JP4130502B2 - 油圧式緩衝器用油圧管連結装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の油圧式緩衝器と油圧装置とを接続する油通路を分断・連通可能に接続する油圧式緩衝器用油圧管連結装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の油圧管連結装置としては、例えば特開平9−95119号公報に開示されたものがある。この公報に示された油圧管連結装置は、自動車の車体に対をなすように設けた油圧式緩衝器と、これらの油圧式緩衝器を制御する油圧装置との間の油通路を分断・連通する構造を採っている。詳述すると、二つの油圧式緩衝器に緩衝器側の弁をそれぞれ接続するとともに、油圧装置に油圧装置側の弁を二つ接続し、二組の緩衝器側の弁と油圧装置側の弁とをそれぞれ着脱可能に接続している。
【0003】
緩衝器側の弁と油圧装置側の弁は、ハウジングにこれを貫通するように油通路を形成し、ハウジングに螺着させたねじ式の弁体で前記油通路を開閉する構造を採っている。前記ハウジングは、他方の弁のハウジングを組合わせて連結用ボルトで締結させることによって、前記油通路が他方の弁の油通路に連通するように形成している。
【0004】
すなわち、前記両弁を閉状態にすることによって、緩衝器および油圧装置の油圧系をそれぞれ密閉された状態に保つことができるから、油圧式緩衝器と油圧装置とを互いに接続する以前にこれらに個別に作動油を充填し、性能試験、調整作業などを実施することができる。性能試験や調整などを行い、緩衝器および油圧装置を車体に取付けた後に、前記両弁どうしを結合させて両弁を開けることによって、緩衝器側の油通路と油圧装置側の油通路とが連通し、これら両油圧機器が使用可能になる。
【0005】
従来の油圧管連結装置は、例えば車体左側の油圧式緩衝器と油圧装置との間と、この油圧装置と車体右側の油圧式緩衝器との間にそれぞれ介装している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上述したように構成した従来の油圧管連結装置は、緩衝器側の弁と油圧装置側の弁とを互いに接続する作業や、これら両弁を分断させる作業の作業性が低いという問題があった。これは、車体右側の油圧式緩衝器と車体左側の油圧式緩衝器を一つの油圧装置に接続する構造を採る場合には、車体右側の油圧式緩衝器と油圧装置とを車体右側の油圧管連結装置によって接続するとともに、車体左側の油圧式緩衝器と前記油圧装置とを車体左側の油圧管連結装置によって接続しなければならず、緩衝器側の弁と油圧装置側の弁とからなる弁組立体が車幅方向の二箇所に配置されてしまうからである。
【0007】
すなわち、緩衝器側の弁と油圧装置側の弁の接続あるいは分断作業を車体右側と車体左側の二箇所でそれぞれ実施しなければならないから、上述したように作業性が低くなってしまう。
【0008】
また、前記弁組立体が油圧式緩衝器と油圧装置との間に位置する場合には、この弁組立体を車体に固定用ブラケットによって固定しなければならず、この固定作業の分だけ組付作業の工数が増大し、コストアップになってしまう。前記固定用ブラケットは、弁組立体を車体に強固に固定しなければならないから、大型のものを使用しなければならない。固定用ブラケットが大型になると、その分だけ材料費が高くなる。しかも、このような大型の固定用ブラケットは、車体側の他の部材との干渉を避けるために必ずしも最適な位置、すなわち弁組立体を油圧機器(油圧式緩衝器や油圧装置)に接続するための油圧管が最短になるような位置に配置することができない場合があり、このような場合には、前記油圧管を必要以上に長く形成しなければならず、油圧管の材料費も高くなってしまう。
【0009】
本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、作業性を向上させるとともに材料費を低減させてコストダウンを図ることができる油圧式緩衝器用油圧管連結装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る油圧式緩衝器用油圧管連結装置は、油圧装置に一体的に設けた開閉弁からなる第1の弁と、車体に対をなすように設けた油圧式緩衝器にそれぞれ設けた油圧管と、この油圧管の先端部に設けた開閉弁からなる第2の弁とを備え、第2の弁を第1の弁に着脱可能に接続し、これら両弁が開いた状態で油圧式緩衝器と油圧装置とが連通する構造としたものである。
【0011】
本発明によれば、複数の第2の弁を第1の弁に着脱させる作業を一箇所で行うことができる。
第1の弁は油圧装置に直接支持され、第2の弁は第1の弁に接続することによって第1の弁を介して前記油圧装置に支持される。車体に固定するのは第2の弁を油圧式緩衝器に接続する油圧管だけでよい。
従来のものに較べて第1の弁のハウジングが不要になるとともに、第1の弁を油圧装置に接続する油圧管が不要になる。
【0012】
請求項2に記載した発明に係る油圧式緩衝器用油圧管連結装置は、上述した発明に係る油圧式緩衝器用油圧管連結装置において、第1および第2の弁の弁体を弁ハウジングの弁孔に螺着させたねじによって形成し、油圧装置の長手方向の一端部に前記第1の弁をその軸線方向が前記長手方向と略直交するように設けるとともに、第2の弁を前記第1の弁における前記長手方向の外端部にこれら両弁の弁体どうしが略平行になるように着脱可能に接続したものである。
【0013】
この発明によれば、第1の弁が開閉する油通路と、第2の弁が開閉する油通路とを油圧装置の軸線方向に沿わせて形成することができ、第1の弁と第2の弁とを接続する構造が簡単になる。
油圧装置の軸線方向の一端部で前記軸線方向とは略直交する方向に延在する壁に第1の弁が設けられ、この壁の外端部に第2の弁が固定されるから、第2の弁を取付けるための座を広く形成することができる。
【0014】
請求項3に記載した発明に係る油圧式緩衝器用油圧管連結装置は、請求項2記載の油圧式緩衝器用油圧管連結装置において、第1の弁の弁孔と第2の弁の弁孔とを開口方向が略同じ方向を指向するように形成したものである。
この発明によれば、第1の弁の開閉操作と第2の弁の開閉操作を同一方向から行うことができる。
【0015】
請求項4に記載した発明に係る油圧式緩衝器用油圧管連結装置は、請求項1記載の油圧式緩衝器用油圧管連結装置において、第2の弁を第1の弁に接続することによって両弁の弁体どうしが互いに押圧し合って開き、第2の弁を第1の弁から取外すことによって両弁体が閉じる構造としたものである。
この発明によれば、専ら弁体を開閉させる作業を実施することなく、第1および第2の弁の連結作業・分断作業によって弁体が自動的に開閉する。
【0017】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態
以下、本発明に係る油圧式緩衝器用油圧管連結装置の一実施の形態を図1ないし図7によって詳細に説明する。ここでは、自動車の前輪用懸架装置に用いる緩衝装置に本発明を適用する場合の形態について説明する。
【0018】
図1はこの実施の形態による油圧式緩衝器用油圧管連結装置を備えた緩衝装置の構成を示す図で、同図(a)は油圧系全体を示す背面図、同図(b)は油圧式緩衝器の構成図である。図2は調圧装置の平面図、図3は調圧装置の側面図で、同図はシリンダ部分を破断して描いてある。破断位置は図2中にIII−III線によって示している。
【0019】
図4および図5は調圧装置上部の縦断面図で、図4は図2におけるIV−IV線断面図、図5は図2におけるV−V線断面図である。図6は第2の弁の横断面図で、同図は図3におけるVI−VI線断面図である。図7は第1の弁の横断面図で、同図は図3におけるVII−VII線断面図である。
【0020】
これらの図において、符号1は自動車の前輪用油圧式緩衝装置を示す。この緩衝装置1は、左右の前輪(図示せず)とともに車体に対して上下方向に移動する例えば前輪懸架用リンク(図示せず)と車体のシャーシ(図示せず)側との間にそれぞれ介装する左右一対の油圧式緩衝器2,2と、車体に固定する油圧装置としての調圧装置3と、この調圧装置3と前記油圧式緩衝器2,2とをそれぞれ接続する一対の油圧管連結装置4,5とから構成している。
図1においては、油圧式緩衝器2の圧縮コイルばねや前輪用懸架装置の他の部材は省略している。
【0021】
前記左右の油圧式緩衝器2,2は、同一の構造を採り、図1(b)に示すように、作動油で満たされたシリンダ6内をピストン7によって上部油室8と下部油室9とに画成し、このピストン7に前記両油室8,9どうしを連通する絞り付き連通路10を設けている。
【0022】
前記調圧装置3は、図3に示すように、下部シリンダ11および上部シリンダ12からなるシリンダ13内にフリーピストン14を嵌挿してシリンダ13内を高圧ガス室15と油室とに画成し、この油室を、前記フリーピストン14と一体的に設けた副ピストン16によって右側油圧系用油室17と左側油圧系油室18とに画成する構造を採っている。前記副ピストン16は、前記両油室17,18どうしを連通する絞り付き連通路19を設けている。前記油室17と油室18は、フリーピストン14とともに副ピストン16が移動したときには容積が等しく増減するように形成している。
【0023】
前記右側油圧系用油室17に車体右側の油圧管連結装置4を介して車体右側の油圧式緩衝器2の前記下部油室9を連通させ、前記左側油圧系用油室18に車体左側の油圧管連結装置5を介して車体左側の油圧式緩衝器2の下部油室9を連通させている。図1(a)は車体の後方から見た状態で描いてあり、同図において右側が車体右側になっている。
【0024】
前記油圧管連結装置4,5は、図4〜図7に示すように、前記調圧装置3に一体的に設けた右側油圧管連結装置用の第1の弁21、左側油圧管連結装置用の第1の弁22と、緩衝器に設けた可撓性を有する耐圧ホースからなる右側油圧管連結装置用の油圧管23、左側油圧管連結装置用の油圧管24と、これらの油圧管23,24の先端部に設けた右側油圧管連結装置用の第2の弁25、左側油圧管連結装置用の第2の弁26とで構成している。
【0025】
前記第2の弁25,26は、前記第1の弁21,22に上下方向に沿って着脱できるように形成し、第1の弁21,22に第2の弁25,26を取付けてこれら両弁を開けることによって、右側緩衝器2の下部油室9と調圧装置3の右側油圧系用油室17とが連通し、左側緩衝器2の下部油室9と調圧装置3の左側油圧系用油室18とが連通する構造を採っている。
【0026】
このように構成した油圧式緩衝装置1は、油圧管連結装置4,5の前記両弁を接続状態として開き、油圧系全体に作動油を充填した状態で、左右の油圧式緩衝器2,2が同方向に作動するときには、各油圧式緩衝器2の絞り付き連通路10のみで減衰力が生じる。また、左右の油圧式緩衝器2,2が互いに異なる方向へ作動したときには、副ピストン16の絞り付き連通路19で生じた減衰力が前記減衰力に加わる。このため、車体がピッチングあるいはバウンシングを起こすときには相対的に減衰力が小さく、車体がローリングを起こすときには相対的に減衰力が大きくなる。
【0027】
次に、上述した油圧管連結装置4,5の構成を図4〜図7によって更に詳細に説明する。なお、車体右側の油圧管連結装置4と車体左側の油圧管連結装置5は同じ構造を採っているので、ここでは車体右側の油圧管連結装置4について説明する。車体右側の油圧管連結装置4に用いる部材に付した符号は、そのまま車体左側の油圧管連結装置5を構成する部材に当てはまる。
【0028】
車体右側の油圧管連結装置4の第1の弁21は、図5および図7に示すように、調圧装置3のシリンダ13がハウジングを構成するように調圧装置3に一体的に設けている。この第1の弁21は、シリンダ13の軸線方向の一端部(図5においては上端部)で前記軸線方向とは略直交する方向に延在する壁13aに弁孔27を前記軸線方向とは略直交する方向に穿設し、この弁孔27にねじ式の弁体28を螺着させることによって形成している。この実施の形態では、車体右側の油圧管連結装置4用の第1の弁21と、車体左側の油圧管連結装置5用の第1の弁22とを横方向(シリンダ13の軸線方向とは直交する方向)に並べている。
【0029】
前記弁孔27は、シリンダ13内の前記右側油圧系油室17と第2の弁25とを連通する油通路29の一部を構成するように形成している。この油通路29は、概ね前記シリンダ13の軸線方向に沿って延びるように形成しており、弁孔27の最奥部まで弁体28を締込んだ状態で弁体28によって閉塞される構造を採っている。
【0030】
この油通路29における弁孔27と右側油圧系油室17との間の部位は、上部シリンダ12の周壁12aを貫通するように形成し、この油通路29における右側油圧系油室17とは反対側の端部は、シリンダ13の軸線方向の一端に開口している。この開口部には、第1の弁21に対して第2の弁25を位置決めするための連結管30を嵌合させている。図4および図5において連結管30の周囲に設けた符号31で示すものはシール部材である。
【0031】
一方、車体左側の油圧管連結装置5の第1の弁22においては、図4および図7に示すように、油通路29における弁孔27と左側油圧系油室18との間を、シリンダ13の軸心部の近傍でシリンダ13の軸線方向に沿って延びるように形成している。
【0032】
前記弁体28は、一端部にねじを形成するとともに、他端部にテーパー面からなるシート面32を形成し、弁孔27の最奥部まで締込むことによって弁孔27を閉塞する構造を採っている。弁体28の前記一端部には、六角レンチ(図示せず)を嵌合させるための六角穴28aを形成し、弁体28の途中には、弁体28と弁孔27の孔壁面との間をシールするためのシール部材33を装着している。
【0033】
この実施の形態では、弁体28がシリンダ13から抜け出るのを阻止するために、シリンダ13にリング34を弁孔27が閉塞されるように嵌合させ、固定用ボルト35(図3参照)によって固定している。このリング34における弁孔27と対応する部分には、前記六角レンチを挿入するための穴34aを形成している。この穴34aは、雨水や塵埃などの異物が浸入するのを阻止するためにゴム製のキャップ36を着脱自在に取付けている。
【0034】
このように構成した第1の弁21は、図示したように弁体28を弁孔27の最奥部まで締込むことにより閉状態になって油通路29が閉塞され、弁体28を図示した位置から緩めることによって、開状態になって右側油圧系油室17と連結管30とが油通路29を介して連通するようになる。
【0035】
車体右側の油圧管連結装置4の第2の弁25は、図5および図6に示すように、ハウジング37に穿設した弁孔38にねじ式の弁体39を螺着させた構造を採り、前記第1の弁21におけるシリンダ13の軸線方向の外端部に弁体28,39どうしが平行になるように着脱可能に接続している。
【0036】
この実施の形態では、第1の弁21の弁孔27と第2の弁25の弁孔38の開口方向が同じ方向を指向するように第2の弁25を取付けている。車体左側の油圧管連結装置5も、第1の弁22の弁孔27と第2の弁26の弁孔38の開口方向が同じ方向を指向するように第2の弁26を取付けている。すなわち、計四つの弁孔27,38が同一方向を指向するように開口している。
【0037】
第2の弁25の前記弁孔38は、第1の弁21の連結管30からハウジング側部の管継手40まで延びる油通路41の一部を構成するように形成している。前記管継手40に前記油圧管23の先端部を接続している。
【0038】
前記弁体39は、第1の弁21の弁体28と同じ構造を採っている。先端部のシート面を符号42で示し、六角穴を符号43で示し、Oリングを符号44で示す。第2の弁25の弁体39がハウジング37から抜け出るのを阻止するためには、この実施の形態では、弁孔38の開口端部に装着したサークリップ45とリング46とによって行っている。弁孔38の開口端には、ゴム製のキャップ47を着脱自在に取付けている。
【0039】
第2の弁25の第1の弁21(シリンダ13)への固定は、図2および図4,5中に符号48で示す押圧板と2本の固定用ボルト49でハウジング37を第1の弁21(シリンダ13)に締結させることによって行っている。この実施の形態では、右側油圧管連結装置4の第2の弁25と、左側油圧管連結装置5の第2の弁26とを一枚の押圧板48で固定している。
【0040】
この第2の弁25によれば、図示したように弁体39を弁孔38の最奥部まで締込むことにより閉状態になって油通路41が閉塞され、弁体39を図示した位置から緩めることによって、開状態になって連結管30内の通路と管継手40内の通路とが油通路41を介して連通する。
【0041】
このように構成した油圧管連結装置4,5を備えた緩衝装置1を車体に組み付けるためには、先ず、車体の組立てラインとは別のラインで油圧式緩衝器2,2、調圧装置3をそれぞれ組立てる。このとき、調圧装置3に左右の油圧管連結装置4,5の第1の弁21,22をそれぞれ組付けるとともに、左右の油圧式緩衝器2に油圧管23,24を介して油圧管連結装置4,5の第2の弁25,26をそれぞれ接続する。
【0042】
次に、左右の油圧管連結装置4,5の第2の弁25,26を第1の弁21,22にそれぞれ取付ける。その後、全ての弁体28,39を開位置に移動させ、油圧系に作動油を注入する。弁体28,39を開けるためには、弁孔27,38からキャップ36,47を取外した状態で弁孔27,38に六角レンチを挿入し、この六角レンチを弁体28,39の六角穴28a,43に嵌合させて回転させることによって行う。この操作は、弁孔27,38が開口する方向が一方向であるから、計4個の弁体28,39に対して同じ方向から行うことができる。
作動油を充填した後、従来通りの手法により油圧式緩衝器2の性能検査・減衰力調整を行う。
【0043】
検査・減衰力調整が終了した後、全ての弁体28,39を全閉状態とする。このとき、第2の弁25,26の弁体39を先に締込んで閉状態とし、次に第1の弁21,22の弁体28を締込んで閉状態とする。この順に弁体28,39を締付けることにより、弁体28,39が突出することによって弁孔27,38から押出される作動油を調圧装置3側へ流すことができる。
【0044】
その後、第2の弁25,26を第1の弁21,22から分離させる。このように分離作業を実施することにより、油圧系が油圧式緩衝器2側と調圧装置3側とに作動油を充填した状態で分離される。そして、油圧式緩衝器2と油圧管23,24および第2の弁25,26からなる組立体と、調圧装置3および第1の弁21,22とからなる組立体とを車体の組立てラインで個別に車体に取付ける。このときには、油圧式緩衝装置2、調圧装置3を車体に固定するとともに、油圧管23,24の途中を図1中に符号50で示すブラケットによって車体に固定する。
【0045】
そして、第2の弁25,26を調圧装置3側の第1の弁21,22に再度結合させ、全ての弁体28,39を開状態にする。このように弁体28,39を開けると、作動油は調圧装置3の高圧ガス室15の圧力によって押圧されていることから、作動油が弁孔内における弁体が退去した部分に流れ込んでここを満たす。
【0046】
このため、この油圧管連結装置4,5を使用することにより、油圧式緩衝器2に調圧装置3を接続して作動油の充填、性能検査・減衰力調整作業を行った状態を維持しながら、これらの油圧機器を個々に車体に組み付けることができる。
なお、作動油の充填、性能検査・減衰力調整は、調圧装置3に第1の弁21,22を組込むとともに、油圧式緩衝器2に油圧管23,24を介して第2の弁25,26を接続した状態、すなわち、調圧装置3と油圧式緩衝器2が分断されている状態で行うこともできる。この場合には、調圧装置3と油圧式緩衝器2のそれぞれに対して作動油を充填し、性能検査・減衰力調整を実施した後に、油圧式緩衝器2および調圧装置3を車体に組付け、しかる後に第2の弁25,26を第1の弁21,22に接続する。
【0047】
したがって、上述したように構成した油圧管連結装置4,5は、第1の弁21,22を調圧装置3に一体的に設けているから、車体右側の油圧管連結装置4の第2の弁25と、車体左側の油圧管連結装置5の第2の弁26を第1の弁21,22に対して着脱させる作業を調圧装置3の位置、すなわち一箇所で行うことができ、作業性を高くすることができる。
【0048】
また、第1の弁21,22は調圧装置3に直接支持され、第2の弁25,26は第1の弁21,22に接続することによって第1の弁21,22を介して前記調圧装置3に支持されるから、従来に較べてこれら両弁を車体に固定する作業が不要になる。
【0049】
さらに、第1の弁21,22と第2の弁25,26とを車体に固定するためのブラケットが不要になるとともに、車体に固定するのは第2の弁25,26を油圧式緩衝器2に接続する油圧管23,24だけでよいから、この油圧管連結装置4,5を使用するために用いるブラケットは、前記油圧管23,24を支えるための相対的に小さな油圧管用ブラケット50のみになる。
さらにまた、従来に較べて第1の弁21,22のハウジングが不要になるとともに、第1の弁21,22を調圧装置3に接続する油圧管が不要になるから、部品数を低減することができる。
【0050】
この油圧管連結装置4,5は、第1の弁21,22が開閉する油通路29と、第2の弁25,26が開閉する油通路41とを概ね調圧装置3の軸線方向に沿わせて形成することができるから、第1の弁21,22と第2の弁25,26とを接続する構造が簡単になる。
【0051】
調圧装置3の軸線方向の一端部で前記軸線方向とは略直交する方向に延在する壁13aに第1の弁21,22を設け、この壁13aの外端部に第2の弁25,26を固定しているから、第2の弁25,26を取付けるための座を広く形成することができる。このため、第2の弁25,26を強固に第1の弁に取付けることができる。
【0052】
さらに、この実施の形態による油圧管連結装置4,5は、第1の弁21,22の開閉操作と第2の弁25,26の開閉操作を同一方向から行うことができる。なお、車体右側の油圧管連結装置4の弁孔27,38と、車体左側の油圧管連結装置5の弁孔27,38は、開口方向が互いに反対方向を指向するように形成することもできる。この構造を採る場合には、車体右側の油圧管連結装置4の第1の弁21と第2の弁25とを同一方向から操作することができ、車体左側の油圧管連結装置5の第1の弁22と第2の弁26とを同一方向から操作することができる。上述した実施の形態で示したように計四箇所の弁孔27,38の開口方向を同一方向とする場合には、4個の弁21,22,25,26の開閉作業を同一方向から行うことができ、より一層開閉操作が簡単である。
【0053】
この実施の形態では油圧管23,24を第2の弁25,26に接続するために管継手40を使用した例を示したが、図8に示すように、油圧管23,24の先端部に接続部材51をかしめによって固定し、この接続部材51をハウジング37にねじ込むことによって油圧管23,24を第2の弁25,26に接続する構造を採ることもできる。
【0054】
さらに、この実施の形態では調圧装置3のシリンダ13を下部シリンダ11と上部シリンダ12とに分割して形成した例を示したが、これら両シリンダ11,12は一体に形成することもできる。
【0055】
第2の実施の形態
請求項4に記載した発明に係る油圧式緩衝器用油圧管連結装置の一実施の形態を図9ないし図15によって詳細に説明する。
図9はこの実施の形態による油圧式緩衝器用油圧管連結装置を備えた緩衝装置の構成を示す図で、同図(a)は油圧系全体を示す背面図、同図(b)は油圧式緩衝器の構成図である。図10は調圧装置の平面図、図11は調圧装置の側面図で、同図はシリンダ部分を破断して描いてある。破断位置は図10中にXI−XI線によって示している。
【0056】
図12および図13は調圧装置上部の縦断面図で、図12は図10におけるXII−XII線断面図、図13は図10におけるXIII−XIII線断面図である。図14は弁体が閉じるまで第2の弁のねじ部材を緩めた状態を示す断面図、図15は第2の弁を第1の弁から取外した状態を示す断面図である。これらの図において、前記図1ないし図8で説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0057】
この実施の形態による油圧管連結装置4,5は、図9および図10に示すように、調圧装置3に一体的に設けた右側油圧管連結装置4用の第1の弁61、左側油圧管連結装置5用の第1の弁62と、油圧式緩衝器2に設けた可撓性を有する耐圧ホースからなる右側油圧管連結装置4用の油圧管63、左側油圧管連結装置5用の油圧管64と、これらの油圧管63,64の先端部に設けた右側油圧管連結装置4用の第2の弁65、左側油圧管連結装置5用の第2の弁66とから構成している。
なお、車体右側の油圧管連結装置4と車体左側の油圧管連結装置5は同じ構造を採っているので、ここでは車体右側の油圧管連結装置4について説明する。車体右側の油圧管連結装置4に用いる部材に付した符号は、そのまま車体左側の油圧管連結装置5を構成する部材に当てはまる。
【0058】
車体右側の油圧管連結装置4の第1の弁61は、図13ないし図15に示すように、調圧装置3のシリンダ13がハウジングを構成するように調圧装置3に一体的に設けている。
この第1の弁61は、前記シリンダ13の軸線方向の一端部(図13においては上端部)で前記軸線方向とは略直交する方向に延在する壁13aに弁孔67を前記軸線方向とは略直交する方向に穿設するとともに、この弁孔67に支持部材68を介して柱状の弁体69を移動自在に装着することによって形成している。
【0059】
前記弁孔67は、図13において右側に位置する一端部に雌ねじ70を形成するとともに、他端部に栓部材71を螺着させ、中途部分に前記支持部材68を保持させている。また、この弁孔67は、前記支持部材68と、図において符号72で示す弁座との間に油通路73によってシリンダ13内の右側油圧系油室17を接続している。弁座72と雌ねじ70との間には、後述する第2の弁65のハウジングを嵌合させるための嵌合部67aを形成している。
【0060】
車体左側の油圧管連結装置5の第1の弁62においては、図10に示すように弁孔67を車体右側の油圧管連結装置4の弁孔67とは左右方向に対称になるように形成し、図10および図12に示すように、弁孔67と左側油圧系油室18(図11参照)との間に横方向に延びる連通路74を形成し、この連通路74と、上部シリンダ12の周壁12aにここを貫通するように形成した二つの油通路75とを介して弁孔67を左側油圧系油室18に接続している。
【0061】
前記弁体69は、図13〜図15において左側に位置する段付きの円柱からなる弁軸76と、前記弁座72に当接するシール部材77を保持する円錐78と、後述する第2の弁65の弁体を押圧する円柱からなる押圧片79とをこの順に並ぶように一体に形成し、前記弁軸76の小径部76aを前記支持部材68に貫通させ、この支持部材68を介して弁孔67の軸心部に軸線方向へ移動自在に支持させている。また、この弁体69は、前記支持部材68と前記円錐78の底面との間に弾装した圧縮コイルばね80によって閉じる方向(図13〜図15において右方向)に付勢されている。
【0062】
前記支持部材68は、前記弁軸76の小径部76aが移動自在に嵌合する板部68aと、この板部68aを弁孔67の内壁に支持させる3本の脚部68bと、これらの脚部68bどうしの間から突出する3本のばね受け68cとを一体に形成し、弁孔67内を仕切ることなく弁体69を支持できる構造を採っている。また、この支持部材68には、弁体69を移動自在に支持する機能の他に、弁体69の移動量を規制する機能をも持たせている。
【0063】
すなわち、弁体69が図14,15に示す全閉位置から同図において左側に移動して開くときに、前記弁軸76の小径部76aと大径部76bとの境界になる端面76c(図14,15参照)が板部68aに当接することによって弁体69の移動が規制される構造を採っている。
【0064】
車体右側の油圧管連結装置4の第2の弁65は、図13〜図15に示すように、円筒状のハウジング81と、このハウジング81の中空部に形成した内部油通路82を開閉する弁体83と、この第2の弁65を第1の弁61(調圧装置3のシリンダ13)に締結させるためのねじ部材84などから構成している。
【0065】
前記ハウジング81は、図13〜図15において右側に位置する一端部にかしめ式の接続部材85を介して油圧管63の先端部を接続し、他端部に、前記第1の弁61の弁孔67における前記嵌合部67aに嵌合する相対的に径が小さい円筒86を一体に形成している。このハウジング81の外周部にねじ部材84を回転自在に取付けている。
【0066】
ねじ部材84は、前記第1の弁61の雌ねじ70に螺着する雄ねじ87を先端部に形成し、ハウジング81の外周部に突設したストッパー81aによって締込み方向への移動が阻止されている。
【0067】
ハウジング81の先端部に形成した前記円筒86は、先端側の外周部にこの円筒86と第1の弁61の弁孔67との間をシールするためのOリング88を装着している。
ハウジング81における前記円筒86の基部になる部分には、第1の弁61と対向する平坦面からなるストッパー面89を形成している。なお、このストッパー面89は、前記円筒86の先端面によって形成することもできる。
【0068】
第2の弁65の弁体83は、第1の弁61の弁体69と構造が同一になるように形成し、第1の弁61に用いるものと同一構造の支持部材68によってハウジング81の軸心部に軸線方向へ移動自在に支持させるとともに、圧縮コイルばね90によって閉じる方向に付勢されている。この弁体83の弁軸を符号91で示し、弁軸91の小径部を91aで示し、大径部を91bで示し、小径部91aと大径部91bとの境界の端面を91c(図14,15参照)で示し、円錐を92で示し、押圧片を93で示し、シール部材を94で示す。また、第2の弁65に用いる支持部材68も第1の弁61の支持部材68と同様に、弁体83を支持する機能の他に弁体83の移動量を規制する機能をももたせている。
【0069】
このように構成した油圧管連結装置4,5を備えた緩衝装置1を車体に組み付けるためには、先ず、車体の組立てラインとは別のラインで油圧式緩衝器2,2、調圧装置3をそれぞれ組み立てる。このとき、調圧装置3に左右の油圧管連結装置4,5の第1の弁61,62をそれぞれ組付けるとともに、左右の油圧式緩衝器2に油圧管63,64を介して油圧管連結装置4,5の第2の弁65,66をそれぞれ接続する。
【0070】
次に、第1の弁61,62の雌ねじ70に第2の弁65,66のねじ部材84を螺合させて第1の弁61,62に第2の弁65,66を取付ける。ねじ部材84の締込みは、ねじ部材84の外周部に形成した工具係合部84a(図10参照)にスパナ(図示せず)を係合させ、ねじ部材84を回転させることによって行う。
【0071】
ねじ部材84を締込むことによって、第2の弁65,66のハウジング81が第1の弁61,62側に移動し、第1の弁61,62の弁孔67にハウジング81の円筒86が嵌入する。そして、さらにねじ部材84を締込むことにより、図14に示すように、第2の弁65,66の弁体83の押圧片93が第1の弁61,62の弁体69の押圧片79に当接し、両弁体69,83がそれぞれ圧縮コイルスプリング80,90によって弾持された状態でハウジング81が第1の弁61,62側に移動する。
【0072】
このため、両弁体69,83の円錐78,92どうしの間隔が変わることなくハウジング81が第1の弁61,62側に移動し、両弁体69,83が開くようになる。ハウジング81は、図13に示すように、前記ストッパー面89がシリンダ13の端面に当接するまで第1の弁61,62側に移動する。このようにストッパー面89がシリンダ13に当接するまでねじ部材84を締込むことによって、両弁体69,83が全開状態になる。
【0073】
ねじ部材84を締付けるときには図示していないトルクレンチを使用する。このトルクレンチの締付けトルク値は、予め定めた締結終了時(弁体全開時)の値に設定しておく。トルクレンチによる締付けが終了した後、ねじ部材84の端面84b(図12,13参照)とシリンダ13との間の寸法Dを計測する。ストッパー面89がシリンダ13に当接し、弁体69,83が全開状態になっている場合には、この寸法Dが予め定めた寸法に達するようになる。
【0074】
すなわち、ねじ部材84の締付けトルクとねじ部材84の締込量とを上述したように管理することによって、弁体69,83が必ず正常に開くように第1の弁61,62と第2の弁65,66とを連結することができる。
【0075】
調圧装置3側の二つの第1の弁61,62にそれぞれ油圧式緩衝器2側の第2の弁65,66を連結することによって、これらの油圧機器の油圧系が一端から他端まで連通する。この状態で油圧系に作動油を注入する。作動油を充填した後、従来通りの手法により油圧式緩衝器の性能検査・減衰力調整を行う。
【0076】
前記検査・減衰力調整が終了した後、二つの油圧管連結装置4,5の第2の弁65,66のねじ部材84を緩め、第1の弁61,62から第2の弁65,66を取外す。ねじ部材84を緩めることによって第2の弁65,66のハウジング81が第1の弁61,62から離間する方向に移動し、弁体69,83どうしが離間するようになり、図14に示すように、第1の弁61,62の弁孔67および第2の弁65,66のハウジング81内の内部油通路82を閉じる。弁体69,83が閉じて油圧系が分断された状態でねじ部材84が第1の弁61,62から外れる。
【0077】
図15に示すように、第1の弁61,62から第2の弁65,66を取外すことによって、油圧系が油圧式緩衝器2側と調圧装置3側とに作動油を充填した状態で分離される。そして、油圧式緩衝器2と油圧管63,64および第2の弁65,66からなる組立体と、調圧装置3と第1の弁61,62からなる組立体とを車体の組立てラインで個別に車体に取付ける。
【0078】
なお、作動油の充填、性能検査・減衰力調整は、調圧装置3に第1の弁61,62を組込むとともに、油圧式緩衝器2に油圧管63,64を介して第2の弁65,66を接続した状態、すなわち、調圧装置3と油圧式緩衝器2が分断されている状態で行うこともできる。この場合には、調圧装置3と油圧式緩衝器2のそれぞれに対して作動油を充填し、性能検査・減衰力調整を実施した後に、油圧式緩衝器2および調圧装置3を車体に組付け、しかる後に第2の弁65,66を第1の弁61,62に接続する。
【0079】
油圧式緩衝器2および調圧装置3を車体に取付けた後、油圧式緩衝器2側の油圧管63,64に接続した第2の弁65,66を調圧装置3側の第1の弁61,62に連結する。すなわち、第2の弁65,66のねじ部材84を第1の弁61,62の雌ねじに70螺着させ、注油前の接続手順と同じ手順によってねじ部材84を締付ける。このときには弁体69,83に油圧が作用しており、油圧に抗して弁体69,83を開かなければならない。
【0080】
油圧が作用する弁体69,83を簡単に開けることができるように、この油圧管連結装置4,5は、二つの弁体69,83どうしが互いに接触する以前にねじ部材84のねじ部の先端部分を雌ねじ70に螺合させることができるように形成している。すなわち、ねじ部材84を雌ねじ70に螺合させる作業を前記油圧とは無関係に実施することができ、雌ねじ70に螺合させたねじ部材84を更に締込むことによって、上述したように油圧が加えられている状態の弁体69,83を強制的に開くことができる。
また、この油圧管連結装置4,5は、両弁体69,83どうしが互いに接触する以前に、第2の弁65,66のOリング88によって第1および第2の弁の接続部分がシールされた状態になるように形成している。このため、上述したようにねじ部材84を締込んで弁体69,83が開いたときに作動油が漏洩することはない。
【0081】
この油圧管連結装置4,5は、油圧式緩衝器2側の油圧と調圧装置3側の油圧とが大きく異なり、二つの弁体69,83に加えられる油圧が大きく異なる場合でも、ねじ部材84を締込むことによって二つの弁体69,83が必ず全開になる。これは、弁体69,83が開くときの移動量が支持部材68によって規制され、弁軸76,91の小径部76a,91aと大径部76b,91bとの境界になる端面76c,91cが板部68aに当接した後はねじ部材84を締込むことによって他方の弁体が開くからである。
【0082】
この実施の形態で示したように油圧管連結装置4,5を形成しても上述した実施の形態を採るときと同等の効果を奏する。
また、この実施の形態による油圧管連結装置4,5は、第1の弁61,62と第2の弁65,66とを締結することによってこれら両者の弁体69,83が油圧に抗して開き、第1の弁61,62と第2の弁65,66とを分断することによって前記弁体69,83が閉じるから、専ら弁体を開閉させる作業を実施することなく、第1の弁61,62と第2の弁65,66との連結作業・分断作業によって弁体69,83が自動的に開閉する。このため、油圧式緩衝器2および調圧装置3を車体に組付けるときや、油圧式緩衝器2を交換するときの作業が簡単になる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数の第2の弁を第1の弁に着脱させる作業を一箇所で行うことができるから、作業性が高い油圧式緩衝器用油圧管連結装置を提供することができる。
また、第1の弁は油圧装置に直接支持され、第2の弁は第1の弁に接続することによって第1の弁を介して前記油圧装置に支持されるから、従来に較べてこれら両弁を車体に固定する作業が不要になり、組付工数が削減されてコストダウンを図ることができる。
【0084】
さらに、前記両弁を車体に固定するためのブラケットが不要になるとともに、車体に固定するのは第2の弁を油圧式緩衝器に接続する油圧管だけでよいから、本発明に係る油圧式緩衝器用油圧管連結装置を使用するために用いるブラケットは、前記油圧管を支えるための相対的に小さな油圧管用ブラケットのみになる。
【0085】
このため、ブラケットの小型化を図ることができ、ブラケット自体の材料費を低減できるばかりか、このブラケットを他の部材との干渉を避けながら最適な位置に配置し、前記油圧管の管長を最短にすることができるから、コストを低減することができる。
加えて、従来に較べて第1の弁のハウジングが不要になるとともに、第1の弁を油圧装置に接続する油圧管が不要になるから、部品数を低減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0086】
請求項2記載の発明によれば、第1の弁が開閉する油通路と、第2の弁が開閉する油通路とを油圧装置の軸線方向に沿わせて形成することができ、第1の弁と第2の弁とを接続する構造が簡単になる。
【0087】
このため、第1の弁および第2の弁を油圧装置の軸線方向の一端部にコンパクトに設けることができる。
【0088】
また、油圧装置の軸線方向の一端部で前記軸線方向とは略直交する方向に延在する壁に第1の弁が設けられ、この壁の外端部に第2の弁が固定されるから、第2の弁を取付けるための座を広く形成することができる。
このため、第2の弁を強固に第1の弁に取付けることができる。
【0089】
請求項3記載の発明によれば、第1の弁の開閉操作と第2の弁の開閉操作を同一方向から行うことができるから、両弁の開閉作業が簡単になる。
【0090】
請求項4記載の発明によれば、専ら弁体を開閉させる作業を実施することなく、第1および第2の弁の連結作業・分断作業によって弁体が自動的に開閉する。
このため、第1の弁に対して第2の弁を簡単に着脱することができ、作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 油圧式緩衝器用油圧管連結装置を備えた緩衝装置の構成を示す図である。
【図2】 調圧装置の平面図である。
【図3】 調圧装置の側面図である。
【図4】 図2におけるIV−IV線断面図である。
【図5】 図2におけるV−V線断面図である。
【図6】 第2の弁の横断面図である。
【図7】 第1の弁の横断面図である。
【図8】 油圧管接続部の他の実施の形態を示す断面図である。
【図9】 油圧式緩衝器用油圧管連結装置を備えた緩衝装置の構成を示す図である。
【図10】 調圧装置の平面図である。
【図11】 調圧装置の側面図である。
【図12】 図10におけるXII−XII線断面図である。
【図13】 図10におけるXIII−XIII線断面図である。
【図14】 弁体が閉じるまで第2の弁のねじ部材を緩めた状態を示す断面図である。
【図15】 第2の弁を第1の弁から取外した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
2…油圧式緩衝器、3…調圧装置、4,5…油圧管連結装置、21,22,61,62…第1の弁、23,24,63,64…油圧管、25,26,65,66…第2の弁、27,38…弁孔、28,39,69,83…弁体。
Claims (4)
- 車体に対をなすように設けた油圧式緩衝器にこれらの油圧式緩衝器とは別体の油圧装置を接続する油圧系に介装してこの油圧系の油通路を分断・連通する油圧式緩衝器用油圧管連結装置であって、前記油圧装置に一体的に設けた開閉弁からなる第1の弁と、油圧式緩衝器に設けた油圧管と、この油圧管の先端部に設けた開閉弁からなる第2の弁とを備え、この第2の弁を前記第1の弁に着脱可能に接続し、これら両弁が開いた状態で油圧式緩衝器と油圧装置とが互いに連通する構造としたことを特徴とする油圧式緩衝器用油圧管連結装置。
- 請求項1記載の油圧式緩衝器用油圧管連結装置において、第1および第2の弁の弁体を弁ハウジングの弁孔に螺着させたねじによって形成し、油圧装置の長手方向の一端部に前記第1の弁をその軸線方向が前記長手方向と略直交するように設けるとともに、第2の弁を前記第1の弁における前記長手方向の外端部にこれら両弁の弁体どうしが略平行になるように着脱可能に接続したことを特徴とする油圧式緩衝器用油圧管連結装置。
- 請求項2記載の油圧式緩衝器用油圧管連結装置において、第1の弁の弁孔と第2の弁の弁孔とを開口方向が略同じ方向を指向するように形成したことを特徴とする油圧式緩衝器用油圧管連結装置。
- 請求項1記載の油圧式緩衝器用油圧管連結装置において、第2の弁を第1の弁に接続することによって両弁の弁体どうしが互いに押圧し合って開き、第2の弁を第1の弁から取外すことによって両弁体が閉じる構造としたことを特徴とする油圧式緩衝器用油圧管連結装置。
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