JP4769164B2 - 工作機械および気液分離装置 - Google Patents

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本発明は、工作機械の稼働時に発生する油煙、水等の液体が混合された流体から液体を分離する気液分離装置を備えた工作機械および気液分離装置に関する。
工作機械は、材料の加工中に油性切削液や水溶性切削液から発生する油煙や水蒸気などのミストを除去するために、加工室内に気液分離装置を備える。従来の気液分離装置としては、フィルタを備え、加工室内に充満したミストを含んだ空気をフィルタに通してミストを除去するものがある(例えば特許文献1参照)。この特許文献1では、オイルミストを含んだ空気をファンで吸引し、ファンと同軸上に回転する円筒状のフィルタに通すことによってオイルミストを分離する。また、他の気液分離装置としては、遠心分離機構を備え、遠心力によってミストを凝集することにより、ミストを空気から分離するものがある(例えば特許文献2参照)。この特許文献2では、オイルミスト除去装置は、複数の電動ファンを有し、オイルミストを含む空気を電動ファンの中心側から吸い込み、電動ファンの外周側に配置されたケーシングの内周面に衝突させることにより、オイルミストを油滴化する。
これらいずれの方式の気液分離装置も、オイル等の液体を分離した後の空気は、加工室の外に排出され、工作機械外部の大気に解放されることとなる。
特許3264783号 特開平8-131737号公報
しかしながら、従来の気液分離装置では、気液分離装置によって分離しきれない微量の油分や水分は、工作機械外部に排出されてしまう。特に、作業環境の規制が厳しい近年では、より高性能な気液分離装置が好ましく、また作業環境のさらなる改善のためにもより確実に気液を分離できる気液分離装置が望まれている。
また、工作機械には通常、加工室の発火時に備えて、消火器が取り付けられている。ここで、近年では消化剤としてガス状のものが採用されているため、消火器が作動する際に気液分離装置を作動すると、消火剤も一緒に加工室外部に排出されてしまい、良好かつ迅速な消火効果が得られない。そこで、従来の気液分離装置には、消火器が作動する際には気液分離装置から大気への解放を阻止するための切換弁が設けられている。
ところがこのため、気液分離装置の構造自体や、消火器と連動させて切換弁を確実に作動させるための制御が複雑となってしまう。
本発明は、簡単な構造および制御で良好かつ確実に気液分離を行うことができる気液分離装置を備えた工作機械および気液分離装置を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、加工室内の気液混合流体から液体を分離する気液分離装置を有する工作機械であって、気液分離装置は、加工室内で前記気液混合流体を送風する送風機を備える、ことを特徴とする工作機械によって達成することができる。
この発明によれば、工作機械の気液分離装置が送風機を備えているので、気液混合流体が送風機によって加工室内で循環する。このとき、気液混合流体が加工室の内壁に接触または衝突することにより、液体粒子が凝集されて流体から分離される。また、気液混合流体が加工室内を強制循環するうちに、気液混合流体に含まれる液体の粒子同士が衝突することにより粒子が結合し、液滴化し、分離する。
気液分離装置の送風機が、加工室内の気液混合流体を加工室内で強制循環させることによって液体を分離するので、原理的に気液混合流体が加工室から外部に排出されることがない。つまり、従来のように気液混合流体から液体が分離されず微量の液体粒子を含んだままでも工作機械外部に放散してしまう方式とは異なり、流体を繰り返し加工室で循環させることにより従来の気液分離装置に較べてより確実に液体を分離することが可能となる。またこれにより、液体粒子を微量含んだ流体が工作機械外部に放出されることがないため、工作機械外部の作業環境がより良好となる。
さらに、加工室内の火災に備えて工作機械に消火器が設けられている場合では、加工室内に消火剤を噴霧した場合でも、気液分離装置は、送風機によって気液混合流体から液体を分離し、分離した流体を消火剤とともに加工室内で循環させる。したがって、消化剤が工作機械の外部に排出されることがなく、良好かつ効率的な消火効果が得られる。また、消火器を使用するか否かにかかわらず、液体分離後の流体を常に加工室内で循環させるので、従来の気液分離装置に設けられていた、工作機械外部への排出経路を開閉するための切換弁が不要となり、気液分離装置の構造が簡単になる。そして、液体分離後の流体を常に加工室内で循環させるので、消火器を使用したか否かを判断する必要もないから、気液分離装置の制御も簡単になる。これにより、気液分離装置、ひいては気液分離装置を備えた工作機械を安価に製造することが可能となる。また、送風機の送風能力を調整することにより、気液分離の能力も容易に調整可能となる。さらに、気液分離装置は、コンパクトユニット構造体であるため、新規の工作機械でも、中古(既存)の工作機械でも装置取付が自由自在である。
本発明の上記目的は、加工室内の気液混合流体から液体を分離する気液分離装置を有する工作機械であって、気液分離装置は、加工室内に開口し、加工室から気液混合流体を導入する流体導入口と、気液混合流体から液体を分離する分離手段と、液体が分離された流体を排出する流体排出口とを備え、分離手段は、導入された気液混合流体から液体を分離するセパレータと、該セパレータに気液混合流体を導入する送風機とを有し、セパレータは、渦状に形成された流路を有し、気液混合流体が流路内を外側から中心に向けて流れるように構成され、流路流体排出口は、液体が分離された流体が加工室内に還元されるように、加工室内に開口している、ことを特徴とする工作機械によって達成することができる。
この発明によれば、分離手段は、渦状の流路を有するセパレータを備えており、セパレータに導入された気液混合流体は、渦状の流路に沿って旋回しながら移動する。この際、気液混合流体が流路の内面に押しつけられたり、気液混合流体内の流体の粒子が流路を通りながら互いにぶつかることによって流体が凝集、結合し、分離しやすくなる。流路が渦状に形成されているので、セパレータの構造が簡単となり、セパレータの製造が容易となる。さらに、セパレータの流路が渦状に形成されているので、清掃などのメンテナンスが容易となる。
また、セパレータの流路は、渦状に形成されており、気液混合流体がこの渦状の流路を外側から中心に向かって流れる。気液混合流体が流路に沿って移動するに従って、液体は徐々に凝集するが、中心に向かうにつれて渦状の流路の円弧半径が小さくなるため、気液混合流体の旋回半径が小さくなり、流速が速くなる。したがって、気液混合流体に含まれる液体がより高速で流路の内面に衝突、接触したり、液体の粒子同士がより高速で衝突するため、液体がより凝集、結合し分離しやすくなる。よって流路の後半部分において液体粒子の含有量が少なくなった気液混合流体からも良好に液体を分離することが可能となり、気液分離性能が向上する。
さらに、流体導入口から導入された気液混合流体は、分離手段によって液体が分離され、流体排出口から再び元の加工室に還元される。つまり、この分離手段による流体の導入および排出により、加工室内でも流体が循環する。このとき、気液混合流体が加工室の内壁に接触または衝突することにより、液体粒子が凝集されて流体から分離される。また、気液混合流体が加工室内を強制循環するうちに、気液混合流体に含まれる液体の粒子同士が衝突することにより粒子が結合し、液滴化し、分離する。
気液分離装置が、加工室内の気液混合流体を加工室内で強制循環させることによって液体を分離するので、原理的に気液混合流体が加工室から外部に排出されることがない。つまり、従来のように気液混合流体から液体が分離されず微量の液体粒子を含んだままでも工作機械外部に放散してしまう方式とは異なり、流体を繰り返し加工室で循環させることにより従来の粒子を微量含んだ流体が工作機械外部に放出されることがないため、工作機械外部の作業環境がより良好となる。
そして、加工室内の火災に備えて工作機械に消火器が設けられている場合では、加工室内に消火剤を噴霧した場合でも、気液分離装置によって気液混合流体から液体を分離し、分離した流体を消火剤とともに加工室内で循環させる。したがって、消化剤が工作機械の外部に排出されることがなく、良好かつ効率的な消火効果が得られる。また、消火器を使用するか否かにかかわらず、液体分離後の流体を常に加工室内で循環させるので、従来の気液分離装置に設けられていた、工作機械外部への排出経路を開閉するための切換弁が不要となり、気液分離装置の構造が簡単になる。そして、液体分離後の流体を常に加工室内で循環させるので、消火器を使用したか否かを判断する必要もないから、気液分離装置の制御も簡単になる。これにより、気液分離装置、ひいては気液分離装置を備えた工作機械を安価に製造することが可能となる。また、送風機の送風能力を調整することにより、気液分離の能力も容易に調整可能となる。さらに、気液分離装置は、コンパクトユニット構造体であるため、新規の工作機械でも、中古(既存)の工作機械でも装置取付が自由自在である。
本発明の実施の形態においては、渦状の流路の横断面の面積は、外側から中心に向けて次第に小さくなっており、気液混合流体は、送風機によって渦状の流路の外側から中心に向けて流れるように導入される、ことが好ましい。
この実施の形態によれば、気液混合流体は、渦状の流路を外側から中心に向かって流れる。ここで、気液混合流体が流路に沿って移動するに従って液体は徐々に凝集するが、流路の横断面の面積が外側から中心に向けて次第に小さくなっているので、中心側に向かうにつれて流体が圧縮される。これにより、渦状の流路によって流速が速くなったことによる気液分離性能の向上に加えて流体の圧縮によっても、液体の含有率が少なくなった気液混合流体から良好に液体を分離できるから、気液分離効率が良好となる。
ここで、渦状の流路の横断面とは、流路内の流体の進行方向に直行する面をいう。
また、本発明の上記目的は、加工室内の気液混合流体から液体を分離する気液分離装置を有する工作機械であって、気液分離装置は、加工室内に開口し、加工室から気液混合流体を導入する流体導入口と、気液混合流体から液体を分離する分離手段と、液体が分離された流体を排出する流体排出口とを備え、分離手段は、導入された気液混合流体から液体を分離するセパレータと、該セパレータに気液混合流体を導入する送風機とを有し、セパレータは、径方向に対して傾斜した流路を有し、気液混合流体が、流路内を中心側から外側に向けて流れるように構成され、流体排出口は、液体が分離された流体が加工室内に還元されるように、加工室内に開口している、ことを特徴とする工作機械によって達成することができる。
この発明によれば、分離手段は、径方向に対して傾斜した流路を有するセパレータを備えており、セパレータに導入された気液混合流体は、流路に沿って中心側から外側に向けて径方向に対して傾斜して移動する。この際、気液混合流体が流路の内面に押しつけられたり、気液混合流体内の流体の粒子が流路を通りながら互いにぶつかることによって流体が凝集、結合し、分離しやすくなる。
また、流体導入口から導入された気液混合流体は、分離手段によって液体が分離され、流体排出口から再び元の加工室に還元される。つまり、この分離手段による流体の導入および排出により、加工室内でも流体が循環する。このとき、気液混合流体が加工室の内壁に接触または衝突することにより、液体粒子が凝集されて流体から分離される。また、気液混合流体が加工室内を強制循環するうちに、気液混合流体に含まれる液体の粒子同士が衝突することにより粒子が結合し、液滴化し、分離する。
気液分離装置が、加工室内の気液混合流体を加工室内で強制循環させることによって液体を分離するので、原理的に気液混合流体が加工室から外部に排出されることがない。つまり、従来のように気液混合流体から液体が分離されず微量の液体粒子を含んだままでも工作機械外部に放散してしまう方式とは異なり、流体を繰り返し加工室で循環させることにより従来の粒子を微量含んだ流体が工作機械外部に放出されることがないため、工作機械外部の作業環境がより良好となる。
さらに、加工室内の火災に備えて工作機械に消火器が設けられている場合では、加工室内に消火剤を噴霧した場合でも、気液分離装置によって気液混合流体から液体を分離し、分離した流体を消火剤とともに加工室内で循環させる。したがって、消化剤が工作機械の外部に排出されることがなく、良好かつ効率的な消火効果が得られる。また、消火器を使用するか否かにかかわらず、液体分離後の流体を常に加工室内で循環させるので、従来の気液分離装置に設けられていた、工作機械外部への排出経路を開閉するための切換弁が不要となり、気液分離装置の構造が簡単になる。そして、液体分離後の流体を常に加工室内で循環させるので、消火器を使用したか否かを判断する必要もないから、気液分離装置の制御も簡単になる。これにより、気液分離装置、ひいては気液分離装置を備えた工作機械を安価に製造することが可能となる。また、送風機の送風能力を調整することにより、気液分離の能力も容易に調整可能となる。さらに、気液分離装置は、コンパクトユニット構造体であるため、新規の工作機械でも、中古(既存)の工作機械でも装置取付が自由自在である。
本発明の実施の形態においては、流路は、略円弧状に湾曲した放射線状に形成されている、ことが好ましい。
この実施の形態によれば、流路が略円弧状に湾曲して、放射線状に形成されているので、中心側から外側に向けて流れる気液混合流体が、流路の壁にぶつかりやすくなる。したがって、気液分離混合流体から液体をより効率よく分離することができる。
本発明の他の実施の形態においては、流路には、内部を流れる流体の流れを分断する壁が設けられている、ことが好ましい。
この他の実施の形態によれば、流路に、壁が設けられているので、中心側から外側への流体の流れが、壁によって分断され、流路内での流体の流れがより複雑となる。したがって、気液混合流体が、流路を通るにしたがって、気液混合流体が流路の壁に衝突したり、液体粒子同士が衝突する機会が多くなり、より確実かつ効率的に液体を分離することができる。
本発明のさらに他の実施の形態においては、送風機は、セパレータに対して下流側に配置されている、ことが好ましい。
このさらに他の実施の形態によれば、送風機がセパレータに対して下流側に配置されているので、送風機に到達する流体はセパレータによって液体がほぼ除去された状態となる。したがって、送風機で凝集される液体の量を最小限に抑制することができ、従来電動ファンの遠心力によって液体を凝集する構造の気液分離装置と比較して、送風機の清掃などのメンテナンスが簡単になる。
本発明の別の実施の形態においては、送風機は、セパレータに対して上流側に配置されている、ことが好ましい。
この別の実施の形態によれば、送風機がセパレータに対して上流側に配置されているので、気液混合流体を送風機でより強力に吸引することが可能となる。したがって、より多くの流体をセパレータに導入することが可能となるから、加工室内の気液分離効率が向上する。
本発明のさらに別の実施の形態においては、気液混合流体を冷却する冷却手段を備えた、ことが好ましい。
この発明によれば、気液分離装置が冷却手段を備えているので、気液混合流体が冷却手段によって冷却され、液体が凝集しやすくなる。よって気液分離効率が向上する。また、冷却手段により、加工室内の気液混合流体の温度が低下するから、気液混合流体が熱膨張によって加工室の外部に漏れるのが抑制され、加工室の外部の作業環境がより向上する。
本発明の他の実施の形態においては、分離手段から排出された流体を収集する収集手段を更に有し、流体排出口は、流体導入口から所定距離隔てられた位置に配置され、収集手段で収集された流体を加工室内に排出する、ことが好ましい。
この他の実施の形態によれば、気液分離装置が収集手段を更に有するので、分離手段から排出された流体が収集手段によって収集され、流体排出口から加工室内に排出される。ここで、流体排出口は、流体導入口から所定距離隔てられた位置に配置されているので、排出された流体を分離手段が再び吸い込むのが防止される。したがって、加工室内の、液体が分離されるべき気液混合流体を効率よく分離手段に導入することができ、気液分離性能を良好に維持できる。
本発明の上記目的は、工作機械の加工室内の気液混合流体から液体を分離する気液分離装置であって、加工室内に開口し、加工室から気液混合流体を導入する流体導入口と、気液混合流体から液体を分離する分離手段と、液体が分離された流体を排出する流体排出口とを備え、分離手段は、導入された気液混合流体から液体を分離するセパレータと、該セパレータに気液混合流体を導入する送風機とを有し、セパレータは、渦状に形成された流路を有し、気液混合流体が流路内を外側から中心に向けて流れるように構成され、流体排出口は、液体が分離された流体が加工室内に還元されるように、加工室内に開口している、ことを特徴とする気液分離装置によって達成することができる。
この発明によれば、分離手段は、渦状の流路を有するセパレータを備えており、セパレータに導入された気液混合流体は、渦状の流路に沿って旋回しながら移動する。この際、気液混合流体が流路の内面に押しつけられたり、気液混合流体内の流体の粒子が流路を通りながら互いにぶつかることによって流体が凝集、結合し、分離しやすくなる。流路が渦状に形成されているので、セパレータの構造が簡単となり、セパレータの製造が容易となる。さらに、セパレータの流路が渦状に形成されているので、清掃などのメンテナンスが容易となる。
また、セパレータの流路は、渦状に形成されており、気液混合流体がこの渦状の流路を外側から中心に向かって流れる。気液混合流体が流路に沿って移動するに従って、液体は徐々に凝集するが、中心に向かうにつれて渦状の流路の円弧半径が小さくなるため、気液混合流体の旋回半径が小さくなり、流速が速くなる。したがって、気液混合流体に含まれる液体がより高速で流路の内面に衝突、接触したり、液体の粒子同士がより高速で衝突するため、液体がより凝集、結合し分離しやすくなる。よって流路の後半部分において液体粒子の含有量が少なくなった気液混合流体からも良好に液体を分離することが可能となり、気液分離性能が向上する。
さらに、流体導入口から導入された気液混合流体は、分離手段によって液体が分離され、流体排出口から再び元の加工室に還元される。つまり、この分離手段による流体の導入および排出により、加工室内でも流体が強制循環する。このとき、気液混合流体が加工室の内壁に接触または衝突することにより、液体が凝集されて流体から分離される。また、気液混合流体が加工室内を強制循環するうちに、気液混合流体に含まれる液体の粒子同士が衝突することにより粒子が結合し、液滴化し、分離する。
気液分離装置が、加工室内の気液混合流体を加工室内で循環させることによって液体を分離するので、原理的に気液混合流体が加工室から外部に排出されることがない。つまり、従来のように気液混合流体から液体が分離されず微量の液体粒子を含んだままでも工作機械外部に放散してしまう方式とは異なり、流体を繰り返し加工室で循環させることにより従来の気液分離装置に較べてより確実に液体を分離することが可能となる。またこれにより、液体粒子を微量含んだ流体が工作機械外部に放出されることがないため、工作機械外部の作業環境がより良好となる。
さらに、加工室内の火災に備えて工作機械に消火器が設けられている場合では、加工室内に消火剤を噴霧した場合でも、気液分離装置によって気液混合流体から液体を分離し、分離した流体を消火剤とともに加工室内で循環させる。したがって、消化剤が工作機械の外部に排出されることがなく、良好かつ効率的な消火効果が得られる。また、消火器を使用するか否かにかかわらず、液体分離後の流体を常に加工室内で循環させるので、従来の気液分離装置に設けられていた、工作機械外部への排出経路を開閉するための切換弁が不要となり、気液分離装置の構造が簡単になる。そして、液体分離後の流体を常に加工室内で循環させるので、消火器を使用したか否かを判断する必要もないから、気液分離装置の制御も簡単になる。これにより、気液分離装置、ひいては気液分離装置を備えた工作機械を安価に製造することが可能となる。また、送風機の送風能力を調整することにより、気液分離の能力も容易に調整可能となる。さらに、気液分離装置は、コンパクトユニット構造体であるため、新規の工作機械でも、中古(既存)の工作機械でも装置取付が自由自在である。
そして、気液分離装置がフィルター(濾過器)などを使用しないため、目詰まりを起こして分離効果が悪くなったりすることがない。したがって、フィルターの清掃等も不要となり、気液分離装置がメンテナンスフリーとなる。
本発明の上記目的は、工作機械の加工室内の気液混合流体から液体を分離する気液分離装置であって、加工室内に開口し、加工室から気液混合流体を導入する流体導入口と、気液混合流体から液体を分離する分離手段と、液体が分離された流体を排出する流体排出口とを備え、分離手段は、導入された気液混合流体から液体を分離するセパレータと、該セパレータに気液混合流体を導入する送風機とを有し、セパレータは、径方向に対して傾斜した流路を有し、気液混合流体が、流路内を中心側から外側に向けて流れるように構成され、流体排出口は、液体が分離された流体が加工室内に還元されるように、加工室内に開口している、ことを特徴とする気液分離装置によって達成することができる。
この発明によれば、分離手段は、径方向に対して傾斜した流路を有するセパレータを備えており、セパレータに導入された気液混合流体は、流路に沿って中心側から外側に向けて径方向に対して傾斜して移動する。この際、気液混合流体が流路の内面に押しつけられたり、気液混合流体内の流体の粒子が流路を通りながら互いにぶつかることによって流体が凝集、結合し、分離しやすくなる。
また、流体導入口から導入された気液混合流体は、分離手段によって液体が分離され、流体排出口から再び元の加工室に還元される。つまり、この分離手段による流体の導入および排出により、加工室内でも流体が循環する。このとき、気液混合流体が加工室の内壁に接触または衝突することにより、液体粒子が凝集されて流体から分離される。また、気液混合流体が加工室内を強制循環するうちに、気液混合流体に含まれる液体の粒子同士が衝突することにより粒子が結合し、液滴化し、分離する。
気液分離装置が、加工室内の気液混合流体を加工室内で強制循環させることによって液体を分離するので、原理的に気液混合流体が加工室から外部に排出されることがない。つまり、従来のように気液混合流体から液体が分離されず微量の液体粒子を含んだままでも工作機械外部に放散してしまう方式とは異なり、流体を繰り返し加工室で循環させることにより従来の粒子を微量含んだ流体が工作機械外部に放出されることがないため、工作機械外部の作業環境がより良好となる。
さらに、加工室内の火災に備えて工作機械に消火器が設けられている場合では、加工室内に消火剤を噴霧した場合でも、気液分離装置によって気液混合流体から液体を分離し、分離した流体を消火剤とともに加工室内で循環させる。したがって、消化剤が工作機械の外部に排出されることがなく、良好かつ効率的な消火効果が得られる。また、消火器を使用するか否かにかかわらず、液体分離後の流体を常に加工室内で循環させるので、従来の気液分離装置に設けられていた、工作機械外部への排出経路を開閉するための切換弁が不要となり、気液分離装置の構造が簡単になる。そして、液体分離後の流体を常に加工室内で循環させるので、消火器を使用したか否かを判断する必要もないから、気液分離装置の制御も簡単になる。これにより、気液分離装置、ひいては気液分離装置を備えた工作機械を安価に製造することが可能となる。また、送風機の送風能力を調整することにより、気液分離の能力も容易に調整可能となる。さらに、気液分離装置は、コンパクトユニット構造体であるため、新規の工作機械でも、中古(既存)の工作機械でも装置取付が自由自在である。
そして、気液分離装置がフィルター(濾過器)などを使用しないため、目詰まりを起こして分離効果が悪くなったりすることがない。したがって、フィルターの清掃等も不要となり、気液分離装置がメンテナンスフリーとなる。
本発明の気液分離装置およびこれを備えた工作機械によれば、簡単な構造および制御で良好かつ確実な気液分離効果を得ることができる。
以下、本発明の各実施形態について説明する。なお、第二実施形態以降で、第一実施形態と同様の構成を有するものについては同一の符号を付し、その説明を簡略化または省略する。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について図1から図3を参照して、以下に説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る工作機械1の全体図、図2は、本発明の第一実施形態に係る気液分離装置20の側断面図、図3は、図2のA-A平断面図である。
図1に示すように、工作機械1は、ベース11上に設けられた加工室12と、加工室12内に発生する油性切削液による油煙等のオイルミストや、水溶性切削液による水蒸気などの液体を含む気体(気液混合流体)から液体を分離する気液分離装置20とを備える。
加工室12は、カバー12Aで囲まれた領域であり、加工室12の内部には、主軸台13や刃物台14等が配置されている。工作機械1は、これらの主軸台13や刃物台14を用いて加工室12内において材料の切削等の機械加工を行う。
材料の加工中には、摩擦により材料及び刃が高温となるため、これらを冷却するために常に油性切削液や水溶性切削液等の液体が供給される。このとき、加工室12の内部は、加工中の熱によって油性切削液や水溶性切削液が蒸発しまたは飛散して、オイルミストや水蒸気などの霧状のミスト(液体粒子)が充満することとなる。
ベース11には、加工室12内での発火に備えて消火器15が取り付けられている。消火器15は、ガス状の消化剤を収納しており、加工室12の内部に連通している。消火器15は、工作機械1が過熱や火災を感知した場合に、消化剤を加工室12の内部に自動的に噴霧するように構成されている。
気液分離装置20は、加工室12の上面のカバー12Aに取り付けられており、図2に示すように、加工室12内に充満したミストを含んだ気体(空気)、つまり気液混合流体を導入するための流体導入口21と、気液混合流体から液体を分離する分離手段30と、液体が分離された後の流体を加工室12に再び還元するための流体排出口22とを備える。
流体導入口21は、分離手段30に連結された気液混合流体導入管23の端面に形成され、加工室12内の流体は、流体導入口21から気液混合流体導入管23を通って分離手段30に導入される。
分離手段30は、加工室12内の気液混合流体を吸引するための送風機31と、吸引された気液混合流体から液体を分離するセパレータ40とを備える。
送風機31は、回転軸33に固定された複数の羽根34を有し、送風機31の保護蓋として機能するカバー35に覆われている。回転軸33は、カバー35の中央部を貫通し、カバー35の外部においてモータ36と連結している。カバー35の外縁にはフランジ部37が形成され、このフランジ部37がセパレータ40との連結部分となっている。この送風機31は、セパレータ40と流体排出口22との間に配置されており、つまり気液分離装置20の中での流体の流れに関して、送風機31はセパレータ40に対して下流側に設けられている。
セパレータ40は、図2および図3に示すように、外側から中心に向かって渦状に形成された壁41の上下端を上面部材40Aおよび底面部材40Bで塞いだ略中空円柱状に形成されている。つまり壁41は、上端が上面部材40Aに接触し、かつ下端が底面部材40Bに接触しているため、壁41、上面部材40A、および底面部材40Bで囲まれた空間で流路42が形成される。このような構成により、流路42は、外側から中心に向かって渦状に形成される。
ここで、壁41は、内周側の壁41との距離が外側から中心に向かって次第に狭くなるように配置されており、したがって、流路42の横断面の面積は、外側から中心に向かって次第に小さくなる。ここで、流路42の横断面とは、流体の進行方向に直交する面をいい、流路42の横断面の面積とは、当該直交する面において上面部材40A、底面部材40B、および壁41で囲まれた領域の面積をいう。
上面部材40Aの中心側には、孔43が形成されており、この孔43は、カバー35内の空間に連通している。なお、孔43の外側の上面部材40Aは、送風機31側にベルマウスの原理により突出しているのがよく、これによりセパレータ40から送風機31への流体の流れがスムーズになる。
壁41の中心側の端部は孔43の外周に連結しており、これにより、流路42の中心側の端部は孔43と連通している。一方、壁41の外側の端部、つまり流路42の外側の端部は、流体導入口21の気液混合流体導入管23に連結している。
セパレータ40の底面部材40Bには、流路42の途中には、気液分離効果により分離された油(油性切削液)、水液(水溶性切削液)を加工室12の下面に存在する加工切削液面48の液面内部47(図1参照)に還元する複数(本実施形態では2つ)のドレイン44が設けられる。ドレイン44は、流路42両側の壁41のうち外側の壁41に近接した位置に設けられ、加工室12の下方に向かって加工切削液溜りの液面内部47に突出して設けられている。
また、セパレータ40の上面部材40Aは、壁41の外周縁よりも大きな円盤状に形成されており、したがって外縁部40Dが壁41よりも突出している。この外縁部40Dは、カバー35の取付部になると同時に、工作機械1への取付部ともなっている。つまり、カバー35のフランジ部37が外縁部40Dにねじ止めなどされることによりカバー35および送風機31が外縁部40Dに固定される。また、フランジ部37および外縁部40Dが加工室12の上面のカバー12Aにねじ止めなどされることにより、気液分離装置20が加工室12に固定される。すなわち、気液分離装置20は、新規の工作機械1にも、使用中の既存の工作機械1にも装着可能な構造となっている。
このような固定構造により、気液分離装置20が工作機械1に取り付けられた状態では、セパレータ40は、加工室12内部に配置され、送風機31は加工室12より外側(上側)に突出した位置に配置される。
流体排出口22は、上面部材40Aに形成された長孔46で構成される。具体的には、上面部材40Aには、壁41が配置される位置よりも外側でかつ外縁部40Dよりも内側に長孔46が形成されており、この長孔46は、送風機31が配置されるカバー35の内部(送風機31の排出口)と加工室12とを連通している。この長孔46には、加工室12に排出された流体を所定方向に案内するガイドプレート45が連結しており、ガイドプレート45の端面は、気液分離装置20から離間する方向、つまり径方向外側に向かって開口している。
ここで、流体導入口21と流体排出口22とは、気液混合流体を加工室12の内部で強制循環させ、凝集、接触、分離しやすくするため、互いに離れた位置に配置されており、本実施形態では約180°の角度を有して配置されている。
次に、本発明の気液分離装置20の動作について説明する。
工作機械1の材料の加工中には、材料及び刃の冷却のため油性切削液または水溶性切削液が供給されるが、加工による熱で油性切削液または水溶性切削液が蒸発してミスト状となるため、加工室12内には油性切削液または水溶性切削液のミストが混合した気液混合流体が充満する。気液分離装置20のモータ36を駆動して送風機31を回転させると、送風機31の吸引力によって加工室12内の気液混合流体が流体導入口21から気液混合流体導入管23を通ってセパレータ40に吸引される。気液混合流体は、セパレータ40に導入されると、渦状の流路42に沿って外側から中心に渦状に旋回して移動する。
このとき、気液混合流体は、渦状の流路42内で遠心力によって外側の壁41に衝突または加速接触することで液体の粒子が結合して凝集し、あるいは、気液混合流体が壁41に接触することにより冷却されて液体が凝集、凝縮する。また、渦状の流路42内を通過する際に液体の粒子が互いに衝突することによって粒子が結合して大きくなり、渦状の流路42を通過中に発生する遠心力によって気体(空気)から分離されて液滴となる。
ここで、気液混合流体が流路42を通過するに従って液体が分離されるため、流路42の中心に向かうにしたがって次第に液体粒子の含有量は少なくなる。しかしながら、流路42の円弧半径は中心に向かうに従って小さくなるため、流路42を通過する気液混合流体の流速も速くなる。これにより、流路42の壁41に衝突する速度や、液体の粒子同士が衝突する速度も上昇するため、液体が液滴化しやすくなり、液体粒子の含有量が少ない気液混合流体からも液体が分離される。
また、流路42は外側から中心に向かって次第に横断面の面積が小さくなっているので、気液混合流体が徐々に圧縮されることとなり、液体粒子の含有量が高くなるため、セパレータ40の中心側の流路42においても液体粒子同士の衝突による結合や壁41への接触、衝突の機会ができ、気液混合流体から液体がなお分離される。
流路42内で凝集した液滴は、壁41を伝って底面部材40Bに溜まり、ドレイン44から加工室12に戻される。ドレイン44が外側の壁41に近接した位置に配置されているので、遠心力によって外側の壁41に押しつけられて凝集した液滴を容易にドレイン44に導くことができる。
ドレイン44に流れた液滴は、工作機械1の下方に設けられた液面内部47(図1)に戻り、油性切削液や水溶性切削液として再び使用される。
一方、セパレータ40によって液体が分離された流体は、中心側の孔43を下から上に向かって移動する。カバー35内部では送風機31が回転しているので、孔43から吸引された流体は送風機31の中心側から外側に向かって移動する。このとき、セパレータ40によって分離しきれなかった液体の一部はこの送風機31の遠心力によって流体から分離される。
液体が十分に分離された流体は、流体排出口22を通って排出されガイドプレート45によって気液分離装置20から離間する方向に案内されながら加工室12内に還元される。
ここで、流体導入口21から気液混合流体を吸入して流体排出口22から液体を分離した流体を排出すると、流体の流れにより加工室12内で流体が強制的に循環される。この流体の循環により、流体に含まれる液体の粒子が加工室12のカバー12Aの内壁に衝突したり、流体の流れによって液体の粒子同士が衝突したりして、液体が加工室12内でも凝集する。
なお、例えば加工室12内で発火が感知された場合には、消火器15が作動して消火剤が加工室12内に噴霧される。このとき、気液分離装置20の流体排出口22は加工室12内に開口しているので、消火剤が加工室12の外部に排出されることはない。
以上のような第一実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1)気液分離装置20の流体導入口21および流体排出口22を別々に設け、これらが両方とも加工室12に開口しているので、気液分離装置20に吸入された流体は、加工室12に再び還元される。したがって、気液分離装置20によって加工室12内において気液混合流体を強制的に循環させて液体を凝集させることができる。液体が混合された気液混合流体を加工室12の外部に排出せず加工室12内で繰り返し気液分離を行うから、高い気液分離効率を得ることができる。
また、従来の気液分離装置では、分離しきれない微量の液体粒子を含む流体は加工室外部に排出されるのに対し、本実施形態の気液分離装置20は、気液分離装置20からの流体が加工室12に還元される。したがって、原理的に微量の液体粒子も加工室12の外部に排出されることがないから、工作機械1の外部の作業環境を向上させることができる。
さらに、例えば加工室12内の発火により消火剤が噴霧された場合にも、消火剤が加工室12の外部に排出されないので、良好な消火効果を得ることができる。そして、流体排出口22が加工室12に開口しているから、従来とは異なり消化剤の外部への流出を防ぐために流体排出口を切換弁などで封鎖する必要がなく、気液分離装置20の構造を簡単にすることができる。これにより、切換弁の制御も不要となるから、気液分離装置20の制御も簡単にすることができ、製造コストを削減することができる。
(2)気液分離装置20が、送風機31およびセパレータ40を有する分離手段30を備えているので、加工室12の気液混合流体中の液体を循環させることにより凝集するだけでなく、セパレータ40により、液体を分離することができる。したがって、気液分離性能をより一層良好にかつ確実にすることができる。
(3)セパレータ40の流路42を、外側から中心に向かって渦状に形成したので、例えば従来遠心ファンを用いて液体を分離する場合に較べて、セパレータ40の構造を簡単にできる。これにより、セパレータ40の清掃なども容易に行え、気液分離装置20のメンテナンスを簡単に行える。また、従来フィルタを用いて液体を分離する場合に較べても、定期的なフィルタ交換などが必要なく、渦状の簡易な構造により高い分離性能を長時間維持できるから、メンテナンスの頻度を著しく低減することができる。
セパレータ40の流路42が、平面的に(二次元で)渦状に形成されているので、省スペース化を促進できる。
(4)セパレータ40の流路42が、外側から中心に向かって渦状に形成されているので、気液混合流体が流路42を進むにつれて旋回半径が小さくなり、流速が上昇するから、流路42の後半において液体分離性能を高めることができる。したがって、流路42の後半部分で気液混合流体に含まれる液体粒子の量が少なくなっていても、なお良好に液体を分離することができ、気液分離装置20の気液分離性能を向上させることができる。
また、流路42の横断面の面積が、外側から中心に向かって次第に小さくなっているから、内部を流れる気液混合流体を圧縮することができる。したがって、気液混合流体中の液体の粒子の衝突機会が減少するのを防止でき、液体の粒子の壁41への衝突、冷却による凝集を促進することができるから、これによってもさらに気液分離性能を高めることができる。
(5)送風機31がセパレータ40に対して下流側に配置されているので、セパレータ40でほとんどの液体を凝集させることができるから、送風機31で凝集する液体粒子の量を最小限に抑制することができる。したがって、送風機31の羽根34に付着する液体の量も少なくなるため、送風機31のメンテナンスを簡単にすることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、第一実施形態における気液分離装置20の送風機31およびセパレータ40の配置が第一実施形態と異なる他は、第一実施形態とほぼ同様の構成を備える。
図4は、本発明の第二実施形態に係る気液分離装置20の側断面図を示す。
第二実施形態では、気液分離装置20の送風機31は、セパレータ40に対して上流側に配置されている。
送風機31は、保護蓋として機能するケース51に覆われている。ケース51の中央部には、孔51Aが形成されており、この孔51Aが加工室12から気液分離装置20に気液混合流体を導入するための流体導入口21となっている。ケース51の外周部51Bは、加工室12の斜め下方に向かって折り曲げられた形状となっている。
孔51Aの外周側には、加工室12内の気液混合流体を流体導入口21に案内し、気液分離装置20から排出される流体を再び直接吸入しないように、環状の導入ガイド52が取り付けられている。導入ガイド52の外縁は、加工室12の斜め下方に向かって折り曲げられた形状となっており、その外縁が斜め下方に向かって突出するように取り付けられている。
ケース51の上方の開口部分は、円盤状の仕切り部材53で塞がれている。仕切り部材53の外周側、より具体的には送風機31の羽根34よりも外周側でケース51の円筒形内壁よりも内周側には、孔53Aが形成されており、この孔53Aにより、ケース51内部とセパレータ40の内部とが連通している。
セパレータ40は、仕切り部材53の上面側に有底円筒形状の円筒部54を取り付けることで形成されている。円筒部54の内部には、第一実施形態と同様に外側から中心に向かって渦状に形成される壁41が設けられ、この壁41によって流路42が形成されている。流路42の外側端部は、孔53Aを介してケース51の内部と連通している。
円筒部54の中央部には、孔54Aが形成されており、セパレータ40によって液体が分離された流体は、この孔54Aからセパレータ40の外部に排出される。
セパレータ40の上側には、第一実施形態と同様のカバー35が設けられており、円筒部54を覆っている。カバー35の外縁のフランジ部37は、加工室12のカバー12Aにねじ止めなどされることにより固定されている。
この固定構造により、気液分離装置20が加工室12に固定される。
仕切り部材53においてカバー35と円筒部54との間の部分には、円弧状の長孔53Bが複数箇所(本実施形態では二カ所)形成されており、これにより、カバー35内部の空間と加工室12とが連通している。したがって、この長孔53Bが、気液分離装置20から液体が分離された後の流体を加工室12に排出する流体排出口22となっている。
送風機31のモータ36は、第一実施形態と同様に、カバー35の外側に設けられている。モータ36の回転軸33がセパレータ40の孔54Aおよび仕切り部材53を貫通してケース51内で送風機31を軸支している。
このような第二実施形態の構造により、送風機31は、加工室12の内側に配置されるが、セパレータ40およびカバー35は加工室12の外側に突出して配置されることとなる。
このような第二実施形態に係る気液分離装置20においては、加工室12内の気液混合流体は、気液分離装置20の中央の流体導入口21から吸入され、送風機31によってケース51内を中央側から外側に送られる。ここで、送風機31の遠心力によって気液混合流体の液体の一部が凝集される。
気液混合流体は、送風機31によって孔53Aを通ってセパレータ40に送られる。セパレータ40では、気液混合流体が外側から中心に向かって流路42を通るうちに、気液混合流体中の液体が凝集し、流体から分離する。
液体が分離された流体は、孔54Aから排出され、カバー35の内部を通って、流体排出口22から排出され、加工室12内に再び還元される。ここで、流体排出口22の近傍には、外周部51Bが配置されているため、流体排出口22からの流体は、外周部51Bに沿って気液分離装置20の下方外側に向かって排出される。
第二実施形態では、気液分離装置20は、中心側の流体導入口21から気液混合流体を吸入し、外側の流体排出口22から流体を再び加工室12に還元する。したがって加工室12内では、気液分離装置20の中央から外側に向かって流体が強制的に循環され、これにより、カバー12Aの内壁にも液体が凝集して分離される。
以上のような第二実施形態によれば、第一実施形態の(1)〜(4)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(6)送風機31がセパレータ40に対して上流側に配置されているので、送風機31による流体の吸入量を大きくすることができる。これにより、気液分離装置20の気液分離能力を向上させることができる。また、加工室12内で気液混合流体を強制循環させる手段としても、流体の排出量を大きく取ることができるから、気液分離能力を向上させることができる。
反対に、所定の気液分離能力を得るために必要なモータ36の能力や送風機31の寸法を小さくすることができるから、気液分離装置20の小型化を促進できる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態は、第一実施形態における気液分離装置20に冷却手段が設けられた他は、第一実施形態とほぼ同様の構成を備える。
図5は、本発明の第三実施形態に係る気液分離装置20の側断面図を示す。第三実施形態の気液分離装置20は、内部に導入された気液混合流体を冷却する冷却手段60を備えている。
冷却手段60は、セパレータ40の底面部材40Bの下面に設けられた第一冷却手段61と、セパレータ40の上面部材40Aの下面に設けられた第二冷却手段62と、カバー35の外側に設けられた第三冷却手段63とからなる。各冷却手段61,62,63としては、任意の形式の冷却方式を採用でき、例えばペルチェ素子を使用したものや、ヒートパイプやヒートシンクを利用したものなどが考えられる。
このような構造の第三実施形態では、例えば各冷却手段61,62,63がペルチェ素子を使用したものである場合では、第一冷却手段61は、加工室12内の気液混合流体から吸熱してセパレータ40内に放熱する。第二冷却手段62は、セパレータ40内の気液混合流体から吸熱してカバー35内に放熱する。そして第三冷却手段63は、カバー35内の流体から吸熱して加工室12の外部に放熱する。これにより、気液分離装置20の内部の流体は徐々に冷却され、冷却された流体は流体排出口22から再び加工室12に還元される。
このような第三実施形態によれば、第一実施形態の(1)〜(5)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(7)気液分離装置20に冷却手段60が設けられているから、気液分離装置20の内部の流体を冷却することにより、液体の凝集、凝縮を促進させることができる。
また、冷却された流体が加工室12に還元されるので、加工室12内部の流体の温度も下降し、加工室12のカバー12Aの内壁での液体の凝集、凝縮も促進させることができる。さらに、冷却手段60により、加工室12内部の流体の温度も下降するから、加工室12の内部の流体が熱膨張によって加工室12の外部へ流出するのを防止できる。
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について説明する。第四実施形態は、第二実施形態における気液分離装置20に冷却手段が設けられた他は、第二実施形態とほぼ同様の構成を備える。
図6は、本発明の第四実施形態に係る気液分離装置20の側断面図を示す。第四実施形態の気液分離装置20は、内部に導入された気液混合流体を冷却する冷却手段60を備えている。
冷却手段60は、セパレータ40の円筒部54の上面に設けられた第一冷却手段64と、第三実施形態と同様にカバー35の外側に設けられた第二冷却手段65とを備える。これらの冷却手段64,65は、第三実施形態と同様に、任意の形式の冷却方式を採用できる。
このような構造の第四実施形態では、第一冷却手段64が、セパレータ40に導入された流体から吸熱して流体を冷却する。また、第二冷却手段65が、カバー35内部を流通する流体から吸熱して流体を冷却する。冷却された流体は流体排出口22から再び加工室12に還元される。
このような第四実施形態によれば、第一実施形態の(1)〜(4)と同様の効果、第二実施形態の(6)と同様の効果、および第三実施形態の(7)の効果と同様の効果が得られる。
[第五実施形態]
次に、本発明の第五実施形態について説明する。第五実施形態の気液分離装置は、第一実施形態の気液分離装置の分離手段の構成が異なるものである。
図7は、本発明の第五実施形態に係る気液分離装置80の側断面図を示す。また、図8は、気液分離装置80の底面図を示す。さらに、図9は、気液分離装置80の平面図を示す。これらの図7から図9に示すように、本発明の第五実施形態に係る気液分離装置80の分離手段82は、モータ36の回転軸33に取り付けられた送風機84と、送風機84の外側に配置されるセパレータ86と、を備える。
送風機84は、遠心ファン(多翼ファン)であり、筒状の本体の側面に多数の羽根を備えている。
セパレータ86は、図8に示すように、送風機84の外周に設けられた多数の壁88と、壁88の外側に配置されたメッシュ90とを備えている。
壁88は、送風機84と同心上に、中心側から外側に向かって、径方向に対して斜めに、放射線状に形成されている。これらの壁88は、外側に向かって凸状に湾曲し、壁88の間に、気液混合流体が通る略円弧状に湾曲した流路89を形成している。また、壁88の内側の始点は、一つおきに、送風機84の外縁に隣接した位置と、その位置から径方向外方に所定距離隔てた位置とに設定されている。このような設定により、壁88は、長い壁と短い壁が交互に配置されることとなり、流路89の入口近辺は、隣り合う長い壁の間によって比較的大きな空間が形成される。この空間により、送風機82によって導入された気液混合流体が流路89に導入されやすくなっている。
メッシュ90は、壁88の外側を覆うように、複数層(本実施形態では三層)設けられている。メッシュ90は、粗さの異なる金網が重ねられており、本実施形態では、内側から、60mesh/inch2,100mesh/inch2,60mesh/inch2の順に巻き回されている。
なお、メッシュ90の粗さは、送風機84の送風能力や、必要な気液分離性能等を考慮して任意に設定できる。また、メッシュ90の粗さは、各層で異なるものを使用してもよく、また、同じ粗さの金網を任意の層数巻いてもよい。したがって、例えば、分離装置82を通る流体の風量が比較的小さい場合には、60mesh/inch2の粗さの金網を三重に巻いてもよい。
気液分離装置80は、セパレータ86から排出された流体を収集する収集手段92を更に備えている。収集手段92は、送風機84およびセパレータ86を覆い、流体導入口21から所定距離を隔てた位置において、導入ガイド52の下端の高さとほぼ同じ高さにおいて、下方に開口している。この開口が、流体排出口22となっている。
分離手段82の上方には、分離手段82を通る気液混合流体を冷却する冷却手段93が設けられている。冷却手段93は、モータ36の回転子に取り付けられた羽根94と、分離手段82の上面に設けられ、径方向に対して角度を有して放射線状に延びる複数のフィン98とを有する。フィン98の間には空気が通る流路が形成され、流路の外縁が、外部に開口することによって、外部から空気が流入する空気流入口96となっている。また、モータ36の上方には、外部に連通する開口100が形成されている。
このような第五実施形態の気液分離装置80では、モータ36で送風機84を回転させると、流体導入口21から加工室12内の気液混合流体が分離手段82に導入される。送風機84の回転によって気液混合流体は、送風機84の外周に排出され、セパレータ86の流路89に入る。したがって、本実施形態では、セパレータ86は、送風機84の下流側に配置されていることとなる。
流路89内では、気液混合流体は、壁88にぶつかりながら、壁88に沿って旋回しながら進む。この流路89を進む過程では、壁88が湾曲しているので、気液混合流体は壁88に外側に向かって押しつけられながら旋回して進むことにより、気液混合流体中の液体が分離される。また、流路89内で液体の粒子同士が衝突して液滴となることによっても、液体が分離される。
セパレータ86で液体が分離された流体は、複数の流路89から出ると、収集手段92によって一つに集められ、流体排出口22から排出され、加工室12に還元される。なお、流体排出口22は、流体導入口21から離れた位置にあるので、流体排出口22から排出された流体が直接流体導入口21から再び導入されるのが抑制される。
また、モータ36が駆動されることによって羽根94が回転すると、空気流入口96から外部の空気が吸い込まれ、フィン98の間の空気流路を通って、開口100から排出される。空気流路を通る空気によってフィン98から分離手段82の熱が放熱され、分離手段82内の流体が冷却されるから、セパレータ86での液体の分離が促進される。
このような第五実施形態によれば、構成は異なるものの、第一実施形態の(1)および(2)、第二実施形態の(6)の効果、並びに第三実施形態の(7)の効果と同様な効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(8)流路89が、中心側から外側に向かって、径方向に対して傾斜するように、放射線状に形成されているので、気液混合流体が壁88に押しつけられながら進むから、流路89内で液体を良好に分離することができる。また、流路89が略円弧状に湾曲しているので、気液混合流体がより一層壁88に押しつけられやすくなるから、気液混合流体から液体を確実に分離することができる。これにより、気液分離性能を向上させることができる。
(9)メッシュ90が設けられているので、セパレータ86で分離しきれなかった流体中の液体をさらに液化させることができる。したがって、気液分離装置80の気液分離性能をより一層向上させることができる。
(10)流体排出口22が、流体導入口21から離れた位置に配置されているので、セパレータ86から排出された流体が、再び直接流体導入口21から気液分離装置80に吸引されるのを防止することができる。したがって、加工室12内の流体の流れが良好となり、気液分離装置80の気液分離性能を良好に維持することができる。
[第六実施形態]
次に、本発明の第六実施形態について説明する。第六実施形態の気液分離装置102は、第五実施形態の気液分離装置80のセパレータ86の構成が異なるものである。
図10には、本発明の第六実施形態に係る気液分離装置102の平面図が示されている。この図10に示すように、気液分離装置102のセパレータ103は、壁104,105を有している。壁104は、第五実施形態の壁88と同様に、送風機84の中心側から外側に向かって、径方向に対して角度を有して円弧状に湾曲した放射線状に配置されている。壁104は、送風機84の外側から、メッシュ90の内側まで、連続した一つの壁に形成されている。
一方、壁105は、壁104と同様に径方向に対して角度を有して円弧状に湾曲しているが、壁104よりも短く形成されている。壁105は、それぞれ外側に向かって凸状に湾曲して形成され、且つ壁104の延びる方向にほぼ沿って、送風機84の外側からメッシュ90の内側の間に複数(本実施形態では三つ)配置される。
このような構成により、壁104の間に、気液混合流体が通る流路106が形成される。ここで、壁105は、送風機84の外側からメッシュ90の内側まで連続して形成されていないので、壁104の間の流路106内に壁105が形成されることとなる。したがって、壁105は、流路106を流れる流体の流れを分断する。また、一つの壁105と、その壁105の外側に位置する壁105は、内側の壁105の円弧延長線上からずれた位置に配置されている。これらの配置により、壁104の間の流路106は、短い壁105によって迷路状に形成される。
このような第六実施形態の気液分離装置102では、送風機84から送られた気液混合流体は、流路106に導入されると、壁104,105に押しつけられたり、流体の粒子同士が衝突したりして、液体が分離される。このとき、流路106が迷路状になっているため、壁105に衝突しやすく、したがって、より多くの液体が気液混合流体から分離される。
以上のような第六実施形態によれば、構成は異なるものの、第一実施形態の(1)および(2)、第二実施形態の(6)、第三実施形態の(7)、並びに第五実施形態の(8)、(9)および(10)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(11)壁105が短く形成され、流路106が壁105によって迷路状に形成されるので、流路106を流れる流体の流れが壁105によって分断され、気液混合流体の壁104,105への衝突を促進することができる。したがって、気液分離性能をより一層向上させることができる。
[第七実施形態]
次に、本発明の第七実施形態について説明する。第七実施形態の気液分離装置108は、第五実施形態の気液分離装置80のセパレータ86および冷却手段93の構成が異なる。
図11は、本発明の第七実施形態に係る気液分離装置108の側断面図を示し、図12は、本発明の第七実施形態に係る気液分離装置108の底面図を示し、図13には、本発明の第七実施形態に係る気液分離装置108の平面図を示す。これらの図11,12,13に示すように、気液分離装置108の分離手段110は、第五実施形態と同様の構成の送風機84を備えている。分離手段110のセパレータ112は、送風機84の外周に設けられ、送風機84の中心側から外側に向かって、径方向に対して斜めに且つ円弧状に延びる複数の壁114を有する。壁114の間には、気液混合流体が通る流路116が形成される。なお、壁114は、第五実施形態の壁88とは異なり、全て同じ長さおよび形状に形成されている。また、本実施形態では、第五実施形態のセパレータ86とは異なり、壁の外側にメッシュが設けられていない。
冷却手段118は、第五実施形態のフィン98による冷却手段93に加えて、ペルチェ素子120を有している。ペルチェ素子120は、略矩形板状に形成され、分離手段110の上面で、セパレータ112の上方に複数箇所(本実施形態では四箇所)に略等間隔に密着して取り付けられている。ペルチェ素子120の上面に、第五実施形態と同様の構成のフィン98が形成される。
このような第七実施形態では、冷却手段118は、フィン98による放熱、および羽根94による空気の流通に加えて、ペルチェ素子120による吸熱を行う。
以上のような第七実施形態によれば、構成は異なるものの、第一実施形態の(1)および(2)、第二実施形態の(6)、第三実施形態の(7)、並びに第五実施形態の(8)、(9)、および(10)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(12)冷却手段118が、ペルチェ素子120を備えているので、分離手段110の上面の熱を吸熱することができる。これにより、よりセパレータ112内の気液混合流体、または液体が分離された流体をより一層効率的に冷却することができる。よって、セパレータ112内での気液分離を促進することができ、気液分離性能を向上させることができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
セパレータの流路は、外側から中心に向かって渦状に形成されていたが、これに限らず、例えば中心から外側に向かう渦状であってもよい。
また、セパレータの流路は、外側から中心に向かって横断面の面積が次第に小さくなるように形成されていたが、これに限らず、例えば外側から中心まで横断面の面積が一定となるような渦状に形成されていてもよい。この場合でも、気液混合流体が渦状の流路を流通するうちに液体の粒子が衝突、結合することで液体が凝集されて分離される。
さらに、セパレータの流路は、渦状に形成されていたが、これに限らず気液混合流体中の液体粒子が衝突して凝集、結合できるような形状の流路であればその形状は任意である。
第五実施形態および第六実施形態では、セパレータの流路下流側にメッシュが設けられていたが、メッシュ状の金網に限らず、例えば多孔板が設けられていてもよい。
収集手段は、セパレータから排出された流体を一つに集める構成のものに限らず、例えば二箇所以上に集めて、それぞれの流体排出口から排出するような構成となっていてもよい。また、流体排出口は、排出された流体が、流体導入口に再び直接導入されることを防止できる程度に、流体導入口と離れて配置されていればよい。したがって、流体排出口の開口向き、開口面積、開口位置等は、気液分離装置の仕様に応じて適宜設定することができる。
送風機は、羽根の回転軸が加工室外部でモータと連結していたが、これに限らず、図13に示すように、モータが送風機本体に組み込まれた形状のものであってもよい。
図13は、本発明の変形例に係る気液分離装置20の一部側断面図を示す。送風機70は、カバー35の内部に取り付けられたモータ固定子71と、モータ固定子71に対して回転可能に設けられたモータ回転子72と、モータ回転子72に固定された複数の羽根73とを備える。モータ固定子72に電流を流すことで、モータ回転子72および羽根73を回転させて、流体を吸引、排出できる。
このような構造の送風機70であれば、モータ固定子71およびモータ回転子72をカバー35内に収納できるので、送風機70の小型化を促進できる。
分離手段は、流路を通過させることによって液体を凝集する前述の各実施形態のセパレータに限らず、任意の形式のものを採用でき、例えば遠心ファンによるものや、フィルターを用いた構造のものであってもよい。
気液分離装置は、工作機械の加工室の上面内側に取り付けられるものに限らず、例えば加工室の側面内側に取り付けられていてもよい。
気液分離装置は、送風機およびセパレータを有する分離手段を備えたものに限らない。すなわち、気液分離装置は、工作機械の加工室内の流体を強制的に循環させる構造であればよく、例えば気液分離装置が、加工室内で気液混合流体を送風する送風機を備えていてもよい。この場合には、送風機が加工室内の気液混合流体を送風して加工室内で循環させるので、加工室の内壁に液体が凝集して気液分離が行える。
本発明の気液分離装置は、オイルミストを含んだ空気などの気液混合流体から液体を分離する必要がある工作機械の加工室内用に利用でき、また、例えば棒材加工機など材料を切削加工等する工作機械に利用するのに適している。
本発明の第一実施形態に係る工作機械の全体図。 第一実施形態に係る気液分離装置の側断面図。 図2のA-A平断面図。 本発明の第二実施形態に係る気液分離装置の側断面図。 本発明の第三実施形態に係る気液分離装置の側断面図。 本発明の第四実施形態に係る気液分離装置の側断面図。 本発明の第五実施形態に係る気液分離装置の側断面図。 本発明の第五実施形態に係る気液分離装置の底面図。 本発明の第五実施形態に係る気液分離装置の平面図。 本発明の第六実施形態に係る気液分離装置の底面図。 本発明の第七実施形態に係る気液分離装置の側断面図。 本発明の第七実施形態に係る気液分離装置の底面図。 本発明の第七実施形態に係る気液分離装置の平面図。 本発明の変形例に係る気液分離装置の一部側断面図。
符号の説明
1 工作機械
12 加工室
20,80 気液分離装置
21 流体導入口
22 流体排出口
30,82,110 分離手段
31,70,84 送風機
92 収集手段
40,86,103,112 セパレータ
105 壁
42,89,106,116 流路
60,93,118 冷却手段

Claims (10)

  1. 加工室内の気液混合流体から液体を分離する気液分離装置を有する工作機械であって、
    前記気液分離装置は、前記加工室内に開口し、前記加工室から前記気液混合流体を導入する流体導入口と、気液混合流体から液体を分離する分離手段と、液体が分離された流体を排出する流体排出口とを備え、
    前記分離手段は、導入された前記気液混合流体から液体を分離するセパレータと、該セパレータに気液混合流体を導入する送風機と、前記気液混合流体を冷却する冷却手段と、を有し、
    前記セパレータは、渦状に形成された流路を有し、前記気液混合流体が前記流路内を外側から中心に向けて流れるように構成され、
    前記流体排出口は、液体が分離された流体が前記加工室内に還元されるように、前記加工室内に開口しており、
    前記冷却手段は、前記送風機を駆動するモータの駆動によって回転する羽根と前記セパレータの外面に設けられるとともに前記モータの回転軸を中心とする径方向に対して、角度を有して放射線状に延びる複数のフィンと、を有する、
    ことを特徴とする工作機械。
  2. 渦状の前記流路の横断面の面積は、外側から中心に向けて次第に小さくなっており、前記気液混合流体は、前記送風機によって渦状の前記流路の外側から中心に向けて流れるように導入される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  3. 加工室内の気液混合流体から液体を分離する気液分離装置を有する工作機械であって、 前記気液分離装置は、前記加工室内に開口し、前記加工室から前記気液混合流体を導入する流体導入口と、気液混合流体から液体を分離する分離手段と、液体が分離された流体を排出する流体排出口とを備え、
    前記分離手段は、導入された前記気液混合流体から液体を分離するセパレータと、該セパレータに気液混合流体を導入する送風機と、前記気液混合流体を冷却する冷却手段と、を有し、
    前記セパレータは、径方向に対して傾斜した流路を有し、前記気液混合流体が、前記流路内を中心側から外側に向けて流れるように構成され、
    前記流体排出口は、液体が分離された流体が前記加工室内に還元されるように、前記加工室内に開口しており、
    前記冷却手段は、前記送風機を駆動するモータの駆動によって回転する羽根と前記セパレータの外面に設けられるとともに前記モータの回転軸を中心とする径方向に対して、角度を有して放射線状に延びる複数のフィンと、を有する、
    ことを特徴とする工作機械。
  4. 前記流路は、略円弧状に湾曲した放射線状に形成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の工作機械。
  5. 前記流路には、内部を流れる流体の流れを分断する壁が設けられている、ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の工作機械。
  6. 前記送風機は、前記セパレータに対して下流側に配置されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の工作機械。
  7. 前記送風機は、前記セパレータに対して上流側に配置されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の工作機械。
  8. 前記分離手段から排出された流体を収集する収集手段を更に有し、
    前記流体排出口は、前記流体導入口から所定距離隔てられた位置に配置され、前記収集手段で収集された流体を前記加工室内に排出する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の工作機械。
  9. 工作機械の加工室内の気液混合流体から液体を分離する気液分離装置であって、
    前記加工室内に開口し、前記加工室から前記気液混合流体を導入する流体導入口と、気液混合流体から液体を分離する分離手段と、液体が分離された流体を排出する流体排出口とを備え、
    前記分離手段は、導入された前記気液混合流体から液体を分離するセパレータと、該セパレータに気液混合流体を導入する送風機と、前記気液混合流体を冷却する冷却手段と、を有し、
    前記セパレータは、渦状に形成された流路を有し、前記気液混合流体が前記流路内を外側から中心に向けて流れるように構成され、
    前記流体排出口は、液体が分離された流体が前記加工室内に還元されるように、前記加工室内に開口しており、
    前記冷却手段は、前記送風機を駆動するモータの駆動によって回転する羽根と前記セパレータの外面に設けられるとともに前記モータの回転軸を中心とする径方向に対して、角度を有して放射線状に延びる複数のフィンと、を有する、
    ことを特徴とする気液分離装置。
  10. 工作機械の加工室内の気液混合流体から液体を分離する気液分離装置であって、
    前記加工室内に開口し、前記加工室から前記気液混合流体を導入する流体導入口と、気液混合流体から液体を分離する分離手段と、液体が分離された流体を排出する流体排出口とを備え、
    前記分離手段は、導入された前記気液混合流体から液体を分離するセパレータと、該セパレータに気液混合流体を導入する送風機と、前記気液混合流体を冷却する冷却手段と、を有し、
    前記セパレータは、径方向に対して傾斜した流路を有し、前記気液混合流体が、前記流路内を中心側から外側に向けて流れるように構成され、
    前記流体排出口は、液体が分離された流体が前記加工室内に還元されるように、前記加工室内に開口しており、
    前記冷却手段は、前記送風機を駆動するモータの駆動によって回転する羽根と前記セパレータの外面に設けられるとともに前記モータの回転軸を中心とする径方向に対して、角度を有して放射線状に延びる複数のフィンと、を有する、
    ことを特徴とする気液分離装置。
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