JP4126401B2 - 育苗ポットの移動用トレー、育苗ポットの移動用トレー用押え部材及び育苗ポットの移動用トレー構造 - Google Patents

育苗ポットの移動用トレー、育苗ポットの移動用トレー用押え部材及び育苗ポットの移動用トレー構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、育苗ポット苗が運搬中に飛び出すのが防止された、育苗ポットの移動用トレーに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
薄くて鉢状に成形された育苗ポットは、育苗の作業性を高めると同時に、そのまま出荷できる利点があり、従来より、種々の苗栽培に広く用いられてきた。通常、育苗ポットは、個々の育苗ポットが一個ずつ収容される収納部が連続して設けられたトレーか、あるいは、仕切りのない箱状であって育苗ポットを纏めて収めるトレーに収容されて取り扱われる。前者のトレーでは、育苗ポットの型崩れや転倒などが生じにくい特徴がある。
【0003】
しかしながら、トレーの移動時、特に、出荷に伴う運搬中には、トラックの激しい振動や、積み降ろし時の強い衝撃などを受けて、育苗ポット苗が収納部から飛び出してしまい、苗を傷つけるトラブルが発生しやすい。そして、このようなトラブルが生じると、出荷先は、傷ついた苗だけでなくトレー全体の苗を引き取らない場合が多く、出荷元にとって大きな損失になっている。
【0004】
これに対し、本願発明者は育苗ポットの飛び出しを防止できる移動用トレーを提案をした(特開2001−136835号公報)。この移動用トレーにおいては、図18に示されるように、移動用トレー110の枠114内に、育苗ポットの収納部116が縦横に格子状に連設されており、収納部116は四隅が円弧状の略正方形とされている。また、それぞれの収納部116は桟124によって区切られており、各収納部116の開口部120の四隅の縁から、舌状の突起122が開口部120の内側に向けて張り出されている。そして、桟124の、収納部116の四辺を形成する部分のそれぞれには、窪み126が設けられている。収納部116の深さは収納される育苗ポット(図示せず)の高さより大きくされていて、突起122は、育苗ポットの上縁を覆うように設けられている。
【0005】
収納部116が育苗ポットの高さより深くされているので、育苗ポットを引き出す時に、育苗ポットの上縁部分を手で摘むのが、桟124や枠114に邪魔されて難しいことがある。本例の移動用トレー110では、桟124に、指先の幅より広い窪み126が設けられているので、この窪み126部分で育苗ポットの上縁部分を容易に摘むことができて、移動用トレー110から育苗ポットを引き出すのが楽になる。
【0006】
しかしながら、このような窪み126を桟124や枠114に設けることは、移動用トレー110の形状を複雑にし、製造コストの増加をもたらし、又、移動用トレー110の取り扱い時に窪み126の角にものを引っ掛けるなどのトラブルが生じやすかった。又、収納部116を育苗ポットの高さより単に浅くした場合は、育苗ポットの上縁118部分が突起122で倒され育苗ポットの形が崩れ、中の土が押されたり、苗の根の部分にダメージを及ぼすおそれがある。
【0007】
又、従来の移動用トレー110は、育苗ポットの出し入れの際、突起122が育苗ポットにひっかかりやすく邪魔になって、この点で育苗ポットの出し入れが容易でないという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者は、従来技術の上述の問題点に鑑み、形状がシンプルで取扱が容易で、育苗ポットの形を崩すおそれの少ない、運搬時などでの育苗ポットの飛び出しを防止できる育苗ポットの移動用トレーを提供しようとする。
【0009】
更に、育苗ポットの出し入れが簡単な育苗ポットの移動用トレーを提供しようとする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の要旨とするところは、育苗ポットの収納部が連設されてなるトレーにおいて、該収納部の開口部縁から縦突起が上部に突出し、該縦突起の上端部から横突起が該育苗ポットの上縁の一部を覆うように張り出された育苗ポットの移動用トレーであることにある。
【0012】
前記トレーは、前記開口部が略正方形とされ得、少なくともその一隅に前記縦突起が設けられ得る。
【0013】
前記トレーは、前記縦突起及び前記横突起を含んで押さえ部材が構成され得、該押さえ部材が着脱自在に設けられ得る。
【0014】
前記トレーは、前記横突起が棒状であり得、前記横突起の先端部が前記育苗ポットの上縁の一部を覆うように張り出され、前記横突起が、前記開口部縁の前記横突起が張り出された位置を中心に水平方向に回動自在とされ得る。
【0015】
又、本発明の要旨とするところは、前記トレーの縦突起を構成する台座と、該台座の上端部から横に張り出し、前記横突起を構成する突起部と、該台座の下端から下方に突出し、前記開口部縁に設けられた嵌合孔に嵌合する嵌合片とを備える育苗ポットの移動用トレー用押え部材であることにある。
【0016】
前記嵌合片は、縦方向の割りを有し得る。
前記嵌合片は、根元にくびれ部を有し得る。
【0017】
更に、本発明の要旨とするところは、育苗ポットの収納部が連設されてなるトレーにおいて、該収納部の開口部縁から、棒状の横突起が、該横突起の先端部が該育苗ポットの上縁の一部を覆うように、張り出され、該横突起が該開口部縁の該横突起が張り出された位置を中心に水平方向に回動自在とされた育苗ポットの移動用トレーであることにある。
【0018】
前記トレーは、複数の前記横突起を台座から放射状に突出させた押え部材を含み得、隣接の前記横突起のなす角度が略90度又は略180度であり得る。
【0019】
前記トレーは、4個の前記横突起を備え得、前記角度が略90度であり得る。
【0020】
又、本発明の要旨とするところは、台座と、前記トレーを構成し該台座から突出する前記横突起と、該台座の下端から下方に突出し、前記開口部縁に設けられた嵌合孔に嵌合する嵌合片とを備える育苗ポットの移動用トレー用押え部材であることにある。
【0021】
更に、本発明の要旨とするところは、前記押え部材と前記嵌合孔とを含む、育苗ポットの移動用トレー構造であることにある。
【0022】
更に又、本発明の要旨とするところは、前記押え部材と前記嵌合孔とを含み、前記嵌合片が前記嵌合孔に嵌合され、前記前記縦突起と前記開口部縁とが溶着又は接着により固定された育苗ポットの移動用トレー構造であることにある。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る育苗ポットの移動用トレーの実施態様について、図面に基づいて詳しく説明する。
【0024】
図1は、本発明に係わる育苗ポットの移動用トレーの、特に有用な実施態様の一例を示すものである。移動用トレー10の枠14内には、育苗ポットの収納部16が縦横に格子状に連設されており、収納部16は四隅が円弧状の略正方形とされている。また、それぞれの収納部16は桟24によって区切られており、各収納部16の開口部20の四隅の縁から、縦突起22aが上方に突出されている。更に縦突起22aの上端部から舌状の横突起22bが開口部20の内側に向けて張り出されている。
【0025】
図2の断面模式図に示すように、収納部16の深さDは収納される育苗ポット12の高さHBより小さくされていて、横突起22bは、育苗ポット12の上縁18を覆うように設けられている。収納部16の深さDと縦突起22aの高さHをあわせた長さは、育苗ポット12の高さに略等しくされている。横突起22bと縦突起22aは、移動用トレー10に固定あるいは係止される方法は特に限定されない。ネジやピンやクリップなどの係止具を用いてもよいが、できれば、部品数の少ない単純な機構とされるのが好ましい。例えば、図2、図3、図4、図5に示されるように、一体に成形された横突起22bと縦突起22aを含んで成る押さえ部材39aに設けた嵌合片63を、桟24又は枠14に設けた嵌合孔25に押し込んで嵌合させる方法でもよい。
【0026】
図3、図4、図5に横突起22bに相当する横方向に突出する突起部70と、縦突起22aに相当する台座72とを含んで成る押さえ部材39aのそれぞれ要部斜視図、平面図、背面図を示す。符号は図2と共通である。嵌合片63は台座72の下端から下方に突出する。嵌合片63は円柱形であってもよいが、図3に示すように、先細の裁頭円錐形であり、かつ下縁部から上方に縦に切られた割り67を有するものであることが好ましい。割り67は背面視十文字に設けられることが好ましい。この形状を有する嵌合片63は、嵌合孔25に押し込まれるとき周壁が外側に付勢されつつ内側に撓むので、最後まで押し込みやすく、かつ、いったん押し込まれた嵌合片63は、周壁が外側に付勢されているので引き抜かれにくく、確実な装着ができる。更に、嵌合63は、根元に径が細いくびれ部64を有し、このくびれ部64により嵌合孔25との嵌合が確実なものとなる。押さえ部材39aは、ポリプロピレン、ポリエチレン等の成形用樹脂から押し出し成形により製造することが出来る。
【0027】
本例の移動用トレー10は、次のようにして用いられる。まず、育苗ポット12を収納部16の開口部20から押し入れるが、突起22に触る側壁部分は内側に変形して挿入される。収納部16は、育苗ポット12の高さより浅いので、収納部16の底に達するまで育苗ポット12が深く押し込まれると、育苗ポット12の上縁18が桟24からはみだし、横突起22bの下に潜るように広がる。育苗ポット12が空である時は勿論、用土19がすでに入れられていたり、苗が植え込まれたりしていても、通常、用土19が育苗ポット12の上縁18まで満たされることはない。したがって、横突起22bに側面を押されれば、上縁18部分が容易に曲げられて変形するので、育苗ポット12は収納部16へ容易に挿入される。特に用土19量が多くて、用土19部分が横突起22bに引っ掛かる時には、手指で育苗ポット12の変形を助けながら挿入する場合もある。
【0028】
育苗ポット12が収納された移動用トレー10は、育苗の過程で、生産現場を移動させられたり、製品になってから出荷先に運ばれたりするが、育苗ポット12の上縁18が横突起22bによって蓋するように覆われているため、激しい上下動を受けても、横突起22bに上側を遮られて、育苗ポット12が移動用トレー10から飛び出すことはなくなる。
【0029】
出荷先などで育苗ポット12を取り出す時は、桟24から上方にはみ出した部分の育苗ポット12の上縁18を手で摘んで引き上げる。特に用土量が多い場合などには、挿入時と同様に、手指で育苗ポット12の変形を助けながら引出すこともある。
【0030】
収納部16が育苗ポット12の高さより浅くされているので、育苗ポット12を引き出す時に、育苗ポット12の上縁18部分を容易に手で摘むことができて、移動用トレー10から育苗ポット12を引き出すのが非常に楽になる。
【0031】
本発明の移動用トレー10は、図18に記された従来の移動用トレーのような、桟24の窪み26を有しないので、桟24に窪み26による段差でつくられる角がない。従って、移動用トレーの取り扱い中にその角にものを引っ掛けるといったトラブルがない。又、収納部16からはみでた育苗ポット12の上縁18部分は、育苗ポット12の全周にわたるので、周上の任意の位置で上縁18部分を指で摘むことができ、育苗ポット12の取り出し操作が容易になる。
【0032】
押さえ部材は、図6の断面模式図に示すように、横突起22cの部分と縦突起22dの部分とが滑らかな曲線状につながっているものであってもよい。
【0033】
本発明の移動用トレーに設けられる収納部は、本例の略正方形の開口部形状に限定されるものではない。例えば、開口部20が円形であってもよいし、あるいは、六角形や八角形の開口部とされてもよい。
【0034】
横突起22bは、図1に例示されるように、又図7(a)に示されるように、縦横の桟24が交差する収納部16の隅に設けられる。しかしながら、育苗ポット12の飛び出しをより確実に防止するように、図7(b)に示されるように、対向する二隅に設けられることもある。図7(c)に示されるように、隣り合う二隅に設けられることもある。また本発明は、図7(d)に示されるように、略正方形の各辺に横突起22bを設ける場合や、図7(e)に示されるように、略正方形の各隅に横突起22bを設ける場合を含め、水平突起の数や配設場所が自由に選択されるものであり、上述の数例に限定されるものではない。
【0035】
また、横突起22bの形状も特に限定されない。例えば、図8(a)は、図1に示されるのと同様の、扇状横突起22bを示し、同図(b)は略三角形の横突起22bを示し、同図(c)は、育苗ポット12に向く側が凹の三日月状の横突起22bを示している。横突起22bの厚みや大きさや形状は、移動用トレー10に収容する育苗ポット12の形状や大きさや固さなどによって、最適に設計されるものである。
【0036】
押さえ部材の形状は特に限定されない。例えば、図9(a)に示される押さえ部材39は横突起24bを備え、1本の桟24に縦突起24aを介して固定されて、横突起24bがその両側の6個の収納部16を覆い、同図(b)に示される押さえ部材40は、横突起25bを備え、横突起25bが縦突起25aを介してその両側の8個の収納部16を覆う短冊状の形状とされている。また、同図(c)に示される押さえ部材41は横突起26bを備え、横突起26bが、1個の収納部16の周囲に沿って縦突起26aを介して装着され、その収納部16の四隅と、隣接する4個の収納部16の一辺と、対角する4個の収納部16の一隅とを覆う、ロの字形の形状とされている。
【0037】
また、図10に示される押さえ部材43も、本発明の特に有用な実施態様の一例である。押さえ部材43は横突起28bを備え、縦突起28aを介して装着され、隣接する2列の収納部16列の間に横突起28bの部分が長い短冊状として設けられ、この2列の収納部16全部の端部を押さえている。1個の押さえ部材43で、2列全部の沢山の育苗ポット12を押さえることができるので効率がよく、押さえ部材43の着脱が、移動用トレー10の横からだけでできるので大変便利である。押さえ部材43を連続的に設けて、各収納部16の四隅が押さえられるようにされてもよいし、隔列毎に設けられて、各収納部16の二隅だけが押さえられるようにされてもよい。
【0038】
図11に示される押さえ部材44は横突起29bを備え、縦突起29aを介して装着され、隣接する2列の収納部16列間に設けられた2個の短冊状横突起29bが、繋ぎ部48によって連結され、コの字形の形状とされている。1個の押さえ部材44で、3列の育苗ポット12を押さえることができるので、さらに効率が上がり便利である。
【0039】
押さえ部材の効率を最も高めるには、ただ1個の押さえ部材で移動用トレー10内の全ての育苗ポット12を押さえることである。図12に示される押さえ部材45は横突起30bを備え、縦突起30aを介して装着され、移動用トレー10全幅に亘り、横突起30bが繋ぎ部48によって櫛状に連結されたものであり、全ての収納部16に対し、その一部を覆っている。また、図13に示される押さえ部材46は、移動用トレーの本体部11と同形の格子状とされ、横突起31bを備え縦突起31aを介して装着され、全ての収納部16の四隅を覆うことができる。押さえ部材45または押さえ部材46によれば、ただ一度の着脱操作で、全ての育苗ポット12を固定または解放できるので、格別に便利である。
【0040】
押さえ部材を着脱自在とする必要のない場合は、図14の断面図に示すような横突起32bと縦突起32aと突起片66aを備える押さえ部材51の突起片66aを嵌合孔25に押し込んだのち、接着もしくは融着もしくは溶着により桟24と突起片66aや縦突起32aとを接合することにより、桟24と押さえ部材51とが確実に固定される。
【0041】
本発明の更に他の態様を説明する。図15(a)は、十字型に棒状の横突起30jを配置した押さえ部材60jである。押さえ部材60jの他の部分の構成と符号は、図3に示す押さえ部材39aと同様である。図15(b)は、縦突起22aがなく、扁平な台座72jの側縁から各横突起30jが放射状に突出した押さえ部材60kである。図15に示す押さえ部材60jや押さえ部材60kの嵌合片63を図2に示すような桟24又は枠14(図1)に設けた嵌合孔25に押し込んで嵌合させ、桟24又は枠14に押さえ部材60jや押さえ部材60kが取り付けられる。
【0042】
図16は、桟24に取り付けられた状態の押さえ部材60j又は押さえ部材60kを示す平面図である。4個の横突起30jが縦突起22a(台座72)から放射状に突出し、隣接の横突起30jのなす角度が略90度である。これにより、各横突起30jがその先端部で各育苗ポット12の縁部を押える。
【0043】
育苗ポットを収納部16に入れるときと、収納されている育苗ポット12を収納部16から取り出すときには、横突起30jを水平方向に台座72を中心に45度回転させてそれぞれの横突起30jが各桟24に平行に、即ち各桟24の上にくる点線に示す位置にもってくる。横突起30jの回転により、嵌合孔25に押し込まれている嵌合片63が回転する。
【0044】
これにより横突起30jに妨げられることなく育苗ポット12の出し入れが出来る。育苗ポット12を収納部16に収納した後に横突起30jを45度回転させて各育苗ポット12の縁部上方に持ってくる。
【0045】
図17(a)のように、本発明の押さえ部材60mは、横突起30jが台座72に2個が180度の角度で、即ち1直線に取り付けられていてもよい。育苗ポット12の出し入れの際には、横突起30jを水平方向に台座72を中心に45度回転させてそれぞれの横突起30jを、各桟24に平行に、即ち各桟24の上にくる点線に示すCD又はABの位置にもってくる。
【0046】
図17(b)のように、押さえ部材60nが、2個の横突起30jを台座72に90度の角度をなして取り付けたものでもよい。育苗ポット12の出し入れの際には、それぞれの横突起30jを、各桟24に平行に、即ち各桟24の上にくる点線に示すAD又はBCの位置にもってくる。
【0047】
図17(c)のように、押さえ部材60pが、1個の横突起30jを台座72に取り付けたものでもよい。育苗ポット12の出し入れの際には、それぞれの横突起30jを、各桟24に平行に、即ち各桟24の上にくる点線に示すA、B、C又はDの位置にもってくる。
【0048】
本発明においては、移動用トレー10の材質は、成形性とコストに優れたポリプロピレンなどのプラスチックが好ましく用いられる。また、紙屑などがリサイクル使用された成形品なども好ましく用いられる。
【0049】
以上、本発明の移動用トレーについて詳細に説明してきたが、本発明は上述の引用例示に限定されず、収納部の配設方法、突起の形状や配設方法、押さえ部材の材質や形状や係止方法などにつき、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々なる改良、修正、変化を加えた態様で実施し得るものである。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係わる、突起を備えた移動用トレーによれば、育苗ポットの上縁が突起によって蓋するように覆われるため、激しい上下動を受けても、突起に上側を遮られて、育苗ポットが移動用トレーから飛び出すことはなくなる。かつ、収納部からはみでた育苗ポットの上縁部分が、育苗ポットの全周にわたるので、周上の任意の位置で上縁部分を指で摘むことができ、育苗ポットの取り出し操作が容易になる。
【0051】
又、本発明に係わる、突起を備えた移動用トレーによれば、育苗ポットの上縁が回動可能な棒状の突起によって覆われるため、育苗ポットの出し入れが簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移動用トレーの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係り、図1に示される移動用トレーの収納部を示し、横突起を横切る断面図である。
【図3】本発明に係り、押さえ部材の形状例を説明する要部斜視図である。
【図4】図3の押さえ部材の平面図である。
【図5】図3の押さえ部材の背面図である。
【図6】本発明に係り、他の態様の図1に示される移動用トレーの収納部を示し、横突起を横切る断面図である。
【図7】本発明に係り、収納部での横突起の配設例を示し、同図(a)は一隅に、同図(b)は対向する二隅に、同図(c)は隣り合う二隅に、同図(d)は四辺に、同図(e)は四隅に横突起が設けられた例である。
【図8】本発明に係り、突起の形状例を示し、同図(a)は扇状、同図(b)は略三角形、同図(c)は三日月状の例である。
【図9】本発明に係り、押さえ部材の他の形状例を説明する、移動用トレーの上面図であり、同図(a)と同図(b)は短冊状、同図(c)はロの字形の例である。
【図10】本発明に係り、押さえ部材の他の形状例を説明する、移動用トレーの上面図である。
【図11】本発明に係り、押さえ部材の他の形状例を説明する、移動用トレーの上面図である。
【図12】本発明に係り、押さえ部材の他の形状例を説明する、移動用トレーの上面図である。
【図13】本発明に係り、押さえ部材の他の形状例を説明する、移動用トレーの上面図である。
【図14】本発明に係り、押さえ部材の固定手段を例示する縦断面図である。
【図15】図15(a)は、本発明に係り、押さえ部材の形状の他の例を説明する要部斜視図である。図15(b)は、本発明に係り、押さえ部材の形状の更に他の例を説明する要部斜視図である。
【図16】本発明に係り、収納部での図15の押さえ部材における横突起の配設例を示す上面模式図である。
【図17】図17(a)図17(b))図17(c)は、本発明に係り、それぞれに異なる態様の押さえ部材における形状及び横突起の配設例を示す上面模式図である。
【図18】従来例に係る育苗ポット用トレーの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10、110:移動用トレー
12、56:育苗ポット
14、114:枠
16、116:収納部
18:上縁
19、55:用土
20、120:収納部の開口部
22a、22d、24a、26a、30a〜32a:縦突起
22b、22c、30j、24b〜26b、30b〜32b:横突起
24、124:桟
25:嵌合孔
28:育苗ポットの開口部
30:育苗ポットの隅部
32:育苗ポットの底
33:育苗ポット12底の縁
39〜41、43〜46、51、39a、60j、60k、60m、60n、60p:押さえ部材
63:嵌合片
64:くびれ部
67:割り
70:突起部
72:台座
122:突起
126:窪み

Claims (12)

  1. 育苗ポットの収納部が連設されてなるトレーにおいて、該収納部の開口部縁から縦突起が上部に突出し、該縦突起の上端部から横突起が該育苗ポットの上縁の一部を覆うように張り出され、前記縦突起及び前記横突起を含んで押さえ部材が構成され、該押さえ部材が着脱自在に設けられた育苗ポットの移動用トレー。
  2. 前記開口部が略正方形とされ、少なくともその一隅に前記縦突起が設けられた請求項1に記載する育苗ポットの移動用トレー。
  3. 前記横突起が棒状であり、前記横突起の先端部が前記育苗ポットの上縁の一部を覆うように張り出され、前記横突起が、前記開口部縁の前記横突起が張り出された位置を中心に水平方向に回動自在とされた請求項1又は2に記載の育苗ポットの移動用トレー。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載のトレーの縦突起を構成する台座と、該台座の上端部から横に張り出し、前記横突起を構成する突起部と、該台座の下端から下方に突出し、前記開口部縁に設けられた嵌合孔に嵌合する嵌合片とを備える育苗ポットの移動用トレー用押え部材。
  5. 前記嵌合片が縦方向の割りを有する請求項に記載の移動用トレー用押え部材。
  6. 前記嵌合片が根元にくびれ部を有する請求項又はに記載の移動用トレー用押え部材。
  7. 育苗ポットの収納部が連設されてなるトレーにおいて、該収納部の開口部縁から、棒状の横突起が、該横突起の先端部が該育苗ポットの上縁の一部を覆うように、張り出され、該横突起が該開口部縁の該横突起が張り出された位置を中心に水平方向に回動自在とされた育苗ポットの移動用トレー。
  8. 複数の前記横突起を台座から放射状に突出させた押え部材を含み、隣接の前記横突起のなす角度が略90度又は略180度である請求項に記載の育苗ポットの移動用トレー。
  9. 4個の前記横突起を備え、前記角度が略90度である請求項に記載の育苗ポットの移動用トレー。
  10. 台座と、請求項乃至のいずれかに記載のトレーを構成し該台座から突出する前記横突起と、該台座の下端から下方に突出し、前記開口部縁に設けられた嵌合孔に嵌合する嵌合片とを備える育苗ポットの移動用トレー用押え部材。
  11. 請求項乃至のいずれか、又は請求項10に記載の押え部材と前記嵌合孔とを含む、育苗ポットの移動用トレー構造。
  12. 請求項乃至のいずれかに記載の押え部材と前記嵌合孔とを含み、前記嵌合片が前記嵌合孔に嵌合され、前記縦突起と前記開口部縁とが溶着又は接着により固定された育苗ポットの移動用トレー構造。
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