JP4131047B2 - オリゴヌクレオチド及びこれをプライマーとして用いたサルモネラ属細菌の検出方法 - Google Patents

オリゴヌクレオチド及びこれをプライマーとして用いたサルモネラ属細菌の検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サルモネラ属細菌の検出方法に関する。さらに詳しくは、特定の塩基配列を有する合成オリゴヌクレオチドをプライマーとしてポリメラーゼ連鎖反応法(Polymerase Chain Reaction、以下PCR法と省略する)を行い、増幅されたプライマーの伸長物を検出することによりサルモネラ属細菌を検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サルモネラ属細菌は病原性の腸内細菌の一つであり、中でも、腸炎菌(Salmonella enteritidis)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)等の血清型のものは食中毒を引き起こす細菌として知られている。
【0003】
サルモネラ属細菌による汚染を確認するためには、検査材料が患者の吐瀉物、糞便、又は食品等の抜き取り材料ある場合、一般に、増菌培養、分離培養を経て各種確認試験が行なわれている。この方法でサルモネラ属細菌による汚染を確認するまでには通常4日が必要であり、次いで当該汚染が、サルモネラ属細菌のどの血清型によるものであるかを特定するには、さらに時間が必要となっている。また、分離培養や確認試験においては、培地の微妙な色調変化を調べる必要もある。このため、サルモネラ属細菌による汚染の確認試験の操作は、煩雑で熟練を要するものとなっている。
【0004】
これに対して、近年、より簡便で迅速なサルモネラ属細菌の検出方法として、オリゴヌクレオチドを用いたDNAプローブ法あるいはハイブリダイゼーション法が試みられている。しかしながら、これらの方法では充分な検出感度と再現性を得ることが困難である。
【0005】
また、FluitらはPCR法を使用し、そのプライマーとして、サルモネラ属細菌のoriC遺伝子をコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列と相補的となるように化学合成した2種のオリゴヌクレオチドを使用することにより、サルモネラ属細菌の特定領域のオリゴヌクレオチドを増幅し、これを検出することを試みている(Rapid Detection of Salmonellae in Poultry with the Magnetic Immuno-Polymerase Chain Reaction Assay., Appl. Env. Microb., 59, No.5, 1342(1993))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、Fluitらのサルモネラ属細菌の検出方法によると、雑菌としてシトロバクター(Citrobacter freundii)が存在する場合、サルモネラ属細菌の検出感度が落ちるという問題がある。なお、このシトロバクターは腸内細菌叢として存在し、サルモネラ症は引き起こさないが、サルモネラ属細菌に極めて類縁であり、サルモネラ属細菌との識別が困難な菌である。
【0007】
本発明は、このような従来技術の課題に対し、PCR法でサルモネラ属細菌を検出するための新規のプライマーを開発し、雑菌としてシトロバクターが存在してもサルモネラ属細菌を良好に検出できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、サルモネラ属細菌のoriC遺伝子をコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列と相補的となるように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、配列番号1又は2に示される塩基配列
(5´)TTGTGTATAAGTACC(3´) (配列番号1)
(5´)ATAAGTACCCGTTT(3´) (配列番号2)
を含むことを特徴とするオリゴヌクレオチドを提供し、特に、配列番号3、4又は5に示される塩基配列
(5´)TTGAGTTGTGTATAAGTACC(3´) (配列番号3)
(5´)TTGTGTATAAGTACCCGTTT(3´) (配列番号4)
(5´)ATAAGTACCCGTTTTGATCC(3´) (配列番号5)
を有するオリゴヌクレオチドを提供する。
【0009】
また、サルモネラ属細菌のoriC遺伝子をコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列と相補的となるように化学合成された2種のオリゴヌクレオチドからなるプライマーであって、その一方が上述のオリゴヌクレオチドからなることを特徴とするプライマーを提供する。
【0010】
さらに、そのようなプライマーを検体に加え、PCR法によりプライマーの伸長反応と標的とするヌクレオチド配列の増幅を行い、そのヌクレオチド配列の検出を行うことを特徴とするサルモネラ属細菌の検出方法を提供する。
【0011】
本発明のサルモネラ属細菌の検出方法では、PCR法におけるプライマーとして、サルモネラ属細菌のoriC遺伝子をコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列と相補的となるように化学合成された特定の塩基配列のオリゴヌクレオチドを使用する。
【0012】
このプライマーは、Fluitらがサルモネラ属細菌の検出のためにPCR法で使用するプライマーと、サルモネラ属細菌のoriC遺伝子をコードするヌクレオチド配列を標的とする点では共通であるが、その相補鎖側の配列が異なる。即ち、Fluitらのプライマーがシトロバクターの配列とほぼ一致する領域を有するのに対し、本発明のプライマーはシトロバクターの配列とは全く一致しないものとなっている。したがって、本発明のプライマーを使用すると、サルモネラ属細菌とシトロバクターとの共存下でサルモネラ属細菌が微量に存在する場合でも、サルモネラ属細菌を検出することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
本発明がサルモネラ属細菌の検出のために行うPCR法は、Saikiが開発したPolymerase Chain Reaction法(Science,230,1350(1985))に基づくものである。
【0015】
本発明では、PCR法によりサルモネラ属細菌を検出するに際して使用するプライマーとして、特定の塩基配列を有する本発明のオリゴヌクレオチド、即ち、サルモネラ属細菌のoriC遺伝子をコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列と相補的となるように化学合成されたオリゴヌクレオチドであって、配列番号1又は2に示される塩基配列
(5´)TTGTGTATAAGTACC(3´) (配列番号1)
(5´)ATAAGTACCCGTTT(3´) (配列番号2)
を含むオリゴヌクレオチドを使用する。
【0016】
これら配列番号1又は2又で示されるオリゴヌクレオチドの配列は、サルモネラ属細菌のoriC遺伝子の塩基配列とシトロバクターのoriC遺伝子の塩基配列とを詳細に解析した結果、シトロバクターのoriC遺伝子の塩基配列と完全に識別される領域を見出すことにより決定されたものである。これら配列番号1又は2に示される配列は、サルモネラ属細菌を検出するための公知のPCR法(Fluitら、Appl. Env. Microb., 59, No.5, 1342(1993))で使用される、oriC遺伝子を標的とした1組のプライマー(正規鎖側プライマー及び相補鎖側プライマー)のうち、相補鎖側プライマーの配列が、シトロバクターのoriC遺伝子の塩基配列とほぼ一致する領域を有しているのと明確に区別される。したがって、これらの配列を有するオリゴヌクレオチドをPCR法のプライマーとして使用することにより、シトロバクターの共存下でも、シトロバクターの非共存下と同様にサルモネラ属細菌を検出することが可能となる。特に、腸炎菌(Salmonella enteritidis)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)等の血清型の菌を高感度で検出することが可能となる。
【0017】
本発明のオリゴヌクレオチドとしては、配列番号1又は2で示される塩基配列を含む限り、その5´末端側又は3´末端側が延長されていてもよく、連鎖する塩基数が14〜40のものが好ましい。例えば、好ましいオリゴヌクレオチドとして、配列番号3、4又は5に示される塩基配列
(5´)TTGAGTTGTGTATAAGTACC(3´) (配列番号3)
(5´)TTGTGTATAAGTACCCGTTT(3´) (配列番号4)
(5´)ATAAGTACCCGTTTTGATCC(3´) (配列番号5)
を有するオリゴヌクレオチドをあげることができる。
【0018】
これに対し、連鎖する塩基数が少なすぎるとサルモネラ属細菌のoriC遺伝子以外の遺伝子と反応し、サルモネラ属細菌の検出の選択性が低下するので好ましくない。また、連鎖する塩基数が多すぎるとサルモネラ属細菌のoriC遺伝子との結合が不安定となりやすいので好ましくない。
【0019】
本発明のオリゴヌクレオチドとしては、配列番号1又は2で示される塩基配列を含む限り、オリゴヌクレオチドを構成するデオキシリボースや塩基について、その一部に他の分子が付加したり、その一部が他の分子で置換されるなどにより修飾されているものも含まれる。例えば、本発明のオリゴヌクレオチドには、サルモネラ属細菌のoriC遺伝子をコードするオリゴヌクレオチドをPCR法で増幅した後、そのオリゴヌクレオチドの検出を簡略化するため、プライマーとするオリゴヌクレオチドの3´末端を蛍光色素であるフルオレセインイソチオシアネート(FITC)で標識したものが含まれる。この他、3´末端にビオチンを結合し、アビジンと共有結合させたペルオキシダーゼを結合させ得るものや、デオキシリボース骨格間を結合しているリン酸の中の酸素をイオウ原子に置き換えることによりアンチセンス化したもの等が含まれる。
【0020】
本発明のオリゴヌクレオチドを、PCR法でサルモネラ属細菌を検出する場合の1組のプライマーの一方として使用する場合に、これと組み合わせて使用するもう一方のプライマーとしては、正規鎖側プライマーとして公知のものを使用することができる。例えば、FluitらがPCR法でサルモネラ属細菌を検出する場合に使用した、配列番号6
(5´)TTATTAGGATCGCGCCAGGC(3´) (配列番号6)
で示されるオリゴヌクレオチドからなる正規鎖側プライマー(Appl. Env. Microb., 59, No.5, 1342(1993))等を使用することができる。
【0021】
これら正規鎖側と相補鎖側の1組のプライマーを使用し、サルモネラ属細菌に特異的なオリゴヌクレオチドを増幅するPCR法自体は公知の方法に従うことができる。即ち、まず、検体を熱処理することにより検体中の二本鎖DNAを一本鎖に分離し、これに1組のプライマーを作用させて、相補的な検体のオリゴヌクレオチド配列と特異的にハイブリダイズさせ、次に、DNAポリメラーゼと4種のデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)との存在下でプライマーの下流の領域を選択的に合成する。そしてこの操作を20〜40サイクル程度繰り返すことにより、検体中の特異的なオリゴヌクレオチドをプライマーの伸長物として増幅することができる。また、この増幅は、電気泳動、クロマトグラフィー等により確認することができ、これにより検体中のサルモネラ属細菌を容易にかつ確実に検出することが可能となる。
【0022】
なお、このPCR法を適用する検体としては、患者の吐瀉物、糞便、又は食品等の抜き取り材料等をあげることができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0024】
実施例1
(1)検体の調製
サルモネラ属細菌及びシトロバクターとして、表1中の縦の見出し欄に示したものを用い、それぞれ増菌用の平板培地に接種し、35℃で一晩培養した。菌体を掻き取り、0.85%食塩水に懸濁し、沸騰水中で10分間加熱することによりDNAを抽出し、遠心分離した上澄液を検体とした。なお、この懸濁液中の菌濃度は107CFU/ml程度であった。
【0025】
(2)プライマーの合成
サルモネラ属細菌のoriC遺伝子をコードするヌクレオチド配列を標的とする、相補鎖側プライマーとして、配列番号3、4又は5の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをトリエステル法により合成した。また、正規鎖側プライマーとして、配列番号6の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをトリエステル法により合成した。
【0026】
(3)反応液の調製とPCR反応
検体液5μlに10倍に濃縮されている反応用バッファー5μl(宝酒造株式会社製、TaKaRa Taqに付属のBuffer)、4種類のデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)混合液(宝酒造株式会社製、TaKaRa Taqに付属のdNTP混合液)4μl、表1に示すように、正規鎖側プライマーとして配列番号6の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(Appl. Env. Microb., 59, No.5, 1342(1993)のプライマー1)20pmol、相補鎖側プライマーとして、配列番号3、4又は5の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド20pmol、DNAポリメラーゼ(宝酒造株式会社製、TaKaRa Taq)0.25μlを加え、水で50μlとした。
【0027】
熱変成(94℃、1分)、アニーリング(50℃、1分)、重合反応(72℃、1分)からなる過程を1サイクルとし、これを30サイクル繰り返し反応させた。
【0028】
反応液中にヌクレオチド配列が増幅されたか否かを見るために、アガロースゲル電気泳動及び臭化エチジウムによる染色を行った。即ち、電気泳動は3%のアガロースゲルを使用し、TBEバッファー中、100ボルトで30分行った。次いでゲルを取り出し、0.5μg/mlの臭化エチジウム水溶液中に30分浸漬して染色後、トランスイルミネーターで発色させ、ポラロイドカメラで撮影した。この場合、電気泳動時に塩基対数が既知のDNA断片を一緒に流すことにより、相対比較によって、検出されたヌクレオチド配列断片の長さを算出した。
【0029】
結果を表1に示す。表1中の+は、プライマーの組合せが、配列番号6のオリゴヌクレオチドと配列番号3のオリゴヌクレオチドの場合140塩基対、配列番号6のオリゴヌクレオチドと配列番号4のオリゴヌクレオチドの場合135塩基対、配列番号6のオリゴヌクレオチドと配列番号5のオリゴヌクレオチドの場合129塩基対に相当する大きさの増幅物が観察されたことを示している。
【0030】
【表1】
Figure 0004131047
【0031】
表1の結果から、各プライマーの組合せとも、サルモネラ属細菌を正しく検出できることがわかる。
【0032】
実施例2
実施例1の各プライマーの組合せで行ったPCR反応によるサルモネラ属細菌の検出結果が、サルモネラ属細菌に対し選択的であることを確認するため、臨床検査、食品衛生検査等において高頻度で現れる腸内細菌科のサルモネラ属以外の属の菌を表2に示すように選び、実施例1と同様にして各プライマーの組合せごとに特定の長さの塩基対が増幅された否かを調べた。
【0033】
結果を表2に示す。表2中の−は、プライマーの組合せが、配列番号6のオリゴヌクレオチドと配列番号3のオリゴヌクレオチドの場合140塩基対、配列番号6のオリゴヌクレオチドと配列番号4のオリゴヌクレオチドの場合135塩基対、配列番号6のオリゴヌクレオチドと配列番号5のオリゴヌクレオチドの場合129塩基対に相当する大きさの増幅物が観察されなかったことを示している。
【0034】
【表2】
Figure 0004131047
【0035】
表2の結果から、各プライマーの組合せとも、サルモネラ属以外の細菌は検出できないことがわかる。
【0036】
実施例3
検体中のサルモネラ属細菌の検出限界を調べるために、Salmonella Enteritidis 食品由来株を実施例1と同様に培養し、菌の懸濁液とした。これの10倍希釈系列を調製し、これを沸騰水中で10分間加熱することによりDNAを抽出し、遠心分離し、その上澄液を検体とした。なお、加熱直前に希釈液の一部を取って菌数測定し、それぞれの菌濃度を算出した。これらの菌濃度を表3に示す。
【0037】
検体液5μlに、10倍に濃縮されている反応用バッファー5μl(宝酒造株式会社製、TaKaRa Taqに付属のBuffer)、4種類のデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)混合液(宝酒造株式会社製、TaKaRaTaqに付属のdNTP混合液)4μl、表3に示すように、正規鎖側プライマーとして配列番号6の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド(Appl. Env. Microb., 59, No.5, 1342(1993)のプライマー1)20pmol、相補鎖側プライマーとして、配列番号3、4又は5の塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、あるいは相補鎖側プライマーの比較例として、FluitらがPCR法でサルモネラ属細菌を検出する場合にプライマー2として使用した、配列番号7
(5´)AAAGAATAACCGTTGTTCAC(3´) (配列番号7)
で示されるオリゴヌクレオチド(Appl. Env. Microb., 59, No.5, 1342(1993))、20pmol、DNAポリメラーゼ(宝酒造株式会社製、TaKaRa Taq)0.25μlを加え、水で50μlとした。
【0038】
菌濃度ごとに、かつ各プライマーの組合せごとに、実施例1と同様にして特定の長さの塩基対が増幅された否かを調べた。
【0039】
結果を表3に示す。表3中の+、−は、前述の表1、表2と同様に、配列番号6のオリゴヌクレオチドと配列番号3のオリゴヌクレオチドの場合140塩基対、配列番号6のオリゴヌクレオチドと配列番号4のオリゴヌクレオチドの場合135塩基対、配列番号6のオリゴヌクレオチドと配列番号5のオリゴヌクレオチドの場合129塩基対に相当する大きさの増幅物の観察の有無を示している。
【0040】
【表3】
Figure 0004131047
【0041】
表3の結果から、検体中にシトロバクターが存在しない場合のサルモネラ属細菌の検出限界は、相補鎖側プライマーとして、本発明の配列番号3、4又は5のオリゴヌクレオチドを使用した場合は、公知の配列番号7のオリゴヌクレオチドを使用した場合と同様にサルモネラ属細菌を103CFU/mlまで検出できることがわかる。
【0042】
実施例4
通常の臨床検体や食品検体の場合、大量の雑菌が共存するので、雑菌の共存条件下でもサルモネラ属細菌を検出できることが必要である。そこで、前述の実施例3の操作において、各検体液中にサルモネラ属細菌と最も類縁であるシトロバクター(Citrobacter freundii)を6.1×107CFU/ml共存させ、実施例3と同様にして特定の長さの塩基対が増幅されたか否かを調べた。結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
Figure 0004131047
【0044】
表4の結果から、相補鎖側プライマーとして公知の配列番号7のオリゴヌクレオチドを使用した場合には、検体中にサルモネラ属細菌とシトロバクターが共存すると、前述の実施例3のシトロバクターが共存しない場合に比してサルモネラ属細菌の検出限界が劣るが、本発明の配列番号3、4又は5のオリゴヌクレオチドを使用した場合は、シトロバクターの共存下においても前述の実施例3の共存しない場合と同様にサルモネラ属細菌を103CFU/mlまで検出できることがわかる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、PCR法でサルモネラ属細菌を検出するにあたり、新規なプライマーを使用するので、雑菌としてシトロバクターが存在してもサルモネラ属細菌を良好に検出することが可能となる。
【0046】
【配列表】
Figure 0004131047
Figure 0004131047
Figure 0004131047
Figure 0004131047

Claims (3)

  1. サルモネラ属細菌のoriCをコードするヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配列と相補的となるように化学合成された2種のオリゴヌクレオチドからなるプライマーであって、その一方が配列番号1又は2に示される塩基配列
    (5 ´ )TTGTGTATAAGTACC(3 ´ ) (配列番号1)
    (5 ´ )ATAAGTACCCGTTT(3 ´ ) (配列番号2)
    を含むオリゴヌクレオチドからなり、もう一方が、配列番号6に示される塩基配列
    (5´)TTATTAGGATCGCGCCAGGC(3´) (配列番号6)
    からなることを特徴とするプライマー
  2. 前記一方のオリゴヌクレオチドが配列番号3、4又は5に示される塩基配列
    (5 ´ )TTGAGTTGTGTATAAGTACC(3 ´ ) (配列番号3)
    (5 ´ )TTGTGTATAAGTACCCGTTT(3 ´ ) (配列番号4)
    (5 ´ )ATAAGTACCCGTTTTGATCC(3 ´ ) (配列番号5)
    からなる請求項1記載のプライマー対。
  3. 検体に、請求項1又は2記載のプライマーを加え、PCR(Polymerase Chain Reaction)法によりプライマーの伸長反応と標的とするヌクレオチド配列の増幅を行い、そのヌクレオチド配列の検出を行うことを特徴とするサルモネラ属細菌の検出方法。
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