JP4127346B2 - ポリッシング装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体ウエハ等のポリッシング対象物の表面を平坦且つ鏡面にするポリッシング装置及び方法に係り、特にポリッシング後の洗浄を行う洗浄装置を備えたポリッシング装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造プロセスにおいては、半導体ウエハの製造工程におけるウエハ表面を平坦且つ鏡面にするためにポリッシングを行い、またデバイス製造工程におけるデバイス上に形成された層を平坦且つ鏡面にするためにポリッシングを行っている。これら半導体ウエハの製造工程及びデバイス製造工程におけるポリッシング工程には、ポリッシング装置が使用されている。
【0003】
従来のポリッシング装置は、ポリッシングだけを行う専用のポリッシング装置であり、ポリッシングの完了した半導体ウエハは移動式の水槽の中に入れて次の洗浄工程へ搬送されていた。ところが、この方法では、ポリッシング工程において、クリーンルームのクリーン度を損ない、かつポリッシング終了後の半導体ウエハの搬送も人手による搬送手段に頼らざるを得なく、またポリッシング装置とその後の洗浄工程で使用する洗浄機の2種類の装置を必要とするため、設置スペースも広く必要であった。
【0004】
そこで、ポリッシング工程のクリーン化を図り、かつ装置の設置スペースの縮小を図るため、ポリッシング工程と洗浄工程を同一装置内で行い、半導体ウエハをドライな状態で装置に入れ、処理後に半導体ウエハをクリーンでドライな状態で装置から払い出すドライイン/ドライアウト方式を実現したポリッシング装置が開発された。しかしながら、ドライイン/ドライアウト方式を採用したポリッシング装置は、ポリッシングだけを行う専用のポリッシング装置に比べて、単位時間及び単位設置面積あたりの処理能力が低かった。そこで、今日までに、この課題を解決する方法が特願平11−59522号において提案されており、ポリッシングだけを行う専用のポリッシング装置に比べ多くの面で、優れた特徴を持った装置になっている。
【0005】
上述のドライイン/ドライアウト方式のポリッシング装置では、単位設置面積あたりの処理能力を高めるため、ポリッシング終了後の洗浄工程では、それぞれ互いに異なる洗浄方式を備えた2台の洗浄装置で、2段にわたって洗浄を行い、最低限の機能でより小さな設置面積に装置を収めていた。ところが、デバイスの微細化が進むにつれ、ポリッシング終了後の半導体ウエハのクリーン度をより高い状態で搬出する要求が高まり、ポリッシング終了後の洗浄工程における洗浄段数が2段から3段へと増えてきた。これら洗浄装置の工程はポリッシング終了後における半導体ウエハ上に付着した微細なパーティクルを取り除く工程と、半導体ウエハ上に付着した金属イオンを取り除く工程と、半導体ウエハを乾燥させてドライな状態にする工程とからなる。また、場合によっては、半導体ウエハ上に付着した2種類以上の金属イオンを、半導体ウエハ上に供給する薬液を変えて洗浄を行い、洗浄工程の段数は4段となることも考えられる。4段の洗浄工程は、全て異なる4台の洗浄装置で行われるか、または3台の洗浄装置のうち、1台の洗浄装置の中で2段の洗浄工程が行われても良い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、3段以上の洗浄工程を2台の洗浄装置で行うと、少なくとも1台の洗浄装置で2段の洗浄工程を行うことになり、これに伴い1台の洗浄装置における単位時間あたりの処理能力は低くなる。また、3台以上の洗浄装置を一列にポリッシング装置内に備えると、ポリッシング装置全体の大きさが大きくなり、単位設置面積あたりの処理能力が低くなる。上記のどちらの手段をとっても、特願平11-59522号で提案されている特徴が損なわれることになる。
【0007】
本発明は、ドライイン/ドライアウト方式のポリッシング装置に適用可能であり、単位時間あたり及び単位設置面積あたりの処理能力を損なうこと無く、洗浄工程における洗浄段数を3段以上備え、微細化に伴う半導体ウエハのクリーン化に対応できるポリッシング装置及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
また本発明は、上述のドライイン/ドライアウト方式のポリッシング装置に適用可能であり、半導体ウエハ等のポリッシング対象物の単位時間及び単位面積あたりの処理能力を飛躍的に高めることができるポリッシング装置及び方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための本発明のポリッシング装置は、研磨すべきポリッシング対象物を供給するとともに研磨後のポリッシング対象物を受け入れるロードアンロード部と、研磨面を有した研磨テーブルと、ポリッシング対象物を保持し、かつポリッシング対象物を前記研磨面に押圧するトップリングと、研磨後のポリッシング対象物を洗浄する3台以上の洗浄装置と、前記ポリッシング対象物を待機させる複数の置き台を具備したステーションと、前記ロードアンロード部と前記ステーションの間でポリッシング対象物を搬送する第1の搬送ロボットと、前記3台以上の洗浄装置および前記ステーション間で研磨後のポリッシング対象物を搬送する第2の搬送ロボットおよび第3の搬送ロボットを有する搬送機構とを備え、前記搬送機構は前記3台以上の洗浄装置および前記ステーション間における搬送ルートを変更可能であり、前記ステーションは、前記研磨前のポリッシング対象物を待機させる置き台を2個以上具備し、前記研磨後のポリッシング対象物が複数段の洗浄工程を経る間にポリッシング対象物を待機させる置き台を2個以上具備し、前記研磨前のポリッシング対象物を待機させる少なくとも2個の置き台が重なることなく左右に設置され、その下方に前記研磨後のポリッシング対象物を待機させる2個以上の置き台を有し、前記研磨前のポリッシング対象物を待機させる左右に設置された2個の置き台のうち、一方の置き台には前記第2の搬送ロボットがアクセス可能であり、他方の置き台には前記第3の搬送ロボットがアクセス可能になっており、前記研磨後のポリッシング対象物を待機させる2個以上の置き台は、前記第2の搬送ロボットと第3の搬送ロボットの搬送可能領域の交点に上下に位置していることを特徴とするものである。
本発明によれば、同一の装置で、様々なポリッシング工程に応じた必要な洗浄工程の洗浄段数を単位設置面積あたりの処理能力を落すこと無く確保し、各洗浄工程における洗浄プロセス時間を短時間に抑えるように、長い時間を必要とする洗浄工程を2台以上の洗浄装置に分けて処理するように、搬送ルートを変えることで単位時間あたりのポリッシング対象物の処理枚数(スループット)を増加させることができる。
【0010】
本発明の好ましい態様は、研磨面を有した複数の研磨テーブルと、ポリッシング対象物を保持し、かつポリッシング対象物を前記研磨面に押圧する複数のトップリングと、前記複数のトップリングが到達可能な位置に設置され、回転中心から所定円周上に位置しポリッシング対象物を保持する複数の部分を有し、かつこの複数の部分におけるポリッシング対象物の入れ換えを行う機能を有するロータリトランスポータと、前記ロータリトランスポータとトップリングとの間でポリッシング対象物を受け渡しするプッシャーと、前記ロータリトランスポータとの間でポリッシング対象物を受け渡し可能であるとともにポリッシング対象物を反転する機能を有する反転機とを備えた。
本発明によれば、半導体ウエハ等のポリッシング対象物をトップリングに搬送する時間を短縮することが可能となり、単位時間あたりのポリッシング対象物の処理枚数(スループット)を飛躍的に増加させることができる。
【0011】
本発明の好ましい態様は、ポリッシング対象物の研磨を行う研磨部と、研磨後のポリッシング対象物を洗浄する洗浄部と、研磨前および研磨後のポリッシング対象物を反転する反転機とを備え、前記研磨部ではポリッシング対象物の被研磨面を下向きにした状態で処理し、前記洗浄部ではポリッシング対象物の被研磨面を上向きにした状態で処理する。
本発明によれば、全ての洗浄工程において、研磨後のポリッシング対象物の被研磨面を上向きの状態で処理することができる。
【0012】
本発明の好ましい態様は、研磨面を有した研磨テーブルと、ポリッシング対象物を保持しかつポリッシング対象物を前記研磨面に押圧するトップリングと、研磨後のポリッシング対象物を洗浄する複数の洗浄装置と、前記複数の洗浄装置間で研磨後のポリッシング対象物を搬送する搬送機構と、前記複数の洗浄装置を経由してポリッシング対象物が複数段の洗浄工程を経る間にポリッシング対象物を待機させるための置き台を具備したステーションとを備えた。
本発明によれば、研磨後のポリッシング対象物を洗浄工程を経る間に待機させることができるため、洗浄プロセス時間が異なる複数の洗浄工程を複数のポリッシング対象物について並列して行う場合に対応することができる。
【0013】
本発明の好ましい態様は、研磨すべきポリッシング対象物を供給するとともに研磨後のポリッシング対象物を受け入れるロードアンロード部と、ポリッシング対象物の研磨を行う研磨部と、研磨後のポリッシング対象物を洗浄する洗浄部とを備え、前記ロードアンロード部、研磨部および洗浄部は、それぞれポリッシング対象物を通過させるための開口を備えた隔壁によって仕切られた部屋に収容されている。
本発明によれば、洗浄度が異なる各部屋が隔壁によって仕切られているため、汚染された部屋の雰囲気が他の清浄な部屋に流入して清浄度を低下させる恐れがない。
【0014】
本発明の好ましい態様は、研磨面を有した複数の研磨テーブルと、ポリッシング対象物を保持しかつポリッシング対象物を前記研磨面に押圧するトップリングと、研磨後のポリッシング対象物を洗浄する複数の洗浄装置と、ポリッシング対象物を搬送する搬送機構とを備え、前記複数の研磨テーブルの研磨面は、粗研磨を行う研磨面と仕上げ研磨を行う研磨面から構成されている。
本発明によれば、研磨速度を大きくすることに重点を置いた研磨面と、研磨速度は遅いが研磨後の被研磨面の表面状態のきめが更に細かくなる仕上げ研磨用の研磨面とを組み合わせることにより、ポリッシング対象物を効率的に研磨を行うことができるとともに良好な被研磨面が得られる。
【0015】
本発明の好ましい態様は、研磨すべきポリッシング対象物を供給するとともに研磨後のポリッシング対象物を受け入れるロードアンロード部と、研磨面を有した研磨テーブルと、ポリッシング対象物を保持し、かつポリッシング対象物を前記研磨面に押圧するトップリングと、研磨後のポリッシング対象物を洗浄する3台以上の洗浄装置と、ポリッシング対象物を搬送する搬送機構とを備え、前記3台以上の洗浄装置の少なくとも2台は、同一洗浄機能を有する。
本発明によれば、3台以上の洗浄装置のうち、同一の洗浄モジュールの洗浄装置を少なくとも2台搭載しているため、長い時間を必要とする洗浄工程を2台以上の洗浄装置に分けて処理することができ、即ち、タクトタイムの分散を図ることができ、単位時間あたりの処理枚数(スループット)を増加させることができる。
【0016】
本発明の好ましい態様は、研磨面を有した研磨テーブルと、ポリッシング対象物を保持しポリッシング対象物を前記研磨面に押圧するトップリングと、前記ポリッシング対象物を載置するとともに移動可能な複数の置き台を備えた搬送機構と、前記置き台とトップリングとの間でポリッシング対象物を受け渡しするプッシャーと、前記置き台との間でポリッシング対象物を受け渡し可能であるとともにポリッシング対象物を反転する機能を有する反転機とを備えた。
本発明の好ましい態様は、第1の研磨テーブルと、前記第1の研磨テーブルにて研磨されたポリッシング対象物を研磨するための第2の研磨テーブルと、ポリッシング対象物を保持し、かつポリッシング対象物を前記第1の研磨テーブル及び前記第2の研磨テーブルの研磨面に押圧するトップリングとを備え、前記第1の研磨テーブルでポリッシング対象物を研磨した後、前記第2の研磨テーブルで研磨する前にポリッシング対象物をリンスする。
また、前記ポリッシング装置は、前記第1の研磨テーブルと、前記第2の研磨テーブルと、前記トップリングと、ポリッシング対象物をリンスする部分を有する研磨部と、前記第1の研磨テーブル及び前記第2の研磨テーブルにて研磨されたポリッシング対象物を洗浄する洗浄部とからなることを特徴とする。
また、前記トップリングが前記第1の研磨テーブルから前記第2の研磨テーブルにポリッシング対象物を保持しながら移動する際に、ポリッシング対象物をリンスすることを特徴とする。
また、洗浄液ノズルから洗浄液を噴射することにより、ポリッシング対象物をリンスすることを特徴とする。
また、前記第2の研磨テーブルは並進運動をすることを特徴とする。
また、前記第1の研磨面は研磨パッドからなり、前記第2の研磨面は砥石からなることを特徴とする。
また、前記第2の研磨テーブルでポリッシング対象物の研磨が終了し、前記トップリングがポリッシング対象物を離脱した後、前記トップリングを洗浄するトップリング洗浄ノズルを有することを特徴とする。
本発明のポリッシング方法の好ましい態様は、トップリングでポリッシング対象物を保持し、第1の研磨テーブルの研磨パッドからなる研磨面にポリッシング対象物を押圧してポリッシング対象物を研磨する工程と、前記第1の研磨テーブルにてポリッシング対象物を研磨した後、ポリッシング対象物を保持した前記トップリングを第2の研磨テーブルへ移動させる工程と、前記トップリングを移動させる工程において、ポリッシング対象物に向けて洗浄液を噴出してポリッシング対象物をリンスする工程と、リンスされたポリッシング対象物を第2の研磨テーブルの砥石からなる研磨面に押圧して研磨する工程と、前記第2の研磨テーブルにて研磨されたポリッシング対象物を前記トップリングから離脱した後にトップリング洗浄ノズルにより前記トップリングを洗浄する工程とからなる。
本発明の好ましい態様は、研磨砥液を供給するための貫通孔を有する研磨テーブルと、中空シャフトとを有し、前記研磨テーブルに貼り付けられる研磨パッドには、前記貫通孔の位置に対応して孔が設けられ、前記研磨テーブルは、研磨砥液から前記研磨テーブルの運動を行う機構を保護するためのラビリンス機構を備えている。
また、前記研磨テーブルと該研磨テーブルを支持するテーブルとの間には研磨砥液をためるための空間が設けられていてもよい。
また、前記ラビリンス機構は、前記テーブルに取り付けられたフリンガーと、樋とによって形成されていてもよい。
本発明の好ましい態様は、ポリッシング対象物を研磨するポリッシング装置であって、研磨テーブルと、ポリッシング対象物を保持し、かつポリッシング対象物を前記研磨テーブルの研磨面に押圧するトップリングと、研磨前のポリッシング対象物が置かれる第1の置き台と、研磨後のポリッシング対象物が置かれる第2の置き台とを具備したステーションと、前記第1の置き台及び第2の置き台にアクセス可能な2つのハンドを有するポリッシング対象物を搬送するための搬送ロボットと、前記ステーション及び前記搬送ロボットが配置されている領域とを区画するための開口を有する隔壁とを備え、前記搬送ロボットの一方のハンドは、前記開口から前記第1の置き台にアクセス可能であり、かつポリッシング対象物を吸着するための真空吸着ハンドからなる。
また、前記第1の置き台または第2の置き台には、ポリッシング対象物有無検知用センサが設けられていることを特徴とする。
また、前記第1の置き台はポリッシング対象物を置くためのガイドブロックを有することを特徴とする。
また、複数の半導体ウエハがストックされているウエハカセットと、前記ウエハカセットを戴置するためのロードアンロードステージと、前記ウエハカセット内の半導体ウエハが斜めに挿入されていることを検知するウエハ斜め検知機能を有するサーチセンサとを備えていることを特徴とする。
また、前記サーチセンサを上下方向にストロークさせる駆動源を有し、前記サーチセンサは前記ウエハカセットを上下方向に移動することによって前記ウエハカセット内の半導体ウエハの枚数を検知することを特徴とする。
また、前記ロードアンロードステージは、ダミーウエハまたはQCウエハを載置するためのダミーウエハステーションを有することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るポリッシング装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るポリッシング装置の各部の配置構成を示す平面図である。
図1に示すポリッシング装置は多数の半導体ウエハをストックするウエハカセット1を載置するロードアンロードステージ2を4つ備えている。ロードアンロードステージ2は昇降可能な機構を有していても良い。ロードアンロードステージ2上の各ウエハカセット1に到達可能となるように、走行機構3の上に2つのハンドを有した搬送ロボット4が配置されている。
【0018】
前記搬送ロボット4における2つのハンドのうち下側のハンドはウエハカセット1より半導体ウエハを受け取るときのみに使用され、上側のハンドはウエハカセット1に半導体ウエハを戻すときのみに使用される。これは、洗浄した後のクリーンなウエハを上側にして、それ以上ウエハを汚さないための配置である。下側のハンドはウエハを真空吸着する吸着型ハンドであり、上側のハンドはウエハの周縁部を保持する落し込み型ハンドである。吸着型ハンドはカセット内のウエハのずれに関係なく正確に搬送し、落し込み型ハンドは真空吸着のようにごみを集めてこないのでウエハの裏面のクリーン度を保って搬送できる。搬送ロボット4の走行機構3を対称軸に、ウエハカセット1とは反対側に2台の洗浄機5,6が配置されている。各洗浄機5,6は搬送ロボット4のハンドが到達可能な位置に配置されている。また2台の洗浄機5,6の間で、ロボット4が到達可能な位置に、4つの半導体ウエハの載置台7,8,9,10を備えたウエハステーション50が配置されている。前記洗浄機5,6は、ウエハを高速回転させて乾燥させるスピンドライ機能を有しており、これによりウエハの2段洗浄及び3段洗浄にモジュール交換することなく対応することができる。
【0019】
前記洗浄機5,6と載置台7,8,9,10が配置されている領域Bと前記ウエハカセット1と搬送ロボット4が配置されている領域Aのクリーン度を分けるために隔壁14が配置され、互いの領域の間で半導体ウエハを搬送するための隔壁の開口部にシャッター11が設けられている。洗浄機5と3つの載置台7,9,10に到達可能な位置に2つのハンドを有した搬送ロボット20が配置されており、洗浄機6と3つの載置台8,9,10に到達可能な位置に2つのハンドを有した搬送ロボット21が配置されている。
【0020】
前記載置台7は、搬送ロボット4と搬送ロボット20との間で半導体ウエハを互いに受渡すために使用され、半導体ウエハの有無検知用センサ71を具備している。載置台8は、搬送ロボット4と搬送ロボット21との間で半導体ウエハを受渡すために使用され、半導体ウエハの有無検知用センサ72を具備する。載置台9は、搬送ロボット21から搬送ロボット20へ半導体ウエハを搬送するために使用され、半導体ウエハの有無検知用センサ73と半導体ウエハの乾燥防止、もしくは洗浄用のリンスノズル75を具備している。載置台10は、搬送ロボット20から搬送ロボット21へ半導体ウエハを搬送するために使用され、半導体ウエハの有無検知用センサ74と半導体ウエハの乾燥防止、もしくは洗浄用のリンスノズル76を具備している。載置台9及び10は共通の防水カバーの中に配置されていて、搬送用のカバー開口部にはシャッター77を設けている。載置台9は載置台10の上にあり、洗浄後のウエハを載置台9に、洗浄前のウエハを載置台10に置くことにより、リンス水の落下による汚染を防止している。なお、図1においては、センサ71,72,73,74、リンスノズル75,76、およびシャッター77は模式的に示したものであって、位置および形状は正確に図示されていない。
【0021】
前記搬送ロボット20および搬送ロボット21の上側のハンドは、一度洗浄された半導体ウエハを洗浄機もしくはウエハステーション50の載置台へ搬送するのに使用され、下側のハンドは1度も洗浄されていない半導体ウエハ、及び研磨される前の半導体ウエハを搬送するのに使用される。下側のハンドで反転機へのウエハの出し入れを行うことにより、反転機上部の壁からのリンス水のしずくにより上側のハンドを汚染することがない。
前記洗浄機5と隣接するように搬送ロボット20のハンドが到達可能な位置に洗浄機22が配置されている。また、洗浄機6と隣接するように搬送ロボット21のハンドが到達可能な位置に洗浄機23が配置されている。
前記洗浄機5,6,22,23とウエハステーション50の載置台7,8,9,10と搬送ロボット20,21は全て領域Bの中に配置されていて、領域A内の気圧よりも低い気圧に調整されている。前記洗浄機22,23は、両面洗浄可能な洗浄機である。
【0022】
本ポリッシング装置は、各機器を囲むようにハウジング46を有しており、前記ハウジング46内は隔壁14、隔壁15、隔壁16、隔壁24、および隔壁47により複数の部屋(領域A、領域Bを含む)に区画されている。
隔壁24によって領域Bと区分されたポリッシング室が形成され、ポリッシング室は更に隔壁47によって2つの領域CとDに区分されている。そして、2つの領域C,Dにはそれぞれ2つの研磨テーブルと、1枚の半導体ウエハを保持しかつ半導体ウエハを前記研磨テーブルに対して押し付けながら研磨するための1つのトップリングが配置されている。即ち、領域Cには研磨テーブル34,36、領域Dには研磨テーブル35,37がそれぞれ配置されており、また、領域Cにはトップリング32、領域Dにはトップリング33がそれぞれ配置されている。また領域C内の研磨テーブル34に研磨砥液を供給するための砥液ノズル40と、研磨テーブル34のドレッシングを行うためのドレッサ38とが配置されている。領域D内の研磨テーブル35に研磨砥液を供給するための砥液ノズル41と、研磨テーブル35のドレッシングを行うためのドレッサ39とが配置されている。さらに、領域C内の研磨テーブル36のドレッシングを行うためのドレッサ48と、領域D内の研磨テーブル37のドレッシングを行うためのドレッサ49とが配置されている。なお、研磨テーブル36,37の替わりに、湿式タイプのウエハ膜厚測定機を設置してもよい。その場合は、研磨直後のウエハの膜厚を測定することができ、ウエハの削り増しや、測定値を利用して次のウエハへの研磨プロセスの制御を行うこともできる。
【0023】
図2はトップリング32と研磨テーブル34,36との関係を示す図である。なお、トップリング33と研磨テーブル35,37の関係も同様になっている。図2に示すように、トップリング32は回転可能なトップリング駆動軸91によってトップリングヘッド31から吊下されている。トップリングヘッド31は位置決め可能な揺動軸92によって支持されており、トップリング32は研磨テーブル34,36にアクセス可能になっている。また、ドレッサ38は回転可能なドレッサ駆動軸93によってドレッサヘッド94から吊下されている。ドレッサヘッド94は位置決め可能な揺動軸95によって支持されており、ドレッサ38は待機位置と研磨テーブル34上のドレッサ位置との間を移動可能になっている。ドレッサ48も同様に、回転可能なドレッサ駆動軸96によってドレッサヘッド97から吊下されている。ドレッサヘッド97は位置決め可能な揺動軸98によって支持されており、ドレッサ48は待機位置と研磨テーブル36上のドレッサ位置との間を移動可能になっている。
【0024】
図1に示すように、隔壁24によって領域Bとは区切られた領域Cの中にあって、搬送ロボット20のハンドが到達可能な位置に半導体ウエハを反転させる反転機28が、搬送ロボット21のハンドが到達可能な位置に半導体ウエハを反転させる反転機28’がそれぞれ配置されている。また、領域Bと領域Cを区切る隔壁24には、半導体ウエハ搬送用の開口部が設けられ、それぞれの反転機28と反転機28’専用のシャッター25,26が開口部に設けられている。
前記反転機28及び反転機28’は、半導体ウエハをチャックするチャック機構と半導体ウエハの表面と裏面を反転させる反転機構と半導体ウエハを前記チャック機構によりチャックしているかどうかを確認するウエハ有無検知センサとを備えている。また、反転機28には搬送ロボット20によって半導体ウエハが搬送され、反転機28’には搬送ロボット21によって半導体ウエハが搬送される。
【0025】
前記反転機28及び28’とトップリング32及び33の下方に、洗浄室(領域B)とポリッシング室(領域C,D)の間でウエハを搬送するロータリトランスポータ27が配置されている。ロータリトランスポータ27には、ウエハを載せるステージが4ヶ所等配に設けてあり、同時に複数のウエハが搭載可能になっている。反転機28及び28’に搬送されたウエハは、ロータリトランスポータ27のステージの中心と、反転機28または28’でチャックされたウエハの中心の位相が合った時に、ロータリトランスポータ27の下方に設置されたリフタ29または29’が昇降することで、ロータリトランスポータ27上に搬送される。ロータリトランスポータ27のステージ上に載せられたウエハは、ロータリトランスポータ27の位置を90°変えることで、トップリング32または33の下方へ搬送される。トップリング32または33は予めロータリトランスポータ27の位置に揺動している。トップリング32または33の中心が前記ロータリトランスポータ27に搭載されたウエハの中心と位相が合ったとき、それらの下方に配置されたプッシャー30または30’が昇降することで、ウエハはロータリトランスポータ27からトップリング32または33へ移送される。
【0026】
前記トップリング32および33に移送されたウエハは、トップリングの真空吸着機構により吸着され、ウエハは研磨テーブル34または35まで吸着されたまま搬送される。そして、ウエハは研磨テーブル34,35上に取り付けられた研磨パッド又は砥石等からなる研磨面で研磨される。トップリング32及び33がそれぞれに到達可能な位置に、前述した第2の研磨テーブル36と37が配置されている。これにより、ウエハは第1の研磨テーブル34,35で研磨が終了した後、第2の研磨テーブル36,37で研磨できるようになっている。しかしながら、半導体ウエハに付けられた膜種によっては、第2の研磨テーブル36,37で研磨された後、第1の研磨テーブル34,35で処理されることもある。この場合、第2の研磨テーブルの研磨面が小径であることから、研磨パッドに比べて値段の高い砥石を貼り付け、粗削りをした後に、大径の第1の研磨テーブルに寿命が砥石に比べて短い研磨パッドを貼り付けて仕上げ研磨をすることで、ランニングコストを低減することが可能である。このように、第1の研磨テーブルを研磨パッド、第2の研磨テーブルを砥石とすることにより、安価な研磨テーブルを供給できる。というのは、砥石の価格は研磨パッドより高く、径にほぼ比例して高くなる。また、砥石より研磨パッドの方が寿命が短いので、仕上げ研磨のように軽荷重で行った方が寿命が延びる。また、径が大きいと接触頻度が分散でき、寿命が延びる。よって、メンテナンス周期が延び、生産性が向上する。
【0027】
この場合、第1の研磨テーブル34でウエハを研磨した後に、第2の研磨テーブル36にトップリング32が移動する前に、トップリング32が研磨テーブル34から離間した位置で、研磨テーブル34に隣接して設置された洗浄液ノズル510によりトップリング32に保持されたウエハに向けて洗浄液が噴射される。これにより、第2の研磨テーブル36へ移動する前にウエハが一旦リンスされるので、複数の研磨テーブル相互間の汚染が防止できる。
【0028】
また、第1の研磨面にロデールニッタ社製の研磨パッドIC1000/SUBA400を張り付け、第2の研磨面に同じくロデールニッタ社製の研磨パッドPOLITEXを張り付けるような2段研磨の方法もある。この2段研磨は、小径の第2の研磨テーブルを使用しなくても、大径のテーブル2つを使って順次研磨することもできる。上記ではそれぞれ異なる研磨パッドを使用して2段研磨をする方法を述べたが、同一の研磨パッド、もしくは砥石を使用しても良い。第1の研磨面および第2の研磨面で研磨が終了した後、ドレッサ38,39,48,49によってそれぞれの研磨面のドレッシングを行う。ドレッシングとは、研磨テーブルの研磨面がウエハの研磨によって劣化したことに対して、その回復を図るための処置で、コンディショニング,修正などと呼ばれることもある。
【0029】
研磨が終了したウエハは、再び同じルートで反転機28および28’まで戻される。反転機まで戻されたウエハは、純水もしくは洗浄用の薬液によりリンスノズルによってリンスされる。また、ウエハを離脱したトップリング32,33のウエハ吸着面は、トップリング洗浄ノズルから純水もしくは薬液によって洗浄され、場合によっては乾燥防止のためにリンスされる。そして、隔壁にはプッシャー洗浄ノズルが取り付けてあり、前記プッシャーの洗浄も行えるようになっている。また、ウエハの歩留まり、洗浄効果の向上のため、ウエハをトップリングに吸着させた状態で薬液リンスすることもでき、プッシャーの上方でロータリトランスポータ27に保持された状態で薬液リンスすることもできる。また後述するノズルでリフターを洗浄することもできる。
【0030】
図2の右側部分には、ロータリトランスポータ27と、反転機28又は28’と、リフタ29又は29’と、プッシャー30又は30’との関係が示されている。図2に示すように、ロータリトランスポータ27の上方に反転機28又は28’が配置され、ロータリトランスポータ27の下方にリフタ29又は29’およびプッシャー30又は30’がそれぞれ配置されている。
【0031】
次に、ウエハの搬送ルートを説明する。
本装置の通常処理ルートは全てのユニットを自由に組合せ、設定できるようにソフトウェアが組まれている。例えば、以下の3通りの方法がある。
(1)2つのポリッシング室(領域Cおよび領域D)のうち片側で1つのウエハカセット内のウエハを処理し、もう片側のポリッシング室で別のウエハカセット内のウエハの処理に使用する方法(2カセットパラレル運転)
(2)1つのウエハカセット内のウエハを任意に2つのポリッシング室に振り分けて処理を行う方法(1カセットパラレル運転)
(3)ウエハカセットからでたウエハを1つのポリッシング室で処理した後、もう一方のポリッシング室で2段目の処理をする方法(シリーズ運転)
【0032】
また、洗浄室側では、ポリッシング室より処理を終えて出てきたウエハを、以下の6通りの方法で処理する。
(A)洗浄機22→洗浄機5と洗浄機23→洗浄機6の2列の2段洗浄で払い出す方法
(B)洗浄機23→洗浄機6→洗浄機5の1列の3段洗浄で払い出す方法、又は洗浄機22→洗浄機23又は6→洗浄機5の1列の3段洗浄で払い出す方法
(C)洗浄機22と洗浄機23のどちらか洗浄の行われていない方で洗浄する2列の1段洗浄と洗浄機6→洗浄機5の1列の2段洗浄を組合せた3段洗浄で払い出す方法
(D)洗浄機23→洗浄機6→洗浄機22→洗浄機5の1列の4段洗浄で払い出す方法
(E)洗浄機22→洗浄機23→洗浄機6→洗浄機5の1列の4段洗浄で払い出す方法
(F)1段目のポリッシングを終えたウエハを洗浄機22で洗浄した後に再び2段目のポリッシングを行い、その後洗浄機23→洗浄機6→洗浄機5の1列の3段洗浄で払い出す方法
【0033】
上記(1)〜(3)および(A)〜(F)を適宜組み合わせれば、組合せ方により以下の特徴がある。
(1−A)
この組み合わせでは、2つのカセット間でプロセスが異なる場合と複数のロットを高スループットで払い出す場合にそれぞれ有効である。2つのカセット間でプロセスが異なる場合には、2台のドライイン/ドライアウトの装置が1台にまとまったような装置となる。また、この組み合わせがもっともスループットが出るので、2つのカセットが同一のプロセスで生産能力がより求められる場合に使用される。
(2−A)
この組み合わせでは、1つのカセット内のウエハを短時間に処理する場合に有効である。また、1つのカセット内のウエハを任意に2種類のプロセスに分けて処理することも可能である。
(3−A)
2段洗浄工程のうち少なくとも1ヶ所の洗浄時間が2段研磨のどちらの研磨時間よりも長い場合には、2段洗浄工程が1列だけであると洗浄時間につられて研磨の処理能力が低下してしまう。この場合に2段洗浄工程が2列あると、研磨終了後のウエハが洗浄時間につられることなく払い出される。このようなケースでは、この組み合わせがきわめて有効である。
(1−B)
研磨終了後の洗浄工程で、3種類以上の洗浄工程が必要な場合にこの組み合わせが取られる。また、この組み合わせでは、洗浄工程が1列で処理されるために洗浄の処理能力が落ちるので、研磨時間が洗浄時間に比べて長くなる時にはきわめて有効となる。
(2−B)
1−Bのように複数のロットを1度に処理せずに、1つのロットだけを処理する場合に使用され、1−Bと同じ効果が得られる。
(3−B)
1−Bと同じように、洗浄段数を3段要する時にこの組み合わせで処理を行う。
(1−C)
この組み合わせは、1−Bと同じ効果が得られるが、1段目の洗浄工程での洗浄時間が他のウエハ処理ユニットに比べ長い場合に、1段目の洗浄工程を2台の洗浄機を使用することで、ウエハが搬送ルート上の1段目の洗浄機で渋滞するのを緩和させ、処理能力を上げることができる。
(2−C)
1−Cと同様で2−Bと同じ理由からこの組み合わせが使われる。
(3−C)
1−Cと同様で3−Bと同じ理由からこの組み合わせが使われる。
(1,2,3−D,E)
それぞれのポリッシング室の使い方に加え、洗浄工程が4段必要な場合に使用される。
(3−F)
2段研磨を行う上で、2段目の研磨でウエハに1段目の研磨剤が付着したまま研磨を行うのを防ぐために、2段目の研磨に入る前に洗浄工程を入れて搬送させるのにこの組み合わせを使用する。
【0034】
本発明においては、それぞれ研磨テーブル34,35を有した2つの研磨部を備えているため、研磨部の少なくとも1つを使用してポリッシング装置を運転中に他の研磨部のメンテナンスが可能である。
洗浄部はポリッシング対象物を洗浄する複数の洗浄機5,6,22,23を備え、前記洗浄機の少なくとも1つを使用してポリッシング装置を運転中に他の洗浄機のメンテナンスが可能である。
【0035】
図3乃至図22は、図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の一例を示す模式的工程図であり、図3乃至図14は一つのウエハカセット(CS1)からウエハが取り出され、研磨工程、洗浄工程を経てウエハカセット(CS1)に戻されるまでの各工程と、もう一つのウエハカセット(CS2)からウエハが取り出され、研磨工程、洗浄工程を経てウエハカセット(CS2)に戻されるまでの各工程を図示したものである。また図15乃至図22は一つのウエハカセット(CS1)からウエハが取り出され、研磨工程、洗浄工程を経てウエハカセット(CS1)に戻されるまでの各工程を図示したものである。図3乃至図22において、ウエハカセット1はCS1,CS2,CS3,CS4で表し、搬送ロボット4,20,21はそれぞれRBD,RBL,RBRで表し、洗浄機22,23,6,5はCL1,CL2,CL3,CL4で表し、反転機28,28’はTOL,TORで表し、研磨テーブル34,35はTTL,TTRで表し、トップリング32,33はTRL,TRRで表し、ロータリトランスポータ27のロード用置き台はLR,LLで表し、アンロード用置き台はULR,ULLで表している。またウエハステーション50の置き台7,8,9,10はそれぞれDSL,DSR,WS1,WS2で表している。
【0036】
図3乃至図7は2段洗浄の2カセットパラレル処理を示している。
図3乃至図7に示すように、一方のウエハは、ウエハカセット(CS1)→搬送ロボット(RBD)→ウエハステーションの置き台(DSL)→搬送ロボット(RBL)→反転機(TOL)→ロード用の置き台(LL)→トップリング(TRL)→研磨テーブル(TTL)→トップリング(TRL)→アンロード用の置き台(ULL)→反転機(TOL)→搬送ロボット(RBL)→洗浄機(CL1)→搬送ロボット(RBL)→洗浄機(CL4)→搬送ロボット(RBD)→ウエハカセット(CS1)に至る経路を経る。
【0037】
また、他方のウエハは、ウエハカセット(CS2)→搬送ロボット(RBD)→ウエハステーションの置き台(DSR)→搬送ロボット(RBR)→反転機(TOR)→ロード用の置き台(LR)→トップリング(TRR)→研磨テーブル(TTR)→トップリング(TRR)→アンロード用の置き台(ULR)→反転機(TOR)→搬送ロボット(RBR)→洗浄機(CL2)→搬送ロボット(RBR)→洗浄機(CL3)→搬送ロボット(RBD)→ウエハカセット(CS2)に至る経路を経る。
【0038】
図8乃至図14は3段洗浄の2カセットパラレル処理を示している。
図8乃至図14に示すように、一方のウエハは、ウエハカセット(CS1)→搬送ロボット(RBD)→ウエハステーションの置き台(DSL)→搬送ロボット(RBL)→反転機(TOL)→ロード用の置き台(LL)→トップリング(TRL)→研磨テーブル(TTL)→トップリング(TRL)→アンロード用の置き台(ULL)→反転機(TOL)→搬送ロボット(RBL)→洗浄機(CL1)→搬送ロボット(RBL)→ウエハステーションの置き台(WS2)→搬送ロボット(RBR)→洗浄機(CL3)→搬送ロボット(RBR)→ウエハステーションの置き台(WS1)→搬送ロボット(RBL)→洗浄機(CL4)→搬送ロボット(RBD)→ウエハカセット(CS1)に至る経路を経る。
【0039】
また、他方のウエハは、ウエハカセット(CS2)→搬送ロボット(RBD)→ウエハステーションの置き台(DSR)→搬送ロボット(RBR)→反転機(TOR)→ロード用の置き台(LR)→トップリング(TRR)→研磨テーブル(TTR)→トップリング(TRR)→アンロード用の置き台(ULR)→反転機(TOR)→搬送ロボット(RBR)→洗浄機(CL2)→搬送ロボット(RBR)→洗浄機(CL3)→搬送ロボット(RBR)→ウエハステーションの置き台(WS1)→搬送ロボット(RBL)→洗浄機(CL4)→搬送ロボット(RBD)→ウエハカセット(CS2)に至る経路を経る。
【0040】
図15乃至図22は3段洗浄のシリーズ処理を示している。
図15乃至図22に示すように、ウエハは、ウエハカセット(CS1)→搬送ロボット(RBD)→ウエハステーションの置き台(DSL)→搬送ロボット(RBL)→反転機(TOL)→ロード用の置き台(LL)→トップリング(TRL)→研磨テーブル(TTL)→トップリング(TRL)→アンロード用の置き台(ULL)→反転機(TOL)→搬送ロボット(RBL)→洗浄機(CL1)→搬送ロボット(RBL)→ウエハステーションの置き台(WS2)→搬送ロボット(RBR)→反転機(TOR)→ロード用の置き台(LR)→トップリング(TRR)→研磨テーブル(TTR)→トップリング(TRR)→アンロード用の置き台(ULR)→反転機(TOR)→搬送ロボット(RBR)→洗浄機(CL2)→搬送ロボット(RBR)→洗浄機(CL3)→搬送ロボット(RBR)→ウエハステーションの置き台(WS1)→搬送ロボット(RBL)→洗浄機(CL4)→搬送ロボット(RBD)→ウエハカセット(CS1)に至る経路を経る。図3乃至図22では、一方のウエハがウエハカセット(CS1)から、他方のウエハがウエハカセット(CS2)から取り出されると記述しているが、ウエハカセット(CS1,CS2)を一方の研磨テーブル(TTL)へウエハを供給するカセットとし、ウエハカセット(CS3,CS4)を他方の研磨テーブル(TTR)へウエハを供給するカセットとしてもよい。
【0041】
次に、図1に示すポリッシング装置の各部の構成を詳細に説明する。
ロードアンロード部
図23(a)および図23(b)はロードアンロード部を示す図であり、図23(a)は正面図、図23(b)は側面図である。
図23(a)および図23(b)に示すように、ロードアンロード部は、ウエハカセット1(オープンカセット)を装置に搭載するためのロードアンロードステージ2を4つ備えている。このロードアンロードステージ2はウエハカセットの下の形状にあわせたブロックによる位置決め機構を有し、繰り返しカセットを載せても常に同じ位置になるよう構成されている。また、正しい位置にウエハカセットが搭載された場合には、ボタン式のセンサによりカセットの存在を検知する。同時にそのとき透過型光センサ351をウエハがカセットからある一定長飛出した場合に遮光されるようにカセットの上下に配置することで、ウエハ飛出しを検知し、カセットのスロットにウエハが正しく収まっているかどうかを見る。飛出しを検知した場合は、インターロックが作動し、搬送ロボット4やサーチ機構352等がロードアンロード部に対してアクセスできないように制御する。
【0042】
各ロードアンロードステージ2の下にはダミーウエハステーション353がある。ダミーウエハステーション353は、ウエハを各1枚以上載置することが可能であり、製品ウエハを処理する前に研磨パッドの状態を安定した状態にするのに使用するダミーウエハや、装置の状態を確認するために搬送させるQCウエハ等を入れる。ダミーウエハステーション353内には、ウエハ有無検知用のセンサ354が設置されており、ウエハの存在を確認することができる。また、飛出しセンサも構成するが、ウエハ飛出しセンサ351で機能を共有しても良い。ダミーウエハステーション353にウエハを載せるため、カセットが載置されていない場合にはステーションの上部に構成されるロードアンロードステージ2を持ち上げて、手作業にてウエハを載せることも可能になっている。ただ、標準的にダミーウエハステーション353へウエハを搭載する方法としては、ウエハを挿入したカセットを、任意のロードアンロードステージ2に載せたあと、ウエハのサーチをし、どのウエハをどのダミーウエハステーションに送るかをコントロールパネルより指示すれば、カセット、ダミーウエハステーション双方にアクセス可能な搬送ロボット4によって、ウエハをカセットからダミーウエハステーションへ移送する方法がとられる。
【0043】
ロードアンロードステージ2の下部(ダミーウエハステーションがある場合はさらにその下)には、ウエハサーチ機構352を備えている。サーチ機構352は駆動源(パルスモータ)355により、上下にストローク可能で、その先には、ウエハサーチセンサ356が配置されている。サーチ機構352はウエハサーチ動作中以外には装置内部に待機していて、他の動作部分との干渉を防いでいる。サーチセンサ356は、ロードアンロード部側面からみて、光線がカセット内を水平に貫通するように向かい合って配置される。ウエハサーチ時にはサーチ機構352がダミーウエハステーション353の下からカセットの最終スロット上部まで往復し、ウエハによって光線が遮光された回数をカウントし、ウエハの枚数をカウントすると共にその位置を駆動源のパルスモータのパルスから検知して、カセット内のどのスロットにウエハがあるのかを判断する。また、あらかじめカセットのスロット間隔を入力しておき、その間隔以上のパルス間でセンサの光線が遮光された場合にはウエハが斜めに挿入されていることを検知するウエハ斜め検知機能も設置されている。
【0044】
また、ウエハカセットの開口部と装置の間には、シリンダにより上下に駆動されるシャッター357が配置され、カセット搭載エリアと装置内を遮断する。前記シャッター357はカセットに対して搬送ロボット4がウエハを出し入れしている場合を除き、閉じられている。さらには、装置前面に対して複数並べられたロードアンロードステージ2の間にはそれぞれ隔壁358を設ける。これにより、処理終了後のカセット交換作業中、隣のカセットが稼働中でも人が誤って触れることなくカセットにアクセスできる。
また、ロードアンロード部の前面は更に扉360で装置外部と遮られている。扉360には、ロック機構と、開閉判別用のセンサ361が設けられており、処理中に扉360をロックすることにより、カセットの保護と人体への危険を未然に防止している。また、扉が一定時間開き放しになっている時にアラーム(警報)を発するようになっている。
【0045】
カセットをロードアンロード部へ載置する方法として以下の2通りある。
(1)ウエハが収納されたカセットでそのまま載置台へ置く方法。これはクリーンルームのロードアンロード部に面している部屋が比較的清浄な状態にある場合、例えば、クラス100以下の時にとられる手段である。
(2)クリーンルームのロードアンロード部に面した部屋が比較的ダーティ(汚れた)な状態にある場合、例えば、クラス1000以上の時にはカセットをクラス100程度に管理された箱の中に入れ、クリーンルーム内を搬送し、そのままロードアンロード部へ載置する手段がとられる。
(1)の手段をとる場合には、ロードアンロード部にフィルタファンユニット10000を構成することでカセットの載置される場所を特に清浄な状態に保つ。
【0046】
図24はロードアンロード部の他の例を示す図であり、上記(2)の手段をとる場合を示す図である。(2)の手段をとる場合には、箱367の中にウエハカセット1が収納された状態でロードアンロードステージ2上に置かれる。箱367がロードアンロードステージ2上に置かれると、ロードアンロードステージ2に取り付けられたステージ366と箱367の底板363はロックされるように互いに固定される。箱367と底板363は密閉されるように取付けられている。また、ステージ366と底板363がロックされると同時にロードアンロードステージ2と箱367は密着され、箱367と底板363は解放されて自由に取外しができるようになる。
【0047】
ステージ366は昇降機構362を具備しており、ステージ366とウエハカセット1を載せた底板363は共に昇降可能である。ステージ366と底板363がロックされたことを確認すると、ステージ366は下降し、ウエハカセット1を装置内部364へ入れ込む。装置内部364を清浄な状態に保っていれば、ウエハカセット1は装置内部364よりもダーティな装置外の雰囲気365にさらされることなく装置内部へ搬入することができ、ロードアンロードステージ2よりも下に位置する場所に搬送ロボット4がウエハを受取りに来ることでウエハをポリッシング装置内に搬入することができる。
【0048】
洗浄機
本ポリッシング装置に搭載される洗浄機のうち、洗浄機22と23では、ロール状のスポンジをロールの軸を中心に回転させてウエハに押付けてウエハの裏面を洗浄できるようになっており、ウエハの表面はロール状のスポンジを回転させながらウエハに押付けて洗浄するロールタイプと、半球状のスポンジを回転させながら押付けて洗浄するペンシルタイプのどちらかが選択でき、更に、洗浄液に超音波を当てて洗浄するメガソニックタイプののものを付加することができる。洗浄機22及び23は主にウエハ上のパーティクルを落す役割を担っている。また、どの方法を選んだ場合にも、各洗浄機には3種類以上の洗浄液をウエハの表面(被研磨面)及びウエハの裏面に供給することができる。前記洗浄液は純水を使用しても良い。
【0049】
洗浄機5,6には、ウエハの裏面はリンス洗浄することができ、ウエハ表面の洗浄は半球状のスポンジを回転させながら押付けて洗浄するペンシルタイプと、洗浄液に超音波を当てて洗浄するメガソニックタイプが同時にできるようになっている。各洗浄機では3種類以上の洗浄液をウエハの表面及びウエハの裏面に供給することができる。前記洗浄液は純水を使用しても良い。そして、ウエハをチャックするステージは高速で回転させることが可能で、洗浄後のウエハを乾燥させる機能がつけられている。
【0050】
また、上記の各洗浄機に搭載可能なメガソニックタイプに代わり、キャビテーション効果を利用したキャビジェットタイプでも同様な効果が得られるので、キャビジェットタイプを搭載しても良い。
上記洗浄機5,6,22,23のウエハ搬入口には、図1に示すように、それぞれシャッター5a,6a,22a,23aが取り付けられており、ウエハが搬入される時のみ開口可能となっている。また、各洗浄液供給ラインにはエアーの圧力で制御できる定流量弁が配備されており、エアー圧を制御する電空レギュレータを組合せることで、コントロールパネルから流量を自由に設定可能になっている。そして、各洗浄機に供給される洗浄液、洗浄方法、洗浄時間はコントロールパネルから任意に設定できるようになっている。
洗浄室(領域B)のベース部分には、ガイドが取り付けられ、このガイド内に洗浄機を入れ込むことで、容易に洗浄機のタイプを交換できるように構成され、交換後も同じ位置に搭載できるように位置決め機構が設けられている。
【0051】
気流
本装置はロードアンロード部(領域A)、洗浄室(領域B)、ポリッシング室(領域C,D)の4つの領域に区画されている。
ポリッシング室(領域C,D)の気流構成は大きく4つに分類され、1つ目はスラリー等のダストの飛散防止を目的とした研磨テーブル廻りの排気、2つ目はプッシャー領域でのウエハ、プッシャー及びトップリングの洗浄時に発生する洗浄液のミストの飛散防止を目的としたプッシャー周辺の排気、3つ目は研磨パッド等の消耗部材を交換する際に、ポリッシング室内のウエットな雰囲気を外に出さないように、ポリッシング室のウエットな雰囲気に通じる扉を開くと同時にその領域全体を排気する、ポリッシング室のウエット領域全体の排気、4つ目はモータやその他制御機器から排出された熱を吸引するための排気であり、全てが排気をとることで、ポリッシング室全体がポリッシング室外部に比べて負圧となっている。3つ目の排気構成では、扉を開くと同時に排気を取るようにするために、扉のセンサと連動させて、自動的にダンパを開く構造をとる必要があるので、ダンパへアクチュエータを取り付け、ダンパを開閉させている。
【0052】
また、他の各排気通路には、排気量を調整できるダンパが取り付けられるようになっており、必要に応じて、各排気通路の排気量を調整して全体の排気バランスを取っている。ポリッシング装置の1次側の排気口には圧力スイッチが設置されており、排気が取られていないときには装置から警報を出力したり、場合によっては装置を停止させることで、安全に装置を運用できるように設定されている。
【0053】
図25は、洗浄室(領域B)の気流構成を示す模式図である。図25に示すように、洗浄室(領域B)の気流構成は、洗浄室(領域B)の天井部に取り付けられたフィルタ190(例えばULPAフィルタやHEPAフィルタ)とファン191とを有するフィルタファンユニット194と、洗浄室(領域B)内の空気をフィルタファンユニット194に戻して空気を循環させるためのダクト193と、4台の洗浄機からの個別排気197と、フィルタファンユニット194に設けられた空気の吸入口195とから構成されている。また、空気中に含まれる金属イオン(例えばNH やK等)を除去したい場合には、更にケミカルフィルタを追加することができる。
【0054】
洗浄室(領域B)内の空気は、フィルタファンユニット194のファン191によって空気がフィルタ190を介して送り込まれ、さらにはダウンフローを与えられる。この与えられるダウンフローは、ファン191の風量を調整する機構198によって調整されている。機構198はインバータやサイリスタ式交流電力調整器から構成されている。洗浄機より排気された分の空気Eは、フィルタファンユニット194に設けられた開口部195より洗浄室(領域B)内へ取り込まれ補われる。また、洗浄機から排気された空気以外の空気Fは、ダクト193を介してフィルタファンユニット194に送られ、再びフィルタ190を通して空気を清浄な状態にして洗浄室(領域B)に戻され循環される。洗浄室(領域B)内の気圧はダクト193に設けられたダンパ192の開度によって調整される。
【0055】
各洗浄機より排気される空気は、個別に設置された排気経路から排気されるが、使用する洗浄薬液同士の化学反応等によって悪影響を及ぼすことがなければ、それぞれの排気経路をまとめて装置外へ排気してもよい。また、各排気経路にはダンパが設けられており、排気量のバランスが取られるようになっている。
【0056】
ロードアンロード部(領域A)の気流構成は、洗浄室(領域B)から洗浄機の個別排気を除いた構成と同様に構成される。したがって、気流の調整方法も洗浄室(領域B)と同様であるが、唯一異なる部分は、洗浄室(領域B)内の気圧よりもロードアンロード部(領域A)内の気圧を高く調整するところにある。
このように、リターンダクト193を設置して装置内の空気を循環させ、フィルタ190を介して再利用することで、クリーンルーム内から装置内へ取り込むクリーンにされた空気の量を削減し、省エネルギー化に役立てている。
【0057】
装置全体での気流を見ると、最もクリーン度を要求されるロードアンロード部(領域A)が最も気圧が高くなり、次いで洗浄室(領域B)、ポリッシング室(領域C,D)という順に気圧が下がるように調整される。また、クリーンルームのクリーン度によっては、例えばクリーンルームのクリーン度がウエハに必要とされるクリーン度よりも落ちる場合には、装置内の気圧をクリーンルームよりも高くし、クリーンルーム内のクリーン度がウエハに必要とされるクリーン度と同等かそれ以上であった場合には、装置内の気圧をクリーンルーム内の気圧よりも下げるように、装置内全体の気圧をダンパで調整できるようになっている。
【0058】
搬送ロボット
図26は、搬送ロボット4を示す側面図である。図26に示すように、搬送ロボット4は、旋回のθ軸120、ハンド伸縮のR1(上ハンド),R2(下ハンド)軸121−1,121−2、上下のZ軸122、カセットの並び方向の走行X軸123を有している。ただし、ロボットのZ軸122は、ロボットボディ124に組み込んであっても良い。また、ハンドには上下ハンド共に真空ラインを有しており、従来のように真空吸着ハンドとして使用することも可能である。また、ウエハ101の裏面を汚染しないために、上ハンドに、ウエハのエッジ部分を保持するセラミックス製薄型落し込みハンド125を使用してもよい。該セラミック製薄型押し込みハンド125は、洗浄機5,6からウエハを取出し、ウエハカセット1に収納するまでの搬送工程に使用すると効果的である。つまり、少なくとも洗浄終了後のウエハの搬送に該落し込みハンドを使用するのがよい。但し、膜厚測定器がある場合には、同ハンドにて、膜厚測定器への受取受渡しを行う。下ハンドには、セラミックス製2股真空吸着ハンド126を用いており、真空ラインを有している。このハンド126はウエハカセット1からのウエハ取出し及びウエハステーション50へのウエハの受渡し動作を行う。
【0059】
図27は搬送ロボット20(又は21)を示す斜視図である。図27に示すように、搬送ロボット20(又は21)は、旋回のθ軸120、ハンド伸縮のR1(上ハンド),R2(下ハンド)軸121−1,121−2、上下のZ軸122を有している。また、上ハンド125、下ハンド126は、ともに落し込みハンドを使用する。搬送ロボット20の上ハンド125は、洗浄機22、洗浄機5、ウエハステーション50の置き台9,10に対してアクセス可能である。搬送ロボット20の下ハンド126は、ウエハステーション50の置き台7、洗浄機22、反転機28に対してアクセス可能である。また搬送ロボット21の上ハンド125は洗浄機23、洗浄機6、ウエハステーション50の置き台9,10に対してアクセス可能である。搬送ロボット21の下ハンド126はウエハステーションの置き台8、洗浄機23、反転機28’に対してアクセス可能である。図27においては、上ハンド125、下ハンド126は、ともにウエハ101を保持した状態を示している。
【0060】
ウエハステーション
図28はウエハステーションを示す図であり、図28(a)は正面図、図28(b)は側面図、図28(c)は図28(a)のI矢視図、図28(d)は図28(a)のII矢視図、図28(e)は図28(a)のIII矢視図である。
図28(a)乃至図28(e)に示すように、ウエハステーション50は、ウエハ置き台7,8,9,10から構成され、同時に4枚のウエハが保持可能になっている。大きく分けてステーションは左右に振り分けられた置き台7,8のドライステーションと上下に振り分けられた置き台9,10のウェットステーションに区別される。
【0061】
ドライステーション7,8は、ポリッシング前ウエハの仮置き台となっている。ドライステーション8は搬送ロボット4、及び搬送ロボット21からアクセス可能になっており、搬送ロボット4から右側の研磨部へウエハを搬送する搬送ロボット21へのウエハの受渡しを可能にしている。同様にドライステーション7は搬送ロボット4から左側の研磨部へウエハを搬送する搬送ロボット20へのウエハの受渡しが可能である。ここにウエハ載置台を各ロボット20,21に1つずつ用意することで、各ポリッシング室への専用ルートを確保し、それぞれのポリッシング工程で研磨時間に差があるときでも、片側のテーブルに比べて研磨時間が長い方の処理につられてルートがふさがれることなく、それぞれのポリッシング室へ絶えず処理するウエハを供給することができる。
【0062】
ドライステーション7,8には、搬送ロボット4が真空吸着にてウエハカセットから引抜いたウエハが搬送されるが、カセット内のウエハの位置精度はそれ程良くないため、ロボットの真空吸着ハンドに保持されるウエハも同じように位置精度が良くない。その位置精度のズレを吸収し、後のロボットハンドで受渡しを行うため、ウエハの置かれるガイドブロック78,79には位置決め用テーパ180を持っていて求芯するようになっている。ここでのガイドブロックのテーパ長さは、カセット内でのズレ量が他の機構に比べ大きいために、テーパ面を長くする必要がある。搬送ロボット4は、下側ハンドをドライステーションのガイドブロックの内側に位置させ、真空を破壊してウエハを落し込みながら求芯・受渡しを行う。また、各ドライステーション7,8にはウエハ有無検知用の透過型光センサ71及び72が配置されており、ウエハの有無を検知している。
【0063】
ドライステーション7,8は、洗浄エリア、ドライエリア間の中間地点に位置しているため、クリーン度の異なるエリアの雰囲気の混合を避けるため、エリア遮断用のシャッター11を設けている。シャッター11は常時閉じているが、搬送ロボット4が、ドライステーション7,8にアクセスする時のみ開く。
ウェットステーション9,10は研磨後のウエハの載置台となっている。ウェットステーション9,10はそれぞれロボット20、ロボット21からアクセスできて、それぞれのロボット間のウエハ受渡しを可能にしている。ステーション9は少なくとも一度洗浄した清浄なウエハを置く台になっていて、ステーション10は研磨された後でウェットステーション9に置くウエハよりも洗浄回数の少ないウエハを置く台になっている。このようにクリーン度によって使い分けることで、ステーションを介してのコンタミネーションの拡散を防ぐことができる。
【0064】
各ウェットステーション9,10は、ピンでウエハガイドを構成しており、オリエンテーションフラット付ウエハ及びノッチ式ウエハ双方の仮置き台として対応可能となっている。また、複数のピンによる点接触構造にすることで、コンタミネーションの拡散を防いでいる。また、各ウェットステーション9,10にはウエハ有無検知用の透過型光センサ73,74が配置されており、ウエハの有無を検知している。
それぞれのステーションには、ウエハ乾燥防止兼洗浄用ノズル75,76が設置されており、ウエハ上面、下面に洗浄液が供給できるようになっている。ウエハステーション50の筐体内で発生する洗浄のミストを筐体内から拡散しないように局所排気ラインを備えている。洗浄液には、純水やイオン水等、膜種によって様々な液体が使われる。
このようにウェットステーションには、防水のために、搬送ロボット20,21のウエハ搬送用の開口部にシリンダ81で昇降するシャッター77を設置している。シャッター77は常時閉じられており、搬送ロボット20,21がステーションにアクセスするときのみ開かれる。
【0065】
反転機
図29は反転機を示す図であり、図29(a)は平面図、図29(b)は一部断面された側面図である。反転機28と28’とは同一構造であるため、以下の説明は反転機28のみを説明する。図29(a)および図29(b)に示すように、反転機28は2本の円弧状のアーム230を備え、アーム230にウエハをクランプするための溝が形成されたコマ231が複数(たとえば6個)固定されている。このアーム230はシリンダ232と圧縮バネ233の力を利用して押し引きされるシャフト234の動きに合せて開閉されるように構成されている。アーム230は、シリンダ232が伸びたときに開き、シリンダ232が縮んだときに圧縮バネ233の力で閉じられる。シャフト234とシリンダ232の先端には間隔が設けてあり、シャフト234は圧縮バネ233の力でエンドブロック236にストッパ235が当たるまで引き戻される。
【0066】
また、ウエハ101がチャックされているときは、ストッパ235とエンドブロック236の間には1mmのクリアランスができるようにエンドブロック236が調整されている。そして、ストッパ235にはスリットが切られており、ウエハをクランプした位置でこのスリットを透過するように透過型光センサ237が配置されている。したがって、ウエハ101をクランプしていない時、もしくは正常にクランプできなかったときには、このセンサ237の光は透過しないため、ウエハ101の有無をこのセンサ237が認識できるようになっている。
【0067】
また、シャフト234のスライド機構とプーリ238とが接続されており、プーリ238はステッピングモータ239の軸端のプーリ240とベルト241で連結されており、ステッピングモータ239が回転するとアーム230が回転する構造になっている。
また、図1に示すように、反転機28,28’と搬送ロボット20,21との間にはシャッター25,26が設置されており、反転機の入っているポリッシング室と搬送ロボットのある洗浄室とを仕切っている。ウエハの搬送時にはこのシャッター25,26を開き、搬送ロボット20,21のハンドが出入りする。搬送ロボット20,21のハンドの出入りがないときにはこのシャッター25,26は閉まっており、ウエハの洗浄やアームに固定されたチャックコマの洗浄などが行えるように防水機構をなしている。
【0068】
次に、上述のように構成された反転機の動作を説明する。
反転機28へは搬送ロボット20とリフタ29がアクセス可能で、ウエハの受渡しを行う。また反転機28’へは搬送ロボット21とリフタ29’がアクセス可能で、ウエハの受渡しを行う。
反転機28は搬送ロボット20やリフタ29から搬送されてくるウエハをアーム230を開いた状態で待っている。搬送ロボット20の下ハンド、又はリフタ29で搬送されるウエハの位置がアームに固定されたコマ231のウエハクランプ用の溝と平面的に同じ高さで、且つアームのコマ配置の概ね中心に搬送されてきた時、搬送ロボット20やリフタ29からの移動完了の信号を受けてアーム230を閉じる。センサ237でウエハ101の有無を確認した後、搬送ロボット20はハンドをある所定の高さまで下げて、その後ハンドを引き抜く。一方、リフタ29はセンサ237がウエハ101の有無を確認した後、下方に待避してウエハの反転機28への受け渡しを完了する。反転機28に受け渡されたウエハ101はアーム230と共にステッピングモータ239にて反転される。反転されたウエハ101はその後の搬送機構である搬送ロボット20やリフタ29がウエハを受け取りにくるまでその状態で待機する。
【0069】
反転の動作はポリッシングの前後にそれぞれ行なわれる。ポリッシング後のウエハ101を反転する場合は、ポリッシング時にウエハ101についた砥液や研磨屑がウエハ101上で乾燥し、固着してウエハ101にダメージを与えるのを防止するため、反転中や反転後にウエハ101へ洗浄液をリンスする。リンスされる洗浄液は純水や薬液が使用され、スプレーノズルにより必要流量、圧力で、最適な角度から所望の時間吹き付ける。このリンスにより後段の洗浄性能が充分に発揮できる。ウエハ101が反転機28上で待機する場合、その間中、洗浄液を流し続けるが、ランニングコストを考慮し洗浄液を間欠的に流して洗浄液の使用量を低減しても良い。
また、反転機28がウエハ101をクランプしていない時に、ウエハ101をクランプする溝やその周辺をその洗浄液で洗浄し、ウエハ101に接触する部位からウエハ101が逆汚染されるのを防ぐこともできる。
【0070】
リフタ
図30はリフタを示す縦断面図である。リフタ29と29’とは同一の構造であるため、以下の説明ではリフタ29のみを説明する。リフタ29は、ウエハを載置するステージ260とステージの上昇下降動作を行うシリンダ261とを備えており、シリンダ261とステージ260とはスライド可能なシャフト262で連結されている。ステージ260は上方から見て等角度に配置される3本の爪263に分かれていて、それぞれの爪263はオリフラウエハを載置した場合でも搬送に影響しない範囲内にウエハを保持できるような間隔で配置される。この爪263は反転機28のチャック用のコマ231と位相が一致しない向きに配置されている。つまりチャック用のコマ231がウエハを保持する第一のウエハエッジ部と、リフタの爪が保持する第二のウエハエッジ部は一致しない。また、反転機28やロータリトランスポータ27とのウエハ受け渡しを行う爪263にはウエハが載置される面があり、それより上方はウエハが載置される際に搬送位置決め誤差を吸収し、ウエハを求芯するようにテーパ状になっている。
【0071】
シリンダの上昇動作でステージ260のウエハ保持面は反転機のウエハ保持高さまで上昇する。この上昇動作を停止させるためにストッパとして緩衝機能のあるストッパ264が設置されている。このストッパ264にシリンダの軸に固定されたストッパベース265が当接するとシリンダ261の上昇が停止し、シリンダ261の軸に連結されているステージ260の上昇も同時に停止する。このストッパ264の位置によりステージ260の上昇する高さを受け渡し高さに調整できる。また、このシリンダ261には上昇位置と下降位置のそれぞれを検知するセンサ266,267が設けられており、シリンダ261の上昇下降の動作が完了したことを検知できるようになっている。
【0072】
次に、上述のように構成されたリフタの動作を説明する。リフタ29は反転機28とロータリトランスポータ27の間のウエハ搬送機構である。ポリッシング前のウエハは搬送ロボット20から反転機28へ搬送される。その後、ウエハは反転され、パターン面が下を向く。反転機28で保持されたウエハに対し下方からリフタ29が上昇してきてウエハの直下で停止する。リフタ29の上端にはウエハを載置するステージ260があり、ウエハを載置することができる。リフタ29の上昇がウエハの直下で停止したのを、例えばリフタの上昇確認用センサ266で確認すると、反転機28はウエハのクランプを開放し、ウエハはリフタ29のステージ260に載る。その後、リフタ29はウエハを載置したまま下降をする。下降の途中でウエハはロータリトランスポータ27に受け渡される。このとき、ウエハはロータリトランスポータ27のピン上に載置される。ウエハがロータリトランスポータ27に受け渡された後もリフタ29は下降を続け、シリンダ261のストローク分まで下降して停止する。
【0073】
逆にポリッシング後のウエハは、ロータリトランスポータ27から反転機28にリフタ29によって搬送される。ポリッシング後のウエハはロータリトランスポータ27に載ってリフタ29の上方に搬送されてくる。この時、リフタ29はロータリトランスポータ27の下の位置にある。ロータリトランスポータ27に載せられたウエハがリフタの真上に来て停止したことを確認した後、リフタ29は上昇を開始する。リフタ29は上昇の途中でロータリトランスポータ27に載ったウエハを下方から取り去る。その後、ウエハを載せたまま上昇を続ける。この時、反転機28はウエハをクランプする準備としてアーム230が開いた状態で待っている。反転機28のアーム230のウエハをクランプするコマ231のウエハクランプ用の溝の高さでウエハの上昇は停止し、上昇終了となる。上昇終了は前述のシリンダ261のセンサ266で検知され、この検知信号は装置本体の制御系に送られ、上昇終了が認識される。その信号を受け、反転機28はクランプ動作として開いているアーム230を閉じる。この動作によりウエハは反転機28に保持される。反転機28で保持を確認したら、リフタ29は下降する。
【0074】
ロータリトランスポータ
図31および図32はロータリトランスポータを示す図であり、図31は平面図、図32は縦断面図である。図31および図32に示すように、ウエハ101を搭載して搬送するロータリトランスポータ27には4ヶ所のウエハ搭載ステージ(90°等配)を有し、4ヶ所のウエハ搭載ステージそれぞれには、ウエハを少なくとも3点のピンで支持すればよいが、オリフラノッチ兼用とするため本実施例では6点のエッジで支えるために6本のピン201が立設されている。ピン201の先端部にはテーパ202(15°〜25°ぐらいが望ましい)が形成されており、ウエハ搭載時に求芯することができるようになっている。
【0075】
各々のポジションにはウエハ有無センサ250がロータリトランスポータ27から外れた場所に設置されている。センサ250はフォトセンサーであり投光側250aと受光側250bで構成され、センサ250はステージと一緒に回転しない。搭載するウエハは各ステージで決まっており、処理前ウエハを搭載するロードステージ(L、R側)と処理後ウエハを搭載するアンロードステージ(L、R側)からなる。各ステージに搭載されるウエハの状態はいつも決まっており、ロータリトランスポータ27は研磨テーブル34で処理する前のウエハを搭載するステージ210と研磨テーブル34で処理されたウエハを搭載するステージ211と研磨テーブル35で処理する前のウエハを搭載するステージ212と研磨テーブル35で処理されたウエハを搭載するステージ213からなる。
【0076】
4ヶ所の各ウエハ搭載ポジションにはウエハに洗浄液を供給するためのリンスノズル501,502,503,504がロータリトランスポータを挟み上下方向にロータリトランスポータ27から外れた場所に設置されている。ノズルはステージと一緒に回転しない。洗浄液は純水やイオン水などが使われることが多い。各ウエハ搭載ステージは、スラリーの飛散やウエハ洗浄およびトップリング洗浄時の水の飛散を防ぐため、それぞれがセパレータ204で仕切られている。ロータリトランスポータ27はサーボモータ205に連結されており、サーボモータ205の回転によりウエハを搬送する。ロータリトランスポータ27の下部には原点センサ206が設置され、ウエハ搬送ポジションの位置決めは原点センサ206とサーボモータ205によって制御される。位置決めされる搬送ポジションはHP(ホームポジション)位置を中心とした90°づつ位相を異にした3位置である。
【0077】
次に、上述のように構成されたロータリトランスポータの動作を説明する。
図31は、ホームポジション(HP)位置を示している。ロータリトランスポータは反時計廻りに90゜回転し、ステージ210がリフター29の上方に予め位置している。
トップリング32へ搬送されるべきウエハ101は、搬送ロボット20によって反転機28に搬送される。反転機28はウエハ101をチャックした後、ウエハ101を180°反転させる。反転したウエハ101は、リフタ29によって反転機28より受取られ、そのまま下降すると、ロータリトランスポータ27のウエハ搭載ステージ210上のピン201のテーパ202により、リフタ29上に載せられたウエハ101は求芯され、ピン201の肩に載せられる。リフタ29は、ウエハ101がピン201に載せられた後も、ロータリトランスポータ27が回転しても互いに干渉しない位置まで下降を続ける。リフタ29が下降を完了すると、ロータリトランスポータ27は時計廻りに90°位置を変え、プッシャー30上にウエハ101を位置させる。ロータリトランスポータ27の位置決めが完了すると、プッシャー30が上昇し、その上方にあるトップリング32へウエハ101を搬送する。
【0078】
トップリング32で研磨されたウエハ101は、予めトップリング32の下に位置させたロータリトランスポータ27のウエハ搭載ステージ211に向けて前記プッシャー30により搬送される。トップリング32よりプッシャー30によって受取られたウエハ101は、ウエハ搭載ステージ上のピン201のテーパ202により求芯されて、ピン201の肩の上に載せられる。ウエハ搭載ステージ211上にウエハが載せられ、プッシャー30がロータリトランスポータ27と干渉しない位置まで下降したら、ロータリトランスポータ27が反時計周りに90°位置を変え、リフタ29上にウエハ101を位置させる。ロータリトランスポータ27の位置決めが完了すると、リフタ29が上昇し、ウエハ搭載ステージ211よりウエハ101を受取り、反転機28へ搬送する。
【0079】
プッシャー
図33および図34はプッシャーを示す図であり、図33はプッシャーの縦断面図、図34はプッシャーの動作説明図である。プッシャー30と30’は同一構造であるため、以下の説明ではプッシャー30のみを説明する。
図33に示すように、中空シャフト140の延長上にトップリングを保持するためのガイドステージ141が設置され、中空シャフト140の中をスプラインシャフト142が通り、スプラインシャフト142の延長上にウエハを保持するプッシュステージ143が設置されている。スプラインシャフト142には軸ブレに対してフレキシブルに軸を接続可能なフローティングジョイント144によってエアシリンダ145が連結されている。エアシリンダは2個直列に上下に配置されている。最下段に配置されたエアシリンダ146はガイドステージ141の上昇・下降用、及びプッシュステージ143の上昇・下降用で、エアシリンダ145ごと中空シャフト140を上下させる。エアシリンダ145はプッシュステージ143の上昇・下降用である。
【0080】
トップリングガイド148に位置合わせ機構を持たせるため、X軸、Y軸方向に移動可能なリニアウェイ149を配置している。ガイドステージ141はリニアウェイ149に固定されている。リニアウェイ149は中空シャフト140に固定されている。中空シャフト140はスライドブッシュ150を介してベアリングケース151に保持されている。エアシリンダ146のストロークは圧縮バネ152によって中空シャフト140に伝えられる。
【0081】
プッシュステージ143はガイドステージ141の上方にあり、プッシュステージ143の中心より下方に伸びるプッシュロッド160はガイドステージ141の中心のスライドブッシュ147を通すことで芯出しされ、スプラインシャフト142に接している。プッシュステージ143はスプラインシャフト142を介してシリンダ145によって上下し、トップリング32へウエハ101をロードする。プッシュステージ143の端には位置決めのための圧縮バネ159が配置されている。
【0082】
ガイドステージ141の最外周には、トップリングガイド148が3個設置されている。トップリングガイド148は2段の階段構造となっており、上段部200はガイドリング301下面とのアクセス部であり、下段部201はウエハ101の求芯用、及び保持用である。上段部200にはガイドリング301の呼び込みのためテーパ(25°〜35°ぐらいが望ましい)がついており、下段部201にはウエハ101の呼び込み用のテーパ(10°〜20°ぐらいが望ましい)がついている。ウエハアンロード時は直接トップリングガイド148でウエハエッジを受ける。
【0083】
ガイドステージ141の裏面には防水と上昇したステージが元の位置に復帰するため案内の機能を持ったガイドスリーブ153が設置されている。ガイドスリーブ153の内側にはプッシャーのセンタリングのためのセンタスリーブ154がベアリングケース151に固定されている。プッシャーはベアリングケース151で研磨部側のモータハウジング104に固定されている。
【0084】
プッシュステージ143とガイドステージ141の間の防水にはVリング155が用いられ、Vリング155のリップ部分がガイドステージ141と接触し、内部への水の浸入を防いでいる。ガイドステージ141が上昇するとG部の容積が大きくなり、圧力が下がり水を吸い込んでしまう。これを防ぐためにVリング155の内側に穴202を設け、圧力が下がることを防止している。
【0085】
トップリングガイド148がトップリング32にアクセスする際の高さ方向の位置決めと衝撃吸収のために、ショックキラー156が設置される。各々のエアシリンダにはプッシャー上下方向の位置確認のため上下リミットセンサが具備される。即ち、シリンダ145にセンサ203,204が、シリンダ146にセンサ205,206がそれぞれ具備される。プッシャーに付着したスラリーなどからウエハへの逆汚染を防止するため、汚れを洗浄するための洗浄ノズルが別途設置される。プッシャー上のウエハ有無を確認するためのウエハ有無センサが別途設置される場合もある。エアシリンダの制御はダブルソレノイドバルブで行う。プッシャー30,30’はトップリング32,33の各々に1ユニットずつ設置される。
【0086】
次に、上述のように構成されたプッシャーの動作を説明する。
1)ウエハロード時
図34(a)に示すように、プッシャー上方にロータリトランスポータ27によってウエハ101が搬送される。
トップリング32がプッシャー上方のウエハロード位置にあってウエハを保持していない時、図34(b)に示すように、エアシリンダ145によりプッシュステージ143が上昇する。プッシュステージ143の上昇完了がセンサー203で確認されると、図34(c)に示すように、エアシリンダ146によりガイドステージ141周りの構成品一式が上昇していく。上昇途中でロータリトランスポータ27のウエハ保持位置を通過する。このとき、通過と同時にウエハ101をトップリングガイド148のテーパ207でウエハ101を求芯し、プッシュステージ143によりウエハ101の(エッジ以外の)パターン面を保持する。
プッシュステージ143がウエハ101を保持したままトップリングガイド148は停止することなく上昇していき、トップリングガイド148のテーパ208によってガイドリング301を呼び込む。X,Y方向に自在に移動可能なリニアウェイ149による位置合わせでトップリング32に求芯し、トップリングガイド148の上段部200がガイドリング301下面と接触することでガイドステージ141の上昇は終了する。
【0087】
ガイドステージ141はトップリングガイド148の上段部200がガイドリング301下面に接触して固定され、それ以上上昇することはない。ところが、エアシリンダ146はショックキラー156に当たるまで上昇し続けるので、圧縮バネ152は収縮するためスプラインシャフト142のみが更に上昇し、プッシュステージ143がさらに上昇する。この時、図34(d)に示すように、プッシュステージ143はウエハ101の(エッジ以外の)パターン面を保持し、トップリング32までウエハ101を搬送する。ウエハ101がトップリングに接触した後にシリンダ146が上昇するストロークはバネ159が吸収し、ウエハ101を保護している。
トップリング32がウエハ101の吸着を完了すると、プッシャーは下降を開始し、図34(a)の状態まで下降する。下降の際、トップリング求芯のためセンタ位置を移動していたガイドステージ141はガイドスリーブ153に設けられたテーパ部とセンタスリーブ154に設けられたテーパ部によってセンタリングされる。下降終了で動作完了する。
【0088】
2)ウエハアンロード時
プッシャー上方のウエハアンロード位置にトップリング32によってウエハ101が搬送される。
ロータリトランスポータ27のウエハアンロードステージがプッシャー上方にあってウエハを搭載していない時、エアシリンダ146によりガイドステージ141周りの構成品一式が上昇し、トップリングガイド148のテーパ208によってガイドリング301を呼び込む。リニアウェイ149による位置合わせでトップリング32に求芯し、トップリングガイド148の上段部200がガイドリング301の下面と接触することでガイドステージ141の上昇は終了する。
エアシリンダ146はショックキラー156に当たるまで動作しつづけるが、ガイドステージ141はトップリングガイド148の上段部200がガイドリング301の下面に接触して固定されているため、エアシリンダ146は圧縮バネ152の反発力に打勝ってスプラインシャフト142をエアシリンダ145ごと押し上げ、プッシュステージ143を上昇させる。この時、図34(e)に示すように、プッシュステージ143はトップリングガイド148の下段201のウエハ保持部より高い位置になることはない。本実施例ではシリンダ146はトップリングガイド148がガイドリング301に接触した所から更にストロークするように設定されている。この時の衝撃はバネ152によって吸収される。
【0089】
エアシリンダ146の上昇が終了するとトップリング32よりウエハ101がリリースされる。この時、トップリングガイド148の下段テーパ207によってウエハ101は求芯され、トップリングガイド148の下段部201にエッジ部を保持される。
ウエハ101がプッシャーに保持されると、プッシャーは下降を開始する。下降の際、トップリング求芯のためセンタ位置を移動していたガイドステージ141はガイドスリーブ153とセンタスリーブ154によりセンタリングされる。下降の途中でプッシャーよりロータリトランスポータ27にウエハ101のエッジ部で受け渡され、下降終了で動作完了する。
【0090】
図33および図34に示す構成のプッシャーによれば、プッシャー30にトップリング32への求芯機構を持たせることにより、プッシャーとトップリングとの位置関係の調整が容易になる。また、プッシュステージ143の上昇ストロークをトップリング32の下面より2mm高い位置までとすることで、高さ方向の位置合わせが容易になる。その際、高さ方向での当たりをバネにより吸収できるようにしている。
【0091】
トップリング
図35はトップリングの構造を示す部分的に断面された側面図である。トップリング32と33は同一構造であるため、以下の説明ではトップリング32のみを説明する。
トップリング32はトップリング32を回転、押付け、揺動などの動作をさせるトップリングヘッド31に支持されている。トップリング32は、ウエハの上面を保持するとともに研磨テーブルの研磨面に押し付けるトップリング本体300と、ウエハの外周を保持するガイドリング301と、トップリング32とウエハの間に入る緩衝役のバッキングフィルム302とを備えている。トップリング本体300はたわみの少ない材質、たとえばセラミックによって形成されており、ウエハの全面を均一に押付けられるようにウエハ側の面が平坦に仕上げられている。但し研磨するウエハによってはこの面が緩やかに凹凸があってもよい。
【0092】
ガイドリング301はウエハの外周が抑えられるようにウエハ外径よりわずかに大きい内径を有しており、ガイドリング301内にウエハが挿入される。トップリング本体300にはウエハ押付け面に開口するとともに反対側の面に開口する複数の貫通穴303が形成されている。そして、これら貫通穴303を介して上方からウエハ接触面に対して陽圧のクリーンエアや窒素ガスを供給し、ウエハのある領域を選択的にかつ部分的に押付けられるようになっている。また貫通穴303を負圧にすることでウエハを吸着することが可能になり、トップリング本体300にウエハを吸着しウエハの搬送を行っている。また貫通穴303からクリーンエアや窒素ガスをウエハに吹き付けウエハをトップリング本体300から離脱できるようにもなっている。この場合、エアやガスに純水などを混合することでウエハの離脱力を高め、確実なウエハの離脱を行うことも可能になっている。
【0093】
またトップリング32の上面には取付けフランジ304が取付けられており、この取付けフランジ304の上面の中心部には半球状の穴が形成されている。取付けフランジ304の上方には、トップリング駆動軸91に固定された駆動フランジ314が配設されており、この駆動フランジ314にも同様の半球状の穴が形成されている。これら両穴の中に硬質のたとえばセラミックの球305が収容され、駆動フランジ314に加えられる下方向への押付け力は球305を介して下の取付けフランジ304に伝達されるようになっている。
【0094】
一方、トップリングヘッド31は、スプラインシャフトからなるトップリング駆動軸91を介してトップリング32を支持している。またトップリングヘッド31は揺動軸92によって支持されている。揺動軸92は、軸の下端に連結されたモータ(図40において符号407)が回転することで揺動し、トップリングヘッド31が旋回できるようになっており、この旋回によってトップリング32を研磨位置、メンテナンス位置、および搬送位置へ移動させることが可能になっている。揺動軸92の上方で、トップリングヘッド31の上面にモータ309が設けられており、モータを回転させると、このモータの軸端に取付けられた駆動プーリ310が回転し、トップリング駆動軸91の外周にある従動プーリ311がベルト312を介して回転する。従動プーリ311が回転すると、トップリング駆動軸91が同様に回転する。トップリング駆動軸91の回転がトップリング32に伝達され、トップリング32が回転する。
【0095】
また、トップリングヘッド31の上面にはシリンダ313が軸を下向きにして取付けられており、トップリングヘッド31とシリンダ313の軸とはフレキシブルに結合されている。シリンダ313に供給するエアの圧力をコントロールすることで、トップリング駆動軸91を上昇下降させる力、即ちトップリング32を押し引きする力をコントロールできるようになっている。また、シリンダ313とトップリングヘッド31の結合部分に引っ張り/圧縮式の荷重測定器322(ロードセル)が介装されており、シリンダ313がトップリングヘッド31を基点にし、上下の推力を発するときにその推力を測定することが可能になっている。この推力はウエハを押付けている力に置き換えられるので、押付け力の管理を目的として、この測定された推力を利用してフィードバック回路を形成してもよい。シリンダ313のボディーとスプラインシャフトからなるトップリング駆動軸91とは、トップリング駆動軸91が回転可能な状態で連結されている。したがって、シリンダ313が上下方向に動作すると、トップリング駆動軸91は同時に上下方向に動作する。トップリング駆動軸91の内部には貫通穴が形成されており、貫通孔内にチューブ(図示せず)が設けられている。トップリング駆動軸91とトップリング31が回転するので、チューブの上端部には回転継手316が設置されている。この回転継手316を介して、真空、N、クリーンエアや純水等の気体及び/又は液体がトップリング本体300に供給される。
【0096】
上述のように構成されたトップリング32はプッシャー30に搬送されたウエハを真空吸着し、ウエハをトップリング32のガイドリング301内に保持する。その後、トップリング32はプッシャー30の上方から研磨テーブル上の研磨面の上方へ揺動する。トップリング32が研磨テーブル上方のポリッシング可能な位置に揺動してきたら、トップリング32を所望の回転数で回転させ、シリンダ313によりトップリング32を下降させ、研磨テーブルの上面まで下降させる。トップリング32が研磨テーブル上面まで下降したら、シリンダ313の下降点検出用のセンサ321が作動し、下降動作が完了したことを信号として発する。その信号を受け、シリンダ313は所望の押付け荷重に対応する圧力に設定されたエアーが供給され、トップリング32を研磨テーブル34に押付け、ウエハに押付け力を加える。同時にウエハを吸着していた負圧用の回路を遮断する。この時、例えばウエハの研磨する膜質などにより、この負圧はかけたままにしたり、遮断したり、更にバルブを切り換えて気体の圧力をコントロールして陽圧をかけたりして、ウエハの研磨プロファイルをコントロールする。この時の圧力はトップリング32のウエハ保持部分に形成された貫通穴303にのみかかるので、ウエハのどの領域にその圧力をかけたいかにより貫通穴303の穴径、数、位置を変えて所望の研磨プロファイルを達成する。
【0097】
その後、所望の研磨時間が終了すると、トップリング32はウエハを吸着保持する。そして、研磨テーブル上をウエハと研磨パッドが接触したまま揺動し、ウエハ101の中心が研磨テーブル34上に存在し可能な限り研磨テーブル34の外周近傍に位置し、ウエハの表面の40%程度が研磨テーブル34からはみ出すところまで移動する。その後、シリンダ313を作動させ、ウエハと共にトップリング32を上昇させる。これは、使用する研磨パッドによっては、パッド上のスラリーとウエハとの間の表面張力がトップリングの吸着力よりも強くなることがあり、ウエハが研磨パッド上に残されてしまうため、その表面張力を減少させるために、研磨テーブル上よりもウエハを飛び出させてからトップリング32を上昇させる。ウエハがウエハ面積の40%以上研磨テーブルからはみ出ると、トップリングは傾き、ウエハが研磨テーブルのエッジに当たりウエハが割れてしまう恐れがあるので40%程度のはみ出しが望ましい。即ち、ウエハ中心が研磨テーブル34上にあることが重要である。
【0098】
トップリング32の上昇が完了すると、シリンダ313の上昇点検出センサ320が作動し、上昇動作が完了したことが確認できる。そして、トップリング32の揺動動作を開始し、プッシャー30の上方へ移動してプッシャーへのウエハの受け渡しを行う。ウエハをプッシャー30に受け渡した後、トップリング32に向って下方から洗浄液を吹き付け、トップリング32のウエハ保持面やその周辺を洗浄する。この洗浄水の供給は、次のウエハがトップリング32に受け渡されるまでの間トップリングの乾燥防止を目的とし、継続してもよい。ランニングコストを考慮して間欠的に洗浄水を吹き付けてもよい。ポリッシングの間に、例えばポリッシング時間を複数のステップに分割し、そのステップ毎にトップリングの押付け力や、回転数、ウエハの保持方法を変更することが可能になっている。また使用する砥液の種類、量、濃度、温度、供給のタイミングなどを変更することが可能である。
【0099】
また、ポリッシングの最中に、例えばトップリングの回転用のモータへの電流値をモニターしておくと、このモータが出力しているトルクが算出できる。ウエハのポリッシングの終点に伴いウエハと研磨パッドとの摩擦に変化が生じる。このトルク値の変化を利用し、ポリッシングの終点を検知するようにしてもよい。同様にターンテーブル34の電流をモニタし、トルクの変化を算出し、ポリッシングの終点を検知してもよい。同様にトップリングの振動を測定しながらポリッシングを行い、その振動波形の変極点を検知し、ポリッシング終了の確認を行ってもよい。さらに静電容量を測定してポリッシング完了を検知してもよい。この4通りのポリッシング完了検知はウエハの研磨前と研磨後の表面の凹凸の違いや表面の膜質の違いまたは残膜量から判断する方法である。また、ポリッシングを終了したウエハの表面を洗浄し、研磨量を確認し、研磨不足を測定してから再度不足分をポリッシングしてもよい。
【0100】
ドレッサ
図36および図37はドレッサを示す縦断面図であり、図36はダイヤモンドドレッサを示し、図37はブラシドレッサを示す。ドレッサ38と39は同一構造であるため、以下の説明ではドレッサ38のみを説明する。
図36に示すように、ドレッサ38は、研磨パッドをドレッシングするドレッサ面を有するドレッサプレート370を備えている。ドレッサプレート370は取付けフランジ375に締結されており、取付けフランジ375の上面の中心部には半球状の穴が形成されている。取付けフランジ375の上方には、ドレッサ駆動軸93に固定された駆動フランジ371が配置されており、駆動フランジ371にも同様の半球状の穴が形成されている。これら両穴の中に硬質のたとえばセラミックの球372が収容され、駆動フランジ371に加えられる下方向への押付け力は球372を介して下のドレッサプレート370に伝達されるようになっている。ドレッサプレート370の下面には、パッドの形状修正や目立てを行うためにダイヤモンド粒373が電着されている。ダイヤモンド粒以外にも硬質の例えばセラミックの突起が多数配置されたものなどでもよい。これらの交換はドレッサプレート370のみを交換すればよく、他種類のプロセスに容易に対応できるようになっている。いずれも表面の形状がドレッシング対象であるパッドの表面形状に反映されるのでドレッサのドレッシング面は平面に仕上げられている。
【0101】
前記ドレッサ駆動軸93はドレッサヘッド94(図2参照)に支持されている。ドレッサヘッド94の機能は、概略トップリングヘッド31と同様であり、ドレッサ駆動軸93をモータによって回転させるともにドレッサ駆動軸93をシリンダによって昇降させるようになっている。ドレッサヘッド94の詳細構造は、トップリングヘッド31と概略同一であるため、図示は省略する。
図37はブラシドレッサを示し、ドレッサプレート370の下面にダイヤモンド粒373に代わってブラシ374が設けられている。その他の構成は図36に示すダイヤモンドドレッサと概略同様である。
【0102】
上述の構成において、研磨パッドの形状修正や目立てを行う際、ドレッサは洗浄位置から揺動し、研磨テーブル上のドレッシング位置の上方に移動する。揺動が完了するとドレッサは所望の回転数で回転し、上昇下降のシリンダが作動し、ドレッサが下降する。研磨テーブルの上面にドレッサが接触すると、シリンダに設けられた下降点検出センサが検知し、テーブル上にドレッサ38がタッチダウンしたという信号を発する。その信号を受けシリンダはドレッサ38に押付け力を加え、所望の押圧力にて研磨テーブル上のパッドをドレッシングする。所望の時間、ドレッシングを行った後、シリンダが上昇方向に動作しドレッサは研磨テーブル面から離れる。その後、ドレッサ38は揺動し、洗浄位置へ移動し、その場でたとえば水桶43,43’(図1参照)に水没させてドレッサ自身を洗浄する。この洗浄は例えば水桶に水没させ、又はスプレーノズルで吹き付け洗浄し、又は水桶の底面に植毛されたブラシに押付けて回転させ洗浄してもよい。なお、水桶43’はドレッサ39用のものである。
【0103】
水桶43へドレッサ38を浸漬する場合は、洗浄水を超音波にて振動させておいても良い。桶に浸漬する場合は、ドレッサの上面も沈むと、その後上昇している時に乾燥し、研磨カスが固まり、やがてドレッシング中に研磨テーブルに落ちてポリッシングに悪影響を及ぼすので、たとえばドレッサの下面だけを洗浄水に沈め、上面はスプレーノズルなどを用いて洗浄してもよい。この時は、上面にスプレー洗浄の飛沫がかかるので防水キャップ376とVリング377により、更に378aと378bで構成されるラビリンス378により洗浄水の侵入を防ぐことができるようになっている。また、その時に使用する洗浄液も純水や薬液を用いても良い。同様に図35に図示したトップリング32や図37に図示したドレッサ38に上述の構造を適用してもよい。ドレッシング作業はたとえばドレッサの回転用のモータの電流値を測定しながら行い、ある電流値になった時に形状修正、目立ての作業が完了したことを確認する目安としてもよい。
【0104】
第2の研磨テーブルのドレッシング
図1および図2に示すように、第1の研磨テーブル34,35に比べて径が小さい第2の研磨テーブル36,37が設けられている。この第2の研磨テーブルは、ウエハの表面を僅かに削り取る、いわゆるバフオフなどの仕上げ研磨に使用される場合もある。この第2の研磨テーブルに対しても、ドレッシングを行うためのドレッサ、即ち図1におけるドレッサ48,49が設けられている。以下に、このドレッサの詳細を示す。なお、図1および図2ではドレッサ部の総称としてドレッサ48,49としたが、ここでの説明では、先端の一部をドレッサ3000として説明する。
図38はドレッサの構造を示す縦断面図であり、図39は研磨テーブルとドレッサの側面図を示す。なお、図1および図2に示すドレッサ48,49は、研磨テーブルに対向する部分の形状が円形の場合を示しているが、図38および図39に示すドレッサ3000は、研磨テーブルに対向する部分が細長い形状の場合を示す。
【0105】
ドレッサ3000は、ウエハ研磨中は、水桶3020内に待避しており、ウエハの研磨終了後にシリンダ3008の動作に連動して上昇する。ドレッサ3000の上昇下降機構を説明する。ドレッサ3000は、駆動フランジ3019を挟んで、ブラシ固定座3002の端部で、スプラインが切ってあるドレッサ駆動軸96と連結されている。ドレッサ駆動軸96の上端部はベアリング3006により支持されている。ベアリング3006を収容したベアリングケース3023とシリンダ3008がブラケット3007を挟んで締結されている。シリンダ3008はベース3009の上部下面に固定され、シリンダ3008の上昇下降運動をドレッサ3000に伝達する機構をなしている。更に、シリンダ3008の上昇下降の直線運動を支持するためのガイド3010がベース3009に取り付けてある。ガイド3010上を直動するスライダ3018がブラケット3007に取り付けられており、シリンダ3008の動作が案内される。
【0106】
また、ドレッサ回転軸96にはシリンダ3008からドレッサ3000に到る一連の上下方向可動部分の直動運動を案内するロータリボールスプライン3028が装着されている。ロータリボールスプライン3028はスプライン外輪3029とフランジ外輪3030からなり、スプライン外輪3029はドレッサ駆動軸96の直動を支持し、且つドレッサ駆動軸96に回転運動を伝達する。フランジ外輪3030は、スプライン外輪3029の回転を支持している。スプライン外輪3029には、プーリ3005が取り付けられている。プーリ3005の回転は、スプライン外輪3029を回転させ、ドレッサ駆動軸96に伝達される。
【0107】
次に、ドレッサ3000は上昇位置に到達し、上昇位置到達を知らせる上昇端センサ3021が信号を発した後、ドレッサヘッド97と共にドレッシング開始位置まで揺動する。この揺動機構は、シリンダ3016の直線運動が、クランク3017を介して、ドレッサヘッド97に締結されている中空の回転軸98に回転運動を与えることによる。
次に、ドレッシング位置に到達したドレッサ3000は、シリンダ3016の終端センサ3024が信号を発した後、ドレッサ駆動軸96を中心として回転運動を行う。この回転は以下のように行われる。モータ3014に回転軸3013が連結されており、モータ3014が回転することにより、回転軸3013も回転する。回転軸3013は、その外側にある中空シャフト98の両端に設置された軸受3032によって支持されている。モータ3014によって回転軸3013が回転されると、シャフト3013の上端に装着したプーリ3011が、タイミングベルト3012を介して、プーリ3005に回転運動を伝達する。そして、プーリ3005の回転がスプライン外輪3029を介して、ドレッサ駆動軸96に伝達される。
【0108】
次に、ドレッサ3000の回転数が定常状態なったことをモータ3014が検知すると、シリンダ3008が下降し、研磨パッドのドレッシングを開始する。この時、下降端センサ3022が信号を発しない場合、ドレッサ3000が正常な下降位置に到達していないと判断しエラーを表示する。ドレッシング中は、研磨テーブル36上のドレッシング剤供給口3031から、液体(純水もしくは薬液等)を導入することが可能である。
ドレッシング終了後、ドレッサ3000が上昇し、シリンダ3008の上昇端センサが信号を発した後、ドレッサ3000の回転が停止する。モータ3014が回転停止を確認後、待機位置まで揺動し、シリンダ3016の終端センサ3025が信号を発した後、ドレッサ3000は下降し、水桶3020内に収まり、一連の動作が終了する。
【0109】
ここで、上記の研磨パッドは、固定砥粒(砥石)とも互換可能である。また、ブラシ本体3001は、ダイヤモンドドレッサとも互換可能である。そして、ブラシ3000は、ブラシ本体3001とブラシ固定座3002からなり、ブラシ本体3001は消耗品として交換可能である。
また、回転軸98の部分及びロータリボールスプライン3028の部分には、それぞれにラビリンス機構を持つ保護外装3026,3027が形成されており、使用環境中における液体(純水、スラリ、薬液)の外装内部への侵入を防いでいる。
前述のように、ここではドレッサ3000の研磨テーブルに対向する部分が細長い形状の場合を示しているが、ドレッサ3000の形状が細長で、回転軸が端部に位置しているため円形のドレッサと比較して、小さい占有面積で同等のドレッシング面積を確保できることが特徴である。
【0110】
研磨テーブル
図40は研磨テーブルを示す正面図である。
研磨テーブル34,35は、各ポリッシング室に1個ずつ設置されている。ポリッシングの処理工程によっては、2段研磨時の処理能力を上げるため、小径の研磨テーブル36,37をポリッシング室に設置するようになっている。研磨テーブル34,35,36,37には、回転型研磨テーブルとスクロール型研磨テーブルの2種類の機構が用意されている。両者とも、同じ領域内で取付け可能となっており、多様なポリッシング工程に応じて選択可能である。
図40に示す研磨テーブルは回転型研磨テーブルを示す正面図である。回転型研磨テーブル34は、テーブル半径の方が、ウエハ直径よりも大きく、研磨テーブル34とウエハが同一方向に回転し、かつウエハがテーブル中心から外れた位置でポリッシングすることで、ウエハ上の任意点において、ウエハ対テーブルの相対速度が等しくなっている。
【0111】
図40に示すように、研磨テーブル34は、モータ401により直接駆動され、スラスト、ラジアルの軸荷重はモータの軸受けにより受ける構造となっている。また、このモータ401は、モータハウジング402に収められている。このモータハウジング402は、トップリングを揺動させる揺動軸用のハウジング403、ドレッサーを揺動させる揺動軸用のモータハウジング404とも一体構造となっている。また、モータハウジングには装置全体を支えるベースに、直接据え付けられたものと、ベースと一体構造のものがある。さらに、このモータのロータは中空であって、内部に複数本の配管などを通すことが可能な構造となっている。そして、ロータ下部にはロータリージョイント405が配置されており、内部の配管はこれに接続される。
【0112】
また、ロータ下部には、ロータの回転に同期する機構を有し、これにエンコーダ406を接続することにより、モータの回転数を常に計測できるようになっている。モータを制御するドライバへ、回転数の信号を送ることにより、モータは適正な回転数を保つことができるようになっている。また、モータ電流をモニタリングすることにより、ポリッシングの終点検出が可能である。そして、モータのステータケースには、モータ冷却用の冷却水を流す流路が形成されており、高い負荷での連続運転が行えるようになっている。
その他、研磨テーブル34には、トップリング32からのウエハ飛び出し等の異常を、光学式で検知するセンサを有する場合がある。異常発生時には、センサからの信号を受け、研磨テーブル駆動モータは、研磨テーブルを即座に停止することが可能である。
【0113】
研磨テーブル34は、駆動モータ401と装置に搭載した状態において、脱着できる構造になっている。そして、研磨テーブル34には、研磨テーブル34上にパッドを貼り付けて使用する方式と、研磨テーブルと容易に脱着可能なカートリッジにパッドを貼り付けて使用する方法がある。また、両方式とも、定盤形状には、平面、凸面および凹面がある。そして、一体式の定盤は、研磨パッドを貼り付けて使用し、カートリッジ式では研磨パッド、または、固定砥粒(砥石)が取付け可能である。一体式には、ステンレス製のものと、セラミック製のものがある。また、カートリッジ式は、前記の定盤形状およびパッド又は固定砥粒の変更が、カートリッジを交換するだけで済む。既にパッドを貼り付けたカートリッジ定盤を用意しておくことで、定盤のパッド交換時間を短縮することが可能である。加えて、カートリッジ式定盤には、中実のものと、内部がハニカム構造で中空部分があり、軽量化を計ったものがある。ハニカム構造のものは、カートリッジ交換作業時の作業者負荷を低減できる。
【0114】
(研磨テーブル冷却及び温度調整)
定盤下部には、定盤を温度調整する機構を備えている。温調水は、モータ401の中空シャフト内の配管より定盤下部のテーブル冷却チャンバーへ供給される。テーブル冷却チャンバー内部はテーブル全面が均一に冷却されるように冷却水の流路が設けられており、使用する定盤によって流路の配置の方法が異なる。
装置に供給される温調水の配管上には、温度センサが設けられ、設定された温度から許容できる範囲を外れるとインターロックがかかるようになっている。また、この温度の信号を装置外部の温調水コントロールユニットに送られることで、フィードバック制御もできるようになっている。そして同ライン上に流量計や、圧力計を設けることで異常な流量と圧力の温調水が供給された場合にもインターロックがかかるようになっている。また、流量や圧力を装置内でコントロールできるように、流量調整弁と圧力レギュレータも設置されている。また別の温度制御方法としては、テーブル34上の研磨面の温度を非接触式の温度センサを用いて計測し、この測定結果を元に温調水コントロールユニットに信号を送ることによってフィードバック制御することもある。
【0115】
次に、図40に示す研磨テーブル以外の方式の研磨テーブルを説明する。
(スクロール型研磨テーブル)
図41はスクロール型の第2の研磨テーブルを示す縦断面図であり、図42(a)は図41のP−P線断面図であり、図42(b)は図42(a)のX−X線断面図である。
スクロール型の第2の研磨テーブル36は、中空シャフトをもつモータ750の上部フランジ751、内部が中空になったシャフト752が順にボルトによって締結されている。シャフト752の上部にはベアリング753によりセットリング754が支持されている。このセットリング754の上面にテーブル759が締結され、その上部に研磨テーブル755がボルト790により締結されている。研磨テーブル755は、全体を例えば砥石で構成してもよいし、研磨テーブル755を例えばステンレス等の耐食性に優れた金属で構成し、その上面に研磨パッドを貼り付けて使用してもよい。また、砥石や研磨パッドを利用する場合、研磨テーブル755の上面は、平坦でも良いし、凹凸をつけても良い。これらは、被研磨物であるウエハ101の種類により選択される。テーブル755の外形はウエハの直径+2“e”以上に設定されていて、研磨テーブル755が並進運動をしてもウエハが研磨テーブル755からはみ出さない大きさになっている。
【0116】
前記セットリング754には、周方向に3つ以上の支持部758が形成され、テーブル759はこれら支持部758により支持されている。支持部758の上面と円筒状部材795の上端に対応する位置には、周方向に等間隔に複数の凹所760,761が形成され、これらの凹所760,761にはベアリング762,763がそれぞれ装着されている。ベアリング762,763には、図41および図42に示すように、“e”だけずれた2つの軸体764,765を持つ支持部材766が各軸体の端部を挿入して支持され、モータ750を回転することにより研磨テーブル755が半径“e”の円に沿って並進運動可能となっている。
【0117】
また、フランジ751がモータ750とシャフト752との間で同様に“e”だけ偏心している。偏心による負荷のバランスを取るためバランサ767がシャフト752に取り付けられている。
研磨テーブル755上への研磨砥液の供給は、モータ750とシャフト752の内部を通り、テーブル759の中央に設けられた貫通孔757に継ぎ手791を介して供給される。供給された研磨砥液は一旦研磨テーブル755とテーブル759の間で形成される空間756に溜められ、研磨テーブル755に設けられた複数の貫通孔768を経由して、直接ウエハ101に接触するように供給される。貫通孔768はプロセスの種類により数や位置が適宜選択される。研磨パッドを研磨テーブル755に貼り付けて使用する場合は、研磨パッドにも貫通孔768の位置に対応した位置に貫通孔が設けられる。研磨テーブル755の全体を砥石で製作する場合は、研磨テーブルの上面に、格子状、スパイラル状、あるいは放射状等の溝を設け、この溝に貫通孔768を連通させるようにしても良い。
【0118】
また、供給される研磨砥液は純水や薬液やスラリー等のうち最適なものが選定され、必要に応じて一種類以上の研磨砥液が同時に、または交互に、または順番に供給されるように制御される。
研磨中の研磨砥液から並進運動を行う機構を保護するために、テーブル755にフリンガー769が取り付けられていて、樋770とラビリンス機構を形成している。
【0119】
上述の構成において、上下ベアリング762,763は、上下ベアリング762,763に嵌合された上下の軸体764,765を有したクランク軸からなる支持部材766によって軸方向に相互に接続されている。これゆえ、上下ベアリング762,763は距離”e”だけ水平方向にずれている。下部ベアリング763を支持する円筒状部材795はフレームに固定されており、これゆえ静止している。モータ750が駆動されると、中空のシャフト752はモータ750の回転軸の回りを半径”e”で回転する。これゆえ、研磨テーブル755はクランク軸を介して循環並進運動(スクロール運動)を行ない、トップリング32に取り付けられたウエハ101は研磨テーブル755の研磨面上に押し付けられる。貫通孔757、空間756、貫通孔768を介して研磨面に供給された研磨砥液により、ウエハ101は研磨される。研磨テーブル755上の研磨面とウエハ101の間には、半径”e”の微小な相対並進円運動が生じて、ウエハ101の被研磨面はその全面において均一な研磨がなされる。なお、被研磨面と研磨面の位置関係が同じであると、研磨面の局部的な差異による影響を受けるので、これを避けるためにトップリング32を徐々に自転させて、研磨面の同じ場所のみで研磨されるのを防止している。
【0120】
(オーバーハング型研磨テーブル)
図43はオーバーハング型の第2の研磨テーブルを示す縦断面図である。
オーバーハング型の第2の研磨テーブル36は、定盤700がフランジ704を介してモータ705に取り付けられている。このモータ705を回転させることにより、その回転に同期して定盤700が回転する。定盤700の回転数は、定盤700に取り付けられたドグ707が回転し、近接スイッチ708を通過する回数をカウントすることにより計測し表示される。また、オーバーハング型研磨テーブルは、ポリッシングやドレッシング時に使用されるスラリーや純水からラビリンス701、Oリング702,703、ラビリンス701の内側に具備された第二のラビリンス710により保護されている。また、高荷重ポリッシングや長時間の連続ポリッシングに耐えうるようにハウジング706には排気用のポート709が形成されており、ハウジング706とモータ705の隙間の熱を排熱し、モータ705の負荷を軽減している。
【0121】
オーバーハング型研磨テーブルは、研磨するウエハ直径内にテーブル中心がある。また、ウエハ、テーブル双方とも同一方向に回転することにより、ウエハ上の任意の点は、ウエハ対テーブルの相対速度は等しくなる。テーブル上面には定盤700が配置され、定盤700には、研磨パッド、又は固定砥粒(砥石)が取付け可能である。また、砥液、薬液および水は、上方よりノズルにて、定盤上に供給されるようになっている。
【0122】
砥液供給ノズル
砥液供給ノズルは、研磨テーブル上の研磨面(例えば研磨パッドからなる)に研磨砥液を供給する装置である。
図44および図45は砥液供給ノズルを示す図である。図44(a)は砥液供給ノズルの平面図であり、図44(b)は砥液供給ノズルの部分断面を有する側面図であり、図45は砥液供給ノズル40の研磨テーブル34に対する位置を示したものである。
砥液供給ノズル40は、図45に示すように、研磨テーブル34上において液体を供給する供給位置F、第1の待避位置E、第2の待避位置Dに位置することができるようになっている。砥液供給ノズル40は、回転軸3051を中心として回転することにより液体供給アーム3050の先端を所定の位置に保持することができるようになっている。
【0123】
次に、砥液供給ノズル40の回転機構について説明する。
回転軸3051の回転運動は、回転軸3051の下端に取り付けられている揺動アーム3052が、回転軸3051を中心に揺動運動することで得られるものである。揺動アーム3052は、シリンダ3053,シリンダ3054と共にリンク機構を構成している。即ち、シリンダ3053とシリンダ3054のロッド伸縮による直線運動により、揺動アーム3052が揺動運動する。そして、揺動アーム3052の回転中心に位置する回転軸3051が回転する。シリンダ3054は、ベース3055に締結されたシリンダブラケット3056に固定されている。シリンダ3053は、シリンダ3054のロッド先端でロッド先端に対して回転できるようにピン止めされている。回転軸3051は、ベアリングベース3058内に収容されたベアリング3057により回転自在に支持されている。
【0124】
次に、上記2本のシリンダの動作について説明する。
液体供給アーム3050の先端が研磨テーブル上、例えば本実施例では研磨テーブル34の中央に位置する場合には、シリンダ3053のロッドは伸びた状態でシリンダ3054のロッドは縮んだ状態である。この時、シリンダ3053の位置センサ3066及びシリンダ3054の位置センサ3068が信号を発する。その信号が検知できない場合は、砥液供給ノズル40が正常な位置にないと制御コンピュータが判断し、エラー表示を出し、プロセスはインターロックされる。
【0125】
次に、液体供給アーム3050の先端がE位置にある場合は、シリンダ3053のロッド及びシリンダ3054のロッドは共に縮んだ状態にある。この時も、シリンダ3053の位置センサ3067及びシリンダ3054の位置センサ3068が信号を発することで、制御コンピュータが砥液供給ノズル40の位置を認識できるようになっている。
また、液体供給アーム3050の先端がD位置にある場合は、シリンダ3053のロッドは、縮んだ状態で、シリンダ3054のロッドは伸びた状態である。この時も、シリンダ3053の位置センサ3067及びシリンダ3054の位置センサ3069が信号を発することで、制御コンピュータが砥液供給ノズル40の位置を認識できるようになっている。
【0126】
次に、液体供給アーム3050に取り付けられたセンサ3064について説明する。
センサ3064は、研磨テーブル34の周囲の飛散防止カバー3070を正規の設置位置に設置した際、センサ3064の直下にあたる飛散防止カバー3070の位置に取りつけられたドグ3065に反応し、信号を発する。これにより、飛散防止カバー3070の付け忘れや、位置ずれが容易に検出できるようにしている。即ち、飛散防止カバー3070は上下動可能なので、研磨テーブル34のメンテナンス時は下げているが、下げたまま研磨作業が行われると、研磨液などが周囲に飛散してしまう恐れがある。センサ3064が発する信号により、研磨テーブル34の駆動モータ等が誤作動しないようにすることができ、上記のような事態を未然に防ぐことが可能となる。
また、回転軸3051の回転機構を液体(砥液、薬液、純水等)から保護するための保護機構として、アーム本体3059にフリンガー3060が装着されている。そして、フリンガー3060はポリッシャパン3061との間でラビリンス機構を形成している。
【0127】
次に、液体供給アーム3050の動作を説明する。
液体供給アーム3050は、液体供給位置Fにおいて、4つのチューブ3063が研磨テーブル34の回転中心に一致するように位置決めされ、4つのチューブ3063のうち所定のチューブ3063から研磨液を吐出する。吐出された研磨液は、研磨テーブル34の中央に落ち、研磨テーブル34の全面に均一に広がり、その研磨面全体を覆う。また、チューブ3063は、中空の液体供給アーム3050の中に挿入されており、且つ、固定部材3062によって該液体供給アーム3050に対して固定されている。これにより、チューブ3063の先端が研磨テーブル34に対して垂直になるように案内されている。
また、ドレッシング時には、チューブ3063からドレッシング液が吐出されるが、このドレッシング液も前記研磨液と同様に研磨テーブル34の中央に垂直に落ちるようにされ、研磨テーブル34全面に均一に広がる。
すなわち、本実施形態における液体供給アーム3050の場合、いずれのチューブ3063から吐出される液体も、研磨テーブル34の中央に垂直に垂れるように供給され、従って、研磨テーブル34の研磨面の所要の位置に正確に供給することができる。
【0128】
液体を垂直に供給するための方法としては、図示のごとく、チューブ3063の先端を垂直下向きにする方法の他に、液体を貯留するタンクT,Tとチューブとの間に流量調整バルブV,Vを設けてチューブに供給する流量を調整できるようにし、チューブ先端から吐出された液体が直ちに垂直に流下する程度の流量に調節することによって行うことも可能である。
研磨テーブル34上に貼り付けた研磨パッドの張り替え等を行う場合は、前記2本のシリンダ駆動によるリンク機構により液体供給アーム3050を第一の待避位置Eまで揺動させる。これによって、研磨テーブル34の真上には何も存在しないこととなり、研磨クロスの張り替え等の作業が容易に行える。また、この時、液体供給アーム3050の先端にあるチューブ3063の先端は、飛散防止カバー3070の切り欠き部3071の真上に位置する。これにより、チューブ3063から垂れる液体は該切り欠き部を通してその下に位置する桶内に落下し、漏出した液が研磨テーブル34の周囲を汚すことはない。
また、このような構成となっているためチューブ3063を純水源にも接続しておき、純水を通水することにより、当該チューブの洗浄を周囲を汚すことなく行える。
【0129】
前記2つのポジションE,Fでは行えないメンテナンスの必要が発生した場合、たとえば液体の吐出流量計測、研磨テーブル周辺の点検等の場合は、前記2本のシリンダ駆動によるリンク機構により液体供給アーム3050を第2の待避位置Dまで揺動させる。これによって、研磨テーブル34及び飛散防止カバー3070上に何物も存在しなくなり、上記メンテナンスが容易に行える。
また、上記実施形態では、シリンダ3053,3054を用いたリンク機構による液体供給アーム3050の停止位置を2箇所としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、液体供給位置及び待避位置がそれぞれ少なくとも一つずつあればよい。
【0130】
図46乃至図48は研磨砥液供給方式を示す模式図である。
本装置は複数の研磨面を有し、各研磨面に対してそれぞれ複数のスラリーを供給可能としている。供給方式には、装置外部より研磨に使用される必要分の砥液流量が安定して供給される場合と、圧力や流量が一定に制御されることなく供給される場合と、装置外に砥液を溜めたタンクを設置し、そこから砥液を吸い上げる場合とがある。砥液流量が安定して供給される場合は、図46および図47に示すように、必要に応じて供給ラインの1次繋ぎ込み口に3方弁を取りつけ、砥液が研磨面上に供給されていない時には、3方弁のうちバルブ420を閉じ、バルブ421を開くことで砥液を装置外へ戻して循環させる。そして、砥液を研磨面上に供給する時には、バルブ420を開き、バルブ421を閉じる。
【0131】
これらのバルブの他に、砥液の供給ライン上に圧力センサを設けて砥液の供給圧を監視し、供給圧が高すぎたり、供給されていなかったりした場合には、その圧力を検知することでインターロックをかけることもできる。そして、バルブの下流側に定流量弁を設けることで、研磨面上に供給する砥液の流量を研磨面に近いところで精密に制御することができる。この定流量弁は電気的な信号によって流量を可変できるようなシステムを組むことで、1枚のウエハの研磨ごとに流量を変えたり、1枚の研磨中に様々な回転数と流量を組合せて段階的に研磨することも可能である。
また、研磨終了後に、砥液の代わりに純水を用いてウエハの研磨、もしくは洗浄を行うことが有るが、これに対応すべく、純水のラインを研磨面上に供給できるように設けてあり、バルブ426の開閉で供給のタイミングを制御する。この純水ラインからは、ドレッシング時にも純水を研磨面上に供給しても良い。
【0132】
供給される砥液の流量が一定でない場合や、装置外に置かれたタンク内より砥液を吸い上げるような時には、図48に示すように、砥液の供給ライン上にポンプ430,432を設ける。使用するポンプは、医療機器として使われることの多いチュービングポンプが小型で使い勝手が良い。ポンプ430,432を設けることで、流量を一定に、且つ1枚のウエハの研磨ごとに流量を変えたり、1枚の研磨中に様々な回転数と流量を組合せて段階的に研磨することも可能である。この他に、研磨面に砥液を供給する直前で少なくとも2種類以上の砥液を混合したり、砥液を純水で希釈する場合に備え、図46に示すように、バルブ440及びバルブ441が設置できるようになっている。これらのラインも定流量弁や圧力センサを組み込むことで、自由に濃度を変えて供給することが可能となる。そして、全ての回路において、砥液供給ライン内に溜まった砥液を、乾燥して固まらないように純水で洗浄することを目的としたフラッシングラインとバルブ424,425を設ける。このバルブはウエハの研磨終了ごとに、一定時間だけ開いてライン内を洗浄することもでき、また、装置が次の処理を待っている時間内に一定間隔でライン内を洗浄することもできる。
【0133】
ウエハ洗浄
図32は、ウエハの洗浄およびウエハを取扱う各機器の洗浄動作を示す模式図である。
ロータリトランスポータ27とプッシャー30,30’とリフタ29,29’とトップリング32,33と反転機28,28’で搬送されるウエハはポリッシング後の搬送中に洗浄される。これはポリッシング中にウエハに付着した砥液や研磨カスを早い段階で洗浄し、砥液のケミカル成分による余分なエッチングや酸化を防ぐことを目的としている。また、砥液や研磨カスがウエハ上で乾燥するとウエハへの付着が強固になり、その後の洗浄機で洗浄しても落ちなくなることがある。そのため乾燥させずに洗浄機までの搬送を行うことも必要になる。また、そのウエハを搬送するこれら5つのユニットも、汚れたウエハに接触するのでそれぞれ洗浄する必要がある。
【0134】
プッシャー30,30’はトップリング32,33とロータリトランスポータ27の間でウエハの搬送を行う。ポリッシング前のウエハはロータリトランスポータ27に載ってプッシャー30,30’の上方へ搬送されてくる。プッシャー30,30’はこのウエハをトップリング32,33に搬送する。また、ポリッシング後のウエハはトップリング32,33からロータリトランスポータ27へプッシャー30,30’を介して搬送される。ポリッシング後のウエハは砥液や研磨カスが付着しているので、このウエハを搬送するプッシャー30,30’にもその砥液や研磨カスが付着してしまう。プッシャー自身を洗浄しないと次に搬送するポリッシング前のウエハを汚してしまうことになる。また、洗浄をせずに長時間経過すると砥液や研磨カスが固まって乾燥し大きな粒となり、それがウエハに付着してウエハのポリッシングが行われるとウエハに大きなダメージ(スクラッチ)を与えてしまう。そのためプッシャー30,30’の、とくにウエハを載置するステージを洗浄することが必要であり、図32に示すように、洗浄液(純水・薬液・イオン水やオゾン水等)をスプレーノズル500を用いて吹き付けることで洗浄を行う。洗浄のタイミングは、研磨後のウエハ101をプッシャー30,30’が上昇し受け取り、下降途中にロータリートランスポータにウエハを渡し、更に下降し、下降終了の信号をセンサから発するのを受けて、ノズル500から洗浄液を噴射することにより洗浄する。
【0135】
ロータリトランスポータ27はウエハを上面に載置し、リフタ29,29’との受け渡し位置とプッシャー30,30’との受け渡し位置との間を回転してウエハを搬送する。ポリッシング終了後のウエハの搬送では砥液やポリッシングのカスが残ったウエハを搬送するので、ウエハ載置用ピン201やその周辺が砥液や研磨カスで汚れる。ポリッシングを完了したウエハはロータリトランスポータ27上のウエハ載置用ピン201の上にプッシャー30,30’を経由して搬送される。ウエハがロータリトランスポータ27に搬送されたらウエハの上面と下面に向けて洗浄液(純水・薬液・イオン水やオゾン水等)をかけて洗浄する。洗浄液をかけるためには、ポリッシャーパン80,80’(図1参照)や隔壁24(図1参照)に固定されているスプレーノズル501,502,503,504を用い、所望の流量と圧力、角度、範囲でウエハを洗浄することが可能になっている。ウエハの上面と下面の洗浄は同時のタイミングで行い洗浄液の操作用エアオペレートバルブは共有してもよい。その場合、エアオペレートバルブの出口より下流で配管を分岐させ、上面と下面への供給を行えばよい。また、ここでのウエハはパターン面が下を向いているので、下からの洗浄を充実させた方がウエハの歩留まりが良くなるので、上面への洗浄用ノズルよりも大流量を流せるノズルを下からの洗浄に使ったり、配管を下面用だけ太くすることで下からの洗浄を上からの洗浄よりも充実させることが可能になる。もちろん操作用エアオペレートバルブをそれぞれ下面用と上面用とで分けても同様のことが可能である。また、ウエハを保持していない時にロータリトランスポータ27のピンを洗浄するために、このノズルを用いウエハ載置ピン201の洗浄を行ってもよい。
【0136】
リフタ29,29’は反転機28,28’とロータリトランスポータ27のウエハの搬送を行う。ポリッシング前のウエハはロボットにより反転機28,28’へ搬送されてくる。リフタ29,29’はこのウエハをロータリトランスポータ27に搬送する。また、ポリッシング後のウエハはロータリトランスポータ27に載ってリフタ上方に搬送されてくるので、このウエハを反転機28,28’へ搬送する。ポリッシング後のウエハは砥液や研磨カスがロータリトランスポータ27上である程度洗浄されている。しかし、この洗浄が充分でない場合はこのウエハを搬送するリフタ29,29’も汚れてしまうことがある。そのためウエハの搬送の合間にリフタのとくにウエハを載置するステージ260(図30参照)を洗浄することが必要である。ここでも洗浄液(純水・薬液)をスプレーノズル505を用いて吹き付けることで洗浄を行う。特に、研磨後のウエハ101を反転機28,28’へ搬送した後、リフター29,29’が下降し、下降端センサー267が下降終了の信号を発したのを受けて、洗浄を開始するのが効果的である。
【0137】
トップリング32,33はポリッシング毎に砥液や研磨カスで汚れる。ポリッシング終了後にウエハを離脱し、次のウエハを受取る前に前回のポリッシングの汚れを洗浄する必要がある。ウエハを離脱するとウエハ保持部分32a,33aが開放される。次のウエハを保持してポリッシングを開始する前にこの開放したウエハ保持部分32a,33aを洗浄することで砥液や研磨カスが次にポリッシングするウエハとウエハ保持部分との間に入ることを防げる。ここでも、図32に示すように、洗浄液(純水・薬液・イオン水・オゾン水等)をスプレーノズル506で吹き付けて洗浄を行う。また、ポリッシング後のウエハをすぐにプッシャー30,30’へ離脱せず、このノズル506でウエハのパターン面を洗浄することも可能である。
【0138】
反転機28,28’はロボットとリフタ30,30’の搬送の間にウエハを反転させる。ポリッシング終了後のウエハは反転機28,28’に運ばれてくるまでに簡易的な洗浄をされただけなのでこの反転機でのウエハ滞留時間中もウエハの洗浄と乾燥防止を兼ねて、図32に示すように、スプレーノズル507,508を用いてウエハに洗浄水(純水・薬液・イオン水・オゾン水等)をかける。ポリッシング後のウエハは反転機に搬送された後、反転されてパターン面が上を向いている。この後ロボットが受取に来るまでウエハは反転機上で待機することになる。ウエハのポリッシングや洗浄の処理時間の条件によってはウエハがこの反転機上で待機する時間が長くなることも考慮して、ここでは乾燥防止としての役目も強くなる。また、洗浄機5,6,22,23のうち、1,もしくはそれ以上の洗浄時間がポリッシング時間よりも極端に長い場合は反転機28,28’の他にロータリトランスポータ27上のステージ211,213(図31参照)でもウエハ101を待機させることができる。この場合も上述の反転機28,28’の時と同様に乾燥防止の目的で、該スプレーノズル503,504を用いて洗浄水を流してもよい。
【0139】
以上ロータリトランスポータの周辺でのウエハ洗浄とそれぞれのユニットの洗浄について述べたが、まとめるとポリッシング後、ウエハを洗浄する順番は、
1)トップリング32,33上での洗浄
2)ロータリトランスポータ27上での洗浄
3)反転機28,28’での洗浄
となる。
砥液による必要以上のエッチングや酸化を防ぐために、薬液での洗浄はポリッシング完了後ただちに行なうことが望ましい。従ってトップリング上での洗浄やロータリトランスポータ上での洗浄は薬液で行う方が有効である。
反対に反転機での洗浄はウエハがその前段階である程度洗浄されていることを考慮すると、洗浄という目的よりも乾燥防止の目的を重視できる。
【0140】
したがって、例えばトップリングとロータリトランスポータでのウエハ洗浄は薬液で、反転機での洗浄は純水で、と分けることで最適でしかもコストを最小限にした洗浄を行うこともできる。
また、トップリングとロータリトランスポータでの洗浄では時間をかけるとその分ウエハの処理時間に直接影響を及ぼすが、反転機での待ち時間の洗浄は装置の処理時間に影響を与えない。したがって、トップリングやロータリトランスポータでの洗浄水の吹き付けは強く短時間で行い、反転機での洗浄は乾燥を防止する程度の流量でたとえば間欠的に洗浄するのが良い。
【0141】
図49は、本発明の第2の実施形態に係るポリッシング装置の各部の配置構成を示す平面図である。また図50は図49に示すポリッシング装置の斜視図である。図49および図50においてはポリッシング装置全体を囲っているハウジングは図示を省略している。また図50においては隔壁は図示を省略している。
第1の実施形態のポリッシング装置においては、領域C,D内に配置された2つの研磨部に共通の搬送機構として回転移動する4台のステージ(置き台)を備えた共通の1台のロータリトランスポータ27を配置したが、第2の実施形態においては、2つの研磨部にそれぞれ専用の搬送機構として往復直線移動をする2台のステージを備えたリニアトランスポータを個別に配置していることが異なっている。
図49および図50に示すポリッシング装置は多数の半導体ウエハをストックするウエハカセット1を載置するロードアンロードステージ2を4つ備えている。ロードアンロードステージ2上の各ウエハカセット1に到達可能となるように、走行機構3の上に2つのハンドを有した搬送ロボット4が配置されている。走行機構3にはリニアモータからなる走行機構が採用されている。リニアモータからなる走行機構を採用することにより、ウエハが大口径化し重量が高速且つ安定した搬送ができる。
【0142】
図49に示す実施形態は、ウエハカセット1を載置するロードアンロードステージ2としてSMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、もしくはFOUP(Front Opening Unified Pod)を用い、ロードアンロードステージが外付けされた例である。SMIF,FOUPは、中にウエハカセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。SMIFもしくはFOUPを、ポリッシング装置のロードアンロードステージ2に設置した場合、ポリッシング装置側のハウジング46に設けられたシャッター52及びSMIFもしくはFOUP側のシャッターが開くことにより、ポリッシング装置とウエハカセット1側が一体化する。SMIFもしくはFOUPは、研磨工程が終わると、シャッターを閉じ、ポリッシング装置と分離し、別の処理工程へ自動もしくは手動で搬送されるため、その内部雰囲気を清浄に保っておく必要がある。
【0143】
そのため、ウエハがカセットに戻る直前に通る領域Aの上部には、ケミカルフィルタを通して清浄な空気のダウンフローが形成されている。又、搬送ロボット4の移動にリニアモータを用いているため、発塵が抑えられ、領域Aの雰囲気をより正常に保つことができる。
尚、ウエハカセット1内のウエハを清浄に保つために、SMIFやFOUPの様な密閉容器にケミカルフィルタ、ファンを内蔵し、自らクリーン度を維持するクリーンボックスを用いるようにしてもよい。
【0144】
搬送ロボット4の走行機構3を対称軸に、ウエハカセット1とは反対側に2台の洗浄機5,6が配置されている。各洗浄機5,6は搬送ロボット4のハンドが到達可能な位置に配置されている。また2台の洗浄機5,6の間で、ロボット4が到達可能な位置に、4つの半導体ウエハの載置台7,8,9,10を備えたウエハステーション50が配置されている。
【0145】
前記洗浄機5,6と載置台7,8,9,10が配置されている領域Bと前記ウエハカセット1と搬送ロボット4が配置されている領域Aのクリーン度を分けるために隔壁14が配置され、互いの領域の間で半導体ウエハを搬送するための隔壁の開口部にシャッター11が設けられている。洗浄機5と3つの載置台7,9,10に到達可能な位置に搬送ロボット20が配置されており、洗浄機6と3つの載置台8,9,10に到達可能な位置に搬送ロボット21が配置されている。
【0146】
前記洗浄機5と隣接するように搬送ロボット20のハンドが到達可能な位置に洗浄機22が配置されている。また、洗浄機6と隣接するように搬送ロボット21のハンドが到達可能な位置に洗浄機23が配置されている。
前記洗浄機5,6,22,23とウエハステーション50の載置台7,8,9,10と搬送ロボット20,21は全て領域Bの中に配置されていて、領域A内の気圧よりも低い気圧に調整されている。前記洗浄機22,23は、両面洗浄可能な洗浄機である。
【0147】
本ポリッシング装置は、各機器を囲むようにハウジング(図示せず)を有しており、前記ハウジング内は隔壁14、隔壁24A,24Bにより複数の部屋(領域A、領域Bを含む)に区画されている。
隔壁24Aおよび24Bによって、領域Bと区分された2つのポリッシング室が形成される2つの領域CとDに区分されている。そして、2つの領域C,Dにはそれぞれ2つの研磨テーブルと、1枚の半導体ウエハを保持しかつ半導体ウエハを前記研磨テーブルに対して押し付けながら研磨するための1つのトップリングが配置されている。即ち、領域Cには研磨テーブル34,36、領域Dには研磨テーブル35,37がそれぞれ配置されており、また、領域Cにはトップリング32、領域Dにはトップリング33がそれぞれ配置されている。また領域C内の研磨テーブル34に研磨砥液を供給するための砥液ノズル40と、研磨テーブル34のドレッシングを行うためのドレッサ38とが配置されている。領域D内の研磨テーブル35に研磨砥液を供給するための砥液ノズル41と、研磨テーブル35のドレッシングを行うためのドレッサ39とが配置されている。さらに、領域C内の研磨テーブル36のドレッシングを行うためのドレッサ48と、領域D内の研磨テーブル37のドレッシングを行うためのドレッサ49とが配置されている。
【0148】
研磨テーブル34,35は、機械的ドレッサー38,39の他に、流体圧によるドレッサーとして、アトマイザー44,45を備えている。アトマイザーとは、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素)の混合流体を霧状にして、複数のノズルから研磨面に噴射するものである。アトマイザーの主な目的は、研磨面上に堆積、目詰まりした研磨カス、スラリー粒子を洗い流すことである。アトマイザーの流体圧による研磨面の浄化と、機械的接触であるドレッサー38,39による研磨面の目立て作業により、より望ましいドレッシング、即ち研磨面の再生を達成することができる。
【0149】
図51はトップリング32と研磨テーブル34,36との関係を示す図である。なお、トップリング33と研磨テーブル35,37の関係も同様になっている。図51に示すように、トップリング32は回転可能なトップリング駆動軸91によってトップリングヘッド31から吊下されている。トップリングヘッド31は位置決め可能な揺動軸92によって支持されており、トップリング32は研磨テーブル34,36にアクセス可能になっている。また、ドレッサ38は回転可能なドレッサ駆動軸93によってドレッサヘッド94から吊下されている。ドレッサヘッド94は位置決め可能な揺動軸95によって支持されており、ドレッサ38は待機位置と研磨テーブル34上のドレッサ位置との間を移動可能になっている。ドレッサヘッド(揺動アーム)97は位置決め可能な揺動軸98によって支持されており、ドレッサ48は待機位置と研磨テーブル36上のドレッサ位置との間を移動可能になっている。ドレッサ48はテーブル36の直径よりも長い長尺状の形状を成しており、ドレッサヘッド97が揺動軸98を中心に揺動する。ドレッサヘッド97の揺動軸98と反対側のドレッサ固定機構96とドレッサ48がピボット運動することにより、ドレッサ48は自転を伴わず車のワイパーの様な動きで、研磨テーブル36上をドレッシングできるように、ドレッサ固定機構96によってドレッサヘッド97から吊り下げられている。ここで、研磨テーブル36,37としては、前述のスクロール型研磨テーブルを使用している。
【0150】
図49に示すように、隔壁24Aによって領域Bとは仕切られた領域Cの中にあって、搬送ロボット20のハンドが到達可能な位置に半導体ウエハを反転させる反転機28が配置されている。隔壁24Bによって領域Bとは仕切られた領域Dの中にあって、搬送ロボット21のハンドが到達可能な位置に半導体ウエハを反転させる反転機28’が配置されている。また、領域Bと領域C,Dを仕切る隔壁24A,24Bには、半導体ウエハ搬送用の開口部が設けられ、それぞれの反転機28と反転機28’専用のシャッター25,26が開口部に設けられている。
【0151】
前記反転機28及び反転機28’は、半導体ウエハをチャックするチャック機構と半導体ウエハの表面と裏面を反転させる反転機構と半導体ウエハを前記チャック機構によりチャックしているかどうかを確認するウエハ有無検知センサとを備えている。また、反転機28には搬送ロボット20によって半導体ウエハが搬送され、反転機28’には搬送ロボット21によって半導体ウエハが搬送される。
【0152】
一方のポリッシング室を構成する領域C内には、反転機28とトップリング32との間で半導体ウエハを移送するための搬送機構を構成するリニアトランスポータ27Aが配置されている。他方のポリッシング室を構成する領域D内には、反転機28’とトップリング33との間で半導体ウエハを移送するための搬送機構を構成するリニアトランスポータ27Bが配置されている。本実施形態のリニアトランスポータ27A(又は27B)が第1実施形態のロータリトランスポータ27と異なる点は、リニアトランスポータ27Aが直線往復移動する2個のステージを備えていること、リニアトランスポータとトップリング又は反転機との間で半導体ウエハを受け渡しする場合にウエハトレイを介して行うことである。
【0153】
図51の右側部分には、リニアトランスポータ27Aとリフタ29とプッシャー30との関係が示されている。リニアトランスポータ27Bとリフタ29’とプッシャー30’との関係も図51に示すものと同様であるため、以下の説明ではリニアトランスポータ27A、リフタ29およびプッシャー30のみを説明する。図51に示すように、リニアトランスポータ27Aの下方にリフタ29とプッシャー30とが配置されている。またリニアトランスポータ27Aの上方に反転機28が配置されている。そして、トップリング32は揺動してプッシャー30およびリニアトランスポータ27Aの上方に位置できるようになっている。
【0154】
図52はリニアトランスポータ27Aとリフタ29とプッシャー30を示す斜視図である。図52に示すように、リニアトランスポータ27Aは半導体ウエハを載せる置き台を構成する直線往復移動可能な2つのステージ901,902と、ステージ901,902を支持するサポート903,904と、サポート903,904を直線往復移動させるガイド付エアシリンダ906,905とを備えている。なおガイド付エアシリンダ905,906は、支持プレート921の上下面に対称的に固定されている(図54参照)。ステージ901とステージ902とは高さ位置が異なっており、両ステージ901,902は互いに干渉することなく自由に移動可能になっている。したがって、ステージ901をリフタ29の上方に、ステージ902をプッシャー30の上方にそれぞれ位置させた後に、両ステージ901,902を同時に移動させ擦れ違わせた後に、ステージ901をプッシャー30の上方に、ステージ902をリフタ29の上方にそれぞれ位置させることができる。ステージ901,902には、それぞれ4本のピン920が固定されており、これらピン920によってリング状のウエハトレイ925が支持されている。
【0155】
図53はガイド付エアシリンダ905(又は906)を示す図であり、図53(a)は斜視図、図53(b)は図53(a)の要部を示す部分断面を有した平面図である。図53に示すように、ガイド付エアシリンダ905はサポート903を支持する移動可能なスライダ908と、スライダ908の摺動を案内するガイドレール909と、スライダ908に連結されスライダ908を直線往復移動させるマグネット型シリンダ910とから構成されている。マグネット型シリンダ910はガイドパイプ911と、ガイドパイプ911内に設けられエアを供給することによりガイドパイプ911内で移動可能なピストン912と、マグネット913により磁気カップリングしてピストン912とともに移動する移動体914とから構成されている。したがって、ガイドパイプ911内にエアを供給すると、ピストン912がガイドパイプ911内で移動し、ピストン912に磁気カップリングした移動体914がピストン912とともに移動する。これにより、スライダ908がガイドレール909に沿って摺動し、スライダ908に固定されたサポート903およびステージ901が直線往復移動する。
【0156】
図54はリニアトランスポータ27Aの全体構成を示す図であり、図54(a)は平面図、図54(b)は図54(a)のA矢視図、図54(c)は図54(a)のB矢視図である。なお、図54(a)においては、ウエハトレイ925の図示を省略している。図54(b)および図54(c)に示すように、ステージ901とステージ902とは高さ位置が異なっており、両ステージ901,902は互いに干渉することなく自由に移動可能になっている。そして、ステージ901,902のピン920上には、それぞれウエハトレイ925が載せられている。ピン920とウエハトレイ925の外周面とにより、ウエハトレイ925は自動調芯がされるようになっている。ウエハトレイ925はその上面に半導体ウエハを載置保持するためのウエハ保持面926を有している。図55に示すように、ウエハ保持面926は、全面に渡ってリングに凹凸が設けられており、凸部926aには、外周に向けて高くなるようにテーパを設け、ウエハとの接触面積を減らすようになっている。なお、この実施例においては、ステージ901はロード用ステージを構成し、ステージ902はアンロード用ステージを構成している。
【0157】
図56はリニアトランスポータと反転機およびリニアトランスポータとトップリングとの半導体ウエハの受け渡しを説明するための模式図である。
図56に示すように、搬送ロボット20により反転機28に搬送された研磨前の半導体ウエハ101は、反転機28により反転される。そして、リフタ29が上昇することで、ロード用ステージ901上のウエハトレイ925はリフタ29に移載される。リフタ29は更に上昇し、半導体ウエハ101は反転機28からリフタ29上のウエハトレイ925に移載される。その後、リフタ29が下降し、半導体ウエハ101はウエハトレイ925とともにロード用ステージ901に載置される。ウエハトレイ925と半導体ウエハ101はロード用ステージ901の直線移動によりプッシャー30の上方へ搬送される。このとき、アンロード用ステージ902はウエハトレイ925を介して研磨済の半導体ウエハ101をトップリング32から受け取り、リフタ29に向かって移動する。ロード用ステージ901とアンロード用ステージ902は移動途中ですれ違うこととなる。ロード用ステージ901がプッシャー30の上方へ到達したときには、トップリング32は図56に示す位置に予め揺動している。次に、プッシャー30が上昇し、プッシャー30はロード用ステージ901からウエハトレイ925および半導体ウエハ101を受け取った後にさらに上昇し、半導体ウエハ101のみをトップリング32へ移送する。
【0158】
前記トップリング32に移送されたウエハ101は、トップリング32の真空吸着機構により吸着され、ウエハ101は研磨テーブル34まで吸着されたまま搬送される。そして、ウエハ101は研磨テーブル34上に取り付けられた研磨パッド又は砥石等からなる研磨面で研磨される。トップリング32がそれぞれに到達可能な位置に、前述した第2の研磨テーブル36が配置されている。これにより、ウエハは第1の研磨テーブル34で研磨が終了した後、第2の研磨テーブル36で研磨できるようになっている。しかしながら、半導体ウエハに形成された膜種によっては、第2の研磨テーブル36で研磨された後、第1の研磨テーブル34で処理されることもある。
【0159】
研磨が終了したウエハ101は、前述とは逆のルートで反転機28まで戻される(後述する)。反転機28まで戻されたウエハは、純水もしくは洗浄用の薬液によりリンスノズルによってリンスされる。また、ウエハを離脱したトップリング32のウエハ吸着面は、トップリング洗浄ノズルから純水もしくは薬液によって洗浄される。
【0160】
次に、図49乃至図51に示すポリッシング装置の処理工程の概略を説明する。
2段洗浄の2カセットパラレル処理の場合には、一方のウエハは、ウエハカセット(CS1)→搬送ロボット4→ウエハステーション50の置き台7→搬送ロボット20→反転機28→リニアトランスポータ27Aのロード用ステージ901→トップリング32→研磨テーブル34→研磨テーブル36(必要に応じ)→リニアトランスポータ27Aのアンロード用ステージ902→反転機28→搬送ロボット20→洗浄機22→搬送ロボット20→洗浄機5→搬送ロボット4→ウエハカセット(CS1)に至る経路を経る。
【0161】
また、他方のウエハは、ウエハカセット(CS2)→搬送ロボット4→ウエハステーション50の置き台8→搬送ロボット21→反転機28’→リニアトランスポータ27Bのロード用ステージ901→トップリング33→研磨テーブル35→トップリング33→リニアトランスポータ27Bのアンロード用ステージ902→反転機28’→搬送ロボット21→洗浄機23→搬送ロボット21→洗浄機6→搬送ロボット4→ウエハカセット(CS2)に至る経路を経る。
【0162】
また3段洗浄の2カセットパラレル処理の場合は、一方のウエハは、ウエハカセット(CS1)→搬送ロボット4→ウエハステーション50の置き台7→搬送ロボット20→反転機28→リニアトランスポータ27Aのロード用ステージ901→トップリング32→研磨テーブル34→研磨テーブル36(必要に応じ)→リニアトランスポータ27Aのアンロード用ステージ902→反転機28→搬送ロボット20→洗浄機22→搬送ロボット20→ウエハステーション50の置き台10→搬送ロボット21→洗浄機6→搬送ロボット21→ウエハステーション50の置き台9→搬送ロボット20→洗浄機5→搬送ロボット4→ウエハカセット(CS1)に至る経路を経る。
【0163】
また、他方のウエハは、ウエハカセット(CS2)→搬送ロボット4→ウエハステーション50の置き台8→搬送ロボット21→反転機28’→リニアトランスポータ27Bのロード用ステージ901→トップリング33→研磨テーブル35→研磨テーブル37(必要に応じ)→リニアトランスポータ27Bのアンロード用ステージ902→反転機28’→搬送ロボット21→洗浄機23→搬送ロボット21→洗浄機6→搬送ロボット21→ウエハステーション50の置き台9→搬送ロボット20→洗浄機5→搬送ロボット4→ウエハカセット(CS2)に至る経路を経る。
【0164】
さらに3段洗浄のシリーズ処理の場合には、ウエハは、ウエハカセット(CS1)→搬送ロボット4→ウエハステーション50の置き台7→搬送ロボット20→反転機28→リニアトランスポータ27Aのロード用ステージ901→トップリング32→研磨テーブル34→研磨テーブル36(必要に応じ)→リニアトランスポータ27Aのアンロード用ステージ902→反転機28→搬送ロボット20→洗浄機22→搬送ロボット20→ウエハステーション50の置き台10→搬送ロボット21→反転機28’→リニアトランスポータ27Bのロード用ステージ901→トップリング33→研磨テーブル35→研磨テーブル37(必要に応じ)→リニアトランスポータ27Bのアンロード用ステージ902→反転機28’→搬送ロボット21→洗浄機23→搬送ロボット21→洗浄機6→搬送ロボット21→ウエハステーション50の置き台9→搬送ロボット20→洗浄機5→搬送ロボット4→ウエハカセット(CS1)に至る経路を経る。
【0165】
次に、図52乃至図54に示すリニアトランスポータ27A、リフタ29、プッシャー30の動作を詳述する。なお、リニアトランスポータ27B、リフタ29’、プッシャー30’の動作は同様に行われるため説明を省略する。またリフタ29およびプッシャー30は第1の実施形態において用いたものと概略同一の構成を有しているため、それらの詳細構造の説明は省略する。第2の実施形態におけるプッシャー30はプッシュステージ143’を有している。このプッシュステージ143’は第1の実施形態におけるプッシュステージ143とは異なっている。
ウエハ受け渡し時
リニアトランスポータ27Aのロード用ステージ901がリフタ29の上方に位置している。研磨前のウエハ101は搬送ロボット20から反転機28へ搬送される。その後、ウエハ101は反転機28により反転され、ウエハのパターン面が下を向く。リフタ29(図30に示す)は上昇し、リフタ29の上部のステージ260はリニアトランスポータ27Aのロード用ステージ901上のロード専用のウエハトレイ925と係合して結合する。
【0166】
次にリフタ29は、その上部にウエハトレイ925を載置したまま反転機28からウエハ101を受け取る位置まで上昇し停止する。
リフタ29の上昇がウエハ101の直下で停止したのを、例えばリフタ29の上昇用シリンダ261のセンサ266で確認すると、反転機28はウエハ101のクランプを開放し、ウエハ101はリフタ29上のウエハトレイ925の上に移載される。
【0167】
その後、リフタ29はウエハ101をウエハトレイ925上に載置したまま下降をする。すると、リニアトランスポータ27Aのロード用ステージ901上のピン720により、リフタ29上に載せられたウエハトレイ925は求芯されつつリフタ29からリニアトランスポータ27Aのロード用ステージ901へ移載される。リフタ29は、ウエハトレイ925がリニアトランスポータ27Aのロード用ステージ901に載せられた後も、リニアトランスポータ27Aのロード用ステージ901が移動しても干渉しない位置まで下降を続け所定位置で停止する。
【0168】
ウエハロード時
リフタ29が下降を完了すると、リニアトランスポータ27Aのロード用ステージ901は移動して、プッシャー30(図33参照)の上方に、半導体ウエハ101を保持したロード専用のウエハトレイ925を位置させる。ロード用ステージ901の位置決めが完了すると、エアシリンダ146によりプッシャー30がガイドステージ141周りの構成品と共に上昇していき、上昇途中でリニアトランスポータ27Aのロード用ステージ901のウエハ保持位置を通過する。このとき、通過と同時にウエハ101をその上面に載置したウエハトレイ925とプッシャー30のプッシュステージ143’とが係合し、プッシャー30はウエハトレイ925をリニアトランスポータ27Aのロード用ステージ901から受け取る。
【0169】
プッシュステージ143’がウエハトレイ925を保持したままトップリングガイド148は停止することなく上昇していき、トップリングガイド148のテーパ208によってトップリング32のガイドリング301を呼び込む。X,Y方向に自在に移動可能なリニアウェイ149による位置合わせでトップリング32に求芯し、トップリングガイド148の段部200がガイドリング301下面と接触することでガイドステージ141の上昇は終了する。
【0170】
ガイドステージ141はトップリングガイド148の段部200がガイドリング301下面に接触して固定され、それ以上上昇することはない。ところが、エアシリンダ146はショックキラー156に当たるまで上昇し続けるので、圧縮バネ152は収縮するためスプラインシャフト142のみが更に上昇し、プッシュステージ143’がさらに上昇する。ウエハ101がトップリング32に接触した後にシリンダ146が上昇するストロークはバネ159が吸収し、ウエハ101を保護している。
【0171】
次に、エアシリンダ145によりプッシュステージ143’がウエハトレイ925を保持したまま更に上昇し、トップリング32によりウエハ101が吸着保持される。しかる後、エアシリンダ145が逆作動してウエハトレイ925がプッシュステージ143’と共に下降する。そして、エアシリンダ146によりプッシャー30がガイドステージ141周りの構成品と共に下降していき、下降途中でウエハトレイ925をリニアトランスポータ27Aのロード用ステージ901に受け渡し、更に下降して所定の位置で停止する。
【0172】
ウエハアンロード時
プッシャー30上方のウエハアンロード位置にトップリング32によってウエハ101が搬送され、リニアトランスポータ27Aのアンロード用ステージ902の移動により、アンロード専用のウエハトレイ925がプッシャー30の上方に位置する。すると、エアシリンダ146によりプッシャー30がガイドステージ141周りの構成品と共に上昇していき、上昇途中でリニアトランスポータ27Aのアンロード用ステージ902のウエハ保持位置を通過する。このとき、通過と同時に空のウエハトレイ925とプッシャー30のプッシュステージ143’とが係合し、プッシャー30はウエハトレイ925をリニアトランスポータ27Aのアンロード用ステージ902から受け取る。
【0173】
そして、トップリングガイド148のテーパ面208によってトップリング32のガイドリング301を呼び込み、リニアウェイ149による位置合わせでトップリング32に求芯し、トップリングガイド148の段部200がガイドリング301の下面と接触することでガイドステージ141の上昇は終了する。
【0174】
この時、エアシリンダ146はショックキラー156に当たるまで動作しつづけるが、ガイドステージ141はトップリングガイド148の段部200がガイドリング301の下面に接触して固定されているため、エアシリンダ146は圧縮バネ152の反発力に打勝ってスプラインシャフト142をエアシリンダ145ごと押し上げ、プッシュステージ143’を上昇させる。この時、プッシュステージ143’はトップリングガイド148のウエハ保持部より高い位置になることはない。本実施例ではシリンダ146はトップリングガイド148がガイドリング301に接触した所から更にストロークするように設定されている。この時の衝撃はバネ152によって吸収される。
【0175】
エアシリンダ146の上昇が終了するとトップリング32よりウエハ101がリリースされ、アンロード専用のウエハトレイ925の上に保持される。ウエハ101がアンロード専用のウエハトレイ925上に保持されると、プッシャー30は下降を開始する。そして、アンロード専用のウエハトレイ925は研磨済ウエハとともにリニアトランスポータ27Aのアンロード用ステージ902上に移載され、プッシャー30は引き続き下降し、下降終了で動作が完了する。
【0176】
リニアトランスポータ27Aのアンロード用ステージ902は移動して研磨済ウエハが載置されたアンロード専用のウエハトレイ925をリフタ29の上方に位置させる。リフタ29が上昇し、リフタ29は研磨済ウエハが載置されたアンロード専用のウエハトレイ925をリニアトランスポータ27Aのアンロード用ステージ902から受け取り、更に上昇して、反転機28へのウエハ受け渡し位置へウエハを位置させる。
反転機28のグリッパがウエハ101を受け取った後、リフタ29は下降して、アンロード専用のウエハトレイ925がリニアトランスポータ27Aのアンロード用ステージ902に移載された後、更に下降後、停止して、トップリング32から反転機28へのウエハの移載動作が完了する。その後、ウエハ101は反転機28により反転された後、搬送ロボット20により受け取られる。
【0177】
本発明の第2の実施形態のポリッシング装置によれば、各研磨部に専用の搬送機構として、直線往復移動する少なくとも2台のステージ(置き台)を有したリニアトランスポータを備えたため、反転機とトップリングとの間でポリッシング対象物を移送するのに要する時間を短縮することができ、単位時間当たりのポリッシング対象物の処理枚数を増加させることができる。
また、ポリッシング対象物がリニアトランスポータのステージと反転機との間で移送されるとき、ポリッシング対象物はウエハトレイと反転機との間で移送される。そして、ポリッシング対象物がリニアトランスポータのステージとトップリングとの間で移送されるとき、ポリッシング対象物はウエハトレイとトップリングとの間で移送される。それゆえ、ウエハトレイは移送時の衝撃を吸収でき、ポリッシング対象物の移送速度を増加させることができ、ポリッシング対象物のスループットを上昇させることができる。
また、反転機からトップリングへのウエハの移載をリニアトランスポータの各ステージに着脱自在に保持したトレイを介して行うことで、例えば、リフタとリニアトランスポータとの間、リニアトランスポータとプッシャーとの間でのウエハの移し替えをなくして、発塵や把持ミスに伴う損傷を防止することができる。
【0178】
さらに、複数のトレイを研磨前のポリッシング対象物を保持するロード専用のトレイと、研磨後のポリッシング対象物を保持するアンロード専用のトレイに2分することで、研磨前のウエハはプッシャーからでなく、ロード専用のトレイからトップリングへ受け渡され、又、研磨後のウエハはトップリングからプッシャーにではなくアンロード専用のトレイに受け渡される。従って、トップリングへのウエハのロードとトップリングからのウエハのアンロードが、別の治具(又は部材)で行われるため、研磨後のウエハに付着した砥液等がロードとアンロード共通のウエハの支持部材に付着、固化して砥液等が研磨前のウエハに傷つけたり、又、付着するといった問題点を解決できる。
【0179】
【発明の効果】
本発明によれば、同一の装置で、様々なポリッシング工程に応じた必要な洗浄工程の洗浄段数を単位設置面積あたりの処理能力を落すこと無く確保し、各洗浄工程における洗浄プロセス時間を短時間に抑えるように、長い時間を必要とする洗浄工程を2台以上の洗浄装置に分けて処理するように、搬送ルートを変えることで単位時間あたりのポリッシング対象物の処理枚数(スループット)を増加させることができる。
また、本発明によれば、半導体ウエハ等のポリッシング対象物をトップリングに搬送する時間を短縮することが可能となり、単位時間あたりのポリッシング対象物の処理枚数(スループット)を飛躍的に増加させることができる。
【0180】
本発明によれば、研磨後のポリッシング対象物を洗浄工程を経る間に待機させることができるため、洗浄プロセス時間が異なる複数の洗浄工程を複数のポリッシング対象物について並列して行う場合に対応することができる。即ち、複数の洗浄工程のうち、長い方の洗浄工程によってルートがふさがれることなく、それぞれの洗浄工程に絶えず処理するポリッシング対象物を供給できる。
また、本発明によれば、洗浄度が異なる各部屋が隔壁によって仕切られているため、汚染された部屋の雰囲気が他の清浄な部屋に流入して清浄度を低下させる恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るポリッシング装置の各部の配置構成を示す平面図である。
【図2】トップリングと研磨テーブルとの関係を示す図である。
【図3】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の一例を示す模式的工程図である。
【図4】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の一例を示す模式的工程図である。
【図5】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の一例を示す模式的工程図である。
【図6】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の一例を示す模式的工程図である。
【図7】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の一例を示す模式的工程図である。
【図8】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の他の例を示す模式的工程図である。
【図9】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の他の例を示す模式的工程図である。
【図10】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の他の例を示す模式的工程図である。
【図11】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の他の例を示す模式的工程図である。
【図12】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の他の例を示す模式的工程図である。
【図13】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の他の例を示す模式的工程図である。
【図14】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の他の例を示す模式的工程図である。
【図15】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の更に他の例を示す模式的工程図である。
【図16】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の更に他の例を示す模式的工程図である。
【図17】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の更に他の例を示す模式的工程図である。
【図18】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の更に他の例を示す模式的工程図である。
【図19】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の更に他の例を示す模式的工程図である。
【図20】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の更に他の例を示す模式的工程図である。
【図21】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の更に他の例を示す模式的工程図である。
【図22】図1に示すポリッシング装置によってウエハのポリッシングを行う場合の更に他の例を示す模式的工程図である。
【図23】図23(a)および図23(b)はロードアンロード部を示す図であり、図23(a)は正面図、図23(b)は側面図である。
【図24】ロードアンロード部の他の例を示す図である。
【図25】洗浄室の気流構成を示す模式図である。
【図26】搬送ロボットを示す側面図である。
【図27】搬送ロボットを示す斜視図である。
【図28】ウエハステーションを示す図であり、図28(a)は正面図、図28(b)は側面図、図28(c)は図28(a)のI矢視図、図28(d)は図28(a)のII矢視図、図28(e)は図28(a)のIII矢視図である。
【図29】反転機を示す図であり、図29(a)は平面図、図29(b)は一部断面された側面図である。
【図30】リフタを示す縦断面図である。
【図31】ロータリトランスポータを示す平面図である。
【図32】ロータリトランスポータを示す縦断面図である。
【図33】プッシャーの縦断面図である。
【図34】プッシャーの動作説明図である。
【図35】トップリングの構造を示す部分的に断面された側面図である。
【図36】ドレッサを示す縦断面図であり、ダイヤモンドドレッサを示す。
【図37】ドレッサを示す縦断面図であり、ブラシドレッサを示す。
【図38】第2の研磨テーブルのドレッサの構造を示す縦断面図である。
【図39】第2の研磨テーブルのドレッサの側面図を示す。
【図40】回転型研磨テーブルを示す正面図である。
【図41】スクロール型研磨テーブルを示す縦断面図である。
【図42】図42(a)は図41のP−P線断面図であり、図42(b)は図42(a)のX−X線断面図である。
【図43】オーバーハング型研磨テーブルを示す縦断面図である。
【図44】砥液供給ノズルを示す図であり、図44(a)は砥液供給ノズルの平面図であり、図44(b)は砥液供給ノズルの部分断面を有する側面図である。
【図45】砥液供給ノズルを示す図であり、砥液供給ノズルの研磨テーブルに対する位置を示したものである。
【図46】研磨砥液供給方式を示す模式図である。
【図47】研磨砥液供給方式を示す模式図である。
【図48】研磨砥液供給方式を示す模式図である。
【図49】本発明の第2の実施形態に係るポリッシング装置の各部の配置構成を示す平面図である。
【図50】図49に示すポリッシング装置の斜視図である。
【図51】トップリングと研磨テーブルとの関係を示す図である。
【図52】リニアトランスポータとリフタとプッシャーを示す斜視図である。
【図53】ガイド付エアシリンダを示す図であり、図53(a)は斜視図、図53(b)は図53(a)の要部を示す部分断面を有した平面図である。
【図54】リニアトランスポータの全体構成を示す図であり、図54(a)は平面図、図54(b)は図54(a)のA矢視図、図54(c)は図54(a)のB矢視図である。
【図55】図54に示すリニアトランスポータの斜視図である。
【図56】リニアトランスポータと反転機およびリニアトランスポータとトップリングとの半導体ウエハの受け渡しを説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 ウエハカセット
2 ロードアンロードステージ
3 走行機構
4,20,21 搬送ロボット
5,6,22,23 洗浄機
5a,6a,11,22a,23a,25,26,52,77,357 シャッター
7,8 ドライステーション
9,10 ウエットステーション
14,15,16,24,47,358 隔壁
27 ロータリトランスポータ
27A,27B リニアトランスポータ
28,28’ 反転機
29,29’ リフタ
30,30’ プッシャー
31 トップリングヘッド
32,33 トップリング
34,35,36,37,755 研磨テーブル
38,39,48,49,3000 ドレッサ
40,41 砥液供給ノズル
43,43’,3020 水桶
44,45 アトマイザー
46 ハウジング
50 ウエハステーション
51 揺動アーム
60 トップリング洗浄ノズル
71,72,73,74,237,351,354 透過型光センサ
75,76,100,101,203 リンスノズル
78,79 ガイドブロック
80,80’,3061 ポリッシャーパン
81,232,261,313,3008,3016,3053,3054
シリンダ
91 トップリング駆動軸
92,95,98,3013,3051 回転軸
93 ドレッサ駆動軸
96 ドレッサ固定機構
94,97 ドレッサヘッド
98 揺動軸
101 ウエハ
103,301 ガイドリング
104,402,404 モータハウジング
120 θ軸
121 R1,R2軸
122 Z軸
123 X軸
124 ロボットボディ
125 上ハンド
126 下ハンド
140 中空シャフト
141 ガイドステージ
142 スプラインシャフト
143,143’ プッシュステージ
144 フローティングジョイント
145,146 エアシリンダ
147,150 スライドブッシュ
148 トップリングガイド
149 リニアウェイ
151,3058 ベアリングケース
152,159,233 圧縮バネ
153 ガイドスリーブ
154 センタスリーブ
155 Vリング
156 ショックキラー
160 プッシュロッド
180 位置決め用テーパ
190 フィルタ
191 ファン
192 ダンパ
193 ダクト
194 フィルタファンユニット
195 吸入口(開口部)
197 個別排気
198 機構
201 ウエハ載置用ピン
202 テーパ
204 セパレータ
205 サーボモータ
206 原点センサ
210,211,212,213,216,260,366,901,902
ステージ
230 アーム
231 コマ
234,262,752 シャフト
235,264 ストッパ
236 エンドブロック
237 センサ
238,240,3005,3011 プーリ
239 ステッピングモータ
241,312 ベルト
250 ウエハ有無センサ
250a 投光側
250b 受光側
263 爪
265 ストッパベース
266,267,3064 センサ
300 トップリング本体
302 バッキングフィルム
303 貫通穴
304 取付けフランジ
305 球
306 旋回アーム
309,401,633,750,3014 モータ
310 駆動プーリ
311 従動プーリ
314,371,3019 駆動フランジ
316 回転継手
352 サーチ機構
353 ダミーウエハステーション
355 駆動源(パルスモータ)
356 ウエハサーチセンサ
360 扉
361 開閉判別用センサ
362 昇降機構
363 底板
364 装置内部
365 装置外の雰囲気
367 箱
370 ドレッサプレート
373 ダイヤモンド粒
374 ブラシ
376 防水キャップ
377 Vリング
378,701,710 ラビリンス
403,706,709 ハウジング
405 ロータリージョイント
420,421,424,425,426,440,441 バルブ
430,432 ポンプ
501,502,503,504,505 スプレーノズル
634 ケーシング
635 支持板
636 支持部
637 定盤
638,639,648,760,761 凹所
640,641,753,762,763,3006,3057 ベアリング
642,643,764,765 軸体
644 連結部材
645 主軸
646 駆動端
647,650,651,3032 軸受
649 モータ室
652a,652b,767 バランサ
653,654 板状部材
655 研磨液空間
656 研磨液供給口
657,658 研磨液吐出孔
659 研磨パッド
661 回転槽
700 定盤
702,703 Oリング
707 ドグ
708 近接スイッチ
709 ポート
751 上部フランジ
754 セットリング
757,768 貫通孔
758 支持部
759 テーブル
766 支持部材
769 フリンガー
770 樋
790 ボルト
791 継ぎ手
810,3050 液体供給アーム
812 スライド機構
813 ボックスカバー
814 ステー
815 ディテント機構
819 下面
821 開口
823 ノズル
824 コネクタ
825 供給チューブ
840 ノズルアセンブリ
840a ノズル設定部材
850 揺動軸
903,904 サポート
905,906 ガイド付エアシリンダ
908 スライダ
909 ガイドレール
910 マグネット型シリンダ
911 ガイドパイプ
912 ピストン
920 ピン
921 支持プレート
925 ウエハトレイ
926 ウエハ保持面
3002 ブラシ固定座
3007 ブラケット
3010 ガイド
3012 タイミングベルト
3017 クランク
3018 スライダ
3021 上昇端センサ
3022 下降端センサ
3024 終端センサ
3026,3027 保護外装
3028 ロータリボールスプライン
3029 スプライン外輪
3030 フランジ外輪
3031 ドレッシング剤供給口
3052 揺動アーム
3055 ベース
3056 シリンダブラケット
3059 アーム本体
3060 フリンガー
3062 インシロック
3063 チューブ
3065 ドグ
3066,3067,3068,3069 位置センサ
3070 飛散防止カバー

Claims (28)

  1. 研磨すべきポリッシング対象物を供給するとともに研磨後のポリッシング対象物を受け入れるロードアンロード部と、
    研磨面を有した研磨テーブルと、
    ポリッシング対象物を保持し、かつポリッシング対象物を前記研磨面に押圧するトップリングと、
    研磨後のポリッシング対象物を洗浄する3台以上の洗浄装置と、
    前記ポリッシング対象物を待機させる複数の置き台を具備したステーションと、
    前記ロードアンロード部と前記ステーションの間でポリッシング対象物を搬送する第1の搬送ロボットと、
    前記3台以上の洗浄装置および前記ステーション間で研磨後のポリッシング対象物を搬送する第2の搬送ロボットおよび第3の搬送ロボットを有する搬送機構とを備え、
    前記搬送機構は前記3台以上の洗浄装置および前記ステーション間における搬送ルートを変更可能であり、
    前記ステーションは、前記研磨前のポリッシング対象物を待機させる置き台を2個以上具備し、前記研磨後のポリッシング対象物が複数段の洗浄工程を経る間にポリッシング対象物を待機させる置き台を2個以上具備し、前記研磨前のポリッシング対象物を待機させる少なくとも2個の置き台が重なることなく左右に設置され、その下方に前記研磨後のポリッシング対象物を待機させる2個以上の置き台を有し、
    前記研磨前のポリッシング対象物を待機させる左右に設置された2個の置き台のうち、一方の置き台には前記第2の搬送ロボットがアクセス可能であり、他方の置き台には前記第3の搬送ロボットがアクセス可能になっており、
    前記研磨後のポリッシング対象物を待機させる2個以上の置き台は、前記第2の搬送ロボットと第3の搬送ロボットの搬送可能領域の交点に上下に位置していることを特徴とするポリッシング装置。
  2. 前記3台以上の洗浄装置は、研磨後の各ポリッシング対象物を3段以上の段数の洗浄工程が可能であることを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  3. 前記洗浄装置の少なくとも2台は、ポリッシング対象物を回転させて乾燥させるスピンドライ機能を有することを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  4. さらに、研磨前および研磨後のポリッシング対象物を反転する反転機を備え、
    前記研磨テーブルと前記トップリングとを有しポリッシング対象物の研磨を行う研磨部ではポリッシング対象物の被研磨面を下向きにした状態で処理し、前記3台以上の洗浄装置を備えた洗浄部ではポリッシング対象物の被研磨面を上向きにした状態で処理することを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  5. 前記ステーションは、待機中のポリッシング対象物に乾燥防止用の洗浄液を供給するノズルを備えることを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  6. 前記ステーションは、複数のポリッシング対象物を収容したカセットを載置する領域と前記洗浄装置を載置する領域を仕切るためのシャッターを備えていることを特徴とする請求項1記載のポリシング装置。
  7. 記研磨テーブルと前記トップリングとを有しポリッシング対象物の研磨を行う研磨部と、前記洗浄装置を有する洗浄部は、それぞれポリッシング対象物を通過させるための開口を備えた隔壁によって仕切られた部屋に収容されていることを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  8. 前記各隔壁の開口部には、開閉可能なシャッタが設けられていることを特徴とする請求項記載のポリッシング装置。
  9. 前記各部屋の気圧は独立に制御可能であることを特徴とする請求項記載のポリッシング装置。
  10. 前記研磨部は複数個あり、各研磨部は相互に隔壁で仕切られていることを特徴とする請求項記載のポリッシング装置。
  11. 前記研磨部の少なくとも1つを使用してポリッシング装置を運転中に他の研磨部のメンテナンスが可能であることを特徴とする請求項10記載のポリッシング装置。
  12. 前記洗浄部においては、前記洗浄装置の少なくとも1つを使用してポリッシング装置を運転中に他の洗浄装置のメンテナンスが可能であることを特徴とする請求項記載のポリッシング装置。
  13. 前記ロードアンロード部は複数のポリッシング対象物を収容するためのカセットを4個以上載置可能であり、少なくとも2個のカセット内のポリッシング対象物が並行して処理可能であることを特徴とする請求項10記載のポリッシング装置。
  14. 前記洗浄装置の少なくとも2台は、同一洗浄機能を有することを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  15. 前記第1のロボットは2つのハンドを具備し、一方のハンドはポリッシング対象物を真空吸着する吸着型ハンドであり、他方のハンドはポリッシング対象物の周縁部を保持する落し込み型ハンドであり、前記吸着型ハンドはカセットよりポリッシング対象物を受け取るときに使用され、前記落し込み型ハンドはカセットにポリッシング対象物を戻すときに使用されることを特徴とする請求項記載のポリッシング装置。
  16. 前記第2又は第3の搬送ロボットは上下に配置された2つのハンドを具備し、上側のハンドは一度洗浄されたポリッシング対象物を保持し、下側のハンドは一度も洗浄されていないポリッシング対象物及び研磨前のポリッシング対象物を保持することを特徴とする請求項記載のポリッシング装置。
  17. 前記洗浄装置の少なくとも2台は、ポリッシング対象物の両面洗浄が可能であることを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  18. 前記吸着型ハンドはポリッシング対象物を保持した状態で前記置き台の上方に位置した後に、真空を破壊してポリッシング対象物を前記置き台のガイドによりポリッシング対象物の求芯を行って置き台に受け渡すことを特徴とする請求項15記載のポリシング装置。
  19. 前記置き台には、ポリッシング対象物有無検知用センサが設けられていることを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  20. 前記置き台はポリッシング対象物を置くためのガイドブロックを有することを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  21. 前記ロードアンロード部には、ポリッシング対象物である複数の半導体ウエハがストックされているウエハカセットと、
    前記ウエハカセットを戴置するためのロードアンロードステージと、
    前記ウエハカセット内の半導体ウエハが斜めに挿入されていることを検知するウエハ斜め検知機能を有するサーチセンサとが設けられていることを特徴とする請求項記載のポリッシング装置。
  22. 前記ロードアンロード部は、ダミーウエハまたはQCウエハを載置するためのダミーウエハステーションを有することを特徴とする請求項記載のポリッシング装置。
  23. 前記研磨テーブルは、第1の研磨テーブルと、前記第1の研磨テーブルにて研磨されたポリッシング対象物を研磨するための第2の研磨テーブルからなり、
    前記第1の研磨テーブルでポリッシング対象物を研磨した後、前記第2の研磨テーブルで研磨する前にポリッシング対象物をリンスするリンス機構を備えたことを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  24. 前記トップリングが前記第1の研磨テーブルから前記第2の研磨テーブルにポリッシング対象物を保持しながら移動する際に、ポリッシング対象物をリンスすることを特徴とする請求項23記載のポリッシング装置。
  25. 前記研磨テーブルは、第1の研磨テーブルと、前記第1の研磨テーブルにて研磨されたポリッシング対象物を研磨するための第2の研磨テーブルからなり、
    前記第1の研磨テーブルでポリッシング対象物を研磨した後、前記第2の研磨テーブルで研磨する前にポリッシング対象物をトップリングから離脱後、前記洗浄装置のいずれか1つでポリッシング対象物を洗浄することを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  26. 前記第2の研磨テーブルでポリッシング対象物の研磨が終了し、前記トップリングがポリッシング対象物を離脱した後、前記トップリングを洗浄するトップリング洗浄ノズルを有することを特徴とする請求項23乃至25のいずれか1項に記載のポリッシング装置。
  27. 前記研磨後のポリッシング対象物を待機させる2個の置き台のうち上側の置き台は少なくとも一度洗浄した清浄なポリッシング対象物を置く台になっており、下側の置き台は、研磨された後で前記上側の置き台に置かれるポリッシング対象物よりも洗浄回数の少ないポリッシング対象物を置く台になっていることを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  28. 前記洗浄部はシャッターを有し、洗浄部から前記第1の搬送ロボットでポリッシング対象物を抜き出すことができることを特徴とする請求項7記載のポリッシング装置。
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