JP4127908B2 - キャッピング装置におけるキャッピングヘッドのキャップ保持器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は容器の口部にキャップを巻締めるキャッピング装置におけるキャッピングヘッドのキャップ保持器、特に軟質〜半硬質の射出成形で製造されるプラスチック製キャップを巻締めるキャッピング装置におけるキャッピングヘッドのキャップ保持器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のキャッピング装置におけるヘッドのキャップ保持器は実開平2−52793号或いは実開平7−31693号に示すように、キャップを嵌めるヘッド内にはゴムリングにより内方に進退自在に突出するボールによりキャップを上下方向に支持し、回転力はヘッドの内周面に設けたセレーション即ち突起をキャップの外周面に係合させてその噛合によりキャップに伝達させていた。また、登録実用新案第44485号では、螺状弾機にて常に内面に押圧する玉が常にソケットの中央の孔にその一部を凸出して壜冠を支持するものである。さらには、特開昭55−29428号のようにボールおよびセレーションを用いる代わりにゴムリングを上方より圧迫させてその内周面を内方に突出させ、キャップを上下方向に支持し、ゴムとの摩擦力により回転力をキャップに伝達させるグリップ方式もある。
さらに、特開平7−187290号のように複数個のリング状に配置されたセグメント状部品を、上方からの外力により内方向に寄せ、その応力によりキャップを保持し、セグメントとの摩擦力により回転力を伝達していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記従来の装置は、ヘッドの内周面に設けたセレーション即ち突起がキャップの外周面に係合する際、キャップのローレットは、キャップを製造する手段がプラスチックの射出成形であるが故に、機械加工のような精度はなく、変形や曲がり等が必ず起こる為、噛合に伴いセレーションにてローレットの一部を削りながら挿着されてしまう。その為、キャップに傷が付き美観を損ない商品価値を低下させたり、削り屑が機械に付着し種々の機械的不具合を起こしたり、削り屑が容器内に混入し製品として出荷出来なくなる事態をも起こす重大な欠陥となっている。この現象は特にセレーション自体が非可動体で噛み合い長さが長い場合には顕著である。特に、図4(イ)に示すようにキャップ9のローレットの溝10において、図4(ロ)に示すようにその肉厚部a,aの外側に相当する部分bは成型時には遅く冷えるので、肉引により外側に膨らむ傾向があるので、セレーションがローレットと係合する場合はローレットの谷部が削られ易く、またグリップ方式の場合はその外側に膨らんだ部分のみの摩擦伝導となり、スリップし易くなり、いずれの場合も削り屑や摩耗粉が発生する。
【0004】
特開昭55−29428号のような方式では、ゴム等からなる弾性環体を上方より圧迫変形させる為の圧力空気などの外力を必要とし、その伝達の為の複雑な機構を要し、大きさも大きく、重量も重く、そのため高速時の回転体のフライホイール効果GD2 (回転体の重量:W(Kgf),回転直径:D(m),半径:r=D/2とした場合に GD2 =W×2r2 (Kgf・ m2 ) となり、これから判るように、フライホイールの外径即ちヘッド部外径が大きくなるに従いそのフライホイール効果は直径の2乗で増大する。)が大きくなる為、巻締めトルクの安定性に欠ける一方、ゴム自体の摩耗により前述の場合と同様に摩耗粉が製品内に混入することが発生していた。
また、特開平7−187290号のように、セグメントによる方式も前述の特開昭55−29428号と同様にGD2 は大きく、高速性に欠け、摩擦方式であるために、セグメント又はキャップのローレット自体が摩滅し、そのカスが製品に混入することが発生していた。また前述の特開昭55−29428号と同様にセグメントを内方向に寄せるための圧力空気などの外力とその伝達の為の複雑な機構を要する欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外周面に溝10,10・・・が形成されたキャップ9を容器の口部に巻締めるキャッピング装置においてキャップ9を保持して、該キャップ9を回転させるキャッピングヘッドのキャップ保持器であって、スロート6の下部に、径方向に延びて内端が縮径した透孔8,8・・・を設け、この透孔8,8・・・にキャップ9の外周面の溝10,10・・・の幅と同じ厚さで、かつ溝の曲率と同じ円弧を有する円盤11,11・・・を溝10,10・・・に対応して径方向等角度間隔に回動すべく嵌合し、それらの円盤11,11・・・の外端をスロート6に嵌め込んだ外筒12の内周面に当接してなり、該円盤11,11・・・は、スロート6内にキャップ9が挿入されたときに、該キャップ9の溝10,10,・・・に回転しながら誘導されて嵌合して、嵌合後はキャップ9を弾性変形させて把持するものであり、円盤11,11・・・を介してスロート6からキャップ9へ回転力が伝達される。
【0006】
【作用】
キャッピングヘッドのスロート6は公転しつつ下降し、それと同期して図示しない例えば特開平7−232797に示されるような公知のキャップ供給手段により供給されるキャップ9に上方より嵌まり込み、その際円盤11,11・・・の内端はキャップ9の上に行くに従って小径となるテーパーによってその溝10,10・・・間の凸条を回り込み、その円盤11,11・・・はキャップ9の外周面の溝10,10・・・に滑らかに誘導されて嵌合する。スロート6は嵌合後自転を開始し、かくしてそのスロート6の自転による回転力はスロート6より円盤11,11・・・を介してキャップ9に伝達し、キャップ9を容器に巻締める。
従って、従来のセレーションが不要で、また円盤は回転自在に遊動するのでセレーションのようにキャップの外周面に係合する際キャップの外周面のローレット部を傷つけて切り屑が発生し、その切り屑が容器内に混入するような事態の発生もなく、またスロート6とキャップ9間の係合には上方からの外力等の動力が不要であり、さらに、キャップの保持並びに回転力伝達は最小の大きさで済み、軽量で単純な構造で可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図面につき本発明の一実施の形態を詳細に説明する。図1乃至3は本発明の実施の形態のキャッピング装置における公転及び自転するキャッピングヘッドユニットの下部のキャップ保持器の縦断面図及び平面断面図を示すもので、図示しないカムとメインモータによって上下動および自転並びに公転駆動されるヘッドの下部の回転軸1には筒状のスロートホルダ2を上下動および回転伝達ピン3を介して回転すべく嵌合し、スプリング4により回転軸1の下端のストッパ5に圧接せしめる。
【0008】
近年、飲料製品等で比較的多く採用されている、外周面に円弧ピッチで2mm程度以下の溝(ローレット)を有するローレット幅の狭いキャップの場合において、前記スロートホルダ2の下部内周面には筒状のキャッピングヘッドのスロート6の上部外周面を螺子7により螺合し、このスロート6の下部にはキャップ9の外周面に等角度間隔に設けられた溝10,10・・・に対応して径方向等角度間隔に内端が縮径した12個の透孔8,8・・・を設け、図3(ロ)示のように透孔8,8・・・の内端は頂角が90゜〜120゜の截頭角錐面をなす。これらの透孔8,8・・・にはキャップ9の外周面の溝10,10・・・の幅と同じ厚さで、かつ溝の曲率と同じ円弧を有する鋼製等よりなる円盤11,11・・・を溝10,10・・・に対応して径方向等角度間隔に回動すべく嵌合する。これらの円盤11,11・・・は上記透孔8の縮経により内方には脱出することがない。それら円盤11,11・・・の外端はスロート6に嵌め込んだ表面が滑らかな金属の外筒12の内周面に当接せしめる。
尚、キャップ9の形状精度が良好でない場合等においては、この金属の外筒12は図5示のように、ぜんまいバネのように周方向に伸縮できるように一部切れていて重なるラップ代12aがあるものであってもよい。また円盤11,11・・・は図3では12対示されているが、実用上は3対のみを120゜間隔に設けたものでも良く、円盤自体も対の形態でなくても良い。
【0009】
次にこの装置の動作を説明する。キャッピングヘッドのスロート6は公転しつつ下降し、それと同期して図示しない例えば特開平7−232797号に示されるような公知のキャップ供給手段により供給されるキャップ9に嵌まり込み、その際円盤11,11・・・の内端はキャップ9の上に行くに従って小径となるテーパーによってその溝10,10・・・間の凸条を回り込み、その円盤11,11・・・はキャップ9の外周面の溝10,10・・・に滑らかに誘導されて嵌合し、キャップ9はその円盤11との接触部が凹状に僅かに弾性変形しつつ自動的にセンタリングされる。その際、円盤11,11・・・の外端は表面が滑らかな金属の外筒12に当接し、円盤11,11・・・が後退することを阻止するとともに円盤11,11・・・が滑らかに回転することができる。一旦嵌合した後は、弾性変形の反力によりキャップ9は円盤11,11・・・に押しつけられ、円盤11,11・・・を介してスロート6に把持される。スロート6は嵌合終了後自転を開始し、かくしてそのスロート6の自転による回転力はスロート6より円盤11,11・・・を介してキャップ9に伝達し、キャップ9を容器に巻締める。巻締め完了後スロート6は自転を停止した後上昇し、キャップ9の僅かな弾性変形の反力で円盤11,11・・・を介してスロート6に把持されていたキャップ9はスロート6が上昇することにより把持が解放され、一体となった容器と共に機外に排出される。
【0010】
而して上記軟〜半硬質のプラスチックキャップ9は、回転自在に遊動すべく嵌合された複数個の円盤を有するスロートにキャップを係合することにより、その保持と回転力の伝達が可能で、かつ、切削カスや摩耗粉等を発生することなく、さらに、小型,軽量化が可能となり、それによりスロートを含むヘッド部のGD2 (フライホイール効果)が最小となり、巻締めトルクが大幅に安定し、その上、キャップ保持の為の外力やその外力の制御装置等、複雑な機構も不要となり、安価で取扱いの容易なキャッピング装置を提供することが可能となる。
【0011】
【発明の効果】
以上のようにして本発明においては、円盤11,11・・・は回転しながらキャップ9の外周面の溝10,10・・・に滑らかに誘導されて嵌合するので、スロート6とキャップ9間の位置決めが不要であり、またスロート6の自転による回転力はスロート6より円盤11,11・・・を介してキャップ9に伝達しているので、従来のセレーションが不要で、またセレーションのようにキャップの外周面に係合する際キャップの外周面を傷つけて、美観を損ない商品価値を低下させたり削り屑が機械に付着し種々の機械的不具合を起こしたり、削り屑が容器内に混入し製品として出荷出来なくなる恐れがなく、またスロート6とキャップ9間の係合には上方からの外力等の動力が不要であるから、構造が簡単かつ小型に構成出来、メインモータにかかる負荷も小さくてすみ、その特性を損なわないものである。また、本発明においては、円盤11,11・・・を用いているので、近年、飲料製品等で比較的多く採用されているキャップのようにローレットの溝の幅が小さくなっても円盤11,11・・・は直径を小さくする必要はなく、溝幅に合わせた厚さのみを採用することで確実にローレットの溝の底に接触し、回転力の伝達能力は減少せず、ローレットの側壁を損傷したりすることなく、確実に適正巻締めトルクでキャップを巻締めることが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のキャッピング装置におけるヘッドの下部のキャップ保持器の縦断面図である。
【図2】その要部の拡大図である。
【図3】(イ)は図1のA−A線の断面図、(ロ)はその透孔8の拡大図、(ハ)はその端面図である。
【図4】(イ)、(ロ)はキャップの成型時における肉引の前後の状態を示す説明図である。
【図5】図3(イ)の外筒を変形させた本発明の他の実施の形態の平面断面図である。
【符号の説明】
6 スロート
8 透孔
9 キャップ
10,10・・・ 溝
11,11・・・ 円盤
12 外筒
Claims (1)
- 外周面に溝(10,10・・・)が形成されたキャップ(9)を容器の口部に巻締めるキャッピング装置においてキャップ(9)を保持して、該キャップ(9)を回転させるキャッピングヘッドのキャップ保持器であって、
スロート(6)の下部に、径方向に延びて内端が縮径した透孔(8,8・・・)を設け、この透孔(8,8・・・)にキャップ(9)の外周面の溝(10,10・・・)の幅と同じ厚さで、かつ溝の曲率と同じ円弧を有する円盤(11,11・・・)を溝(10,10・・・)に対応して径方向等角度間隔に回動すべく嵌合し、それらの円盤(11,11・・・)の外端をスロート(6)に嵌め込んだ外筒(12)の内周面に当接してなり、該円盤(11,11・・・)は、スロート(6)内にキャップ(9)が挿入されたときに、該キャップ(9)の溝(10,10,・・・)に回転しながら誘導されて嵌合して、嵌合後はキャップ(9)を弾性変形させて把持するものであり、円盤(11,11・・・)を介してスロート(6)からキャップ(9)へ回転力が伝達されるキャッピング装置におけるキャッピングヘッドのキャップ保持器。
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