JP4126658B2 - スタビライザ装置 - Google Patents
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Description
このスタビライザ装置は、軸部が左、右側軸部に分割されたスタビライザと、右側軸部に設けられて内側に相対向する4つの突起部を有する筒状のハウジングと、左側軸部に取付けられ前記ハウジング内に回転可能に収納される4枚の羽根と、を有している。ハウジング内は、4つの突起部及び4枚の羽根により8つの室に仕切られている。8つの室は二組に分かれて前記羽根に設けた通路によりそれぞれ連通されて、第1組室及び第2組室を構成している。羽根の先端にはハウジングの内壁に摺接するように、また突起部の先端には前記左側軸部の外周面に摺接するようにそれぞれシール部材が設けられている。
このスタビライザ装置は、車両の走行状態に応じて、第1、第2組室に対する作動油の導入、排出によりハウジング及び羽根を相対回転させ、スタビライザ(左、右側軸部)が発揮する捩り弾性力を変更するようにしている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、走行状態に応じてねじれ抵抗を調整でき、かつ長寿命化を図ることができるスタビライザ装置を提供することを目的とする。
図1及び図2において、スタビライザ装置1は、自動車2の幅方向(図1左右方向)に配置されて、車体3に取付けられた略直線状に延びる鋼製の軸部4と、軸部4の両端部に略直交して連接し、左、右側車輪支持部5a,5b(車輪側)に取付けられた略L字形の腕部(以下、左、右側腕部という)6a,6bと、からなるスタビライザ7を有している。
分割部8に、左、右側軸部4a,4bの相対回転及び固定を行うアクチュエータ10を設けている。車体3の左、右側には、組合せて円形の内周を形成する1対の円弧状部材11からなる連結体が、それぞれ取付けられている。2組の連結体のうち、車体3の左、右側に対応するものをそれぞれ左、右側連結体12a,12bという。
断面円形内壁部24は、内径寸法が内周部底部側領域21より大きく設定され、長手方向に一定の大きさとなっている。断面非円形内壁部25は、図2及び図7に示すように、内周部が周方向に配置される6面の平面(以下、内壁部平面という。)30の組合せで構成され、内径寸法が断面円形内壁部24との連接部からハウジング開口部22になるに従い大きくなるように設定されている。6面の内壁部平面30のそれぞれは、右側軸部4bの軸方向に対して所定の傾斜角度αを有している。
前記右側軸部4bは、筒状とされている。前記ソレノイド16に接続されたリード線35は、前記切欠34及び右側軸部4bの中空部36を通されて、図示しない電源を含むコントローラに接続されている。そして、ソレノイド16へ電流(ソレノイド電流)を流すと、スプール17に対し図2右方向へ移動させる力(右方向駆動力)が作用し、この右方向駆動力は、ソレノイド電流を大きくすることに伴い大きくなる。
保持体39は、内径寸法が、左側軸部4aの所定外壁部形成領域40(後述する)の外径寸法より大きく、外径寸法が、前記所定内壁部形成領域23の内径寸法より小さくされている。保持体39の先端側には、周方向に等間隔(60°毎)に所定の大きさの孔(符号省略)が6個形成されており、この6個の孔に鋼球41がそれぞれ回転可能に配置されている。鋼球41は、所定外壁部形成領域40及び所定内壁部形成領域23の間に配置されるようになっている。スプール17は、剛球41を前記両領域23,40間に配置させた状態で図2左右方向に移動し得るようになっている。
また、図5(A)、(B)に示すように、スプール17の保持体39の外周部には、4つのスプール凸部42が形成される一方、ハウジング14の内周部底部側領域21にはスプール凸部42を嵌合させる4つのハウジング溝部43が形成されており、ハウジング溝部43にスプール凸部42を嵌合させてスプール17が回転しないようにしている。
ハウジング14のハウジング開口部22側部分には、底部47に孔(以下、カバー底部孔という。)48が形成された有底筒状のカバー49が嵌挿され、図示しないボルトによりハウジング14に固定されている。カバー底部孔48には、ガイド部材50を介して左側軸部4aが回転可能に挿通されている。
断面非円形外壁部51は、図2及び図7に示すように、外周面が周方向に配置される6面の平面(以下、外壁部平面という。)53の組合せで構成されており、外径寸法が左側軸部本体部4a1との連接部から断面円形外壁部52になるに従い小さくなるように設定されている。6面の外壁部平面53は、左側軸部4aの軸方向に対して所定の傾斜角度βを有している。この場合、傾斜角度α、βは同等に設定されている。
断面円形外壁部52は、内径寸法が保持体39より小さく設定され、長手方向に一定の大きさとなっている。
この両軸部固定状態は、ソレノイド16にソレノイド電流を通電してもその値が所定の値(電流値D1とする。)に達するまで継続される。
図3は、ソレノイド電流の値が電流値D1より大きい電流値D2におけるスプール17の配置状態を示し、鋼球41が断面円形内壁部24及び断面円形外壁部52の断面非円形外壁部51側近傍の間に配置されて左、右側軸部4a,4bが相対回転可能とされた状態(両軸部相対回転許容状態)を示している。
図2は、ソレノイド電流の値が電流値D2より大きい電流値D3におけるスプール17の配置状態を示し、鋼球41が断面円形内壁部24及び断面円形外壁部52の略中間部分の間に配置されて左、右側軸部4a,4bが相対回転可能とされた状態(両軸部相対回転許容状態)を示している。
まず、ソレノイド16に、大きな電流(ここでは電流値D3とする。)を流し、スプール17を図2及び図6(A)、(B)に示すように配置すると、鋼球41は断面円形外壁部52の略中間部分及び断面円形内壁部24の間に配置されるので、鋼球41、ハウジング14(ひいては右側軸部4b)及び左側軸部4aは、互いに回転方向の動き(右側軸部4b及び左側軸部4aは軸回りの動き、鋼球41は三次元の回転)が自由(両軸部相対回転許容状態)になる。この場合、スプール17の皿ばね45に固定された摩擦材46が、皿ばね45によって左側軸部4aに押し付けられるため、摺動抵抗により、左、右側軸部4a,4b間には図8に示すように値T3のねじれ抵抗が発生する〔すなわち、スタビライザ機能(ねじれ抵抗発生作用)を発揮する〕。
このため、例えば車体3の左右加速度を検出し、その値が小さい場合(ロールが発生していない場合)には、ソレノイド16に電流(ソレノイド電流)を流すことにより、左、右側軸部4a,4bを両軸部相対回転許容状態にして、ばね下からの入力による乗り心地の悪化を防止することができる。
車体3の左右加速度が少し大きい場合(ロールし始めた場合)には、ソレノイド電流を所望の値に設定することにより、左、右側軸部4a,4bが摩擦材46を介して摩擦接触する状態にし、ロール抑制と乗り心地向上を両立させることができる。
Claims (1)
- 車体側に取付けられた軸部及び該軸部の両側を折曲げて左右の車輪側に取付けられた腕部からなるスタビライザを有し、該スタビライザを前記軸部において2分割し、当該分割部に、分割された両軸部の相対回転の許容及び固定を行うアクチュエータを設けたスタビライザ装置において、
前記アクチュエータは、前記両軸部の一方に保持される駆動本体部及び該駆動本体部に駆動されて軸方向に進退される可動体を有する駆動機構と、
前記両軸部の一方に、前記駆動機構を取り囲み、かつ前記両軸部の他方の端部側部分を挿入可能に設けられ、断面円形内壁部及び断面非円形内壁部を軸方向に並べて形成した筒状部材と、
前記両軸部の他方の端部側部分に設けられた断面円形外壁部及び断面非円形外壁部と、
前記可動体に回転可能に保持され、筒状部材における断面円形内壁部及び断面非円形内壁部を形成する所定内壁部形成領域と前記左右軸部の他方における断面円形外壁部及び断面非円形外壁部を形成する所定外壁部形成領域との間に配置可能とされた球と、を備え、
前記可動体を進退させることにより、断面非円形内壁部と断面非円形外壁部との間に前記球が配置されて前記両軸部を固定させる両軸部固定状態と、前記所定内壁部形成領域及び所定外壁部形成領域間で、かつ前記断面非円形内壁部と断面非円形外壁部との間を除く部分に前記球が配置されて前記左右軸部の相対回転を許容する両軸部相対回転許容状態と、に設定可能であることを特徴とするスタビライザ装置。
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