JP4127753B2 - データ配信方法およびシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、インターネット等のネットワークを介してユーザに音楽データ、画像データ等のデジタルデータを配信するデータ配信方法およびデータ配信システムに関し、特に、データの著作権を侵すことなくユーザ端末間の2次配信を可能とするデータ配信方法およびデータ配信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル信号処理技術およびコンピュータ技術の進展に伴って、音楽データ、画像データ等の種々のデータが低コストで簡単にデジタル化され、広く利用されるようになった。
【0003】
また、インターネットが一般に普及してきたことを受け、これらデジタル化されたデータをインターネットを介して広く一般ユーザに配信することも可能となった。
【0004】
最近では、動画データ等のより大きなデータがインターネット上で扱われるようになってきたが、これら大きなデータの配信は、サービスプロバイダのサーバの容量を圧迫するのみならず、トラフィックの増加にもつながり、特に即時性を要する通信サービスにおいては、これを妨げる危惧も生まれた。
【0005】
このため、サービスプロバイダは、サーバをミラー化したり、キャッシュサーバを用意して対応を図っていたが、設備投資負担からコスト問題を生じていた。
【0006】
また、一般ユーザのインターネットへの常時接続化が進めば、ホストプロバイダやバックボーンへの負担が大きくなるので、データ配信を可能な範囲で局部的に済ませることが望ましい。
【0007】
これを実現するためのネットワークシステムのモデルとして、ピア・トゥ・ピア(Peer to Peer:PtoP)モデルが登場した。
【0008】
このPtoPモデルは、従来のインターネットを介したデータ配信がサーバという中継点を経由して行われていたのに対して、インターネットにアクセスするあらゆる個人のコンピュータから直接情報の提供を受け、検索はもちろんダウンロードもできるサービスである。
【0009】
即ち、PtoPモデルは、従来のインターネットを介したデータ配信ではウェブサイトに限定されていた情報抽出のパスを、個人が所有するハードディスク等の各種のデータベースにまで拡大したものである。
【0010】
具体的な例としては、会員自身がそれぞれに所有しているデジタル音楽データの検索およびダウンロードを可能とし、他の会員と音楽データを共有する、というサービスがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PtoPモデルによるデータ配信において、ユーザが勝手にデータのコピーを取得したり配布したりするなど、著作権を無視した配信が生まれるにつれ、経済面ならず文化的にもその悪影響が生じるに至っている。
【0012】
この発明は、このような背景に基づいたものであり、PtoP機能を有し、インターネットに常時接続されたユーザ端末を、配信データの2次配信元として利用することによって、データのダウンロードを可能な範囲で局所的に済ませ、サーバ容量の増加およびトラフィック増加の抑制に貢献できるデータ配信方法およびデータ配信システムを提供することを目的とする。
【0013】
また、この発明は、合法的な著作権管理の推進による健全なデータ配信方法およびデータ配信システムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、請求項1記載の発明は、通信ネットワークを介してデジタルデータを配信するデータ配信方法であって、ホストサーバ装置は、前記デジタルデータに当該デジタルデータの配信履歴に関する配信履歴情報を付加して前記通信ネットワークに接続する配信要求元の端末装置に送信し、前記配信履歴情報は、前記通信ネットワークに接続する端末装置間で前記デジタルデータが複製されて配信される毎に、少なくとも配信先の端末装置の識別情報を追記することにより更新され、かつ該更新毎に前記ホストサーバ装置に通知され、前記ホストサーバ装置は、通知された前記更新された配信履歴情報に基づき、前記デジタルデータの配信経路を管理するとともに、前記配信先の端末装置へのサービス代金の課金処理、および配信元の端末装置へのペイバック処理を行うデータ配信方法において、前記配信要求元の端末装置は、前記端末装置間での前記デジタルデータの複製および配信を行うか否かを選択し、前記ホストサーバ装置は、前記デジタルデータの複製および配信を行うことを選択した端末装置と、前記デジタルデータの複製および配信を行わないことを選択した端末装置とで、課金するサービス代金に差をもたせることを特徴とする。
【0015】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記配信先の端末装置および前記配信元の端末装置は、前記ホストサーバ装置に予めユーザ登録された端末装置であり、前記デジタルデータの複製および配信を行い、かつ該デジタルデータの複製および配信に際して前記配信履歴情報の更新を行うことを特徴とする。
【0016】
また、請求項3の発明は、請求項1記載の発明において、前記ホストサーバ装置は、前記デジタルデータ毎に、該デジタルデータを保有し前記端末装置間での該デジタルデータの複製および配信を行うことを選択した前記端末装置の識別情報を対応付けて記憶し、該記憶した識別情報を前記配信要求元の端末装置に公開し、前記配信要求元の端末装置は、所望のデジタルデータを保有する端末装置として前記ホストサーバ装置から公開された端末装置の中から、所望の端末装置を選択して接続し、前記デジタルデータのダウンロードを行うことを特徴とする。
【0017】
また、請求項4の発明は、通信ネットワークを介してデジタルデータを配信するデータ配信システムであって、ホストサーバ装置は、複数のデジタルデータを保有、管理するデジタルデータ保有管理手段と、前記デジタルデータの配信要求を受け取り、当該デジタルデータの配信履歴に関する配信履歴情報を付加して前記デジタルデータを前記通信ネットワークに接続する配信要求元の端末装置に送信するデジタルデータ送信手段と、前記配信履歴情報に基づいて前記デジタルデータの配信経路を管理する配信経路管理手段と、前記配信履歴情報に基づいて前記端末装置への課金処理およびペイバック処理を行う課金処理手段とを有し、前記端末装置は、前記デジタルデータの配信要求を送信する配信要求送信手段と、前記通信ネットワークに接続する端末装置間で前記デジタルデータの複製、配信が行われる毎に、少なくとも配信先の端末装置の識別情報を追記することにより前記配信履歴情報を更新し、かつ該更新した配信履歴情報を前記ホストサーバ装置に通知する配信履歴情報更新手段とを有するデジタルデータ配信システムにおいて、前記ホストサーバ装置は、前記デジタルデータ毎に、該デジタルデータを保有し前記端末装置間での該デジタルデータの複製および配信を行うことを選択した前記端末装置の識別情報を対応付けて記憶し、該記憶した識別情報を前記配信要求元の端末装置に公開するユーザサーバ公開手段を有し、前記配信要求元の端末装置は、所望のデジタルデータを保有する端末装置として前記ホストサーバ装置から公開された端末装置の中から、所望の端末装置を選択して接続し、前記デジタルデータのダウンロードを行うダウンロード手段を有することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わるデータ配信方法およびデータ配信システムの実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
なお、以下、音楽データの配信を例に、この発明に係わるデータ配信方法およびデータ配信システムについて説明する。
【0022】
図1は、この発明の音楽データ配信サービスのシステム構成の一例を示す図である。
【0023】
サービスプロバイダ10は、インターネット40上のWebサーバとして構築される。
【0024】
このサービスプロバイダ10には、種々の音楽データを格納する音楽データベース(音楽DB)11、利用者の個別情報を記憶管理するユーザデータベース(ユーザDB)12、上記配信情報に基づいて音楽データの配信状況を記憶管理する配信履歴DB13が設けられている。
【0025】
ユーザ端末21(ユーザX所有)は、一般のパーソナルコンピュータ(PC)で構成され、主な記憶媒体としてハードディスクドライブ(HDD)を利用している。また、ユーザ端末21は、アクセスプロバイダ31を介して、インターネット40に接続する。
【0026】
同様に、ユーザ端末22(ユーザY所有)、およびユーザ端末23(ユーザZ所有)は、一般のパーソナルコンピュータ(PC)で構成され、主な記憶媒体としてハードディスク(HDD)を利用している。また、ユーザ端末22、およびユーザ端末23は、両者とも、アクセスプロバイダを介し、インターネット40に接続する。
【0027】
ユーザX、Y、Zはそれぞれ、インターネット経由もしくは別途郵送等の手段により、サービスプロバイダ10に対して音楽データ配信サービス(MDLS)への会員登録手続きを行う。
【0028】
この会員登録では、
(1)住所、氏名等の個人情報の登録
(2)会員IDおよびパスワードの設定
(3)サービス代金支払方法の指定
(4)ダウンロードした音楽データを2次配信するか否かの設定
(5)2次配信を承諾した際のペイバック方法の指定
(6)クレジットカード番号の登録
等を行う。
【0029】
サービス代金支払方法としては、周知のクレジットカードを利用する方式や、予め所定の料金をサービスプロバイダに払い込んでおくプリペイド方式などがある。
【0030】
2次配信を承諾した際のペイバック方法としては、周知のクレジットカードを利用する方式や、MDLSにおいて割り引き等の特典として利用できるポイントを発行するポイント方式などがある。
【0031】
また、サービス代金支払方法およびペイバック方法として、クレジット方式以外の方式を指定した場合、クレジットカード番号の登録を行う必要はない。
【0032】
なお、サービス代金支払方法、2次配信をするか否かの指定は、音楽データのダウンロード時に音楽データ毎に行えるようにしても良い。サービス代金支払方法の指定をダウンロード時に行う場合、会員登録時におけるクレジットカード番号の登録は必須となる。
【0033】
図2は、図1に示した音楽データ配信システム上での音楽データの流れの一例を概略的に説明した図である。
【0034】
図2において、ホストサーバ50は、サービスプロバイダ10が管理するサーバであり、上記の音楽DB11、ユーザDB12、配信履歴DB13等を有して構成され、さらに、音楽データの2次配信を管理するための配信管理プログラムを実装している。
【0035】
ユーザサーバ6(ユーザサーバ61乃至63)は、それぞれ、ユーザ端末21、22、23に対応し、それぞれユーザ登録時にホストサーバ10から取得したクライアントプログラム(CP)を実装している。
【0036】
以下、ユーザサーバ61および62は、自身のHDDに保存している音楽データの2次配信を承諾し(つまり、音楽データが保存されている所定の領域に限って他のユーザがアクセスすることを許可した)、ユーザサーバ63は、自身のHDDに保存している音楽データの2次配信を拒否したものとする。
【0037】
ここで、配信管理プログラム、およびクライアントプログラムには、
(1)音楽データの暗復号化プログラム
(2)配信情報作成管理プログラム
等が含まれる。
【0038】
音楽データの暗復号化プログラムは、音楽データの暗号化および復号化を行うプログラムである。この暗号化および復号化の方式としては、例えば、公開鍵方式を用いることができる。これは、周知のように、データを暗号化するための公開鍵と、暗号化されたデータを復号化するための秘密鍵との、2つの鍵を用いる方式であり、この公開鍵、秘密鍵の両方ともが、暗号化データを送られる側で作成される。公開鍵は、データの暗号化を行う側に送られ、秘密鍵は暗号化データを送られる側で保存され、公開鍵で作成された暗号は、対応する秘密鍵でしか解読できない。
【0039】
配信情報作成管理プログラムは、音楽データの配信ルートを管理するための配信情報の作成、管理を行う。この配信情報については後に詳述する。
【0040】
さて、図2において、ホストサーバ50は、音楽データd1をユーザサーバ61に配信するにあたって、配信情報A1を作成し、この配信情報A1を音楽データd1に添付して暗号化した暗号化データをユーザサーバ61に送信する。このとき、作成した配信情報A1のコピーを保存しておく。
【0041】
なお、詳細は後述するが、配信情報A1には、この音楽データd1が、ユーザサーバ61によってホストサーバ50から直接ダウンロード(1次ダウンロード)されたものである旨を示す情報が記録されている。
【0042】
ユーザサーバ61は、ホストサーバ50からダウンロードした暗号化データを復号化し、音楽データd1と配信情報A1とを得、音楽データd1をHDDの所定の領域に保存する。また、配信情報A1を、音楽データd1と対応付けてHDDの所定の領域に保存する。さらに、配信情報A1のコピーを、ホストサーバ50に返送する。
【0043】
ホストサーバ50は、ユーザサーバ61から返送された配信情報が、保存しておいた配信情報A1とを一致すれば、配信情報A1の内容に基づき、ユーザサーバ61に対する課金処理を行う。
【0044】
また、ホストサーバ50は、音楽データd1の2次配信を承諾したユーザサーバとして、ユーザサーバ61のアドレス情報を記憶、管理する。
【0045】
次に、ユーザサーバ61からユーザサーバ62に、音楽データd1が2次配信される場合のデータの流れを説明する。
【0046】
ユーザサーバ61は、音楽データd1と対応付けられて記憶されている配信情報A1に基づいて配信情報A2を作成し、この配信情報A2を音楽データd1に添付して暗号化した暗号化データを、ユーザサーバ62に送信する。このとき、作成した配信情報A2のコピーをホストサーバ50に送信する。
【0047】
なお、詳細は後述するが、配信情報A2には、ユーザサーバ61からユーザサーバ62に音楽データd1が2次配信された旨を示す情報、この音楽データd1の1次ダウンロード者がユーザサーバ61である旨を示す情報等が記録されている。
【0048】
ユーザサーバ62は、ユーザサーバ61からダウンロードした暗号化データを復号化し、音楽データd1と配信情報A2とを得、音楽データd1をHDDの所定の領域に保存する。また、配信情報A2を、音楽データd2と対応付けてHDDの所定の領域に保存する。さらに、配信情報A2のコピーを、ホストサーバ50に返送する。
【0049】
ホストサーバ50は、ユーザ端末61、およびユーザ端末62の両方から配信情報A2のコピーが送信されると、2つの配信情報のコピーが一致するか否か判定し、一致すれば、その内容に基づいてユーザサーバ62に対する課金処理、およびユーザサーバ61に対するペイバック処理を行う。
【0050】
また、ホストサーバ50は、音楽データd1の2次配信を承諾したユーザサーバとして、ユーザサーバ62のアドレス情報を記憶、管理する。
【0051】
次に、ユーザサーバ62からユーザサーバ63に、音楽データd1が2次配信される場合のデータの流れを説明する。
【0052】
ユーザサーバ62は、音楽データd1と対応付けられて記憶されている配信情報A2に基づいて配信情報A3を作成し、この配信情報A3を音楽データd1に添付して暗号化した暗号化データを、ユーザサーバ63に送信する。このとき、作成した配信情報A3のコピーをホストサーバ50に送信する。
【0053】
なお、詳細は後述するが、配信情報A3には、ユーザサーバ62からユーザサーバ63に音楽データd1が2次配信された旨を示す情報、この音楽データd1の1次ダウンロード者がユーザサーバ61である旨を示す情報等が記録されている。
【0054】
ユーザサーバ63は、ユーザサーバ62からダウンロードした暗号化データを復号化し、音楽データd1と配信情報A3とを得、音楽データd1をHDDの所定の領域に保存する。また、配信情報A3を、音楽データd2と対応付けてHDDの所定の領域に保存する。さらに、配信情報A3のコピーを、ホストサーバ50に返送する。
【0055】
ホストサーバ50は、ユーザ端末62、およびユーザ端末63の両方から配信情報A3のコピーが送信されると、両者から送信された配信情報のコピーが一致するか否か判定し、一致すれば、その内容に基づいてユーザサーバ63に対する課金処理、およびユーザサーバ62に対するペイバック処理を行う。
【0056】
なお、各ユーザサーバに対する課金処理において、2次配信を承諾したか否かでサービス代金に差をもたせるようにすると良い。つまり、例えば、ペイバックが期待できる分、2次配信を承諾した場合は2次配信を承諾しない場合よりも高いサービス代金を請求するなどすると良い。
【0057】
このように、音楽データの2次配信を許可し、2次配信元にペイバックを行うことにより、収入の期待からユーザに遵法の動機付けができるので、PtoPを利用したデータ配信においても、合法的な著作権管理の推進による健全なデータ配信が期待できる。
【0058】
さて、ここで、音楽データに添付される配信情報の詳細について説明する。
【0059】
図3(a)〜(c)は、音楽データに添付される配信情報の詳細を示した図で、それぞれ、上記の配信情報A1〜A3に対応するものである。
【0060】
図3(a)〜(c)において、それぞれの配信情報には、
(1)データ識別番号
(2)音楽データの曲名および演奏者名
(3)符号化方式情報
(4)ダウンロード者の2次配信可否情報
(5)ダウンロード者識別情報
(6)配信履歴情報
(7)サービス代金の支払方法
(8)ペイバック方法
(9)セキュリティ情報(電子透かし、暗号キー)
の情報が記録されている。
【0061】
データ識別番号は、ホストサーバ50の音楽DB上において音楽データの管理、識別に用いる番号で、各音楽データにユニークに割り振られている。
【0062】
符号化方式情報は、音楽データの圧縮符号化方式に関する情報であり、ATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding:商標) 、MPEG(Moving Picture Experts Group)オーディオ、MP3(MPEG-1 Audio Layer-3)等がある。圧縮符号化方式は、各ユーザにより、ユーザ登録時、もしくは音楽データのダウンロード時に指定される。
【0063】
2次配信可否情報は、この配信情報が添付される音楽データのダウンロード先のユーザが、ダウンロードした音楽データの他のユーザへの2次配信を承諾しているか否かを示す情報であり、各ユーザ端末のユーザによって、ユーザ登録時、もしくは音楽データのダウンロード時に指定される。
【0064】
ダウンロード者識別情報は、この配信情報が添付される音楽データの配信先のユーザについての情報であり、ユーザ登録時に各ユーザにユニークに発行される会員IDや、ユーザ端末に固有のアドレス情報等が用いられる。
【0065】
配信履歴情報には、さらに、
(1)1次ダウンロード者識別情報
(2)ダウンロード元情報
(3)ダウンロード日時履歴
等の情報が記録されている。
【0066】
1次ダウンロード者識別情報は、この配信情報が添付される音楽データをサービスプロバイダから直接ダウンロードしたユーザについての情報であり、ユーザ登録時に各ユーザにユニークに発行される会員IDや、ユーザ端末に固有のアドレス情報等が用いられる。
【0067】
ダウンロード元情報は、この配信情報が添付される音楽データの保持者、つまり、当該配信情報を作成したユーザ端末についての情報である。
【0068】
即ち、この配信履歴情報により、サービスプロバイダから直接この音楽データをダウンロードしたのが誰(1次ダウンロード者)で、今現在、誰(ダウンロード元)から誰(ダウンロード者)に2次配信されたのかを把握することができる。
【0069】
サービス代金支払方法は、ユーザ登録時、もしくは音楽データのダウンロード時に、各ユーザによって指定された支払方法である。
【0070】
ペイバック方法は、ユーザ登録時に各ユーザによって指定された2次配信時のペイバックの方法である。
【0071】
セキュリティ情報は、電子透かし、暗号キー等の情報である。
【0072】
さて、図3(a)は、ホストサーバ50からユーザサーバ61に配信される音楽データd1に付加される配信情報A1を示す図である。
【0073】
配信情報A1には、データ識別番号および曲名/演奏者名が音楽データd1に基づいて記録され、符号化方式、2次配信可否、サービス代金支払方法が、ユーザサーバ61の指定に基づいて記録される。
【0074】
ダウンロード者識別情報としてユーザサーバ61の識別情報が記録され、配信履歴情報には、ユーザサーバ61自身の識別情報が1次ダウンロード者として記録され、ダウンロード元としてホストサーバ50の識別情報が記録される。
【0075】
なお、配信情報A1が添付される音楽データd1は、ホストサーバ5から直接ダウンロードされるものであるので、ペイバック方法については特に記録されない。
【0076】
図3(b)は、ユーザサーバ61からユーザサーバ62に2次配信される音楽データd1に付加される配信情報A2を示す図である。
【0077】
配信情報A2には、データ識別番号、曲名/演奏者名、符号化方式が配信情報A1に基づいて記録され、2次配信可否、サービス代金支払方法がユーザサーバ62の指定に基づいて記録され、ペイバック方法がユーザサーバ61の指定に基づいて記録される。
【0078】
また、ダウンロード者識別情報としてユーザサーバ62の識別情報が記録され、配信履歴情報には、ユーザサーバ61の識別情報が1次ダウンロード者として記録され、ダウンロード元としてユーザサーバ61の識別情報が記録される。
【0079】
ダウンロード日時は、配信情報A1に記録された日時の後に、この2次配信の日時が付け加えられて履歴として記録される。
【0080】
即ち、配信情報A2は、配信情報A1の、データ識別番号、曲名/演奏者名、符号化方式、および1次ダウンロード者識別情報以外の情報を更新することによって作成される。
【0081】
図3(c)は、ユーザサーバ62からユーザサーバ63に2次配信される音楽データd1に付加される配信情報A3を示す図である。
【0082】
配信情報A3には、データ識別番号、曲名/演奏者名、符号化方式が配信情報A2に基づいて記録され、2次配信可否、サービス代金支払方法がユーザサーバ63の指定に基づいて記録され、ペイバック方法がユーザサーバ62の指定に基づいて記録される。
【0083】
また、ダウンロード者識別情報としてユーザサーバ63の識別情報が記録され、配信履歴情報には、ユーザサーバ61の識別情報が1次ダウンロード者として記録され、ダウンロード元としてユーザサーバ62の識別情報が記録される。
【0084】
ダウンロード日時は、配信情報A2に記録された日時の後に、この2次配信の日時が付け加えられて履歴として記録される。
【0085】
即ち、配信情報A3は、配信情報A2の、データ識別番号、曲名/演奏者名、符号化方式、および1次ダウンロード者識別情報以外の情報を更新することによって作成される。
【0086】
次に、音楽データのダウンロードが行われる際のサービスプロバイダ10、および各ユーザ端末2の処理を具体例を挙げて説明する。
【0087】
図4は、1次ダウンロードの際のサービスプロバイダおよびユーザ端末の処理を概略的に説明するフローチャートである。
【0088】
なお、図4では、サービスプロバイダとユーザ端末のそれぞれの処理が互いに関連づけられて示されている。
【0089】
サービスプロバイダ10は、インターネット40を介してアクセスされたユーザ端末(ここではユーザ端末21とする)に対して、例えば図6のような、MDLSへのログイン画面を配信し、ログインを待つ(ステップ101)。
【0090】
ユーザXは、まず、サービスプロバイダから配信されたログイン画面上で、会員IDとパスワードを入力し、MDLSへのログインを要求する(ステップ201)。
【0091】
サービスプロバイダ10は、ユーザ端末21からログイン要求を受信すると、ログイン要求とともに送信された会員IDおよびパスワードに基づいて会員認証を行い(ステップ102)、会員と判定された場合(ステップ103でYes)、例えば図7に示すような、音楽データ選択画面を配信して、ダウンロードする音楽データの指定、およびダウンロード(DL)方法の選択を要求する(ステップ104)。このダウンロード方法には、指定した音楽データをホストサーバから直接ダウンロードする(1次ダウンロード)、指定した音楽データを保持する他のユーザ端末からダウンロードする(2次ダウンロード)、の2種類の方法がある。
【0092】
なお、会員認証の結果、非会員と判定された場合は(ステップ103でNo)、その旨をユーザ端末に通知して処理を終了する。なお、非会員と判定された場合、新たにユーザ登録を受け付けて、その後ステップ104以降の処理を実行するようにしてもよい。
【0093】
さて、会員認証の結果、会員であると判定されMDLSへのログインを許可されたユーザXは、ユーザ端末21上に表示された音楽データ選択画面上で、所望の音楽データ、およびダウンロード方法として1次ダウンロードを指定する(ステップ203)。
【0094】
サービスプロバイダ10は、ユーザ端末21から音楽データ、ダウンロード方法として1次ダウンロードが指定されると(ステップ105でYes)、例えば図10に示すような、サービスレベル/サービス代金支払い方法設定画面を配信して、サービスレベルとサービス代金支払方法の選択を要求する(ステップ106)。
【0095】
なお、サービスレベルとは、データの圧縮符号化方式と2次配信の可否とを合わせた情報であるが、もちろん、この圧縮符号化方式と2次配信の可否については、別個に指定できるようにしても良い。
【0096】
また、サービス代金支払方法としてクレジット方式を選択した場合に必要となるクレジットカード番号は、ユーザ登録時に予め登録されている。
【0097】
さて、ユーザXは、ユーザ端末21上に表示された、サービスレベル/サービス代金支払い方法設定画面上で、所望のサービスレベルおよびサービス代金支払方法を選択し、ダウンロード要求を送信する(ステップ204)。
【0098】
サービスプロバイダ10は、ユーザ端末21からサービスレベル、サービス代金支払方法が選択されてダウンロード要求が送信されると(ステップ107でYes)、指定された音楽データを音楽DB11から検索して、指定された方法で圧縮符号化する。
【0099】
そして、圧縮符号化した音楽データに配信情報を付加して暗号化し(ステップ108)、この暗号化データをユーザ端末21に送信する。
【0100】
ユーザ端末21では、所望の音楽データ(暗号化されている)がダウンロードされると(ステップ205でYes)、ダウンロードした暗号化データを復号化して音楽データおよび配信情報を得、音楽データを自身のHDDに保存し、配信情報をこの音楽データと対応付けて記憶する(ステップ206)。
【0101】
また、ユーザ端末21は、復号化して得た配信情報のコピーをサービスプロバイダ10に返送する(ステップ207)。
【0102】
サービスプロバイダ10は、ユーザ端末21から配信情報が返送されるのを待ち(ステップ110)、配信情報が返送されると(ステップ110でYes)、ユーザ端末21がダウンロードした音楽データの2次配信を承諾しているか否かを確認し(ステップ111)、承諾していれば(ステップ111でYes)、当該音楽データを保持するユーザサーバリストにユーザ端末21の識別情報を追加して(ステップ112)、ユーザ端末21に対する課金処理を行う(ステップ113)
図5は、2次ダウンロードの際のサービスプロバイダおよびユーザ端末の処理を概略的に説明するフローチャートである。
【0103】
なお、図5では、サービスプロバイダと各ユーザ端末のそれぞれの処理が互いに関連づけられて示されている。
【0104】
ここで、サービスプロバイダ10と、ダウンロードを要求するユーザ端末(ここでは、ユーザ端末22とする)は、まず、図4のステップ101〜105(サービスプロバイダ)、ステップ201〜202(ユーザ端末22)までの処理と同一の処理を行う。
【0105】
さて、ユーザ端末22は、サービスプロバイダ10から配信された、例えば図7のような音楽データ選択画面上で、所望の音楽データ、およびダウンロード方法として2次ダウンロードを指定する(ステップ503)。
【0106】
サービスプロバイダ10は、ユーザ端末22から音楽データ、ダウンロード方法として2次ダウンロードが指定されると(ステップ105でYes)、各音楽データに対応して複数用意されているユーザサーバリストから、指定された音楽データに対応するユーザサーバリストを検索して、ユーザ端末Aに送信する(ステップ301)。
【0107】
なお、ユーザサーバリストには、各ユーザサーバの概略所在地や(東京、大阪、NY等)、加入プロバイダ等の情報を付加しておくと良い。このような方法によれば、例えば図1において、ユーザ端末22の所望の音楽データを、ユーザ端末21とユーザ端末23の両方が保持する場合、同じアクセスプロバイダ32に加入しているユーザ端末23からの方がスムーズにダウンロードできると予想でき、より適切なユーザサーバの選択を行うことができる。
【0108】
さて、ユーザYは、サービスプロバイダ10からユーザ端末22に、例えば図8に示すようなユーザサーバリストが送信されると(ステップ502でYes)、当該リストから2次ダウンロード元のユーザ端末として所望のユーザ端末を選択し、選択したユーザ端末に直接接続する(ステップ503)。ここでは、ユーザ端末21を選択/接続したものとする。
【0109】
ユーザ端末21は、ユーザ端末22から接続要求を受信すると、例えば図9に示すような、自身のHDDに保持している2次配信可能な音楽データのリストをユーザ端末22に送信する(ステップ401)。
【0110】
ユーザYは、ユーザ端末21から送信されユーザ端末22上に表示された音楽データリストから、所望の音楽データを選択する。
【0111】
ユーザ端末21は、ユーザ端末22から音楽データを指定されると(ステップ402でYes)、例えば図10に示すような、サービスレベル/サービス代金支払い方法設定画面を配信して、サービスレベルとサービス代金支払方法の選択を要求する(ステップ403)。
【0112】
なお、サービスレベルとは、データの圧縮符号化方式と2次配信の可否とを合わせた情報であるが、もちろん、この圧縮符号化方式と2次配信の可否については、別個に指定できるようにしても良い。
【0113】
また、サービス代金支払方法としてクレジット方式を選択した場合に必要となるクレジットカード番号は、ユーザ登録時に予め登録されている。
【0114】
さて、ユーザ端末21からサービスレベルとサービス代金支払方法の指定を要求されると(ステップ506でYes)、ユーザYは、ユーザ端末22上に表示されたサービスレベル/サービス代金支払い方法設定画面上で、所望のサービスレベルおよびサービス代金支払方法を選択し、ユーザ端末21に音楽データのダウンロード要求を送信する(ステップ507)。
【0115】
ユーザ端末21は、ユーザ端末22からサービスレベル、サービス代金支払方法が選択されてダウンロード要求が送信されると(ステップ404でYes)、指定された音楽データをHDDから検索して、指定された方法で圧縮符号化する。
【0116】
そして、圧縮符号化した音楽データに配信情報を付加して暗号化し(ステップ405)、この暗号化データをユーザ端末21に送信するとともに(ステップ406)、この配信情報のコピーをサービスプロバイダ10に送信する(ステップ407)。
【0117】
ユーザ端末22では、所望の音楽データ(暗号化されている)がダウンロードされると(ステップ508でYes)、ダウンロードした暗号化データを復号化して音楽データおよび配信情報を得、音楽データを自身のHDDに保存し、配信情報をこの音楽データと対応付けて記憶する(ステップ509)。
【0118】
また、ユーザ端末22は、復号化して得た配信情報のコピーを、ユーザ端末21およびサービスプロバイダ10の両方に返送する(ステップ510)。
【0119】
サービスプロバイダ10は、ユーザ端末21およびユーザ端末22から配信情報のコピーが返送されるのを待ち(ステップ302)、配信情報が返送されると(ステップ302でYes)、ユーザ端末21へのペイバック処理を行い、ユーザ端末22に対して、図4のステップ111〜113と同一の処理を行う。
【0120】
以上、音楽データの配信を例に説明したが、もちろん他のデジタルデータの配信にもこの発明が適用できる。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ユーザに音楽データの2次配信を許可し、2次配信元にペイバックを行うことで、収入が期待できることから、ユーザに遵法の動機付けができ、合法的な著作権管理の推進による健全なネット配信が期待でき、かつ、コンテンツを気軽にダウンロードすることが見込め、サービス事業が活性化できるという効果を奏する。
【0122】
また、PtoPによりネットワークへの負担が軽減されるとともに、ミラーサーバやキャッシュサーバの設置数を軽減でき、サービスプロバイダの費用負担を削減できるいう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用した音楽データ配信サービスのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】この発明を適用した音楽データ配信システム上での音楽データの流れの一例を概略的に説明した図である。
【図3】音楽データに添付される配信情報の詳細を示した図である。
【図4】1次ダウンロードの際のサービスプロバイダおよびユーザ端末の処理について説明するフローチャートである。
【図5】2次ダウンロードの際のサービスプロバイダおよびユーザ端末の処理について説明するフローチャートである。
【図6】この発明を適用した音楽データ配信システムのWeb画面の一例を示す図である。
【図7】この発明を適用した音楽データ配信システムのWeb画面の一例を示す図である。
【図8】この発明を適用した音楽データ配信システムのWeb画面の一例を示す図である。
【図9】この発明を適用した音楽データ配信システムのWeb画面の一例を示す図である。
【図10】この発明を適用した音楽データ配信システムのWeb画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 サービスプロバイダ
11 音楽データベース
12 ユーザデータベース
13 配信履歴データベース
21、22、23 ユーザ端末
31、32 アクセスプロバイダ
40 インターネット
50 ホストサーバ
61、62、63 ユーザサーバ
Claims (4)
- 通信ネットワークを介してデジタルデータを配信するデータ配信方法であって、
ホストサーバ装置は、前記デジタルデータに当該デジタルデータの配信履歴に関する配信履歴情報を付加して前記通信ネットワークに接続する配信要求元の端末装置に送信し、
前記配信履歴情報は、前記通信ネットワークに接続する端末装置間で前記デジタルデータが複製されて配信される毎に、少なくとも配信先の端末装置の識別情報を追記することにより更新され、かつ該更新毎に前記ホストサーバ装置に通知され、
前記ホストサーバ装置は、通知された前記更新された配信履歴情報に基づき、前記デジタルデータの配信経路を管理するとともに、前記配信先の端末装置へのサービス代金の課金処理、および配信元の端末装置へのペイバック処理を行うデータ配信方法において、
前記配信要求元の端末装置は、
前記端末装置間での前記デジタルデータの複製および配信を行うか否かを選択し、
前記ホストサーバ装置は、
前記デジタルデータの複製および配信を行うことを選択した端末装置と、前記デジタルデータの複製および配信を行わないことを選択した端末装置とで、課金するサービス代金に差をもたせる
ことを特徴とするデータ配信方法。 - 前記配信先の端末装置および前記配信元の端末装置は、前記ホストサーバ装置に予めユーザ登録された端末装置であり、
前記デジタルデータの複製および配信を行い、かつ該デジタルデータの複製および配信に際して前記配信履歴情報の更新を行う
ことを有することを特徴とする請求項1記載のデータ配信方法。 - 前記ホストサーバ装置は、
前記デジタルデータ毎に、該デジタルデータを保有し前記端末装置間での該デジタルデータの複製および配信を行うことを選択した前記端末装置の識別情報を対応付けて記憶し、該記憶した識別情報を前記配信要求元の端末装置に公開し、
前記配信要求元の端末装置は、
所望のデジタルデータを保有する端末装置として前記ホストサーバ装置から公開された端末装置の中から、所望の端末装置を選択して接続し、前記デジタルデータのダウンロードを行う
ことを特徴とする請求項1記載のデータ配信方法。 - 通信ネットワークを介してデジタルデータを配信するデータ配信システムであって、
ホストサーバ装置は、
複数のデジタルデータを保有、管理するデジタルデータ保有管理手段と、
前記デジタルデータの配信要求を受け取り、当該デジタルデータの配信履歴に関する配信履歴情報を付加して前記デジタルデータを前記通信ネットワークに接続する配信要求元の端末装置に送信するデジタルデータ送信手段と、
前記配信履歴情報に基づいて前記デジタルデータの配信経路を管理する配信経路管理手段と、
前記配信履歴情報に基づいて前記端末装置への課金処理およびペイバック処理を行う課金処理手段と
を有し、
前記端末装置は、
前記デジタルデータの配信要求を送信する配信要求送信手段と、
前記通信ネットワークに接続する端末装置間で前記デジタルデータの複製、配信が行われる毎に、少なくとも配信先の端末装置の識別情報を追記することにより前記配信履歴情報を更新し、かつ該更新した配信履歴情報を前記ホストサーバ装置に通知する配信履歴情報更新手段と
を有するデジタルデータ配信システムにおいて、
前記ホストサーバ装置は、
前記デジタルデータ毎に、該デジタルデータを保有し前記端末装置間での該デジタルデータの複製および配信を行うことを選択した前記端末装置の識別情報を対応付けて記憶し、該記憶した識別情報を前記配信要求元の端末装置に公開するユーザサーバ公開手段
を有し、
前記配信要求元の端末装置は、
所望のデジタルデータを保有する端末装置として前記ホストサーバ装置から公開された端末装置の中から、所望の端末装置を選択して接続し、前記デジタルデータのダウンロードを行うダウンロード手段
を有することを特徴とするデジタルデータ配信システム。
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