなっている。
【0023】
なお、この実施例では、前記データライン11を前記TFT4のドレイン電極9と一体に形成しているが、前記TFT4を層間絶縁膜で覆ってその上に前記データライン11を形成し、このデータライン11を、前記層間絶縁膜に設けたコンタクト孔において前記TFT4のドレイン電極9に接続してもよい。
【0024】
また、前記ゲート絶縁膜6の上には、前記TFT4およびデータライン11を覆って透明なオーバーコート絶縁膜12が設けられており、前記画素電極3は前記オーバーコート絶縁膜12の上に形成され、このオーバーコート絶縁膜12に設けられた図示しないコンタクト孔において、前記TFT4のソース電極8に接続されている。
【0025】
なお、この実施例の液晶表示素子は、一般にデルタ配列型と呼ばれるものであり、同じデータライン11から前記TFT4を介してデータ信号を供給される各列の複数の画素電極3がそれぞれ各行ごとにほぼ1.5ピッチずつ行方向に交互にずれて配列している。
【0026】
また、前記データライン11は、ほぼ1.5ピッチずつ行方向に交互にずれて配列している各列の複数の画素電極3のうちの図3および図4において左方向にずれた画素電極3の右側縁に沿う縦ライン部11aと、右方向にずれた画素電極3の左側縁に沿う縦ライン部11bと、これらの縦ライン部11a,11bをつなぐ、前記データライン11のピッチのほぼ半分の長さの横ライン部11cとからなる蛇行ラインとされており、前記横ライン部11cは前記ゲート絶縁膜6を介して前記ゲートライン10の上に重なっている。
【0027】
さらに、前記基板1aの内面つまり前記画素電極3の形成面上には、所定の方向に配向処理が施されたポリイミド等からなる水平配向膜14が設けられている。
【0028】
一方、基板1bの内面に設けられた対向電極14は、前記複数の画素電極3の全てに対向する一枚膜状の電極であり、前記複数の画素電極3と前記対向電極14とが対向する領域がそれぞれマトリックス状に配列する複数の画素領域Aとなっている。
【0029】
また、この実施例の液晶表示素子は、フルカラー画像等の多色カラー画像を表示するものであり、基板1bの内面に各画素領域Aにそれぞれ対応して複数の色、例えば赤、緑、青の3色のカラーフィルタ15R,15G,15Bが設けられている。
【0030】
前記赤、緑、青のカラーフィルタ15R,15G,15Bは、行方向に配列する複数の画素領域Aに対して赤色フィルタ15Rと、緑色フィルタ15Gと青色フィルタ15Bとが交互に対応し、同じデータライン11からデータ信号を供給される画素電極3が対応する画素領域Aに対して、同じ色のフィルタが対応するように配列形成されている。
【0031】
さらに、この基板1bの内面には、前記複数の画素電極3とゲートライン10およびデータライン11との間の領域を透過する光を遮るための遮光膜(ブラックマスク)16が設けられている。なお、図3では、遮光膜16を判別しやすくするため、遮光膜部分に平行斜線を施してある。
【0032】
前記遮光膜16は、例えば、酸化クロム膜とクロム膜との積層膜からなっており、前記ゲートライン10をはさんで隣り合う画素電極3間の領域と、前記データライン11をはさんで隣り合う画素電極3間の領域と、前記TFT4の配置領域に対応させて、これらの領域よりも若干幅広に形成されている。
【0033】
なお、前記遮光膜16は基板1b上に形成され、前記カラーフィルタ15R,15G,15Bは前記遮光膜16を覆って基板1b上に形成されており、このカラーフィルタ15R,15G,15Bの上に前記対向電極14が形成されている。
【0034】
そしてこの基板1bの内面(対向電極14の上)に、前記複数の画素領域Aの間の領域に対応して前述の複数の柱状スペーサ20が点在状態に突設されており、その上に、前記対向電極14および柱状スペーサ20を覆って一方の基板1aの配向膜13の配向処理方向とほぼ平行または若干斜めにずれた方向に配向処理が施されたポリイミド等からなる水平配向膜18が設けられている。
【0035】
前記柱状スペーサ20は、例えば感光性樹脂により所定の高さに形成されており、基板1aと基板1bとの間隔がこれら複数の柱状スペーサ20の頂面を基板1aの内面に当接させることにより規制されている。
【0036】
なお、この実施例では、前記柱状スペーサ20を基板1aのゲートライン10とデータライン11の横ライン部11cとが重なる領域に部分的に対応させて、1つの画素領域Aに1つの柱状スペーサ20が対応する分布状態で配置されている。
【0037】
すなわち、この実施例では、基板1aの内面のうちゲートライン10とデータライン11の横ライン部11cとが重なっている最も盛り上がり高さが大きい領域を柱状スペーサ20を受ける土台面として利用することにより、柱状スペーサ20の高さをできるだけ低く抑えてその強度を充分に確保し得るようにしている。
【0038】
一方、図6に示すように、基板1bのシール材2の外側に張り出した周縁部においては、その内面に前記カラーフィルタ15R,15G,15Bのうちの一つ、例えば赤のカラーフィルタ15Rと同じ材料からなるダミーのカラーフィルタ15R′が形成され、このカラーフィルタ15R′の上に前記対向電極14と同じ材料からなるダミーの電極14′が形成されている。そしてこのダミーの電極14′の上に前記柱状スペーサ20と同じ材料からなる柱状スペーサ20′が形成されている。
【0039】
また、これらダミーのカラーフィルタ15R′、電極14′、柱状スペーサ20に対応して基板1aのシール材2の外側に張り出した周縁部の内面には、前記ゲートライン10と同じ材料からなる金属膜10′と、前記ゲート絶縁膜6と同じ材料の絶縁膜6′と、前記データライン11と同じ材料の金属膜11′と、前記オーバーコート絶縁膜12と同じ材料の絶縁膜12′が順次積層して形成されている。そして前記柱状スペーサ20′の頂面が前記絶縁膜12′に当接する状態となっている。
【0040】
カラーフィルタ14Rに対応するダミーのカラーフィルタ14R′はそのカラーフィルタ14Rの形成工程時に同時に形成され、対向電極14に対応するダミーの電極14′はその対向電極14の形成工程時に同時に形成され、シール材2の外側の柱状スペーサ20′はシール材2の内側の柱状スペーサ20の形成工程時に同時に形成され、ゲートライン10に対応する金属膜10′はそのゲートライン10の形成工程時に同時に形成され、ゲート絶縁膜6に対応する絶縁膜6′はそのゲート絶縁膜6の形成工程時に同時に形成され、データライン11に対応する金属膜11′はそのデータライン11の形成工程時に同時に形成され、オーバーコート絶縁膜12に対応する絶縁膜12′はそのオーバーコート絶縁膜12の形成工程時に同時に形成されたものである。
【0041】
したがって、シール材2の外側のダミーのカラーフィルタ14R′とシール材2の内側のカラーフィルタ14Rとの膜厚、シール材2の外側のダミーの電極14′とシール材2の内側の対向電極14との膜厚、シール材2の外側の柱状スペーサ20′とシール材2の内側の柱状スペーサ20との高さ、シール材2の外側の金属膜10′とシール材2の内側のゲートライン10との膜厚、シール材2の外側の絶縁膜6′とシール材2の内側のゲート絶縁膜6との膜厚、シール材2の外側の金属膜11′とシール材2の内側のデータライン11の膜厚、シール材2の外側の絶縁膜12′とシール材2の内側のオーバーコート絶縁膜12との膜厚はそれぞれ同じとなっている。
【0042】
これらダミーのカラーフィルタ15R′、電極14′、柱状スペーサ20および金属膜10′、絶縁膜6′、金属膜11′、絶縁膜12′はシール材2の外側に張り出した基板1a,1bの内面の複数箇所で、かつ対向電極14、ゲートライン10、データライン11のそれぞれの端子部を避けた位置に点在するように均等的に設けられ、その両基板1a,1bの接合に応じてそれぞれの柱状スペーさ20′の頂面がその対応する絶縁膜12′にそれぞれ当接する構成となっている。
【0043】
なお、シール材2の内側の柱状スペーサ20の頂面およびオーバーコート絶縁膜12の上にはそれぞれ配向膜18,13が設けられているのに対して、シール材2の外側の柱状スペーサ20′の頂面および絶縁膜12′の上には配向膜が設けられていないが、配向膜18,13は100nm以下と極めて薄い膜厚であるから、その配向膜18,13の有無に拘らず、シール材2の内側の柱状スペーサ20の頂面がオーバーコート絶縁膜12の上に当接したときには、シール材2の外側の柱状スペーサ20′の頂面も絶縁膜12′の上に当接する状態となる。
【0044】
勿論、シール材2の内側の柱状スペーサ20の頂面およびオーバーコート絶縁膜12の上と同様に、シール材2の外側の柱状スペーサ20′の頂面および絶縁膜12′の上にも配向膜を設けるようにしても何ら差し支えない。
【0045】
この液晶表示素子の組立時の工程について説明すると、まず、一方の基板1aの内面の所定の領域に例えば熱硬化性樹脂からなるシール材2を塗布する。次に、内面に柱状スペーサ20が突設された他方の基板1bをその内面を下に向けて前記基板1aの上に載置する。
【0046】
この後、載置した基板1bを上方からプレス装置により所定の圧力で加圧し、この状態で前記シール材2を熱硬化させて両基板1a,1bを接合する。この接合時にはシール材2の内側に分布する柱状スペーサ20により両基板1a,1bの間隔が規制される。
【0047】
基板の加圧時にはシール材2の外側に張り出した基板1bの周縁部が下方に押圧されるが、基板1a,1bの周縁部間にはシール材2の内側の柱状スペーサ20と同じ高さの柱状スペーサ20′が複数均等的に設けられ、これら柱状スペーサ20′を介しい基板1a,1bの周縁部が支持された状態にあり、このため基板1a,1bの周縁部の下方への撓み変形が抑えられ、これにより基板1a,1bの全体の平坦性が良好に維持され、両基板1a,1bの間隔がシール材2の内側の柱状スペーサ20で規定される所定の寸法に精度よく均一に保持される。
【0048】
そして両基板1a,1bをシール材2を介して接合した後に、そのシール材2と両基板1a,1bとで囲まれた領域内に液晶LCを封入する。
【0049】
なお、前記実施例においては、柱状スペーサ20,20′をカラーフィルタ15R,15G,15Bおよび対向電極14を形成した基板1bの内面に設けるようにしたが、画素電極3およびTFT4を形成した基板1aの内面に設けるような場合であってもよい。
【0050】
また、前記実施例においては、強誘電性液晶表示素子を対象としたが、反強誘電性液晶表示素子あるいはTN方式やSTN方式等の液晶表示素子にも適用することができ、さらにカラーフィルタを備えない白黒画像を表示する液晶表示素子にも適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上の述べたようにこの発明の液晶表示素子においては、液晶表示素子の一対の基板間の前記シール材の内側の領域の前記他方の基板の内面に形成された前記カラーフィルタ上に、一方の基板上の前記画素領域の間の領域の、前記ゲートラインと前記データラインとが前記ゲート絶縁膜を介して重畳する部分に対応させて感光性樹脂により予め定めた高さに形成され、前記重畳する部分に順次積層された前記ゲートラインとゲート絶縁膜、データライン、およびその上に形成された前記オーバーコート絶縁膜に当接して、両基板の間隔を規制するための複数の第1の柱状スペーサを配列するとともに、前記一対の基板間のシール材の外側の領域には、前記一方の基板の内面に前記ゲートラインを形成する第1の金属膜、前記ゲート絶縁膜を形成する第1の絶縁膜、前記データラインを形成する第2の金属膜、および前記オーバーコート絶縁膜を形成する第2の絶縁膜との積層膜からなる複数の凸部と、前記他方の基板の内面に前記積層膜に対応させて配列され、前記カラーフィルタを形成する膜からなるダミーのカラーフィルタと、前記他方の基板の内面の前記ダミーのカラーフィルタ上に、前記凸部と対応させて感光性樹脂により予め定めた高さに形成され、前記凸部に当接して、前記一対の基板間のシール材の外側の領域の前記一対の基板の間隔を規制するための複数の第2の柱状スペーサとが配列されているので、安定した基板間隔を得ることができ、また一対の基板がプレス装置で加圧されたときに基板の周縁部の撓みの変形が抑えられ、これにより基板間隔を均一に精度よく規制して良好な表示特性を得ることが可能となる。
【0052】
そして、シール材の外側に設ける柱状スペーサは、シール材の内側に設ける柱状スペーサの形成工程時に同時に形成することにより、その高さを同一の寸法とすることができる。
【0053】
一対の基板と枠状のシール材とで囲まれた領域内には強誘電性液晶または反強誘電性液晶を封入することが可能である。強誘電性液晶または反強誘電性液晶を用いた液晶表示素子においてはその液晶層厚が小さく、基板の間隔をより精度よく設定する必要があるが、シール材の外側に設けた柱状スペーサにより基板間隔を均一に精度よく規制してその要請に充分に応えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る液晶表示素子の断面図。
【図2】 その液晶表示素子の平面図。
【図3】 その液晶表示素子の一部を拡大して示す平面図。
【図4】 図3中のII − II 線に沿う拡大断面図。
【図5】 図3中のIII − III 線に沿う拡大断面図。
【図6】 その液晶表示素子におけるシール材の内側と外側との境の部分を示す断面図。
【符号の説明】
1a,1b…基板
3…画素電極
4…TFT(薄膜トランジスタ)
5…ゲート電極
6…ゲート絶縁膜
6′…絶縁膜
7…i型半導体膜
8…ソース電極
9…ドレイン電極
10…ゲートライン
10′…金属膜
11…データライン
11′…金属膜
12…オーバーコート絶縁膜
12′…絶縁膜
14…対向電極
14′…ダミーの電極
15R,15G,15B…カラーフィルタ
15R′…ダミーのカラーフィルタ
20,20′…柱状スペーサ
Claims (3)
- 一対の基板の一方の内面に、マトリックス状に配列された複数の画素電極と、これらの画素電極にそれぞれ接続された複数の薄膜トランジスタと、前記複数の画素電極の間に配置され、前記薄膜トランジスタの動作を制御する信号を前記マトリックス状に配列された複数の画素電極の行ごとに供給するゲートラインと、このゲートラインを覆うゲート絶縁膜と、前記複数の画素電極の間に配置され、データ信号を前記薄膜トランジスタを介して前記マトリックス状に配列された複数の画素電極の列ごとに供給するデータラインと、前記薄膜トランジスタおよびデータラインを覆うオーバーコート絶縁膜とが形成され、他方の基板の内面に、前記画素電極と対向する領域により複数の画素を形成する対向電極と、前記一方の基板の前記画素電極に対応させて配列された複数のカラーフィルタとが形成され、前記一対の基板を枠状のシール材を介して接合してなる液晶表示素子において、
前記一対の基板間の前記シール材の内側の領域の前記他方の基板の内面に形成された前記カラーフィルタ上に、一方の基板上の前記画素領域の間の領域の、前記ゲートラインと前記データラインとが前記ゲート絶縁膜を介して重畳する部分に対応させて感光性樹脂により予め定めた高さに形成され、前記重畳する部分に順次積層された前記ゲートラインとゲート絶縁膜、データライン、およびその上に形成された前記オーバーコート絶縁膜に当接して、両基板の間隔を規制するための複数の第1の柱状スペーサと、前記一対の基板間のシール材の外側の領域に配列され、前記一方の基板の内面に前記ゲートラインを形成する第1の金属膜、前記ゲート絶縁膜を形成する第1の絶縁膜、前記データラインを形成する第2の金属膜、および前記オーバーコート絶縁膜を形成する第2の絶縁膜との積層膜からなる複数の凸部と、前記他方の基板の内面に前記凸部に対応させて配列され、前記カラーフィルタを形成する膜からなるダミーのカラーフィルタと、前記他方の基板の内面の前記ダミーのカラーフィルタ上に、前記凸部と対応させて感光性樹脂により予め定めた高さに形成され、前記凸部に当接して、前記一対の基板間のシール材の外側の領域の前記一対の基板の間隔を規制するための複数の第2の柱状スペーサと、を備えることを特徴とする液晶表示素子。 - シール材の外側に設けられた第2の柱状スペーサと、シール材の内側に設けられた第1の柱状スペーサは同一の工程により同時に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
- 一対の基板と枠状のシール材とで囲まれた領域内には強誘電性液晶または反強誘電性液晶が封入されていることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36397399A JP4132514B2 (ja) | 1999-12-22 | 1999-12-22 | 液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (1)
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