JP4129896B2 - 光学式3次元計測装置、及び光学式3次元計測方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学式3次元計測装置及び光学式3次元計測方法に関し、特に、物体の表面形状を計測する光学式計測装置及び光学式3次元計測方法において、計測データから画像データを生成する画像再構成処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2に、三角測量の原理に基づいて、被検体の表面形状データを計測する計測装置の一例を示す。
本計測装置は、レーザユニット201からレーザ光202を被検体に照射し、この反射光を、4つのPSD(Position Sensitive Detector )センサ211〜214で受信する。三角測量の原理から、レーザの照射源座標(X,Y,Z)221、被検体上の照射座標(X,Y)222、センサにおける信号受信座標(X,Y,Z)223により、被検体上の照射位置における高さ座標が求まる。PSDセンサは、信号受信位置に応じて2つのアナログ信号を出力するセンサで、この信号を下記(式1)で変換処理することで、被検体の高さデータが求まる。
【0003】
H(x,y) :サンプリング座標(x,y) において計測された高さの値
B(x,y) :サンプリング座標(x,y) において計測された輝度値
Ia(x,y) :サンプリング座標(x,y) において計測されたPSD1の信号値
Ib(x,y) :サンプリング座標(x,y) において計測されたPSD2の信号値
この計測器では、エネルギー照射系(レーザユニット201及びPSDセンサ211〜214)を固定したまま、被検体をXY平面内で平行移動させ、繰り返し信号計測を行うか、あるいは被検体を固定し、レーザユニット201がレーザ光を照射する被検体のサンプリング座標点を並行移動させて、2次元エリアにおける表面高さデータを計測する。このように、被検体あるいはエネルギー照射系のいずれかを移動させることにより、1つの受信センサで、計測対象の全エリアのデータを計測することができるが、例えばサンプリング座標とPSDセンサとの間にレーザを遮断する障害物が存在する場合には、PSDセンサが反射光を受信できず、データの欠落部が発生する。上記データの欠落部を補正する手段として、複数のセンサを用いたデータ計測方式が提案されている。 本発明は、かかる複数のセンサを搭載した表面形状計測装置において、計測した複数のデータから1つの合成画像を生成する画像再構成処理を行う光学式3次元計測装置に関してのものであるが、かかる従来の光学式3次元計測装置における画像再構成処理としては、各センサの計測値の平均(ここでは4つの計測値の平均)を求める平均値法、あるいは各センサの計測値の最大値(ここでは4つの計測値の最大値)を選択する方法や、最小値を選択する方法、また中央値を選択する方法、等が適用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の光学式3次元計測装置における画像再構成処理の問題点を、図3を用いて説明する。
レーザ照射ユニット301から照射されたレーザ光302が被検体の計測ポイント303へ到達し、この反射光をセンサ310及び320で計測する。センサ320では正常な反射光321を計測するが、センサ310では被検体303とセンサとの間に、被検体の一部である段差(ここでは、凸部)が、レーザを遮蔽する障害物304として存在する。このため、センサ310は死角領域に存在することになり、センサ310に到達する信号は、周辺からの散乱光や二重反射光の影響を強く受けたイレギュラな反射光311となり、不安定な値を示す。上記に示したように、イレギュラな計測信号は、被検体の高さに差が生じる段差領域で発生する。被検体において上記段差領域が存在すると、従来手法の平均値法(下記(式2) 参照)や、選択法等の処理手法では、イレギュラな計測信号を含んだ処理を行うため、計測精度が劣化し、データに対する信頼性が欠如する。
【0005】
Image(I,j)=(Sensor1+Sensor2 )/2 …(式2)
Image (I,j): 再構成された画像データ
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなされたもので、複数のセンサを搭載した表面形状計測装置において、計測した複数のデータから1つの合成画像を生成する画像再構成処理において、イレギュラな計測信号を含んだ場合においても、計測精度が劣化し、データに対する信頼性が欠如するという問題を生じさせることのない、光学式3次元計測装置及び光学式3次元計測方法に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の光学式3次元計測装置は、複数のセンサを異なる位置に配置し、被検体にエネルギーを照射し、被検体から放出されるエネルギーを各センサで計測し、計測したデータから被検体座標を3次元空間で決定し、エネルギー照射系を移動させながら、上記処理を繰り返し、計測した複数のデータから1つの合成画像を生成する画像再構成処理を行う光学式3次元計測装置において、1点の計測ポイントに対して、複数のセンサで計測した複数の信号から、1つの値を決定する画像再構成処理は、計測した3次元位置情報から、被検体上のサンプリング座標点と各センサとを結ぶ信号伝達経路を決定し、決定した信号伝達経路において信号を遮断する障害物が存在しないセンサを適用センサとし、障害物の存在するセンサを否適用センサとして決定する工程と、上記適用センサで計測した信号のみを用いて、サンプリング座標点における値を決定する工程とを含むようにしているものである。
【0007】
本発明の請求項2に記載の光学式3次元計測装置は、請求項1記載の光学式3次元計測装置において、上記信号伝達経路において信号を遮断する障害物が存在しない適用センサの計測信号を用いて、サンプリング座標点における値を決定する工程を、計測領域において、高さに差が生じる段差領域のみに適用するようにしているものである。
【0008】
本発明の請求項3に記載の光学式3次元計測装置は、請求項1記載の光学式3次元計測装置において、上記計測された3次元位置情報を用いる代わりに、被検体の既存の設計値を用いて、上記信号伝達経路に信号を遮断する障害物が存在しないセンサを適用センサとして決定するようにしているものである。
【0009】
本発明の請求項4に記載の光学式3次元計測方法は、複数のセンサを異なる位置に配置し、被検体にエネルギーを照射し、被検体から放出されるエネルギーを各センサで計測し、計測したデータから被検体座標を3次元空間で決定し、エネルギー照射系を移動させながら、上記処理を繰り返し、計測した複数のデータから1つの合成画像を生成する画像再構成処理を行う光学式3次元計測方法において、任意計測ポイントに対して、複数のセンサで計測した複数の信号から、1つの値を決定する画像再構成処理は、計測した3次元位置情報から、被検体上のサンプリング座標点と各センサとを結ぶ信号伝達経路を決定し、決定された信号伝達経路において信号を遮断する障害物が存在しないセンサを適用センサとし、障害物の存在するセンサを否適用センサとして決定する工程と、上記否適用センサを取り除き、上記適用センサで計測した信号のみを用いて、サンプリング座標点における値を決定する工程とを含むようにしているものである。
【0010】
本発明の請求項5に記載の光学式3次元計測方法は、請求項4記載の光学式3次元計測方法において、上記信号伝達経路において、信号を遮断する障害物が存在しない適用センサの計測信号を用いて、サンプリング座標点における値を決定する工程を、計測領域において、高さに差が生じる段差領域のみに適用するようにしているものである。
【0011】
本発明の請求項6に記載の光学式3次元計測方法は、請求項4記載の光学式3次元計測方法において、上記計測した3次元位置情報を用いる代わりに、被検体の既存の設計値を用いて、上記信号伝達経路に信号を遮断する障害物が存在しないセンサを適用センサとして決定するようにしているものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の請求項1、請求項2、請求項4及び請求項5に対応する光学式3次元計測装置及び光学式3次元計測方法であって、3次元位置情報を用いて、サンプリング座標点とセンサとの間に障害物が存在しない,適用センサのみの計測信号を用いて画像再構成処理を行う、光学式3次元計測装置及び光学式3次元計測方法に関し、図1、図4及び図7を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態1における,高さ画像を生成する画像再構成処理を示すフローチャートであり、以下、この画像再構成処理について説明する。
図1において、まず、ステップ110は、表面形状計測装置で計測した画像データを読み込むステップである。
ステップ111は、ステップ110において、全センサで計測した画像データから、高さ画像データを読み込むステップである。読み込まれた高さ画像データは2次元配列に格納され、各画素値は各座標位置における表面の高さの値を示す。本高さ画像データは、画像再構成時における基準データとなる他、サンプリング座標点と受光センサとの間において、信号を遮蔽する障害物の有無を判定する処理においても使用する。ステップ112は、領域認識処理に用いる画像を読み込むステップである。この画像データは、計測される対象において背景部と対象オブジェクト部とを分離することを目的としているため、領域分割が行なえる画像データであれば、画像種は問わず、例えば高さ画像データの他、輝度画像データを用いてもよい。
【0014】
次に、ステップ120は、ステップ112で読み込んだ領域認識用画像データから被検体(対象領域,あるいは対象オブジェクト)を抽出する処理ステップである。
【0015】
ステップ121は、背景と被検体とを分離するしきい値を自動決定し、決定されたしきい値で2値化処理を行うステップである。しきい値の決定は予め設定してある値を用いるか、あるいはヒストグラム法や、大津の2値化法等を用いて対象画像から自動決定する。
【0016】
ステップ122は、2値化された結果に対して、ラベリング処理を行うことにより、対象領域を認識し決定するステップである。
【0017】
ステップ123は、決定された対象領域におけるエッジ近傍領域(背景部)を決定するステップである。エッジ近傍領域を求める方法としては、例えば決定された対象領域に対して膨張処理を数回繰り返して行なった結果と、収縮処理を数回繰り返し行なった結果との排他的論理和により、差分領域を求めることにより、被検体の輪郭,即ち形状を明確化する。
【0018】
さらに、ステップ130は、ステップ123で決定されたエッジ近傍領域において、複数のセンサで計測されたデータを合成して、1つの合成画像を生成する画像再構成処理である。その処理は、サンプリング座標点において、サンプリング座標点とセンサとの間に信号を遮断する障害物が存在しないセンサを適用センサとして決定するステップ131、及び決定された適用センサの平均値を求めるステップ132から成る。このステップ131からステップ132をエッジ近傍領域において繰り返し行い、エッジ近傍領域の2次元合成画像を生成する。
【0019】
そして、ステップ140は、エッジ近傍領域以外の領域(即ち、背景部全体)の画像再構成処理を行うステップで、複数のセンサデータの平均を求めるステップ141からなる。ここで、画素値を求める処理として平滑処理を行っているが、その他の処理を用いてもよく、例えばメディアンフィルタ処理より中央値を代用する方法等が考えられる。
【0020】
上記処理フローにおいて、ステップ120の領域抽出処理は、画像再構成処理速度を向上させるためのもので、処理速度を考慮しなければ省略することができる。省略する場合には、ステップ130における画像再構成処理を全領域に対して行えばよく、ステップ140は省略する。
【0021】
次に、図4と図7を用いてステップ131のセンサ決定処理の一例を示す。
図7において、まず、ステップ700は、本実施の形態1において、3次元位置情報(2値化された3次元データ)を用いる画像再構成処理に適用されるセンサの候補を決定する処理である。これは、図4に示すように、まずステップ111で読み込んだ全センサの高さ画像データの内の1つの高さ画像データ(2次元多値データ)410に対して、3次元2値データ420を生成する(ステップ710)。この3次元2値データの生成方法は、2次元配列のXY座標系と3次元データのXY座標系を合わせ、2次元配列における画素値を3次元データ最大値で正規化し、Z座標において0から正規化データまでのボクセルを1とし、それ以上のボクセルに0(ゼロ)を設定する。上記処理を、XY全平面に対して行い、3次元データの2値化処理を行なう。
【0022】
次に、ステップ710に続いて、任意のサンプリング座標点440と受信センサ座標点450とを結ぶ信号伝達経路430を決定する(ステップ721)。そしてその信号伝達経路上に値が1のボクセルが存在するか否かを判別し(ステップ722)、値が1のボクセルが存在しなければ、再構成適用センサ候補とし(ステップ722a)、値が1のボクセルが存在すれば、否適用センサとして記憶する(ステップ722b)。上記処理を被検体の全XY平面に対して繰り返し行い、各サンプリング座標における画像再構成処理において適用されるセンサの候補を決定する(ステップ723)。
【0023】
そして、上記処理(ステップ700〜ステップ723)を、全センサにおける高さ画像データに対して繰り返し、各センサにおいて、全高さ画像データに対し、適用センサであるか否適用センサであるかに関する再構成適用センサ候補を決定する(ステップ730)。
【0024】
最後に、決定された再構成適用センサ候補情報を用いて、各サンプリング座標点において、全ての高さ画像データにおいて適用センサの候補となったセンサを、再構成適用センサとして決定する(ステップ740)。
【0025】
なお、本実施の形態1では、上記画像再構成適用センサを決定する処理においては、センサの受光領域を点から領域面へ変更することも考えることができ、この場合は、センサ伝達経路430を領域460に拡張し、領域460内に障害物が存在するかどうかを判定することで、画像再構成処理を行なうようにする。これにより、計測精度が向上することが期待できる。
【0026】
以上のように、本実施の形態1による光学式3次元計測装置及び光学式3次元計測方法によれば、従来技術のように、信号伝達経路において障害物が存在することにより、イレギュラな信号を計測したセンサを用いるのではなく、全てのセンサの中から、信号伝達経路において障害物が存在しない適用センサと、信号伝達経路において障害物が存在する否適用センサとを判別し、上記適用センサのみを用いて画像再構成処理を行う(図3に対応する,下記(式3)参照)ことにより、計測精度の高い画像を生成することができる。
【0027】
Image(I,j)= Sensor 2 …(式3)
Image (I,j): 再構成された画像データ
また、本実施の形態1では、上記信号伝達経路において信号を遮断する障害物が存在しないと決定された適用センサの計測信号を用いて、サンプリング座標点における反射光の値を決定する処理を、計測した領域において高さに差が生じる段差領域のみに適用することも可能である。つまり、ステップ111で読み込んだ、各センサで計測した高さ画像データに関し、隣接領域において、著しく高さの変化が生じた領域を段差領域と判定する。このようにセンサ決定処理を行う領域を限定することで、画像再構成処理速度を向上させることができ、検査スループットを向上させることができる。
【0028】
(実施の形態2)
以下、本発明の請求項3及び請求項6に対応する光学式3次元計測装置及び光学式3次元計測方法であって、画像再構成処理を行うに際し、上記実施の形態1による3次元位置情報に代わって、被検体の設計値を用いる光学式3次元計測装置及び光学式3次元計測方法について、図5及び図6を参照して説明する。
【0029】
図5に、設計データを用いて、信号伝達経路に障害物が存在しない適用センサを選出した再構成センサテーブルを作成する処理について示す。
図5において、まず、ステップ510は、設計データを読み込む処理ステップである。必要ならば、読込んだ設計データに対してフォーマット変換を行う。ここで扱う設計データは、3次元情報を含んだものである。
【0030】
次に、ステップ520は、画像再構成時に用いられる適用センサの決定に関する情報をテーブル化する処理ステップである。
ステップ521は、部品情報(凹凸形状)を持つ設計データにおいて、部品単位に膨張処理と収縮処理とを行い、その差分領域をエッジ近傍領域として決定するステップである。あるいは、設計情報における部品エッジからの凹凸の距離を固定的に予め与えて、その領域をエッジ近傍領域とする。
【0031】
ステップ522は、ステップ521で決定されたエッジ近傍領域の各サンプリング座標点において、設計データを用いて、サンプリング座標点とセンサとの間に障害物が存在しないセンサを、適用センサとして決定するステップである。障害物が存在しない適用センサを決定する処理の概要は、実施の形態1と同様であり、各センサと全ての高さのサンプリング座標点とを結ぶ信号伝達経路上に障害物がないセンサを適用センサと判定する(図7、ステップ720参照)。
【0032】
そして、ステップ530は、決定された,画像再構成処理において使用される適用センサのセンサ番号をリストアップし、再構成センサテーブルにセットする。例えば、計測器におけるセンサ数が8個以下ならば、1Byte/PXEL の2次元配列を用意し、各ピクセルにおける適用センサ番号を、ビットのON/OFFで設定する。例えば、ONで適用センサを示し、OFFで否適用センサを示すものとする。上記エッジ近傍領域以外の領域は、障害物が無いものと考え、全てのセンサを適用センサとみなし、使用するようにビットをセット(例えば、ONに)する。また、ステップ530では、ステップ520で生成された再構成センサテーブルをファイルに保存する。
【0033】
次に、図6に、上記生成された再構成センサテーブルと、表面形状計測器において計測されたデータとを用いた画像再構成処理の一例を示す。
図6において、ステップ610は、表面形状計測装置で計測した高さ画像データを読み込むステップであり、センサ数分のデータを読み込む。読み込まれた高さ画像データは、各々2次元配列に格納される。
【0034】
ステップ620は、図5で生成された再構成センサテーブルデータを読み込むステップであり、読み込まれた再構成センサテーブルデータは2次元配列に格納される。
ステップ630は、画像再構成処理を行うステップである。再構成センサテーブルで指定されたセンサの高さ画像データの平均値を求め、この平均値を、画像再構成処理結果とする。その他の処理の適用もでき、例えばメディアンフィルタ処理より中央値を代用することもできる。
設計データと計測データに位置ずれが生じる場合は、アフィン交換処理により平行移動や回転移動の位置合わせ処理を行った後、画像再構成処理を行ってもよい。
【0035】
このような本実施の形態2による光学式3次元計測装置によれば、上記計測した3次元位置情報(2次元多値データから生成された3次元2値データ)を用いる代わりに、被検体の既存の設計値を用いて上記信号伝達経路に信号を遮断する障害物が存在しないセンサを決定することを特徴としたので、上記実施の形態1において、2値化処理を行ったように、新たなデータを生成する必要がなく、被検体の設計情報とセンサとの幾何学的な配置情報から、予め計測精度の高いセンサを特定でき、同じ被検体を繰り返し撮影する場合に、毎回行うセンサ決定処理を省略することができ、画像再構成速度を向上させることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1にかかる光学式3次元計測装置によれば、複数のセンサを異なる位置に配置し、被検体にエネルギーを照射し、被検体から放出されるエネルギーを各センサで計測し、計測したデータから被検体座標を3次元空間で決定し、エネルギー照射系を移動させながら、上記処理を繰り返し、計測された複数のデータから1つの合成画像を生成する画像再構成処理を行う、光学式3次元計測装置において、1点の計測ポイントに対して、複数のセンサで計測した複数の信号から、1つの値を決定する画像再構成処理は、計測した3次元位置情報から、被検体上のサンプリング座標点と各センサとを結ぶ信号伝達経路を決定し、決定した信号伝達経路において信号を遮断する障害物が存在しないセンサを適用センサとし、障害物の存在するセンサを否適用センサとして決定する工程と上記適用センサで計測された信号のみを用いて、サンプリング座標点における値を決定する工程とを含むようにしたものである。これにより、従来の、レーザを利用した高さデータ計測器における画像再構成手法では、段差のある領域境界付近において計測精度が劣化していたが、本発明では、計測精度が劣化した、死角領域における否適用センサの情報を除外し、それ以外の適用センサで計測されたデータのみを用いて画像再構成処理を行うようにしたので、領域境界付近の精度を向上させることができるという効果が得られる。
【0037】
また、本発明の請求項2にかかる光学式3次元計測装置によれば、請求項1記載の光学式3次元計測装置において、上記信号伝達経路において信号を遮断する障害物が存在しない適用センサの計測信号を用いて、サンプリング座標点における値を決定する工程を、計測領域において、高さに差が生じる段差領域のみに適用するようにしたものである。これにより、センサ決定処理を行う領域を限定することで、画像再構成処理速度を向上させることができ、検査スループットを向上させることができるという効果が得られる。
【0038】
また、本発明の請求項3にかかる光学式3次元計測装置によれば、請求項1記載の光学式3次元計測装置において、上記計測された3次元位置情報を用いる代わりに、被検体の既存の設計値を用いて、上記信号伝達経路に信号を遮断する障害物が存在しないセンサを適用センサとして決定するようにしたものである。これにより、被検体の設計情報とセンサとの幾何学的な配置情報から予め計測精度の高いセンサを特定でき、同じ被検体を繰り返し撮影する場合に、毎回行うセンサ決定処理を省略することができ、画像再構成速度を向上させることができるという効果が得られる。
【0039】
また、本発明の請求項4にかかる光学式3次元計測方法によれば、複数のセンサを異なる位置に配置し、被検体にエネルギーを照射し、被検体から放出されるエネルギーを各センサで計測し、計測したデータから被検体座標を3次元空間で決定し、エネルギー照射系を移動させながら、上記処理を繰り返し、計測した複数のデータから1つの合成画像を生成する画像再構成処理を行う、光学式3次元計測方法において、1点の計測ポイントに対して、複数のセンサで計測した複数の信号から、1つの値を決定する画像再構成処理は、計測した3次元位置情報から、被検体上のサンプリング座標点と各センサとを結ぶ信号伝達経路を決定し、決定した信号伝達経路において信号を遮断する障害物が存在しないセンサを適用センサとし、障害物の存在するセンサを否適用センサとして決定する工程と、上記適用センサで計測した信号のみを用いて、サンプリング座標点における値を決定する工程とを含むようにしたものである。これにより、従来の、レーザを利用した高さデータ計測器における画像再構成手法では、段差のある領域境界付近において計測精度が劣化していたが、本発明では、計測精度が劣化した、死角領域における否適用センサの情報を除外し、それ以外の適用センサで計測されたデータのみを用いて画像再構成処理を行うようにしたので、領域境界付近の精度を向上させることができるという効果が得られる。
【0040】
また、本発明の請求項5にかかる光学式3次元計測方法によれば、請求項4記載の光学式3次元計測方法において、上記信号伝達経路において、信号を遮断する障害物が存在しない適用センサの計測信号を用いて、サンプリング座標点における値を決定する工程を、計測領域において、高さに差が生じる段差領域のみに適用するようにしたものである。これにより、センサ決定処理を行う領域を限定することで、画像再構成処理速度を向上させることができ、検査スループットを向上させることができるという効果が得られる。
【0041】
また、本発明の請求項6に記載の光学式3次元計測方法によれば、請求項4記載の光学式3次元計測方法において、上記計測した3次元位置情報を用いる代わりに、被検体の既存の設計値を用いて、上記信号伝達経路に信号を遮断する障害物が存在しないセンサを適用センサとして決定するようにしたものである。これにより、被検体の設計情報とセンサとの幾何学的な配置情報から予め計測精度の高いセンサを特定でき、同じ被検体を繰り返し撮影する場合に、毎回行うセンサ決定処理を省略することができ、画像再構成速度を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における,画像再構成処理フローの一例を示す図
【図2】 本発明の対象となる複数のセンサを配置した計測器の一例を示す図
【図3】 従来手法における問題点を説明する図
【図4】 本発明の実施の形態1における,画像再構成適用センサ決定処理の一例を示す図
【図5】 本発明の実施の形態2における,設計図データを用いた再構成センサテーブル生成処理フローの一例を示す図
【図6】 本発明の実施の形態2における,再構成センサテーブルを用いた画像再構成処理フローの一例を示す図
【図7】 本発明の実施の形態1における,画像再構適用センサ決定処理フローの一例を示す図
Claims (6)
- 複数のセンサを異なる位置に配置し、測定を行う対象オブジェクト(以下、被検体と称す)にエネルギーを照射し、被検体から放出されるエネルギーを各センサで計測し、計測したデータから被検体座標を3次元空間で決定し、エネルギー照射系を移動させながら、上記処理を繰り返す、光学式3次元計測装置において、
1点の計測ポイントに対して、複数のセンサで計測した複数の信号から、1つの値を決定する画像再構成処理は、
計測した3次元位置情報から、被検体上のサンプリング座標点と各センサとを結ぶ信号伝達経路を決定し、決定した信号伝達経路において信号を遮断する障害物が存在しないセンサを適用センサとし、障害物の存在するセンサを否適用センサとして決定する工程と、
上記適用センサで計測した信号のみを用いて、サンプリング座標点における値を決定する工程と、
を含む、
ことを特徴とする光学式3次元計測装置。 - 請求項1記載の光学式3次元計測装置において、
上記信号伝達経路において信号を遮断する障害物が存在しない適用センサの計測信号を用いて、サンプリング座標点における値を決定する工程を、計測領域において、高さに差が生じる段差領域のみに適用する、
ことを特徴とする光学式3次元計測装置。 - 請求項1記載の光学式3次元計測装置において、
上記計測した3次元位置情報を用いる代わりに、被検体の既存の設計値を用いて、上記信号伝達経路に信号を遮断する障害物が存在しないセンサを適用センサとして決定する、
ことを特徴とする光学式3次元計測装置。 - 複数のセンサを異なる位置に配置し、測定を行う対象オブジェクト(以下被検体と称す)にエネルギーを照射し、被検体から放出されるエネルギーを各センサで計測し、計測されたデータから被検体座標を3次元空間で決定し、エネルギー照射系を移動させながら、上記処理を繰り返す、光学式3次元計測方法において、
1点の計測ポイントに対して、複数のセンサで計測した複数の信号から、1つの値を決定する画像再構成処理は、
計測された3次元位置情報から、被検体上のサンプリング座標点と各センサとを結ぶ信号伝達経路を決定し、決定した信号伝達経路において信号を遮断する障害物が存在しないセンサを適用センサとし、障害物の存在するセンサを否適用センサとして決定する工程と、
上記適用センサで計測した信号のみを用いて、サンプリング座標点における値を決定する工程と、
を含む、
ことを特徴とする光学式3次元計測方法。 - 請求項4記載の光学式3次元計測方法において、
上記信号伝達経路において信号を遮断する障害物が存在しない適用センサの計測信号を用いて、サンプリング座標点における値を決定する工程を、計測領域において、高さに差が生じる段差領域のみに適用する、 ことを特徴とする光学式3次元計測方法。 - 請求項4記載の光学式3次元計測方法において、
上記計測した3次元位置情報を用いる代わりに、被検体の既存の設計値を用いて、上記信号伝達経路に信号を遮断する障害物が存在しないセンサを適用センサとして決定する、
ことを特徴とする光学式3次元計測方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03374399A JP4129896B2 (ja) | 1999-02-12 | 1999-02-12 | 光学式3次元計測装置、及び光学式3次元計測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03374399A JP4129896B2 (ja) | 1999-02-12 | 1999-02-12 | 光学式3次元計測装置、及び光学式3次元計測方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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