JP4128577B2 - 洗面一体型手乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、洗面所やトイレ等で手を洗った場合、濡れた手を乾燥させる洗面台に設けた洗面一体型の手乾燥装置に関する。
従来、この種の手乾燥装置としては、手洗器を組み込んだ洗面台上面部に温風吹き出しノズルを設置し、該温風吹き出しノズルと洗面台下方の空間に配置したファンモータとを備えた温風発生機とダクトで連結したものが知られている。図19に基づいてその具体例を説明する。図19に示すように、全自動洗面装置200は、洗面台等取付基体202の上側において、ケーシング204の前面に石鹸液の吐出口206と、温水の吐出口208とが設けられており、人体検知センサー210、212による手感知に基づいて吐出口206から石鹸液を自動的に吐出し、また吐出口208から温水を吐水するようになっている。洗面一体型の手乾燥装置214は、この全自動洗面装置200に備え付けられ、洗浄して濡れた手を温風乾燥するものであり、温風の吹出口216を備えている。この吹出口216は石鹸液の吐出口206、吐水口208等と共に取付基体202の上側においてケーシング204の前面に設けられており、人体検知センサ218による手感知に基づいて吹出口216から自動的に温風を吹き出し、濡れた手を乾燥させる。手乾燥装置214はまた、取付基体202の下側において送風機224およびヒーター219を備えた乾燥機本体220を有しており、送風機224にて送り出した空気をヒーター219の加熱作用で温風となして、これを送風管222を通じて吹出口216へと送るようになっている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、送風機とヒーターと吹出口とを備えた手乾燥装置を、取付基体としての手洗器の上側に設けたものが開示されている(例えば、特許文献3)。しかし、この場合には、手を洗浄して乾燥する際に圧迫感があり、使用者に圧迫感のない手乾燥装置が望まれ、洗面台上面部に温風吹き出しノズルを、洗面台下方に温風発生機を配置したタイプが普及している。
登録実用新案第2519884号公報 特開2001−20338号公報 実開平2−141293号公報
ここで、特許文献1および2に示される手乾燥装置にあっては、熱源であるヒーターが吹出口から離れたところにあり、ダクトで温風を送付しているため、送風途中で長い待機時間があり、熱ロスが大きく吹出口温度が下がり乾燥時間の短縮化が図れなくなる。それに対して、ヒーターの容量を大きくすると途中の熱ロスをカバーできるが、ヒーターのエネルギーの有効利用からみると好ましくないという課題があった。特に冬には、手乾燥の初期段階で長い送風ダクト内の冷たい空気が吹き出され、初期に冷たい風が手に当たって使用者に冷たい思いをさせるという問題もあった。
また、前記課題を解決するために、吐出口の出来るだけ近いところにヒーターを設置することにより、その解決が可能となるが、前記ヒーターを吐出口の出来るだけ近いところの洗面台等の取付基体の上側に配置すると、手乾燥装置を運転していないときに手の洗浄によって生じる飛散水が、逆飛散水となって温風吹き出しノズル内に侵入してヒーターへの水による漏電および感電等の問題が生じるという新たな課題も有することになる。
そこで本発明は、使用時に圧迫感がなく、手乾燥開始と同時に手に温風を感じ、さらに乾燥時間の短く、エネルギーロスの少ない手乾燥装置を提供することを目的とする。
請求項記載の本発明の洗面一体型手乾燥装置は、手を洗浄し乾燥する洗面器の上部に、洗浄水を出す水吐出口と、その近傍に洗浄した手の湿りを強制的に温風乾燥する風吹出しノズルと、手を乾燥する手洗いスペースと、前記風吹出しノズルを設けた風吹出し連通室とを有し、前記風吹出し連通室に空気を供給するファンモーターを前記洗面器の下部に設け、前記風吹出し連通室とファンモーターを接続する送風ダクトを備えた洗面一体型手乾燥装置であって、前記吹出空気連通室内にヒーターを設け、かつ、前記ヒーターと前記風吹出しノズルとの間に、前記風吹出しノズルから前記風吹出し連通室に流入する逆飛散水が前記ヒーターにかかるのを防御する防御手段を有したことを特徴とする。
請求項記載の本発明の洗面一体型手乾燥装置は、請求項2に記載の手乾燥装置において、前記防御手段は、風吹出しノズル風路の延長線上で、かつ、風吹出しノズル口近傍の風吹出し連通室内の上部内壁面に、逆飛散水を受けて滴下する水返し滴下壁を設けたことを特徴とする。
請求項記載の本発明の洗面一体型手乾燥装置は、請求項2または請求項3に記載の手乾燥装置において、前記防御手段は、風吹出し連通室内には、風吹出しノズルの風上側に前記風吹出口からの水の逆飛散水を堰止めする堰止壁を設けたことを特徴とする。
請求項記載の本発明の洗面一体型手乾燥装置は、請求項2の手乾燥装置において、前記防御手段は、風吹出し連通室内の下部には、前記風吹出しノズルの風上側に前記風吹出しノズルからの水の逆飛散水の溜まり水による浸漬を防ぐヒーター台を設け、前記ヒーター台の上にヒーターを配設したことを特徴とする。
請求項記載の本発明の洗面一体型手乾燥装置は、請求項1に記載の手乾燥装置において、前記風吹出し連通室内の下部には、前記ファンモーターと接続する送風ダクトとを連通させる開口周りに前記風吹出し連通室内に立ち上がり、送風ダクト内への逆飛散水の浸入を防止する防水壁を設けたことを特徴とする。
請求項記載の本発明の洗面一体型手乾燥装置は、手を洗浄し乾燥する洗面器の上部に、洗浄水を出す水吐出口と、その近傍に洗浄した手の湿りを強制的に温風乾燥する風吹出しノズルと、手を乾燥する手洗いスペースと、前記風吹出しノズルを設けた風吹出し連通室とを有し、前記風吹出し連通室に空気を供給するファンモーターを前記洗面器の下部に設け、前記風吹出し連通室と前記ファンモーターを接続する送風ダクトを備え、前記風吹出し連通室内にヒーターを設けた洗面一体型手乾燥装置であって、風吹出し連通室内には、前記ヒーターと前記風吹出しノズルとの間に、風吹出しノズルの風上側に前記風吹出口からの水の逆飛散水を堰止めするために設けた堰止壁と、前記風吹出しノズルの風上側に前記風吹出しノズルからの水の逆飛散水を堰止めするために設けたヒーター台と、前記風吹出し連通室内の下部に、前記ファンモーターと接続する送風ダクトとを連通させる開口周りに前記風吹出し連通室内に立ち上がり、送風ダクト内への逆飛散水の浸入を防止する防水壁とを備え、前記堰止壁、前記ヒーター台、前記防水壁の前記風吹出し連通室内の下部からの高さの関係は、前記堰止壁より前記防水壁を高く、前記防水壁よりさらに前記ヒーター台を高く配設したことを特徴とする。
請求項記載の本発明の洗面一体型手乾燥装置は、請求項2に記載の手乾燥装置において、前記防御手段は、風吹出しノズル風路の延長線上で、かつ、風吹出しノズル口近傍の空気連通室内の上部内壁面に、風圧により開閉するダンパーを設け、前記ファンモーターの停止時に、前記ダンパーが前記風吹出しノズル風路を塞ぐことを特徴とする。
本発明によれば、圧迫感を受けることなく使用することができ、ヒーターを洗面器の上部の風吹出しノズルを設けた風吹出し連通室内に配置する運転後すぐ温風の吹き出す構成により、省エネルギーでかつ乾燥時間の短い洗面一体型手乾燥装置を提供できる。
また、本発明によれば、前記ヒーターを洗面器の上部の風吹出しノズルを設けた風吹出し連通室内に配置しても、手を洗浄した際に生じる逆飛散水がヒーターにかかり、電気的な悪影響を及ぼすことを防御することができる。
本発明の第の実施の形態による洗面一体型手乾燥装置は、手を洗浄し乾燥する洗面器の上部に、洗浄水を出す水吐出口と、その近傍に洗浄した手の湿りを強制的に温風乾燥する風吹出しノズルと、手を乾燥する手洗いスペースと、前記風吹出しノズルを設けた風吹出し連通室とを有し、前記風吹出し連通室に空気を供給するファンモーターを前記洗面器の下部に設け、前記風吹出し連通室とファンモーターを接続する送風ダクトを備えた洗面一体型手乾燥装置であって、前記風吹出し連通室にヒーターを設け、かつ、前記ヒーターと前記風吹出しノズルとの間に、前記風吹出しノズルから前記風吹出し連通室に流入する逆飛散水が前記ヒーターにかかるのを防御する防御手段を有したものである。これにより、ヒーターが風吹出口の近傍に配設されているため、手を挿入すると同時に温風を吹き出すことが可能であり、手への初期の冷風の不快感をなくし、更に水滴の蒸発を促進して乾燥時間の短縮を図ることができるとともに、洗面一体型手乾燥装置が停止しているときに、手の洗浄により生ずる逆飛散水の浸入を想定し、ヒーターに水滴が掛かるのを防止することができる。
本発明の第の実施の形態は、第2の実施の形態による洗面一体型手乾燥装置において、風吹出しノズル風路の延長線上で、かつ、風吹出しノズル内の風路近傍で風吹出し連通室内の上部内壁面に、逆飛散水を受けて滴下する水返し滴下壁を設けたものである。これにより、ファンモーターからの風の流れはスムーズであるが、風吹出しノズルからの逆飛散水は前記水返し滴下壁で妨げられる構造のため、風路の損失抵抗を低減してヒーターへの水の防御を図ることができる。
本発明の第の実施の形態は、第2または第3の実施の形態による洗面一体型手乾燥装置において、風吹出し連通室内に、風吹出しノズルの風上側に風吹出口からの水の逆飛散水を堰止めする堰止壁を設けたものである。これにより、風吹出しノズルから入った逆飛散水を堰止めし、ヒーターを保護するものである。
本発明の第の実施の形態は、第2の実施の形態による洗面一体型手乾燥装置において、風吹出し連通室内の下部には、前記風吹出しノズルの風上側に風吹出口からの水の逆飛散水の溜まり水による浸漬を防ぐヒーター台を設け、前記ヒーター台の上にヒーターを配設したものである。これにより、風吹出しノズルから入った逆飛散水が風吹出し連通室の内部に溜まった場合でもヒーターを架台の上に乗せて保護するものである。
本発明の第の実施の形態は、第1の実施の形態による洗面一体型手乾燥装置において、風吹出し連通室内の下部に、前記ファンモーターと接続する送風ダクトとを連通させる開口周りに前記風吹出し連通室内に立ち上がり、送風ダクト内への逆飛散水の浸入を防止する防水壁を設けたものである。これにより、風吹出し連通室内に入った逆飛散水が、洗面器の下部に設けた送風ダクトから収納ボックス内に入いることを防ぐものである。
本発明の第の実施の形態は、前記堰止壁、前記ヒーター台、前記防水壁の前記風吹出し連通室内の下部からの高さの関係は、前記堰止壁より前記防水壁を高く、前記防水壁よりさらに前記ヒーター台を高く配設したものである。これにより、風吹出しノズルから入った逆飛散水が溜まってきたときに、ヒーターを最も保護する構成としたものである。
本発明の第の実施の形態は、第2の実施の形態による手乾燥装置において、前記風吹出し連通室内の上部内壁面に、風圧により開閉するダンパーを設け、前記ファンモーターの停止時に、前記ダンパーが前記風吹出しノズル風路を塞ぐものである。これにより、風路の損失抵抗を低減してヒーターへの水の防御を図ることができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1から図4を用いて本実施の形態による洗面一体型手乾燥装置の外観形状について説明をおこなう。図1は本発明の実施の形態1による洗面一体型手乾燥装置を組み込んだ全自動洗面器の斜視図、図2は同装置の扉を開けた状態の斜視図、図3は同装置の扉を開けた状態の正面図、図4は同装置の縦断面図である。
先ず初めに、手を洗浄し乾燥する洗面一体型手乾燥装置を組み込んだ全自動洗面器1の外観形状について説明する。図1から図4に示すように、床16に置かれた箱状の洗面台外装2の上部には、ボウル状の手洗いスペース4を有し底面に水を排水する排水口26を有する洗面器3を設け、さらにその奥上部には機能部ユニット17を有している。機能部ユニット17は、上端を開放した箱状の洗面ユニットボックス5と、上端の開口を天板6で覆った構成とし、内部には洗面台外装2内から延出した石鹸液吐出管46と水吐出管47と、風を吹き出す風吹出しユニット48を備えている。そして、機能部ユニット17前面には、洗面器3の手洗いスペース4に向けて左側から順に石鹸液吐出管46と接続された石鹸液吐出口9、水吐出管47と接続された水吐出口11、風吹出しユニット48の先端に設けた風吹出口13が配設されている。また石鹸液吐出口9の近傍には石鹸液吐出センサー10、水吐出口11の近傍には水吐出センサー12、風吹出口13の近傍には風吹出しセンサー14を設けている。洗面台外装2内の底面には、石鹸や水あるいは風を制御する水・石鹸液制御ボックス20と、高速風を発生させる送風ボックス本体21を設けている。
そして、前記送風ボックス本体21と、洗面器3の上部に設けた風吹出し部分の風吹出しユニット48との間は、送風ダクト22で接続している。
次に、図4、図5を用いて洗面一体型手乾燥装置の風吹出しユニット48について説明する。図5は同装置の風吹出しユニット48の縦断面図である。風吹出しユニット48の外殻は主に、下部に突出した筒状のノズルダクト接続部29を有し、上部を開口したノズルケース下30と、この上部の開口を塞ぐノズルケース上31とで構成されている。そして、ノズルケース下30には細く絞ったスリット状の風吹出口13を有する風吹出しノズル24が備えられ、風吹出口13は風吹出口13とノズルダクト接続部29の風路の間に設けた風吹出し連通室23を経由して、ノズルダクト接続部29と連通している。そして、風吹出し連通室23内には、ヒーター27が風の流れの方向に対して直角に設けられている。
上記構成により、図3に示すように石鹸液吐出口9の前方に手を差し出すと、石鹸液吐出センサー10がこれを検知して水・石鹸液制御ボックス20から石鹸液吐出管46を通じて石鹸液吐出口9から自動的にムース状の石鹸液が吐出する。次に、水吐出口11の前方に手を差し出すと、水吐出センサー12がこれを検知して湯と水が混合して水吐出管を通じて水吐出口11から自動的に温水が吐出し、手を綺麗に洗うことができる。その後、さらに風吹出口13の前方に手を差し出すと、風吹出しセンサー14がこれを検知して風吐出口13から自動的に高速温風が吹き出し、手に付着した水滴を吹き飛ばすとともに濡れた手を温風で乾燥させる。
このとき、高速風で吹き飛ばされた水滴は、図4に示すように洗面器3に受けられて排水口26から排水管18によって外部に排水される。
本体ダクト接続部74まで送られた空気は、図4と図5に示すように、本体ダクト接続部74に接続された送風ダクト22を通じて洗面ユニットボックス17内の風吹出しユニット48に送風される。送風された空気は、風吹出し連通室23を通り、この風吹出し連通室23内に設けたヒーター27を通過することで暖められ、先端を絞った風吹出口13から高速温風となって吐出される。
また、気密性については、ノズルケース下30の周囲に設けたケースパッキン49によりシールされ気密を保持し、洗面ユニットボックス5から突出している風吹出しユニット48の風吹出口13周囲内側には、吹出し部パッキン35を設けて洗面ユニットボックス5との間でシールされている。ヒーター27は、ノズルケース下30とノズルケース上31で挟む形で固定され、ヒーター27上部のノズルケース上31にはヒーター27の温度を監視する温度過昇防止装置28が設けられ、これを保護するためにさらに上部をノズルケース蓋33で覆っている。
(実施の形態2)
図6は同装置の風吹出しユニットの縦断面図であり、実施の形態2は実施の形態1に対して図6に示すように、風吹出口13風路の延長線上で、かつ、風吹出しノズル24の内側上面に、垂れ壁形状をした水返し滴下壁36Aを設けたものである。そして、実施の形態1と同じ部分については同一の符号を用い、それらについての説明を省略する。
これにより、手や洗面器3などを洗う際に、風吹出口13から逆飛散水が勢い良く風吹出し連通室23内に浸入した場合でも、水返し滴下壁36Aにあたって下に落ちるため、直接ヒーター27に水が掛かることを防ぎ、感電やショートによる故障を防ぐことができる。
更に、図7は風吹出しユニット48の縦断面図であり、図6の水返し滴下壁36Aに対し、水返し滴下壁36Bを風の吹出し方向に向けて滴下壁風上面25を曲線形状としたものである。
これにより、風吹出し連通室23内から風吹出口13へは流線形状をしているため風の吹き出しの際の抵抗は少なくスムーズな流れを行うことができるが、風吹出口13から入ってくる逆飛散水は水返し滴下壁36Bで妨げられる。このため、風路の損失抵抗を増加させることなくヒーター27への水の浸入の防御を図ることができる。
(実施の形態3)
図8は風吹出しユニットの縦断面図であり、実施の形態3は実施の形態1に対して図7に示すように、風吹出しユニット48の風吹出し連通室23底部で、かつ、ヒーター27の下流側に、風吹出口13からの水の逆飛散水を堰止めするため、板状の堰止壁37を、風吹出し連通室23底部を横断して立ち上げた構成としている。そして、実施の形態1と同じ部分については同一の符号を用い、それらについての説明を省略する。
これにより、手や洗面器3などを洗う際に、風吹出口13から逆飛散水が風吹出し連通室23内に浸入した場合でも堰止壁37によって堰止められるため、風吹出し連通室23底部に溜まった逆飛散水によってヒーター27が浸漬し、感電やショートによる故障を防ぐことができる。
(実施の形態4)
図9は風吹出しユニット48のヒーター27周辺の縦断面図であり、実施の形態4は実施の形態1に対して風吹出し連通室23内の底部に、風吹出口13からの水の逆飛散水の溜まり水によるヒーター27の浸漬を防ぐため、板状で上部に保持爪50を有したヒーター台34を風路と平行に2箇所立ち上げて設けている。そして、このヒーター台34上の保持爪50の間に嵌る形でヒーター27を配設している。そして、実施の形態1と同じ部分については同一の符号を用い、それらについての説明を省略する。
これにより、手や洗面器3などを洗う際に、風吹出口13から逆飛散水が風吹出し連通室23内に浸入して底部に溜まった場合においても、ヒーター台34によってヒーター27が底上げされているため、ヒーター27が水により浸漬し、感電やショートによる故障を防ぐことができる。
(実施の形態5)
図9は風吹出しユニット48のヒーター27周辺の縦断面図であり、実施の形態5は実施の形態1に対して風吹出しユニット48の下部に設けた風吹出し連通室23と連通したノズルダクト接続部29の開口周りに、風吹出し連通室23内に立ち上がり、送風ダクト22内への逆飛散水の浸入を防止する防水壁32を設けている。そして、実施の形態1と同じ部分については同一の符号を用い、それらについての説明を省略する。
これにより、手や洗面器3などを洗う際に、風吹出口13から逆飛散水が風吹出し連通室23内に浸入して底部に溜まっても、ノズルダクト接続部29の開口周りの防水壁32により、送風ダクト22内への逆飛散水の浸入を防止することができる。
(実施の形態6)
図9は風吹出しユニット48のヒーター27周辺の縦断面図であり、実施の形態5は実施の形態1に対して以下の点で相違している。図9に示すように、風吹出しユニットの風吹出し連通室23底部で、かつ、ヒーター27の上流側に、風吹出口13からの逆飛散水を堰止めする堰止壁と、風吹出し連通室23内の底部に設けた逆飛散水の溜まり水によるヒーター27の浸漬を防ぐヒーター台34を設けている。そして、ノズルケース下30の下部に突出した筒状のノズルダクト接続部29は、風吹出し連通室23内に立ち上げている。つまり、風吹出しユニット48の下部に設けたノズルダクト接続部29の開口周りが風吹出し連通室23内に立ち上がり、送風ダクト22内への逆飛散水の浸入を防止する防水壁32を設けている。これら堰止壁37、ヒーター台34、防水壁32の風吹出し連通室23内の内底部からの高さの関係を、堰止壁37より防水壁32を高く、防水壁32よりさらにヒーター台34を高く配設したものである。つまり、L1<L3<L2の高さ関係になる。そして、実施の形態1と同じ部分については同一の符号を用い、それらについての説明を省略する。
これにより、まず、手や洗面器3などを洗う際に、風吹出口13から逆飛散水が風吹出し連通室23内に浸入した場合でも堰止壁37によって堰止められる。しかし、これを水が乗り越えたとしても、ノズルダクト接続部29の開口周りの防水壁32により、送風ダクト22内への逆飛散水の浸入を防止でき、さらにこれを乗り越えたとしてもヒーター台34によって、逆飛散水に対してヒーター27を最も保護するものである。
(実施の形態7)
図10は風吹出しユニット48の風吹出口13周辺の縦断面図であり、実施の形態7は実施の形態1に対して相違している点を以下に説明する。図10に示すように、ダンパー41を、風吹出口13風路の延長線上で、かつ、風吹出しノズル24の内側上面に風吹出しノズル24の風路方向に対して横断する形で設けている。このダンパー41は、支点部39を有し、自在に可動できる板状の遮へい板38と、この遮へい板38と風吹出しノズル24の内側上面の間に設けたダンパーバネ40から成り、風吹出口13向に開閉し、風吹出しノズル24の内側下面に当って止まる構成である。そして、実施の形態1と同じ部分については同一の符号を用い、それらについての説明を省略する。
これにより、本装置の停止時に手や洗面器3などを洗う際、風吹出口13から逆飛散水が風吹出しノズル24内に浸入しても、ダンパー41のダンパーバネ40の反力によって遮へい板38を押し、風吹出しノズル24の内側下面に当って止まっている状態になっているため、風吹出しノズル24内の風路が遮断され、風吹出し連通室23内への逆飛散水の浸入を防ぐことができる。また、本装置が運転し、風吹出口13から風が出ている時は、風圧により遮へい板38が押され、ダンパーバネ40が曲がることでダンパー41が開いて通風状態となる。このときは、高速風が風吹出口13から出ているため、逆飛散水が風吹出しノズル24内に浸入することはない。したがって、ヒーター27が水により浸漬し、感電やショートによる故障を防ぐことができる。
なお、ダンパー41にダンパーバネ40を設けず、遮へい板38の自重によりダンパー41が閉じる構成にしても良い。
(実施の形態8)
図11は風吹出しユニット48を平面から見た平面部分断面図であり、実施の形態8は実施の形態1に対して、洗面器3の内面方向に吹出気流を案内する案内板42を、風吹出しノズル24内の風路を縦に仕切り、吹出気流を洗面器3に向けて複数個設けている。そして、実施の形態1と同じ部分については同一の符号を用い、それらについての説明を省略する。
これにより、風吹出し連通室23内まで送風された空気は、ヒーター27により暖められ、風吹出しノズル24内の案内板42によって洗面器3の内面方向に吹出気流を向けることができることで、手乾燥時、使用者が手を差し出す方向に風が向くこととなり、手を乾燥させやすくなり使い勝手も良くなる。
(実施の形態9)
図11および図12で説明する。図12は、風吹出しユニット48の風吹出口13周辺の横断面図であり、実施の形態9は実施の形態1に対して相違している点を以下に説明する。図11および図12に示すように、風吹出し連通室23内の風路を横断するようにPTCヒーター51を設けている。そのPTCヒーター51は、半導体発熱素子43の両側に風吹出しノズル24からの吹出気流を整流する格子形状で端部にヒーター端子45を有する整流放熱フィン44を設けた構成であり、この格子形状の整流放熱フィン44の中を空気が流れることで風吹出し連通室23内の通風路を形成している。
また、PTCヒーター51は、半導体発熱素子43の両側に設けたアルミ製の整流放熱フィン44の端部に設けたヒーター端子45に電圧を加えることで半導体発熱素子43が発熱し、熱が両側の整流放熱フィン44に伝わる。この整流放熱フィン44に伝わった熱を、整流放熱フィン44内を流れる吹出気流が奪うことで、吹出気流が暖められる。そして、実施の形態1と同じ部分については同一の符号を用い、それらについての説明を省略する。
これにより、風吹出し連通室23内まで送風された空気は、PTCヒーター51の整流放熱フィン44を通過することで、PTCヒーター51によって加温と整流を兼用しているために、風路上での損失抵抗の低減を図りながら加温することができる。そして、PTCヒーター51を案内板の方向に向けることで、吹出気流の方向を変えることができる。
また、PTCヒーター51の両側に配置した整流放熱フィン44に異極電圧を印加する構成のため、万が一、水が下部の整流放熱フィン44が浸漬した場合でも同時に異極が浸漬することを保護している。なお、ここでは安全を考慮して加熱暴走の無いPTCヒーター51としたが、ニクロム線ヒーター、セラミックヒーターなどのヒーター27でも発熱体であれば効果は同じである。
(実施の形態10)
送風部分について、図14から図18を用いて送風ボックス本体21について説明する。図14は同装置の送風ボックス本体の正面図、図15は同装置の送風ボックス本体の側面断面図、図16は同装置の送風ボックス本体の正面断面図、図17は同装置の送風ボックス本体の正面断面図の本体カバーを取り外した図、図18は同装置の送風ボックス本体の側面断面図の裏板を倒した図である。送風ボックス本体21は、本体脚60を有した底板85と、内面に制御基板82を固定した裏板80と、前面と片側面を一体とした前側板93と、上面ともう一方の片側面を一体とした本体カバー72で覆われており、内部にはファンモーター87を組み込み、モーター吸込口94とモーター吹出口95を有している。このモーター吹出口95には、送風ボックス本体21から上に貫通し突出する形で設けられた筒状の本体ダクト接続部74が接続されている。
また、送風ボックス本体21の前面には、上部に電気接続部69を有し、下部には操作表示部62を設けている。上部の電気接続部69は、送風ボックス本体21前面上部を凹ませるとともに下方に向けて傾斜した凹部傾斜部81を有する凹部接続スペース75に設けられ、この凹部接続スペース75は本体カバー72に設けられた接続部カバー73で上部が覆われているため、洗面器からの水漏れがあり送風ボックス本体21の水がかかった場合でも、凹部接続スペース75に浸入することなく電気接続部69に水が付着することを防御している。
また、電気接続部69は、電源コード68を接続する電源接続部70や風吹出しユニット48のヒーター27に電気を供給するヒーターコード77を接続するヒーター接続部71で構成されている。また、これら電気接続部69は送風ボックス本体21に固定された接続受け部84と、電源コード68やヒーターコード77の先端に設けられた接続差込部83で構成され、接続差込部83は接続受け部84に自在に着脱でき電気的に接続できるようになっている。さらに、電源コード68やヒーターコード77は、コードクリップ67で、電気接続部69より低い位置で固定されている。
また、凹部接続スペース75の下部には空気を吸い込む吸込口61を有し、この吸込口61の前面に取り外し可能な粉塵フィルター76が設けられている。そのため、洗面器3からの水の漏れが多く、送風ボックス本体21の底面が水により覆われ粉塵フィルター76から水が浸入しても、上部に設けた電気接続部69は保護されている。
また、裏板80の下部に爪部91を設けるとともに、底板85にも爪部91が入る爪穴部92を設け、爪部91を爪穴部92に差し込むことで裏板80の下部が支点となり、本体カバー72をはずした際に裏板80自身が後ろに倒れる構成となっている。
ここで、ファンモーター87を運転すると、吸込口61から空気と一緒に吸い込まれたゴミや埃などは、吸込口61に設けられた粉塵フィルター76を通過することで除去され、清浄な空気として内部に取り込まれる。この取り込まれた空気は、モーター吸込口94からファンモーター87内に吸い込まれ、モーター吹出口95から本体ダクト接続部74を通じて風吹出し連通室23内に送りだされる。
一方、メンテナンス等をおこなう場合は、送風ボックス本体21前面上部に凹ませた凹部接続スペース75は、送風ボックス本体21前面上部から下方に向けて傾斜した凹部傾斜部81を有するため、電源コード68やヒーターコード77の先端に設けられた接続差込部83と、接続受け部84の着脱を容易におこなうことができる。
本発明の洗面一体型手乾燥装置は、公衆トイレや飲食店の調理場や病院の手術室、一般家庭用においても利用可能である。
本発明の一実施形態の洗面一体型手乾燥装置を組み込んだ全自動洗面器の斜視図 同装置を組み込んだ全自動洗面器の扉を開けた状態の斜視図 同装置を組み込んだ全自動洗面器の扉を開けた状態の正面図 同装置を組み込んだ全自動洗面器の縦断面図 同装置の風吹出しユニットの縦断面図 同装置の風吹出しユニットの縦断面図で、水返し滴下壁周辺の拡大図 同装置の風吹出しユニットの縦断面図で、滴下壁風上面が滑らかな水返し滴下壁周辺の拡大図 同装置の風吹出しユニットの縦断面図で、堰止壁周辺の拡大図 同装置の風吹出しユニットの縦断面図で、ヒーター周辺の拡大図 同装置の風吹出しユニットの縦断面図で、風吹出しノズル周辺の拡大図 本発明の一実施形態の洗面一体型手乾燥装置の風吹出しユニットを平面から見た平面部分断面図 本発明の一実施形態の洗面一体型手乾燥装置のヒーターを、図11のY方向から見た図 同装置を組み込んだ全自動洗面器を上から見た図で、吹出し方向を示した図 本発明の一実施形態の洗面一体型手乾燥装置の送風ボックス本体の正面図 同装置の送風ボックス本体の側面断面図で、風の流れを示す図 同装置の送風ボックス本体の正面断面図で、風の流れを示す図 同装置の送風ボックス本体の正面断面図の本体カバーを取り外した図 同装置の送風ボックス本体の側面断面図の裏板を倒した図 従来の自動手乾燥装置の一例を示す図
符号の説明
3 洗面器
4 手洗いスペース
11 水吐出口
13 風吹出口
22 送風ダクト
23 風吹出し連通室
24 風吹出しノズル
27 ヒーター
32 防水壁
34 ヒーター台
36 水返し滴下壁
37 堰止壁
41 ダンパー
42 案内板
43 半導体発熱素子
44 整流放熱フィン
51 PTCヒーター
61 吸込口
69 電気接続部
75 凹部接続スペース
76 粉塵フィルター
78 収納ボックス
79 開口部
82 制御基板
87 ファンモーター

Claims (7)

  1. 手を洗浄し乾燥する洗面器の上部に、洗浄水を出す水吐出口と、その近傍に洗浄した手の湿りを強制的に温風乾燥する風吹出しノズルと、手を乾燥する手洗いスペースと、前記風吹出しノズルを設けた風吹出し連通室とを有し、前記風吹出し連通室に空気を供給するファンモーターを前記洗面器の下部に設け、前記風吹出し連通室とファンモーターを接続する送風ダクトを備えた洗面一体型手乾燥装置であって、前記風吹出し連通室にヒーターを設け、かつ、前記ヒーターと前記風吹出しノズルとの間に、前記風吹出しノズルから前記風吹出し連通室に流入する逆飛散水が前記ヒーターにかかるのを防御する防御手段を有したことを特徴とする洗面一体型手乾燥装置。
  2. 前記防御手段は、風吹出しノズル風路の延長線上で、かつ、風吹出しノズル口近傍の風吹出し連通室内の上部内壁面に、逆飛散水を受けて滴下する水返し滴下壁を設けたことを特徴とする請求項記載の洗面一体型手乾燥装置。
  3. 前記防御手段は、風吹出し連通室内には、風吹出しノズルの風上側に風吹出口からの水の逆飛散水を堰止めする堰止壁を設けたことを特徴とする請求項または請求項に記載の洗面一体型手乾燥装置。
  4. 前記防御手段は、風吹出し連通室内の下部には、前記風吹出しノズルの風上側に風吹出口からの水の逆飛散水の溜まり水による浸漬を防ぐヒーター台を設け、前記ヒーター台の上にヒーターを配設したことを特徴とする請求項記載の洗面一体型手乾燥装置。
  5. 前記風吹出し連通室内の下部には、前記ファンモーターと接続する送風ダクトとを連通させる開口周りに前記風吹出し連通室内に立ち上がり、送風ダクト内への逆飛散水の浸入を防止する防水壁を設けたことを特徴とする請求項1記載の洗面一体型手乾燥装置。
  6. 手を洗浄し乾燥する洗面器の上部に、洗浄水を出す水吐出口と、その近傍に洗浄した手の湿りを強制的に温風乾燥する風吹出しノズルと、手を乾燥する手洗いスペースと、前記風吹出しノズルを設けた風吹出し連通室とを有し、前記風吹出し連通室に空気を供給するファンモーターを前記洗面器の下部に設け、前記風吹出し連通室と前記ファンモーターを接続する送風ダクトを備え、前記吹出空気連通室内にヒーターを設けた洗面一体型手乾燥装置であって、風吹出し連通室内には、前記ヒーターと前記風吹出しノズルとの間に、風吹出しノズルの風上側に前記風吹出しノズルからの水の逆飛散水を堰止めするために設けた堰止壁と、前記風吹出しノズルの風上側に前記風吹出しノズルからの水の逆飛散水を堰止めするために設けたヒーター台と、前記風吹出し連通室内の下部に、前記ファンモーターと接続する送風ダクトとを連通させる開口周りに前記風吹出し連通室内に立ち上がり、送風ダクト内への逆飛散水の浸入を防止する防水壁とを備え、前記堰止壁、前記ヒーター台、前記防水壁の前記風吹出し連通室内の下部からの高さの関係は、前記堰止壁より前記防水壁を高く、前記防水壁よりさらに前記ヒーター台を高く配設したことを特徴とする洗面一体型手乾燥装置。
  7. 前記防御手段は、風吹出しノズル風路の延長線上で、かつ、風吹出しノズル口近傍の風吹出し連通室内の上部内壁面に、風圧により開閉するダンパーを設け、前記ファンモーターの停止時に、前記ダンパーが前記風吹出しノズル風路を塞ぐことを特徴とする請求項記載の洗面一体型手乾燥装置。
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