JP3855337B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品を加熱する高周波加熱装置に関するもので、食品を効率よくかつ均一に加熱する構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、加熱室内の被加熱物を均一に加熱する、あるいは、効率良く加熱するといった類の方法は数多く提案されている。本発明に構成が類似している特開平8−17569号公報を代表例として説明する。図10、図11、図12に示されているように、被加熱物1を加熱調理する加熱室2と、前記加熱室2にマイクロ波を放射するマグネトロン3と、加熱室2とマグネトロン3を結合する導波管4と導波管4内に挿入された誘電体回転軸5と、誘電体回転軸5に支持された金属面6aおよびこの金属面の周辺部に設けられた金属スタブ6bからなるインピーダンス整合用金属リフレクター6と、金属リフレクター6の回転を制御する制御手段7とを備えた高周波加熱装置において、マイクロ波加熱中に被加熱物1の物性が変化する変化点を被加熱物1の温度によって判別する手段を有し、変化点の前後において金属リフレクター6を動作させて加熱室2内のマイクロ波インピーダンスマッチングを変化させ、被加熱物1の各物性状態における最適加熱状態を作り出すように構成している。さらに、金属リフレクター6を回転させてマイクロ波が被加熱物1に当たりにくい状態を作り出し、マイクロ波発生手段への電力供給を断続させることなく連続的に供給して弱パワーの連続運転を行い、冷凍状態の被加熱物1を均一加熱によって解凍するように構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
たしかに、前記従来例の高周波加熱装置は、被加熱物1に合わせてインピーダンス整合させるため、インピーダンス整合をしない同一加熱室2形状、給電方式と比較すると加熱効率は良くなる。しかしながら、インピーダンス整合はあくまでもマグネトロン3の最大出力が加熱室2に供給されるのであり、被加熱物1に全てが吸収されるわけではない。加熱室2内に供給されたマイクロ波を被加熱物1に効率良く吸収させる給電方式ではさらに高効率化が期待できる。また、各被加熱物1に合わせインピーダンス整合させたときが均一加熱になるとは限らないため、被加熱物1の種類によっては効率は良いが加熱ムラが生じる可能性がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、マイクロ波を照射するマグネトロンと、前記マグネトロンで発生したマイクロ波を加熱室内に導く導波管と、前記導波管を伝送したマイクロ波を加熱室内に側面より給電する開口部と、前記導波管内に設けられたマイクロ波の方向を規制する金属板とを備え、前記マグネトロンは導波管の上面に設け、かつ前記導波管の下面は、前記開口が下方になるように水平方向に対して傾斜を設け、金属板を導波管の下面と隙間をもって設置するとともに、前記加熱室内より、凸方向の円錐形状の中央部に加熱室内に対して凹方向の球面形状を構成した壁面を、導波管の開口部を有する壁面以外の少なくとも1つの面に設けたものである。
【0005】
上記発明によれば、マグネトロンから照射されたマイクロ波のほとんどが導波管と金属板で構成された隙間を通り開口部まで伝送できる。開口部までマイクロ波の拡散がおさえられるため、被加熱物に効率良くマイクロ波を照射できる。したがって、加熱効率の向上が図れる。また、被加熱物に直接吸収されなかったマイクロ波を凸方向の円錐形状で中央部に集め中央部の加熱室内に対して凹方向の球面形状で被加熱物に均一に照射させ加熱ムラ、加熱効率の向上を図る。
【0006】
さらに、導波管内に設けた金属板を駆動する駆動手段を有し、被加熱物の重量、形状、種類等の被加熱物の形態を検出するセンサーからの検出結果あるいは、調理メニューの選択により前記導波管内の金属板と導波管の底面との角度を変える構成にしたものである。
【0007】
この構成により、金属板で仕切られた導波管の下面側の開口部とマグネトロンの取り付け側の開口部からのマイクロ波の照射量を可変することができるため、被加熱物にあわせた均一加熱が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内に設けられ前記被加熱物を載置する載置台と、マイクロ波を照射するマグネトロンと、前記マグネトロンで発生したマイクロ波を加熱室内に導く導波管と、前記導波管を伝送したマイクロ波を加熱室内に側面より給電する開口部と、前記導波管内に設けられたマイクロ波の方向を規制する金属板とを備え、前記マグネトロンは導波管の上面に設け、かつ前記導波管の下面は前記開口が下方になるように水平方向に対して傾斜を設け、金属板を導波管の下面と隙間をもって設置するとともに、前記加熱室内より、凸方向の円錐形状の中央部に加熱室内に対して凹方向の球面形状を構成した壁面を、導波管の開口部を有する壁面以外の少なくとも1つの面に設けたものである。
【0009】
そして、マグネトロンから照射されたマイクロ波のほとんどが導波管と金属板で構成された隙間を通り開口部まで伝送できるため、開口部までマイクロ波の拡散がおさえられ、被加熱物に効率良くマイクロ波を照射できる。したがって、加熱効率の向上が図れる。また、被加熱物に直接吸収されなかったマイクロ波を凸方向の円錐形状で中央部に集め中央部の加熱室内に対して凹方向の球面形状で被加熱物に均一に照射させ加熱ムラ、加熱効率 の向上を図る。
【0010】
また導波管下面の傾斜はその延長線が載置台のほぼ中心に達する傾斜としている。
【0011】
そしてマイクロ波は、導波管の下面に沿って照射されるため、被加熱物に直接照射されるため加熱効率の向上が図れる。
【0012】
さらに導波管内に設けた金属板を駆動する駆動手段を有し、被加熱物の重量、形状、種類等の被加熱物の形態を検出するセンサーからの検出結果あるいは、調理メニューの選択結果が、中央集中の電界パターンを必要とする場合から広範囲拡散パターンを必要とする場合に対応して、前記導波管内の金属板を導波管の底面に平行状態から加熱室底面に対して垂直状態まで移動させる構成としている。
【0013】
そしてこの構成により、導波管の底面と平行に金属板を設け、マグネトロンから照射したマイクロ波を開口部から集中して照射する加熱パターンと金属板を加熱室の底面に対して垂直に設け、マグネトロンから照射したマイクロ波を開口部とに分割した加熱パターンの2種類の加熱パターンが実現できる。したがって、被加熱物の形態を検出するセンサーからの検出結果や、調理メニューにより加熱パターンを選択できるため、加熱ムラを少なくすることができる。
【0014】
さらに導波管内に設けた金属板を駆動する駆動手段を有し、被加熱物の重量、形状、種類等の被加熱物の形態を検出するセンサーからの検出結果あるいは、調理メニューの選択結果が、中央集中の電界パターンを必要とする場合から広範囲拡散パターンを必要とする場合に対応して、前記導波管内の金属板と導波管の底面との角度を変える構成としている。
【0015】
そしてこの構成により、導波管の底面と平行に金属板を設け、マグネトロンから照射したマイクロ波を開口部から集中して照射する加熱パターンと金属板を加熱室の底面に対して垂直に設け、マグネトロンから照射したマイクロ波を開口部とに分割した加熱パターン間で金属板の角度を変えることにより、開口部からのマイクロ波の照射量を任意にコントロールできるため、被加熱物の形態を検出するセンサーからの検出結果や、調理メニューによりさらにきめこまやかな加熱ができ加熱ムラを少なくすることができる。
【0016】
さらに導波管の開口部を有する壁面以外の壁面に電波を撹拌するスタラーを設ける構成としている。
【0017】
そしてこの構成により、被加熱物に直接吸収されなかったマイクロ波をスタラーにより撹拌することにより冷凍した被加熱物の解凍の加熱ムラ改善が図れる。
【0018】
さらに、開口部上端は、マグネトロンの取り付け面と同一の高さとしている。
【0019】
そして、開口部には金属の端面が露出していないため開口部でのマイクロ波集中による発熱ロスも発生しない。したがって、被加熱物に効率良くマイクロ波を照射できる。
【0020】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0021】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の高周波加熱装置の正面断面図である。
【0022】
図において1は食品材料などの被加熱物、2は被加熱物1を収納する加熱室を示す。被加熱物1は、加熱室2底面中央外部に設けた重量センサー9内のモーターにより回転する金属載置台10を介し載置台11に載置される。3は被加熱物1を加熱するためのマイクロ波を発生するマグネトロン、4は加熱室2とマグネトロン3を結合する導波管、7はマイクロ波を加熱室2内に導く開口部、8は平板状の金属板で前記マグネトロン3は、導波管4の上面にマイクロ波を照射するアンテナ12部を導波管4の底面側に向け取付けている。導波管4の底面は、前記開口部7の下部の位置が下方になるよう水平方向に対して傾斜を設けており、前記金属板8は傾斜を設けた導波管4の底面に平行に設けている。金属板8は、マイクロ波による発熱ロスを少なくするため電気抵抗の少ないアルミにしている。
【0023】
また、金属板8は導波管4の幅に対し前後10mm程度の隙間しかないため、金属板8により開口部7は導波管4の底面と金属板8で構成された開口部7aと金属板8と導波管4の上面で構成された開口部7bに分割される。
【0024】
次に動作、作用について説明するとマグネトロン3のアンテナ12から垂直方向に照射されたマイクロ波は、一定の広がり角度をもって導波管4の底面に到達し下面の傾斜に沿って進行する。導波管4の下面と平行に設けた金属板8によってマイクロ波は、広がらないで開口部7に達する。マイクロ波は開口部7で広がり始める。したがって、被加熱物1までの距離が短くなり直接マイクロ波が被加熱物1に照射できる割合が高くなる。
【0025】
また、導波管4下面の傾斜を延長線上が載置台11のほぼ中央に達するように設定しているため、被加熱物1の底面を中心にマイクロ波が照射される。
【0026】
(実施例2)
本実施例2の説明を図2ないし図4を用いて行なう。なお、基本構成は実施例1とほぼ同じである。なお実施例1と同符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0027】
実施例1と異なる点は、導波管4内に設けた金属板8を駆動する駆動モーター13を有し、被加熱物1の重量を検出する重量センサー9からの検出結果あるいは、調理メニュー14の選択により前記導波管4内の金属板8を導波管4の底面に平行状態と、加熱室2底面に対して垂直状態の2箇所のいずれかを選択できる構成としたところである。
【0028】
次に動作、作用について説明する。被加熱物1である食材にあった調理メニュー14を選択し、調理スタートキー15を押すとマグネトロン3からマイクロ波が発振する。同時に重量センサー9のモーターにより、金属載置台10及び載置台11を介し被加熱物1が回転し、被加熱物1の重量を測定する。この調理メニュー14の選択による被加熱物1の特定と重量センサー9によって得られた量の大小により、導波管4内のマイクロ波の照射方向を規制する金属板8をモーター13により可動させる。図4の(a)ないし(c)に金属板8の角度による開口部7の電界パターンを導波管の断面図と開口から見たマイクロ波の分布とを模式図的に示す。(a)は金属板8が導波管4の底面の傾斜と平行状態の電界パターンで(c)は金属板8が加熱室2の底面に対し垂直状態の電界パターンである。(a)はマイクロ波のほとんどが導波管4の底面と金属板8で構成された開口部7aから被加熱物1に直接照射され、(c)はマイクロ波が導波管4の底面と金属板8とで構成された開口部7aと導波管4の上面と金属板8とで構成された開口部7bに分散され被加熱物1には開口部7aからの直接波と開口部7bからの反射波が吸収される。
【0029】
牛乳1杯と冷凍シュウマイのあたためた調理結果を図5に示す。
【0030】
図5(a)は金属板8の角度と被加熱物に生ずる温度差との関係を、(b)は金属板8と加熱時間との関係を示す。
【0031】
図5より金属板8を導波管4の底面と平行にしたときは、牛乳、シュウマイ共加熱時間が短くなっている。温度差は大きく特にシュマイ(平面の加熱ムラが大きい)が悪い結果となった。一方金属板8を垂直状態にしたときは、加熱時間は長くなるが、温度差は少ない。したがって、金属板8を導波管4の底面と平行に設定したときはマイクロ波が中央に集中し、金属板8を垂直に設定したときは広範囲に分散している。
【0032】
調理メニュー15の選択による被加熱物1の特定と重量センサー9によって得られた量の大小により2種類の加熱パターンを選択できるため効率の良い加熱ムラの少ない調理ができる。
【0033】
(実施例3)
本実施例3の説明を図1ないし図4を用いて行なう。なお、実施例2と同一構成を示すものには同一符号を付し、説明を省略する。
【0034】
実施例2と異なる点は、導波管4内に設けた金属板8を駆動する駆動モーター13を有し、被加熱物1の重量を検出する重量センサー9からの検出結果あるいは、調理メニュー14の選択により前記導波管4内の金属板8を導波管4の底面に平行状態から加熱室2底面に対して垂直状態まで任意の位置を選択できる構成としたところである。
【0035】
次に動作、作用について説明すると、被加熱物1の食材にあった調理メニュー14を選択し、調理スタートキー15を押すとマグネトロン3からマイクロ波が発振する。同時に重量センサー9のモーターにより、金属載置台10及び載置台11を介し被加熱物1が回転し、被加熱物1の重量を測定する。この調理メニュー15の選択による被加熱物1の特定と重量センサー9によって得られた量の大小により、導波管4内のマイクロ波の照射方向を規制する金属板8をモーター13により可動させる。図4の(a)、(b)、(c)に金属板8の角度による開口部7の電界パターンを示す。(a)は金属板8が導波管4の底面の傾斜と平行状態の電界パターンで(c)は金属板8が加熱室2の底面に対し垂直状態の電界パターンである。(b)は(a)と(c)との中間の電界パターンである。(a)はマイクロ波のほとんどが導波管4の底面と金属板8で構成された開口部7aから被加熱物1に直接照射され、(c)はマイクロ波が導波管4の底面と金属板8とで構成された開口部7aと導波管4の上面と金属板8とで構成された開口部7bに分散され、被加熱物1には開口部7aからの直接波と開口部7bからの反射波が吸収される。金属板8の角度を金属板8が導波管4の底面の傾斜と平行状態から金属板8が加熱室2の底面に対し垂直状態までの間、任意に設定することで導波管4の底面と金属板8とで構成された開口部7aと導波管4の上面と金属板8とで構成された開口部7bから照射するマイクロ波の比率を変えることが可能となり被加熱物1の食材に合わせた均一加熱ができる。
【0036】
調理物による金属板の最適位置の調理結果を図6に示す。この結果より、被加熱物1の種類で調理性能の良い金属板8角度は、一定でないことがわかる。調理メニュー15の選択による被加熱物1の特定と重量センサー9によって得られた量の大小により被加熱物1の食材に合わせた金属板8の角度にすれば、より調理性能の向上が図れる。
【0037】
(実施例4)
本実施例4の説明を図2ないし図4および図7を用いて行なう。なお実施例3と同一構成を示すものには同一符号を付し説明を省略する。
【0038】
本実施例3の特徴は、導波管4の開口部7を有する壁面以外の壁面に電波を撹拌するスタラー17を設ける構成としたことである。
【0039】
次に動作、作用について説明すると、被加熱物1の食材にあった調理メニュー14を選択し、調理スタートキー15を押すとマグネトロン3からマイクロ波が発振する。同時に重量センサー9のモーターにより、金属載置台10及び載置台11を介し被加熱物1が回転し、被加熱物1の重量を測定する。この調理メニュー15の選択による被加熱物1の特定と重量センサー9によって得られた量の大小により、導波管4内のマイクロ波の照射方向を規制する金属板8をモーター13により可動させる。また、加熱室2の壁面に設けたスタラー17をスタラー駆動モーター18により回転させマイクロ波を撹拌する。スタラー17によるマイクロ波の撹拌効果は解凍に有効であることはすでに知らされている。本実施例では、マイクロ波が導波管4と金属板8とで構成された開口部7aと導波管4の上面と金属板8とで構成された開口部7bに分散された開口部7bからの反射波の撹拌効果が期待できる。
【0040】
(実施例5)
本実施例5の説明を図1、図2、図3および図8を用いて行なう。なお、実施例4と同一構成を示すものには同一符号を付し説明を省略する。
【0041】
本実施例の特徴は、加熱室内より、凸方向の円錐形状の中央部に凹方向の球面形状を構成した壁面を、導波管の開口部を有する面以外の少なくとも1面に設けたところである。
【0042】
次に動作、作用について説明すると、被加熱物1の食材にあった調理メニュー14を選択し、調理スタートキー15を押すとマグネトロン3からマイクロ波が発振する。同時に重量センサー9のモーターにより、金属載置台10及び載置台11を介し被加熱物1が回転し、被加熱物1の重量を測定する。この調理メニュー15の選択による被加熱物1の特定と重量センサー9によって得られた量の大小により、導波管4内のマイクロ波の照射方向を規制する金属板8をモーター13により可動させる。実験結果より、中央集中の電界パターンは、金属板8を導波管4の底面に平行にしたときで、牛乳のあたためや、ご飯のあたため等に適しており、広範囲拡散の電界パターンは、金属板8を垂直にしたときで、解凍等に適している。金属板8を垂直にしたとき、開口部7aから照射されたマイクロ波は直接被加熱物1に吸収される。開口部7bからのマイクロ波は加熱室2の壁面を反射しながら被加熱物1に吸収される。この時、壁面に設けた凸方向の円錐形状部に当たったマイクロ波は入射角度によって、直接反射するマイクロ波と中央部へ集中するマイクロ波に別れる。中央に集中したマイクロ波は、凹方向の球面形状により載置台11に向かい拡散反射する。
【0043】
冷凍食材の解凍結果を図9に示す。
【0044】
被加熱物1が肉の冷凍食材も魚の冷凍食材も解凍した結果は、すべて許容範囲内である。この許容範囲は一般に解凍性能の良いといわれている範囲に設定している。これは、開口部7bから照射されるマイクロ波が加熱室2より凸方向の円錐形状部によって中央部に集められ、中央部の凸方向の球面形状部で被加熱物1に拡散照射されるためだと考える。
【0045】
(実施例6)
図1は本発明の実施例6の高周波加熱装置の正面断面図である。また図2は本発明の実施例6の高周波加熱装置の要部斜視図、図3は本発明の実施例6の要部正面図、図4は本発明の実施例2の電界パターン図である。
【0046】
実施例2と異なる点は、開口部上端を、マグネトロンの取り付け面と同一の高さとしたところである。
【0047】
なお実施例2と同符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0048】
次に動作、作用について説明すると、被加熱物1の食材にあった調理メニュー14を選択し、調理スタートキー15を押すとマグネトロン3からマイクロ波が発振する。同時に重量センサー9のモーターにより、金属載置台10及び載置台11を介し被加熱物1が回転し、被加熱物1の重量を測定する。この調理メニュー15の選択による被加熱物1の特定と重量センサー9によって得られた量の大小により、導波管4内のマイクロ波の照射方向を規制する金属板8をモーター13により可動させる。図4の(a)、(c)に金属板8の角度による開口部7の電界パターンを示す。(a)は金属板8が導波管4の底面の傾斜と平行状態の電界パターンで(c)は金属板8が加熱室2の底面に対し垂直状態の電界パターンである。(a)はマイクロ波のほとんどが導波管4の底面と金属板8で構成された開口部7aから被加熱物1に直接照射され、(c)はマイクロ波が導波管4の底面と金属板8とで構成された開口部7aと導波管4の上面と金属板8とで構成された開口部7bに分散され被加熱物1には開口部7aからの直接波と開口部7bからの反射波が吸収される。マイクロ波が開口部7bから照射される時、開口部7の上端部には加熱室2の壁面端面がなく無駄な反射、発熱も生じない。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、マグネトロンは導波管の上面に設け、かつ前記導波管の下面は、前記開口が下方になるように水平方向に対して傾斜を設け、金属板を導波管の下面と平行に設置し導波管下面の傾斜を延長線上が載置台のほぼ中央に達するようにし、マイクロ波を開口部までロスを少なく導いているので、被加熱物のほぼ中央に効率良く照射でき、加熱時間の短縮が図れる。さらに加熱室内より、凸方向の円錐形状の中央部に凹方向の球面形状を構成した壁面開口部から照射されるマイクロ波が加熱室より凸方向の円錐形状部によって中央部に集められ、中央部の凸方向の球面形状部で被加熱物に拡散照射されるため、冷凍食材の解凍といった温度許容範囲の狭い調理においても加熱ムラをおさえることができる。
【0050】
また被加熱物の重量を検出する重量センサーからの検出結果あるいは、調理メニューの選択により導波管内の金属板を導波管の底面に平行状態と加熱室底面に対して垂直状態の2つの異なる加熱パターンを持てるため、調理メニューの選択による被加熱物の特定と重量センサーによって得られた量の大小により2種類の加熱パターンを選択できるため効率の良い加熱ムラの少ない調理ができる。
【0051】
さらに重量を検出する重量センサーからの検出結果あるいは、調理メニューの選択により導波管内の金属板と導波管の底面との角度を変える構成としているので、導波管の底面と金属板とで構成された開口部と導波管の上面と金属板とで構成された開口部から照射するマイクロ波の比率を変えることが可能となり、調理メニューの選択による被加熱物の特定と重量センサーによって得られた量の大小により被加熱物の食材に合わせた金属板の角度にすれば、より調理性能の向上が図れる。
【0052】
さらに導波管の開口部を有する面以外の壁面に電波を撹拌するスタラーを設ける構成とすることで、冷凍食材の解凍といった温度許容範囲の狭い調理においてもマイクロ波が導波管と金属板とで構成された開口部と導波管の上面と金属板とで構成された開口部に分散された開口部からの反射波の撹拌効果が期待できるので、加熱ムラをおさえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の高周波加熱装置の正面断面図
【図2】 本発明の他の実施例の高周波加熱装置の要部斜視図
【図3】 同高周波加熱装置の要部正面図
【図4】 同高周波加熱装置の電界パターンを示す模式図
【図5】 (a)同高周波加熱装置の金属板位置と被加熱物の温度差を示す特性図
(b)同高周波加熱装置の金属板位置と被加熱物の加熱時間を示す特性図
【図6】 本発明の他の実施例の高周波加熱装置の加熱特性図
【図7】 本発明の他の実施例の高周波加熱装置の平面断面図
【図8】 本発明の他の実施例の高周波加熱装置の平面断面図
【図9】 同高周波加熱調理器の解凍特性を示す図
【図10】 従来の高周波加熱装置の正面断面図
【図11】 従来の高周波加熱装置の要部断面図
【図12】 従来の高周波加熱装置の要部斜視図
【符号の説明】
1 被加熱物
2 加熱室
3 マグネトロン
4 導波管
7 開口部
8 金属板
9 重量センサー(センサー)
11 載置台
13 駆動モーター(駆動手段)
17 スタラー
Claims (5)
- 被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内に設けられ前記被加熱物を載置する載置台と、マイクロ波を照射するマグネトロンと、前記マグネトロンで発生したマイクロ波を加熱室内に導く導波管と、前記導波管を伝送したマイクロ波を加熱室内に側面より給電する開口部と、前記導波管内に設けられたマイクロ波の方向を規制する金属板とを備え、前記マグネトロンは導波管の上面に設け、かつ前記導波管の下面は、前記開口の下部の位置が下方になるように水平方向に対して傾斜を設け、金属板を導波管の下面に隙間をもって設置するとともに、前記加熱室内より、凸方向の円錐形状の中央部に加熱室内に対して凹方向の球面形状を構成した壁面を、導波管の開口部を有する壁面以外の少なくとも1つの面に設けた高周波加熱装置。
- 導波管内に設けた金属板を駆動する駆動手段を有し、被加熱物の重量、形状、種類等の被加熱物の形態を検出するセンサーからの検出結果、あるいは、調理メニューの選択結果が、中央集中の電界パターンを必要とする場合から広範囲拡散パターンを必要とする場合に対応して、前記導波管内の金属板を導波管の底面に平行状態から加熱室底面に対して垂直状態まで移動させる構成とした請求項1記載の高周波加熱装置。
- 導波管内に設けた金属板を駆動する駆動手段を有し、被加熱物の重量、形状、種類等の被加熱物の形態を検出するセンサーからの検出結果あるいは、調理メニューの選択結果が、中央集中の電界パターンを必要とする場合から広範囲拡散パターンを必要とする場合に対応して、前記導波管内の金属板と導波管の底面との角度を変える構成とした請求項1記載の高周波加熱装置。
- 導波管の開口部を有する壁面以外の壁面に電波を撹拌するスタラーを設ける構成とした請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
- 開口部上端は、マグネトロンの取り付け面と同一の高さとした請求項2ないし4のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
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