JP4126773B2 - 車両のスライドドア構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、ワンボックス車などの車両側面部に設けられ乗降口を開閉するスライドドアに対して開閉可能なウインドを設けたような車両のスライドドア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スライドドアに設けられたウインドが開閉可能な車両において、ウインドが開いていることに気付かずに、乗員が車両から離れると、車両内の物品等が盗難にあう懸念があった。このことはRV(レクリエーショナルビークル)のようにパワーウインドにてウインドガラスが全開されるような車両においては、特に顕著である。
【0003】
そこで、従来、スライドドアのウインドが開いている場合に、スライドドアが全開にならないように規制することで、ウインドが開いていることを乗員に気付かせるように構成した装置が既に発明されている(特開平10−58980号公報参照)。
【0004】
すなわち、図14に示すように、乗降口81の下縁部に沿ってスライドレールとしてのロアレール82を取付ける一方、スライドドア83の下部にはストッパ84を備えたブラケット85を固定し、このブラケット85にリンク86を介して案内部材87を枢着すると共に、この案内部材87にはロアレール82に沿って転動する2つのロアローラ88,88と、スライドドア83の荷重を受けて転動する荷重ローラ89と、を取付けている。
【0005】
しかも、上述のブラケット85には支軸90を介してアーム91を枢着し、このアーム91の後端にはストッパローラ92を取付けると共に、上述のアーム91の前部にはケーブル93を接続し、このケーブル93をスライドドア83のウインド(図示せず)開時に図14に仮想線で示す如く矢印x方向に牽引し、支軸90を支点としてアーム91を同図の矢印y方向に回動すべく構成した車両のスライドドア構造である。
【0006】
この従来装置によれば、スライドドア83に設けられたウインドが閉成されている場合には、上述のケーブル93が牽引されないので、アーム91およびストッパローラ92は図14に示す実線状態下にあって、スライドドア83を全閉状態からストッパ84がボディ縦壁94に当接する全開状態まで開放することができる。
【0007】
また、スライドドア83に設けられたウインドが開成されている場合には、上述のケーブル93が牽引されて、アーム91およびストッパローラ92は図14の仮想線方向に回動し、スライドドア83の開時に、同図に仮想線で示すように、ストッパローラ92がボディ縦壁94に当接した位置で、それ以上のドア開成が規制され、スライドドア83が全開にならないことにより、乗員に対してウインドが開成されていることを気付かせることができる。
【0008】
しかし、このような従来装置においては、次のような問題点があった。
つまり、図14に示す仮想線位置においてスライドドア83の開成を停止するため、支軸90,アーム91,ストッパローラ92を追加する必要があり、部品点数が増大する問題点があった。
【0009】
しかも、上記各要素90,91,92およびブラケット85はスライドドア83の停止荷重に耐える必要があるため、これらを強度部材にて構成する必要があり、各部材の重量が大となり、延いてはドア重量が増大化すると共に、各要素85,90,91,92の分だけスライドドアが大型化する問題点があった。
【0010】
加えて、乗員はスライドドア83が図14の仮想線位置で停止することを意識することなく、スライドドア83を開操作するので、このスライドドア83が同図の仮想線位置で停止する際には各要素85,90,91,92に急激かつ過大な衝撃力が発生するのみならず、スライドドア83を開操作する乗員に対しても大きな力が伝達される。
【0011】
このため、上述の各要素85,90,91,92に対しては衝撃力に耐え得る構造上の強度が要求され、その重量がさらに大となり、一方、乗員はスライドドア83が予期しない中途位置(図14の仮想線位置)で急に停止するので、違和感が発生する問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、スライドレール上を転動する転動部を支持し、かつスライドドアに対して揺動可能となるように連結された案内部材を設け、ウインドの開状態を検出する検出手段でウインドの開状態を検出した時、規制手段により案内部材のスライドドアに対する揺動を規制することで、強度部材の部品点数を削減し、スライドドアの軽量化が図れて、ドア操作性の向上を達成することができる車両のスライドドア構造の提供を目的とする。
【0013】
この発明の一実施態様は、上述の規制手段を案内部材が連結されたスライドドア側部材に取付けることで、強度が高いスライドドア側部材に規制手段を取付け、この規制手段の取付け剛性を高めることができる車両のスライドドア構造の提供を目的とする。
【0014】
この発明の一実施態様は、上述の検出手段によるウインド開状態検出時に、規制手段の一端部を案内部材とスライドドア側部材との間の可変間隙に配設して、案内部材とスライドドア側部材とで規制手段を挟持して、スライドドアの開動作を規制することで、規制手段を軸支する部材等に衝撃荷重が入力されることがなく、その軸支部材および規制手段の強度が有利となる車両のスライドドア構造の提供を目的とする。
【0015】
この発明の一実施態様は、上述の規制手段の一端部を屈曲形成して、この屈曲部を案内部材とスライドドア側部材との間で挟持することにより、規制手段の厚さを過大に設定する必要がなく、規制手段による案内部材の動作規制時に案内部材およびスライドドア側部材の屈曲部に対する食込みがなく、しかも、これら両者による屈曲部の挟持状態が確保でき、屈曲部の可変間隙からの外れを防止することができる車両のスライドドア構造の提供を目的とする。
【0016】
この発明の一実施態様は、上述のスライドレールの屈曲部を、該スライドレールの直線部に対して高剛性に構成することで、スライドドアの開動作を剛性が高い屈曲部で規制することができる車両のスライドドア構造の提供を目的とする。
【0017】
この発明の一実施態様は、上述の規制手段をワイヤ操作すべく構成すると共に、スライドドアに設けられたインパクトバーよりも車内側にワイヤを位置させることで、車両の側突時にワイヤが不要に操作されるのを防止して、規制手段の誤動作を阻止することができる
車両のスライドドア構造の提供を目的とする。
【0018】
この発明の一実施態様は、上述のワイヤは側突時におけるスライドドア変形により牽引されないよう余裕長をもって配設することで、規制手段の誤動作をさらに良好に阻止することができる車両のスライドドア構造の提供を目的とする。
【0019】
この発明の一実施態様は、上述のワイヤをスライドドアの剛性が高い縁部に沿うように配設することで、側突時におけるワイヤの不要操作をなくして、規制手段の誤動作を完全に阻止することができる車両のスライドドア構造の提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明による車両のスライドドア構造は、スライドドアに設けられたウインドが開閉可能な車両において、上記ウインドの開状態を検出する検出手段と、車体に設けられ上記スライドドアを車幅方向外側へ案内するように屈曲部を有したスライドレールと、上記スライドレール上を転動する転動部を支持し、かつスライドドアに対して揺動可能となるように連結された案内部材とを備え、上記検出手段によりウインドの開状態が検出された時、上記案内部材のスライドドアに対する揺動を規制する規制手段を設けたものである。
【0021】
この発明の一実施態様は、上記規制手段は上記案内部材が連結されたスライドドア側部材に取付けられたものである。
【0022】
この発明の一実施態様は、上記規制手段は上記スライドドア側部材に回動可能に軸支され、上記検出手段によるウインド開状態検出時に、上記規制手段の一端部が案内部材をスライドドア側部材に対して揺動させるための可変間隙に配設されるものである。
【0023】
この発明の一実施態様は、上記規制手段の一端部は屈曲形成され、この屈曲部を案内部材とスライドドア側部材との間で挟持すべく構成したものである。
【0024】
この発明の一実施態様は、上記スライドレールの屈曲部は、該スライドレールの直線部に対して高剛性に構成されたものである。
【0025】
この発明の一実施態様は、上記規制手段はワイヤを用いて操作されると共に、スライドドアに設けられたインパクトバーよりも車内側に上記ワイヤを位置させたものである。
【0026】
この発明の一実施態様は、上記ワイヤは側突時におけるスライドドア変形により牽引されないよう余裕長をもって配設されたものである。
【0027】
この発明の一実施態様は、上記ワイヤはスライドドアの縁部に沿うように配設されたものである。
【0028】
【発明の作用及び効果】
この発明によれば、スライドドアに設けられたウインドが開状態となると、この状態が検出手段にて検出され、スライドドアを開放する際には検出手段のウインド開状態検出に基づいて上述の規制手段が案内部材のスライドドアに対する揺動を規制することで、スライドドアの全開が規制される。
【0029】
このように案内部材のスライドドアに対する揺動を規制することで、スライドドアの開動作が規制されるので、強度部材の部品点数を削減し、スライドドアの軽量化が図れて、ドア操作性の向上を達成することができる効果がある。
【0030】
この発明の一実施態様によれば、上述の規制手段は案内部材が連結されたスライドドア側部材に取付けられているので、上述のスライドドア側部材の強度が高いことにより、規制手段の取付け剛性を高めることができる効果がある。
【0031】
この発明の一実施態様によれば、スライドレール上を転動する転動部を支持した上述の案内部材はスライドドアの開動作にともなって揺動し、この案内部材とスライドドア側部材との間の間隙が可変するが、検出手段によるウインド開状態検出時には、規制手段の一端部を上述の可変間隙に配設するので、この規制手段を軸支する部材等に対して衝撃荷重が入力されることがなく、その軸支部材および規制手段の強度が有利となる効果がある。
【0032】
特に、部材は一般的に圧縮方向の耐強度が強く、規制手段一端部による案内部材の動作規制時には、この規制手段の一端部が可変間隙に介設されて、案内部材とスライドドア側部材とで挟持され、その一端部には圧縮方向の力が作用するが、この耐強度が強い圧縮方向を利用して、案内部材の動作を規制することができる。
【0033】
この発明の一実施態様によれば、規制手段の一端に屈曲部を形成し、この屈曲部を案内部材とスライドドア側部材との間で挟持するので、屈曲部を含む規制手段の厚さを過大に設定する必要がなく、また規制手段による案内部材の動作規制時には該案内部材およびスライドドア側部材の屈曲部に対する食込みがなく、しかも、これら両者による屈曲部の挟持状態が確保でき、屈曲部の可変間隙からの外れを防止することができる効果がある。
【0034】
この発明の一実施態様によれば、上述のスライドレールの屈曲部を、該スライドレールの直線部に対して高剛性に構成したので、スライドドアの開動作を剛性が高い屈曲部にて規制することができる効果がある。
【0035】
この発明の一実施態様によれば、上述の規制手段をワイヤ操作すべく構成すると共に、このワイヤをスライドドアに設けられたインパクトバーよりも車内側に位置させたので、車両の側突時にワイヤが不要に操作されるのを防止して、規制手段の誤動作を阻止することができる効果がある。
【0036】
この発明の一実施態様によれば、上述のワイヤを側突時におけるスライドドア変形により牽引されないよう余裕長をもって配設したので、規制手段の誤動作をさらに良好に阻止することができる効果がある。
【0037】
この発明の一実施態様によれば、上述のワイヤはスライドドアの剛性が高い縁部に沿うように配設したので、側突時におけるワイヤの不要操作が防止され、規制手段の誤動作を完全に阻止することができる効果がある。
【0038】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両のスライドア構造を示し、図1において、このスライドドア構造は、昇降口1を開閉するスライドドア2を設け、このスライドドア2をボディ側のアッパレール3、センタレール4、ロアレール5に沿って開閉すべく構成している。
【0039】
このため、スライドドア2の上部にはアッパレール3上を転動するアッパローラ6と、センタレール4上を転動するセンタローラ7,7と、ロアレール5上を転動するロアローラ8,8を設けている。
【0040】
また、上述のスライドドア2にはウインドガラス9が開閉可能に設けられ、このウインドガラス9の開状態を検出する検出装置10と、このウインドガラス9の開状態に基づいてスライドドア2の開動作を規制および規制解除する規制装置11とを設け、これら検出装置10と規制装置11との間を伝達手段としてのワイヤ12で連動させている。
【0041】
ここで、上述のウインドガラス9の下部中央には図2に示すようにキャリアプレート13が取付けられ、このキャリアプレート13を昇降するウインドレギュレータ14により、上述のウインドガラス9を開閉すべく構成している。上述のキャリアプレート13には、モータ15の正逆駆動力がケーブル16,16を介して伝達される。
ところで、上述のスライドドア2は図3に示すようにドアアウタパネル2Aと、ドアインナパネル2Bとを有すると共に、車両の前後方向に沿うように配置されたインパクトバー17を備えている。
【0042】
上述の検出装置10の検出信号を規制装置11に機械的に伝達する伝達手段としてのワイヤ12は、図2、図3に示すようにインパクトバー17よりも車内側において、車両の側突時におけるスライドドア2の変形により牽引されないように余裕長をもって、スライドドア2の縁部に沿うように配設されている。
【0043】
次に図3〜図6を参照して上述の検出装置10の具体的構成について詳述する。
【0044】
図3〜図6に示すように、上述のドアインナパネル2Bの所定高さ位置にはその車外側の面に断面がコ字形のプレート18を取付け、このプレート18に開口部19を形成すると共に、この開口部19の口縁に軸受ブラケット20,20(図6参照)を一体または一体的に取付けて、これら前後の軸受ブラケット20,20間には車両前後方向に指向する支軸21を張架している。
【0045】
上述の支軸21はプレート18の開口部19よりも車内側に位置し、この支軸21に枢支された検出部材としての検出レバー22を、開口部19を介して該開口部19よりも車外側へ突設している。
【0046】
この検出レバー22は図4に示すように、ウインドガラス9の下降により支軸21を支点として揺動するもので、上述のワイヤ12の上端部12aはウインドガラス9の下降により検出レバー22の遊端側がウインドガラス9の下端部に当接する当接部と、支軸21との間つまり検出レバー22における車幅方向中間部に連続配置されている。
【0047】
また、図6に示すように、上述の支軸21と検出レバー22との間には付勢手段としてのスプリング23を設け、ウインドガラス9の下降に伴って該検出レバー22が回動する方向とは反対の方向に上述のスプリング23で検出レバー22をバネ付勢すべく構成している。
【0048】
さらに、図5に示すように、上述の検出レバー22が所定角度回動した状態で、スプリング23の付勢力によりウインドガラス9の側面を外側に付勢するように、検出レバー22の遊端をウインドガラス9の側面に接触させ、かつ、この接触状態を保持させてウインドガラス9の振れを防止すべく構成している。
【0049】
加えて、図6に示すように、上述の検出レバー22はその中間部に屈曲部22aを有し、車両の側突時に該屈曲部22aから検出レバー22を折り曲げ変形、または、破断させて、充分な衝撃吸収ストロークを確保すべく構成している。なお、図6における24は検出レバー22の枢支部と軸受ブラケット20との間に介設したカラーである。
【0050】
次に、図7〜図11を参照してスライドレールとしてのロアレール5および規制装置11の具体的構成について詳述する。
図11に示すように、上述のロアレール5はボディパネル25の下面に接合され、このロアレール5は門形状の断面を有するレールである。
【0051】
また、上述のロアレール5は図7〜図10に示すようにフロント側のボディパネル26とリヤ側のボディパネル27との間において水平状に張架されたもので、前部車内方向から後部車外方向にかけてスラント状かつ直線状に延びる前部直線部5Fと、前部から後部にかけて車両前後方向に直線状に延びる後部直線部5Rと、これら前後の各直線部5F,5Rを滑らかに屈曲した曲率半径にて一体連結する屈曲部5Cと、を備えている。
つまり、上述のロアレール5の前部直線部5Fと屈曲部5Cとで、スライドドア2を車幅方向外側へ案内するように構成している。
【0052】
ここで、上述の屈曲部5Cはロアレール5の前後の各直線部5F,5Rに対して高剛性に構成されている。この実施例では屈曲部5Cにおけるロアレール5の両外面に当て板28,28を接合して、屈曲部5Cを高剛性に構成しているが、ビートやリブを形成する他の手段によって屈曲部5Cの剛性向上を図ってもよい。
【0053】
さらに、上述の屈曲部5Cの曲率は後述する案内部材35の揺動変位を緩和するように、なだらかな曲率状に構成されている。
一方、上述の規制装置11は次のように構成している。
【0054】
すなわち、図7、図11に示すように、上述のスライドドア2の前側下部においてドアインナパネル2Bにはスライドドア側部材としてL字に屈曲形成された強度が高いブラケット29を取付け、このブラケット29の水平部にはワイヤ12を固定するワイヤ固定金具30を取付けると共に、スライドドア2の全開時に図8に示す如くボディパネル27の縦壁に当接するストッパ31が、一体または一体的に形成されている。
【0055】
また、上述のブラケット29の水平部における内端側には固定部材32、リンク33および枢支軸34を介して案内部材35を連結している。
この案内部材35はスライドドア2に対して揺動可能に連結された部材で、この案内部材35には断面門形状のロアレール5の内面に沿って転動する転動部しとしての2つのローラ8,8と、ボディパネル25のローラ支持面25a(図11参照)に沿って転動し、かつスライドドア2の荷重を受ける荷重ローラ36と、が支持されている。
【0056】
ここで、上述の案内部材35の車外側端面とブラケット29の水平部における車内側端間との間には、スライドドア2の開閉時に案内部材35をブラケット29に対して揺動させるための可変間隙gが形成されている。
【0057】
しかも、上述のブラケット29には案内部材35の動作を規制することで、スライドドア2の開動作をロアレール5の屈曲部5Cにおいて規制する規制手段としてのストッパレバー37を取付けている。
【0058】
このストッパレバー37は、支軸38を介してブラケット29に回動可能に軸支されている。また、このストッパ37は平面から見て略S字状に形成され、その車外側の端部には前述のワイヤ12の下端部12bが連結されている。
【0059】
さらに、上述のストッパレバー37の車内側の端部は下方に屈曲形成されており、この屈曲部39を、検出装置10によるウインドガラス9の開状態検出時に、上述の可変間隙gに配設して、屈曲部39を案内部材35とスライドドア側部材としてのブラケット29との間で挟持すべく構成している。なお、このストッパレバー37は図示しない付勢手段により屈曲部39が可変間隙gに介設される方向へ常時付勢している。
【0060】
このように構成した車両のスライドドア構造の作用を、以下に詳述する。
図3に示すように、ウインドガラス9が閉成されている場合には、検出装置10の検出レバー22が同図に示す如く上方揺動位置に揺動し、ワイヤ12は図3、図7の矢印a方向に操作されているので、図7に示すストッパレバー37はその屈曲部39が可変間隙gに介設されない状態を維持している。
【0061】
このため、図7に示す全閉位置のスライドドア2を開放すると、このスライドドア2はロアローラ8,8がロアレール5で案内されながら、車幅方向外側へ案内された後に、図8に示す全開位置まで完全に開放され、ストッパ31がボディパネル27の縦壁に当接した位置で停止する。
【0062】
一方、図4または図5に示すように、ウインドガラス9が開成されている場合には、検出装置10の検出レバー22が同図に示す如く下方揺動位置に揺動し、ワイヤ12は図4、図5、図9の矢印b方向に操作される。
このため、図9に示すように、ストッパレバー37の屈曲部39がワイヤ操作により可変間隙gに介設される。
【0063】
したがって、図9に示す全閉位置のスライドドア2を開動作すると、ロアローラ8,8がロアレール5の前部直線部5Fを転接走行する間は案内部材35の揺動姿勢が図9のそれと同一であって、可変間隙gが狭まらないので、スライドドア2はロアレール5の前部直線部5Fに沿って、車幅方向外側へ案内されながら開放される。
【0064】
しかし、上述のロアローラ8,8がロアレール5の屈曲部5Cに達すると、案内部材35はこの屈曲部5Cの曲率半径に対応して次第に図10の矢印C方向へ揺動するので、可変間隙gが次第に狭まって、この間隙gに配設されたストッパレバー37の屈曲部39が図12に示すように案内部材35とブラケット29との間で徐々に挟持され、屈曲部39の挟持完了時には案内部材35のそれ以上の揺動変位を規則する。
【0065】
この結果、スライドドア2は図10に示す開成中途位置において停止され、それ以上の開放が禁止(規制)される。これにより、乗員に対してウインドガラス9が開状態にあることを気付かせることができる。
【0066】
ところで、図13に示すように、上述のストッパレバー37には屈曲部39の各要素35,29によるロック状態を手動解除するため突片40(手動解除手段)を設けてもよい。
【0067】
つまり、ウインドガラス9が開状態にあるとスライドドア2が図10に示す中途位置までしか開かないので、荷物等の出入れ時に不便となる。このため突片40により屈曲部39,のロックをマニュアル解除すると、スライドドア2を図8に示す全開位置まで開放することができて、荷物等の出入れ性の向上を図ることができる。なお、突片40に代えて他の手動解除手段を設けてもよい。
【0068】
このように、上記構成の車両のスライドドア構造によれば、スライドドア2に設けられたウインドガラス9が開状態となると、この状態が検出手段(検出装置10参照)にて検出され、スライドドア2を開放する際には検出手段(検出装置10参照)のウインド開状態検出に基づいて上述の規制手段(ストッパーレバー37参照)が案内部材35の揺動動作を規制することで、スライドドア2の全開が規制される。
【0069】
このように、案内部材35の動作を規制することで、スライドドア2の開動作が規制されるので、強度部材の部品点数を削減し、スライドドア2の軽量化およびコンパクト化が図れて、ドア操作性の向上を達成することができる効果がある。
【0070】
また、上述の規制手段(ストッパレバー37参照)は案内部材35が連結されたスライドドア側部材(ブラケット29参照)に取付けられているので、上述のスライドドア側部材(ブラケット29参照)の強度が高いことにより、規制手段(ストッパレバー37参照)の取付け剛性を高めることができる効果がある。
【0071】
さらに、スライドレール(ロアレール5参照)上を転動する転動部(ロアローラ8参照)を支持した上述の案内部材35はスライドドア2の開動作にともなって揺動し、この案内部材35とスライドドア側部材(ブラケット29参照)との間の間隙gが可変するが、検出手段(検出手段10参照)によるウインド開状態検出時には、規制手段(ストッパレバー37参照)の一端部を上述の可変間隙gに配設するので、この規制手段(ストッパレバー37参照)を軸支する部材(支軸38参照)等に対して衝撃荷重が入力されることがなく、その軸支部材(支軸38参照)および規制手段(ストッパレバー37参照)の強度が有利となる効果がある。
【0072】
特に、部材は一般的に圧縮方向の耐強度が強く、規制手段(ストッパレバー37参照)の一端部による案内部材35の動作規制時には、この規制手段(ストッパレバー37参照)の一端部が可変間隙gに介設されて、案内部材35とスライドドア側部材(ブラケット29参照)とで挟持され、その一端部(屈曲部39参照)には圧縮方向の力が作用するが、この耐強度が強い圧縮方向を利用して、案内部材35の動作を規制することができる。
【0073】
しかも、規制手段(ストッパレバー37参照)の一端に屈曲部39を形成し、この屈曲部39を案内部材35とスライドドア側部材(ブラケット29参照)との間で挟持するので、屈曲部39を含む規制手段(ストッパレバー37参照)の厚さを過大に設定する必要がなく、また規制手段(ストッパレバー37参照)による案内部材35の動作規制時には該案内部材35およびスライドドア側部材(ブラケット29参照)の屈曲部39に対する食込みがなく、これら両者29,35による屈曲部39の挟持状態が確保でき、屈曲部39の可変間隙gからの外れを防止することができる効果がある。
【0074】
一方、上述のスライドレール(ロアレール5参照)の屈曲部5Cを該スライドレール(ロアレール5参照)の直線部5F,5Rに対して高剛性に構成したので、スライドドア2の開動作を剛性が高い屈曲部5Cにて規制することができる効果がある。つまり、スライドドア2を図10に示す中途位置において停止させる際には屈曲部5Cに反力が発生するが、この部分の剛性を向上させているので、該屈曲部5Cの耐久性向上を図ることができる。
【0075】
加えて、上述の規制手段(ストッパレバー37参照)をワイヤ12操作すべく構成すると共に、このワイヤ12をスライドドア2に設けられたインパクトバー17よりも車内側に位置させたので、車両の側突時にワイヤ12にてが不要に操作されるのを防止して、規制手段(ストッパレバー37参照)の誤動作を阻止することができる効果がある。
【0076】
また、上述のワイヤ12を側突時におけるスライドドア2変形により牽引されないよう余裕長をもって配設したので、規制手段(ストッパレバー37参照)の誤動作をさらに良好に阻止することができる効果がある。
【0077】
さらに、上述のワイヤ12はスライドドア2の剛性が高い縁部に沿うように配設したので、側突時におけるワイヤ12の不要操作が防止され、車両側突時の規制手段(ストッパレバー37参照)の誤動作を完全に阻止することができる効果がある。
【0078】
そのうえ、上述のスライドレール(ロアレール5参照)の屈曲部5Cの曲率を、案内部材35の揺動変位を緩和するように構成したので、この案内部材35はスライドレール(ロアレール5参照)の屈曲部5Cにて急激に揺動することなく、次第に揺動変位される。このため、規制手段(ストッパレバー37参照)に対する入力荷重を緩和して、この規制手段(ストッパレバー37参照)の耐久性向上を図ることができると共に、乗員がスライドドアを操作する際、次第にスライドドア2の開成が規制され、これにより乗員に大きな力が伝達されることを防止することができる効果があり、乗員が受ける違和感もなくなる。
【0079】
ここで、ストッパレバー37の破損、誤動作の防止を目的としてストッパレバー37の屈曲部39が各要素29,35間の中途半端な位置(完全ロックでもなく、完全アンロックでもないような中途半端な位置)で停止しないように、ウインドガラス9がこれに該当する中途位置にて停止しないように工夫することが望ましい。
【0080】
さらに実施例で開示したように、ウインドガラス9の下降により揺動する検出レバー22を、車両前後方向の軸(支軸21参照)まわりに揺動可能に構成すると、スライドドア2の開閉の際に検出レバー22にかかる慣性力の方向とウインド開状態検出の際の検出レバー22の回動方向とが異なるので、検出レバー22に対する付勢力は小さくてもよくなり、この結果、ウインドレギュレータ14の小型化を図ることができる。
【0081】
また、伝達手段としてのワイヤ12の一端12aを検出レバー22の枢支部と遊端部との間に配置すると、上述のワイヤ12をインパクトバー17やドアトリムと干渉することなく、スライドドア2の空間部としての車幅方向中間部に配置することができる効果がある。
【0082】
加えて、上述の検出レバー22を上方(つまりウインドガラス9の下降に伴い検出レバー22が回動する方向とは反対の方向)に回動すべく付勢し、検出レバー22が所定角度回動した状態でウインドガラス9の側面を外側に付勢するように接触すると共に、この接触状態を保持すべく構成すると、検出レバー22が保持された状態下においてウインドガラス9をガイドすることができ、また、ウインドガラス9を外側に付勢して、その振れを防止することができる効果がある。
【0083】
さらに、上述の検出レバー22に屈曲部22aを形成すると、車両の側突時において該検出レバー22を屈曲部22aから折曲または破断することができて、衝撃吸収ストロークを充分に確保することができる効果がある。
【0084】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のウインドは、実施例のウインドガラス9に対応し、
以下同様に、
検出手段は、検出装置10に対応し、
スライドレールは、ロアレール5に対応し、
転動部は、ロアローラ8に対応し、
規制手段は、ストッパレバー37に対応し、
スライドドア側部材は、ブラケット39に対応するも、
この発明は上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0085】
例えば、上記実施例においてはリンク33を、固定部材32を用いてブラケット29に固定したが、これは2点固定構造を採用してもよく、また固定部材32に代えて枢支部材を用いてもよい。さらには、上述のリンク33をブラケット29に対して車幅方向にスライドし得る構造と成して、スライドドア2のボディに対する組付けおよび位置決め後において、リンク33をブラケット29に固定するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両のスライドドア構造を示す要部の分解斜視図。
【図2】 スライドドアの側面図。
【図3】 図2のA−A線に沿う要部の拡大断面図。
【図4】 ウインドガラス下降時の説明図。
【図5】 ウインド開状態検出時の説明図。
【図6】 図5のB−B線に沿う部分拡大図。
【図7】 ロアレールとスライドドアとの関連構造を示す平面図。
【図8】 スライドドア全開時の平面図。
【図9】 可変間隙に対する規制手段一端の配設状態を示す平面図。
【図10】 案内部材の動作規制状態を示す平面図。
【図11】 図9のC−C線矢視断面図。
【図12】 屈曲部の挟持状態を示す拡大断面図。
【図13】 ストッパレバーの他の実施例を示す拡大平面図。
【図14】 従来の車両のスライドドア構造を示す平面図。
【符号の説明】
2…スライドドア
5…ロアレール(スライドレール)
5C…屈曲部
5F,5R…直線部
8…ロアローラ(転動部)
9…ウインドガラス(ウインド)
10…検出装置(検出手段)
12…ワイヤ
17…インパクトバー
29…ブラケット(スライドドア側部材)
35…案内部材
37…ストッパレバー(規制手段)
39…屈曲部
g…可変間隙
Claims (8)
- スライドドアに設けられたウインドが開閉可能な車両において、
上記ウインドの開状態を検出する検出手段と、
車体に設けられ上記スライドドアを車幅方向外側へ案内するように屈曲部を有したスライドレールと、
上記スライドレール上を転動する転動部を支持し、かつスライドドアに対して揺動可能となるように連結された案内部材とを備え、
上記検出手段によりウインドの開状態が検出された時、上記案内部材のスライドドアに対する揺動を規制する規制手段を設けた
車両のスライドドア構造。 - 上記規制手段は上記案内部材が連結されたスライドドア側部材に取付けられた
請求項1記載の車両のスライドドア構造。 - 上記規制手段は上記スライドドア側部材に回動可能に軸支され、
上記検出手段によるウインド開状態検出時に、上記規制手段の一端部が案内部材をスライドドア側部材に対して揺動させるための可変間隙に配設される
請求項2記載の車両のスライドドア構造。 - 上記規制手段の一端部は屈曲形成され、この屈曲部を案内部材とスライドドア側部材との間で挟持すべく構成した
請求項3記載の車両のスライドドア構造。 - 上記スライドレールの屈曲部は、該スライドレールの直線部に対して高剛性に構成された
請求項1記載の車両のスライドドア構造。 - 上記規制手段はワイヤを用いて操作されると共に、スライドドアに設けられたインパクトバーよりも車内側に上記ワイヤを位置させた
請求項3記載の車両のスライドドア構造。 - 上記ワイヤは側突時におけるスライドドア変形により牽引されないよう余裕長をもって配設された
請求項6記載の車両のスライドドア構造。 - 上記ワイヤはスライドドアの縁部に沿うように配設された
請求項7記載の車両のスライドドア構造。
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- 1998-09-29 JP JP27446398A patent/JP4126773B2/ja not_active Expired - Fee Related
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