JP3593594B2 - 気液分離器 - Google Patents

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    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2400/00General features or devices for refrigeration machines, plants or systems, combined heating and refrigeration systems or heat-pump systems, i.e. not limited to a particular subgroup of F25B
    • F25B2400/02Centrifugal separation of gas, liquid or oil

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  • Separating Particles In Gases By Inertia (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクルに使われる圧縮機から吐出される冷媒に含まれる油を分離する気液分離器に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷凍サイクルにおいて圧縮機の摺動部潤滑に油が用いられるが、圧縮された冷媒とともに油が圧縮機より冷凍サイクルに流出する。冷凍サイクルの熱交換器等に油が多量に流出すると、熱伝達を阻害し空調機の性能を低下させる。冷媒の循環量も油の循環量が増えるに連れて相対的に減少するため、能力が出なくなり性能が低下する。また、熱交換器に保有される油量が多くなるため冷凍サイクル全体として必要な油封入量が多くなる。よって、流出した油を冷媒から分離して再び圧縮機に戻すために冷凍サイクルに気液分離器が使われる。
【0003】
冷媒と油の気液混合流体における気液分離器として、流入配管を容器側面に取り付けることが知られ、例えば特開平4−14929号公報に記載されている。また、流入配管を容器上面に取り付け、流入管下端を水平に曲げることが知られ、例えば特開平4−14929号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、流入配管を容器側面に取り付け、壁面の接線方向に配管を溶接するため、下穴及び溶接する面積が増大し、加工時間や労力が必要となる。そして、下穴形状は真円ではない為、下穴形状の切削が技術的に難しい。更に、容器側面と配管の間の角度が鋭角となる部分の溶接は技術的に難しく、強度的に弱い部分ができやすくなる。
【0005】
一方、流入配管を容器上面に取り付け、流入管向きを水平に曲げるものでは、容器の上面に流入配管と流出配管の両方を配置する事により、作業行程の短縮も計れるが、配管に曲げ加工が必要となり、加工工数が増加し材料も多くなる。また、容器内径は配管を曲げた分だけ大きくしなければならず、容器内径に限りがあるため、曲げた後の助走長さが短くなり、流入ガスを水平方向に曲げる助走区間が不足し、水平方向速度成分が減少し遠心分離効果が減少する。
【0006】
本発明の目的は、容器と配管の溶接を容易にし加工性を向上するとともに溶接部分の強度を均質にすることにある。
【0007】
また、本発明の目的は、配管の曲げ加工を無くし、容器を小さくするとともに、流入ガスの水平方向速度成分を増加し液分離効率を向上することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的のために本発明は、容器に流入配管と流出配管を有した気液混合流体の気液分離器において、容器にほぼ垂直方向に挿入され、容器内の端部が閉止された前記流入配管と、前記流入配管の側面に設けられた流出穴と、を備えたものである。
【0009】
これにより、流入配管の下端を閉止し、容器内流入配管の側面に穴を開け、容器上面に取り付けることにより、流入配管を容器側面に取り付ける手法に比べて下穴及び溶接する面積が少なく、加工時間や労力が節約できる。また、流入配管を容器上面に取り付け、流入管向きを水平に曲げるものに比べて、配管に曲げ加工が不要で、曲げた後の助走長さが不要となり、垂直方向速度成分が減少し遠心分離効果を増加できる。
【0010】
また、上記のものにおいて、流入配管の下端にたまった液を逃がす手段を設けることが望ましい。これにより、流入配管内での遠心力や衝突による分離効果も利用でき、気液分離器全体としての液分離効率が向上する。
【0011】
さらに、流出穴のから流出する流体の流出方向が前記流入配管に近接した前記容器壁面の接線方向となるようにすることが望ましい。
【0012】
さらに、流入配管は容器壁面側に配置され、流出配管は容器中央に配置されたことが望ましい。
【0013】
さらに、流入配管の径は下端に行くに従い小さなる形状とされたことが望ましい。これにより、下部穴から流出する液の密度が濃い部分の流速が早まり、分離効率を促進できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
気液分離器は一般に遠心分離法が用いられ、この方法ではまず、ガスと液の混合流体を気液分離器の水平方向に流出し、容器内を旋回させることにより、ガスおよび液に遠心力を発生させる。ガスより液は密度の大きいため壁面に付着し、自重で容器下部にたまりガスから分離される。液の分離効率を上げるためには水平方向速度成分を上げ、遠心力を向上する必要がある。そのためには、容器径や流入配管径を小さくすることが考えられるが、径を小さくする事により流路の圧力損失が増大し、エネルギー損失が増加するため、ある程度流入配管径は規定される。
【0015】
以下、図2を参照して従来技術を説明する。図中の矢印は冷媒の流れを示し、容器側面11に対し冷媒の流入配管15は水平方向に接続される。冷媒は流入配管15から容器内に水平に流入し、旋回しながら冷媒に含まれる油滴を壁面に付着させる。油の濃度が薄くなった冷媒は流速を落としながら容器中央部の流出配管14を通り冷凍サイクルへ送られる。一方壁面に付着した油は自重で容器下部に落下し油18のようにたまる。下部にたまった油は冷凍サイクル低圧部または圧縮機に戻され、再び圧縮機の摺動部潤滑に使われる。
【0016】
図3は、従来の流入配管を容器上面に取り付け、流入管向きを水平に曲げる手法であり、容器上面10に対し冷媒流入配管15は垂直方向に接続している。冷媒は流入配管15を通り、容器内に水平に流入し、旋回しながら冷媒に含まれる油滴を壁面に付着させる。油の濃度が薄くなった冷媒は流速を落としながら容器中央部の流出配管14を通り冷凍サイクルへ送られる。一方壁面に付着した油は自重で容器下部に落下し油18のようにたまる。下部にたまった油は冷凍サイクル低圧部または圧縮機に戻され、再び圧縮機の摺動部の潤滑に使われる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。ガスと液が冷媒ガスと油の例で説明するが、空気と水、空気と油、天然ガス、メタンやガソリンの燃焼ガスと発生した水などの気液混合流体でもよい。図1において、気液分離器は流入配管13と流出配管14、容器上部10、容器側面11、容器下部12から構成される。油を含んだ冷媒は容器上部10から挿入された流入配管13を通り、流入配管下端18に衝突し冷媒流出穴17から水平方向に流入方向を変更して容器内に入る。容器内では遠心分離効果により冷媒に含まれる油を容器側面11の内壁に付着させ、冷媒は流出配管14より下流へ流れる。一方壁面に付着した油は容器側面11の内壁を伝い容器下部にたまる。
【0018】
図4の気液分離器は図1の気液分離器の流入配管13を容器下部12から挿入したものを示している。また、流入配管下端18を閉止するには、図5のように閉止栓23を流入配管21に溶接、接着またははめ会い等により取り付けてもよく、図6のように流入配管21の下端を圧着してもよい。圧着は冷媒流出穴があいている方向に対して平行に圧着してもよく、垂直に圧着してもよい。
【0019】
正面から見た穴の形状は図7の冷媒流出穴31のように加工の簡単な真円の形が良く、穴に断面図のようなバーリング加工を施し、冷媒流出時の損失を減らしてもよい。仕切り板25を配管下部に取付け、冷媒流出時の損失を減らすことが望ましい。
【0020】
さらに、正面から見た穴の形状は図8の冷媒流出穴31のように水平方向に長い楕円にし、複数穴がある場合など穴の高さ方向の間隔を狭めて置くことがよく、図9の冷媒流出穴31のように正面から見て垂直方向に長い楕円にし、冷媒の流出方向を狭めることが良い。
【0021】
穴の配列は、図10のように穴36を垂直に一列に並べることが良く、また図11のように流出する冷媒に含まれる油の密度の濃い下部穴ほど気液分離器内壁60に近い方向に穴を開け、遠心分離効果を促進させることがよい。下部穴について壁面に対し鈍角に冷媒を流出し、気液分離器内壁60に衝突させ油の分離効率を促進することが望ましい。図12のように穴38を千鳥に配列して穴位置を配管の局部に集中さることがより一層望ましい。
【0022】
気液分離器流入配管下部は流入配管51と冷媒流出穴52、円錐管54、油抜き穴55から構成される。冷媒は流入配管51上部から流入し油抜き穴55から流出する。この過程で冷媒は一部壁面と衝突を起こし油を分離する。また、円錐管54の効果で旋回流が生じ、円錐管54の内壁に油53を付着させる。壁面に付着した油は配管下部にたまるが、円錐管54の下部に油抜き穴55をあける事により油53は油滴56として落下する。これにより気液分離器内壁での油分離のみでなく流入配管51の内壁での油分離も活用でき油分離効率が向上する。
【0023】
油抜き穴55の気液分離器内壁面に対する位置は、図14のように円錐管54を気液分離器内壁60の方向に傾ける事により、気液分離器内壁60をたどらせて油滴56を滴下することがよい。また、図15のように閉止栓23を流入配管51の下部に取り付けている場合には、冷媒の一部は閉止栓23に衝突し油を冷媒流入管51の下部にたまる。流入配管下部にたまった油53を、油抜き穴55を気液分離器内壁60の方向に開けることにより、油滴56として滴下する。穴は流入配管51に設けることがよく、閉止栓23と流入配管51の取付け部の間に設けることが望ましい。また穴でなく、取付けの際にその部分に隙間が空くように加工することが加工コストを安価にするにはよい。
【0024】
また、図16のように閉止栓23の下部に油抜き穴55を開ければ、事前に穴を開けて取り付けるため、加工が容易になる。図17のように流入配管21を圧着24した場合にも、油抜き穴55を気液分離器内壁60の方向に開けることにより、油滴56として滴下する。 さらに、穴でなく、圧着の際にその部分に隙間が空くように加工することで加工工程が簡略できる。
【0025】
図18のように閉止栓23を流入配管51の下部に取り付けている場合には、閉止栓23の下部にストロー管57を取付け、流入配管51の下部にたまった油を気液分離器内壁60に送り油滴56を滴下することがよい。図19のように流入配管21を圧着24した場合には、圧着部にストロー管57を取付け、流入配管51の下部にたまった油気液分離器内壁60に送り油滴56を滴下することが良い。
【0026】
流入配管13に近い容器側面11の接線20と同じ方向に冷媒を流出するように冷媒流出穴17をあける。これにより、冷媒の壁面への衝突による遠心力の減少が低減でき、遠心分離効果が維持される。また、均質な旋回流を生成しやすくなる為、局所の冷媒流速増大による油の跳ね上げが無く、遠心分離効果が増大する。
【0027】
容器上部10に流入配管13を取り付ける位置は、遠心分離効果を得るため、容器側面11に可能な限り近づけている。これにより、回転半径が大きくなり遠心力が増大し油の分離効率が促進される。さらに、流出配管14を容器上部10の中央に近い所に取り付けると、遠心分離効果により容器中央は冷媒に含まれる油の密度が薄いため油分離効率が上がる。
【0028】
下部穴に行くほど冷媒に含まれる油の濃度の濃いため、図21のように、流入配管41の径を下端に行くに従い小さくし、下部穴からの冷媒流速を上げることがよい。また、図22のように円錐形状のものに穴を開けて配管に取り付けることがより一層望ましい。
【0029】
穴34が複数ある場合、下部穴から流出する冷媒は油の密度が濃くなるため、下部から流出する冷媒流速を上げて遠心分離効果を促進させることがよい。また図24のように一番下の穴のみを小さくすれば遠心分離効果を向上できる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、流入配管を容器に垂直方向に挿入し、容器内流入配管の側面に穴を開けることによって、容器と配管の加工性が向上するとともに液分離器を小型化し、液分離効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における気液分離器を示す正面及び側面からみた斜視図。
【図2】従来技術の気液分離器を示す正面及び側面からみた斜視図。
【図3】従来技術の気液分離器を示す正面及び側面からみた斜視図。
【図4】他の実施の形態における気液分離器を示す正面及び側面からみた斜視図。
【図5】一実施の形態における流入配管下端を示す斜視図。
【図6】他の実施の形態における流入配管下端を示す斜視図。
【図7】一実施の形態における冷媒流出穴の形状
【図8】一実施の形態における冷媒流出穴の形状を示す正面及び側断面図。
【図9】他の実施の形態による冷媒流出穴の形状を示す正面及び側断面図。
【図10】一実施の形態における冷媒流出穴の配置を示す斜視図。
【図11】他の実施の形態における冷媒流出穴の配置を示す斜視図。
【図12】さらに他の実施の形態における冷媒流出穴の配置を示す斜視図。
【図13】一実施の形態における流入配管下端の油を逃がす構造図。
【図14】他の実施の形態における流入配管下端の油を逃がす構造図。
【図15】さらに他の実施の形態における流入配管下端の油を逃がす構造図。
【図16】さらに他の実施の形態における流入配管下端の油を逃がす構造図。
【図17】さらに他の実施の形態における流入配管下端の油を逃がす構造図。
【図18】さらに他の実施の形態における流入配管下端の油を逃がす構造図。
【図19】さらに他の実施の形態における流入配管下端の油を逃がす構造図。
【図20】一実施の形態における流入配管の配置及び冷媒流出穴から流出する冷媒の方向を示す上面及び側面図。
【図21】さらに他の実施の形態における流入配管形状を示す斜視図。
【図22】さらに他の実施の形態における流入配管形状を示す斜視図。
【図23】一実施の形態における冷媒流出穴径を説明する斜視図。
【図24】他の実施の形態における冷媒流出穴径を説明する斜視図。
【符号の説明】
10…容器上部、11…容器側面、12… 容器下部、13…流入配管、14…流出配管、17…冷媒流出穴、18…流入配管下端、23…閉止栓、25…仕切り板、54…円錐管、55…油抜き穴、56…油滴、57…ストロー管。

Claims (4)

  1. 容器に流入配管と流出配管を有した気液混合流体の気液分離器において、
    前記容器にほぼ垂直方向に挿入され、前記容器内の端部が閉止された前記流入配管と、前記前記流入配管の側面に設けられた流出穴と、を備え、
    前記流入配管の径は下端に行くに従い小さなる形状とされたことを特徴とする気液分離器。
  2. 請求項1に記載のものにおいて、前記流入配管の下端にたまった液を逃がす手段を設けたことを特徴とする気液分離器。
  3. 請求項1に記載のものにおいて、前記流出穴のから流出する流体の流出方向が前記流入配管に近接した前記容器壁面の接線方向となるようにしたことを特徴とする気液分離器。
  4. 請求項1に記載のものにおいて、前記流入配管は前記容器壁面側に配置され、前記流出配管は前記容器中央に配置されたことを特徴とする気液分離器。
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