JP4127158B2 - インクジェット記録用水性インク - Google Patents
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Description
インクジェット記録方法は、現像・定着等のプロセスがなく、カラー化が容易であることから、近年、飛躍的に普及している。最近では、インクジェットプリンタによる印刷の高精細化及び高速化が急速に進み、更には、普通紙に印字可能なカラープリンタ等が主流となってきている。
このような析出の発生は、ヘッド吐出部での目詰まりの大きな原因となるため、インクジェットプリンタを用いた印刷において、アゾ結合を有しない酸性染料を含有するインクジェット記録用水性インクを使用する場合に大きな障害となっていた。
なお、インクジェット記録用水性インクにおいて、「インク中の揮発成分を蒸発させた後」と、「インク中の水分量と同等量の揮発成分を蒸発させた後」とは、ほぼ同様の意味であり、以下、「インク中の揮発成分を蒸発させた後」を「揮発成分蒸発後」ともいう。
以下に本発明を詳述する。
上記酸性染料は、オクタノール・水の分配係数の対数値(logP酸性染料)が−2.0〜2.0である。−2.0未満であると、記録画像が耐水性に劣るものとなり、2.0を超えると、染料の疎水性が高くなりすぎる。
また、上記無機性値及び有機性値は、親水性又は疎水性を表わす指標となるので、上記無機性値及び有機性値から求められたオクタノール・水の分配係数の対数値(logP)も親水性及び疎水性のバランスを示す値となる。従って、上記オクタノール・水の分配係数の対数値が大きいほど疎水性が強く、小さいほど親水性が強い。
logP=0.0139×OV−0.0045×IV (1)
上記色調節用色材の含有量は、所望される色や濃度により決定されるが、インクジェット記録用水性インク全量に対して0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。
上記低級アルキルエーテル類は、オクタノール・水の分配係数の対数値(logP低級アルキルエーテル類)が0.7〜2.0である。0.7未満であると、析出の発生を防止できず、2.0を超えると、疎水性が高くなりすぎ、析出が発生する。
上記低級アルコール類は、炭素数が13以下である。炭素数が13を超えると、極性が低くなり、疎水性が高くなるため、水への溶解性が低下する。
上記水としては、一般的にインクジェット記録用水性インクに用いられているカチオン性イオンやアニオン性イオンの含有量が少ない純水や蒸留水等を用いることが好ましい。
上記水の含有量は、インクジェット記録用水性インク全量に対して、50〜75重量%であることが好ましい。50重量%未満であると、必然的に水以外の成分の割合が増加するため、紙へ印字した場合にインクがにじんだり、また粘度が高くなるため、ノズルにインクを導入しにくくなる場合がある。75重量%を超えると、揮発成分が蒸発した後のインク粘度が高くなりすぎて不吐出が発生することがある。
上記保湿剤としては、分子内に親水基を有するものであれば特に限定されず、例えば、グリセリン、ジグリセリン等が好ましい。また、上記グリセリンとしては、より純度の高い精製グリセリンが更に好ましい。
上記保湿剤の含有量は、インクジェット記録用水性インク全量に対して10〜45重量%であることが好ましい。10重量%未満であると、析出、乾固等の問題が生じることがある。45重量%を超えると、インクが必要以上に増粘したり、噴射不能となったりする。より好ましくは15〜40重量%である。
本発明のインクジェット記録用水性インクを熱エネルギーの作用によって噴射させるインクジェット方式に適用する場合には、比熱、熱膨張係数、熱伝導率等の熱的な物性値が調整されてもよい。
酸性染料として、C.I.アシッドレッド80、82、83、低級アルキルエーテル類として、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを用い、表1に示した組成のインク材料を攪拌した後、0.2μmのメンブランフィルターで濾過を行い、インクを調製した。
酸性染料として、C.I.アシッドレッド80、82、低級アルキルエーテル類として、ジプロピレングリコールプロピルエーテルを用い、更に色調節用色材及び防黴剤を含有する表2に示した組成のインク材料を攪拌した後、0.2μmのメンブランフィルターで濾過を行い、インクを調製した。
酸性染料として、C.I.アシッドイエロー23又はC.I.アシッドレッド27、80、82、低級アルキルエーテル類として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル又はトリエチレングリコールモノブチルエーテルを用い、表3に示した組成のインク材料を攪拌した後、0.2μmのメンブランフィルターで濾過を行い、インクを調整した。
なお、酸性染料及び低級アルキルエーテル類の無機性値、有機性値及びオクタノール・水の分配係数の対数値(logP)は表4にまとめて示した。
実施例1〜7及び比較例1〜4で調製したインクを以下の評価方法によって評価した。結果を表5に示した。
実施例1〜7及び比較例1〜4で調製したインクを普通紙にドローダウンし、得られた記録画像の光学濃度を測定した。また、この記録画像を0.5Mの次亜塩素酸ナトリウム溶液により湿らせた綿棒で記録画像を擦った後、記録画像の光学濃度を測定した。
0.5Mの次亜塩素酸ナトリウム溶液により湿らせた綿棒で記録画像を擦った前後での光学濃度の差を計算し、下記基準にて耐漂白性を評価した。
○:濃度差が0.4以下
△:濃度差が0.4〜0.6
×:濃度差が0.6以上
実施例1〜7及び比較例1〜4で調製したインク20gを広口ビンに採取し、蓋をせず、60℃、10%の条件で3日間保存した後、室温で1日間放置した。
揮発成分が蒸発したインクを顕微鏡で観察し、析出の有無を目視により下記基準に従って評価した。
○:全く析出が観察されず
△:微量の析出が観察される
×:析出が多数確認される
なお、本実施例では、主にレッド系染料を用いたが、他色染料においても同様の効果が期待できる。
Claims (4)
- 少なくとも、水、保湿剤、アゾ結合を有しない酸性染料及び炭素数が13以下の低級アルキルエーテル類を含有するインクジェット記録用水性インクであって、
前記酸性染料は、オクタノール・水の分配係数の対数値(logP酸性染料)が−2.0〜2.0であり、
前記低級アルキルエーテル類は、オクタノール・水の分配係数の対数値(logP低級アルキルエーテル類)が0.7〜2.0である
ことを特徴とするインクジェット記録用水性インク。 - 前記酸性染料が、C.I.アシッドイエロー1及び7、C.I.アシッドレッド80,82及び83、C.I.アシッドブルー25及び40からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用水性インク。
- さらに、色調節用色材を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録用水性インク。
- 前記色調節用色材が、C.I.アシッドレッド1又はC.I.アシッドイエロー23であることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録用水性インク。
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