JP4131078B2 - ロボットコントローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のプログラムに基づいて、複数のタスクを優先順位に従って実行するマルチタスク機能を備えたロボットコントローラに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
近年、部品等の組立や加工を行なうロボットシステムにおいては、マルチタスク機能を備えたロボットコントローラが用いられてきている。このロボットコントローラは、複数のプログラムに基づいて、複数のタスクを優先順位に従って実行することにより、ロボット本体の各軸や、視覚装置やティーチングペンダント等の周辺機器を制御するようになっている。このマルチタスク機能により、各プログラムが機能別に単純化され、プログラミング作業を極めて容易に行なうことができる。
【0003】
ところで、従来のロボットシステムにあっては、作業実行時に停電等が発生して電源が遮断されたときに、ロボットコントローラにおいて、全タスク(プログラム)の停止処理が行なわれてプログラムが初期化され、ロボット本体の停止処理が行なわれる。そして、電源が回復した後、ロボットシステムを再起動させるにあたっては、オペレータが、加工中のワーク等を取外すと共に、逐次的な逆動作により工程を戻してロボット本体を初期状態(原点位置)に戻す復帰作業を行なった上で、再起動操作を行なう必要があった。
【0004】
しかしながら、上記従来のロボットコントローラにおいては、マルチタスク機能により複数のプログラム(タスク)を並行して実行させているため、再起動時に、競合するタスクの起動順序の調整ができず、電源遮断時のタスク状態を引継いでシステムを再開させることができない事情があった。そのため、ロボットシステムを再起動させるまでにオペレータによる復帰作業などを必要とし、時間がかかる欠点があった。また、電源遮断時に加工途中であったワークを無駄にしてしまう不具合もあった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、マルチタスク機能を備えるものにあって、システムの動作時に電源遮断があった場合でも、電源の回復時に容易に停止時のタスク状態を引継いで再開させることができ、ひいてはオペレータによる面倒な復帰作業を不要とすると共に、無駄時間やワークの無駄をなくすことができるロボットコントローラを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のロボットコントローラは、マルチタスク機能を備えるものにあって、停電等による電源遮断時に、バックアップ手段により、その時点におけるタスク情報、ステータス情報、サーボ情報等の復電用のデータを記憶させ、電源回復時に、復元手段により、バックアップ手段により記憶されたバックアップデータに基づいて電源遮断時のタスク状態を復元させると共に、電源回復後の再起動時に、全てのプログラムが起動される間は、ダミータスク実行手段により、待ち状態を発生するダミータスクを優先順位を最も高くして実行させるようにしたものである(請求項1の発明)。
【0007】
これによれば、停電等による電源遮断が発生した後、電源回復時には、復元手段により、電源遮断時のタスク状態が復元されるようになる。ここで、その状態から単純に再起動をかけた場合には、競合するタスクの起動順序の調整ができなくなり、電源遮断時のタスク状態がうまく引継がれない虞がある。ところが、再起動時に、ダミータスク実行手段により、ダミータスクが実行されることにより、その間に全てのプログラムを起動させ、優先順位に応じたタスクスケジュールを完了させることができるので、ダミータスクの終了後に、電源遮断時のタスク状態を引継いでシステムを再開させることができる。
【0008】
また、電源遮断時のタスク状態を復元するにあたり、タスク生成時のシステムリソースの決定(メモリアロケート)がOS管理により行なわれる場合、主記憶装置のメモリ空間(各プログラムやデータのアドレス)が電源遮断前の状態と合致しなくなる虞があるが、バックアップデータに基づいて、主記憶装置のメモリ空間に対するタスク情報の合せ込みを行なうことにより(請求項2の発明)、プログラムカウンタやスタック内容を新たなメモリ空間用に展開することができ、混乱なくタスク状態を復元させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を組立作業を行うロボットシステムに適用した一実施例について、図面を参照しながら説明する。まず、図1は、ロボットシステム1の全体構成を概略的に示しており、ここで、作業テーブル2上には組付治具3が載置され、その作業テーブル2の奥側にロボット本体4が設置されている。この場合、ロボット本体4は、水平多関節型ロボットから構成され、その先端に、第1及び第2のワーク5及び6を把持(チャック)するためのハンド7が設けられている。
【0010】
前記作業テーブル2の右側には、コンベア装置8が2列に設けられており、夫々大形の第1のワーク5と、小形の第2のワーク6とを、その左端部の取出位置に搬送するようになっている。図示はしないが、このコンベア装置8の取出位置部分には、該取出位置にワーク5,6が供給されていることを検出するためのセンサが夫々設けられている。一方、作業テーブル2の左側には、組立てられた製品が収容されるパレット9が設けられている。また、前記作業テーブル2部分には、組み付け状態の検査を行うためのカメラなどの視覚装置10が設けられている。
【0011】
そして、本実施例に係るロボットコントローラ11は、前記ロボット本体4の各軸のモータ12(図2参照)及びハンド7を制御すると共に、シーケンサ13を介して前記コンベア装置8を制御するようになっている。このとき、前記シーケンサ13には、起動スイッチ等を有する操作盤14が接続されている。また、前記ロボットコントローラ11には、前記センサからの信号が入力されると共に、前記視覚装置10からのデータが入力されるようになっている。さらに、図示はしないが、ロボットコントローラ11には、ロボット本体4の手動操作用のティーチングペンダントや、プログラム入力用のパソコン等も接続されるようになっている。
【0012】
図2は、ロボットコントローラ11のハードウエア的構成を模式的に示している。このロボットコントローラ11は、電源ボード15、この電源ボード15に接続されたマザーボード16、このマザーボード16に接続されたCPUカード(メインボード)17、このCPUカード17に接続され上記した周辺機器やセンサ等が接続されるI/Oカード18を備えると共に、前記ロボット本体4の各軸のモータ12等を制御するための、サーボカード19、サーボハーネスボード20、パワーボード21等を備えて構成されている。
【0013】
前記サーボカード19は、ロボット本体4の各軸制御用のCPU22や、外部とのデータの授受を行なうDP(デュアルポート)RAM23等を備え、前記CPUカード17から与えられた動作指令信号及び、各軸のモータ12に付設されたエンコーダ30からのフィードバック信号、電流フィードバック信号に基づいて、モータ制御信号をサーボハーネスボード20に出力するようになっている。サーボハーネスボード20は、PWM信号を生成してパワーボード21に出力し、該パワーボード21に各軸毎(例えば8軸分)に設けられたインバータ回路24が駆動されるようになっている。
【0014】
そして、前記CPUカード17は、カードPC25を備えると共に、外部とのデータの授受を行なうDPRAM26、後述するバックアップデータを記憶するためのSRAMからなるバックアップRAM27、前記パソコンから入力された後述するプログラム(ユーザプログラム)が記憶されるフラッシュROM28等を備えて構成されている。前記カードPC25は、CPUや主記憶装置としてのDRAM29(図8にイメージで示す)等を備えて構成されている。尚、本実施例では、OSとして、組込み型リアルタイムOS(VxWorks(登録商標))が採用されている。
【0015】
本実施例においては、ロボットコントローラ11は、予め入力(記憶)されたユーザプログラム及び、ティーチングされた部品取出位置や組付け位置等のデータに基づいて、ロボットシステム1に次のような作業を行わせるようになっている。
【0016】
すなわち、ロボット本体4により、コンベア装置8の取出位置に供給された第1のワーク5を取出して組付治具3上にセットし、次いで、コンベア装置8の取出位置に供給された第2のワーク6を、組付治具3上の第1のワーク5上に組付ける作業を2回繰返す。次に、視覚装置8により、組付け状態を検査(チェック)し、OKの場合には、組付けた製品をロボット本体4によりパレット9に投入する。検査結果がNGの場合には、その製品をロボット本体4により不良品位置へ搬出する。そして、次のワーク5,6が取出位置に存在するかをセンサによりチェックし、10秒間検出できないときには、アラームを出力してオペレータに報知する。
【0017】
このとき、ロボットコントローラ11は、上記のような作業を、マルチタスク機能により実現するようになっている。この場合、上記作業は、次の4つのプログラムから構成され、これらを優先順位の高い方から並べると、
PRO_MAIN :プログラム起動用メインプログラム
PRO_WORK :コンベア上ワーク監視プログラム
PRO_MOVE :ワーク組付けプログラム
PRO_CHECK :組付状態チェックプログラム
【0018】
また、プログラム(タスク)間のインターフェースをとるためのIOとして、
118:第1のワーク5取出位置に供給
119:第2のワーク6取出位置に供給
120:視覚チェック開始セマフォ
121:視覚チェック終了セマフォ
122:視覚チェックOK/NG判断フラグ
が用いられる。さらに、カウンタとして、
I0003:ワーク監視用秒数カウンタ
が用いられる。
【0019】
図3は、プログラムの記述例の概略(各プログラムの詳しい中身の記述は省略)を示している。「PROGRAM PRO_MAIN」でプログラム起動用のメインプログラムが動作されると、まず、「CALL INITIAL」で各IO,カウンタが初期化され、次いで「RUN PRO_MOVE」でワーク組付けプログラムが起動され、「RUN PRO_CHECK」で組付状態チェックプログラムが起動され、「RUN PRO_WORK」でコンベア上ワーク監視プログラムが起動される。最後に「END」が記述される。
【0020】
このとき、図4、図5、図6に示したフローチャートは、それぞれ、「PRO_MOVE」、「PRO_CHECK」、「PRO_WORK」のプログラムによる処理手順を示している。また、図7には、これらプログラムによる、優先順位に従って実行されるマルチタスクの処理の流れを示している。尚、図7中の丸数字は、図4ないし図6のフローチャートの各ステップの左側に付した丸数字と対応している。
【0021】
即ち、図4のワーク組付けプログラムにおいては、まず、ステップS1にてアーム使用権取得、速度設定等の初期化処理が行なわれる。そして、ステップS2にて、IO[118]がオンするつまり第1のワーク5が取出位置に来るのを待ち、取出位置に来たら、ステップS3にてその第1のワーク5を取出して組付治具3上にセットする。次いで、ステップS4にて、IO[119]がオンするつまり第2のワーク6が取出位置に来るのを待ち、取出位置に来たら、ステップS5にてその第2のワーク6を取出して組付治具3上の第1のワーク5に組付ける。このステップS4,S5は2回繰返される。
【0022】
そして、ステップS6にて、IO[120]をセット(オン)させて製品のチェック開始を指示し、IO[121]がオンするつまり検査が終了するのを待つ。検査が終了すると、IO[121]をリセット(オフ)させる。次のステップS7では、IO[122]にて検査結果を判定し、OKであった場合には、その製品をパレット9の所定位置に移動させ、NGであった場合には、その製品を、不良品位置へ移動させる。
【0023】
図5の組付状態チェックプログラムにおいては、まず、ステップS11にて、IO[120]がセットされるつまり製品のチェック開始の指示を待ち、指示があったときには、次回のためにIO[120]をリセットさせる。そして、ステップS12にて、視覚装置10による組付状態の検査を実行し、ステップS13にて、その結果をIO[122]にセットする。ステップS14にて、IO[121]をオンさせて検査終了を知らせる。
【0024】
図6のコンベア上ワーク監視プログラムにおいては、まず、ステップS21にて、1秒間(1000ms)待つことが行なわれ、1秒経過後に、ステップS22にて、センサの検出に基づき第1及び第2のワーク5及び6が共に取出位置に来ていないかどうかが判断される。このとき、センサの検出に基づいて、IO [118]及びIO[119]がオン,オフされる。そして、第1及び第2のワーク5及び6が共に取出位置にない場合には(ステップS22にてYes)、ステップS23にてカウンタI0003が1だけインクリメントされる。ワーク5,6が存在する場合(ステップS22にてNo)には、ステップS24にて、カウンタI0003がクリアされる。さらに、ステップS25では、カウンタI0003のカウント値により、10秒が経過したかどうかが判断され、10秒間ワーク5,6を検出できないときには(Yes)、ステップS26にてアラームが出力される。
【0025】
上記のようなプログラムにより、図7に示すようなマルチタスクの処理が行なわれる。このとき、詳しい説明は省略するが、プログラム起動用メインプログラムが実行されると、優先順位に従って各プログラムが実行され、例えば優先順位1番のコンベア上ワーク監視プログラムにおける1秒待ち(ステップS21)の間に、優先順位2番のワーク組付けプログラムに移り、このワーク組付けプログラムに待ち時間が発生する(ステップS2)と、優先順位3番の組付状態チェックプログラムの実行に移り、それらワーク組付けプログラムあるいは組付状態チェックプログラムの実行中に、コンベア上ワーク監視プログラムの処理が発生すると、それら優先順位の低いプログラムが中断されて優先順位のより高いプログラムの実行に移行するといった処理の流れとなる。
【0026】
このようなマルチタスク機能により、各プログラムが機能別に単純化されるので、オペレータによるプログラミング作業を極めて容易に行なうことができるのである。尚、図7には、ロボットシステム1の動作中にあるタイミングで停電等による電源遮断がなされたときの様子も示されており、ここでは、図4〜図6に☆で示した処理の実行中に電源遮断されたものとしている。また、後述するように、電源回復後の再起動時に、待ち時間を発生する(外部に対しては何もしない)ダミータスクが最も高い優先順位にて実行されるようになっている。
【0027】
さて、本実施例においては、後の作用説明(フローチャート説明)にて詳述するように、前記CPUカード17(カードPC25)は、そのソフトウエア的構成により、バックアップ手段、復元手段、ダミータスク実行手段として機能するようになっている。
【0028】
即ち、CPUカード17は、システムの動作時に停電等による電源遮断が発生すると、その時点におけるタスク情報、ステータス情報、サーボ情報等の復電用のバックアップデータをバックアップRAM27に記憶するようになっている。そして、電源回復時に、バックアップRAM27に記憶されたバックアップデータに基づいて電源遮断時のタスク状態を復元し、再起動時に、全てのプログラムが起動される間は、ダミータスクを優先順位を最も高くして実行するようになっている。
【0029】
また、特に本実施例では、上記電源遮断時のタスク状態を復元するにあたり、OSによるシステムリソースの決定(メモリアロケート)後、バックアップデータに基づいて、DRAM29のメモリ空間に対するタスク情報の合せ込みを行なうようになっている。尚、このとき、図8(a)は、前記カードPC25内のDRAM29のメモリ空間の構成をイメージとして示しており、DRAM29内には、各プログラム(PRO1,PRO2,PRO3)が展開されていると共に、各プログラム用のデータ(スタック,ブレークポインタ等)が記憶され、また、各プログラムに対応してPC(プログラムカウンタ)が設けられる。
【0030】
次に、上記構成の作用について、図9ないし図15も参照して述べる。上述のように、ロボットコントローラ11は、図7に示すような流れにより各プログラム(タスク)を実行し、ロボットシステム1による作業が行なわれるのであるが、今、そのマルチタスク実行の途中(ロボット本体4の作業の途中)で、例えば図7に示すタイミングで(図4〜図6のフローチャートに星印を付した処理中)、停電等による電源遮断が発生したとする。図9ないし図15のフローチャートは、電源遮断時から電源回復後の再起動時までにロボットコントローラ11のCPUカード17が実行する処理の手順の概略(要点)を示している。
【0031】
まず、図9は、電源遮断を検出した際の全体の処理手順の概要を示しており、電源遮断が検出されると、ステップS31にて、OS管理により、プログラム情報(どういったプログラムが実行されているか等)がセーブされる。次のステップS32では、「電源断エラー」処理、リクエストが実行される。この処理は、別タスクにて、実行されていた全てのタスクを停止させる内部処理が行なわれると共に、ロボット本体4及び周辺機器の停止処理が行なわれる。そして、全てのタスクの停止処理が行なわれると(ステップS33にてYes)、ステップS34にて、復電源用のデータのバックアップ(バックアップRAM27への記憶)が行なわれる。
【0032】
図10は、復電源用のデータのバックアップ(図9のステップS34)の処理の詳しい手順を示している。即ち、まずステップS41では、パラメータや実行プログラム数等の条件のチェックにより、復電が可か不可かがチェックされる。図示していないが、復電不可の場合には、そのまま処理を終了する。復電可の場合には、次のステップS42にて、タスク情報がバックアップされる。このタスク情報は、タスク内容、タスク管理テーブル、ブレークポイント、スタック内容、実行中の行等の、復元に必要なプログラムとしての情報である。
【0033】
次のステップS43では、ロボット本体4や周辺機器を含めたIO状態(動作状態)を示すスタック情報がバックアップされる。ステップS44では、特殊命令への対応が行なわれる。ここでは、例えば通信途中等の復電不可となる特殊命令が実行中であるかどうかのチェックが行なわれ、図示はしないが、復電不可となる特殊命令の実行中であれば、復電不可として処理を終了する。ステップS45では、ロボット本体4の各軸の速度、加速度、動作種類、現在位置、目標位置等の、軸動作の継続に必要なサーボ情報がバックアップされる。最後に、ステップS46にて、復電可(バックアップ完了)を示すフラグがセットされ、処理を終了する。これにて、図8(b)に示すように、バックアップRAM27に復電用のデータ(バックアップデータ)が記憶されるのである。
【0034】
さて、上記した電源遮断が回復すると、図11及び図12に示すようなタスク状態の復元の処理が実行される。即ち、図11は、電源回復時における全体の処理手順の概要を示しており、電源が回復されると、ステップS51にて、パラメータやデータセーブ済み等の復電可かどうかのチェックが行なわれる。復電可である場合には、ステップS52にて、タスク状態(プログラム状態)の復元の処理が実行される。
【0035】
図12は、図11のステップS52のタスク状態の復元の処理の詳しい手順を示している。まず、ステップS61にて、バックアップデータの読込みが行なわれ、次のステップS62にて、復元させるタスクの初期化の処理が行なわれる。このタスクの初期化処理では、上記電源遮断時に起動していたタスク(プログラム)を一旦生成(ロード)し、OSによりシステムリソース(メモリ空間への展開、配置等)を決定することが行なわれる。
【0036】
しかして、このようにタスク生成時のシステムリソースの決定(メモリアロケート)がOS管理により行なわれる場合、図8(c)に示すように、DRAM29(主記憶装置)のメモリ空間(各プログラムやデータのアドレス)が電源遮断前の状態と合致しなくなる虞がある。そこで、次のステップS63では、バックアップデータに基づいて、DRAM29のメモリ空間に対するタスク情報の合せ込みが行なわれる。このタスク情報の合せ込みは、図8にそのイメージを示すように、PC、スタック内容、スタックポインタ、タスク優先順位等のタスク状態の復元に必要な情報を、新たなメモリ空間のアドレスに変更する等により行なわれ、これにて、PCやスタックを新たなメモリ空間用に調整することができ、混乱なくタスク状態を復元させることができるようになるのである。
【0037】
次いで、ステップS64では、ロボット本体4や周辺機器の動作に必要なサーボ情報の復元が行なわれる。ステップS65では、実行中の行番号等の、ペンダントの表示等に関連する必要な表示用データの復元が行なわれる。ステップS66では、ロボット本体4や周辺機器を含めたIO状態(動作状態)を示すスタック情報が復元される。以上の処理により、電源遮断時に起動していたタスク(プログラムの実態)が復元され、起動待ち状態となるのである。
【0038】
そして、この状態から、オペレータにより再起動の指示(例えば操作盤14のスイッチ操作)がなされると、図13〜図15に示す起動処理が実行される。図13に示すように、起動処理においては、まずステップS71にて各種のチェック(停止キーが入っていない等)が行なわれる。NG時には、そのまま終了する。次に、ステップS72にて、復電用のタスクの生成の処理が行なわれる。
【0039】
図14は、上記図13におけるステップS72の復電用タスクの生成の処理 (復元したタスクの起動)の詳細を示しており、まずステップS81では、ダミータスクの生成,起動が行なわれる。このダミータスクは、復元した他のタスク(プログラム)よりも高い優先順位を有し、待ち時間を生成する(何もしない)タスクである。そして、このダミータスクの起動の後、ステップS82にて、復元した他の複数のタスク(プログラム)の起動が順次行なわれる。この場合、タスクの起動順序を考慮する必要はなく、この起動の処理においては、OSによってタスクスケジュールされるのみであって、プログラムは未だ走らない。
【0040】
そして、復元した他の複数のタスクの起動が完了すると、ステップS83にてダミータスクが削除される。従って、前記ダミータスクの実行による処理は、図15に示す通りとなり、他の全てのタスクが起動されるまで、何もせずにループし続けるようになり(ステップS91)、他の全てのタスクが起動が完了すると、復電用タスクによって削除されるようになる。
【0041】
これにて、図7にも示すように、電源回復後の再起動時には、まず、優先順位が最も高いダミータスクが実行され、そのダミータスクの終了後、スケジュールされた各タスク(プログラム)が、優先順位に従って実行されるようになり、電源遮断時のタスク状態がそのまま引継がれた状態で制御が再開され、ロボットシステム1の中断時からの作業(図7の例では第2のワーク6の組付け)が継続して実行されるようになるのである。
【0042】
このように本実施例のロボットコントローラ11によれば、マルチタスク機能を備えるものにあって、システムの動作時に電源遮断があった場合でも、従来のような、プログラムが初期化され、ロボット本体を初期状態に戻した上で、再起動操作を行なう必要があったものと異なり、電源の回復時に容易に停止時のタスク状態を引継いで再開させることができるようになった。この結果、オペレータによる面倒な復帰作業を不要とすると共に、無駄時間やワーク5,6の無駄をなくすことができるという優れた効果を得ることができるものである。
【0043】
尚、上記実施例では、ロボットシステムの一例として、ワーク5,6の組付け作業を行なうものに本発明を適用した場合を述べたが、本発明は、ロボット本体の構成や作業内容も含めて様々なロボットシステムを制御するロボットコントローラに適用することが可能である。この場合、各タスク(プログラム)についても種々変更されることは勿論である。また、ロボットコントローラのハードウエア構成や、OSの種類などについても種々の変形が可能であるなど、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で、適宜変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、ロボットシステムの外観構成を概略的に示す斜視図
【図2】ロボットコントローラのハードウエア構成を概略的に示すブロック図
【図3】プログラムの記述例の概略を示す図
【図4】ワーク組付けプログラムによる処理手順を示すフローチャート
【図5】組付状態チェックプログラムによる処理手順を示すフローチャート
【図6】コンベア上ワーク監視プログラムによる処理手順を示すフローチャート
【図7】マルチタスクの処理の流れを示すタイムチャート
【図8】主記憶装置のメモリ空間に対するタスク情報の合せ込みのイメージを示す図
【図9】電源遮断時における処理手順を示すフローチャート
【図10】データバックアップの詳細な手順を示すフローチャート
【図11】電源回復時の処理手順を示すフローチャート
【図12】タスク状態復元の詳細な手順を示すフローチャート
【図13】起動処理の概略手順を示すフローチャート
【図14】復電用タスク生成の詳細な手順を示すフローチャート
【図15】ダミータスクの処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
図面中、1はロボットシステム、4はロボット本体、8はコンベア装置(周辺機器)、10は視覚装置(周辺機器)、11はロボットコントローラ、17はCPUカード、25はカードPC(復元手段,ダミータスク実行手段)、27はバックアップRAM(バックアップ手段)を示す。
Claims (2)
- ロボット本体及びその周辺機器を制御するものであって、複数のプログラムに基づいて、複数のタスクを予め与えられた優先順位に従って実行するマルチタスク機能を備えたロボットコントローラにおいて、
停電等による電源遮断時に、その時点におけるタスク情報、ステータス情報、サーボ情報等の復電用のデータを記憶するバックアップ手段と、
電源回復時に、前記バックアップ手段により記憶されたバックアップデータに基づいて電源遮断時のタスク状態を復元させる復元手段と、
電源回復後の再起動時に、全てのプログラムが起動される間は、待ち状態を発生するダミータスクを優先順位を最も高くして実行するダミータスク実行手段とを具備することを特徴とするロボットコントローラ。 - 前記復元手段は、OSによるシステムリソースの決定後、前記バックアップデータに基づいて、主記憶装置のメモリ空間に対するタスク情報の合せ込みを行なうことを特徴とする請求項1記載のロボットコントローラ。
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