JP5657827B1 - 土壌及び苗の飛び出し防止部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存の育苗トレイに対しても装着できると共に、苗を傷つけることなく、容易かつ確実に装着可能な土壌及び苗の飛び出し防止部材を提供する。【解決手段】内部に土壌及び土壌痛で育苗された苗を収容可能で、縦方向及び横方向に配置された複数の収容部110を有する育苗トレイ100の上面側に載置されて、土壌及び苗の飛び出しを防止する土壌及び苗の飛び出し防止部材10であって、育苗トレイ100の縦方向及び横方向のうち一方の方向に延びる基部11と、基部11から、育苗トレイの縦方向及び横方向のうち他方の方向に延びる複数の押さえ部12とを有し、押さえ部12は、育苗トレイ100の他方の方向に並ぶ収容部110の一部を上方から覆うように育苗トレイ100の上面に載置されることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、内部に土壌及び苗が収容される収容部を有する育苗トレイの上面側に載置することで、土壌及び苗の飛び出しを防止する土壌及び苗の飛び出し防止部材に関する。
育苗トレイ100は、図16及び図17に示すように、土壌及び苗を収容可能な収容部(セル)110が、縦方向及び横方向に所定間隔で複数個(図示では128個)配置されている。育苗トレイ100の収容部110の数は、収容部110の大きさによって異なり、例えば、72個、128個、200個等の収容部110が形成される。各収容部110には、花や野菜等の苗が、土壌と共に収容されて土壌中で育苗される。育苗された苗は、成長した苗が収容された育苗トレイ100を、例えば段ボールケース(図示省略)等に2〜3枚収容して出荷される。出荷先においては、育苗トレイ100の収容部110から、土壌及び苗が取り出されて、他の容器等に植え替えられる。
育苗トレイ100の収容部110は、収容部110から土壌及び苗を取り出し易くするために、各収容部110の側面部112は、底面部111から上方に向かうほど径が大きくなっている(図17(b)参照)。また、苗は、収容部110に収容された土壌中で育成されるが、土壌は乾燥すると収縮する。そのため、育苗トレイ100を段ボールケースに収容した状態で搬送すると、搬送時の振動によって土壌及び苗が収容部110から飛び出してしまうことがある。このように、土壌及び苗が収容部110から飛び出してしまうと、他の苗を痛めてしまうおそれもあるため、育苗トレイ100が収容された段ボールケースごと返品されてしまう。近年、野菜の苗は、高価な接ぎ木苗が主流となっており、段ボールケース内の苗の数も多いため、多大な損害となってしまう。また、近年、成型培養土や、固化培養土と呼ばれる合成された特殊な土壌が使用されることもある。この種の土壌は、所定の形状を保つことができ、水分を含んでも膨潤することがない。そのため、このような特殊な土壌及び苗は、より収容部110から抜けやすくなるという問題がある。
これに対して、育苗した苗を出荷する際に、搬送時におけるトレイからの苗の飛び出しを防止することが提案されている(特許文献1、特許文献2)。いずれも、トレイの外枠の対向する辺に、飛び出し防止部材を架け渡して、トレイや育苗ポットの収容部の一部を飛び出し防止部材で覆うことで、苗の飛び出しを防止している。
特開2011−010633号公報 特開2012−016287号公報
特許文献1においては、飛び出し防止部材には、ポットの飛び出しを防止するストッパー翼が形成されている。このような飛び出し防止部材を用いて、搬送用のトレイに並べられたポットの上縁をストッパー翼で押さえることでポットの飛び出しを防止している。しかしながら、トレイに育苗ポットを並べる際には、ストッパー翼が形成されない箇所から育苗ポットを挿入して、ストッパー翼が育苗ポットの上縁を押さえる位置に配置されるように育苗ポットの位置をずらす必要がある。そのため、トレイに育苗ポットを並べる作業が手間である。
また、特許文献2においては、トレイに育苗ポットを並べた状態で、押さえバンドを装着することで、搬送時のポットの飛び出しを防止している。しかしながら、押さえバンドの装着は、トレイの開口を横断又は縦断するように、複数の押さえバンドを架け渡しているため、押さえバンドを一つずつ装着する必要があり、装着に手間がかかる。また、トレイには、押さえバンドの端部を差し込むためのスリットを形成する必要がある。そのため、スリットが形成された専用のトレイを購入する必要があるため、経費が嵩んでしまう。ところで、育苗される苗は、茎が収容部から上方に延びるものだけでなく、例えばスイカ等のウリ科の植物のように、茎が平面状に広がるような種類の苗もある。そのため、このような苗の場合には、押圧ベルトをトレイの上方から装着すると、押さえバンドによって苗や茎を傷めてしまうおそれがあるという問題があった。
上記の事情に鑑みて、本発明は、既存の育苗トレイに対しても装着できると共に、苗を傷つけることなく、容易かつ確実に装着可能な土壌及び苗の飛び出し防止部材を提供することを技術的課題とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる土壌及び苗の飛び出し防止部材は、内部に土壌及びこの土壌中で育苗された苗を収容可能で、縦方向及び横方向に配置された複数の収容部を有する育苗トレイの上面側に載置されて、土壌及び苗の飛び出しを防止する土壌及び苗の飛び出し防止部材であって、育苗トレイの縦方向及び横方向のうちの一方の方向に延びる基部と、基部から、育苗トレイの縦方向及び横方向のうちの他方の方向に延びる複数の押さえ部とを有し、押さえ部は、育苗トレイに載置される側の面の先端付近に、先端に向かうに従って、上方に傾斜する傾斜部を有し、育苗トレイの他方の方向に並ぶ収容部の一部を上方から覆うように育苗トレイの上面に載置されることを特徴とする。
このような構成によれば、土壌及び苗の飛び出し防止部材は、育苗トレイの縦方向及び横方向のうちの一方の方向に延びる基部と、基部から育苗トレイの縦方向及び横方向のうち他方の方向、つまり基部と直交する方向に延びる複数の押さえ部とを有する。また、押さえ部は、育苗トレイの他方の方向に並ぶ収容部の一部を上方から覆うように育苗トレイの上面に載置されるため、収容部内の土壌及び苗が移動したとしても、押さえ部によって押さえられることで、確実に土壌及び苗の飛び出しを防止することができる。このとき、育苗トレイの一辺側から押さえ部を育苗トレイの上面に沿って挿入することで、土壌及び苗の飛び出し部材を装着することができる。そのため、既存の育苗トレイに対しても、そのまま装着することができる。
また、基部は、育苗トレイの上面側の周縁部と係合する突出部を有することが好ましい。これによって、押さえ部を育苗トレイの一辺側から挿入することで土壌及び苗の飛び出し部材を装着する際に、突出部が育苗トレイの上面側の周縁部に当接することで挿入を停止させる。そのため、押さえ部の位置決めを行うことができると共に、押さえ部の挿入方向への移動を抑制することによって、基部と苗との接触を防止することができる。
さらに、押さえ部は、育苗トレイの他の方向に並ぶ収容部のうちの半分の収容部の一部を上方から覆う長さ寸法を有し、押さえ部を育苗トレイの対向する辺の両側から、押さえ部の先端が対向するように装着してもよい。これによって、一方の辺側から、押さえ部を挿入することで、挿入方向に並ぶ収容部のうちの半分の収容部に対して、それらの収容部の一部を上方から覆うことができる。また、対向する他方の辺側から、別の土壌及び苗の飛び出し部材の押さえ部を同様に挿入することで、残りの収容部の一部も上方から覆うことができる。このように、育苗トレイの両側から押さえ部を挿入することによって、挿入方向に並ぶ全ての収容部の一部を覆うことができる。このとき、押さえ部は、挿入方向に並ぶ全ての収容部の一部を覆う長さ寸法よりも短い長さ寸法とすることができるため、押さえ部の撓みを減少することができ、撓みによる押さえ部の先端の浮き上がりを抑制することができる。
また、押さえ部に、押さえ部の長手方向に延びる補強リブを形成してもよい。これによって、押さえ部の厚み方向の強度を増加させることができ、押さえ部の撓みを抑制することができる。そのため、育苗トレイの一辺側から押さえ部を挿入する際に、押さえ部の先端が撓むことで収容部の側面等に引っ掛かることを防止することができ、容易に押さえ部を装着することができる。さらに、押さえ部の厚み寸法を小さくすることができる。
このとき、補強リブは、押さえ部の基部側から先端側に向かって、漸次その高さ寸法が小さくなるように傾斜していることが好ましい。これによって、押さえ部を、育苗トレイの一辺側から挿入する際に、収容部内の苗の茎が平面状に広がっていたとしても、傾斜によって、茎を逃がしながら押さえ部を挿入することができる。そのため、補強リブの先端が茎に当接して茎を傷めることを防止して、確実に押さえ部を挿入することができる。
また、押さえ部は、育苗トレイに載置される側の先端付近に、先端に向かうに従って、上方に傾斜する傾斜部を形成してもよい。これによって、押さえ部を挿入する際に、押さえ部の下面の先端が育苗トレイの収容部の側面部に突っかかることなく、確実に育苗トレイの一辺側から挿入することができる。なお、押さえ部を板状部材で形成した場合には、押さえ部の先端付近を上方に曲げることで傾斜を形成してもよく、押さえ部を丸材又は角材で形成した場合には、先端近傍の下面部に傾斜を形成することや、先端に向けて全体を尖らせることで傾斜を形成してもよい。
さらに、押さえ部の基部側の端部付近に、前記収容部に係合可能な突起を形成してもよい。これによって、収容部は、押さえ部に形成される突起によって係合される。そのため、育苗トレイに装着された苗の飛び出し防止部材の基部の長手方向への移動を防止することができ、装着状態を確実に維持することができる。
また、押さえ部は、各収容部に対応する位置に、収容部の一部を覆う面積を少なくする切欠きを有することが好ましい。育苗トレイにおいて育苗される苗は、収容部の中心からずれた箇所で育苗することもある。そのため、収容部の中心からずれた位置に苗が位置する場合には、土壌及び苗の飛び出し防止部材の押さえ部が挿入された際に、押さえ部と苗とが接触することがある。その場合には、搬送中に、押さえ部によって苗を傷つけてしまうおそれがある。そこで、押さえ部の、各収容部に対応する位置に、収容部の一部を覆う面積を少なくする切欠きを形成することによって、苗の飛び出し防止部材を育苗トレイに装着した際に、押さえ部材と苗との接触を防止することができる。これによって、苗が傷つくことを防止することができる。
さらに、基部に連結されて、押さえ部と同方向に延びると共に、押さえ部の下方側に位置し、押さえ部と所定の間隔を隔てて対向する浮き上がり防止部を更に有し、浮き上がり防止部は、育苗トレイの上面側の周縁部の下面に係合して押さえ部の浮き上がりを防止するようにしてもよい。これによって、土壌及び苗の飛び出し防止部材を育苗トレイ上に載置すると、押さえ部と浮き上がり防止部とを、育苗トレイの上下方向から挟むように配置される。このとき、浮き上がり防止部は、育苗トレイの上面側の周縁部の下面に係合することで、上方への移動を抑制されるため、押さえ部の浮き上がりを防止することができる。そのため、土壌及び苗の飛び出し防止部材の上下方向の移動を防止することができ、確実に装着状態を維持することができる。
このとき、浮き上がり防止部は、基部に対して着脱可能に連結されてもよい。ここで、育苗トレイは、収容部の容積に応じて、形成される収容部の個数が異なる様々な種類がある。そのため、土壌及び苗の飛び出し防止部材は、育苗トレイの収容部の大きさや個数に対応した押さえ部を有する必要があるため、複数種類作成される。一方、育苗トレイの周縁部のサイズは、育苗トレイを収容する段ボール箱を共通にするため、同一である。よって、周縁部は、収容部のサイズにかかわらず同じサイズとすることができる。そこで、浮き上がり防止部を、基部に対して着脱可能に連結することによって、育苗トレイの収容部のサイズに応じた押さえ部を複数種類製造し、浮き上がり防止部を共通部材とすることができる。
以上のように、本発明によれば、既存の育苗トレイに対しても装着できると共に、苗を傷つけることなく、容易かつ確実に装着可能な土壌及び苗の飛び出し防止部材を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態にかかる土壌及び苗の飛び出し防止部材を示す斜視図である。 図1に示す土壌及び苗の飛び出し防止部材を、育苗トレイに装着する途中の状態を示す平面図である。 図1に示す土壌及び苗の飛び出し防止部材を、育苗トレイに装着した状態を示す平面図である。 本発明の第2実施形態にかかる土壌及び苗の飛び出し防止部材を、育苗トレイに装着する途中の状態を示す平面図である。 図4に示す土壌及び苗の飛び出し防止部材の製造方法を示す図である。 (a)は本発明の第3実施形態にかかる土壌及び苗の飛び出し部材の一部を示す平面図である。(b)は(a)の側面図であり、(c)は他の例を示す側面図である。 (a)は本発明の第4実施形態にかかる土壌及び苗の飛び出し部材の押さえ部の先端付近を示す平面図であり、(b)は(a)の側面図である。 (a)、(b)は、図7に示す実施形態の他の例を示す側面図である。 (a)は本発明の第5実施形態にかかる土壌及び苗の飛び出し部材の要部を示す平面図であり、(b)は育苗トレイに装着した状態を示す平面図である。 (a)は図9のA−A断面を矢印の方向から見た断面図であり、(b)は図9のB−B断面を矢印の方向から見た断面図である。 本発明の第6実施形態にかかる土壌及び苗の飛び出し防止部材を示す平面図である。 図11に示す土壌及び苗の飛び出し防止部材を、他の実施形態にかかる育苗トレイに装着する途中の状態を示す平面図である。 (a)、(b)は、図11に示す実施形態の他の例を示す要部の平面図である。 (a)は本発明の第7実施形態にかかる土壌及び苗の飛び出し防止部材を、育苗トレイに装着する途中の状態を示す平面図であり、(b)は装着した状態を示す側面図である。 (a)は図14に示す実施形態の他の例を示す図であり、浮き上がり防止部材を示す。(b)は浮き上がり防止部材を着脱部に装着した図を示し、(c)は、浮き上がり防止部材を他の例の着脱部に装着した例を示す。 本発明において用いられる一実施形態の育苗トレイの斜視図である。 (a)は図16に示す育苗トレイの平面図であり、(b)は(a)の側面図である。
以下、本発明にかかる土壌及び苗の飛び出し防止部材(以下、飛び出し防止部材と呼ぶ)を各図面に基づいて説明する。
まずは、本実施形態において用いられる育苗トレイ100について詳細を説明する。育苗トレイ100は、図16及び図17に示すように、土壌及び苗が収容される複数の収容部110と、収容部110の上端に形成される上面部113と、上面部113の周縁に形成される周縁部114とを有する。なお、図17(a)に示すように、育苗トレイ100は平面視で略長方形をなしており、長辺方向を横方向、短辺方向を縦方向と呼ぶこともある。
収容部110は、底面部111と、底面部111の外周から上方に延びる側面部112とを有しており、内部に図示しない土壌及び苗を収容可能である。底面部111は、角部を丸くした略正方形状をしており、底面111の中央には、排水のための排水孔111aが形成される。側面部112は、図17(b)に示すように、底面部111から上方に向かうに従って、収容部110の径が広がるように傾斜しており、側面部112の上端は、角部を丸くした略正方形状に開口している(図17(a)参照)。また、収容部110は、育苗トレイ100の縦方向及び横方向に所定間隔で複数個配置される。本実施形態の育苗トレイ100においては、縦方向に8個、横方向に16個ずつの計128個の収容部110が配置される。
上面部113は、育苗トレイ100の縦方向及び横方向に隣接する収容部110の近接する上端の間に位置する間隔部113aと、縦方向及び横方向の端部に位置する収容部110の上端の外側に広がる周辺部113bとを有する。また、本実施形態においては、縦方向に並ぶ収容部110のうち、中央を挟んで隣り合う収容部110の間の間隔部113aは幅広に形成される。幅広の間隔部113aには、若干下方に凹んで形成される凹部115が、横方向に3箇所並んで形成される。凹部115を形成することで、育苗トレイ100の対向する短辺114b(詳細は後述)を持ち上げる際に、育苗トレイ100の上面部113の中央部の撓みを抑制することができる。
周縁部114は、上面部113の周縁に連続して形成される枠状の部材であり、図示においては、長辺を114a、短辺を114bで示す。また、周縁部114は、周辺部113bの外周側の端部から斜め下方に傾斜して形成される。周縁部114は、育苗トレイ100を積み重ねる際の固定部や、育苗トレイ100の上面部113が撓まないように補強部として用いられる。さらに、育苗トレイ100を持ち上げる際には、短辺114bの下端に指を引っ掛けることで、容易に持ち上げることができる。
以下、本発明にかかる飛び出し防止部材の第1実施形態について説明する。飛び出し防止部材10は、育苗トレイ100(図16、図17参照)の上面側に装着されて、土壌及び苗の飛び出しを防止するものである。図1に示すように、飛び出し防止部材10は、櫛歯形状をなしており、育苗トレイ100の縦方向及び横方向のうちの一方の方向(本実施形態においては長辺114a方向)に延びる基部11と、基部11に直交する方向に延びる複数の押さえ部12とを有する。
ここで、本実施形態においては、飛び出し防止部材10は、PP(polypropylene)樹脂の板状の部材を加工することで形成される。板状のPP樹脂の厚み寸法は、1.0mm〜1.5mm(一例として、1.2mm)程度が好ましい。なお、飛び出し防止部材10の材質は、PP樹脂に限ることはなく、PET(polyethylene terephthalate)樹脂、PS(polystyrene)樹脂、PVC(polyvinyl chloride)樹脂等を用いてもよい。なお、PP樹脂よりも硬い材質であれば、飛び出し部材10の厚み寸法を、上記の例よりも小さくすることができる。
基部11は、育苗トレイ100の長辺114a方向の長さ寸法と略同じ長さ寸法を有する。また、基部11は、押さえ部12が形成されていない片側部に、育苗トレイ100の周縁部114と係合する突出部としての傾斜部11aが形成される。傾斜部11aは、基部11の一部が、長手方向に沿って下方に折れ曲げられることで形成される。そのため、基部11の長手方向の強度を増すことができ、基部11が長手方向に撓むことを抑制することができる。
押さえ部12は、基部11の長手方向の片側から基部11に直交する方向に延びるように設けられており、先端側は、先端12aに向けて幅寸法が小さくなるように傾斜している。押さえ部12の長さ寸法は、飛び出し防止部材10を育苗トレイ100に装着した際に、周縁部114から先端12aが突出しない長さ寸法を有する。押さえ部12の幅寸法は、育苗トレイ100の短辺114b方向に並ぶ収容部110の一部を上方から覆うことができる幅寸法を有する。また、押さえ部12は、育苗トレイ100の長辺114a方向に隣接する収容部110の間隔に等しい間隔で配置される。本実施形態においては、押さえ部12は、17本形成される。
続いて、本実施形態にかかる飛び出し防止部材10を育苗トレイ100に装着する方法について説明する。育苗トレイ100の各収容部110には、それぞれ、土壌と種又は苗が収容され、収容部110毎に1本の苗が育苗される。苗が、出荷するのに十分に育苗されると、搬送時に収容部110から土壌及び苗が飛び出るのを防止するために、図2に示すように、飛び出し防止部材10を装着する。装着は、育苗トレイ100の一方の長辺114a側から飛び出し防止部材10を挿入することで行われる。
詳しくは、飛び出し防止部材10の押さえ部12を、収容部110の上面部113に沿わせるようにして挿入する。このとき、押さえ部12は、育苗トレイ100の間隔部113a及び周辺部113bの上を覆う位置に配置されるため、収容部110の中央付近は、押さえ部12によって干渉されない。そのため、押さえ部12が苗に接触することなく、押さえ部12を挿入することができる。また、押さえ部12の先端12a付近は、先端12aに向けて傾斜しているため、挿入の際に、押さえ部12の先端12aによって苗を傷めることもない。
飛び出し防止部材10を育苗トレイ100に装着した状態を図3に示す。このとき、飛び出し防止部材10の基部11側においては、突出部としての傾斜部11aが、育苗トレイ100の周縁部114の長辺114aに係合することで、押さえ部12の必要以上の挿入を防止する。これによって、押さえ部12の先端12aは、育苗トレイ100の長辺114aを越えない位置まで挿入されて位置決めされると共に、基部11と苗との接触を防止する。また、押さえ部12の幅寸法は、間隔部113aの幅寸法よりも広いため、押さえ部12によって、収容部110の一部を上方から覆うことができる。そのため、収容部110内の土壌及び苗が飛び出ることを防止することができる。
飛び出し防止部材10を装着した育苗トレイ100は、出荷のために、図示しない段ボール箱に収容される。このとき、育苗トレイ100を段ボール箱に収容する際には、飛び出し防止部材10の上方向への移動(浮き上がり)を防止することが好ましい。押さえ部12の先端12aの浮き上がりを防止するためには、例えば、図に二点鎖線で示すように、押さえ部12の先端12aの近傍に、浮き止め部材13を取付けてもよい。浮き止め部材13は、育苗トレイ100の長辺114aと略同じ長さ寸法を有する棒状又は板状の部材であって、飛び出し防止部材10の基部11とは反対側の長辺114a側から取付ける。浮き止め部材13の両端部は、傾斜させて、育苗トレイ100の周縁部114の短辺114bに粘着テープ等で留めてもよく、短辺114bの端部に係合させるように構成してもよい。なお、浮き止め部材13を用いることなく、各押さえ部12の先端12a付近を、粘着テープ等によって育苗トレイ100の周辺部113bや周縁部114に直接留めてもよい。
一方、飛び出し防止部材10の基部11側は、育苗トレイ100の長辺114aと同じ長さ寸法を有しており、重量があるため、あまり浮き上がることはない。そのため、基部11の浮き上がり防止のためには、特に何もしなくてもよいが、基部11と育苗トレイ100の周縁部114の長辺114aとを、粘着テープ等によって留めておくことが好ましい。
飛び出し防止部材10が装着された育苗トレイ100が段ボール箱に収容されると、育苗トレイ100の周縁部114の周囲が囲われるため、飛び出し防止部材10の移動が規制される。そのため、押さえ部12は、縦方向又は横方向に移動することがなく、安定して収容部110の一部を覆うことができる。このようにして、育苗トレイ100を段ボール箱に収容して、苗の出荷を行うことができる。なお、本実施形態においては、周縁部114に係合する突出部は、基部11の長手方向全体に亘って下方に折り曲げた傾斜部11aを示したが、これに限ることはない。基部11の一部が周縁部114に係合すればよいため、基部11の一部を切り欠いて下方に折り曲げることで、部分的に突出した傾斜部を形成してもよく、基部11に、下方に突出した凸部や突起等の突出部を形成してもよい。
続いて、本発明にかかる苗の飛び出し防止部材の第2実施形態について説明する。飛び出し防止部材20は、基部21及び押さえ部22を有する点は、上述の実施形態と同じであるが、本実施形態においては、図4に示すように、押さえ部22の長さ寸法を、育苗トレイ100の周縁部114の短辺114bの長さ寸法の約半分の長さ寸法としている。なお、その他の構成は、上述の飛び出し防止部材10の構成と同じであるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態の飛び出し防止部材20は、押さえ部22の長さ寸法が、育苗トレイ100の短辺114bの長さ寸法の半分の長さ寸法であるため、育苗トレイ100の短辺114b方向に並ぶ収容部110のうちの半分の収容部110の一部を上方から覆うことができる。また、図4に示すように、2個の飛び出し防止部材20の各押さえ部22を、育苗トレイ100の対向する両側の長辺114a側から挿入することで、一方の辺側から挿入された押さえ部22によって、育苗トレイ100の短辺114b方向(挿入方向)に並ぶ収容部110のうち半分の収容部110の一部を上方から覆うことができる。また、他方の辺側から挿入された押さえ部22によって、残りの収容部110の一部を覆うことができる。
このようにして、2つの飛び出し防止部材20は、各押さえ部22の先端22aが対向するように育苗トレイ100に装着される。このとき、押さえ部22の長さ寸法が、上述の実施形態に示す押さえ部12(図1参照)の長さ寸法よりも短いため、撓みを減少することができる。そのため、飛び出し防止部材10の先端22aの浮き上がりを抑制することができる。なお、本実施形態においては、押さえ部22の先端22aの浮き上がりが抑制されるため、上述の実施形態で示した浮き止め部材13(図3参照)は、不要とすることができる。
ここで、図5に基づいて、本実施形態の飛び出し防止部材20の製造方法について説明する。飛び出し防止部材20は、各辺が、育苗トレイ100の周縁部114の長辺114a及び短辺114bの長さ寸法以上の長さ寸法を有する一枚の板状部材20Pに対して、図5(a)に示すように、短辺114b方向に並ぶ複数の収容部110の一部が露出可能な複数の開口PAを等間隔に形成する。なお、図示においては、開口PAは、押さえ部22の先端22a付近に形成される傾斜を含んだ形状をしているが、この傾斜を有することなく、単に長方形の形状であってもよい。
次に、図5(b)に示すように、板状部材20Pに形成された開口PAの長辺側の中央を、板状部材20Pの長辺方向(図5(b)に二点鎖線で示す)に切断する。さらに、各飛び出し防止部材20の基部21の中央を、基部21の長辺方向に折り曲げ加工することで、傾斜部21aを形成する。このようにして、本実施形態にかかる2個の飛び出し防止部材20を形成することができる。
本発明にかかる苗の飛び出し防止部材の第3実施形態について説明する。本実施形態においては、図6(a)に示すように、飛び出し防止部材30の押さえ部32には、厚み方向の上方に突出し、長手方向に延びる補強リブ33が形成される。なお、本実施形態にかかる飛び出し防止部材30は、上述の実施形態と同様に、基部31及び押さえ部32とを有するが、図6には一部のみを図示す。押さえ部32に補強リブ33を形成することによって、厚み方向の強度が増加するため、押さえ部32の撓みを抑制することができる。そのため、飛び出し部材30の押さえ部32の厚み寸法を、上述の実施形態における飛び出し防止部材10、20の半分(一例として0.5mm〜0.6mm)程度の厚み寸法を有する薄板状部材を用いることができる。なお、この厚み寸法は、この値に限ることはなく、飛び出し部材30の材質に応じて、適宜設定することができる。
本実施形態においては、図6(b)に示すように、補強リブ33は、一定の高さ寸法を有する。これによって、押さえ部32の厚さ方向の強度を増加することができる。そのため、飛び出し防止部材30を、薄板状部材で形成したとしても、押さえ部32を育苗トレイ100の一辺側から挿入する際に、押さえ部32が、撓みによって収容部110の側面部112等に引っ掛かることがなく、確実に挿入することができる。そのため、飛び出し防止部材30を育苗トレイ100に容易に装着することができる。
ここで、補強リブ33は、図6(c)に示すように、押さえ部32の基部31側から先端32a側に向かって、漸次その高さ寸法が小さくなるように傾斜させてもよい(図示では補強リブ33aで示す)。これによって、育苗トレイ100の収容部110に収容される苗の茎が平面状に広がっていたとしても、傾斜を有する補強リブ33aによって茎に引っ掛かることなく押さえ部32を確実に挿入することができる。なお、補強リブは、図示のように全体が傾斜していてもよく、先端32a近傍の補強リブ33のみが傾斜しており、他の領域は一定の高さを有していてもよい。
本実施形態においては、補強リブ33は、押さえ部32の幅方向の中央付近の一箇所に形成したが、これに限定することはない。押さえ部32の幅方向に、複数の補強リブを並列して形成してもよい。また、補強リブは、平面視で長方形に限ることもなく、基部31側に向かうに従って幅寸法が増大する三角形や台形のような形状であってもよい。
本発明にかかる苗の飛び出し防止部材の第4実施形態について説明する。図7(a)及び(b)に示すように、本実施形態においては、押さえ部42の育苗トレイ(図示せず)に載置される側の面の先端42a付近に、先端42aに向かうに従って上方に傾斜する傾斜部43が形成される。なお、本実施形態においては、他の構成は上述の実施形態のいずれの形状であってもよいため、図7には特徴部分のみを示し、他の構成の図示を省略している。
本実施形態においては、図7(b)に示すように、板状の飛び出し防止部材40の押さえ部42の先端42a近傍を上方に折り曲げることで、傾斜部43を形成している。これによって、押さえ部42を育苗トレイ100の一辺側から挿入する際に、押さえ部32の撓みによって、押さえ部42の先端42aが、収容部110の上端近くに延びている苗や収容部110の上端への突っかかりを防止することができる。そのため、飛び出し防止部材40を容易に育苗トレイ100に装着することができる。また、押さえ部42を挿入する際に、収容部110の上端に突っかかり、押さえ部42が上方に撓むことに起因して収容部110の苗を傷つけることを防止することができる。
なお、図7においては、飛び出し防止部材40は、板状の部材で形成しているが、これに限ることはなく、図8に示すように、押さえ部42を、角材や丸材の棒状部材で形成してもよい。押さえ部42が角材である場合には、図8(a)に示すように、飛び出し防止部材40Aの押さえ部42Aの下面側の先端42Aa付近に、先端42Aaに向けて上方に傾斜する傾斜部43Aを形成する。また、押さえ部42が丸材である場合には、図8(b)に示すように、飛び出し防止部材40Bの押さえ部42Bの先端42Baに向けて、漸次径が小さくなるような円錐部43Bを形成してもよい。この場合も、押さえ部42Bの先端42Ba付近には、先端42Baに向けて傾斜する傾斜部43Baが形成される。このように、いずれの場合であっても、押さえ部42A、42Bの先端42Aa、42Ba付近には、先端42Aa、42Baに向かうに従って上方に傾斜する傾斜部43A、43Baを有するため、押さえ部42A、42Bを育苗トレイ100の一辺側から挿入する際には、上記と同様に、押さえ部42A、42Bが収容部110の上端に突っかかることなく、飛び出し防止部材40A、40Bを容易に育苗トレイ100に装着することができる。
本発明にかかる苗の飛び出し防止部材の第5実施形態について説明する。図9(a)に示すように、本実施形態においては、飛び出し防止部材50の基部51及び押さえ部52の基部51側の端部付近に、育苗トレイ100の収容部110に係合可能な突起53a、53bが形成されている。詳しくは、基部51及び押さえ部52の一部を切欠いて、下方に折り曲げることで、飛び出し防止部材50の下面よりも下方に突出した突起53a、53bが形成される。
このような突起53を有する飛び出し防止部材50を、育苗トレイ100への装着した状態を図9(b)に示す。図示のように、基部51及び押さえ部52に形成された突起によって、育苗トレイ100の収容部110は、三方から係合される。そのため、育苗トレイ100に装着された飛び出し防止部材50の移動を防止することができ、装着状態を確実に維持することができる。
図9(b)中のA−A方向の断面図を図10(a)に示し、B−B方向の断面図を図10(b)に示す。図10(a)に示すように、飛び出し防止部材50の短辺114b方向の移動は、基部51に形成された突起53a及び基部51の傾斜部51bによって抑制される。また、図10(b)に示すように、飛び出し防止部材50の長辺114a方向の移動は、押さえ部52に形成された突起53bが隣り合う収容部110の側面部112に係合することによって抑制される。
本実施形態の飛び出し防止部材50を育苗トレイ100に装着する際には、上記と同様に、押さえ部52を育苗トレイ100の一辺側から挿入する。このとき、飛び出し防止部材50に形成される突起53は、飛び出し防止部材50の下面よりも下方に突出しているため、突起53が、周縁部114及び上面部113(図10(a)参照)に当接すると、押さえ部52及び基部51の一部が少し上方に持ち上がった状態となる。そのような状態で、更に押さえ部52の挿入を行うと、突起53が、育苗トレイ100の収容部110に嵌まり込むため、押さえ部52及び基部51は、元の平坦な状態となる。これによって、飛び出し防止部材50の位置決めができると共に、装着した飛び出し防止部材50の平面方向(縦方向又は横方向)の移動を防止することができる。なお、基部51に形成される突起53aは、必須ではなく、押さえ部52の基部51側付近に形成される突起53bのみを有していてもよい。
本発明にかかる苗の飛び出し防止部材の第6実施形態について説明する。飛び出し防止部材60は、基部61と押さえ部62とを有することは、上述の実施形態と同じであるが、本実施形態においては、図11に示すように、飛び出し防止部材60の押さえ部62の、育苗トレイ200の収容部210(詳細は後述)に対応する位置に、収容部210の一部を覆う面積を少なくする切欠き部63が形成される、詳しくは、押さえ部62の長さ方向に、所定の間隔で、幅寸法を部分的に小さくした凹形状の切欠き63が形成される。本実施形態においては、切欠き63を円弧形状としている。切欠き63は、育苗トレイ200に形成される収容部210に対応する位置に、収容部210の間隔と等しい間隔で形成される。なお、他の構成は、上述の飛び出し防止部材と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ここで、本実施形態においては、上述の育苗トレイ100とは、異なる形状の育苗トレイ200を示す。図12に示すように、育苗トレイ200には、円形の底面部211と、円筒形の側面部212とを有する収容部210が形成される。側面部212は、底面部211から上方に向かうに従って、漸次径寸法が大きくなる形状である。また、収容部210は、育苗トレイ200の長辺方向に8個、短辺方向に4個、計32個が、それぞれ等間隔に配置される。なお、周縁部214(長辺214a、短辺214b)は、上述の育苗トレイ100の周縁部114と同じ寸法を有する。また、排水孔211a及び上面部213(間隔部213a、周辺部213b)については上述の育苗トレイ100と同様であるため、詳細な説明を省略する。育苗トレイ200においては、凹部115(図16、図17参照)は有しない。
図12には、このような育苗トレイ200に、本実施形態の飛び出し防止部材60を装着する際に、押さえ部22の一部が、育苗トレイ200の一辺(図示では長辺214a)方向から挿入された状態を示す。図示のように、押さえ部62によって、収容部210の一部が覆われる。このとき、押さえ部62によって収容部210の一部を覆うが、切欠き63によって、収容部210を覆う面積が小さくなるため、収容部210の開口面積が大きくなる。これによって、収容部210内の苗が、中央からずれた位置で育苗されても、押さえ部62と接触することはないため、育苗トレイ200の搬送中に、苗が傷つくことを防止することができる。
なお、本実施形態において、収容部の一部を覆う面積を少なくする切欠き部を、押さえ部62だけでなく、同様に基部61に形成してもよい。また、切欠き63の形状は、円弧形状に限ることはない。図13(a)に押さえ部62Aの一部を示すように、切欠き63Aは、押さえ部62Aの幅方向内側に向かって傾斜する直線で、くの字形状に形成してもよい。また、図13(b)に示すように、切欠き63Bは、くの字形状の途中に押さえ部62bの縁辺と平行になる領域を設けてもよい。
本発明にかかる苗の飛び出し防止部材の第7実施形態について説明する。図14(a)に示すように、本実施形態においては、飛び出し防止部材70には、基部71に連結されて、押さえ部72と同方向に延びると共に、押さえ部72の下方側に位置し、押さえ部72と所定の間隔を隔てて対向する浮き上がりを防止部73を更に有する。詳しくは、この浮き上がり防止部73は、飛び出し防止部材70の基部71の下端かつ左右の両端に形成されて押さえ部72と平行な方向に延びる。また、浮き上がり防止部73は、育苗トレイ100の周縁部114の下面に係合することで、押さえ部72の浮き上がりを防止する(図14(b)参照)。このような浮き上がり防止部73を有する飛び出し防止部材70は、例えば、射出成型によって、一体的に形成される。
図14(a)には、育苗トレイ100の一方の長辺114a側から飛び出し防止部材70を挿入する途中の状態を示す。図示のように、浮き上がり防止部73は、育苗トレイ100の長辺114a側の両端に位置する収容部110の側面部112の外側に沿わせることで、押さえ部72の挿入をガイドする。そのため、押さえ部72を斜めに挿入することはなく、容易に真っ直ぐに挿入することができる。これによって、押さえ部72を挿入する際に、押さえ部72の幅方向の縁辺によって苗を傷つけることを防止することができる。また、飛び出し防止部材70を装着した状態では、図14(b)に示すように、押さえ部72と浮き上がり防止部73とによって、育苗トレイ100を上下方向から挟むように配置されるため、飛び出し防止部材70の上下方向の移動を規制することができる。そのため、育苗トレイ100の搬送中に、押さえ部72の浮き上がりを防止することができ、土壌及び苗が収容部110から飛び出すことを確実に防止することができる。
本実施形態においては、飛び出し防止部材70と浮き上がり防止部73とを一体的に形成した例を示したが、これに限ることはなく、図15(a)に示すように、浮き上がり防止部73Aを独立した別部材(浮き上がり防止部材74A:詳細は後述)として、基部71B及び押さえ部72Bを含んで構成される着脱部76B(図15(b)参照)に対して着脱可能としてもよい。上述の実施形態においても示したように、育苗トレイは、収容部の形状や数に応じて、様々な種類がある。そのため飛び出し防止部材は、収容部の種類に応じて異なる種類のものが製造される。しかし、育苗トレイは、縦方向及び横方向のサイズは一定であり、外周部の長辺及び短辺の長さ寸法は、育苗トレイの種類が異なっても同じである。そこで、共通の部材としての浮き上がり防止部材74Aを製造して、基部及び押さえ部材(着脱部)に対して着脱可能とすることにより、製造時における部材の共通化を行うことができる。
図15(a)に示すように、浮き上がり防止部材74Aは、基部71Aと、基部71Aの両端に連結される浮き上がり防止部73Aとを有する。基部71Aは、平坦部と傾斜部とを有しており、平坦部には、連結のためのネジ孔75Aが複数個形成される。一方、浮き上がり防止部材74Aに着脱可能に連結される着脱部76Bは、図15(b)に示すように、基部71B及び押さえ部72Bを有する。ここで、着脱部76Bの基部71Bは、傾斜部を有することなく、浮き上がり防止部材74Aの基部71Aのネジ孔75Aに対応する位置には、ネジ孔75Aと同数のネジ孔75B(図示では5個)が形成される。浮き上がり防止部材74Aと、着脱部76B(基部71A及び押さえ部72B)とを、ネジ孔75A、75Bにネジ(図示せず)によってネジ止めすることによって、一体化した飛び出し防止部材70Bを形成することができる。
また、浮き上がり防止部材74Aを別部材としたため、図15(c)に示すように、浮き上がり防止部材74Aに、他の種類の着脱部76C(基部71C及び押さえ部72C)を同様にネジ止めすることで、他の種類の飛び出し防止部材70Cを容易に形成することができる。このように、育苗トレイの種類に応じて、種々の基部71及び押さえ部72を有する着脱部76を準備して、浮き上がり防止部材74Aに対して、連結することで、様々な種類の飛び出し防止部材70を容易に準備することができる。
なお、浮き上がり防止部材74Aと、基部71B及び押さえ部72Bとの連結は、ネジ止めに限ることはなく、例えば、図15(a)に示す浮き上がり防止部材74Aのネジ孔75Aに相当する位置に、ピンを形成して、着脱部76Bの基部71Aのネジ孔75Aに対応する位置に、ピンが嵌合可能な嵌合孔を形成してもよい。なお、ネジ孔75A、ピン及び嵌合孔の位置や数は、図示の例に限ることなく適宜設定することができる。このように、浮き上がり防止部材74Aと、基部及び押さえ部とを別体として、それぞれ着脱可能とすることによって、異なる種類の飛び出し防止部材を容易に製造することができる。
また、本実施形態においては、浮き上がり防止部73、73Aを、基部71、71Aの左右の両端の2箇所に形成したが、これに限るものではない。例えば、基部71、71Aの左右のどちらか一方の端部の1箇所のみに形成してもよく、3箇所以上に形成してもよい。いずれにしても、飛び出し防止部材70、70Bの押さえ部の挿入時には、浮き上がり防止部73、73Aによってガイドされることで、容易に挿入することができる。また、押さえ部72、72Aと浮き上がり防止部73、73Aとによって、育苗トレイ100を上下方向から挟み込むことで確実に押さえ部72、72Bの浮き上がりを防止し、飛び出し防止部材70、70Bの装着状態を維持することができる。
なお、上記の実施形態においては、例えば、図2に示すように、押さえ部12は、育苗トレイ100の収容部110を、図示の左右方向の両側から一部を上方から覆うように配置したが、これに限ることはない。押さえ部12によって収容部110の左右方向のいずれか一方側から一部を覆うようにしてもよい。具体的には、図2に示す例では、飛び出し防止部材10は、17本の押さえ部12を形成したが、収容部110に対して、押さえ部12によって片側からのみ覆うようにしてもよい。つまり、左右の両端の押さえ部12を含んで、一本おきに形成することで、9本としてもよく、左右の両端を含むことなく、8本の押さえ部12を形成してもよい。
また、上記実施形態においては、飛び出し防止部材10の基部11は、育苗トレイ100の長辺114a方向に延びる例を示したが、これに限ることはなく、基部11を、育苗トレイ100の短辺114b方向に延びるように形成してもよい。このとき、押さえ部12は、育苗トレイ100の長辺114a方向に延びるように形成される。なお、押さえ部12が長尺になれば、撓みが発生して押さえ部12の挿入が困難になる恐れがあるため、第2実施形態に示すように、押さえ部12の長さ寸法を、育苗トレイ100の長辺方向に並ぶ収容部110の半分の長さ寸法として、育苗トレイ100の両側から飛び出し防止部材10を挿入するようにしてもよい。また、押さえ部12の厚み寸法を増して剛性を有するようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
10 飛び出し防止部材
11 基部
12 押さえ部
100 育苗トレイ
110 収容部
113 上面部

Claims (9)

  1. 内部に土壌及び該土壌中で育苗された苗を収容可能で、縦方向及び横方向に配置された複数の収容部を有する育苗トレイの上面側に載置されて、前記土壌及び苗の飛び出しを防止する土壌及び苗の飛び出し防止部材であって、
    前記育苗トレイの縦方向及び横方向のうちの一方の方向に延びる基部と、
    前記基部から、前記育苗トレイの縦方向及び横方向のうちの他方の方向に延びる複数の押さえ部とを有し、
    前記各押さえ部は、前記育苗トレイに載置される側の面の先端付近に、前記先端に向かうに従って、上方に傾斜する傾斜部を形成し、前記育苗トレイの前記他方の方向に並ぶ前記収容部の一部を上方から覆うように前記育苗トレイの上面に載置されることを特徴とする土壌及び苗の飛び出し防止部材。
  2. 前記基部は、前記育苗トレイの上面側の周縁部と係合する突出部を有することを特徴とする請求項1に記載の土壌及び苗の飛び出し防止部材。
  3. 前記押さえ部は、前記育苗トレイの前記他方の方向に並ぶ前記収容部のうちの半分の収容部の一部を上方から覆う長さ寸法を有し、前記押さえ部を前記育苗トレイの対向する辺の両側から、前記押さえ部の先端が対向するように装着することを特徴とする請求項1又は2に記載の土壌及び苗の飛び出し防止部材。
  4. 前記押さえ部に、該押さえ部の長手方向に延びる補強リブを形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の土壌及び飛び出し防止部材。
  5. 前記補強リブは、前記押さえ部の基部側から先端側に向かって、漸次その高さ寸法が小さくなるように傾斜していることを特徴とする請求項4に記載の土壌及び苗の飛び出し防止部材。
  6. 前記押さえ部の前記基部側付近に、前記収容部に係合可能な突起を形成することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の土壌及び苗の飛び出し防止部材。
  7. 前記押さえ部は、前記各収容部に対応する位置に、前記収容部の一部を覆う面積を少なくする切欠き部を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の土壌及び苗の飛び出し防止部材。
  8. 前記基部に連結されて、前記押さえ部と同方向に延びると共に、前記押さえ部の下方側に位置し、前記押さえ部と所定の間隔を隔てて対向する浮き上がり防止部を更に有し、
    前記浮き上がり防止部は、前記育苗トレイの上面側の周縁部の下面に係合して前記押さえ部の浮き上がりを防止することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の土壌及び苗の飛び出し防止部材。
  9. 前記浮き上がり防止部は、前記基部に対して着脱可能に連結されることを特徴とする請求項に記載の土壌及び苗の飛び出し防止部材。
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