JPH0422113Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両の車体を支持するために用いる油
空圧サスペンシヨン装置に関するものである。

［従来の技術］ 油空圧サスペンシヨン装置は、ばね定数をソフ
トからハードまで調整してソフトの減衰力、ハー
ドの減衰力が得られるようにするため、第２図に
示す如く、サスペンシヨンシリンダ１の圧力室を
Ａ室とＢ室に区画するピストン２に中空のピスト
ンロツド３を貫通させ、該ピストンロツド３内
を、N₂ガスを封入したガス室６を有する２つの
アキユムレータ４，５に並列に接続すると共に、
両アキユムレータ４，５間の配管７途中にばね定
数切換バルブ８を設置し、且つ上記ピストンロツ
ド３内とアキユムレータ４，５を接続するライン
途中に減衰力バルブ９を設けた構成としてある。

上記油空圧サスペンシヨン装置において、ばね
定数切換バルブ８を消磁させると、図示の如くア
キユムレータ４，５がともにサスペンシヨンシリ
ンダ１と連通してばね定数はソフトになり、この
ソフト時は、サスペンシヨンシリンダ１の作動時
にアキユムレータ４と５の各ガス室６がクツシヨ
ン作用して第３図に示す曲線の如きソフトの減
衰力特性が得られる。一方、ばね定数切換バルブ
８を激磁させると、アキユムレータ５とサスペン
シヨンシリンダ１とを連通する通路が遮断されて
アキユムレータ４のみとなり、ばね定数はハード
になる。このハード時は、サスペンシヨンシリン
ダ１の内圧をアキユムレータ４のガス室６のみで
受けることになるので、第３図に示す曲線の如
きハードの減衰特性が得られるようになる。した
がつて、特に、ばね定数ハード時には最圧縮スト
ローク近くで過大な内圧となる。

又、上記従来の油空圧サスペンシヨン装置で
は、アキユムレータ４，５内のガスが浸透洩れ等
にて洩れると、同じ内圧になるためには、ガス室
６が小さくなるため、この体積減少によりばね定
数アツプも発生するおそれがあり、ガス室６のク
ツシヨン性が欠けるおそれがある。

上記のように油空圧サスペンシヨン装置におい
て、特に、ばね定数ハード時サスペンシヨンシリ
ンダ１のストロークによりサスペンシヨン装置の
内圧が過大となると、破損のおそれがあるため、
その対策として、従来では、各機器の耐圧強度を
高めて破損防止を図ることも行われたが、重量面
で不利となるため、一般的には、図示の如く、回
路内にリリーフバルブ１０又は１１を設置し、リ
リーフバルブ１０又は１１を或る設定値にしてお
くことにより回路内圧がその設定値に達すると、
回路内の圧油をタンク１２に戻し、第４図に示す
曲線の如く内圧が高くなり過ぎるのを防止する
ようにしている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、リリーフバルブ１０又は１１を回路
に接続する従来の方式では、油をタンク１２へ戻
すための配管が必要である上に、リリーフバルブ
を設定するためのスペースも必要となつている。

そこで、本考案は、リリーフバルブより油をタ
ンクへ戻すための配管を不要とすると共に、リリ
ーフバルブを設定するためのスペースを従来のよ
うに必要としないようにした油空圧サスペンシヨ
ン装置を提供しようとするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、上記目的を達成するために、ガス室
を有するアキユムレータと、ピストンロツドのメ
インシール部からの洩れ油をタンクに回収するた
めの漏油回収路を有する複筒式サスペンシヨンシ
リンダとを備えた油空圧サスペンシヨン装置にお
いて、上記複筒式サスペンシヨンシリンダのロア
キヤツプ内に、シリンダ内の圧油を外側の漏油回
収路へ流すリリーフバルブを設定した構成とす
る。

［作用］ ばね定数がハードのときはサスペンシヨンシリ
ンダ内とアキユムレータとの間の回路の内圧が高
くなるが、このとき、サスペンシヨンシリンダ内
のキヤツプ部に設定されたリリーフバルブより圧
油が漏油回収路へ流れてタンクへ戻される。この
圧油が戻されるタンクは、複筒式サスペンシヨン
シリンダ用として備えられているものであり、リ
リーフバルブ用としてはタンクが不要であり、
又、サスペンシヨンシリンダ内にリリーフバルブ
を設定することからスペースも省略できる。

［実施例］ 以下、図面に基づき本考案の実施例を説明す
る。

第１図に示す如く、各々N₂ガスを封入したガ
ス室６を有する２つのアキユムレータ４と５をサ
スオペンシヨンシリンダ１内と連通させ、且つ２
つのアキユムレータ４と５の間の通路に、ばね定
数切換バルブ８を設けて、ばね定数をソフトとハ
ードに切り換えられるようにした構成の油空圧サ
スペンシヨン装置において、上記油空圧サスペン
シヨン装置に用いられるサスオペンシヨンシリン
ダ１は、通常、第１図に示す如く、外胴１ａ内に
内胴１ｂを同心状に配した複筒式であり、且つ中
空のピストンロツド３内を通して内胴１ｂ内がア
キユムレータ４，５に連通するようにして、内胴
１ｂを軸受部１３とロアキヤツプ１４にＯリング
１５，１６にて密封してあり、又、ピストンロツ
ド３は、メインシール１７にて動圧をカツトして
いるが、フリクシヨン低減のため、微小な油にじ
めを発生させるようにして、にじめ出た油が室Ａ
から軸受部１３のポート１８を通つて内胴１ｂと
外胴１ａとの間の室Ｃに流れ込み、外胴１ａに取
り付けたプラグ１９より漏油回収路２０を通つて
タンク２１へ回収されるようにしてある。

本考案は、上記のようにフリクシヨン低減のた
めに予め用意されている複筒式サスペンシヨンシ
リンダ１の漏油回収路２０を利用して油空圧サス
ペンシヨン装置の内圧をタンク２１に逃がすよう
にしようとする点に特徴があり、そのために、ロ
アキヤツプ１４を軸方向に貫通させて、ここにリ
リーフバルブ２２を設定すると共に、ロアキヤツ
プ１４の下面にリリーフバルブ２２部と室Ｃとを
連通させる溝２３を設け、上記リリーフバルブ２
２の設定圧は、スプリング２４の強さにより設定
して実施する。設定圧を超える内圧が発生したと
きは、内胴１ｂ内の油をリリーフバルブ２２より
溝２３を通して室Ｃに流出させ、前記した漏油回
収用のプラグ１９から漏油回収路２０を経てタン
ク２１へ回収させる。これにより油空圧サスペン
シヨン装置の内圧が過大となつても、ルルーフバ
ルブ２２より既存の油回収設備を利用して油を逃
がすことができて、リリーフバルブ２２のための
タンクや配管を別途設けることなく内圧の過大を
防止できる。

上記リリーフバルブ２２によると、圧油の給排
によるアクテイブ制御を行う場合でも、制御系の
不良等により供給流量が大となり圧力の過大なア
ツプによる異常作動や機器の破損も防止できる。

［考案の効果］ 以上述べた如く、本考案の油空圧サスペンシヨ
ン装置によれば、複筒式サスペンシヨンシリンダ
のキヤツプ内にリリーフバルブを設定し、ピスト
ンロツドのメインシール部からの洩れ油を回収す
るために設けられている漏油回収路に上記リリー
フバルブを連通させ、内圧がリリーフバルブの設
定値になるとリリーフバルブより油が漏油回収路
を通つてタンクへ回収されるようにしたので、リ
リーフバルブからタンクへ戻すための配管を新た
に設ける必要がなく、しかもリリーフバルブをキ
ヤツプ内に設定したことから回路外にリリーフバ
ルブのためのスペースを確保する必要がなくてス
ペース面でも有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の油空圧サスペンシヨン装置の
実施例を示す要部の断面図、第２図は従来の油空
圧サスペンシヨン装置の概略図、第３図は油空圧
サスペンシヨン装置における減衰力特性を示す
図、第４図はリリーフバルブを設定したときの減
衰力特性曲線の変化を示す図である。 １……サスペンシヨンシリンダ、３……ピスト
ンロツド、４，５……アキユムレータ、６……ガ
ス室、８……ばね定数切換バルブ、１０，１１…
…リリーフバルブ、１４……ロアキヤツプ、１７
……メインシール、１９……プラグ、２０……漏
油回収路、２２……リリーフバルブ、２３……
溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ガス室を有するアキユムレータと、該アキユ
   ムレータにピストンロツド内を通してシリンダ
   内を連通させ且つピストンロツドのメインシー
   ル部からの洩れ油をタンクに回収するための漏
   油回収路を有する複筒式サスペンシヨンシリン
   ダとを備えた油空圧サスペンシヨン装置におい
   て、上記複筒式サスペンシヨンシリンダのロア
   キヤツプ内に、シリンダ内部を上記漏油回収路
   に開放させるリリーフバルブを設定してなるこ
   とを特徴とする油空圧サスペンシヨン装置。 (2) ロアキヤツプの下面に溝を設けて該ロアキヤ
   ツプ内のリリーフバルブを漏油回収路に連通さ
   せる実用新案登録請求の範囲(1)に記載の油空圧
   サスペンシヨン装置。