JP2009092327A - 気液分離器及び空気調和器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器内の液面の乱れが減少して、液体から飛散する液滴が減少し、気液分離効率が向上した気液分離器を得る。
【解決手段】この発明に係る気液分離器20は、冷媒液と冷媒蒸気とを分離するもので、冷媒が冷媒流入配管2に流入した後に、冷媒蒸気は、冷媒液の一部とともに横穴5を通じて容器1内に吹き出された後、冷媒蒸気流出配管3を通じて外部に流出し、冷媒液の残りは、絞り穴10を通じて冷媒液流出配管4内に流下した後、外部に流出するようになっている。
【選択図】図1

Description

この発明は、気液分離器、及びそれを搭載した空気調和器に関するものである。
冷凍サイクルにおいて、凝縮器で凝縮された冷媒液は、膨張弁によって減圧され、冷媒蒸気と冷媒液が混在する気液二相状態となって蒸発器に流入する。冷媒が気液二相状態で蒸発器に流入すると、冷媒が蒸発器を通過する際の圧力損失が大きくなり、空気調和器のエネルギ効率が低下する。
このため、冷媒が蒸発器に流入する手前に、気液分離器を用いて冷媒蒸気を冷媒液から分離し、冷媒液のみを蒸発器に流すことにより、冷媒が蒸発器を通過する際の圧力損失を低減させ、空気調和器のエネルギ効率を向上させることができる。
従来の気液分離器として、例えば冷凍サイクルに使われる圧縮機から吐出される油を冷媒から分離する気液分離器が知られている(例えば特許文献1)。
この気液分離器では、流入配管と流出配管とを円筒形状の容器上部に取り付け、流入配管の側面に流出穴を形成することにより、流入配管を容器側面に取り付ける方法に比べて加工時間を節約している(例えば特許文献1)。
特許第3593594号公報(図16)
空気調和器において、この気液分離器を冷媒蒸気を冷媒液から分離するための分離器として搭載し、冷媒が蒸発器を通過する際の圧力損失を低減させようとした場合に、冷媒流入配管の下端部に形成された抜け穴から流出した冷媒液が、容器の底に溜まった冷媒液に、大きな下向きの速度成分をもって衝突してしまう。
その結果、容器の底に溜まった冷媒液の液面が大きく波立つため、液滴が液面から飛散し、冷媒蒸気とともにそのまま容器の外へ流出してしまい、気液分離効率が低下してしまうという問題点があった。
この発明は、かかる問題点を解決することを課題とするものであって、容器内の液面の乱れが減少して、液面から飛散する液滴が減少し、気液分離効率が向上した気液分離器を得ることを目的とする。
また、蒸発器を通過する際の圧力損失が低減され、エネルギ効率が向上した空気調和器を得ることを目的とする。
この発明に係る気液分離器は、容器と、この容器の頂壁を上下方向に貫通して設けられ、側面に穴が形成された流体流入配管と、この流体流入配管の直下に設けられた液体流出配管と、この液体流出配管と前記流体流入配管との間に設けられ、開口面積が流体流入配管の径と比較して小さい絞り穴を有する絞りと、前記容器の上部に設けられた気体流出配管とを備えている。
この発明に係る空気調和器は、気液分離器で、膨張弁から送られた冷媒を、冷媒液と冷媒蒸気とに分離し、分離された冷媒液は蒸発器に送られるようになっている。
この発明の気液分離器によれば、絞りの絞り穴を通過した液体は、液体流出配管内に流下し、液体が容器の底に溜まった液面に滴下することはなく、液面の乱れが減少して、液面から飛散する液滴が減少し、気液分離効率が向上するという効果がある。
また、この発明の空気調和器によれば、蒸発器を通過する際の圧力損失が低減され、エネルギ効率が向上するという効果がある。
以下、この発明の各実施の形態について図に基づいて説明するが、各図において同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における気液分離器20が搭載された空気調和器の冷凍サイクル図である。
この空調調和器では、冷房運転では、冷媒が、凝縮器である屋外熱交換器17で外気により冷却されて、凝縮される。凝縮された冷媒液は、膨張弁21で減圧され、冷媒蒸気と冷媒液が混在する気液二相状態となって気液分離器20に流入する。気液分離器20では冷媒蒸気と冷媒液とに分離され、冷媒液のみが蒸発器である屋内熱交換器18に流入する。この屋内熱交換器18では、冷媒は屋内から熱を奪って冷媒蒸気の相状態になり、四方弁19を通じて圧縮機16に流入する。冷媒蒸気は、圧縮機16で圧縮され、液相に相変化した後、再び屋外熱交換器17に流入する。
一方、気液分離器20で分離された冷媒蒸気は、バイパス配管25を通じて四方弁19の上流側で屋内熱交換器18からの冷媒蒸気と合流する。
このバイパス配管25には、電磁弁22、逆止弁24が取り付けられ、またバイパス配管25の下流には毛細管23が形成されている。
この空調調和器が暖房運転では、電磁弁22は閉じられ、また冷媒の流れ方向は、冷房運転との時と逆方向に流れる。
このときには、屋外熱交換器17が蒸発器として機能し、屋外から熱を奪い、屋内熱交換器18が凝縮器として機能して、熱を屋内に放出する。
図2は図1の気液分離器20を示す正面図である。
この気液分離器20は、円筒形状の容器1と、この容器1の頂壁1aの中心部を上下方向に貫通し冷房運転時に冷媒蒸気と冷媒液が混在した流体である冷媒が流入する冷媒流入配管2と、この冷媒流入配管2と同軸上に一体に形成されているとともに容器1の底壁1bを貫通し上記冷媒液が流出する冷媒液流出配管4と、容器1の側壁1cの上部を貫通し上記冷媒蒸気が流出する冷媒蒸気流出配管3と、この冷媒流入配管2と冷媒液流出配管4との境界部の内部に設けられた絞り9とを備えている。
図3は図2に示した、冷媒流入配管2及び冷媒液流出配管4を示す正面図である。
冷媒流入配管2及び冷媒液流出配管4は1本の配管を絞り加工することにより形成されており、冷媒液流出配管4の直径d3は、冷媒流入配管2の直径d2よりも大きい。
また、冷媒流入配管2には、容器1の底壁1bから冷媒流入配管2及び冷媒液流出配管4を貫通する際に、冷媒流入配管2が容器1から突出する長さを規定するための、径がd2からd1にさらに小さい冷媒流入配管絞り部13が形成されている。
冷媒流入配管2の側面には、容器1の上側に対向して油戻り穴14が形成され、油戻り穴14の下側には横穴5が2箇所間隔をあけて形成されている。
各横穴5は、容器1の側壁1cに対して略垂直に指向しており、横穴5から吹き出す冷媒は容器1の側壁1cに対して略垂直に衝突する。
冷媒液流出配管4の側面の中央部には、一箇所冷媒液が流通する流通穴11が形成されている。冷媒液流出配管4は、冷房運転時に冷媒蒸気を吸込まないようにするために、流通穴11が容器1の底壁1bにできるだけ接近するように容器1に取り付けされている。
図4は図3に示した絞り9を示す斜視図である。
絞り9は円柱形状をした単一部材であり、その中央部には上下方向に貫通した直径数mmの絞り穴10が形成されている。
絞り9は、直径d3の冷媒液流出配管4の下端部の開口部から直径d2に絞られた冷媒流入配管2の下端部まで挿入され、冷媒液流出配管4をかしめてくぼみ12を形成することで、冷媒流入配管2と冷媒液流出配管4との境界部に固定される。
なお、絞り穴10は、冷媒蒸気8が通過せず、冷媒液7cのみが通過するようにするために、例えば冷媒流入配管2の直径d2=6mmに対して、絞り穴10の直径は約2mmで、絞り穴10の直径は冷媒流入配管2の直径の1/3以下にすることが、好ましい。
次に、気液分離器20の動作について説明する。
空気調和器の冷房運転時においては、流体である冷媒は、気体である冷媒蒸気と液体である冷媒液の気液二相の状態で冷媒流入配管2に流入する。
冷媒流入配管2内では、図5に示すように、冷媒は、冷媒流入配管2の内壁面に沿って冷媒液7aが流下し、冷媒流入配管2の中央部を冷媒蒸気8が流下する。流下した冷媒液7aのうち、最初の横穴5及び次の横穴5を通過した冷媒液7aは、冷媒流入配管2内の冷媒蒸気8とともに、図5の矢印6に示すように、それぞれ横穴5を通じて冷媒流入配管2の外側に吹き出される。
そのうち、横穴5から吹き出された冷媒液7bは、容器1の側壁1cに対して略垂直に衝突した後冷媒液7dとなり、その後内壁面に沿って流下して、容器1の底に溜まった冷媒液7eに合流する。
また、横穴5から吹き出された冷媒流入配管2内の冷媒蒸気8aは、図2の点線で示すように上向き方向に進み、冷媒蒸気流出配管3を通って容器1から流出し、その後バイパス配管25を通じて四方弁19の上流側で屋内熱交換器18で冷媒液から相変化した冷媒蒸気と合流する。
一方、横穴5から吹き出さずに絞り9まで流下した冷媒液7aは、絞り穴10を通過して冷媒液流出配管4内に流入する。このとき、絞り穴10の開口面積は、横穴5の開口面積に比べて十分に小さいために、冷媒液7aのみが絞り穴10を通過し、冷媒蒸気8が絞り穴10を通過することはない。
冷媒液流出配管4と容器1とは流通穴11を介して連通しており、冷媒液流出配管4内では、容器1の底に溜まった冷媒液7eとほぼ同じ液面高さの冷媒液7fが溜まっている。この冷媒液7fに絞り穴10を通過した後の冷媒液7cが合流し、合流した冷媒液7f,7cは冷媒液流出配管4を通って、容器1から流出し、引き続き屋内熱交換器18に流入する。
また、空気調和器が暖房運転時には、冷媒配管内を流れる冷媒の方向は冷房運転時と逆方向であり、また電磁弁22は閉じられている。
気液分離器20では、凝縮器である屋内熱交換器18で凝縮された過冷却状態の冷媒液が、液単相の状態で冷媒液流出配管4から容器1に流入し、冷媒流入配管2から流出して蒸発器である屋外熱交換器17に送られる。
このとき、電磁弁22は閉じており、冷媒蒸気流出配管3から圧縮機16に通じる通路は閉止されている。
容器1内には、冷媒液流出配管4からの余剰の冷媒液が流通穴11を通じて、貯留される。この冷媒液には圧縮機16の潤滑油である冷凍機油が混入しており、容器1内では冷媒液に対して非相溶の冷凍機油による分離層が冷媒液上に形成される。この分離層に対応して冷媒流入配管2には油戻り穴14が形成されており、冷凍機油は油戻り穴14を通じて容器1から冷媒流入配管2内に流入し、冷媒配管を通じて圧縮機16に戻る。
以上説明したように、この実施の形態による気液分離器20によれば、冷媒流入配管2と冷媒液流出配管4との境界部に絞り9を設け、冷房運転時において、冷媒流入配管2内に流入した冷媒液は絞り9の絞り穴10を通じて冷媒液流出配管4に流れ込むようになっている。
このように、冷媒流入配管2から流出した冷媒液7cは、容器1の底に溜まった冷媒液7eに直接衝突することはなく、絞り9を通過した直後に冷媒液流出配管4に流れ込むために、冷媒液7cの滴下に起因した、容器1に溜まった冷媒液7eの液面の乱れが減少する。
従って、冷媒液7eの液面から飛散する液滴が減少し、飛散した液滴が上方向に速度成分を有する冷媒蒸気8aとともに冷媒蒸気流出配管3から容器1の外部に流出する現象は減少し、気液分離効率を向上させることができる。
また、絞り9を通過後の冷媒液7cは、横穴5から放出された冷媒蒸気8aと接することはない。
従って、冷媒液7cが冷媒蒸気8aにより冷媒液流出配管4を通じて屋内熱交換器18に運ばれることはなく、気液分離効率をさらに向上せることができる。
また、冷媒流入配管2及び冷媒液流出配管4は、1本の配管を絞り加工することで、一体に形成されており、容器1の頂壁1aと底壁1bとの2点で固定されている。
従って、容器1と、冷媒流入配管2及び冷媒液流出配管4との取り付け強度が高くなり、配管振動等に対する強度信頼性を高めることができる。
さらに、冷媒流入配管2及び冷媒液流出配管4を容器1にロウ付けする際の位置決め、及び加工が容易となる。
また、絞り9は単一部材であり、絞り穴10の穴加工を精度よく行うことができる。
また、冷媒液流出配管4の直径d3と冷媒流入配管2の直径d2とを変えることで、絞り9の位置を簡単に特定することができる。
さらに、絞り9の下側に対応した冷媒液流出配管4の部位をかしめることにより、確実に絞り9を冷媒液流出配管4に固定することができ、冷媒が流れる際に絞り9のガタつきによる騒音の発生を防止することができる。
また、冷媒流入配管2の側壁に形成した横穴5から吹き出す冷媒の方向が、容器1の内壁面に対して略垂直であり、横穴5から吹き出た冷媒液7bが容器1の内壁面に最短距離で衝突する。
従って、冷媒液7bが途中、上方向に進む冷媒蒸気8aにより運ばれ、冷媒蒸気8aとともに冷媒蒸気流出配管3を通じて外部に流出することが防止されるので、気液分離効率が向上する。
なお、上記実施の形態では、横穴5が2個形成されているが、1個以上形成されていればよく、穴の直径は任意である。
また、上記実施の形態では、冷媒蒸気流出配管3は、容器1の側壁1cの上部を貫通して形成されているが、冷媒蒸気流出配管3の端面と側壁1cの内壁面とが一致するように形成されていてもよい。
また、図6に示すように、冷媒流入配管2の直径d2と冷媒液流出配管4の直径d3とを等しくし、絞り9の上側と下側に対応した冷媒液流出配管4の2箇所の部位をかしめて、くぼみ12を形成することで、絞り9を冷媒液流出配管4の入口部に固定するようにしてもよい。
このものの場合には、冷媒流入配管2と冷媒液流出配管4とを同一径で加工することができるため、低コスト化を図ることができる。
また、図7に示すように、冷媒流入配管2と冷媒液流出配管4の境界部位に絞り加工を行って、絞り部15を設けることで、絞り穴10を形成するようにしてもよい。
このものの場合、単品である絞り9が不要となるため、部品点数を削減でき、さらなる低コスト化を実現できる。
また、図8に示すように、冷媒流入配管2の下側部の直径d2を、冷媒流入配管2の入口部の直径d1の約2倍の大きさにしてもよい。
このものの場合、図9に示すように、冷媒流入配管2の断面積が大きくなり、それに反比例して液膜の厚さが薄くなる。また、横穴5の開口面積の割合が、冷媒流入配管2の周側面面積に対して減少する。
従って、冷媒液7aのうち、横穴5から吹き出す冷媒液7bの流量が減少し、それだけ冷媒液7bが途中、上方向に進む冷媒蒸気8aにより運ばれ、冷媒蒸気8aとともに冷媒蒸気流出配管3を通じて外部に流出する量が低減するので、気液分離器20の気液分離効率が向上する。
なお、冷媒流入配管2の直径d2を大きくした場合に、横穴5の径も大きくすることで、横穴5から吹き出す冷媒の圧力損失や流動音を低減させるようにしてもよい。
また、図10に示すように、冷媒蒸気流出配管3を容器1の頂壁1aに取り付けてもよい。これにより、容器1の側壁1cの曲面における加工がなくなるため、冷媒蒸気流出配管3の加工が容易となる。
また、図11に示すように、冷媒流入配管2の横穴5から冷媒が吹き出す方向が、容器1の内壁面に対して接線方向となるように、冷媒流入配管2を容器1の内壁面に接近して設けるようにしてもよい。
このものの場合には、横穴5から吹き出す冷媒蒸気8a及び冷媒液7bは容器1内で旋回流を形成するが、冷媒蒸気8aと冷媒液7bとの密度差により、冷媒液7bは冷媒蒸気8aと比較して、より大きな遠心力が作用する、即ち冷媒液7bを容器1の内壁面側により大きな力が作用するので、それだけ冷媒液7bが途中、上方向に進む冷媒蒸気8aにより運ばれ、冷媒蒸気8aとともに冷媒蒸気流出配管3を通じて外部に流出する量が低減するので、気液分離器20の気液分離効率が向上する。
また、この実施の形態1の気液分離器20は、冷凍サイクルを構成する空気調和器に搭載されており、冷房運転時において、気液二相状態で流れる冷媒蒸気と冷媒液を分離し、冷媒液のみを蒸発器である屋内熱交換器18に流すことができるため、冷媒が屋内熱交換器18を通過する際の圧力損失を低減して、空気調和器のエネルギ効率を向上させることができる。
以下、空気調和器のエネルギ効率が向上することについて、冷凍サイクルの圧力とエンタルピとの関係を示す図12を用いて詳述する。
図12中のAからFの点は、図1中の冷凍サイクルにおける点AからFにそれぞれ対応する。
冷房運転において、気液分離器20を用いて気液分離を行わない場合には、電磁弁22を閉じ、バイパス配管25に冷媒が流れないようにする。
この場合には、圧縮機16により高圧になった冷媒(A点)は、屋外熱交換器17で凝縮される(B点)。その後、膨張弁21で減圧された後(C’点)、屋内熱交換器18で蒸発し(D’点)、四方弁19を通って、圧縮機16に戻る。
一方、この実施の形態1に示す気液分離器20を用いて気液分離をする場合には、電磁弁22を開にして、バイパス配管25上を冷媒蒸気が流れるようにする。圧縮機16により高圧になった冷媒(A点)は、屋外熱交換器17で凝縮されて(B点)、膨張弁21で減圧された後(C’点)、気液分離器20で冷媒蒸気と冷媒液に分離される。冷媒液(C点)は、屋内熱交換器18で蒸発し、冷媒蒸気(F点)は、電磁弁22、逆止弁24、毛細管23からなるバイパス配管25上を通り、D点で両者が合流する。合流した冷媒は、四方弁19を通って圧縮機16へ戻る。
図12から分かるように、この実施の形態1の気液分離器20を冷凍サイクルに搭載した場合、冷媒が蒸発器を通過する際の圧力損失(D点からC点の圧力差)を、気液分離器を搭載しない場合の圧力差(D’点からC’点の圧力差)よりも小さくすることができる。これにより、圧縮機16の吸入圧力が、D’点からD点に上昇し、圧縮機16が吸入圧力から吐出圧力(A点)まで圧縮するのに必要な仕事が減少するため、空気調和器のエネルギ効率が向上する。
なお、この実施の形態1に示した気液分離器20を、エジェクタを用いた冷凍サイクルに搭載した場合、空気調和器をコンパクトにできるとともに、エネルギ効率を向上させることができる。
実施の形態2.
図13はこの発明の実施の形態2の気液分離器20を示す正面図である。
この実施の形態では、冷媒流入配管2と冷媒液流出配管4とは、別部材で構成されている。
冷媒流入配管2は、例えば下端部をクロージング加工し、穴加工することで、絞り穴10を有する絞り9が形成される。冷媒液流出配管4は、絞り穴10の下流直下に設けられている。
その他の構成は、図10に示した気液分離器20と同じである。
また、気液分離器20の動作も図10に示した気液分離器20と同じである。
この実施の形態では、冷媒流入配管2の下端部に絞り9を設け、絞り9を通過した冷媒液7cを、容器1の底に溜まった冷媒液7eに衝突することなく、すぐに冷媒液流出配管4に流れ込むようにしたため、容器1に溜まった冷媒液7eの液面の乱れが減少し、冷媒液7eから飛散する液滴が減少し、気液分離効率を向上させることができる。
また、冷媒流入配管2の下端部をクロージング加工して、穴加工することにより、絞り穴10を有する絞り9を形成することができるため、加工が容易となる。
また、絞り穴10を形成するための別部材が不要となるため、低コスト化を図ることができる。
なお、ここでは、冷媒流入配管2と冷媒液流出配管4を別体のままとしたが、冷媒流入配管2の下端部をクロージング加工した後に、冷媒液流出配管4とロウ付けしても構わない。
このとき、実施の形態1と同様に、容器1の頂壁1aと底壁1bの2点で固定することができるため、容器1と冷媒流入配管2、冷媒液流出配管4の取り付け強度が高くなり、配管振動などに対する強度信頼性を高めることができる。
さらに、冷媒流入配管2と冷媒液流出配管4を容器1にロウ付けする際の位置決め、及び加工が容易となる。
なお、上記実施の形態1,2では、空気調和器に搭載され、冷媒液と冷媒蒸気とを分離する気液分離器20について説明したが、勿論このものに限定されない。
例えば、圧縮機の下流側に配置して、圧縮機から冷凍サイクルに流出した冷媒蒸気から冷凍機油を分離し、冷凍機油を圧縮機に戻すための油分離器としてこの気液分離器を用いることができる。
このものの場合には、圧縮機の潤滑性を高めることができるとともに、冷媒に混じって冷凍サイクルに流出する冷凍機油の量を低減できるため、蒸発器や凝縮機の伝熱性能が向上し、空調機のエネルギ効率を高めることができる。
この発明の実施の形態1による気液分離器を空気調和器に搭載したときの冷凍サイクル図である。 図1の気液分離器を示す正面図である。 図2の冷媒流入配管及び冷媒蒸気流出配管を示す正面図である。 図2の絞りを示す斜視図である。 図3のV−V線に沿った矢視断面図である。 この発明の実施の形態1による冷媒流入配管及び冷媒蒸気流出配管の変形例を示す正面図である。 この発明の実施の形態1による冷媒流入配管及び冷媒蒸気流出配管の他の変形例を示す正面図である。 この発明の実施の形態1による冷媒流入配管及び冷媒蒸気流出配管の更に他の変形例を示す正面図である。 図8のIX−IX線に沿った矢視断面図である。 この発明の実施の形態1による気液分離器の変形例を示す正面図である。 この発明の実施の形態1による気液分離器の他の変形例を示す正面図である。 この発明の実施の形態1による気液分離器を冷凍サイクルに搭載したときの冷凍サイクルの圧力とエンタルピとの関係を示す図である。 この発明の実施の形態2による気液分離器を示す正面図である。
符号の説明
1 容器、2 冷媒流入配管(流体流入配管)、3 冷媒蒸気流出配管(気体流出配管)、4 冷媒液流出配管(液体流出配管)、5 横穴、7a〜7e 冷媒液、8 冷媒蒸気、9 絞り、10 絞り穴、11 流通穴、12 くぼみ、13,15 絞り部、14 油戻り穴、16 圧縮機、17 屋外熱交換器、18 屋内熱交換器、19 四方弁、20 気液分離器、21 膨張弁、22 電磁弁、23 毛細管、24 逆止弁、25 バイパス配管。

Claims (8)

  1. 容器と、
    この容器の頂壁を上下方向に貫通して設けられ、側面に穴が形成された流体流入配管と、
    この流体流入配管の直下に設けられた液体流出配管と、
    この液体流出配管と前記流体流入配管との間に設けられ、開口面積が流体流入配管の径と比較して小さい絞り穴を有する絞りと、
    前記容器の上部に設けられた気体流出配管とを備えたことを特徴とする気液分離器。
  2. 前記流体流入配管と前記液体流出配管とは一体であることを特徴とする請求項1に記載の気液分離器。
  3. 前記流体流入配管と前記絞りとが一体であることを特徴とする請求項1〜2の何れか1項に記載の気液分離器。
  4. 前記絞りは、前記流体流入配管の下端部を絞り加工することで形成されていることを特徴とする請求項3に記載の気液分離器。
  5. 前記流体流入配管は、前記穴が形成された部位の断面積が前記頂壁に接する部位の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の気液分離器。
  6. 前記穴は、前記容器の内壁面に対して略垂直で指向していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の気液分離器。
  7. 前記穴は、前記容器の内側面に対して略接線方向に指向していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の気液分離器。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の気液分離器が搭載されたことを特徴とする空気調和器。
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