JP4126794B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加熱物を誘電加熱する高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の高周波加熱装置は、加熱室内に収納された被加熱物の加熱の均一化を図る手段として、電波攪拌方式、被加熱物回転方式、複数給電方式あるいは加熱室壁面を凹凸形状にするなどが実用化されていた。
【0003】
電波攪拌方式は、加熱室内に設けた金属性の板状羽根を回転駆動させる構成からなる。この方式は、加熱室を形成する金属境界面や被加熱物の表面で反射を繰り返しながら伝搬しているマイクロ波が金属性の板状羽根によっても反射する。この金属性の板状羽根からのマイクロ波の反射は、板状羽根が無い場合と比べて、加熱室内でのマイクロ波の伝搬経路を増加させるものであり、被加熱物全体にマイクロ波を乱反射させて被加熱物の加熱の均一化を促進させるものである。
【0004】
被加熱物回転方式は、被加熱物を載置する載置皿を回転駆動させる構成からなる。この方式では、加熱室構造とその内部に収納した被加熱物の種類や形状等により決定された加熱室内に生じるマイクロ波の伝搬分布に対して、被加熱物の方を移動させ被加熱物全体にマイクロ波を伝搬させ被加熱物の加熱の均一化を促進させるものである。
【0005】
複数給電方式は、加熱室を形成する金属境界面の複数の個所からマイクロ波を給電する構成からなる。この方式は、単一の給電と比べて最も大きな特徴は、位相の異なった複数のマイクロ波が加熱室内に給電されることである。加熱室内に位相の異なるマイクロ波を伝搬させることにより、上記電波攪拌方式と同様に加熱室内にマイクロ波の乱反射状態を生じさせるものである。
【0006】
加熱室壁面の凹凸形状方式は、加熱室を形成する金属境界面に凹凸を設けた構成からなる。この方式は、凹凸を有する金属境界面によってマイクロ波を乱反射させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電波攪拌方式の高周波加熱装置は、金属性板状羽根によって反射されるマイクロ波を加熱室内に均一に乱反射させることに物理的限界がある。これは、マイクロ波の伝搬速度に対して、金属性板状羽根の回転速度があまりに遅いことによるものであり、金属性板状羽根の回転速度を制御したとしても被加熱物全体に均一にマイクロ波を伝搬させることは非常に難しい。従って、被加熱物の種類や量によっては、不測の不均一な加熱分布が生じることを抑制することが難しいという課題を有していた。
【0008】
また、被加熱物回転方式は、被加熱物の種類や量によって加熱室内に生じるマイクロ波分布は自ずと決まってしまうため、一つの被加熱物に対応して生じたマイクロ波分布がその被加熱物を均一に加熱することに対して不適であってもその電磁波分布を変更することができないという課題を有していた。
【0009】
複数給電方式は、理想的な挙動としては前述したとおりであるが、一つの給電部から放射されるマイクロ波の挙動が他の給電部から放射されたマイクロ波からの影響を受ける。このため、給電部が複数個あっても、その複数の給電構成によって決定される特定のマイクロ波伝搬が加熱室内に生じるので、被加熱物の種類や量によっては、不測の不均一な加熱分布が生じることを抑制することが難しいという課題を有していた。
【0010】
さらに、加熱室壁面の凹凸形状構造は被加熱物の加熱の均一化を促進できうる乱反射を加熱室内に生じさせるには、壁面全体にいわゆるゴルフボールのディンプルのような凹凸を配するとともにそのディンプルの深さ寸法あるいは突出寸法を使用するマイクロ波の波長に対して無視できない寸法、例えば1/10波長寸法以上、にすることが必要である。この結果、加熱室の構成が複雑となり実用性に難しい構成を強いられるという課題を有していた。
【0011】
本発明は、加熱室に放射させるマイクロ波の方向を故意に可変制御し、被加熱物の加熱の均一化を促進する高周波加熱装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の高周波加熱装置は上記課題を解決するために、被加熱物を収納する加熱室と、マイクロ波を発生させる高周波発生手段と、前記高周波発生手段が発生したマイクロ波を前記加熱室に放射する放射手段と、前記放射手段の近傍の前記加熱室を形成する壁面に設け、前記加熱室内を伝搬するマイクロ波によって生じる前記壁面を流れる高周波電流の流れを分断する方向に長大な略矩形形状からなる開孔部と、前記開孔部に接続され終端を閉じた溝部と、前記溝部内に設け前記開孔部におけるインピーダンスを変えるインピーダンス可変手段とを備え、前記開孔部のインピーダンスを可変することにより、前記放射手段からのマイクロ波の放射方向を変化させることを特徴とするものである。
【0013】
上記発明によれば、インピーダンス可変手段により開孔部の形成されるインピーダンスは極めて小さな値(理想的には零)から極めて大きな値(理想的には無限大)に可変制御される。一方、放射手段から加熱室内に放射されるマイクロ波は、この開孔部に形成されたインピーダンス値の影響を受ける。インピーダンス値が極めて小さい値の場合は、開孔部を金属壁面とみなして所定の方向にマイクロ波が放射される。一方インピーダンス値が極めて大きな値の場合、開孔部によって加熱室壁面を流れる高周波電流が遮断される。これにより、開孔部側の加熱室壁面は放射されるマイクロ波との電磁場結合ができなくなり、放射手段から放射されるマイクロ波は、開孔部を避ける方向に放射される。つまり、開孔部のインピーダンス値を可変することにより、放射手段からのマイクロ波の放射方向が変わる。これにより、被加熱物へのマイクロ波の入射場所を変えることができ、被加熱物の加熱の均一化を促進させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1の高周波加熱装置は、被加熱物を収納する加熱室と、マイクロ波を発生させる高周波発生手段と、前記高周波発生手段が発生したマイクロ波を前記加熱室に放射する放射手段と、前記放射手段の近傍の前記加熱室を形成する壁面に設け、前記加熱室内を伝搬するマイクロ波によって生じる前記壁面を流れる高周波電流の流れを分断する方向に長大な略矩形形状からなる開孔部と、前記開孔部に接続され終端を閉じた溝部と、前記溝部内に設け前記開孔部におけるインピーダンスを変えるインピーダンス可変手段とを備え、前記開孔部のインピーダンスを可変することにより、前記放射手段からのマイクロ波の放射方向を変化させることを特徴とするものである。
【0015】
そして、インピーダンス可変手段により開孔部の形成されるインピーダンスは極めて小さな値(理想的には零)から極めて大きな値(理想的には無限大)に可変制御される。一方、放射手段から加熱室内に放射されるマイクロ波は、この開孔部に形成されたインピーダンス値の影響を受ける。インピーダンス値が極めて小さい値の場合は、開孔部を金属壁面とみなして所定の方向にマイクロ波が放射される。一方インピーダンス値が極めて大きな値の場合、開孔部によって加熱室壁面を流れる高周波電流が遮断される。これにより、開孔部側の加熱室壁面は放射されるマイクロ波との電磁場結合ができなくなり、放射手段から放射されるマイクロ波は、開孔部を避ける方向に放射される。つまり、開孔部のインピーダンス値を可変することにより、放射手段からのマイクロ波の放射方向が変わる。これにより、被加熱物へのマイクロ波の入射場所を変えることができ、被加熱物の加熱の均一化を促進させることができる。
【0016】
また、請求項2の高周波加熱装置は、放射手段は、加熱室を形成する壁面に設けた給電孔とし、前記給電孔に隣接して開孔部を配設した構成としている。
【0017】
そして、給電孔から放射されるマイクロ波の放射方向は給電部出口の金属壁面形状によって決定されている。給電孔近傍に設けた開孔部のインピーダンスを変化させることにより、マイクロ波は開孔部を避ける方向に放射させることができる。この結果、被加熱物へのマイクロ波の入射位置を変化させて被加熱物の加熱の均一化を促進できる。
【0018】
また請求項3の高周波加熱装置は、給電孔を挟んで開孔部を配設した構成としている。そして、各開孔部のインピーダンスを可変させることで、給電孔からのマイクロ波の放射方向をより広い範囲に渡って変化させることができる。これにより、様々な形状の被加熱物に応じて放射方向を選択制御して被加熱物の加熱の均一化をより促進させることができる。
【0019】
また、請求項4の高周波加熱装置は、放射手段は、金属板からなるアンテナとし、前記アンテナに対面する加熱室壁面に開孔部を配設する構成とし、前記開孔部のインピーダンスを可変することにより、前記アンテナと加熱室壁面との間に生じる高周波電界の結合を変化させたものである。そして、アンテナと加熱室の金属壁面との間に生じている電界は開孔部のインピーダンスを可変することで電界の結合が生じたり、結合が解かれたりする。結合が解かれるとその領域のアンテナにマイクロ波が伝搬しなくなり、マイクロ波の放射が抑制される。これにより、開孔部のインピーダンス値を変化させることで、アンテナの放射分布を変化させることができる。放射分布を可変させることで加熱室内のマイクロ波伝搬が変化し、被加熱物へのマイクロ波の入射位置を変化させることができ、被加熱物の加熱の均一化を促進させることができる。
【0020】
また、請求項5の高周波加熱装置は、アンテナは回転駆動される構成としている。これにより、アンテナからのマイクロ波の放射分布を可変するとともにアンテナから放射されたマイクロ波が加熱室内を伝搬して開孔部に入射した時にもマイクロ波の伝搬を変化させることができ、加熱室内のマイクロ波の伝搬をよりランダムにすることができる。この結果、被加熱物の加熱の均一化をより促進させることができる。
【0021】
また、請求項6の高周波加熱装置は、回転駆動のアンテナにおいて、開孔部は複数配設とし、少なくとも1組は、アンテナの回転軸を中心として略180°の間隔でもって配設された構成としている。これにより、アンテナからのマイクロ波の放射分布に対称性を持たせたり非対称性にしたりすることができる。この結果、被加熱物の形状や量に応じて加熱の均一化をより促進させることができる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0023】
(実施例1)
図1および図2は本発明の実施例1を示す高周波加熱装置の構成図、図3は本発明のインピーダンス可変手段による溝部内のマイクロ波の挙動を示す特性図である。
【0024】
図1および図2において、被加熱物10を収納する加熱室11は金属材料から構成された金属境界部である右側壁面12、左側壁面13、奥壁面14、上部壁面15、底部壁面16及び被加熱物を加熱室11内に出し入れする開閉壁面である前面開閉壁面(図示していない)とにより略直方体形状に構成されている。17はマイクロ波を発生させる高周波発生手段であるマグネトロンであり、マグネトロン17が発生したマイクロ波は導波管18を伝搬して加熱室11の右側壁面12に配設した給電孔19から加熱室11内に放射される。給電孔19に近接して開孔部20を配設している。21は溝部で開孔部20を一端とし、他端を閉じた形状からなり、その内部には溝部21の壁面に支持された回転自在のインピーダンス可変手段22が配設されている。
【0025】
インピーダンス可変手段22は、低誘電損失材料の平板にて構成し、その比誘電率は約5以上、好ましくは15以下、板厚さは比誘電率を大きくすると薄くすることができるが、機械的強度を確保するために5mm前後にて構成している。利用できる材料は、アルミナ系、またはムライト系のセラミックス並びにポリフェニレンスルフィド(PPS)系、ポリエチレン(PE)系またはポリスチレン(PS)系のそれぞれの複合材料である耐熱樹脂材料である。
【0026】
23は、被加熱物10の載置皿である。この載置皿は、モータによって回転駆動させる構成としてもよい。
【0027】
次に図3を用いて、インピーダンス可変手段による開孔部のインピーダンス値を変化させる原理について説明する。まず構成について述べる。
【0028】
開孔部20を一端とする溝部21は、開孔部20と空間的に連続して形成し、開孔部20を覆う金属材料からなる壁面で構成されている。溝部21の終端は溝板24により閉じられている。また、溝部21内にはインピーダンス可変手段22が設けられている。
【0029】
このインピーダンス可変手段22は低誘電損失材料からなる板状構造からなり、その両端に溝部壁面に設けた孔を貫通させる支持部を設けている。支持部により、インピーダンス可変手段22は溝部壁面にて支持されている。インピーダンス可変手段20を回転駆動するために、一方のインピーダンス可変手段の支持部に出力軸を連結させたモータ(図示していない)を配設する。
【0030】
なお、インピーダンス可変手段の回転角度を判定するための手段として、モータの出力軸と一体的に構成した支持角度判定手段を付帯させたり、モータとしてステッピングモータを使用することができる。
【0031】
次に各部の動作と作用について説明する。開孔部20は加熱室11内を伝搬するマイクロ波によって生じる加熱室を形成する各金属壁面を流れる高周波電流の流れを分断する方向に長大な略矩形形状にて構成している。開孔部20のインピーダンスを零にすると高周波電流の流れは分断されない。従ってマイクロ波の伝搬は、開孔部20の存在を無視して何ら変化しない。一方、開孔部20のインピーダンスを無限大にすることで高周波電流が流れなくなるのでマイクロ波伝搬は所期の特性から変化する。また、開孔部20におけるマイクロ波の入射波と反射波との位相差は、開孔部のインピーダンスが零の場合180度であり、開孔部のインピーダンスが無限大の場合0度となる。従って開孔部のインピーダンスを変えることで加熱室内に生じるマイクロ波は多重伝搬し、さまざまなマイクロ波分布を形成させることができ、加熱室11内に載置された被加熱物の加熱の均一化を促進できる。
【0032】
次にインピーダンス可変手段22を含む溝部21について説明する。この溝部21の本実施例の形状としては、溝深さL1が40mm,L2が20mm、溝高さ(開孔部の高さ)Hが30mm、開孔部の幅が80mmである。また、インピーダンス可変手段22は、比誘電率が12.3、板厚さが6.2mmであり、溝部21の略中央に配設している。
【0033】
このような構成からなるインピーダンス可変手段22を含む溝部21内に生じるマイクロ波分布を図3に示す。図3において、実線25はインピーダンス可変手段22の幅広面22aを溝部21の深さ方向に対して垂直に設けた時のマイクロ波分布を示し、開孔部20に生じさせるインピーダンスを極めて小さい値(理想的には零)としている。また、幅広面22aを溝部21の深さ方向に対して平行に設けた場合のマイクロ波分布を破線26にて示す。この場合、開孔部20に生じるインピーダンスは極めて大きな値(理想的には無限大)としている。
【0034】
次に以上の構成からなる本発明の高周波加熱装置の動作と作用について図1および図2を用いて説明する。図1はインピーダンス可変手段22を溝部21の深さ方向に対して垂直に配設した場合であり、図2はインピーダンス可変手段22を溝部21の深さ方向に対して平行に配設した場合のマイクロ波伝搬挙動をそれぞれ示している。
【0035】
図1においては、開孔部20のインピーダンス値が極めて小さい値であり、給電孔19から加熱室11内に放射されるマイクロ波の放射方向は開孔部20の影響を受けずに給電孔19周辺の構造によって決定された方向に放射していく。一方、図2においては、開孔部20のインピーダンス値が極めて大きな値としたことにより、給電孔19から放射されるマイクロ波は開孔部20側の加熱室金属壁面との結合が解かれるので、開孔部20を設けた位置とは反対側に片寄って図示したような方向に放射される。
【0036】
このように給電孔19からのマイクロ波の放射方向を可変させることで被加熱物10に入射するマイクロ波の位置を変化させることができる。この被加熱物10上でのマイクロ波入射位置の変化により、被加熱物10の加熱の均一化を促進させることができる。
【0037】
このインピーダンス可変手段の位置制御は、被加熱物の種類、形状あるいは量に応じて予め分類区分し、専用の加熱メニュースイッチを装置本体の操作部に配置させることで実用することができる。
【0038】
なお、インピーダンス可変手段22の回転位置は、加熱終了後、所定の位置(たとえば開孔部20のインピーダンスを極めて小さい値にする位置)にリセットさせる制御を付帯させることが好ましい。
【0039】
(実施例2)
次に本発明の実施例2について、図4を用いて説明する。実施例2が実施例1と相違する構成は、開孔部27を追加配設し、給電孔19を挟んで開孔部を配設したことである。28は開孔部27を一端とする溝部、29は溝部28内に配設し開孔部27のインピーダンスを変化させるインピーダンス可変手段である。
【0040】
そして、二つの開孔部のインピーダンスをそれぞれ可変制御することで、給電孔19からのマイクロ波の放射方向をより広範囲に変化させることができる。たとえば、図示したように、開孔部27のインピーダンス値を極めて大きな値とし、開孔部20のインピーダンス値を極めて小さな値とすることで、マイクロ波の放射方向を図示したように給電孔19の下方側に制御することができる。この結果、偏平な被加熱物の場合においても被加熱物の表面全体にマイクロ波を入射させることができ、被加熱物の加熱の均一化を促進させることができる。
【0041】
(実施例3)
次に実施例3について、図5を用いて説明する。実施例3が上記の実施例と相違する構成は、マイクロ波を放射させる手段として金属板からなるアンテナ30としたことである。マグネトロン17が発生したマイクロ波は導波管31を伝搬し、その他端近くに配設した金属支柱32に結合する。この金属支柱32の先端には金属板からなるアンテナ30が配設されている。金属支柱32の他端は金属支柱32を回転駆動させるモータ33の出力軸に連結されている。金属支柱32を貫通させる開孔34が加熱室11の金属壁面に設けられており、開孔34には金属支柱32を回転支持させるとともに開孔34を遮蔽する構成からなる誘電体材料の遮蔽手段(図示していない)が配設されている。
【0042】
また、金属板のアンテナ30に対面する加熱室壁面には開孔部35が設けられている。この開孔部35を一端とする溝部36が配され、溝部36内には開孔部35のインピーダンスを変化させるインピーダンス可変手段37を配設している。
【0043】
以上の構成において、金属板のアンテナ30を伝搬してアンテナ30から放射されるマイクロ波の存在下において、金属板からなるアンテナ30と加熱室金属壁面との間には高周波電界が生じる。アンテナ30と加熱室の金属壁面との間に生じている高周波電界は開孔部35のインピーダンス値が極めて大きな値になると結合が解かれる。結合が解かれるとその領域のアンテナ30にマイクロ波が伝搬されなくなり、マイクロ波の放射が抑制される。図5は、開孔部35のインピーダンスが極めて小さな値の時のアンテナ30からのマイクロ波の放射(放射分布38、39)を模式的に示したものである。この状態からインピーダンス可変手段37を回転駆動制御して開孔部35のインピーダンス値を大きくしていくと、放射分布38でのマイクロ波伝搬エネルギば減少し放射分布39のマイクロ波伝搬エネルギが増加する。この結果、図においては放射分布39による被加熱物10の加熱が促進される。
【0044】
このように、金属板からなるアンテナ30の放射分布を変化させることで加熱室11内のマイクロ波伝搬を変化させ、被加熱物へのマイクロ波の入射位置を変化させることができる。この結果、被加熱物の加熱の均一化を促進させることができる。
【0045】
(実施例4)
次に本発明の実施例4について図6を用いて説明する。実施例4が実施例3と相違する点は、開孔部を複数個配設したことである。
【0046】
すなわち、図6において、40は金属板からなるアンテナであり、略十字形状としている。41はアンテナ40の回転軸、42、43はアンテナ40の回転軸41を中心として略180°の間隔で配設された開孔部である。開孔部42、43は、金属板からなるアンテナ40に対面する位置に配設されている。また、開孔部42、43には、それぞれ溝部44、45、インピーダンス可変手段46、47およびインピーダンス可変手段46、47を回転駆動するモータ48、49が配設されている。50は、マグネトロンが発生したマイクロ波を伝送させる導波管である。
【0047】
導波管を伝搬したマイクロ波はアンテナ40の回転軸に結合し、回転軸を伝搬してアンテナ40から加熱室内51に放射される。アンテナ40は図示していないモータによって回転駆動制御される。回転駆動制御されるアンテナ40の金属羽根部が、開孔部42、43に対面する位置を通過する時に開孔部42、43に形成したインピーダンス値の影響を受けて放射分布を変化させるものである。
【0048】
このように、アンテナを回転させることで、アンテナから放射されたマイクロ波が加熱室51内を伝搬して開孔部42、43に再び入射した時にもマイクロ波の伝搬を変化させることができる。従って、加熱室内には、アンテナからの放射分布の変化と開孔部に入射したマイクロ波の伝搬の変化との相乗効果により、よりランダムなマイクロ波伝搬を形成させることができる。この結果、被加熱物の加熱の均一化をより促進させることができる。
【0049】
また、開孔部をアンテナ40の回転軸41に対して略180°の間隔で配設することで、アンテナ40からの放射分布に対称性をもたせたり、対称性を崩したりすることが容易に実行できる。これにより、被加熱物の形状や量に応じた加熱の均一化をより促進させることができる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば以下の効果を有する。
【0051】
(1)請求項1の高周波加熱装置によれば、インピーダンス可変手段を可変制御することで開孔部と放射手段とのマイクロ波結合を変化させて、放射手段からのマイクロ波の放射方向を変化させることができる。これにより、被加熱物へのマイクロ波の入射位置を変化させて被加熱物全体の加熱の均一化を促進させることができる。
【0052】
(2)請求項2の高周波加熱装置によれば、給電孔近傍に設けた開孔部のインピーダンスを変化させることで、マイクロ波は開孔部を避ける方向に放射させることができる。この結果、被加熱物へのマイクロ波の入射位置を変化させて被加熱物全体の加熱の均一化を促進させることができる。
【0053】
(3)請求項3の高周波加熱装置によれば、二つの開孔部のインピーダンスを変化させることで給電孔からのマイクロ波放射方向をより広範囲に変化させることができる。この結果、被加熱物の種類、量、形状に対して最適な状態のマイクロ波伝搬をマイクロ波空間内に形成して被加熱物を均一に加熱させることができる。
【0054】
(4)請求項4の高周波加熱装置によれば、開孔部のインピーダンスを変化させることで金属板からなるアンテナの放射分布を変化させることにより、加熱室内でのマイクロ波の伝搬を変化させて被加熱物の加熱の均一化を促進させることができる。
【0055】
(5)請求項5の高周波加熱装置によれば、アンテナからの放射分布を変化させることに加えて、アンテナから放射されたマイクロ波が加熱室内を伝搬して再び開孔部に入射した時にもマイクロ波の伝搬を変化させることにより、加熱室内でのマイクロ波の伝搬をよりランダムにすることで被加熱物の加熱の均一化をより促進させることができる。
【0056】
(6)請求項6の高周波加熱装置によれば、回転駆動のアンテナに対して複数の開孔部を配設することでアンテナからの放射分布に対称性を持たせたり放射分布を非対称にしたりすることにより、非加熱物の形状や量に応じて放射分布を選択制御することで被加熱物の加熱の均一化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の高周波加熱装置の構成図
【図2】同高周波加熱装置の他の状態を示す構成図
【図3】同高周波加熱装置のインピーダンス可変手段を含む溝部におけるマイクロ波分布特性図
【図4】本発明の実施例2の高周波加熱装置の構成図
【図5】本発明の実施例3の高周波加熱装置の構成図
【図6】本発明の実施例4の高周波加熱装置の構成図
【符号の説明】
10 被加熱物
11 加熱室
17 マグネトロン(高周波発生手段)
19 給電孔(放射手段)
20、27、35、42、43 開孔部
21、28、36、44、45 溝部
22、29、37、46、47 インピーダンス可変手段
30 アンテナ(放射手段)
33 アンテナ回転駆動モータ
41 アンテナの回転軸

Claims (6)

  1. 被加熱物を収納する加熱室と、マイクロ波を発生させる高周波発生手段と、前記高周波発生手段が発生したマイクロ波を前記加熱室に放射する放射手段と、前記放射手段の近傍の前記加熱室を形成する壁面に設け、前記加熱室内を伝搬するマイクロ波によって生じる前記壁面を流れる高周波電流の流れを分断する方向に長大な略矩形形状からなる開孔部と、前記開孔部に接続され終端を閉じた溝部と、前記溝部内に設け前記開孔部におけるインピーダンスを変えるインピーダンス可変手段とを備え、前記開孔部のインピーダンスを可変することにより、前記放射手段からのマイクロ波の放射方向を変化させることを特徴とする高周波加熱装置。
  2. 放射手段は、加熱室を形成する壁面に設けた給電孔とし、前記給電孔に隣接して開孔部を配設する構成とした請求項1記載の高周波加熱装置。
  3. 給電孔を挟んで開孔部を配設する構成とした請求項2記載の高周波加熱装置。
  4. 放射手段は、金属板からなるアンテナとし、前記アンテナに対面する加熱室壁面に開孔部を配設する構成とし、前記開孔部のインピーダンスを可変することにより、前記アンテナと加熱室壁面との間に生じる高周波電界の結合を変化させた請求項1記載の高周波加熱装置。
  5. アンテナは回転駆動できる構成とした請求項4記載の高周波加熱装置。
  6. 開孔部は複数配設とし、少なくとも1組は、アンテナの回転軸を中心として略180°の間隔でもって配設する構成とした請求項5記載の高周波加熱装置。
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