JP4130521B2 - エラーメッセージの出力方法、サーバ、クライアント、および記録媒体 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークシステムにおけるメッセージの表示に関する技術に係り、特に不要なエラーメッセージを表示させない技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
LAN（Local Area Network）などのネットワーク環境では、複数のクライアントがプリンタを共有することができる。この場合、プリンタは同時に複数の印刷ジョブを実行することができないので、あるクライアントからの印刷ジョブを実行中に、他のクライアントから印刷要求を受けた時は、他のクライアントの印刷要求は待ち状態になる。そして、プリンタに対して印刷要求を送信した２つのクライアントは、いずれも、自己の印刷要求が完了するまでの間、プリンタのステータスを監視する。このときに、プリンタでエラーが発生すると、クライアントは、エラーに関する情報をプリンタから取得し、エラーメッセージを表示する。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような印刷システムでは、クライアントが取得するエラー情報からは、どのようなエラーが生じたのかを知ることはできても、どのクライアントからの印刷要求を処理しているときに生じたエラーであるかはわかならい。従って、エラーが発生した印刷ジョブの要求元であるクライアントのほか、印刷待ちのクライアントであっても、エラー情報を取得したすべてのクライアントに、エラーメッセージが表示される。かかるシステムにおいては、ユーザは、自分の印刷要求でエラーが生じたのか、または、他人の印刷要求でエラーが生じたのかを直ちに知ることはできないという問題点がある。
【０００４】
本発明は、このような従来の問題点に着目し、エラーメッセージを選択的に表示することが可能なエラーメッセージの表示技術を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の第一の態様によれば、
サービス要求を処理するサービス要求処理装置と、当該サービス要求処理装置に対するサービス要求を発行し、サービス要求の処理実行結果を出力する出力手段を備えた１以上のサービス要求発行装置と、を含むサービスシステムにおけるエラーメッセージの出力方法であって、
前記サービス要求発行装置が前記サービス要求処理装置からエラー発生の通知を受けたとき、当該エラーがいずれの前記サービス要求発行装置から発行された要求に基づく処理を実行中に発生したものかを判定し、
当該判定結果に基づいて、前記入出力手段にエラーメッセージを出力する。
【０００６】
本発明により、エラー発生時に処理中のサービス要求を受け付けたサービス要求発行装置別に、エラーメッセージを出力することができる。
【０００７】
また、本発明の第二の態様によれば、
サービス要求を処理するサービス要求処理装置と、当該サービス要求処理装置に対するサービス要求を発行し、サービス要求の処理実行結果を出力する出力手段を備えた１以上のサービス要求発行装置と、を含むサービスシステムにおけるエラーメッセージの出力方法であって、
前記サービス要求発行装置が前記サービス要求処理装置からエラー発生の通知を受けたとき、
当該エラーが、自装置が発行したサービス要求に関するエラーであるときは、当該エラーの内容を示すエラーメッセージを前記出力手段に出力し、
前記エラーが、自装置が発行したサービス要求に関するエラーでないときは、前記エラーメッセージを前記出力手段に出力しないことを特徴とする。
【０００８】
上記態様によれば、自装置が発行したサービスについて発生したエラーであれば、ユーザにエラー内容を知らせるエラーメッセージを出力し、自装置以外が発行したサービスについて発生したエラーであれば、前記エラーメッセージは表示しない。
【０００９】
さらに、上記２態様においては、
前記サービス要求処理装置は、プリンタを備え、
当該サービスシステムが提供するサービスは、前記プリンタによる印刷サービスであってもよい。
【００１０】
前記目的を達成するため、本発明の第三の態様によれば、
クライアントからの印刷要求に基づいて、プリンタに印刷を実行させるサーバであって、
前記プリンタからエラー発生の通知を受信する受信手段と、
当該エラー発生時に前記プリンタが処理中の印刷要求の要求元クライアントを識別するための識別情報と、当該エラーの内容を示すエラー情報とを対応づけて、前記クライアントに対して送信する送信手段と、を含むことを特徴とする。
【００１１】
これにより、このサーバに印刷要求をするクライアントは、エラーの要求元クライアントを判断可能な情報が提供される。
【００１２】
前記目的を達成するため、本発明の第四の態様によれば、
クライアントからの印刷要求に基づいてプリンタに印刷を実行させるサーバであって、
少なくとも前記プリンタで前記印刷要求に基づく処理中に発生したエラーの内容を示す情報と、当該処理中の印刷要求の要求元クライアントの識別情報とを含む前記プリンタのステータスに関する情報を記憶する記憶部と、
前記クライアントからステータス取得要求を受け付けて、当該クライアントに対して、前記記憶部に記憶した前記ステータス情報を送信する送受信手段と、を備えることを特徴とする。
【００１３】
これにより、ステータス情報の中に、エラーに関する情報と要求元クライアントの識別情報を一緒に管理することができる。
【００１４】
さらに、上記態様においては、
前記プリンタが実行中の印刷の要求元クライアントを識別する識別情報を保持する保持手段と、
前記プリンタからエラー発生の通知を受信し、当該エラーの内容を示すエラー情報と前記識別情報とに基づいて、前記記憶部に記憶した前記ステータス情報を更新する更新手段と、を更に備えてもよい。
【００１５】
前記目的を達成するため、本発明の第五の態様によれば、
クライアントからの印刷要求に基づいて印刷を実行するプリンタであって、
少なくとも前記印刷要求に基づく処理中に発生したエラーの内容を示す情報と、当該処理中の印刷要求の要求元クライアントの識別情報とを含むステータスに関する情報を記憶する記憶部と、
前記クライアントからステータス取得要求を受け付けて、当該クライアントに対して、前記記憶部に記憶した前記ステータス情報を送信する送受信手段と、を備えることを特徴とする。
【００１６】
これにより、上記態様のサーバの機能を、プリンタ自身が備え、自らクライアントとの間で通信することができる。
【００１７】
前記目的を達成するため、本発明の第六の態様によれば、
ネットワークを介して接続されるプリンタに対して印刷要求をするクライアントであって、
エラーメッセージを表示する表示手段と、
エラー発生時に前記プリンタが処理中の印刷要求の要求元クライアントを識別するための識別情報と、当該エラーの内容を示すエラー情報とを対応づけた情報を受信する受信手段と、
前記識別情報に基づいて、前記表示手段に表示するエラーメッセージを決定する決定手段と、を備えることを特徴とする。
【００１８】
これにより、エラーの要求元クライアントを判断することができ、それに基づき表示するエラーメッセージを決めることができる。
【００１９】
さらに、上記態様において、
前記決定手段は、前記識別情報が自装置の識別情報と一致するときは前記エラー情報に対応する第一のエラーメッセージを表示し、一致しないときは前記第一のエラーメッセージとは異なる第二のエラーメッセージを表示する様にしてもよい。
【００２０】
これにより、自装置の要求でエラーが発生したときと、他装置の要求でエラーが発生したときに、異なるエラーメッセージを表示することが可能となる。
【００２１】
前記目的を達成するため、本発明の第七の態様によれば、
クライアントからの印刷要求に基づいて、プリンタに印刷を実行させるサーバの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記プリンタからエラー発生の通知を受信する受信段階と、
当該エラー発生時に前記プリンタが処理中の印刷要求の要求元クライアントを識別するための識別情報と、当該エラーの内容を示すエラー情報とを対応づけて、前記クライアントに対して送信する送信段階と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【００２２】
これにより、サーバを制御するためのプログラムを記録した記録媒体が提供される。
【００２３】
前記目的を達成するため、本発明の第八の態様によれば、
ネットワークを介して接続されるプリンタに対して印刷要求をするクライアントの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
エラー発生時に前記プリンタが処理中の印刷要求の要求元クライアントを識別するための識別情報と、当該エラーの内容を示すエラー情報とを対応づけた情報を受信する受信段階と、
前記識別情報に基づいて、エラーメッセージを表示するかどうかを決定する決定段階と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【００２４】
これにより、クライアントを制御するためのプログラムを記録した記録媒体が提供される。
【００２５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【００２６】
図１は、本実施形態にかかる印刷サービスの提供が行われる印刷システムの全体構成を示した図である。
【００２７】
本実施形態にかかる印刷システムは、印刷サービス要求を処理するサーバ１および、プリンタ２と、印刷サービス要求を発行し、その処理実行結果を出力するクライアント３とを備える。サーバ１とクライアント３は、ＬＡＮ９を介して接続されている。プリンタ２は、サーバ１に接続されている。サーバ１およびクライアント３は、それぞれ、ＣＰＵ（中央演算処理装置）、主記憶装置、補助記憶装置、等を備える一般的なコンピュータを利用できる。
【００２８】
サーバ１は、その主要機能として、通信制御部１１と、プリンタ管理部１２と、データベース管理部１３と、バッファ１７と、ステータスデータベース１８とを備える。プリンタ管理部１２には、さらに、ジョブ管理テーブル１５を備える。
【００２９】
通信制御部は１１、クライアント３からの印刷要求６０（図６参照）およびステータス取得要求を受信したり、印刷の終了通知やステータス情報をクライアントに送信する。
【００３０】
プリンタ管理部１２は、印刷要求６０を受け取り、印刷データ６２をバッファ１７にキューイングし、クライアント名６１（図６参照）をジョブ管理テーブル１５に登録する。プリンタが印刷を実行中、または、バッファに印刷待ちのデータが残っているときであっても、印刷データのキューイングおよびジョブ管理テーブルの登録をすることはできる。プリンタ２がアイドリング状態のとき、バッファ１７にキューイングされている印刷データをプリンタ２へ送信する。
【００３１】
さらに、プリンタ２が印刷データを印刷する際に付与するドキュメントＩＤを受信し、ジョブ管理テーブル１５に登録されている最先に印刷要求を受け付けたクライアント名と対応させて登録する。ここで、ジョブ管理テーブル１５は、例えば、図７に示すように、クライアント名６１とドキュメント名６３とを対応付ける構成を有する。
【００３２】
印刷ジョブの終了通知をプリンタ２から受けた時は、通信制御部１１を介して、要求元のクライアント３に印刷終了を通知し、ジョブ管理テーブル１５のドキュメントＩＤが付されているレコードを削除する。
【００３３】
さらに、プリンタ管理部１２は、ステータスデータベース１８に格納するステータス情報をプリンタ２から取得する。プリンタ２で、エラーが発生した場合は、プリンタ２からエラー発生の通知を受ける。エラー通知は、エラー情報として、プリンタ２から送られるステータスコードを受信する。ステータスコードも、ステータスデータベース１８に登録する。また、ステータスコードはステータスデータベース１８に登録する以外に、ジョブ管理テーブル１５を参照して、現在実行中の印刷ジョブの要求元のクライアント３に対して、通信制御部１１を介してエラー通知として送信してもよい。
【００３４】
データベース管理部は１３、ステータスデータベース１８の入出力、または、更新等を制御する。例えば、プリンタ管理部１２がプリンタ２から取得したステータス情報を、ステータスデータベース１８に格納したり、クライアント３からのステータス取得要求に対して、ステータスデータベース１８に記憶されているステータス情報を取得し、通信制御部を介して送信する。
【００３５】
ステータスデータベース１８は、プリンタ２のステータスに関する情報を記憶する。例えば、図２に示すような構成を有する。すなわち、トナー残量１８１、用紙残量１８２、ステータスコード１８３、オプションｎの有無１８４、クライアント名１８５等を含む。ここで、ステータスコード１８３とは、プリンタ２のステータスをコードで表現したものである。エラーが発生したときに、そのエラーの内容を識別可能なコードと、警告すべき状態になったときに、その警告内容を識別可能なコードとを含む。オプションｎの有無１８４は、所定のオプションを装備しているかどうかを示す。当該プリンタに装着可能なオプションの数（ｎ）だけある。クライアント名１８５は、プリンタでエラーが生じたときに実行中であった印刷ジョブは、いずれのクライアント３から送られてきたものであったかを示す。クライアント名１８５は、エラーが発生した場合にだけ設定され、警告のときは設定されない。
【００３６】
プリンタ２は、サーバ１から印刷データを受信して、印刷を行う。印刷を行う際に、プリンタ２は各印刷データに対応する印刷ジョブごとにドキュメントＩＤを付して管理する。このドキュメントＩＤは、印刷ジョブを開始するときに付され、サーバ１に通知される。
【００３７】
クライアント３は、図１に示すように、プリンタドライバ３０と、アプリケーション（ＡＰ）４１と、印刷データ記憶部４２とを内部機能として有する。このクライアント３には、キーボードやマウス等の入力装置４５と、ＣＲＴまたは液晶ディスプレイ等の表示装置４６とが接続される。プリンタドライバ３０は、さらに、通信制御部３１と、印刷管理部３２と、ステータス監視部３３と、メッセージデータベース３４とを備える。これらの機能は、ＣＰＵがプログラムを実行することで実現される。
【００３８】
通信制御部３１は、印刷要求６０およびステータス取得要求をサーバ１に対して送信したり、ステータス情報等をサーバ１から受信する。
【００３９】
印刷管理部３２は、ＡＰ４１から印刷データを受けとると、印刷要求６０を生成する。印刷要求６０は、図６に示すように、自クライアントのクライアント名６１と、印刷したい印刷データ６２を含む。
【００４０】
メッセージデータベース３４は、ステータスコード３４１とメッセージ３４２を対応付けて記憶している。メッセージ３４２には、エラーが生じたときにそのエラーの内容を伝えるエラーメッセージと、警告を伝える警告メッセージとが含まれる。メッセージデータベース３４は、例えば、図３に示すようなデータ構造を有し、他のクライアントでエラーが発生したことを示すメッセージ３４２ａも含む。
【００４１】
ステータス監視部３３は、印刷要求６０をサーバ１に送信した後、印刷が終了するまでの間、および、ユーザからの指示があった任意のときに、プリンタ２のステータスを取得する。具体的には、通信制御部３１を介して、サーバ１に対してプリンタ２のステータス取得要求を送信して、ステータス情報を取得する。ここで取得するステータス情報は、ステータスデータベース１８の内容である。取得したステータス情報は、表示装置４６に表示してもよい。また、ステータス情報に含まれるステータスコード１８３を参照して、プリンタ２でのエラー発生の有無を確認する。プリンタ２でエラーが発生していた時は、ステータス情報に含まれるクライアント名１８５が自クライアントのものであるかどうかを確認する。クライアント名１８５が自クライアントのものであれば、ステータスコード１８３をキーにして、メッセージデータベース３４からメッセージ３４２を取得し、表示装置４６に表示する。クライアント名１８５が自クライアントのものでなければ、何もメッセージを表示しなくても良いし、他のクライアントでエラーが発生していることを示すメッセージ３４２ａを取得し、表示装置４６に表示してもよい。
【００４２】
また、ステータス情報の取得とは別に、サーバからステータスコード１８３を含むエラー通知を受信したときは、メッセージを表示する様にしてもよい。
【００４３】
ＡＰ４１は、ユーザから印刷指示があった場合、印刷データ記憶部４２に記憶されている印刷データを、プリンタドライバ３０へ送信する。
【００４４】
次に、図４および図５を用いて、処理フローを説明する。
【００４５】
図４は、クライアントの印刷処理のフローを説明するフローチャートである。
【００４６】
ユーザが、入力装置４５から印刷実行の指示を入力すると、プリンタドライバ３０は印刷要求を生成し、サーバ１に送信する（Ｓ１０１）。印刷要求送信と同時に、ステータス監視部３３がステータスの監視を開始する（Ｓ１０２）。通信制御部３１は、サーバ１から印刷終了通知を受信しているかどうかを確認する（Ｓ１０３）。印刷終了通知を受信している時は、ステータス監視を終了して、印刷処理を終了する（Ｓ１１１）。終了通知を受信していない時は、サーバ１にステータス取得要求を送信し、サーバ１からプリンタ２のステータス情報を受信する（Ｓ１０４）。
【００４７】
受信したステータス情報に含まれるステータスコード１８３を確認し、エラーまたは警告が生じていない場合は、Ｓ１０３に戻り、以降の処理を繰り返す（Ｓ１０５）。エラーまたは警告が生じている場合、自クライアントの印刷要求の処理中に生じたエラーかどうかを確認する。すなわち、ステータス情報に含まれるクライアント名１８５が自クライアントのものであるかどうかを判断する（Ｓ１０６）。
【００４８】
クライアント名１８５が自クライアントのものであった場合、ステータスコード１８３に基づいて、メッセージデータベース３４を参照して、メッセージを取得する。そして、ポップアップウィンドウを用いて、このメッセージを表示装置４６に表示する（Ｓ１０７）。このときのエラーメッセージ画面の例を図８（ａ）から（ｃ）に示す。このエラーメッセージ画面に含まれるいずれかのボタンが押下されると、それぞれ、各ボタンに応じた処理が実行される(Ｓ１０８、Ｓ１０８)。
【００４９】
Ｓ１０６において、クライアント名１８５が自クライアントのものでなかった場合、他のクライアントに起因するものであるかどうかを判断する(Ｓ１２１)。すなわち、ステータス情報にクライアント名１８５が設定されていないときは、いずれのクライアントからの要求にも起因しないものと判断する。すなわち、プリンタが発する警告であるので、メッセージデータベース３４を参照して警告メッセージを取得する。そして、ポップアップウィンドウを用いて、この警告メッセージを表示装置４６に表示する（Ｓ１２２）。このときの警告メッセージ画面の例を図９に示す。警告メッセージ画面の「閉じる」ボタンが押されると、この画面を閉じてＳ１０３へ戻る。
【００５０】
Ｓ１２１において、ステータス情報に他のクライアント名１８５が設定されていれば、ステータスコード１８３に基づいて、メッセージデータベース３４を参照して、他のクライアント用のメッセージ３４２ａを取得する。そして、エラーが発生したクライアント名をメッセージに取りこんで、ポップアップウィンドウを用いて、表示装置４６に表示する（Ｓ１２３）。このときエラーメッセージ画面例を図１０に示す。エラーメッセージ画面の「閉じる」ボタンが押されると、この画面を閉じてＳ１０３へ戻る。
【００５１】
これにより、ユーザは自分の印刷要求で起きたエラーと他人の印刷要求で起きたエラーとを区別することができる。
【００５２】
なお、Ｓ１２２およびＳ１２３のメッセージ表示の実行および非実行について、図示しないステータス監視画面にチェックボックスを設け、ユーザに設定させるようにしてもよい。
【００５３】
また、上述したクライアントの印刷処理フローでは、Ｓ１０４でクライアントがステータス情報を取得した後に、そのステータス情報に含まれるステータスコード１８３、および、クライアント名１８５に基づいて、エラー発生等の有無(Ｓ１０５)および表示するメッセージの種類等を判断している（Ｓ１０６、Ｓ１０７、Ｓ１２１）。しかし、エラー等が発生していない場合や、Ｓ１２２およびＳ１２３でメッセージを非表示としている場合は、クライアント３には何も表示されない。
【００５４】
この場合のように、クライアント３で何も表示する必要がない場合は、サーバ１がそれを判断し、クライアント３からのステータス情報の取得要求に対して、ダミーデータを返信するようにしてもよい。ダミーデータを受信したクライアント３は、Ｓ１０５以降の処理を行わない。このようにすると、ネットワークのトラフィックを低減することができ、クライアント３の処理も軽減される。
【００５５】
次に、サーバでの印刷処理のフローを、図５を用いて説明する。
【００５６】
通信制御部１１がプリンタ２またはクライアント３から何等かの通知を受信した場合には、そのメッセージの内容を解析する。（Ｓ２０１、Ｓ２１０）。
【００５７】
受信した通知が印刷要求である場合、印刷データをバッファ１７にキューイングする(Ｓ２１１)。そして、印刷要求を送信してきたクライアントのクライアント名を、ジョブ管理テーブル１５に登録する（Ｓ２１２）。その後、Ｓ２０１に戻り以降の処理を繰り返す。
【００５８】
受信した通知が印刷終了通知である場合、ジョブ管理テーブル１５から、ドキュメントＩＤが付与されているレコードを削除し、当該クライアントに印刷終了を通知する（Ｓ２２１、Ｓ２２２）。その後、Ｓ２０１からの処理を繰り返す。
【００５９】
受信した通知が、ステータス情報の取得要求である場合、データベース管理部１３がステータスデータベース１８から、ステータス情報を取得して返信する（Ｓ２３１）。その後、Ｓ２０１からの処理を繰り返す。
【００６０】
受信した通知が、その他の処理要求である場合、各処理を行う（Ｓ２４１）。その後、Ｓ２０１からの処理を繰り返す。
【００６１】
Ｓ２０１でメッセージを受信していない場合、プリンタ管理部１２は、プリンタ２からステータス情報を取得し、データベース管理部１３がステータスデータベース１８を更新する（Ｓ２０２）。プリンタ管理部１２は、バッファ１７にキューイングされている印刷データがあるかどうか確認する（Ｓ２０３）。キューイングされている印刷データがない場合には、Ｓ２０１に戻り以降の処理を繰り返す。キューイングされているデータがある場合、プリンタが印刷データを受信できる状態であるかどうかを確認する（Ｓ２０４）。プリンタが印刷データを受信できる場合、プリンタ管理部１２はプリンタに対して、一番先頭にキューイングされている印刷データを送信する。そして、プリンタからドキュメントＩＤを受信し（Ｓ２０５）、取得したドキュメントＩＤをジョブ管理テーブル１５に登録する（Ｓ２０６）。その後、Ｓ２０１からの処理を繰り返す。
【００６２】
かかる処理により、プリンタ２で印刷処理を実行中であっても、クライアント３はステータス情報を取得することができる。また、印刷実行中にエラーが発生したときでもステータスデータベースが更新されるので、クライアント３は最新のステータス情報を取得することができる。
【００６３】
【発明の効果】
本発明によれば、メッセージを選択的に表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にかかる実施形態における印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図２】本発明にかかる実施形態におけるステータスデータベースの構造を示す説明図である。
【図３】本発明にかかる実施形態におけるメッセージデータベースの構造を示す説明図である。
【図４】本発明にかかる実施形態におけるクライアントの印刷処理のフローチャートである。
【図５】本発明にかかる実施形態におけるサーバの印刷処理のフローチャートである。
【図６】本発明にかかる実施形態における印刷要求のデータ構造を示す説明図である。
【図７】本発明にかかる実施形態におけるジョブ管理テーブルのデータ構造を示す説明図である。
【図８】自クライアントに起因するエラーメッセージの表示例を示す説明図である。
【図９】警告メッセージの表示例を示す説明図である。
【図１０】他クライアントに起因するエラーメッセージの表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
１…サーバ
２…プリンタ
３…クライアント
９…ＬＡＮ
１１…通信制御部
１２…プリンタ管理部
１３…データベース管理部
１５…ジョブ管理テーブル
１７…バッファ
１８…ステータスデータベース
３０…プリンタドライバ
３１…通信制御部
３２…印刷管理部
３３…ステータス監視部
３４…メッセージデータベース
４１…アプリケーション
４２…印刷データ記憶部
４５…入力装置
４６…表示装置
６０…印刷要求
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークシステムにおけるメッセージの表示に関する技術に係り、特に不要なエラーメッセージを表示させない技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
LAN（Local Area Network）などのネットワーク環境では、複数のクライアントがプリンタを共有することができる。この場合、プリンタは同時に複数の印刷ジョブを実行することができないので、あるクライアントからの印刷ジョブを実行中に、他のクライアントから印刷要求を受けた時は、他のクライアントの印刷要求は待ち状態になる。そして、プリンタに対して印刷要求を送信した２つのクライアントは、いずれも、自己の印刷要求が完了するまでの間、プリンタのステータスを監視する。このときに、プリンタでエラーが発生すると、クライアントは、エラーに関する情報をプリンタから取得し、エラーメッセージを表示する。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような印刷システムでは、クライアントが取得するエラー情報からは、どのようなエラーが生じたのかを知ることはできても、どのクライアントからの印刷要求を処理しているときに生じたエラーであるかはわかならい。従って、エラーが発生した印刷ジョブの要求元であるクライアントのほか、印刷待ちのクライアントであっても、エラー情報を取得したすべてのクライアントに、エラーメッセージが表示される。かかるシステムにおいては、ユーザは、自分の印刷要求でエラーが生じたのか、または、他人の印刷要求でエラーが生じたのかを直ちに知ることはできないという問題点がある。
【０００４】
本発明は、このような従来の問題点に着目し、エラーメッセージを選択的に表示することが可能なエラーメッセージの表示技術を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の第一の態様によれば、
サービス要求を処理するサービス要求処理装置と、当該サービス要求処理装置に対するサービス要求を発行し、サービス要求の処理実行結果を出力する出力手段を備えた１以上のサービス要求発行装置と、を含むサービスシステムにおけるエラーメッセージの出力方法であって、
前記サービス要求発行装置が前記サービス要求処理装置からエラー発生の通知を受けたとき、当該エラーがいずれの前記サービス要求発行装置から発行された要求に基づく処理を実行中に発生したものかを判定し、
当該判定結果に基づいて、前記入出力手段にエラーメッセージを出力する。
【０００６】
本発明により、エラー発生時に処理中のサービス要求を受け付けたサービス要求発行装置別に、エラーメッセージを出力することができる。
【０００７】
また、本発明の第二の態様によれば、
サービス要求を処理するサービス要求処理装置と、当該サービス要求処理装置に対するサービス要求を発行し、サービス要求の処理実行結果を出力する出力手段を備えた１以上のサービス要求発行装置と、を含むサービスシステムにおけるエラーメッセージの出力方法であって、
前記サービス要求発行装置が前記サービス要求処理装置からエラー発生の通知を受けたとき、
当該エラーが、自装置が発行したサービス要求に関するエラーであるときは、当該エラーの内容を示すエラーメッセージを前記出力手段に出力し、
前記エラーが、自装置が発行したサービス要求に関するエラーでないときは、前記エラーメッセージを前記出力手段に出力しないことを特徴とする。
【０００８】
上記態様によれば、自装置が発行したサービスについて発生したエラーであれば、ユーザにエラー内容を知らせるエラーメッセージを出力し、自装置以外が発行したサービスについて発生したエラーであれば、前記エラーメッセージは表示しない。
【０００９】
さらに、上記２態様においては、
前記サービス要求処理装置は、プリンタを備え、
当該サービスシステムが提供するサービスは、前記プリンタによる印刷サービスであってもよい。
【００１０】
前記目的を達成するため、本発明の第三の態様によれば、
クライアントからの印刷要求に基づいて、プリンタに印刷を実行させるサーバであって、
前記プリンタからエラー発生の通知を受信する受信手段と、
当該エラー発生時に前記プリンタが処理中の印刷要求の要求元クライアントを識別するための識別情報と、当該エラーの内容を示すエラー情報とを対応づけて、前記クライアントに対して送信する送信手段と、を含むことを特徴とする。
【００１１】
これにより、このサーバに印刷要求をするクライアントは、エラーの要求元クライアントを判断可能な情報が提供される。
【００１２】
前記目的を達成するため、本発明の第四の態様によれば、
クライアントからの印刷要求に基づいてプリンタに印刷を実行させるサーバであって、
少なくとも前記プリンタで前記印刷要求に基づく処理中に発生したエラーの内容を示す情報と、当該処理中の印刷要求の要求元クライアントの識別情報とを含む前記プリンタのステータスに関する情報を記憶する記憶部と、
前記クライアントからステータス取得要求を受け付けて、当該クライアントに対して、前記記憶部に記憶した前記ステータス情報を送信する送受信手段と、を備えることを特徴とする。
【００１３】
これにより、ステータス情報の中に、エラーに関する情報と要求元クライアントの識別情報を一緒に管理することができる。
【００１４】
さらに、上記態様においては、
前記プリンタが実行中の印刷の要求元クライアントを識別する識別情報を保持する保持手段と、
前記プリンタからエラー発生の通知を受信し、当該エラーの内容を示すエラー情報と前記識別情報とに基づいて、前記記憶部に記憶した前記ステータス情報を更新する更新手段と、を更に備えてもよい。
【００１５】
前記目的を達成するため、本発明の第五の態様によれば、
クライアントからの印刷要求に基づいて印刷を実行するプリンタであって、
少なくとも前記印刷要求に基づく処理中に発生したエラーの内容を示す情報と、当該処理中の印刷要求の要求元クライアントの識別情報とを含むステータスに関する情報を記憶する記憶部と、
前記クライアントからステータス取得要求を受け付けて、当該クライアントに対して、前記記憶部に記憶した前記ステータス情報を送信する送受信手段と、を備えることを特徴とする。
【００１６】
これにより、上記態様のサーバの機能を、プリンタ自身が備え、自らクライアントとの間で通信することができる。
【００１７】
前記目的を達成するため、本発明の第六の態様によれば、
ネットワークを介して接続されるプリンタに対して印刷要求をするクライアントであって、
エラーメッセージを表示する表示手段と、
エラー発生時に前記プリンタが処理中の印刷要求の要求元クライアントを識別するための識別情報と、当該エラーの内容を示すエラー情報とを対応づけた情報を受信する受信手段と、
前記識別情報に基づいて、前記表示手段に表示するエラーメッセージを決定する決定手段と、を備えることを特徴とする。
【００１８】
これにより、エラーの要求元クライアントを判断することができ、それに基づき表示するエラーメッセージを決めることができる。
【００１９】
さらに、上記態様において、
前記決定手段は、前記識別情報が自装置の識別情報と一致するときは前記エラー情報に対応する第一のエラーメッセージを表示し、一致しないときは前記第一のエラーメッセージとは異なる第二のエラーメッセージを表示する様にしてもよい。
【００２０】
これにより、自装置の要求でエラーが発生したときと、他装置の要求でエラーが発生したときに、異なるエラーメッセージを表示することが可能となる。
【００２１】
前記目的を達成するため、本発明の第七の態様によれば、
クライアントからの印刷要求に基づいて、プリンタに印刷を実行させるサーバの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記プリンタからエラー発生の通知を受信する受信段階と、
当該エラー発生時に前記プリンタが処理中の印刷要求の要求元クライアントを識別するための識別情報と、当該エラーの内容を示すエラー情報とを対応づけて、前記クライアントに対して送信する送信段階と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【００２２】
これにより、サーバを制御するためのプログラムを記録した記録媒体が提供される。
【００２３】
前記目的を達成するため、本発明の第八の態様によれば、
ネットワークを介して接続されるプリンタに対して印刷要求をするクライアントの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
エラー発生時に前記プリンタが処理中の印刷要求の要求元クライアントを識別するための識別情報と、当該エラーの内容を示すエラー情報とを対応づけた情報を受信する受信段階と、
前記識別情報に基づいて、エラーメッセージを表示するかどうかを決定する決定段階と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【００２４】
これにより、クライアントを制御するためのプログラムを記録した記録媒体が提供される。
【００２５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【００２６】
図１は、本実施形態にかかる印刷サービスの提供が行われる印刷システムの全体構成を示した図である。
【００２７】
本実施形態にかかる印刷システムは、印刷サービス要求を処理するサーバ１および、プリンタ２と、印刷サービス要求を発行し、その処理実行結果を出力するクライアント３とを備える。サーバ１とクライアント３は、ＬＡＮ９を介して接続されている。プリンタ２は、サーバ１に接続されている。サーバ１およびクライアント３は、それぞれ、ＣＰＵ（中央演算処理装置）、主記憶装置、補助記憶装置、等を備える一般的なコンピュータを利用できる。
【００２８】
サーバ１は、その主要機能として、通信制御部１１と、プリンタ管理部１２と、データベース管理部１３と、バッファ１７と、ステータスデータベース１８とを備える。プリンタ管理部１２には、さらに、ジョブ管理テーブル１５を備える。
【００２９】
通信制御部は１１、クライアント３からの印刷要求６０（図６参照）およびステータス取得要求を受信したり、印刷の終了通知やステータス情報をクライアントに送信する。
【００３０】
プリンタ管理部１２は、印刷要求６０を受け取り、印刷データ６２をバッファ１７にキューイングし、クライアント名６１（図６参照）をジョブ管理テーブル１５に登録する。プリンタが印刷を実行中、または、バッファに印刷待ちのデータが残っているときであっても、印刷データのキューイングおよびジョブ管理テーブルの登録をすることはできる。プリンタ２がアイドリング状態のとき、バッファ１７にキューイングされている印刷データをプリンタ２へ送信する。
【００３１】
さらに、プリンタ２が印刷データを印刷する際に付与するドキュメントＩＤを受信し、ジョブ管理テーブル１５に登録されている最先に印刷要求を受け付けたクライアント名と対応させて登録する。ここで、ジョブ管理テーブル１５は、例えば、図７に示すように、クライアント名６１とドキュメント名６３とを対応付ける構成を有する。
【００３２】
印刷ジョブの終了通知をプリンタ２から受けた時は、通信制御部１１を介して、要求元のクライアント３に印刷終了を通知し、ジョブ管理テーブル１５のドキュメントＩＤが付されているレコードを削除する。
【００３３】
さらに、プリンタ管理部１２は、ステータスデータベース１８に格納するステータス情報をプリンタ２から取得する。プリンタ２で、エラーが発生した場合は、プリンタ２からエラー発生の通知を受ける。エラー通知は、エラー情報として、プリンタ２から送られるステータスコードを受信する。ステータスコードも、ステータスデータベース１８に登録する。また、ステータスコードはステータスデータベース１８に登録する以外に、ジョブ管理テーブル１５を参照して、現在実行中の印刷ジョブの要求元のクライアント３に対して、通信制御部１１を介してエラー通知として送信してもよい。
【００３４】
データベース管理部は１３、ステータスデータベース１８の入出力、または、更新等を制御する。例えば、プリンタ管理部１２がプリンタ２から取得したステータス情報を、ステータスデータベース１８に格納したり、クライアント３からのステータス取得要求に対して、ステータスデータベース１８に記憶されているステータス情報を取得し、通信制御部を介して送信する。
【００３５】
ステータスデータベース１８は、プリンタ２のステータスに関する情報を記憶する。例えば、図２に示すような構成を有する。すなわち、トナー残量１８１、用紙残量１８２、ステータスコード１８３、オプションｎの有無１８４、クライアント名１８５等を含む。ここで、ステータスコード１８３とは、プリンタ２のステータスをコードで表現したものである。エラーが発生したときに、そのエラーの内容を識別可能なコードと、警告すべき状態になったときに、その警告内容を識別可能なコードとを含む。オプションｎの有無１８４は、所定のオプションを装備しているかどうかを示す。当該プリンタに装着可能なオプションの数（ｎ）だけある。クライアント名１８５は、プリンタでエラーが生じたときに実行中であった印刷ジョブは、いずれのクライアント３から送られてきたものであったかを示す。クライアント名１８５は、エラーが発生した場合にだけ設定され、警告のときは設定されない。
【００３６】
プリンタ２は、サーバ１から印刷データを受信して、印刷を行う。印刷を行う際に、プリンタ２は各印刷データに対応する印刷ジョブごとにドキュメントＩＤを付して管理する。このドキュメントＩＤは、印刷ジョブを開始するときに付され、サーバ１に通知される。
【００３７】
クライアント３は、図１に示すように、プリンタドライバ３０と、アプリケーション（ＡＰ）４１と、印刷データ記憶部４２とを内部機能として有する。このクライアント３には、キーボードやマウス等の入力装置４５と、ＣＲＴまたは液晶ディスプレイ等の表示装置４６とが接続される。プリンタドライバ３０は、さらに、通信制御部３１と、印刷管理部３２と、ステータス監視部３３と、メッセージデータベース３４とを備える。これらの機能は、ＣＰＵがプログラムを実行することで実現される。
【００３８】
通信制御部３１は、印刷要求６０およびステータス取得要求をサーバ１に対して送信したり、ステータス情報等をサーバ１から受信する。
【００３９】
印刷管理部３２は、ＡＰ４１から印刷データを受けとると、印刷要求６０を生成する。印刷要求６０は、図６に示すように、自クライアントのクライアント名６１と、印刷したい印刷データ６２を含む。
【００４０】
メッセージデータベース３４は、ステータスコード３４１とメッセージ３４２を対応付けて記憶している。メッセージ３４２には、エラーが生じたときにそのエラーの内容を伝えるエラーメッセージと、警告を伝える警告メッセージとが含まれる。メッセージデータベース３４は、例えば、図３に示すようなデータ構造を有し、他のクライアントでエラーが発生したことを示すメッセージ３４２ａも含む。
【００４１】
ステータス監視部３３は、印刷要求６０をサーバ１に送信した後、印刷が終了するまでの間、および、ユーザからの指示があった任意のときに、プリンタ２のステータスを取得する。具体的には、通信制御部３１を介して、サーバ１に対してプリンタ２のステータス取得要求を送信して、ステータス情報を取得する。ここで取得するステータス情報は、ステータスデータベース１８の内容である。取得したステータス情報は、表示装置４６に表示してもよい。また、ステータス情報に含まれるステータスコード１８３を参照して、プリンタ２でのエラー発生の有無を確認する。プリンタ２でエラーが発生していた時は、ステータス情報に含まれるクライアント名１８５が自クライアントのものであるかどうかを確認する。クライアント名１８５が自クライアントのものであれば、ステータスコード１８３をキーにして、メッセージデータベース３４からメッセージ３４２を取得し、表示装置４６に表示する。クライアント名１８５が自クライアントのものでなければ、何もメッセージを表示しなくても良いし、他のクライアントでエラーが発生していることを示すメッセージ３４２ａを取得し、表示装置４６に表示してもよい。
【００４２】
また、ステータス情報の取得とは別に、サーバからステータスコード１８３を含むエラー通知を受信したときは、メッセージを表示する様にしてもよい。
【００４３】
ＡＰ４１は、ユーザから印刷指示があった場合、印刷データ記憶部４２に記憶されている印刷データを、プリンタドライバ３０へ送信する。
【００４４】
次に、図４および図５を用いて、処理フローを説明する。
【００４５】
図４は、クライアントの印刷処理のフローを説明するフローチャートである。
【００４６】
ユーザが、入力装置４５から印刷実行の指示を入力すると、プリンタドライバ３０は印刷要求を生成し、サーバ１に送信する（Ｓ１０１）。印刷要求送信と同時に、ステータス監視部３３がステータスの監視を開始する（Ｓ１０２）。通信制御部３１は、サーバ１から印刷終了通知を受信しているかどうかを確認する（Ｓ１０３）。印刷終了通知を受信している時は、ステータス監視を終了して、印刷処理を終了する（Ｓ１１１）。終了通知を受信していない時は、サーバ１にステータス取得要求を送信し、サーバ１からプリンタ２のステータス情報を受信する（Ｓ１０４）。
【００４７】
受信したステータス情報に含まれるステータスコード１８３を確認し、エラーまたは警告が生じていない場合は、Ｓ１０３に戻り、以降の処理を繰り返す（Ｓ１０５）。エラーまたは警告が生じている場合、自クライアントの印刷要求の処理中に生じたエラーかどうかを確認する。すなわち、ステータス情報に含まれるクライアント名１８５が自クライアントのものであるかどうかを判断する（Ｓ１０６）。
【００４８】
クライアント名１８５が自クライアントのものであった場合、ステータスコード１８３に基づいて、メッセージデータベース３４を参照して、メッセージを取得する。そして、ポップアップウィンドウを用いて、このメッセージを表示装置４６に表示する（Ｓ１０７）。このときのエラーメッセージ画面の例を図８（ａ）から（ｃ）に示す。このエラーメッセージ画面に含まれるいずれかのボタンが押下されると、それぞれ、各ボタンに応じた処理が実行される(Ｓ１０８、Ｓ１０８)。
【００４９】
Ｓ１０６において、クライアント名１８５が自クライアントのものでなかった場合、他のクライアントに起因するものであるかどうかを判断する(Ｓ１２１)。すなわち、ステータス情報にクライアント名１８５が設定されていないときは、いずれのクライアントからの要求にも起因しないものと判断する。すなわち、プリンタが発する警告であるので、メッセージデータベース３４を参照して警告メッセージを取得する。そして、ポップアップウィンドウを用いて、この警告メッセージを表示装置４６に表示する（Ｓ１２２）。このときの警告メッセージ画面の例を図９に示す。警告メッセージ画面の「閉じる」ボタンが押されると、この画面を閉じてＳ１０３へ戻る。
【００５０】
Ｓ１２１において、ステータス情報に他のクライアント名１８５が設定されていれば、ステータスコード１８３に基づいて、メッセージデータベース３４を参照して、他のクライアント用のメッセージ３４２ａを取得する。そして、エラーが発生したクライアント名をメッセージに取りこんで、ポップアップウィンドウを用いて、表示装置４６に表示する（Ｓ１２３）。このときエラーメッセージ画面例を図１０に示す。エラーメッセージ画面の「閉じる」ボタンが押されると、この画面を閉じてＳ１０３へ戻る。
【００５１】
これにより、ユーザは自分の印刷要求で起きたエラーと他人の印刷要求で起きたエラーとを区別することができる。
【００５２】
なお、Ｓ１２２およびＳ１２３のメッセージ表示の実行および非実行について、図示しないステータス監視画面にチェックボックスを設け、ユーザに設定させるようにしてもよい。
【００５３】
また、上述したクライアントの印刷処理フローでは、Ｓ１０４でクライアントがステータス情報を取得した後に、そのステータス情報に含まれるステータスコード１８３、および、クライアント名１８５に基づいて、エラー発生等の有無(Ｓ１０５)および表示するメッセージの種類等を判断している（Ｓ１０６、Ｓ１０７、Ｓ１２１）。しかし、エラー等が発生していない場合や、Ｓ１２２およびＳ１２３でメッセージを非表示としている場合は、クライアント３には何も表示されない。
【００５４】
この場合のように、クライアント３で何も表示する必要がない場合は、サーバ１がそれを判断し、クライアント３からのステータス情報の取得要求に対して、ダミーデータを返信するようにしてもよい。ダミーデータを受信したクライアント３は、Ｓ１０５以降の処理を行わない。このようにすると、ネットワークのトラフィックを低減することができ、クライアント３の処理も軽減される。
【００５５】
次に、サーバでの印刷処理のフローを、図５を用いて説明する。
【００５６】
通信制御部１１がプリンタ２またはクライアント３から何等かの通知を受信した場合には、そのメッセージの内容を解析する。（Ｓ２０１、Ｓ２１０）。
【００５７】
受信した通知が印刷要求である場合、印刷データをバッファ１７にキューイングする(Ｓ２１１)。そして、印刷要求を送信してきたクライアントのクライアント名を、ジョブ管理テーブル１５に登録する（Ｓ２１２）。その後、Ｓ２０１に戻り以降の処理を繰り返す。
【００５８】
受信した通知が印刷終了通知である場合、ジョブ管理テーブル１５から、ドキュメントＩＤが付与されているレコードを削除し、当該クライアントに印刷終了を通知する（Ｓ２２１、Ｓ２２２）。その後、Ｓ２０１からの処理を繰り返す。
【００５９】
受信した通知が、ステータス情報の取得要求である場合、データベース管理部１３がステータスデータベース１８から、ステータス情報を取得して返信する（Ｓ２３１）。その後、Ｓ２０１からの処理を繰り返す。
【００６０】
受信した通知が、その他の処理要求である場合、各処理を行う（Ｓ２４１）。その後、Ｓ２０１からの処理を繰り返す。
【００６１】
Ｓ２０１でメッセージを受信していない場合、プリンタ管理部１２は、プリンタ２からステータス情報を取得し、データベース管理部１３がステータスデータベース１８を更新する（Ｓ２０２）。プリンタ管理部１２は、バッファ１７にキューイングされている印刷データがあるかどうか確認する（Ｓ２０３）。キューイングされている印刷データがない場合には、Ｓ２０１に戻り以降の処理を繰り返す。キューイングされているデータがある場合、プリンタが印刷データを受信できる状態であるかどうかを確認する（Ｓ２０４）。プリンタが印刷データを受信できる場合、プリンタ管理部１２はプリンタに対して、一番先頭にキューイングされている印刷データを送信する。そして、プリンタからドキュメントＩＤを受信し（Ｓ２０５）、取得したドキュメントＩＤをジョブ管理テーブル１５に登録する（Ｓ２０６）。その後、Ｓ２０１からの処理を繰り返す。
【００６２】
かかる処理により、プリンタ２で印刷処理を実行中であっても、クライアント３はステータス情報を取得することができる。また、印刷実行中にエラーが発生したときでもステータスデータベースが更新されるので、クライアント３は最新のステータス情報を取得することができる。
【００６３】
【発明の効果】
本発明によれば、メッセージを選択的に表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にかかる実施形態における印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図２】本発明にかかる実施形態におけるステータスデータベースの構造を示す説明図である。
【図３】本発明にかかる実施形態におけるメッセージデータベースの構造を示す説明図である。
【図４】本発明にかかる実施形態におけるクライアントの印刷処理のフローチャートである。
【図５】本発明にかかる実施形態におけるサーバの印刷処理のフローチャートである。
【図６】本発明にかかる実施形態における印刷要求のデータ構造を示す説明図である。
【図７】本発明にかかる実施形態におけるジョブ管理テーブルのデータ構造を示す説明図である。
【図８】自クライアントに起因するエラーメッセージの表示例を示す説明図である。
【図９】警告メッセージの表示例を示す説明図である。
【図１０】他クライアントに起因するエラーメッセージの表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
１…サーバ
２…プリンタ
３…クライアント
９…ＬＡＮ
１１…通信制御部
１２…プリンタ管理部
１３…データベース管理部
１５…ジョブ管理テーブル
１７…バッファ
１８…ステータスデータベース
３０…プリンタドライバ
３１…通信制御部
３２…印刷管理部
３３…ステータス監視部
３４…メッセージデータベース
４１…アプリケーション
４２…印刷データ記憶部
４５…入力装置
４６…表示装置
６０…印刷要求
Claims (10)
- 複数台のクライアント装置と、前記クライアント装置からの印刷要求に基づく印刷を行なう印刷処理装置とを備えた印刷システムであって、
前記印刷処理装置は、
実行中の印刷を要求したクライアント装置の識別子を管理するジョブ管理部と、
当該印刷処理装置の状態を示すステータスコードと、前記ステータスコードがエラーが発生したことを示している場合に、その起因となった印刷を要求したクライアント装置の識別子が設定されるクライアント情報とを含むステータス情報を管理するステータス管理部とを備え、
前記クライアント装置は、
前記ステータス情報を前記印刷処理装置から取得するステータス情報取得手段と、
前記印刷処理装置で発生したエラーが自クライアント装置が要求した印刷に起因するものでない場合にエラー表示を行なうか否かの設定を受け付けるエラー表示設定受け付け手段と、
前記取得したステータス情報のステータスコードが、前記印刷処理装置でエラーが発生したことを示している場合に、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されているときには、ステータスコードに応じたエラー表示を行ない、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されていないときには、前記エラー表示設定受け付け手段がエラー表示を行なう設定を受け付けている場合に限りステータスコードに応じたエラー表示を行なうエラー表示手段とを備えることを特徴とする印刷システム。 - 印刷処理装置に印刷要求を行なうクライアント装置であって、
前記印刷処理装置の状態を示すステータスコードと、前記ステータスコードがエラーが発生したことを示している場合に、その起因となった印刷を要求したクライアント装置の識別子が設定されるクライアント情報とを含むステータス情報を前記印刷処理装置から取得するステータス情報取得手段と、
前記印刷処理装置で発生したエラーが自クライアント装置が要求した印刷に起因するものでない場合にエラー表示を行なうか否かの設定を受け付けるエラー表示設定受け付け手段と、
前記取得したステータス情報のステータスコードが、前記印刷処理装置でエラーが発生したことを示している場合に、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されているときには、ステータスコードに応じたエラー表示を行ない、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されていないときには、前記エラー表示設定受け付け手段がエラー表示を行なう設定を受け付けている場合に限りステータスコードに応じたエラー表示を行なうエラー表示手段とを備えることを特徴とするクライアント装置。 - 印刷処理装置に印刷要求を行なうクライアント装置としてコンピュータを機能させるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記プログラムは、
前記印刷処理装置の状態を示すステータスコードと、前記ステータスコードがエラーが発生したことを示している場合に、その起因となった印刷を要求したクライアント装置の識別子が設定されるクライアント情報とを含むステータス情報を前記印刷処理装置から取得するステータス情報取得手段と、
前記印刷処理装置で発生したエラーが自クライアント装置が要求した印刷に起因するものでない場合にエラー表示を行なうか否かの設定を受け付けるエラー表示設定受け付け手 段と、
前記取得したステータス情報のステータスコードが、前記印刷処理装置でエラーが発生したことを示している場合に、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されているときには、ステータスコードに応じたエラー表示を行ない、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されていないときには、前記エラー表示設定受け付け手段がエラー表示を行なう設定を受け付けている場合に限りステータスコードに応じたエラー表示を行なうエラー表示手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする記録媒体。 - 請求項３に記載の記録媒体であって、
前記プログラムがコンピュータに機能させる前記エラー表示手段は、
前記エラー表示設定受け付け手段がエラー表示を行なう設定を受け付けている場合に、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されているときと、自クライアント装置が設定されていないときとで、エラー表示の内容を異ならせることを特徴とする記録媒体。 - 請求項４に記載の記録媒体であって、
前記プログラムがコンピュータに機能させる前記エラー表示手段は、
前記エラー表示設定受け付け手段がエラー表示を行なう設定を受け付けている場合に、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されていいないときは、エラー表示の内容に、前記取得したステータス情報のクライアント情報に設定されているクライアント装置を示す情報を含めることを特徴とする記録媒体。 - 複数台のクライアント装置と、プリンタと、前記クライアント装置からの印刷要求に基づく印刷を前記プリンタに実行させるサーバ装置とを備えた印刷システムであって、
前記サーバ装置は、
前記プリンタで実行中の印刷を要求したクライアント装置の識別子を管理するジョブ管理部と、
前記プリンタの状態を示すステータスコードと、前記ステータスコードが前記プリンタでエラーが発生したことを示している場合に、その起因となった印刷を要求したクライアント装置の識別子が設定されるクライアント情報とを含むステータス情報を管理するステータス管理部とを備え、
前記クライアント装置は、
前記ステータス情報を前記サーバ装置から取得するステータス情報取得手段と、
前記プリンタで発生したエラーが自クライアント装置が要求した印刷に起因するものでない場合にエラー表示を行なうか否かの設定を受け付けるエラー表示設定受け付け手段と、
前記取得したステータス情報のステータスコードが、前記プリンタでエラーが発生したことを示している場合に、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されているときには、ステータスコードに応じたエラー表示を行ない、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されていないときには、前記エラー表示設定受け付け手段がエラー表示を行なう設定を受け付けている場合に限りステータスコードに応じたエラー表示を行なうエラー表示手段とを備えることを特徴とする印刷システム。 - 印刷要求に基づく印刷をプリンタに実行させるサーバ装置に印刷要求を行なうクライアント装置であって、
前記プリンタの状態を示すステータスコードと、前記ステータスコードが前記プリンタ でエラーが発生したことを示している場合に、その起因となった印刷を要求したクライアント装置の識別子が設定されるクライアント情報とを含むステータス情報を前記サーバ装置から取得するステータス情報取得手段と、
前記プリンタで発生したエラーが自クライアント装置が要求した印刷に起因するものでない場合にエラー表示を行なうか否かの設定を受け付けるエラー表示設定受け付け手段と、
前記取得したステータス情報のステータスコードが、前記プリンタでエラーが発生したことを示している場合に、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されているときには、ステータスコードに応じたエラー表示を行ない、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されていないときには、前記エラー表示設定受け付け手段がエラー表示を行なう設定を受け付けている場合に限りステータスコードに応じたエラー表示を行なうエラー表示手段とを備えることを特徴とするクライアント装置。 - 印刷要求に基づく印刷をプリンタに実行させるサーバ装置に印刷要求を行なうクライアント装置としてコンピュータを機能させるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記プログラムは、
前記プリンタの状態を示すステータスコードと、前記ステータスコードが前記プリンタでエラーが発生したことを示している場合に、その起因となった印刷を要求したクライアント装置の識別子が設定されるクライアント情報とを含むステータス情報を前記サーバ装置から取得するステータス情報取得手段と、
前記プリンタで発生したエラーが自クライアント装置が要求した印刷に起因するものでない場合にエラー表示を行なうか否かの設定を受け付けるエラー表示設定受け付け手段と、
前記取得したステータス情報のステータスコードが、前記プリンタでエラーが発生したことを示している場合に、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されているときには、ステータスコードに応じたエラー表示を行ない、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されていないときには、前記エラー表示設定受け付け手段がエラー表示を行なう設定を受け付けている場合に限りステータスコードに応じたエラー表示を行なうエラー表示手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする記録媒体。 - 請求項８に記載の記録媒体であって、
前記プログラムがコンピュータに機能させる前記エラー表示手段は、
前記エラー表示設定受け付け手段がエラー表示を行なう設定を受け付けている場合に、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されているときと、自クライアント装置が設定されていないときとで、エラー表示の内容を異ならせることを特徴とする記録媒体。 - 請求項９に記載の記録媒体であって、
前記プログラムがコンピュータに機能させる前記エラー表示手段は、
前記エラー表示設定受け付け手段がエラー表示を行なう設定を受け付けている場合に、
前記取得したステータス情報のクライアント情報に自クライアント装置が設定されていいないときは、エラー表示の内容に、前記取得したステータス情報のクライアント情報に設定されているクライアント装置を示す情報を含めることを特徴とする記録媒体。
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