JP4125822B2 - 気液分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧空気等の気体中に含まれる水分等の液体を除去する気液分離装置、とくにエアモータ、エアブレーカ等の空気作動機械、粉塵吹き飛ばし用の空気吹き出し装置、乾燥冷却用空気吹き出し装置等へ供給される空気の除湿用として好適に用いることができる気液分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
気液分離装置の一つとして、従来よりフロンガス等の冷媒を用いた空気の除湿装置が知られている。この装置は、冷媒で高圧空気を冷却することによって空気中の水蒸気を凝縮して除去するもので、フロンガスなどの冷媒が必要であるため公害上の問題があり、また冷媒を圧縮するためのコンプレッサーやコンデンサー、高圧空気を冷却するための熱交換器などの装置が必要である。また作動させるための電源が必要であるためランニングコストも高いなどの問題がある。
【0003】
その他の除湿装置として、装置内に設けられたフィルターに高圧空気を通過させて高圧空気中の水分を除去するものが知られている。この装置では、使用によってフィルターが湿ってしまうと、フィルターを通過する高圧空気と共にフィルターに付着した水分がフィルタの裏面に押し出され、除湿した高圧空気が再び湿ってしまうという問題がある。フィルターが水分で飽和状態になれば、この問題はさらに顕著になり除湿効果が低下するため、定期的なフィルターの清掃及び交換を行わなければならない。
【0004】
このような問題点を解消するものとして、本発明者は、特開平8−290028号公報において圧縮空気の除湿装置を開示した。この除湿装置は、中空室を有する円筒体の側面下部に空気導入路と上部に排出路を設け、導入路の前面位置に空気を衝突させるための衝突面と衝突した空気の流れを変えるガイド部を備えたもので、中空室内には、中央を開口した円錐状の受板を配置し、さらに、この受板の上部に空気孔を有する邪魔板が設けられている。
【0005】
この装置によれば、空気導入路を通って中空室に導入された圧縮空気は衝突面で激しく衝突して、圧縮空気に含まれた水分は粒滴化し、直角に近い角度に向きが変えられ中空室の内面に沿うように中空室内に放出される。放出された空気は回転の遠心力によって比重の大きい水分と比重の小さい空気とに分離され、分離された水分は落下してドレンに収容され、除湿された空気のみが排出路から排出されることとなる。このようにこの除湿装置によれば、従来のようなコンプレッサなどの動力もまた交換が必要なエアフィルタも用いることなく、効率よく空気中の水分を除去することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特開平8−290028号公報において提案した除湿装置をさらに発展させ、より分離効果の高い気液分離装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
特開平8−290028号公報において提案した除湿装置の基本原理は、水分を含む気体を衝突面に激しく衝突させて液滴化させることと、さらにこの衝突させた気体を高速で回転させて気体と液体とを遠心分離することにある。したがってこの効果を高めるためには、導入された気体の衝突時におけるエネルギーロスを出来る限り少なくして円筒状容器内で高速で回転させることと、円筒状容器内の滞留時間をある程度長くして円筒状容器内での遠心分離を確実に行うようにすることが肝要である。
【0008】
すなわち本発明の気液分離装置は、内部に中空部を有する円筒状容器の側面に気体流入口を設けると共に同容器の上部に気液分離された気体を排出する排出口を設け、前記円筒状容器の内部であって前記気体流入口の前面位置に同気体流入口から供給された気体を衝突させる衝突面と衝突後の気体流れ方向を前記円筒状容器の内壁面に沿うように変えるガイド部を設け、さらに中央に通気口を有する略円錐状の受板を突出部が下向きとなるように前記中空室の上部に設けて前記中空室を上下に仕切り、前記受板で仕切られた上方の中空室を前記排気口と接続し、前記受板の上方位置に前記上方の中空室を区画する通気孔を備えた仕切り板を対向配置した気液分離装置であって、前記衝突面を前記円筒状容器の内壁面に倣った曲線状あるいは下流に向かって流路が広がるように傾斜させ、
前記受板の通気口上部であって前記仕切り板との間に通気孔を有する湾曲部材を配置し、同湾曲部材と前記受板上面との間に小室を形成したことを特徴とする。
【0009】
液体を含む高圧空気を衝突面に衝突させることで、どのようにして気体中に分散している液体が凝集し液滴化するのかという点について、そのメカニズムは必ずしも明らかではないが、ミスト状の液体を含む気体が衝突面に衝突すると、気体分は直ぐに方向を変えて出口から放出されるのに対し、液体分は直ぐに方向変換できず気体の流速に比べ遅くなり、衝突面の近傍に瞬間的に滞留した状態となる。この滞留したミスト状の液体粒子に次のミスト状液体粒子が結合し、順次これが繰り返されて水滴化するものと推察される。
【0010】
したがって、衝突面には適度なエネルギーで液体を含む気体を衝突させることが必要であるが、特開平8−290028号公報において提案した除湿装置においては、導入された気体が衝突面とほぼ直交するように衝突するものであるため、衝突後の気体方向を変える際にエネルギーロスが大きく、十分な回転力が得られないため遠心力による比重分離にも限界がある。
【0011】
本発明においては、このような問題を、衝突面を円筒状容器の内壁面に倣った曲線状あるいは下流側に向かって流路が広がるように傾斜させることによって解決したものである。なお、ここで円筒状容器の内壁面に倣った曲線状とは、ガイド部から円筒状容器の内壁面近傍に放出された気体が円筒状容器の壁に衝突することなく放出され、内壁面に沿うように回転するような形状をいう。
【0012】
また、衝突面を傾斜させる場合には、衝突により気液を分離させることと方向を変える際のエネルギーロスを少なくするという両方の条件を満たすことが必要で、そのためには、気体の流入方向と直交する面に対して1〜5°の傾斜、特に1〜3°の傾斜が望ましい。傾斜角が小さすぎると、エネルギーロスは少ない反面、衝突による液化すなわち気液分離が効率良く行えなくなるので上記範囲が望ましい。
【0013】
次いで上記気液分離装置の作用を空気中の水分の除去を例に説明する。水分を含んだ数気圧から数十気圧の高圧空気を気体流入口から送り込むことにより、空気は気体流入口から高速度で容器内に噴出して気体流入口の前面位置に設けられた衝突面に衝突する。その後ガイド部に案内されながら容器の内壁面に沿うように流れ方向を変え、その終端から円筒状容器内部へ吹き出される。
【0014】
前記したように、水分を含んだ空気が衝突面に激しく衝突することで、ミスト状の水粒子に次のミスト状水粒子が結合して水滴化し、さらにその後、高圧空気が気体流入口から吹き出し直ちにその流れの方向が容器の内壁面に沿った方向に変わることで、遠心力により比重分離がなされ、これによって、空気中の水分が分離されることとなる。
【0015】
ガイド部に沿って終端から円筒状容器内部へ吹き出された空気と水分は、円筒状容器の内周の曲率で曲げられた周速度をもって螺旋状に回転しながら排出口のある方へ上昇する。空気と水分は螺旋状に回転して上昇すると、上部にある円錐状受け板で遮られて円錐状受け板の下面に沿って一旦下降し、水滴化された水分が重力によって円筒状容器底面に設けられたドレンへ落下する。
【0016】
一方、水分が分離された空気は、漸次円錐状受け板の中央開口の方へ吸引されるように上昇し、中空室を介して排出口からその先にあるエアーツールなどへ供給されることとなる。本発明においては、受板の上方位置に上方の中空室を区画する通気孔を備えた仕切り板を対向配置したことにより、円錐状受け板の中央開口へ流れ込む空気が排出口へ直接流入しないようにしている。これによって、円筒状容器内での滞在時間が長くなり、遠心力による気液分離を確実に行ってから排出口へ供給することができるようになる。
【0017】
このように本発明の気液分離装置では、円筒状容器内において比重の大きい水分は空気と遠心分離されて、円筒状容器内壁と接触して水滴化し、また一部は円錐状受け板下面と接触して水滴化して下方へ流下し、円筒状容器底面に設けられたドレンへ集められて回収される。
【0018】
本発明の気液分離装置においては、さらに上記構成に加え、円錐状受板の中央開口上部であって仕切り板との間に、通気孔を備えた半球状の内面を有する湾曲部材を配置し、この湾曲部材と受板上面との間に区画された小室を形成している。
【0019】
半球状の内面を有する湾曲部材を設けて小室を形成することによって、円錐状受板で回収しきれなかった液体分が、さらに湾曲部材内面で捕捉され液滴化し、円錐状受け板の中央開口から円筒状容器底面へ落下してドレンに回収されることとなる。ここで、湾曲状としたのは、内面に付着した液滴を落下しやすくするためである。
【0020】
ここで、気液分離装置からの気体の吹き出し量が多すぎると、気液分離された気体がその勢いで円筒状容器内の液体を引き連れて放出されることとなるため、このようなことのないように吹き出し量を決定することが必要である。湾曲部材に設けられた通気孔を1カ所にすることで、吹き出し量のコントロールが容易となる。
【0021】
また、湾曲部材に設けられた通気孔と仕切り板に設けられた通気孔の位置が近すぎると、湾曲部材の通気孔から吹き出した気体は、仕切り板の通気孔からストレートに吹き出し、場合によっては、上記したように液体を引き連れることとなる。湾曲部材の通気孔と仕切り板の通気孔を湾曲部材の中心点を中心として180度反対側に設けることによって、湾曲部材の通気孔と仕切り板の通気孔を最も離すことが可能となり、湾曲部材の通気孔から放出された気体が、湾曲部材の外面と仕切り板の下面及び円筒状容器の内面で区画された空間内に一時貯留された状態となる。これによって、気液分離された気体による液体の連れ出しを効果的に防止することが可能となる。
【0022】
湾曲部材と仕切り板は一体でもまた別体でも良いが、特に上記したように湾曲部材と仕切り板に形成されたそれぞれの通気孔の位置関係を保持するためには、一体成形とするのが望ましい。
【0023】
気体流入口と衝突面との距離は3〜15mmの範囲、特に5〜6mmが望ましい。この距離が余り短いと圧力損失が大きくなり、逆に長すぎると、衝突による充分な分離効果が得られにくくなるため上記範囲が望ましい。また、衝突面に激しく気体を衝突させてその後向きを変えて遠心分離させるために、導入口に気体流速を増加させるためのノズル機構などからなる絞り部を備えることが望ましい。
【0024】
円筒状容器内部に設けられた衝突面とガイド部とは、エネルギーロスをできる限り少なくしスムーズな流れを確保するために、連続面を有する一体成形とすることが望ましく、またこの成形体の着脱を導入口から行うことができる着脱機構を設けることが望ましい。これによって、接続部からの気体の漏れが無くなり円筒状容器の気密性を維持し気液分離効果を高めることができる。
【0025】
また、円筒状容器内壁面と衝突面及びガイド部とで囲繞された流路空間を形成し、流入口から導入された気体がこの流路空間の出口(終端)から円筒状容器の内壁面に沿って吹き出すようにすることによって、流れ方向の制御が容易になるばかりでなく、いきなり開放された空間に放出するものにくらべエネルギーロスを防ぐことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下本発明の特徴を図面に示す実施の形態に基づいて具体的に説明する。図1は第1の実施の形態の気液分離装置の正面図、図2は図1に示す気液分離装置の一部縦断面図、図3は図2のA−A断面図、図4は図2に示す気液分離装置の吹出ガイド板を示す平面図、図5は同じく側面図、図6は図4のB−B断面図、図7は図1に示す気液分離装置の水分除去率を示す性能図、図8は図1に示す気液分離装置における空気の流れと水滴の分離状態を示す説明図である。
【0027】
図1〜図5を参照して、1は内径70mmの円筒状容器、1a は直径6mmの高圧空気導入口、1b は直径4mmの空気排出口、1cは円筒状容器上部の蓋部、2は円筒状容器1の底部に接続されたオートドレン、3は高圧空気導入口1aに接続された高圧空気給気パイプ、4は空気排出口1bに接続された高圧空気吐出管である。
【0028】
5は吹出ガイド部を形成する吹出ガイド板、5aはこの吹出ガイド板5の外周面と円筒状容器1の内壁面との間に区画形成された通気溝で、円筒状容器1の内壁面に倣った曲線状としている。通気溝5aの終端から円筒状容器1の内壁面近傍に放出された空気は、円筒状容器1の内壁面に衝突することなく放出され、内壁面に沿うように回転するようになっている。
【0029】
5bは吹出ガイド板5の取付孔、5cはこの取付孔5bに挿入される取り付けボルト、6は円筒状容器1の内部上方に設けられた円錐状受板、6aは円錐状受板6の中央に設けられた直径12mmの開口である。
【0030】
続けて、7は円錐状受板6の中央上方に熔着された湾曲部材としてのドーム、7aはドーム7に2カ所設けられた直径3mmの通気孔、8は隔壁、8aは隔壁8の2個の直径3mmの通気孔、9は第1小室、10は第2小室、11は第3小室をそれぞれ示す。
【0031】
次いで本実施の形態の気液分離装置の作用について説明する。水分を含んだ高圧空気が高圧空気給気パイプ3を経て高圧空気導入口1aから噴出すると、吹出ガイド板5の通気溝5aの溝面に当たって90°変向して通気溝5aに沿って円筒状容器1の内壁面の円周方向に送られる。
【0032】
高圧空気導入口1a (円筒状容器1の内壁面)と通気溝5aの当たり面の溝面との間隔は5mmであり、導入された空気は大きく変曲して衝突により空気中の水分の一部を分離し、通気溝5aに沿って通気溝5aの終端の開口から円筒状容器1内に吹き出し、螺旋流となって回転しながら上昇する。このように、吹出ガイド板5の外周面と円筒状容器1の内壁面との間に区画形成された通気溝5aを円筒状容器1の内壁面に倣った曲線状としているため、衝突により気液を効率よく分離させるとともに方向を変える際のエネルギーロスを少なくしている。螺旋流は上昇すると円錐状受板6に当たって、円錐状受板6の下面に沿って中心に向けて下降する。
【0033】
図8はこの状態を示し、螺旋流の回転によって遠心力で外側へ移動した水滴は、円筒状容器1の内壁面に付着してこの内壁面に沿って下方へ流下する。また内壁面に付着する前に比重分離して直接円筒状容器1の底面まで落下するものもある。
【0034】
螺旋流が円錐状受板6に当たると、水滴分は円錐状受板6の下面に付着し、円錐状受板6の下面に沿って流下して、中央開口6aの開口縁から円筒状容器1の底面へ重力によって落下する。円錐状受板6に当たった空気流に含まれる水分は空気とともに下方に運ばれ、途中で比重分離して円筒状容器1の底面に落下し、さらに落下した水滴はオートドレイン2へ回収される。
【0035】
一方、円筒状容器1の中央部の空気は上方に吸引されるように漸次上昇して中央開口6aから第1小室9へ流入する。円錐状受板6の中央開口6aから第1小室9へ、また通気孔7aから第2小室10へ、さらに空気孔8aから第3小室11へ送られ、迂回しながら第3小室11の空気排出口1bから空気吐出管4へ吐出される。
【0036】
本実施の形態で除湿の能力を測定するため、10気圧の高圧空気に図7に示す100〜500リットル/分の流量の空気流に対し着色したインクを混入した水を30cc/分の割合で100cc混入した空気を、高圧空気給気パイプ3に送り込んだ。図7のグラフはそのときのオートドレイン2に回収されたインク水の量を対空気流量との関係で示したものである。
【0037】
これから分かるように、300リットル/分までの流量に対しては略100%に近いインク水を回収できた。500リットル/分となって99%近くまでわずかに低下した。水はインクによって着色しているので、その円筒状容器内部の付着状況、残留状況は蓋部をはずすことで目視できる。その内部観察からもほとんど着色は見えず、水分の残留は確認できなかった。また高圧空気の圧力が3〜7気圧の場合も略同様な結果となり圧力値で性能変化はなかった。
【0038】
次いで第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態において第1の実施の形態の気液分離装置に対応するものは同じ符号を付してその説明を省略する。ここで、図9は第2の実施の形態の気液分離装置の正面図、図10は図9に示す気液分離装置の縦断面図、図11は図9に示す気液分離装置上部の分解斜視図、図12の(a)は衝突面及びガイド部を形成する部材の正面図、(b)は同じく側面図、(c)は同じく上面図、(d)は(a)のC−C断面図、図13は衝突面及びガイド部を形成する部材の組み込みの状態を示す分解斜視図、図14は図9に示す気液分離装置における空気及び水分の流れを示す説明図、図15は図14のD−D断面図をそれぞれ示す。
【0039】
本実施の形態で第1実施の形態と異なるのは、主として、第1実施の形態でいう吹出ガイド板5、円錐状受板6、ドーム7及び隔壁8にそれぞれ対応する構造部材である。
【0040】
まず第1の実施の形態の円錐状受板6に対応する受板31について説明する。本実施の形態では、中央に開口31aを設けた受板31底面の断面形状を円弧状、すなわち球面の一部を構成するようにしている。このように、先の実施の形態のように下面を直線状とせずに曲線状とすることにより、特に受板31の下面に付着した水滴の落下が容易になる。
【0041】
次いで、第1の実施の形態のドーム7及び隔壁8に相当する中間部材33について説明する。本実施の形態では、平面形状が円形の隔壁35とこの隔壁に垂下された湾曲部材37を一体成形している。さらに、隔壁35と湾曲部材37にはそれぞれ通気孔35a,37aを湾曲部材37の中心点を中心として180度反対側に設けている。本実施の形態では、隔壁35と湾曲部材37が一体成形であるため、この通気孔35a,37aの位置関係が変動することはない。
【0042】
このように、隔壁35に設けられた通気孔35aと湾曲部材37に設けられた通気孔37aを湾曲部材の中心点を中心として180度反対側に設けることにより、湾曲部材37の通気孔37aと隔壁35の通気孔35aを最も離すことが可能となり、湾曲部材37の通気孔37aから放出された空気が、湾曲部材37の外面と隔壁35の下面及び円筒状容器1の内壁面で区画された空間内に一時貯留された状態となる。これによって、気液分離された空気による水滴の連れ出しを効果的に防止することが可能となる。
【0043】
次いで、第1の実施の形態の吹出ガイド板5に相当する吹出ガイド部材41について説明する。吹出ガイド部材41は図12及び図13に明瞭に示すように、直線状の衝突面41aとこれに連なるガイド部41bを有し、円筒状容器1の内壁面と上記衝突面41a及びガイド部41bで区画される空間を通気溝41cとしている。さらに本実施の形態では衝突面41aを直線状とし、空気流入方向と直交する面から通路が広がる方に3度傾斜させている(第12図(d)のθ参照)。このような傾斜面を形成することで、面衝突による液化すなわち気液分離が効率良く行われ、かつその後の流れ方向の変化に伴うエネルギーロスを低くしている。
【0044】
図12,図13に戻って、41dは吹出ガイド部材41に設けられた雌ねじ、43はこの雌ねじ41dに螺合可能な雄ねじである。雄ねじ43は高圧空気導入口1aから挿入可能な外形を有し、その先端側には受け面となる突出部43bを形成すると共に突出部43bの径方向に締め付け用の切り溝43aを形成している。
【0045】
この吹出ガイド部材41は、雌ねじ41dが高圧空気導入口1aの前にくるように円筒状容器1内に配置し、雄ねじ43を高圧空気導入口1a側から挿入して吹出ガイド部材41の雌ねじ41dに螺合し締め付けることによって取り付けられる。このように、本実施の形態では、吹出ガイド部材41を高圧空気導入口1a側から接合可能としており、これによって第1の実施の形態で示す、取付孔5bと取付ボルト5cの隙間からの空気の漏れをなくすことができ、円筒状容器1内の気密性を維持することができるようになる。
【0046】
第2の実施の形態の気液分離装置によれば、第1の実施の形態で説明した様々な機能を有するのみならず、さらに上記したような効果を発揮することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によって以下の効果を奏することができる。
【0048】
(1)簡単な構造で可動部分もなく無動力でしかも高圧に至るまで、液体分の除去率をほぼ100%まで高めることができる。
【0049】
(2)衝突面を円筒状容器の内壁面に倣った曲線状あるいは下流側に向かって流路が広がるように傾斜させることによって、面衝突による液化すなわち気液分離が効率良く行われ、かつその後の流れ方向の変化に伴うエネルギーロスが低くなり、気液分離を効率良く行うことができる。
【0050】
(3)円錐状受板の中央開口上部であって仕切り板との間に通気孔を有する湾曲部材を配置することによって小室が形成され、円錐状受板で回収しきれなかった液体分が、さらに湾曲部材内面で捕捉され水滴化し、円錐状受け板の中央開口から円筒状容器底面へ落下してドレンに回収される。
【0051】
(4)仕切り板の通気孔と湾曲部材の通気孔とを湾曲部材の中心点を中心としてそれぞれ180度反対側に設けることによって、湾曲部材の通気孔と仕切り板の通気孔を最も離すことが可能となり、湾曲部材の通気孔から放出された気体が、湾曲部材の外面と仕切り板の下面及び円筒状容器の内壁面で区画された空間内に一時貯留された状態となる。これによって、気液分離された気体による液体の連れ出しを効果的に防止することが可能となる。
【0052】
(5)湾曲部材と仕切り板を一体成形することによって、湾曲部材と仕切り板に形成されたそれぞれの通気孔の位置関係を確実に保持することができる。
【0053】
(6)気体流入口と衝突面との距離を3〜15mmの範囲とすることによって、衝突による気液分離を行いつつ圧力損失を低く抑えることができる。
【0054】
(7)気体流入口に気体流速を増加させるための絞り部を備えることによって、衝突による気液分離効果、さらにはその後の遠心力による気液分離を効果的に行うことが可能となる。
【0055】
(8)円筒状容器内部に設けられた衝突面とガイド部とを一体に成形し、同成形体に同成形体の着脱を前記気体流入口側から操作可能な着脱機構を備えることによって、円筒状容器の気密性を維持し気液分離効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の気液分離装置の正面図である。
【図2】 図1に示す気液分離装置の一部縦断面図である。
【図3】 図2のA−A断面図である。
【図4】 図2に示す気液分離装置の吹出ガイド板の平面図である。
【図5】 図4に示す吹出ガイド板の側面図である。
【図6】 図4のB−B断面図である。
【図7】 図1に示す気液分離装置の水分除去率を示す性能図である。
【図8】 図1に示す気液分離装置における空気の流れと水滴の分離状態を示す説明図である。
【図9】 第2の実施の形態の気液分離装置の正面図である。
【図10】 図9に示す気液分離装置の縦断面図である。
【図11】 図9に示す気液分離装置上部の分解斜視図である。
【図12】 (a)は、衝突面及びガイド部を形成する部材の正面図、(b)は側面図、(c)は上面図、(d)は(a)のC−C断面図である。
【図13】 衝突面及びガイド部を形成する部材の組み込みの状態を示す分解斜視図である。
【図14】 図9に示す気液分離装置における空気及び水分の流れを示す説明図である。
【図15】 図14のD−D断面図である。
【符号の説明】
1 円筒状容器
1a 高圧空気導入口
1b 空気吹出口
1c 蓋部
2 オートドレン
3 高圧空気給気パイプ
4 高圧空気吐出管
5 吹出ガイド板
5a 通気溝
5b 取付孔
5c 取り付けボルト
6 円錐状受板
6a 開口
7 ドーム
7a 通気孔
8 隔壁
8a 通気孔
9 第1小室
10 第2小室
11 第3小室
31 受板
31a 開口
33 中間部材
35 隔壁
35a,37a 通気孔
37 湾曲部材
41 吹出ガイド部材
41a 衝突面
41b ガイド部
41c 通気溝
41d 雌ねじ
43 雄ねじ
Claims (7)
- 内部に中空部を有する円筒状容器の側面に気体流入口を設けると共に同容器の上部に気液分離された気体を排出する排出口を設け、前記円筒状容器の内部であって前記気体流入口の前面位置に同気体流入口から供給された気体を衝突させる衝突面と衝突後の気体流れ方向を前記円筒状容器の内壁面に沿うように変えるガイド部を設け、さらに中央に通気口を有する略円錐状の受板を突出部が下向きとなるように前記中空室の上部に設けて前記中空室を上下に仕切り、前記受板で仕切られた上方の中空室を前記排気口と接続し、前記受板の上方位置に前記上方の中空室を区画する通気孔を備えた仕切り板を対向配置した気液分離装置であって、前記衝突面を前記円筒状容器の内壁面に倣った曲線状あるいは下流に向かって流路が広がるように傾斜させ、
さらに前記受板の通気口上部であって前記仕切り板との間に通気孔を有する湾曲部材を配置し、同湾曲部材と前記受板上面との間に小室を形成したことを特徴とする気液分離装置。 - 前記仕切り板の通気孔と湾曲部材の通気孔とを湾曲部材の中心点を中心として180度反対側に設けたことを特徴とする請求項1記載の気液分離装置。
- 前記湾曲部材と仕切り板が一体成形されていることを特徴とする請求項2記載の気液分離装置。
- 前記気体流入口と衝突面との距離を3〜15mmの範囲としたことを特徴とする請求項1〜3記載の気液分離装置。
- 前記気体流入口に気体流速を増加させるための絞り部を備えたことを特徴とする請求項1〜4記載の気液分離装置。
- 前記円筒状容器内部に設けられた衝突面とガイド部とを一体に成形し、同成形体に同成形体の着脱を前記気体流入口側から操作可能な着脱機構を備えたことを特徴とする請求項1〜5記載の気液分離装置。
- 前記円筒状容器内壁面と衝突面及びガイド部とで囲繞された流路空間を形成し、前記流入口から導入された気体が前記流路空間終端の出口から前記円筒状容器の内壁面に沿って吹き出すようにしたことを特徴とする求項1〜6記載の気液分離装置。
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