JP4131462B2 - 袋詰め品のカップ投入方法、及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば食品等の被包装品を内包した包装袋をカップに投入する、袋詰め品のカップ投入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、所謂カップラーメンと呼称され、例えば、上口を開放した合成樹脂製のカップに袋詰め品を投入し、そのカップの上縁に、シート材から成る蓋を貼り付けて密封したものが周知である。
【0003】
袋詰め品とは、麺塊、具材、薬味、調味料、スープ、その他の食品等を個別に包装袋に封入したものであり、2つ折り又は2枚重ねにしたフィルム材の間に被包装品を挟んだ状態で、このフィルム材の周縁を熱溶着する等して密封したものである。麺塊、具材、調味料、及び薬味等の被包装品を包装袋によって包装するのは、これらの被包装品が、カップの中で散乱したり、空気に触れて変質するのを防止するためである。
【0004】
上記のように、袋詰め品をカップに投入するには、袋詰め品の包装袋を負圧によって吸引し、又は爪で引っ掛ける等して保持しつつ、袋詰め品をカップの真上まで移送し、この位置で、包装袋の保持を解除することにより、袋詰め品をカップ内に投入する技術が周知である。このような一連の投入作業は、以下の特許文献に類似する装置を、製造ラインに設けることによって行える。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−257965号公報
【特許文献2】
特開平7−329905号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の包装袋は、量産の都合上、その周縁に出隅部が形成される。つまり、製造コストを抑える必要性から、包装袋として定型化された既製品を適用する場合、通常、このような包装袋は四角形である。或いは、包装袋を原料であるフィルム材の段階から生産するとしても、原料の裁断が容易でしかも原料取りを効率良く行うことを考慮すれば、包装袋は四角形であることが望ましい。
【0007】
このため、麺塊のようにカップの内側を殆ど占める程大きなサイズの被包装品を包装できる包装袋は、その周縁の出隅部が、投入したカップの上口の口径を超えて四方へ突出する可能性が高くなる。そこで、カップの上口の口径を広げたり、包装袋の対角寸法をできるだけ短縮することが試みられている。
【0008】
しかしながら、上記の試みは、既存の製造ラインを大きく改造することなく、又は、カップの形状やサイズ等を大きく変更しない範囲に限られる。このため、袋詰め品がカップの上口の口径に近い大きさの場合、袋詰め品が僅かにカップ内に偏って投入されることが稀に起こると、その偏った側の出隅部が、カップの上縁からはみ出すという問題が起こる。また、上記の袋詰め品の対角寸法がカップの上口の口径より大きい場合には、包装袋の出隅部は高率でカップの上口からはみ出してしまう。
【0009】
つまり、特許文献1,2を含めた従来の技術には、出隅部を周縁から突き出した包装袋の特異な形状を考慮し、このような包装袋の出隅部を如何に取り扱うかという技術思想は無い。従って、袋詰め品をカップに投入するのに、従来の技術を単に適用しただけでは、上記の問題は解決できない。
【0010】
更に、上記の問題は、カップの上縁に蓋を貼り付けるに際して、カップの上縁からはみ出した出隅部が、カップと蓋との間に割り込み、両者の接着を阻害するという問題に発展する。更には、蓋を貼り付けたカップの密封が不完全となり、被包装品衛生上の諸問題を生じさせる恐れもある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、包装袋の出隅部がカップの上縁からはみ出すのを確実に防止できる、袋詰め品のカップ投入方法、及びその装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る袋詰め品のカップ投入方法は、被包装品を内包し周縁に出隅部を有する包装袋を、その対角寸法より内径の小さいカップに投入する袋詰め品のカップ投入方法であって、前記包装袋を載置でき前記包装袋の中央部が前記出隅部を折り曲げ可能に突出した突出台上に支持され、前記包装袋の中央部を吸引保持し得るように前記突出台の中心に対して位置決めするステップと、前記包装袋の中央部の一面を負圧で吸引することにより、前記包装袋を保持するステップと、前記包装袋の前記対角寸法が前記カップの内径より小さくなるように、前記突出台で前記包装袋の中央部を支持した状態で、前記包装袋の出隅部を前記突出台に対向する位置から他面側へ押圧又は挟み込むことによって前記包装袋の出隅部を前記突出台の側面に向かって曲げるステップと、前記包装袋を前記カップの内側へ移送するステップと、前記負圧を解除することにより、前記包装袋を前記カップに投入するステップとを含むものである。
【0014】
本発明に係る袋詰め品のカップ投入装置は、被包装品を内包し周縁に出隅部を有する包装袋の中央部を位置決めするセンタリング装置と、前記包装袋の中央部の一面を負圧で吸引することにより前記包装袋を保持するバキュームホルダと、前記バキュームホルダに取り付けられ前記包装袋の出隅部を他面側へ曲げるフォーミング装置と、前記バキュームホルダを昇降及び水平移動させる移送手段とを備える袋詰め品のカップ投入装置であって、 前記バキュームホルダが、前記包装袋の一面側に配置され一端が開放した真空引きパイプと、該真空引きパイプの内部に負圧を発生する真空発生手段とを備え、前記真空引きパイプの一端を前記包装袋の中央部の一面に密接し、前記真空引きパイプの内部の負圧で前記包装袋を吸引することにより前記包装袋を保持し、前記センタリング装置が、前記真空引きパイプの一端に対向する位置に、前記包装袋の中央部を他面側から支持し前記出隅部を折り曲げ可能に突出した突出台と、前記突出台に支持された前記包装袋の周縁を挟み込んで前記包装袋の中央部を吸引保持し得るように前記突出台の中心に対して位置決めする機構とを備え、前記フォーミング装置によって前記出隅部を他面側へ曲げられる前記包装袋を、前記突出台によって前記包装袋の中央部を出隅部に対して突出した状態で保持することにより前記包装袋の出隅部を前記突出台の側面に向かって湾曲させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る袋詰め品のカップ投入装置は、前記フォーミング装置が、前記真空引きパイプの外周に沿って配置され周縁部を前記真空引きパイプの一端側へ突出した椀状型と、該椀状型を前記包装袋の一面に接近又は離反する方向に相対移動させる移動手段とを備え、前記椀状型を前記包装袋の一面に接近させて、該椀状型の周縁部を、前記真空引きパイプに保持された前記包装袋の周縁に押し当てることにより、前記包装袋の周縁の出隅部を前記包装袋の他面側へ曲げるものであって、以下の構成を有する。
【0018】
即ち、前記バキュームホルダが、前記包装袋の一面側に配置され一端が開放した真空引きパイプと、該真空引きパイプの内部に負圧を発生する真空発生手段とを備え、前記真空引きパイプの一端を前記包装袋の中央部の一面に密接し、前記真空引きパイプの内部の負圧で前記包装袋を吸引することにより前記包装袋を保持する。或いは、前記センタリング装置が、前記真空引きパイプの一端に対向する位置に、前記包装袋の中央部を他面側から支持する突出台を設け、前記フォーミング装置によって前記出隅部を他面側へ曲げられる前記包装袋を、前記突出台によって前記包装袋の中央部を出隅部に対して突出した状態で保持することにより湾曲させる。
【0019】
また、前記真空引きパイプの一端に対向する位置に、前記包装袋の中央部を他面側から支持する突出台を設けた袋詰め品のカップ投入装置において、更に、前記突出台の周囲に、前記包装袋の他面の周縁に当接する変位台を設け、前記変位台を、前記突出台に対して相対的に前記真空引きパイプの一端に接近又は離反する方向へ変位可能にしたものである。
【0020】
更に、前記移動手段が前記椀状型を前記包装袋の周縁に押し当てる動作に同期させて、前記変位台を前記真空引きパイプの一端から離反する方向へ移動させる連動手段を備えるようにしても良い。
【0021】
また、本発明に係る袋詰め品のカップ投入装置は、前記フォーミング装置が、前記真空引きパイプの一端付近の相対向する位置にピン接合して対を成す複数の挟持爪と、該複数の挟持爪を前記真空引きパイプの一端を挟む方向に開閉させる開閉手段とを備え、前記複数の挟持爪を前記真空引きパイプの一端を挟む方向に閉じて、前記真空引きパイプに保持された前記包装袋の周縁を、前記複数の挟持爪の間に挟むことにより、前記包装袋の周縁の出隅部を前記包装袋の他面側へ曲げるように構成したものである。
【0022】
また、前記フォーミング装置が、前記真空引きパイプの一端付近の相対向する位置にピン接合して対を成す複数の挟持爪と、該複数の挟持爪を前記真空引きパイプの一端を挟む方向に開閉させる開閉手段とを備え、前記複数の挟持爪を前記真空引きパイプの一端を挟む方向に閉じて、前記真空引きパイプに保持された前記包装袋の周縁を、前記複数の挟持爪の間に挟むことにより、前記包装袋の周縁の出隅部を前記包装袋の他面側へ曲げる、袋詰め品のカップ投入装置において、更に、前記突出台の周囲に、前記包装袋の他面の周縁に当接する変位台を設け、前記開閉手段が前記複数の挟持爪を前記真空引きパイプの一端を挟む方向に閉じさせる動作に同期させて、前記変位台が前記突出台に対して相対的に前記真空引きパイプの一端から離反する方向へ移動させるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入方法、及びその装置について説明する。図1乃至図7に、本実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置1を、その動作の順を追って表している。
【0024】
図1(a),(b)に示すように、袋詰め品のカップ投入装置1は、食品等の被包装品2を内包し周縁に出隅部3を有する方形の包装袋4の中央部を位置決めするセンタリング装置5と、包装袋4の一面(以下、図面に対応して「上面」と記す。)を負圧で吸引することにより包装袋4を保持するバキュームホルダ6と、包装袋4の出隅部3をその他面側(以下、図面に対応して「下方」と記す。)へ曲げるフォーミング装置7とを備えるものである。
【0025】
被包装品2としては、主に麺塊、具材、薬味、調味料、液体又は粉末スープの他、カレー、シチュー等が挙げられる。包装袋4は、2つ折り又は2枚重ねにした四角形のフィルム材の間に被包装品2を挟み込んだものを例示している。この他、包装袋4として、筒状のフィルム材の中に被包装品2を挿入し、この筒状のフィルム材の両端の開口を溶着等して封じたもの等でも良い。
【0026】
センタリング装置5は、後述のフォーミング補助台8の両側に、フォーミング補助台8を挟む方向に開閉動する一の位置決め片80を対にして各々設け、更に、一の位置決め片80の開閉方向に直交する向きに開閉動する他の位置決め片(図示省略)を対にして各々設けている。包装袋4を、水平姿勢、即ち出隅部3を水平方向へ突き出した姿勢でフォーミング補助台8上に載置し、一の位置決め片80及び他の位置決め片によって四方から同時に挟み込むと、この包装袋4が、フォーミング補助台8の上面中央に寄せられることになる。
【0027】
以上のセンタリング装置5に係る構成は、周知の技術であるため詳細な説明は省略する。また、上記の説明では、位置決め片80はその下端を支点とする動作を例示したが、位置決め片80全体を、直立させた姿勢でフォーミング補助台8に対して、近づく方向又は離れる方向に進退動させても良い。以上の構成は、センタリング装置5を具体的に限定するものではなく、包装袋4の出隅部3の数又は包装袋4の外形等に応じて、位置決め片80の本数又は配置を適宜変更しても良い。
【0028】
バキュームホルダ6は、直立した真空引きパイプ60の一端(以下、図面に対応して「下端」と記す。)の周縁に吸着パッド61を設けたものである。吸着パッド61は、真空引きパイプ60と包装袋4を良好に密着させ、また包装袋4が真空引きパイプ60に強く当るのを防止する弾性材又は緩衝材である。真空引きパイプ60は、その内部に負圧を発生する真空発生手段に接続している。
【0029】
真空発生手段としては、真空ポンプ又は工場などに配管された負圧ライン等である。真空引きパイプ60の上端は、図示を省略したが、サーボモータ又はエアシリンダ等を駆動源とする移送手段に支持されている。この移送手段によって、真空引きパイプ60全体が直立した姿勢を保ちつつ昇降し、又は水平方向に移動できる。上記の真空引きパイプ60には、鋼管又は塩化ビニルパイプ等から成る円筒又は中空角材等が適用できる。
【0030】
上記の真空発生手段、移送手段を構成するサーボモータ、及びエアシリンダ等に係る技術は、既に周知であるため、本実施の形態の説明中においては言及しない。
【0031】
フォーミング装置7は、図1(b)に示すように、包装袋4側(図中の下方)へ開放し周縁部70を包装袋4側へ突出した椀状型71を主体とする。周縁部70は、ある程度の幅を有する環形の平面となっている。この平面は、水平面に沿うものとして同図に例示しているが、椀状型71の内方へ向かって上昇傾斜する擂鉢状の斜面であっても良い。
【0032】
椀状型71は、その上部に真空引きパイプ60を挿通する挿通孔72を形成し、真空引きパイプ60の外周に配置されている。図示を省略しているが、椀状型71は、直線運動軸受又はガイドレールを介して真空引きパイプ60に昇降自在に係合している。このため、椀状型71は、サーボモータ又はエアシリンダ等を駆動源とする移動手段により、真空引きパイプ60に沿って、包装袋4に接近又は離反する方向へ変位できる。
【0033】
上記の包装袋4、バキュームホルダ6、及びフォーミング装置7の対応関係は同図に仮想線で示している。即ち、仮想線70aは、椀状型71の周縁部70の外周円に相当する。真空引きパイプ60が包装袋4の上面に密接する位置は、包装袋4の上面の中央部(出隅部3の内方)である。この位置は、仮想線70aよりも内側であれば良いが、好ましくは、仮想線61aで示すように、包装袋4の中央に包装された被包装品2の重心に対応する位置である。
【0034】
図2に示すように、フォーミング補助台8は、センタリング装置5の一構成要素であり、真空引きパイプ60の真下に対向するように設置された突出台73と、突出台73の外周に沿って配置され突出台73に対して上下方向、即ち、真空引きパイプ60の下端に接近又は離反する方向へ変位可能な変位台74と、変位台74を所定の高さまで浮上させる付勢手段75とから構成される。
【0035】
突出台73は、半球状の上端面で包装袋4の他面(図中の下面)の中央部を受け止めて支持する円柱又は角柱であり、製造ラインの架台等の平面部81に固定しても良い。変位台74を平面視すると、その内側に突出台73を挿通した環形である。付勢手段75は、変位台74を真空引きパイプ60の下端に向けて(上方へ)付勢するコイルバネ、板バネ、又は空気バネ等である。図2は、変位台74の平滑な上面が、突出台73に支持された包装袋4の周縁(出隅部3を含む)に当接する程度の高さに位置するように、付勢手段75によって変位台74全体を平面部81から浮上させた状態を表している。
【0036】
次に、図1乃至図7に基づき、本実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入方法を説明する。以下で、袋詰め品のカップ投入装置1の動作は、個々に英符号を付したステップを順次、連続的に実行するものである。
【0037】
A:図1に示すように、予めバキュームホルダ6の真空引きパイプ60を上昇させておき、センタリング装置5の対を成す複数の位置決め片80を開いた状態にして、包装袋4をフォーミング補助台8上に載置する。更に、総ての位置決め片80を同時に閉じて、包装袋4を、複数の位置決め片80の間に挟み込むことによって既述のように位置決めする。
【0038】
これは、包装袋4が例えば前工程からベルトコンベヤ等に乗せられて搬出される場合、出隅部3の向きが不揃いであるため、位置決め片80を閉じる過程で、隣り合う位置決め片80同士の間に出隅部3を追い込んで、出隅部3の向きを規定するためである。更には、包装袋4を、真空引きパイプ60の真下に、正確に位置決め(芯合わせ)するためである。
【0039】
B:図2に示すように、真空引きパイプ60全体を下降させ、吸着パッド61が包装袋4の上面の中央部に軽く接触する高さに達したところで、真空引きパイプ60の下降を停止する。更に、真空発生手段によって真空引きパイプ60の内部に負圧を発生させる。包装袋4は、この負圧により真空引きパイプ60内へ引き上げられる力を受け続け、真空引きパイプ60に保持されることになる。
【0040】
C:図3に示すように、真空引きパイプ60を上記の高さに停止させた状態で、椀状型71のみを下降させることにより、椀状型71の周縁部70を真空引きパイプ60に保持された包装袋4の周縁(出隅部3を含む)に押し当てる。この椀状型71を、更に数cm下降させて、図4に示した状態にする。これにより、包装袋4の4カ所の出隅部3が、椀状型71の周縁部70によって同時に押圧され、下方へ曲げられることになる。
【0041】
上記のように4カ所の出隅部3を同時に曲げられるので、これらの反力が、包装袋4全体に偏りなく加わり、包装袋4を傾斜させるようなモーメントは発生しない。従って、包装袋4を真空引きパイプ60で保持する際に、真空引きパイプ60内に発生する負圧の強さを最小限に抑えられるので、包装袋4に余計な負担をかけないという利点がある。
【0042】
また、上記の説明では、包装袋4が四角形であることを前提としたが、図1に示すように、平面視した形状が真円に近い椀状型71を適用する場合、包装袋4が例えば三角形、五角形、台形、又は菱形のような任意の形状であっても、それらの出隅部3の数や出隅部3が突出する向きに関係なく、総ての出隅部3を、椀状型71の周縁部70によって同時に押圧できる。このため、包装袋4の形態に関係なく、上記同様の利点が得られる。
【0043】
一方、上記Cのステップにおいて椀状型71が下降する過程で、突出台73が相対的に変位台74よりも高く突き出し、包装袋4の他面の中央部を突出台73が押し上げることにより、被包装品2と共に包装袋4全体を円弧状又は球面状に湾曲させる。これら突出台73と変位台74から構成されるフォーミング補助台8の作動原理を、以下に説明する。
【0044】
即ち、椀状型71と変位台74のそれぞれの外周面の適所には、互いに上下に隔たって対を成す突当り片76を各々設けている。椀状型71が下降するのに伴って、包装袋4の出隅部3は、椀状型71の周縁部70と、変位台74の上面との間に挟まれるが、両者の間に僅かに空隙を残したタイミングで、椀状型71と変位台74のそれぞれの突当り片76同士が互いに突き当たる。つまり、突当り片76が、椀状型71と変位台74とを連動させる連動手段となる。
【0045】
この状態から、椀状型71が更に下降すると、変位台74が突当り片76を介して椀状型71によって押し下げられる。これにより、変位台74全体が付勢手段75に抗して下降するので、結果として、突出台73が変位台74より高く突き出すことになる。尚、突出台73は、必ずしも固定しなくても良く、例えば、サーボモータ又はエアシリンダ等を駆動源によって、下降する椀状型71に対向して上昇するようにしても良い。
【0046】
次に、フォーミング補助台8の役割について述べる。即ち、突出台73、変位台74から成るフォーミング補助台8を省略して、椀状型71のみによって出隅部3を下方へ曲げることは可能である。しかしながら、包装袋4の素材が、例えば弾性が強く出隅部3及びその近傍のみを下方へ曲げただけでは、元の形状に復帰しようとする傾向が強い場合がある。このような場合には、被包装品2と共に包装袋4全体を円弧状又は球面状に湾曲させることにより、包装袋4が元の形状に復帰しようとする傾向を抑制できる。
【0047】
このように包装袋4を湾曲させることを目的として考えた場合、フォーミング補助台8は、前述のようにセンタリング装置5の一構成要素とするのではなく、センタリング装置5とは別に設置しても良い。但し、フォーミング補助台8をセンタリング装置5の一構成要素とすれば、包装袋4のバキュームホルダ6への受け渡しの工程と同時的、又は連続的に包装袋4の変形を操作でき、また、包装袋4の位置ずれも起こらない。
【0048】
尚、フォーミング補助台8は突出台73と変位台74の両方の構成を有するものとして説明したが、変位台74を省略して包装袋4の他面側の中央部を支持する突出台73のみの構成としても良い。この場合、突出台73を円錐台状、四角錐台状、又は上端部が半球状の中央部が突出した形状とすれば、包装袋4の一面側の中央部を突出させた形で保持できるので好ましい。また、図1(a)に示した変位台74に相当する部分をセンタリング装置5の位置決め片80の構成の一部とし、包装袋4が位置決め片80等の操作によってセンタリングされた後に、突出台73のみを残して、位置決め片80と共に例えば水平方向(図面横方向)へ排除されるようにしても良い。
【0049】
尚、図1(a)に示すように、フォーミング補助台8を突出台73と変位台74とから成る構成とした場合、突出台73の上端面は、必ずしも半球状である必要はなく、水平な平面又は傘状の凸面であっても良い。そして、変位台74の上端面は、必ずしも図示のような平面である必要はなく、傘状の傾斜面であっても良い。また、変位台74全体の形状は、必ずしも図示のような環形に連なっている必要はなく、例えば、包装袋4が四角形であれば、個々の出隅部3の真下に、4個の変位台74を各々配置するようにしても良い。
【0050】
また、上記の突当り片76は、包装袋4の出隅部3が、周縁部70と変位台74との間に挟まれ、これらに圧迫されてピンホール等が出来るという問題が起こらないように設けている。従って、包装袋4が丈夫な材質であれば、突当り片76を省略し、椀状型71によって出隅部3と共に変位台74を直接に押し下げるようにしても良い。
【0051】
また、突当り片76に代えて、変位台74を下降する動作に同期して、椀状型71を下降させるように設定したサーボモータ又はエアシリンダ等を適用しても良い。或いは、付勢手段75を省略し、椀状型71が下降する動作に同期して、変位台74全体を下降させることに加え、椀状型71が上昇する動作に同期して、変位台74全体を上昇させるように設定したサーボモータ又はエアシリンダ等を適用しても良い。
【0052】
更には、変位台74を固定とし、椀状型71が下降する動作に同期して突出台73を上昇させ、椀状型71が上降する動作に同期して突出台73を下昇させるように設定したサーボモータ又はエアシリンダ等を適用しても良い。
【0053】
D:出隅部3を椀状型71で押圧した状態で、真空引きパイプ60を上昇させる。これが図5に示す状態である。更に、真空引きパイプ60で水平方向に往動する。
【0054】
図6は、予めフォーミング補助台8の付近に待機させて置いたカップ9を表している。カップ9は、これを没入する開口90を形成したカップ保持台91によって所定の位置に保持されている。カップ9の具体例としては、コップ型、丼型、箱型等の形状の容器で、包装袋4の対角寸法(対角線上に位置する出隅部3の外端同士の距離)より内径(容器が箱型の場合はその対角寸法)の小さいカップ容器でも可能である。
【0055】
E:カップ9の真上に、真空引きパイプ60が達したところで、真空引きパイプ60の水平方向への往動を停止し、真空引きパイプ60を下降させる。更に、椀状型71の周縁部70がカップ9の内側に没入したところで、真空引きパイプ60の下降を停止する。これが図6に示す状態である。
【0056】
F:真空発生手段を停止し、真空引きパイプ60の内部へ大気が進入するのを許容する。これにより、真空引きパイプ60の内部の気圧を大気圧になるまで上昇させる。以上のように、真空引きパイプ60の内部の圧力が負圧又は大気圧となるよう適時に設定できるのは、例えば、真空発生手段及び真空引きパイプ60を連通する経路と、真空引きパイプ60をその外部に開放する経路とを切り換え可能な切換弁を操作すれば行える。
【0057】
真空引きパイプ60の内部の気圧が大気圧と略等しくなったところで、包装袋4が、真空引きパイプ60から落下して、カップ9に投入されることになる。この投入の時点で、出隅部3を下方へ曲げられた包装袋4は、既にカップ9の内側に位置するので、出隅部3が例えば弾性により水平方向へ突き出す形状に復帰しようとしても、カップ9の内側面によって規制される。このため、包装袋4をカップ9に投入する時点又はその後で、出隅部3が水平方向へ突き出す形状に復帰することはない。
【0058】
G:図7に示すように、真空引きパイプ60を再び上昇させる。これに次いで又は同時に、真空引きパイプ60に対して椀状型71を上昇させる。更に、上記Dのステップにおいて水平方向に往動した真空引きパイプ60を、その分、反対方向へ復動させる。これにより、袋詰め品のカップ投入装置1は、図1(a)に示す状態に復帰し、上記のA以降のステップを繰り返し実行できる。
【0059】
尚、上記の説明では、椀状型71の周縁部70が一様な形態を例示したが、図8(a)に示すように、周縁部70の出隅部3に接触する部分以外を切除して切欠部70aを形成しても良い。これにより、椀状型71全体の軽量化を図れる。また、同図(b)に示すように、椀状型71として、これを平面視した形状が四角形のものを適用しても良い。このような椀状型71は、その4辺の下縁部74で包装袋4の中央部、即ち、仮想線74aで示した位置を押して下方へ曲げることができる。
【0060】
また、図9に示すように、椀状型71の下縁部70に、下縁部70の外径より大きな内径を有する案内シュート77を設けても良い。この場合、上記Eのステップで真空引きパイプ60を下降させる位置は、案内シュート77の略高さ寸法分、カップ9よりも高い位置に、真空引きパイプ60が包装袋4を保持できるように設定する。これにより、上記Eのステップにおいて、真空引きパイプ60を昇降させるストロークを短縮し、袋詰め品のカップ投入装置1の稼動サイクルの所要時間を短縮することができる。
【0061】
次に、図10及び図11に基づき、他の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置10について説明する。当該袋詰め品のカップ投入装置10が既述の実施形態と異なる点は、フォーミング装置11にある。以下、フォーミング装置11について説明し、その他の構成については、上記の形態と同符号を付して説明を省略する。
【0062】
フォーミング装置11は、真空引きパイプ60の下端付近の相対向する位置に基端12をピン接合して対を成す一の挟持爪13を各々設け、これら一の挟持爪13を、基端12を支点に真空引きパイプ60の下端、即ち吸着パッド61を挟む方向に各々開閉動させるものである。真空引きパイプ60の下端付近には、更に、一の挟持爪13の開閉方向に直交する向きに開閉動する他の挟持爪(図示省略)を対にして各々設けている。上記2対の挟持爪13の開閉動作は、サーボモータ又はエアシリンダ等を駆動源とする開閉手段によって同時に行われる。
【0063】
図10は、上記Bのステップに対応する状態を示している。つまり、フォーミング補助台8上に位置決めされた包装袋4が、真空引きパイプ60の内部の負圧によって保持されている。この状態で、2対の挟持爪13は、互いに離反する方向に開き、水平姿勢となっている。
【0064】
図11は、上記Cのステップに対応し、フォーミング装置11によって包装袋4の出隅部3を下方へ曲げている状態を示している。つまり、2対の挟持爪13を相互に閉じる方向に動作させて、真空引きパイプ60に保持された包装袋4を2対の挟持爪13の間に挟み込んでいる。そして、包装袋4の4カ所の出隅部3を、2対の挟持爪13の間で押圧することにより下方へ各々曲げている。
【0065】
このとき、2対の挟持爪13が包装袋4の出隅部3を下方へ曲げる反力は、その大部分の分力が水平方向に包装袋4を押圧する力である。また、対を成した挟持爪13同士が包装袋4を水平方向に押圧する力は互いに打消し合うので、2対の挟持爪13が包装袋4の出隅部3を下方へ曲げる反力、つまり包装袋4を真空引きパイプ60の下方へ押し下げる力を、最小限に抑えられる。
【0066】
一方、2対の挟持爪13が閉じる動作に伴って、変位台74全体を連動手段によって下降させる。この場合、連動手段としては、上記の突当り片76に代えて、2対の挟持爪13の閉じる動作に同期して変位台74全体を付勢手段75に抗して下降させるように設定したサーボモータ又はエアシリンダ等を適用する。
【0067】
或いは、付勢手段75を省略し、2対の挟持爪13の閉じる動作に同期して、変位台74全体を下降させることに加え、2対の挟持爪13が開く動作に同期して、変位台74全体を上昇させるように設定したサーボモータ又はエアシリンダ等を適用する。若しくは、変位台74を固定とし、椀状型71が下降する動作に同期して突出台73を上昇させ、椀状型71が上降する動作に同期して突出台73を下昇させるように設定したサーボモータ又はエアシリンダ等を適用しても良い。
【0068】
尚、袋詰め品のカップ投入装置10の位置決め片80を省略し、図10の状態で、包装袋4をフォーミング補助台8上に無造作に載置し、この包装袋4を真空引きパイプ60に保持させる前の段階で、2対の挟持爪13を一旦閉じることにより、隣り合う挟持爪13同士の間に出隅部3を追い込んで、出隅部3の向きを規定すると同時に、包装袋4を、真空引きパイプ60の真下に、正確に位置決めするようにしても良い。
【0069】
以上に例示した構成は、フォーミング装置11を具体的に限定するものではなく、包装袋4の出隅部3の数又は包装袋4の外形等に応じて、挟持爪13の本数又は配置を適宜変更しても良い。
【0070】
また、以上に例示した袋詰め品のカップ投入装置1,10は、本願発明の技術的思想を実質的に限定するものと解してはならない。また、上記の説明では、図面に基づき真空引きパイプ60を直立させた実施例について述べ、その中で、包装袋2は水平姿勢、即ち出隅部3を水平方向に突出させた姿勢であることを前提としたが、包装袋2は傾斜又は直立した姿勢であっても良い。
【0071】
このような包装袋2に対して真空引きパイプ60の軸方向(長手方向)が直交するように、真空引きパイプ60を水平又は傾斜する姿勢にすることが好ましい。つまり、以上の説明における「昇降」とは、真空引きパイプ60の軸方向に沿った向きの動作を意味し、これを図面の上下方向に対応させて表現したものである。
【0072】
また、カップ9を1個のみ図示したが、実際には、複数のカップ9が縦横に配列され、これら複数のカップ9毎に、複数の袋詰め品のカップ投入装置1,10が同時に稼動する。また、当袋詰め品のカップ投入装置1,10は、その要旨を逸脱しない範囲で、当業者の創意と工夫により、適宜に改良、変更又は追加をしながら実施されるものである。包装袋4をその対角寸法がカップ9の内径より小さくなるように変形できるものであれば、フォーミング装置7は、特に限定されるものではない。例えば、図12に示すように、椀状型71の下縁部70に複数の傾斜辺78を形成し、椀状型71全体をカムとして構成しても良い。
【0073】
これら複数の傾斜辺78の傾斜方向を揃え、且つ、これら複数の傾斜辺78を形成する位置を、包装袋4の周縁から突出する複数の出隅部3に各々対応させる。そして、各傾斜辺78を包装袋4の出隅部3に接触させつつ、椀状型71をこの周方向へ回動させると、各傾斜辺78によって個々の出隅部3を下方へ案内し、個々の出隅部3を同時に下方へ曲げることができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明に係る袋詰め品のカップ投入方法によれば、被包装品を内包し周縁に出隅部を有する包装袋の中央部を位置決めすることにより、この一面を負圧で吸引する次のステップを安定して行えるような状態で、包装袋を待機させられる。つまり、包装袋の一面を負圧で吸引するのに、例えば、包装袋の一面にバキュームホルダの一端を密接して行うことを考慮し、バキュームホルダの一端が隙間無く包装袋の一面に突き当たり、しかも、この突き当たる位置が包装袋の一面の中央部となるように、包装袋の中央部をバキュームホルダの一端に対向するよう正確に位置させることができる。
【0075】
更に、上記例示のバキュームホルダ等によって包装袋を保持しつつ、例えば、包装袋の出隅部を他面側へ押圧、又は包装袋の周縁をその両側から挟み込む等することにより、包装袋の出隅部を他面側へ曲げる。この包装袋を、上口が開放したカップの内側へ移送して、上記例示のバキュームホルダ等の負圧を解除すると、包装袋がカップに投入されることになる。この投入の時点で、出隅部を他面側へ曲げられた包装袋は、既にカップの内側に位置するので、弾性によって包装袋の対角寸法が再びカップの内径より広がった形状に復帰しようとしても、カップの内側面によって規制される。
【0076】
これにより、包装袋は、出隅部が他面側へ曲げられた儘の状態でカップに収納される。従って、次工程でカップの上口に例えばシート材から成る蓋を貼付ける際に、出隅部が上口の周縁からはみ出す事に起因する従来の問題を、確実に予防できる。
【0077】
そして、本発明に係る袋詰め品のカップ投入方法によれば、包装袋をその対角寸法がカップの内径より大きくても、包装袋の出隅部を他面側へ曲げることで、これを小さくなるように変形させて、カップに投入するように構成しているので、包装袋の対角寸法がカップの内径より大きくても、カップの上口に例えばシート材から成る蓋を貼付ける際に、出隅部が上口の周縁からはみ出す事が無い。
【0078】
また、本発明に係る袋詰め品のカップ投入装置によれば、センタリング装置によって包装袋の中央部を位置決めすることにより、この一面を負圧で吸引する次のステップを安定して行えるように、包装袋の中央部をバキュームホルダの一端に正確に対向する位置に待機させられる。
【0079】
上記の包装袋の一面の中央部をバキュームホルダで吸引させると、包装袋がバキュームホルダに保持される。このように包装袋を保持しつつ、包装袋の出隅部をフォーミング装置によって他面側へ曲げ、更に、包装袋を、上口が開放したカップの内側へ移送して、バキュームホルダの負圧を解除すると、包装袋がカップに投入されることになる。
【0080】
これにより、包装袋は、出隅部が他面側へ曲げられた儘の状態でカップに収納されるので、上記同様に従来の問題を確実に予防できる。
【0081】
更に、本発明に係る袋詰め品のカップ投入装置によれば、フォーミング装置によって出隅部が他面側へ曲げられる包装袋を、この中央部を突出台によって出隅部に対して突出した状態で保持することにより湾曲させるので、より確実に出隅部を他面側に曲げることができ、包装袋の出隅部のみを他面側へ曲げるよりも更に小さく包装袋全体の外形を縮められる。
【0082】
更に、本発明に係る袋詰め品のカップ投入装置によれば、真空引きパイプの一端を包装袋の一面の中央部に密接し、真空引きパイプの内部に真空発生手段で負圧を発生させ、この負圧で包装袋を吸引するので、包装袋を例えば爪等で引っ掛けることなく保持できる。このため、包装袋の出隅部を他面側に曲げる際に、上記の爪等に邪魔されることなく、包装袋における真空引きパイプの一端を密接した部分以外の箇所を自由に押圧する等して、包装袋の出隅部が他面側へ曲がるように、包装袋の周縁を自在に変形させられる。
【0083】
更に、本発明に係る袋詰め品のカップ投入装置によれば、椀状型の周縁部を真空引きパイプに保持された包装袋の周縁に押し当てることにより包装袋の出隅部を他面側へ曲げるように、フォーミング装置を構成しているので、以下の効果が得られる。即ち、椀状型は、その周縁部を真空引きパイプに保持された包装袋の周縁を他面側へ曲げた状態を維持するのに、カップの径方向への動作を全く伴わない。このため、既成のカップの口径を不要に拡大したり、又はカップ全体のサイズを大く変更しなくて済むという利点がある。
【0084】
また、包装袋の総ての出隅部を椀状型によって同時に他面側へ曲げられるので、総ての出隅部を均一に変形させられる。このため、包装袋の全体がそれ自身の変形に伴う反力を均一に受ける。つまり、バキュームホルダに保持された包装袋にこれを傾斜させるようなモーメントが加わらない。従って、包装袋が、下降する椀状型に押し下げられてバキュームホルダから不意に脱落する、といった事態にはならない。
【0085】
特に、椀状型として、それを平面視した形状が真円に近いものを適用すれば、包装袋が四角形のような定型化されたものに限らず、例えば三角形、五角形、台形、又は菱形のような任意の形状である場合に、それらの出隅部の数や出隅部が突出する向きに関係なく、あらゆる形態の包装袋についてその総ての出隅部を同時に他面側へ曲げられる。
【0086】
更に、本発明に係る袋詰め品のカップ投入装置によれば、真空引きパイプの一端に対向して設けた突出台によって包装袋を支持する一方で、包装袋の周縁に当接する変位台を突出台の周囲に設けているので、移動手段が椀状型を包装袋に押し当てる方向へ変位させると、先ず、包装袋の出隅部が椀状型の周縁部と変位台との間に挟まれる。更に、移動手段が椀状型を同方向へ移動させると、変位台は出隅部を介して椀状型に押さえ付けられることになり、変位台全体が包装袋の他面側へ変位する。
【0087】
この過程で、突出台が相対的に変位台よりバキュームホルダに接近する方向へ突き出し、包装袋の他面の中央部を相対的に突き出すことにより、包装袋の全体を他面側へ向けて湾曲させる。これにより、包装袋の素材が例えば弾性が強く、出隅部及びその近傍を他面側へ曲げるだけでは元の形状に復帰しようとする傾向が強い場合でも、包装袋をその出隅部を他面側に向けた状態でカップに投入できる。
【0088】
このような包装袋は、自重によって出隅部が元の形状に復帰するのを阻止できる。従って、包装袋は、出隅部が他面側へ曲げられた儘の状態でカップに収納されるので、上記同様に従来の問題を確実に予防できる。
【0089】
更に連動手段を追加し、移動手段が椀状型を包装袋に押し付ける動作に従動して変位台が椀状型の動作方向と同じ方向へ変位するように構成すれば、移動手段による椀状型の動作に伴って、上記同様に、包装袋の出隅部は椀状型の周縁部と変位台との間に挟まれることになるが、椀状型と共に変位台も同方向へ変位するので、出隅部が椀状型の周縁部と変位台との間で圧迫されることがない。これにより、包装袋が極めて薄い素材から成る場合でも、この出隅部にピンホール等ができる危険を回避できる。
【0090】
或いは、本発明に係る袋詰め品のカップ投入装置において、複数の挟持爪を真空引きパイプの一端を挟む方向に閉じることにより、真空引きパイプに保持された包装袋の周縁を複数の挟持爪の間に挟むように、フォーミング装置を構成すれば、以下の効果を得られる。
【0091】
即ち、複数の挟持爪が包装袋の出隅部を他面側へ曲げる反力は、その大部分の分力が包装袋をその中央部へ向けて押圧する力である。また、対を成した挟持爪同士が包装袋を上記のように押圧する力は互いに打消し合うので、複数の挟持爪が包装袋の出隅部を他面側へ曲げる反力、つまり包装袋をバキュームホルダから引き離そうとする力を、最小限に抑えられる。従って、包装袋が挟持爪に押されてバキュームホルダから不意に脱落するといった事態にはならない。
【0092】
しかも、連動手段を備えることで、開閉手段が複数の挟持爪を真空引きパイプの一端を挟む方向に閉じさせる動作に同期させて、変位台を真空引きパイプの一端から離反する方向へ変位させられる。このため、上記のように、突出台が包装袋の他面の中央部を相対的に突き出すことにより包装袋の全体を湾曲させる過程で、出隅部を椀状型の周縁部と変位台との間に強く挟んだり、これらの間で圧迫することがない。従って、包装袋に無理な力が加わるのを防止して、包装袋を保護できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置のAステップの動作状態を示す側面図及びその要部の斜視図。
【図2】本発明の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置のBステップの動作状態を示す側面図。
【図3】本発明の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置のCステップ初めの動作状態を示す側面図。
【図4】本発明の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置のCステップの動作状態を示す側面図及びその要部の断面図。
【図5】本発明の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置のDステップの動作状態を示す側面図。
【図6】本発明の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置のE,Fステップの動作状態を示す側面図。
【図7】本発明の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置のGステップの動作状態を示す側面図。
【図8】本発明の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置の要部の種々の変形例を示す斜視図。
【図9】本発明の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置に案内シュートを適用した場合のEステップの動作状態を示す側面図。
【図10】本発明の他の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置のBステップの動作状態を示す側面図。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置のCステップの動作状態を示す側面図。
【図12】本発明の更なる他の実施の形態に係る袋詰め品のカップ投入装置の要部の斜視図。
【符号の説明】
1,10:袋詰め品のカップ投入装置
2:被包装品
3:出隅部
4:包装袋
5:センタリング装置
6:バキュームホルダ
7,11:フォーミング装置
8:フォーミング補助台
13:挟持爪
60:真空引きパイプ
70:周縁部
71:椀状型
73:突出台
74:変位台
75:付勢手段
76:突当り片(連動手段)

Claims (7)

  1. 被包装品を内包し周縁に出隅部を有する包装袋を、その対角寸法より内径の小さいカップに投入する袋詰め品のカップ投入方法であって、
    前記包装袋を載置でき前記包装袋の中央部が前記出隅部を折り曲げ可能に突出した突出台上に支持され、前記包装袋の中央部を吸引保持し得るように前記突出台の中心に対して位置決めするステップと、
    前記包装袋の中央部の一面を負圧で吸引することにより、前記包装袋を保持するステップと、
    前記包装袋の前記対角寸法が前記カップの内径より小さくなるように、前記突出台で前記包装袋の中央部を支持した状態で、前記包装袋の出隅部を前記突出台に対向する位置から他面側へ押圧又は挟み込むことによって前記包装袋の出隅部を前記突出台の側面に向かって曲げるステップと、
    前記包装袋を前記カップの内側へ移送するステップと、
    前記負圧を解除することにより、前記包装袋を前記カップに投入するステップと、
    を含むことを特徴とする袋詰め品のカップ投入方法。
  2. 被包装品を内包し周縁に出隅部を有する包装袋の中央部を位置決めするセンタリング装置と、前記包装袋の中央部の一面を負圧で吸引することにより前記包装袋を保持するバキュームホルダと、前記バキュームホルダに取り付けられ前記包装袋の出隅部を他面側へ曲げるフォーミング装置と、前記バキュームホルダを昇降及び水平移動させる移送手段とを備える袋詰め品のカップ投入装置であって、
    前記バキュームホルダが、前記包装袋の一面側に配置され一端が開放した真空引きパイプと、該真空引きパイプの内部に負圧を発生する真空発生手段とを備え、前記真空引きパイプの一端を前記包装袋の中央部の一面に密接し、前記真空引きパイプの内部の負圧で前記包装袋を吸引することにより前記包装袋を保持し、
    前記センタリング装置が、前記真空引きパイプの一端に対向する位置に、前記包装袋の中央部を他面側から支持し前記出隅部を折り曲げ可能に突出した突出台と、前記突出台に支持された前記包装袋の周縁を挟み込んで前記包装袋の中央部を吸引保持し得るように前記突出台の中心に対して位置決めする機構とを備え、前記フォーミング装置によって前記出隅部を他面側へ曲げられる前記包装袋を、前記突出台によって前記包装袋の中央部を出隅部に対して突出した状態で保持することにより前記包装袋の出隅部を前記突出台の側面に向かって湾曲させることを特徴とする袋詰め品のカップ投入装置。
  3. 前記フォーミング装置が、前記真空引きパイプの外周に沿って配置され周縁部を前記真空引きパイプの一端側へ突出した椀状型と、該椀状型を前記包装袋の一面に接近又は離反する方向に相対移動させる移動手段とを備え、前記椀状型を前記包装袋の一面に接近させて、該椀状型の周縁部を、前記真空引きパイプに保持された前記包装袋の周縁に押し当てることにより、前記包装袋の周縁の出隅部を前記包装袋の他面側へ曲げる、請求項2に記載の袋詰め品のカップ投入装置。
  4. 前記フォーミング装置が、前記真空引きパイプの一端付近の相対向する位置にピン接合して対を成す複数の挟持爪と、該複数の挟持爪を前記真空引きパイプの一端を挟む方向に開閉させる開閉手段とを備え、前記複数の挟持爪を前記真空引きパイプの一端を挟む方向に閉じて、前記真空引きパイプに保持された前記包装袋の周縁を、前記複数の挟持爪の間に挟むことにより、前記包装袋の周縁の出隅部を前記包装袋の他面側へ曲げる、請求項2に記載の袋詰め品のカップ投入装置。
  5. 前記センタリング装置が、前記突出台の周囲に、前記包装袋の他面の周縁に当接する変位台を設け、前記変位台が前記突出台に対して相対的に前記真空引きパイプの一端に接近又は離反する方向に変位可能である、請求項3に記載の袋詰め品のカップ投入装置。
  6. 前記移動手段が前記椀状型を前記包装袋の周縁に押し当てる動作に同期させて、前記変位台を、前記真空引きパイプの一端から離反させる方向へ移動させる連動手段を備える請求項5に記載の袋詰め品のカップ投入装置。
  7. 前記センタリング装置が、前記突出台の周囲に、前記包装袋の他面の周縁に当接する変位台を設け、前記開閉手段が前記複数の挟持爪を前記真空引きパイプの一端を挟む方向に閉じさせる動作に同期させて、前記変位台が、前記突出台に対して相対的に前記真空引きパイプの一端から離反する方向へ移動させる、請求項4に記載の袋詰め品のカップ投入装置。
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